JP2010048123A - 車両用電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、スタータの作動に伴って生ずるバッテリ電圧の低下を補償する容量素子の個数を減らすことができる、車両用電源装置の提供を目的とする。
【解決手段】バッテリ3に直列接続され、スタータ1の定常動作電流によるバッテリ3の電圧低下分を補償可能なキャパシタ群11と、キャパシタ群11に直列接続され、スタータ1の突入電流によるバッテリ3の電圧低下分から定常動作電流によるバッテリの電圧低下分を差し引いた分を補償できるだけのキャパシタ群12と、バッテリ3から負荷4への放電を可能にする放電経路31と、キャパシタ群11のキャパシタ群12側の電極から負荷4への放電を可能にする放電経路32と、キャパシタ群12のキャパシタ群11側と反対側の電極から負荷4への放電を可能にする放電経路33と、放電経路31,32,33の中で最も電圧が高い放電経路からの放電を許可するダイオード21,22とを備える、車両用電源装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のエンジンを始動させるスタータの電源であるバッテリの電力を前記車両に搭載される電気負荷に供給する車両用電源装置に関する。
従来、エンジンの始動時にキャパシタ電圧をバッテリ電圧に加えて負荷に印加することにより、バッテリの電圧低下を補うことができる、エンジン始動用電源装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−148310号公報
ところで、スタータの作動電流は、起動時の過渡電流と起動後の定常動作電流に分けられるため、過渡電流による電圧降下を補償するキャパシタと定常動作電流による電圧降下を補償するキャパシタとを分けて構成する場合がある。
しかしながら、低温になるにつれてキャパシタ等の容量素子の等価直列抵抗(ESR)が大きくなることにより、バッテリ電圧を補償する際の容量素子の出力電圧は小さくなってしまうため、低温時であってもバッテリの電圧低下を十分に補償できるように、容量素子の個数を常温時の必要個数よりも増やさなければならなかった。
そこで、本発明は、スタータの作動に伴って生ずるバッテリ電圧の低下を補償する容量素子の個数を減らすことができる、車両用電源装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る車両用電源装置は、
車両のエンジンを始動させるスタータの電源であるバッテリの電力を前記車両に搭載される電気負荷に供給する車両用電源装置であって、
前記バッテリの正極側に直列接続され、前記スタータの起動後の定常動作電流による前記バッテリの電圧低下分を補償可能な容量を有する第1の容量素子群と、
前記第1の容量素子群に前記バッテリと反対側で直列接続され、前記スタータの起動時の突入電流による前記バッテリの電圧低下分から前記スタータの起動後の定常動作電流による前記バッテリの電圧低下分を差し引いた分を補償できるだけの容量を有する第2の容量素子群と、
前記バッテリの正極から前記電気負荷への放電を可能にする第1の放電経路と、
前記第1の容量素子群の両端の電極のうち前記第2の容量素子群が直列接続される側の電極から前記電気負荷への放電を可能にする第2の放電経路と、
前記第2の容量素子群の両端の電極のうち前記第1の容量素子群が直列接続される側と反対側の電極から前記電気負荷への放電を可能にする第3の放電経路と、
前記第1放電経路の電圧と前記第2の放電経路の電圧と前記第3の放電経路の電圧との比較により、最も電圧が高い放電経路からの放電を許可する許可手段とを備えることを特徴とするものである。
ここで、前記第1の容量素子群と前記第2の容量素子群は、前記バッテリと並列接続した状態で前記バッテリによって充電された後に、前記バッテリとの並列接続から直列接続に切り替えられると好適である。
また、前記第1の容量素子群と前記第2の容量素子群は、前記スタータの作動指令により生ずる信号に従って、前記バッテリとの並列接続から直列接続に切り替えられると好適である。
本発明によれば、スタータの作動に伴って生ずるバッテリ電圧の低下を補償する容量素子の個数を減らすことができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。図1は、本発明の第1の実施形態である車両用電源装置100を備えた車両用電源システムの構成図である。車両には、オルタネータ2やバッテリ3を電源とする電気負荷4が複数搭載されている。車載の電気負荷4として、例えば、ブロアモータなどを備える空調装置、アンプなどを備える音響装置、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)、ソレノイドバルブが挙げられる。オルタネータ2やバッテリ3は、放電経路である電源ライン31を介して、所定の電圧系(例えば、12V系)の電気負荷4に電力を供給する。バッテリ3等の電源と電気負荷4との間の給電経路に車両用電源装置100が設けられている。また、バッテリ3等の電源と電気負荷4との間に、昇圧手段や降圧手段が設けられてもよい。具体例として、DC−DCコンバータが挙げられる。
オルタネータ2は、車両を走行させるためのエンジンを動力源とする発電機であって、エンジンの出力によって発電を行う。オルタネータ2で発生した電力によって、電気負荷4が動作したり、バッテリ3が充電されたりする。また、オルタネータ2は、発電手段であればよいので、例えば、発電機の機能と回生制御可能なモータの機能の両方を備えるモータ/ジェネレータ(いわゆる、MG)であってもよい。例えば、MGは、車両減速時に回生制御することによって、バッテリ3に充電をすることができる。
バッテリ3も、オルタネータ2と同様に、電源ライン33を介して電気負荷4に電力を供給する。バッテリ3は、オルタネータ2が停止している時やオルタネータ2の電力供給能力が足りない時などに電気負荷4に電力を供給することが可能であり、また、エンジンを始動させるためのスタータモータ1に電力を供給する。バッテリ3の具体例として、鉛バッテリ、ニッケル水素電池、リチウムイオンバッテリ、電気二重層キャパシタなどが挙げられる。
スタータモータ1は、バッテリ3から電力供給を受けてエンジンを始動させるエンジン始動手段である。スタータモータ1を始動させる始動制御信号に従ってバッテリ3からスタータモータ1への電力供給が開始され、通電したスタータモータ1が回転することによってフライホイールを介してエンジンのクランクシャフトが回転し、エンジンが始動する。エンジンの始動が完了すると、バッテリ3からスタータモータ1への電力供給は停止する。
図3は、スタータモータ1の作動に伴うバッテリ3の電圧の変化を表す図である。図3によれば、スタータモータ1が作動し始めると、スタータモータ1の非作動時には通常12V程度のバッテリ3のバッテリ電圧は、数10ms間のロック電流によって約6V程度まで低下している(期間T2)。その後、スタータモータ1が回転し始め、スタータモータ1の動作電流が減少し、バッテリ電圧もスタータモータ1の非作動時より低い10V程度の電圧まで戻る(期間T3)。そして、スタータモータ1への通電が終了すると、バッテリ電圧もスタータモータ1の非作動時の電圧以上のレギュレートされた電圧に回復する(期間T4)。
ここで、図3に示されるように、スタータモータ1の動作期間は、バッテリ電圧の変化態様の違いによって、スタータモータ1の始動に伴う突入電流が流れている過渡突入期間T2とスタータモータ1の突入電流後の定常動作電流が流れている定常動作期間T3に分けられる。しかしながら、突入電流は定常動作電流より大きいことにより過渡突入期間T2におけるバッテリ3の電圧降下は定常動作期間T3におけるバッテリ3の電圧降下に比べ大きいため、特に電圧低下の大きい過渡突入期間T2において、バッテリ電圧が電気負荷4の最低作動電圧以下になってしまうと、ブロアモータの回転低下、オーディオ動作の雑音、電子機器のリセットなどの電気負荷4の動作不良が発生するおそれがある。そこで、スタータモータ1の動作期間のバッテリ電圧の変化に着目して、本発明に係る電源装置100は、過渡突入期間T2とその期間後の定常動作期間T3でのバッテリ電圧の低下分を補償するキャパシタを切り替えることによって、バッテリ電圧の低下による電気負荷4の動作不良の発生を抑えつつ、当該キャパシタの個数の削減が図られている。
電源装置100の詳細構成について説明する。電源装置100は、バッテリ3の正極側に直列接続され、スタータモータ1の起動後の定常動作電流によるバッテリ3の電圧低下分を補償する電圧を発生できる容量を総容量として有する第1の容量素子群であるキャパシタ群11(一つのキャパシタ又は直列に接続された複数のキャパシタから構成)と、キャパシタ群11がバッテリ3と直列接続される側の反対側でキャパシタ群11に直列接続され、スタータモータ1の起動時の突入電流によるバッテリ3の電圧低下分からスタータモータ1の起動後の定常動作電流によるバッテリ3の電圧低下分を差し引いた分を補償できるだけの電圧を発生する容量を総容量として有する第2の容量素子群であるキャパシタ群12(一つのキャパシタ又は直列に接続された複数のキャパシタから構成)と、バッテリ3の正極から電気負荷4への放電を可能にする第1の放電経路である電源ライン31と、キャパシタ群11の両端の2つの電極のうちキャパシタ群12が直列接続される側の電極から電気負荷4への放電を可能にする第2の放電経路である電源ライン32と、キャパシタ群12の両端の2つの電極のうちキャパシタ群11が直列接続される側の電極と反対側の電極から電気負荷4への放電を可能にする第3の放電経路である電源ライン33と、電源ライン31の電圧と電源ライン32の電圧と電源ライン33の電圧とを比較して、最も電圧が高い電源ラインからの放電を許可する許可手段であるダイオードOR回路(ダイオード21,22から構成)とを備える。図1は、キャパシタ群11とキャパシタ群12がバッテリ3の正極側に直列接続に切り替えられた状態で図示されている。また、図1は、キャパシタ群11とキャパシタ群12が共に2個のキャパシタから構成されている例を示している。各キャパシタ群を構成するキャパシタの個数の選定については、後述する。
以下、キャパシタ群11の両端の2つの電極のうち、バッテリ3の正極側で直列接続される側の電極を「キャパシタ群11の第1の電極」といい、キャパシタ群12が直列接続される側の電極を「キャパシタ群11の第2の電極」という。つまり、図1の場合、キャパシタ群11の第1の電極は、キャパシタ11aのバッテリ3の正極側の電極に相当し、キャパシタ群11の第2の電極は、キャパシタ11bのキャパシタ群12側の電極に相当する。また、キャパシタ群12の両端の2つの電極のうち、キャパシタ群11が直列接続される側の電極を「キャパシタ群12の第1の電極」といい、キャパシタ群11が直列接続される側と反対側の電極を「キャパシタ群12の第2の電極」という。つまり、図1の場合、キャパシタ群12の第1の電極は、キャパシタ12aのキャパシタ群11側の電極に相当し、キャパシタ群12の第2の電極は、キャパシタ12bのキャパシタ群11側の反対側の電極に相当する。
キャパシタ群11は、図3の定常動作期間T3におけるバッテリ電圧の低下を補償する電圧確保用の素子である。したがって、キャパシタ群11が補償すべき電圧は、スタータモータ1の作動に伴い定常動作期間T3に発生するバッテリ3の電圧低下分に基づいて決定されるとよい。例えば、キャパシタ群11が補償すべき電圧は、スタータモータ1の非作動時のバッテリ3の通常電圧からのバッテリ3の定常動作期間T3における電圧低下分△VD3に設定されればよい。
一方、キャパシタ群12は、キャパシタ群11と直列接続させることによりキャパシタ群12が補償すべき電圧を底上げできることを利用して、図3の過渡突入期間T2におけるバッテリ電圧の低下を補償する電圧確保用の素子である。つまり、過渡突入期間T2において電圧低下の補償に必要な電圧を、キャパシタ群12の出力電圧をキャパシタ群11の出力電圧に上乗せすることによって確保する。このような上乗せ構成にすることによって、過渡突入期間T2において電圧低下の補償に必要な電圧をキャパシタ群12単独で賄う場合に比べて、キャパシタ群12に必要とされるキャパシタの個数を削減することができる。したがって、キャパシタ群12が補償すべき電圧は、スタータモータ1の始動に伴い過渡突入期間T2に発生するバッテリ3の電圧低下分からスタータモータ1の作動に伴い定常動作期間T3に発生するバッテリ3の電圧低下分を差し引いた分に基づいて決定されるとよい。例えば、キャパシタ群12が補償すべき電圧は、スタータモータ1の非作動時のバッテリ3の通常電圧からのバッテリ3の過渡突入期間T2における電圧低下分△VD2からスタータモータ1の非作動時のバッテリ3の通常電圧からのバッテリ3の定常動作期間T3における電圧低下分△VD3を差し引いた分(△VD2−△VD3)に設定されればよい。
また、キャパシタ群11の第1の電極の接続先を、電源ライン31側とグランド側とに選択的に切り替える切替手段として、スイッチ40が設けられている。キャパシタ群11とキャパシタ群12は、スイッチ40によってキャパシタ群11の第1の電極の接続先がグランド側に切り替えられることによって、バッテリ3と並列接続した状態となり、この並列接続状態でバッテリ3によって自ずと充電される。つまり、バッテリ3の陽極側の放電経路である電源ライン31が、キャパシタ群12の第2の電極側の放電経路である電源ライン33をカソード側とするダイオード21を介して電源ライン33(キャパシタ群12の第2の電極)に接続されているので、スイッチ40によってグランド側に切り替えられることによって、ダイオード21を介して、キャパシタ群11とキャパシタ群12は、充電される。キャパシタ群11とキャパシタ群12を充電するための電源はバッテリ3以外のものでもよいが、キャパシタ群11とキャパシタ群12を充電するための電源をバッテリ3とすることによって、簡易な回路で充電することができる。
また、キャパシタ群11とキャパシタ群12は、スイッチ40によってキャパシタ群11の第1の電極の接続先が電源ライン31側に切り替えられることによって、バッテリ3の陽極側の電源ライン31上の点P1において直列接続した状態となり、この直列接続状態でバッテリ3の電圧低下を補償する。直列接続に切り替えた時点では、キャパシタ群11とキャパシタ群12の充電は完了しているのがよい。
スイッチ40は、スタータモータ1の作動指令により生ずるスタータ動作信号に従って、キャパシタ群11の第1の電極の接続先を切り替える切り替え動作を行う。このスタータ動作信号は、スタータモータ1の作動指令からスタータモータ1が始動するまでに生ずるスタータ始動前信号でもよいし、スタータモータ1の始動により生ずるスタータ始動後信号でもよい。
スタータ始動前信号は、スタータモータ1の作動を予測することが可能な信号であって、例えば、スタータモータ1の作動指令信号(より具体的には、ユーザからの操作信号やコンピュータ等の電子機器からの指令信号)や、スタータモータ1の作動に要する制御信号、スタータモータ1の作動指令に伴い生ずる制御信号などが挙げられる。スタータ始動前信号は、過渡突入期間T2前の期間T1(例えば、100ms以上400ms以下の期間)における信号である。
また、スタータ始動後信号は、スタータモータ1が実際に作動したことを検知可能な信号であって、例えば、スタータモータ1の作動開始の検知信号や、スタータモータ1の作動により低下したバッテリ電圧やバッテリ電流の検知信号などが挙げられる。スタータ始動後信号は、過渡突入期間T2における信号であって、バッテリ電圧VDが低下しきる前の信号であるのがよい。
スタータ動作信号は、制御手段としてのコントローラ70に入力される。コントローラ70は、例えばマイクロコンピュータや論理回路などによって構成される。コントローラ70は、スタータ動作信号を検知することによって、キャパシタ群11の第1の電極の接続先をグランド側から電源ライン31側に切り替えるようにスイッチ40を駆動する。
次に、電源装置100の動作について説明する。電源装置100のスイッチ40の接点は、初期状態として、端子40bに切り替えられている。これにより、電源ライン31とダイオード21とを介してキャパシタ群11が補償すべき電圧に充電され、電源ライン31とダイオード21とを介してキャパシタ群12が補償すべき電圧に充電される。
そして、コントローラ70にスタータ動作信号が入力されると、コントローラ70は、スイッチ40の接点を、端子40aに切り替える。端子40aに切り替えられることによって、キャパシタ群12とキャパシタ群11は、電源ライン31上の点P1でバッテリ3の正極側でバッテリ3に直列接続されることになる。
したがって、スイッチ40によって並列接続から直列接続に切り替えられた時点で、ダイオード21及び22のカソード側に接続される電源ライン33には、バッテリ3のバッテリ電圧VDにキャパシタ群11の電圧V1とキャパシタ群12の電圧V2とを加えた第1の加算電圧(VD+V1+V2)が発生し、ダイオード22のアノード側の電源ライン32には、バッテリ電圧VDにキャパシタ群11の電圧V1を加えた第2の加算電圧(VD+V1)が発生することになる。また、ダイオード21のアノード側の電源ライン31の電圧は、バッテリ3の電圧VDに等しい。
図1に示されるように、ダイオード21,22でダイオードOR回路が構成されているので、電源ライン33及び各ダイオードのアノード側の電源ライン(31,32)の中で電圧が一番高い電源ラインから電気負荷4への放電が許可されることになる。したがって、電源ライン31,32,33のうち、電源ライン33を介してキャパシタ群12から放電が始まり、放電によりキャパシタ群12の電圧が低下する結果、電源ライン33の電圧も低下する。キャパシタ群12の電圧低下により電源ライン33の電圧が電源ライン32の電圧(VD+V1)に等しくなると(ダイオード22の電圧分を無視)、電源ライン33を介してのキャパシタ群12からの放電が終了し電源ライン32を介してのキャパシタ群11からの放電が始まり、放電によりキャパシタ群11の電圧が低下する結果、電源ライン33,32の電圧も低下する。キャパシタ群11の電圧低下により電源ライン33,32の電圧が電源ライン31の電圧VDに等しくなると(つまり、キャパシタ群11からの放電も終了すると)、電源ライン31を介してのバッテリ3からの放電に切り替わる。
したがって、過渡突入期間T2でのバッテリ電圧VDの低下はキャパシタ群11の出力電圧とキャパシタ群12の出力電圧との加算電圧で補償し、定常動作期間T3でのバッテリ電圧VDの低下はキャパシタ群11の出力電圧で補償することができるので、スタータモータ1の作動に伴うバッテリ電圧VDの低下による電気負荷4の動作不良の発生を抑えることができる。
なお、電源装置100は、ダイオードOR回路の出力電圧を電気負荷4の所定の印加許容電圧に調整する調整手段として、定電圧回路80を備えてもよい。調整手段として定電圧回路80を構成することによって、図3の期間T1において、スイッチ40によりキャパシタ群11と12をバッテリ3に直列接続することによりバッテリ3とキャパシタ群11と12との加算電圧を電気負荷4に印加する場合に、キャパシタ群11と12の電圧値が大きいことにより、電気負荷4の印加許容電圧を超える高電圧が電気負荷4に印加されることを防ぐことができる。すなわち、キャパシタ群11と12をバッテリ3との直列接続に切り替えても、その切り替えに伴う電気負荷4の印加電圧の変動を抑えることができる。
定電圧回路80は、定電圧回路80の出力電圧をフィードバックすることによって、定電圧回路80の入力電圧を昇圧又は降圧した一定の印加許容電圧を定電圧回路80の出力電圧として出力する安定化回路である。定電圧回路80の電圧調整は、例えば、コントローラ70によって又は自律的に制御されるとよい。
図2は、本発明の第2の実施形態である車両用電源装置200を備えた車両用電源システムの構成図である。図1の車両用電源装置100と同様の構成については、その説明を省略する。
図2の場合も図1の場合と同様に、キャパシタ群11は、図3の定常動作期間T3におけるバッテリ電圧の低下を補償する電圧確保用の素子であり、キャパシタ群12は、キャパシタ群11と直列接続させることによりキャパシタ群12が補償すべき電圧を底上げできることを利用して、図3の過渡突入期間T2におけるバッテリ電圧の低下を補償する電圧確保用の素子である。キャパシタ群11,12が補償すべき電圧の設定方法についても、図1の場合と同様である。
キャパシタ群12の第2の電極の接続先を、電源ライン33側とグランド側とに選択的に切り替える切替手段として、スイッチ40が設けられている。キャパシタ群11とキャパシタ群12は、スイッチ40によってキャパシタ群12の第2の電極の接続先がグランド側に切り替えられることによって、バッテリ3と並列接続した状態となり、この並列接続状態でバッテリ3によって自ずと充電される。つまり、バッテリ3の陽極側の放電経路である電源ライン31が、キャパシタ群11の第1の電極に接続されているので、スイッチ40によってグランド側に切り替えられることによって、キャパシタ群11とキャパシタ群12は、充電される。
また、キャパシタ群11とキャパシタ群12は、スイッチ40によってキャパシタ群12の第2の電極の接続先が電源ライン33側に切り替えられることによって、バッテリ3の陽極側の電源ライン31上の点P1において直列接続した状態となり、この直列接続状態でバッテリ3の電圧低下を補償する。直列接続に切り替えた時点では、キャパシタ群11とキャパシタ群12の充電は完了しているのがよい。
次に、電源装置200の動作について説明する。電源装置200のスイッチ40の接点は、初期状態として、端子40bに切り替えられている。これにより、キャパシタ群11が補償すべき電圧に充電され、キャパシタ群12が補償すべき電圧に充電される。
そして、コントローラ70にスタータ動作信号が入力されると、コントローラ70は、スイッチ40の接点を、端子40aに切り替える。端子40aに切り替えられることによって、キャパシタ群12とキャパシタ群11は、電源ライン31上の点P1でバッテリ3の正極側でバッテリ3に直列接続されることになる。
したがって、スイッチ40によって並列接続から直列接続に切り替えられた時点で、ダイオード22のカソード側に接続される電源ライン33には、バッテリ3のバッテリ電圧VDにキャパシタ群11の電圧V1とキャパシタ群12の電圧V2とを加えた第1の加算電圧(VD+V1+V2)が発生し、ダイオード22のアノード側の電源ライン32には、バッテリ電圧VDにキャパシタ群11の電圧V1を加えた第2の加算電圧(VD+V1)が発生することになる。また、ダイオード21のアノード側の電源ライン31の電圧は、バッテリ3の電圧VDに等しい。
図2に示されるように、ダイオード21,22でダイオードOR回路が構成されているので、上述と同様に、電源ライン33とダイオード21のアノード側の電源ライン31とダイオード22のアノード側の電源ライン32との中から電圧の高いほうの電源ラインから電気負荷4への放電が許可されることになる。
したがって、過渡突入期間T2でのバッテリ電圧VDの低下はキャパシタ群11の出力電圧とキャパシタ群12の出力電圧との加算電圧で補償し、定常動作期間T3でのバッテリ電圧VDの低下はキャパシタ群11の出力電圧で補償することができるので、スタータモータ1の作動に伴うバッテリ電圧VDの低下による電気負荷4の動作不良の発生を抑えることができる。
また、電源装置100,200のキャパシタ群11とキャパシタ群12は、バッテリ3との並列接続状態にスイッチ40によって切り替えられることによって充電されることになるが、この並列接続状態では、電気負荷4の消費電流の大きさによっては、電気負荷4に対して放電することもできる。つまり、この並列接続状態では、バッテリ4からの放電に加え、キャパシタ群11とキャパシタ群12からの放電も可能となる。
続いて、具体的数値を挙げて、上述の本発明に係る電源装置のキャパシタ群11,12に必要なキャパシタの個数について説明する。図4は、キャパシタ群C1,C2を構成するキャパシタのモデル図である。図5は、キャパシタ群C1,C2とバッテリ3との接続例を示した図である。ここでは、
図5(a):過渡突入期間T2におけるバッテリ3の電圧低下分△VD2をバッテリ3に並列接続されたキャパシタ群C1のみで補償し、定常動作期間T3におけるバッテリ3の電圧低下分△VD3をバッテリ3に並列接続されたキャパシタ群C2のみで補償するという、スタータモータ1の作動期間全体にわたるバッテリ3の電圧低下分をキャパシタ群C1とC2で独立に補償する場合と、
図5(b):低温時のESRの増加を考慮したときの図5(a)の場合と、
図5(c):過渡突入期間T2におけるバッテリ3の電圧低下分△VD2をバッテリ3に直列接続されたキャパシタ群C1(11),C2(12)で補償し、定常動作期間T3におけるバッテリ3の電圧低下分△VD3をバッテリ3に直列接続されたキャパシタ群C2(12)で補償する場合(本発明の場合)と、
を比較し、キャパシタ群C1,C2に要求されるキャパシタの個数について説明する。
個数比較のための演算の条件として、
スタータモータ1の非作動時の期間T1におけるバッテリ電圧VD: 12[V]
過渡突入期間T2でのバッテリ電圧VDの最低値: 6[V]
定常動作期間T3でのバッテリ電圧VD: 10[V]
スタータモータ1の作動期間TA: T2+T3
キャパシタ群C1(11)の総容量:80[F]
キャパシタ群C1(11)の常温時のESR:8[mΩ]
キャパシタ群C1(11)の低温時のESR:40[mΩ](常温時の5倍)
キャパシタ群C2(12)の総容量:4[F]
キャパシタ群C2(12)の常温時のESR:20[mΩ]
キャパシタ群C2(12)の低温時のESR:100[mΩ](常温時の5倍)
キャパシタ群の放電電流I:20[A](作動期間TAにおいて一定値とする)
キャパシタ群を構成するキャパシタの耐圧Vr: 2.5[V](電気二重層の場合)
とする。なお、過渡突入期間T2は定常動作期間T3より十分短いため(例えば、T2=50[ms],T3=2[s])、過渡突入期間T2で必要なキャパシタの容量は定常動作期間T3で必要なキャパシタの容量に比べて小さく設定している。例えば、過渡突入期間T2で必要なキャパシタの容量は、スタータのロック期間(過渡突入期間T2)が終了する時にキャパシタのエネルギーが無くなるように設定されるとよい。また、ESRは、小容量のキャパシタほど大きくなる特徴を有している。
また、キャパシタ群が補償すべき電圧Vcとそのキャパシタ群に含まれるキャパシタの個数nは、同じ耐圧のキャパシタで構成されたキャパシタ群で電圧低下を補償する場合、ESRによるキャパシタの電圧低下を考慮すると、
(Vr−ESR×I)×n≧Vc・・・(1)
という関係が成立しなければならない。
・図5(a)の場合(本発明との比較例):
キャパシタ群C1に含まれるキャパシタの必要個数nは、定常動作期間T3においてバッテリ電圧VDが12Vから10Vまで低下しているので、式(1)に基づいて、「(2.5−0.008×20)×n≧2(=12−10)」により、n≧0.85、すなわち1個となる。
キャパシタ群C2に含まれるキャパシタの必要個数nは、過渡突入期間T2においてバッテリ電圧VDが12Vから6Vまで低下しているので、式(1)に基づいて、「(2.5−0.02×20)×n≧6(=12−6)」により、n≧2.5、すなわち3個となる。
・図5(b)の場合(本発明との比較例):
キャパシタ群C1に含まれるキャパシタの必要個数nは、定常動作期間T3においてバッテリ電圧VDが12Vから10Vまで低下しているので、式(1)に基づいて、「(2.5−0.04×20)×n≧2(=12−10)」により、n≧1.17、すなわち2個となる。
キャパシタ群C2に含まれるキャパシタの必要個数nは、過渡突入期間T2においてバッテリ電圧VDが12Vから6Vまで低下しているので、式(1)に基づいて、「(2.5−0.1×20)×n≧6(=12−6)」により、n≧12、すなわち12個となる。
・図5(c)の場合(本発明):
キャパシタ群11に含まれるキャパシタの必要個数nは、低温時を考慮して、図5(b)の場合と同様に考えて、2個となる。したがって、キャパシタ群11が補償できる電圧Vcは、式(1)に基づいて、(2.5−0.04×20)×2=3.4Vとなる。
キャパシタ群12に含まれるキャパシタの必要個数nは、上述の本発明に係る直列構成によって、キャパシタ分12が補償すべき電圧をキャパシタ群11が補償できる電圧で一部賄うことができるので、低温時を考慮して、式(1)に基づいて、「(2.5−0.1×20)×n≧2.6(=6−3.4)」により、n≧5.2、すなわち6個となる。
したがって、スタータモータ1の作動によるバッテリ電圧VDの低下分を補償するキャパシタとして必要な個数は、
キャパシタ群C1のキャパシタの個数:2個(図5(b)の場合)
キャパシタ群11のキャパシタの個数:2個(図5(c)の場合)
キャパシタ群C2のキャパシタの個数:12個(図5(b)の場合)
キャパシタ群12のキャパシタの個数:6個(図5(c)の場合)
となる。つまり、低温時を考慮しても、本発明の直列構成によれば、キャパシタ群12のキャパシタの個数を減らすことができ、回路規模の小型化が実現できる。言い換えれば、上述のようにキャパシタの個数を決定した上述の直列構成の電源装置によれば、従来に比べ少ない個数でもバッテリ電圧の低下分のエネルギーをまかなうことができる。
本発明の実施形態である車両用電源装置100を備えた車両用電源システムの構成図である。 本発明の実施形態である車両用電源装置200を備えた車両用電源システムの構成図である。 スタータモータ1の作動に伴うバッテリ3の電圧の変化を表す図である。 キャパシタ群11,12を構成するキャパシタのモデル図である。 キャパシタ群11,12とバッテリ3との接続例を示した図である。
符号の説明
1 スタータモータ
2 オルタネータ
3 バッテリ
4 電気負荷
11,12 キャパシタ
21,22 ダイオード
31,32,33 電源ライン
40 スイッチ
70 コントローラ
80 定電圧回路(レギュレータ)
100,200 車両用電源装置

Claims (3)

  1. 車両のエンジンを始動させるスタータの電源であるバッテリの電力を前記車両に搭載される電気負荷に供給する車両用電源装置であって、
    前記バッテリの正極側に直列接続され、前記スタータの起動後の定常動作電流による前記バッテリの電圧低下分を補償可能な容量を有する第1の容量素子群と、
    前記第1の容量素子群に前記バッテリと反対側で直列接続され、前記スタータの起動時の突入電流による前記バッテリの電圧低下分から前記スタータの起動後の定常動作電流による前記バッテリの電圧低下分を差し引いた分を補償できるだけの容量を有する第2の容量素子群と、
    前記バッテリの正極から前記電気負荷への放電を可能にする第1の放電経路と、
    前記第1の容量素子群の両端の電極のうち前記第2の容量素子群が直列接続される側の電極から前記電気負荷への放電を可能にする第2の放電経路と、
    前記第2の容量素子群の両端の電極のうち前記第1の容量素子群が直列接続される側と反対側の電極から前記電気負荷への放電を可能にする第3の放電経路と、
    前記第1放電経路の電圧と前記第2の放電経路の電圧と前記第3の放電経路の電圧との比較により、最も電圧が高い放電経路からの放電を許可する許可手段とを備えることを特徴とする、車両用電源装置。
  2. 前記第1の容量素子群と前記第2の容量素子群は、前記バッテリと並列接続した状態で前記バッテリによって充電された後に、前記バッテリとの並列接続から直列接続に切り替えられる、請求項1に記載の車両用電源装置。
  3. 前記第1の容量素子群と前記第2の容量素子群は、前記スタータの作動指令により生ずる信号に従って、前記バッテリとの並列接続から直列接続に切り替えられる、請求項2に記載の車両用電源装置。
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