JP2010047025A - 液滴吐出ヘッドおよび液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インクジェット式記録ヘッド1は、吐出液貯留室21が形成された基板20と、基板20の下面に設けられ、ノズル孔11とを備えるノズルプレート10と、吐出液貯留室21を覆うように基板20の上面に設けられた封止シート30とを有し、基板20とノズルプレート10とが接合膜15を介して接合されており、この接合膜15は、プラズマ重合法で形成され、シロキサン結合を含みランダムな原子構造を有するSi骨格と、このSi骨格に結合する脱離基とを含み、エネルギーを付与したことにより、接合膜15の表面付近に存在する脱離基がSi骨格から脱離し、接合膜15に発現した接着性によって、基板20とノズルプレート10とを接合している。
【選択図】図2
Description
このような液滴吐出ヘッドにあっては、駆動用の圧電素子を伸縮させることにより、インク室の一部(振動板)を変位させる。これにより、インク室の容積を変化させて、ノズルからインク液滴が吐出される。
しかしながら、ノズルプレートと基板との間に接着剤を供給する際に、接着剤の供給量を厳密に制御することは極めて困難である。このため、供給する接着剤の量を均一にすることができず、ノズルプレートと基板との距離が不均一になる。これにより、液滴吐出ヘッド内に複数個設けられたインク室のそれぞれの容積が不均一になったり、液滴吐出ヘッド毎でインク室の容積が不均一になってしまう。また、液滴吐出ヘッドと印刷用紙等の印字媒体との間の距離が不均一になる。さらに、接合箇所から接着剤がはみ出してしまうおそれがある。このような問題により、液滴吐出ヘッドの寸法精度が低下し、インクジェットプリンタの印字の品位が低下することとなる。
また、接着剤は、インク室に貯留されたインクに長期間曝される。このように接着剤がインクに曝されると、インク中の有機成分によって、接着剤に変質・劣化が生じる。このため、インク室の液密性が低下したり、接着剤中の成分がインクに溶出したりするおそれがある。
固体接合は、接着剤等の接着層を介在させることなく、部材同士を直接接合する方法であり、例えば、シリコン直接接合法、陽極接合法等の方法が知られている。
ところが、固体接合には、
・接合可能な部材の材質が限られる
・接合プロセスにおいて高温(例えば、700〜800℃程度)での熱処理を伴う
・接合プロセスにおける雰囲気が減圧雰囲気に限られる
・一部の領域を部分的に接合することができない
といった問題がある。
本発明の液滴吐出ヘッドは、吐出液を貯留する吐出液貯留室が形成された基板と、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の一方の面に設けられ、前記吐出液を液滴として吐出するノズル孔とを備えるノズルプレートと、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の他方の面に設けられた封止板とを有し、
前記基板と前記ノズルプレートとが接合膜を介して接合されており、
前記接合膜は、プラズマ重合法により形成されたものであり、シロキサン(Si−O)結合を含みランダムな原子構造を有するSi骨格と、該Si骨格に結合する脱離基とを含み、
前記接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与したことにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が前記Si骨格から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現した接着性によって、前記基板と前記ノズルプレートとを接合していることを特徴とする。
これにより、寸法精度および耐薬品性に優れ、長期間にわたって高品位の印字が可能な信頼性の高い液滴吐出ヘッドが得られる。また、プラズマ重合法により形成された接合膜は緻密で均質なものとなる。そして、基板とノズルプレートとを特に強固に接合し得るものとなる。さらに、プラズマ重合法で作製された接合膜は、エネルギーが付与されて活性化された状態が比較的長時間にわたって維持される。このため、液滴吐出ヘッドの製造過程の簡素化、効率化を図ることができる。
これにより、接合膜は、Si原子とO原子とが強固なネットワークを形成し、接合膜自体がより強固なものとなる。このため、接合膜は、基板およびノズルプレートに対して、特に高い接合強度を示すものとなる。
これにより、接合膜の安定性が高くなり、基板とノズルプレートとをより強固に接合することができるようになる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記Si骨格の結晶化度は、45%以下であることが好ましい。
これにより、Si骨格は十分にランダムな原子構造を含むものとなる。このため、Si骨格の特性が顕在化し、接合膜の寸法精度および接着性がより優れたものとなる。
Si−H結合は、シロキサン結合の生成が規則的に行われるのを阻害すると考えられる。このため、シロキサン結合は、Si−H結合を避けるように形成されることとなり、Si骨格の規則性が低下する。このようにして、接合膜中にSi−H結合が含まれることにより、結晶化度の低いSi骨格を効率よく形成することができる。
これにより、接合膜中の原子構造は、相対的に最もランダムなものとなる。このため、接合膜は、接合強度、耐薬品性および寸法精度において特に優れたものとなる。
これらの脱離基は、エネルギーの付与による結合/脱離の選択性に比較的優れている。このため、このような脱離基は、接合膜の接着性をより高度なものとすることができる。
アルキル基は化学的な安定性が高いため、脱離基としてアルキル基を含む接合膜は、耐候性および耐薬品性に優れたものとなる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記脱離基としてメチル基を含む接合膜についての赤外光吸収スペクトルにおいて、シロキサン結合に帰属するピーク強度を1としたとき、メチル基に帰属するピーク強度が0.05〜0.45であることが好ましい。
これにより、メチル基の含有率が最適化され、メチル基がシロキサン結合の生成を必要以上に阻害するのを防止しつつ、接合膜中に必要かつ十分な数の活性手が生じるため、接合膜に十分な接着性が生じる。また、接合膜には、メチル基に起因する十分な耐候性および耐薬品性が発現する。
これにより、接合膜自体が優れた機械的特性を有するものとなる。また、多くの材料に対して特に優れた接着性を示す接合膜が得られる。したがって、この接合膜により、基板とノズルプレートとをより強固に接合することができる。また、非接着性と接着性との制御を容易かつ確実に行える接合膜となる。さらに、接合膜が優れた撥液性を示すため、耐久性に優れた信頼性の高いヘッドが得られる。
これにより、接着性に特に優れる接合膜が得られる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記プラズマ重合法において、プラズマを発生させる際の高周波の出力密度は、0.01〜100W/cm2であることが好ましい。
これにより、高周波の出力密度が高過ぎて原料ガスに必要以上のプラズマエネルギーが付加されるのを防止しつつ、ランダムな原子構造を有するSi骨格を確実に形成することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記接合膜の平均厚さは、1〜1000nmであることが好ましい。
これにより、基板とノズルプレートとの間の寸法精度が著しく低下するのを防止しつつ、これらをより強固に接合することができる。
これにより、従来に比べて寸法精度が格段に高いヘッドが得られる。また、接着剤の硬化に要する時間が不要になるため、短時間で強固な接合が可能となる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記基板は、シリコン材料またはステンレス鋼を主材料として構成されていることが好ましい。
これらの材料は、耐薬品性に優れることから、長時間にわたって吐出液に曝されたとしても、基板またはノズルプレートが変質・劣化するのを確実に防止することができる。また、これらの材料は、加工性に優れるため、寸法精度の高い基板が得られる。このため、吐出液貯留室の容積の精度が高くなり、高品位の印字が可能な液滴吐出ヘッドが得られる。
これらの材料は、耐薬品性に優れることから、長時間にわたって吐出液に曝されたとしても、ノズルプレートが変質・劣化するのを確実に防止することができる。また、これらの材料は、加工性に優れるため、寸法精度の高いノズルプレートが得られる。
これにより、基板と接合膜との間の接合強度をより高めることができ、ひいては、基板とノズルプレートとの接合強度を高めることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記ノズルプレートの前記接合膜と接している面には、あらかじめ、前記接合膜との密着性を高める表面処理が施されていることが好ましい。
これにより、ノズルプレートと接合膜との間の接合強度をより高めることができ、ひいては、基板とノズルプレートとの接合強度を高めることができる。
これにより、接合膜を形成するために、基板またはノズルプレートの表面を特に最適化することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記基板と前記接合膜との間に、中間層を有することが好ましい。
これにより、前記基板と前記接合膜との間の接合強度を高め、信頼性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
これにより、前記ノズルプレートと前記接合膜との間の接合強度を高め、信頼性の高い液滴吐出ヘッドを得ることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記中間層は、酸化物系材料を主材料として構成されていることが好ましい。
これにより、基板と接合膜との間、および、ノズルプレートと接合膜との間において、それぞれ接合強度を高めることができる。
これにより、接合膜に対して比較的簡単に効率よくエネルギーを付与することができる。
これにより、付与されるエネルギー量が最適化されるので、接合膜中のSi骨格が必要以上に破壊されるのを防止しつつ、Si骨格と脱離基との間の結合を選択的に切断することができる。これにより、接合膜の特性(機械的特性、化学的特性等)が低下するのを防止しつつ、接合膜に接着性を発現させることができる。
これにより、基板またはノズルプレート等が熱によって変質・劣化するのを確実に防止しつつ、接合膜を確実に活性化させることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記圧縮力は、0.2〜10MPaであることが好ましい。
これにより、基板またはノズルプレートに損傷等が生じるのを避けつつ、単に圧縮するのみで、接合膜に十分な接着性を発現させることができる。
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の一方の面に設けられ、前記吐出液を液滴として吐出するノズル孔とを備えるノズルプレートと、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の他方の面に設けられた封止板とを有し、
前記基板と前記ノズルプレートとが接合膜を介して接合されており、
前記接合膜は、金属原子と、該金属原子に結合する酸素原子と、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基とを含み、
前記接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与したことにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現した接着性によって、前記基板と前記ノズルプレートとを接合していることを特徴とする。
これにより、接合膜は、金属酸化物に脱離基が結合したものとなり、変形し難い強固な膜となる。その結果、寸法精度および耐薬品性に優れ、長期間にわたって高品位の印字が可能な信頼性の高い液滴吐出ヘッドが得られる。
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の一方の面に設けられ、前記吐出液を液滴として吐出するノズル孔とを備えるノズルプレートと、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の他方の面に設けられた封止板とを有し、
前記基板と前記ノズルプレートとが接合膜を介して接合されており、
前記接合膜は、金属原子と、有機成分で構成される脱離基とを含み、
前記接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与したことにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が前記接合膜から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現した接着性によって、前記基板と前記ノズルプレートとを接合していることを特徴とする。
これにより、接合膜は、金属原子と有機成分で構成される脱離基とを含むものとなり、変形し難い強固な膜となる。その結果、寸法精度および耐薬品性に優れ、長期間にわたって高品位の印字が可能な信頼性の高い液滴吐出ヘッドが得られる。
これにより、基板と封止板との密着性が高くなり、吐出液貯留室の液密性を特に高めることができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、前記封止板は、複数の層を積層してなる積層体で構成されており、
前記積層体中の層のうち、隣接する少なくとも1組の層の層間が、前記接合膜と同様の接合膜を介して接合されていることが好ましい。
これにより、層間の密着性および歪みの伝搬性が高くなる。このため、振動手段による歪みを吐出液貯留室内の圧力変化に確実に変換することができる。すなわち、封止板の変位のレスポンスを高めることができる。
前記封止板と前記振動手段とが、前記接合膜と同様の接合膜を介して接合されていることが好ましい。
これにより、封止板と振動手段との間の密着性および歪みの伝搬性が高くなる。その結果、振動手段による歪みを吐出液貯留室内の圧力変化に確実に変換することができる。
これにより、封止板に発生する撓みの程度を容易に制御することができる。これにより、インク滴の大きさを容易に制御することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドでは、当該液滴吐出ヘッドは、さらに、前記封止板の前記基板と反対側に設けられたケースヘッドを有し、
前記封止板と前記ケースヘッドとが、前記接合膜と同様の接合膜を介して接合されていることが好ましい。
これにより、封止板とケースヘッドとの密着性が高くなる。その結果、ケースヘッドによって、封止板を確実に支持し、封止板、基板およびノズルプレートのよじれや反り等を確実に防止することができる。
本発明の液滴吐出装置は、本発明の液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い液滴吐出装置が得られる。
<インクジェット式記録ヘッド>
≪第1実施形態≫
まず、本発明の液滴吐出ヘッドをインクジェット式記録ヘッドに適用した場合の第1実施形態について説明する。
図3に示すインクジェットプリンタ9は、装置本体92を備えており、上部後方に記録用紙Pを設置するトレイ921と、下部前方に記録用紙Pを排出する排紙口922と、上部面に操作パネル97とが設けられている。
また、装置本体92の内部には、主に、往復動するヘッドユニット93を備える印刷装置(印刷手段)94と、記録用紙Pを1枚ずつ印刷装置94に送り込む給紙装置(給紙手段)95と、印刷装置94および給紙装置95を制御する制御部(制御手段)96とを有している。
ヘッドユニット93は、その下部に、多数のノズル孔11を備えるヘッド1と、ヘッド1にインクを供給するインクカートリッジ931と、ヘッド1およびインクカートリッジ931を搭載したキャリッジ932とを有している。
往復動機構942は、その両端をフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸943と、キャリッジガイド軸943と平行に延在するタイミングベルト944とを有している。
キャリッジモータ941の作動により、プーリを介してタイミングベルト944を正逆走行させると、キャリッジガイド軸943に案内されて、ヘッドユニット93が往復動する。そして、この往復動の際に、ヘッド1から適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
給紙ローラ952は、記録用紙Pの送り経路(記録用紙P)を挟んで上下に対向する従動ローラ952aと駆動ローラ952bとで構成され、駆動ローラ952bは給紙モータ951に連結されている。これにより、給紙ローラ952は、トレイ921に設置した多数枚の記録用紙Pを、印刷装置94に向かって1枚ずつ送り込めるようになっている。なお、トレイ921に代えて、記録用紙Pを収容する給紙カセットを着脱自在に装着し得るような構成であってもよい。
制御部96は、いずれも図示しないが、主に、各部を制御する制御プログラム等を記憶するメモリ、印刷装置94(キャリッジモータ941)を駆動する駆動回路、給紙装置95(給紙モータ951)を駆動する駆動回路、および、ホストコンピュータからの印刷データを入手する通信回路と、これらに電気的に接続され、各部での各種制御を行うCPUとを備えている。
制御部96は、通信回路を介して、印刷データを入手してメモリに格納する。CPUは、この印刷データを処理して、この処理データおよび各種センサからの入力データに基づいて、各駆動回路に駆動信号を出力する。この駆動信号により印刷装置94および給紙装置95は、それぞれ作動する。これにより、記録用紙Pに印刷が行われる。
図1および図2に示すように、ヘッド1は、ノズルプレート10と、吐出液貯留室形成基板(基板)20と、封止シート30と、封止シート30上に設けられた振動板40と、振動板40上に設けられた圧電素子(振動手段)50およびケースヘッド60とを有する。また、本実施形態では、封止シート30と振動板40との積層体により、封止板を構成している。なお、このヘッド1は、ピエゾジェット式ヘッドを構成する。
図1および図2に示すように、各吐出液貯留室21および吐出液供給室22は、それぞれ、平面視において、ほぼ長方形状をなし、各吐出液貯留室21の幅(短辺)は、吐出液供給室22の幅(短辺)より細幅となっている。
なお、吐出液供給室22は、平面視において、本実施形態のように長方形状のものの他、例えば、台形状、三角形状または俵形状(カプセル形状)のものであってもよい。
これらの中でも、基板20の構成材料は、シリコン材料またはステンレス鋼であるのが好ましい。このような材料は、耐薬品性に優れることから、長時間にわたってインクに曝されたとしても、基板20が変質・劣化するのを確実に防止することができる。また、これらの材料は、加工性に優れるため、寸法精度の高い基板20が得られる。このため、吐出液貯留室21や吐出液供給室22の容積の精度が高くなり、高品位の印字が可能なヘッド1が得られる。
また、吐出液貯留室21と吐出液供給室22との内面に、あらかじめ、親水処理を施しておいてもよい。これにより、吐出液貯留室21および吐出液供給室22に貯留されたインク中に気泡が含まれるのを防止することができる。
本発明の液滴吐出ヘッドは、この接合膜15、および、接合膜15を用いて基板20とノズルプレート10とを接合する方法に特徴を有するものである。
この接合膜15は、シロキサン(Si−O)結合を含みランダムな原子構造を有するSi骨格と、このSi骨格に結合する脱離基とを含むものである。
そして、この接合膜15は、エネルギーを付与したことにより、脱離基がSi骨格から脱離し、接合膜15の表面に発現した接着性によって、基板20とノズルプレート10とを接合している。
なお、接合膜15については、後に詳述する。
また、ノズルプレート10は、各吐出液貯留室21や吐出液供給室22の内壁面の下面を構成している。すなわち、ノズルプレート10と、基板20および封止シート30とにより、各吐出液貯留室21や吐出液供給室22を画成している。
これらの中でも、ノズルプレート10の構成材料は、シリコン材料またはステンレス鋼であるのが好ましい。このような材料は、耐薬品性に優れることから、長時間にわたってインクに曝されたとしても、ノズルプレート10が変質・劣化するのを確実に防止することができる。また、これらの材料は、加工性に優れるため、寸法精度の高いノズルプレート10が得られる。このため、信頼性の高いヘッド1が得られる。
また、ノズルプレート10の厚さは、特に限定されないが、0.01〜1mm程度であるのが好ましい。
また、ノズルプレート10の下面には、必要に応じて、撥液膜(図示せず)が設けられる。これにより、ノズル孔から吐出されるインク滴が意図しない方向に吐出されるのを防止することができる。
カップリング剤としては、例えば、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、有機リン酸系カップリング剤、シリルパーオキサイド系カップリング剤等を用いることができる。
撥液性を示す官能基としては、例えば、フルオロアルキル基、アルキル基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基等が挙げられる。
また、封止シート30は、各吐出液貯留室21や吐出液供給室22の内壁面の上面を構成している。すなわち、封止シート30と、基板20およびノズルプレート10とにより、各吐出液貯留室21や吐出液供給室22を画成している。そして、封止シート30が基板20と確実に接合されていることにより、各吐出液貯留室21や吐出液供給室22の液密性を確保している。
これらの中でも、封止シート30の構成材料は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、アラミド樹脂のような樹脂材料、シリコン材料またはステンレス鋼であるのが好ましい。このような材料は、耐薬品性に優れることから、長時間にわたってインクに曝されたとしても、封止シート30が変質・劣化するのを確実に防止することができる。このため、吐出液貯留室21内および吐出液供給室22内に、長期間にわたってインクを貯留することができる。
本実施形態では、接合膜25が前述の接合膜15と同じ接合機能(接着性)を有するものとする。
そして、接合膜25は、エネルギーを付与したことにより、脱離基がSi骨格から脱離し、接合膜25の表面に発現した接着性によって、基板20と封止シート30とを接合している。
封止シート30の上面には、接合膜35を介して、振動板40が接合(接着)されている。
振動板40を構成する材料としては、例えば、前述したようなシリコン材料、金属材料、ガラス材料、セラミックス材料、炭素材料、樹脂材料、またはこれらの各材料の1種または2種以上を組み合わせた複合材料等が挙げられる。そして、振動板40が封止シート30と確実に接合されていることにより、圧電素子50に発生した歪みを、封止シート30の変位、すなわち各吐出液貯留室21の容積変化に確実に変換している。
このような振動板40と封止シート30とを接合する接合膜35は、封止シート30と振動板40とを接合または接着し得るものであれば、いかなる材料で構成されていてもよく、封止シート30や振動板40の各構成材料によって適宜選択されるが、例えば、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤のような接着剤、半田、ろう材等が挙げられる。
本実施形態では、接合膜35が前述の接合膜15と同じ接合機能(接着性)を有するものとする。
そして、接合膜35は、エネルギーを付与したことにより、脱離基がSi骨格から脱離し、接合膜35の表面に発現した接着性によって、封止シート30と振動板40とを接合している。
また、本実施形態では、封止シート30と振動板40とを積層してなる積層体により封止板を構成しているが、この封止板は、1層であってもよく、3層以上の層が積層してなる積層体で構成されていてもよい。
振動板40の上面の一部(図2では、振動板40の上面の中央部付近)に、接合膜45aを介して、圧電素子(振動手段)50が接合(接着)されている。
圧電素子50のうち、圧電体層51を構成する材料としては、例えば、チタン酸バリウム、ジルコン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛、酸化亜鉛、窒化アルミニウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、水晶等が挙げられる。
このような圧電素子50と振動板40とを接合する接合膜45aは、振動板40と圧電素子50とを接合または接着し得るものであれば、いかなる材料で構成されていてもよく、振動板40や圧電素子50の各構成材料によって適宜選択されるが、例えば、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤のような接着剤、半田、ろう材等が挙げられる。
本実施形態では、接合膜45aが前述の接合膜15と同じ接合機能(接着性)を有するものとする。
そして、接合膜45aは、エネルギーを付与したことにより、脱離基がSi骨格から脱離し、接合膜45aの表面に発現した接着性によって、振動板40と圧電素子50とを接合している。
ここで、前述した振動板40は、圧電素子50に対応する位置を取り囲むように環状に形成された凹部53を有している。すなわち、圧電素子50に対応する位置では、振動板40の一部が、この環状の凹部53を隔てて島状に孤立している。
また、圧電素子50の電極膜52は、図示しない駆動ICと電気的に接続されている。これにより、駆動素子50の動作を駆動ICによって制御することができる。
また、振動板40の上面の一部には、接合膜45bを介して、ケースヘッド60が接合(接着)されている。このように、ケースヘッド60が振動板40と確実に接合されていることにより、ノズルプレート10、基板20、封止シート30および振動板40の積層体で構成された、いわゆるキャビティ部分を補強し、キャビティ部分のよじれや反り等を確実に抑制することができる。
これらの中でも、ケースヘッド60の構成材料は、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ザイロンのような変性ポリフェニレンエーテル樹脂(「ザイロン」は登録商標)またはステンレス鋼であるのが好ましい。これらの材料は、十分な剛性を備えていることから、ヘッド1を支持するケースヘッド60の構成材料として好適である。
本実施形態では、接合膜45bが前述の接合膜15と同じ接合機能(接着性)を有するものとする。
そして、接合膜45bは、エネルギーを付与したことにより、脱離基がSi骨格から脱離し、接合膜45bの表面に発現した接着性によって、振動板40とケースヘッド60とを接合している。
また、接合膜25、封止シート30、接合膜35、振動板40および接合膜45bは、吐出液供給室22に対応する位置に貫通孔23を有する。この貫通孔23により、ケースヘッド60に設けられた吐出液供給路61と吐出液供給室22とが連通している。なお、吐出液供給路61と吐出液供給室22とにより、複数の吐出液貯留室21にインクを供給する共通のインク室として機能するリザーバ70の一部を構成する。
なお、ヘッド1は、前述したような構成のものに限らず、例えば、振動手段として圧電素子50をヒータで代替した構成(サーマル方式)のヘッドであってもよい。このようなヘッドは、ヒータでインクを加熱して沸騰させ、それによって吐出液貯留室内の圧力を高めることにより、インクをノズル孔11から液滴として吐出するよう構成されているものである。
さらに、振動手段のその他の例としては、静電アクチュエータ方式等が挙げられる。
なお、本実施形態のように、振動手段が圧電素子で構成されていることにより、振動板40および封止シート30に発生する撓みの程度を容易に制御することができる。これにより、インク滴の大きさを容易に制御することができる。
接合膜15のエネルギーを付与する前の状態は、プラズマ重合法により形成されたものであり、図4に示すように、シロキサン(Si−O)結合302を含み、ランダムな原子構造を有するSi骨格301と、このSi骨格301に結合する脱離基303とを含むものである。
このような接合膜15は、シロキサン結合302を含みランダムな原子構造を有するSi骨格301の影響によって、変形し難い強固な膜となる。これは、Si骨格301の結晶性が低くなるため、結晶粒界における転位やズレ等の欠陥が生じ難いためであると考えられる。このため、基板20とノズルプレート10との間の距離を高い寸法精度で一定に保持することができ、各吐出液貯留室21や吐出液供給室22の各容積を厳密に制御することができる。その結果、ヘッド1内に複数個設けられた各吐出液貯留室21同士の容積を均一にすることができ、各ノズル孔11から吐出されるインク滴の大きさを揃えることができる。また、ノズルプレート10の固定角度を厳密に制御することができるため、インク滴の吐出方向を一定に維持することができる。これらのことから、インクジェットプリンタ9による印字の品位を高めることができる。また、複数のヘッド1を作製する場合には、ヘッド1毎の印字品位のバラツキを抑制することができるので、インクジェットプリンタ9の印字品位の個体差を抑制することができる。
また、接合膜15は、前述したような強固なSi骨格301の作用により、耐薬品性に優れる。このため、接合膜15は長期にわたってインクに曝されたとしても、変質・劣化することが防止され、基板20とノズルプレート10との接合(接着)を長期にわたって確保することができる。すなわち、接合膜15によれば、ヘッド1の液密性を十分に確保することができるため、信頼性の高いヘッド1を提供することができる。
また、このような接合膜15は、流動性を有しない固体状のものとなる。このため、従来の流動性を有する液状または粘液状の接着剤に比べて、接着層(接合膜15)の厚さや形状がほとんど変化しない。このため、接合膜15を用いて製造されたヘッド1の寸法精度は、従来に比べて格段に高いものとなる。さらに、接着剤の硬化に要する時間が不要になるため、短時間で強固な接合を可能にするものである。
なお、接合膜15中のSi骨格301の結晶化度は、45%以下であるのが好ましく、40%以下であるのがより好ましい。これにより、Si骨格301は十分にランダムな原子構造を含むものとなる。このため、前述したSi骨格301の特性が顕在化し、接合膜15の寸法精度および接着性がより優れたものとなる。
ここで、脱離基303がメチル基(−CH3)である場合、その好ましい含有率は、赤外光吸収スペクトルにおけるピーク強度から以下のように規定される。
このような特徴を有する接合膜15の構成材料としては、例えば、ポリオルガノシロキサンのようなシロキサン結合を含む重合物等が挙げられる。
また、ポリオルガノシロキサンは、通常、撥水性(非接着性)を示すが、エネルギーを付与されることにより、容易に有機基を脱離させることができ、親水性に変化し、接着性を発現するが、この非接着性と接着性との制御を容易かつ確実に行えるという利点を有する。
すなわち、接合膜15の平均厚さが前記下限値を下回った場合は、十分な接合強度が得られないおそれがある。一方、接合膜15の平均厚さが前記上限値を上回った場合は、ヘッド1の寸法精度が著しく低下するおそれがある。
このような接合膜15は、プラズマ重合法により作製した膜にエネルギーを付与することによって作製することができる。プラズマ重合法によれば、最終的に、緻密で均質な接合膜15を効率よく作製することができる。これにより、プラズマ重合法で作製された接合膜15は、基板20とノズルプレート10とを特に強固に接合し得るものとなる。さらに、プラズマ重合法で作製され、エネルギーが付与される前の接合膜15は、エネルギーが付与されて活性化された状態が比較的長時間にわたって維持することができる。このため、ヘッド1の製造過程の簡素化、効率化を図ることができる。
また、本実施形態では、封止シート30と振動板40とが接合膜35を介して接合されているため、これらの間の密着性および歪みの伝搬性が高くなる。このため、圧電素子50の歪みを各吐出液貯留室21の圧力変化に確実に変換することができる。すなわち、封止シート30および振動板40の変位のレスポンスを高めることができる。
以下、接合膜15を作製する方法、およびこの方法を含むヘッド1を作製する方法について説明する。
本実施形態にかかるヘッド1の製造方法は、母材20’上に接合膜25を形成し、この接合膜25を介して母材20’と封止シート30とを接合する工程と、封止シート30上に接合膜35を形成し、この接合膜35を介して封止シート30と振動板40とを接合する工程と、接合膜25、封止シート30、接合膜35および振動板40の一部に貫通孔23を形成するとともに、振動板40の一部に凹部53を形成する工程と、振動板40上に接合膜45aを形成し、この接合膜45aを介して振動板40と圧電素子50とを接合する工程と、振動板40上に接合膜45bを形成し、この接合膜45bを介して振動板40とケースヘッド60とを接合する工程と、母材20’に対して加工を施し、基板20を形成する工程と、基板20の封止シート30と反対側の面上に接合膜15を形成し、この接合膜15を介して基板20とノズルプレート10とを接合する工程とを有する。
[1]まず、基板20を作製するための母材として、母材20’を用意する。母材20’は、後述する工程において加工を施すことにより、基板20になり得るものである。
次に、図6(a)に示すように、母材20’上に、エネルギーを付与する前の状態の接合膜25を形成する。この接合膜25の形成方法は、後述する接合膜15の形成方法と同様である。
[3]次に、封止シート30を用意する。そして、接着性が発現してなる接合膜25と封止シート30とが密着するように、母材20’と封止シート30とを貼り合わせる。これにより、図6(b)に示すように、母材20’と封止シート30とが、接合膜25を介して接合(接着)される。
[5]次に、接合膜35に対してエネルギーを付与する。これにより、接合膜35に、振動板40との接着性が発現する。なお、接合膜35に対するエネルギーの付与は、後述する接合膜15に対するエネルギーの付与方法と同様の方法で行うことができる。
また、振動板40のうち、圧電素子50が組み立てられる位置を取り囲む環状の領域に、凹部53を形成する。
貫通孔23および凹部53の形成は、ドライエッチング、リアクティブイオンエッチング、ビームエッチング、光アシストエッチング等の物理的エッチング法、ウエットエッチング等の化学的エッチング法等のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、振動板40上の一部の領域に部分的に接合膜45aを形成する場合、例えば、接合膜45aを形成すべき領域に対応する形状の窓部を有するマスクを介して、接合膜45aを成膜するようにすればよい。
[10]次に、圧電素子50を用意する。そして、接着性が発現してなる接合膜45aと圧電素子50とが密着するように、振動板40と圧電素子50とを貼り合わせる。これにより、振動板40と圧電素子50とが、接合膜45aを介して接合(接着)される。その結果、図7(g)に示すように、母材20’、封止シート30、振動板40および圧電素子50が接合される。
なお、振動板40上の一部の領域に部分的に接合膜45bを形成する場合、例えば、接合膜45bを形成すべき領域に対応する形状の窓部を有するマスクを介して、接合膜45bを成膜するようにすればよい。
[13]次に、ケースヘッド60を用意する。そして、接着性が発現してなる接合膜45bとケースヘッド60とが密着するように、振動板40とケースヘッド60とを貼り合わせる。これにより、振動板40とケースヘッド60とが、接合膜45bを介して接合(接着)される。その結果、図7(i)に示すように、母材20’、封止シート30、振動板40、圧電素子50およびケースヘッド60が接合される。
なお、ここでは、封止シート30、振動板40、圧電素子50およびケースヘッド60が接合された母材20’に対して加工を施すことにより、各吐出液貯留室21および吐出液供給室22を形成する場合について説明したが、前記工程[1]の時点で、あらかじめ母材20’に各吐出液貯留室21および吐出液供給室22を設けておいてもよい。
まず、封止シート30、振動板40、圧電素子50およびケースヘッド60が接合された基板20上に、プラズマ重合法により、エネルギーを付与する前の状態の接合膜15を形成する。プラズマ重合法は、例えば、強電界中に、原料ガスとキャリアガスとの混合ガスを供給することにより、原料ガス中の分子を重合させ、重合物を基板20上に堆積させ、膜を得る方法である。
図10は、本実施形態にかかるインクジェット式記録ヘッドが備える接合膜の作製に用いられるプラズマ重合装置を模式的に示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図10中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
図10に示すチャンバー101は、軸線が水平方向に沿って配置されたほぼ円筒形をなすチャンバー本体と、チャンバー本体の左側開口部を封止する円形の側壁と、右側開口部を封止する円形の側壁とで構成されている。
なお、本実施形態では、チャンバー101は、導電性の高い金属材料で構成されており、接地線102を介して電気的に接地されている。
この第1の電極130は、チャンバー101の側壁の内壁面に、鉛直方向に沿って設けられており、これにより、第1の電極130は、チャンバー101を介して電気的に接地されている。なお、第1の電極130は、図10に示すように、チャンバー本体と同心状に設けられている。
この静電チャック139により、図10に示すように、基板20を鉛直方向に沿って支持することができる。また、基板20に多少の反りがあっても、静電チャック139に吸着させることにより、その反りを矯正した状態で基板20をプラズマ処理に供することができる。
この第2の電極140には、配線184を介して高周波電源182が接続されている。また、配線184の途中には、マッチングボックス(整合器)183が設けられている。これらの配線184、高周波電源182およびマッチングボックス183により、電源回路180が構成されている。
ガス供給部190は、チャンバー101内に所定のガスを供給するものである。
このような液状の膜材料は、気化装置192により気化され、ガス状の膜材料(原料ガス)となってチャンバー101内に供給される。なお、原料ガスについては、後に詳述する。
また、チャンバー101内の供給口103の近傍には、拡散板195が設けられている。
排気ポンプ170は、チャンバー101内を排気するものであり、例えば、油回転ポンプ、ターボ分子ポンプ等で構成される。このようにチャンバー101内を排気して減圧することにより、ガスを容易にプラズマ化することができる。また、大気雰囲気との接触による基板20の汚染・酸化等を防止するとともに、プラズマ処理による反応生成物をチャンバー101内から効果的に除去することができる。
また、排気口104には、チャンバー101内の圧力を調整する圧力制御機構171が設けられている。これにより、チャンバー101内の圧力が、ガス供給部190の動作状況に応じて、適宜設定される。
[15−1]まず、ケースヘッド60が下側になるように、基板20をプラズマ重合装置100のチャンバー101内に収納して封止状態とした後、排気ポンプ170の作動により、チャンバー101内を減圧状態とする。
ここで、混合ガス中における原料ガスの占める割合(混合比)は、原料ガスやキャリアガスの種類や目的とする成膜速度等によって若干異なるが、例えば、混合ガス中の原料ガスの割合を20〜70%程度に設定するのが好ましく、30〜60%程度に設定するのがより好ましい。これにより、重合膜の形成(成膜)の条件の最適化を図ることができる。
次いで、電源回路180を作動させ、一対の電極130、140間に高周波電圧を印加する。これにより、一対の電極130、140間に存在するガスの分子が電離し、プラズマが発生する。このプラズマのエネルギーにより原料ガス中の分子が重合し、重合物が基板20上に付着・堆積する。これにより、図8(k)に示すように、基板20上にプラズマ重合膜で構成された接合膜15が形成される。
また、プラズマの作用により、基板20の表面が活性化・清浄化される。このため、原料ガスの重合物が基板20の表面に堆積し易くなり、接合膜15の安定した成膜が可能になる。このようにプラズマ重合法によれば、基板20の構成材料によらず、基板20と接合膜15との密着強度をより高めることができる。
このような原料ガスを用いて得られるプラズマ重合膜、すなわち接合膜15は、これらの原料が重合してなるもの(重合物)、すなわちポリオルガノシロキサンで構成されることとなる。
また、高周波の出力密度は、特に限定されないが、0.01〜100W/cm2程度であるのが好ましく、0.1〜50W/cm2程度であるのがより好ましく、1〜40W/cm2程度であるのがさらに好ましい。高周波の出力密度を前記範囲内とすることにより、高周波の出力密度が高過ぎて原料ガスに必要以上のプラズマエネルギーが付加されるのを防止しつつ、ランダムな原子構造を有するSi骨格301を確実に形成することができる。すなわち、高周波の出力密度が前記下限値を下回った場合、原料ガス中の分子に重合反応を生じさせることができず、接合膜15を形成することができないおそれがある。一方、高周波の出力密度が前記上限値を上回った場合、原料ガスが分解する等して、脱離基303となり得る構造がSi骨格301から分離してしまい、得られる接合膜15において脱離基303の含有率が著しく低くなったり、Si骨格301のランダム性が低下する(規則性が高くなる)おそれがある。
原料ガス流量は、0.5〜200sccm程度であるのが好ましく、1〜100sccm程度であるのがより好ましい。一方、キャリアガス流量は、5〜750sccm程度であるのが好ましく、10〜500sccm程度であるのがより好ましい。
以上のようにして、接合膜15を得ることができる。
なお、基板20の上面のうち、ノズルプレート10を接合する領域のみに部分的に接合膜15を形成する場合、例えば、この領域に対応する形状の窓部を有するマスクを用い、このマスク上から接合膜15を成膜するようにすればよい。
エネルギーが付与されると、接合膜15では、図4に示すように、脱離基303がSi骨格301から脱離する。そして、脱離基303が脱離した後には、図5に示すように、接合膜15の表面および内部に活性手304が生じる。これにより、接合膜15の表面に、ノズルプレート10との接着性が発現する。
このうち、接合膜15にエネルギーを付与する方法として、特に、上記(I)、(II)、(III)の各方法のうち、少なくとも1つの方法を用いるのが好ましい。これらの方法は、接合膜15に対して比較的簡単に効率よくエネルギーを付与することができるので、エネルギー付与方法として好適である。
(I)接合膜15にエネルギー線を照射する場合、エネルギー線としては、例えば、紫外線、レーザー光のような光、X線、γ線、電子線、イオンビームのような粒子線等、またはこれらのエネルギー線を組み合わせたものが挙げられる。
これらのエネルギー線の中でも、特に、波長150〜300nm程度の紫外線を用いるのが好ましい(図8(L)参照)。かかる紫外線によれば、付与されるエネルギー量が最適化されるので、接合膜15中のSi骨格301が必要以上に破壊されるのを防止しつつ、Si骨格301と脱離基303との間の結合を選択的に切断することができる。これにより、接合膜15の特性(機械的特性、化学的特性等)が低下するのを防止しつつ、接合膜15に接着性を発現させることができる。
なお、紫外線の波長は、より好ましくは、160〜200nm程度とされる。
また、UVランプを用いる場合、その出力は、接合膜15の面積に応じて異なるが、1mW/cm2〜1W/cm2程度であるのが好ましく、5mW/cm2〜50mW/cm2程度であるのがより好ましい。なお、この場合、UVランプと接合膜15との離間距離は、3〜3000mm程度とするのが好ましく、10〜1000mm程度とするのがより好ましい。
一方、レーザー光としては、例えば、エキシマレーザー(フェムト秒レーザー)、Nd−YAGレーザー、Arレーザー、CO2レーザー、He−Neレーザー等が挙げられる。
また、エネルギー線を照射する方法によれば、付与するエネルギーの大きさを、精度よく簡単に調整することができる。このため、接合膜15から脱離する脱離基303の脱離量を調整することが可能となる。このように脱離基303の脱離量を調整することにより、接合膜15とノズルプレート10との間の接合強度を容易に制御することができる。
なお、付与するエネルギーの大きさを調整するためには、例えば、エネルギー線の種類、エネルギー線の出力、エネルギー線の照射時間等の条件を調整すればよい。
さらに、エネルギー線を照射する方法によれば、短時間で大きなエネルギーを付与することができるので、エネルギーの付与をより効率よく行うことができる。
また、加熱時間は、接合膜15の分子結合を切断し得る程度の時間であればよく、具体的には、加熱温度が前記範囲内であれば、1〜30分程度であるのが好ましい。
なお、基板20とノズルプレート10の熱膨張率がほぼ等しい場合には、上記のような条件で接合膜15を加熱すればよいが、基板20とノズルプレート10の熱膨張率が互いに異なっている場合には、後に詳述するが、できるだけ低温下で接合を行うのが好ましい。接合を低温下で行うことにより、接合界面に発生する熱応力のさらなる低減を図ることができる。
この場合、基板20とノズルプレート10とが互いに近づく方向に、0.2〜10MPa程度の圧力で圧縮するのが好ましく、1〜5MPa程度の圧力で圧縮するのがより好ましい。これにより、単に圧縮するのみで、接合膜15に対して適度なエネルギーを簡単に付与することができ、接合膜15に十分な接着性が発現する。なお、この圧力が前記上限値を上回っても構わないが、基板20とノズルプレート10の各構成材料によっては、基板20やノズルプレート10に損傷等が生じるおそれがある。
なお、仮接合体の状態では、基板20とノズルプレート10との間が接合されていないので、これらの相対的な位置を容易に調整する(ずらす)ことができる。したがって、一旦、仮接合体を得た後、基板20とノズルプレート10との相対位置を微調整することにより、最終的に得られるヘッド1の組み立て精度(寸法精度)を確実に高めることができる。
なお、接合膜15の全面にエネルギーを付与するようにしてもよいが、一部の領域のみに付与するようにしてもよい。このようにすれば、接合膜15の接着性が発現する領域を制御することができ、この領域の面積・形状等を適宜調整することによって、接合界面に発生する応力の局所集中を緩和することができる。これにより、例えば、基板20とノズルプレート10の熱膨張率差が大きい場合でも、これらを確実に接合することができる。
なお、後者の状態(未結合手が水酸基によって終端化された状態)は、例えば、接合膜15に対して大気雰囲気中でエネルギー線を照射することにより、大気中の水分が未結合手を終端化することによって、容易に生成することができる。
ここで、上記のようにして接合される基板20とノズルプレート10の各熱膨張率は、ほぼ等しいのが好ましい。基板20とノズルプレート10の熱膨張率がほぼ等しければ、これらを貼り合せた際に、その接合界面に熱膨張に伴う応力が発生し難くなる。その結果、最終的に得られるヘッド1において、剥離等の不具合が発生するのを確実に防止することができる。
すなわち、基板20とノズルプレート10の熱膨張率が互いに異なっている場合には、できるだけ低温下で接合を行うのが好ましい。接合を低温下で行うことにより、接合界面に発生する熱応力のさらなる低減を図ることができる。
なお、基板20の接合膜15を成膜する領域には、あらかじめ、接合膜15との密着性を高める表面処理を施すのが好ましい。これにより、基板20と接合膜15との間の接合強度をより高めることができ、最終的には、基板20とノズルプレート10との接合強度を高めることができる。
なお、表面処理を施す基板20が、樹脂材料(高分子材料)で構成されている場合には、特に、コロナ放電処理、窒素プラズマ処理等が好適に用いられる。
また、基板20の構成材料によっては、上記のような表面処理を施さなくても、接合膜15の接合強度が十分に高くなるものがある。このような効果が得られる基板20の構成材料としては、例えば、前述したような各種金属系材料、各種シリコン系材料、各種ガラス系材料等を主材料とするものが挙げられる。
なお、この場合、基板20の全体が上記のような材料で構成されていなくてもよく、少なくとも接合膜15を成膜する領域の表面付近が上記のような材料で構成されていればよい。
このような基や物質としては、例えば、水酸基、チオール基、カルボキシル基、アミノ基、ニトロ基、イミダゾール基のような官能基、ラジカル、開環分子、2重結合、3重結合のような不飽和結合、F、Cl、Br、Iのようなハロゲン、過酸化物からなる群から選択される少なくとも1つの基または物質が挙げられる。
また、表面処理に代えて、基板20の少なくとも接合膜15を成膜する領域には、あらかじめ、中間層を形成しておくのが好ましい。
この中間層は、いかなる機能を有するものであってもよく、例えば、接合膜15との密着性を高める機能、クッション性(緩衝機能)、応力集中を緩和する機能等を有するものが好ましい。このような中間層を介して基板20上に接合膜15を成膜することにより、基板20と接合膜15との接合強度を高め、信頼性の高い接合体、すなわちヘッド1を得ることができる。
また、これらの各材料で構成された中間層の中でも、酸化物系材料で構成された中間層によれば、基板20と接合膜15との間の接合強度を特に高めることができる。
なお、この表面処理には、基板20に対して施す前述したような表面処理と同様の処理を適用することができる。
かかる中間層の構成材料には、前述の基板20に形成する中間層の構成材料と同様のものを用いることができる。
ここで、本工程において、接合膜15を備える基板20とノズルプレート10とが接合されるメカニズムについて説明する。
なお、前記工程[15−2]で活性化された接合膜15の表面は、その活性状態が経時的に緩和してしまう。このため、前記工程[15−2]の終了後、できるだけ早く本工程[15−3]を行うようにするのが好ましい。具体的には、前記工程[15−2]の終了後、60分以内に本工程[15−3]を行うようにするのが好ましく、5分以内に行うのがより好ましい。かかる時間内であれば、接合膜15の表面が十分な活性状態を維持しているので、本工程で接合膜15を備える基板20とノズルプレート10とを貼り合わせたとき、これらの間に十分な接合強度を得ることができる。
以上のような工程を経て、ヘッド1が製造される。
また、接合膜15は、基板20とノズルプレート10の双方に成膜されていてもよい。
図11に示すヘッド1では、基板20の下面に成膜された接合膜15と、ノズルプレート10の上面に成膜された接合膜15とが密着するように、基板20とノズルプレート10とを貼り合わせることにより、これらが接合(接着)されている。
さらに、封止シート30の上面に成膜された接合膜35と、振動板40の下面に成膜された接合膜35とが密着するように、封止シート30と振動板40とを貼り合わせることにより、これらが接合(接着)されている。
さらに、振動板40の上面に成膜された接合膜45bと、ケースヘッド60の下面に成膜された接合膜45bとが密着するように、振動板40とケースヘッド60とを貼り合わせることにより、これらが接合(接着)されている。
なお、この場合、例えば、接合膜15に対するエネルギーの付与は、基板20の下面に成膜された接合膜15と、ノズルプレート10の上面に成膜された接合膜15のそれぞれに対して行うようにすればよい。
また、ヘッド1を得た後、このヘッド1に対して、必要に応じ、以下の2つの工程([16A]および[16B])のうちの少なくとも1つの工程(ヘッド1の接合強度を高める工程)を行うようにしてもよい。これにより、ヘッド1の各部の接合強度のさらなる向上を図ることができる。
これにより、上記各部の表面と隣接する接合膜の表面とがより近接し、ヘッド1における接合強度をより高めることができる。
このとき、ヘッド1を加圧する際の圧力は、ヘッド1が損傷を受けない程度の圧力で、できるだけ高い方が好ましい。これにより、この圧力に比例してヘッド1における接合強度を高めることができる。
また、加圧する時間は、特に限定されないが、10秒〜30分程度であるのが好ましい。なお、加圧する時間は、加圧する際の圧力に応じて適宜変更すればよい。具体的には、ヘッド1を加圧する際の圧力が高いほど、加圧する時間を短くしても、接合強度の向上を図ることができる。
これにより、ヘッド1における接合強度をより高めることができる。
このとき、ヘッド1を加熱する際の温度は、室温より高く、ヘッド1の耐熱温度未満であれば、特に限定されないが、好ましくは25〜100℃程度とされ、より好ましくは50〜100℃程度とされる。かかる範囲の温度で加熱すれば、ヘッド1が熱によって変質・劣化するのを確実に防止しつつ、接合強度を確実に高めることができる。
なお、前記工程[16A]、[16B]の双方を行う場合、これらを同時に行うのが好ましい。すなわち、ヘッド1を加圧しつつ、加熱するのが好ましい。これにより、加圧による効果と、加熱による効果とが相乗的に発揮され、ヘッド1の接合強度を特に高めることができる。
以上のような工程を行うことにより、ヘッド1における接合強度のさらなる向上を容易に図ることができる。
次に、本発明の液滴吐出ヘッドをインクジェット式記録ヘッドに適用した場合の第2実施形態について説明する。
図12は、本発明の液滴吐出ヘッドをインクジェット式記録ヘッドに適用した場合の第2実施形態が備える接合膜のエネルギー付与前の状態を示す部分拡大図、図13は、本発明の液滴吐出ヘッドをインクジェット式記録ヘッドに適用した場合の第2実施形態が備える接合膜のエネルギー付与後の状態を示す部分拡大図である。なお、以下の説明では、図12および図13中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
本実施形態にかかるインクジェット式記録ヘッドは、各接合膜の構成が異なること以外は、前記第1実施形態と同様である。
すなわち、本実施形態にかかるインクジェット式記録ヘッドは、各接合膜15、25、35、45a、45bがそれぞれエネルギー付与前の状態で、金属原子と、この金属原子に結合する酸素原子と、これら金属原子および酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基303とを含むものである。換言すれば、エネルギー付与前の各接合膜15、25、35、45a、45bは、それぞれ、金属酸化物で構成される金属酸化物膜に脱離基303を導入した膜であると言うことができる。
接合膜15は、金属原子と、この金属原子と結合する酸素原子とで構成されるもの、すなわち金属酸化物に脱離基303が結合したものであることから、変形し難い強固な膜となる。このため、接合膜15自体が寸法精度の高いものとなり、最終的に得られるヘッド1においても、寸法精度が高いものが得られる。
また、接合膜15が導電性を有する場合、接合膜15の抵抗率は、構成材料の組成に応じて若干異なるものの、1×10−3Ω・cm以下であるのが好ましく、1×10−4Ω・cm以下であるのがより好ましい。
具体的には、金属原子としては、特に限定されないが、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、K、Ca、Sc、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、TiおよびPb等が挙げられる。中でも、In(インジウム)、Sn(スズ)、Zn(亜鉛)、Ti(チタン)およびSb(アンチモン)のうちの1種または2種以上を組み合わせて用いるのが好ましい。接合膜15を、これらの金属原子を含むもの、すなわちこれらの金属原子を含む金属酸化物に脱離基303を導入したものとすることにより、接合膜15は、優れた導電性と透明性とを発揮するものとなる。
なお、金属酸化物としてインジウム錫酸化物(ITO)を用いる場合には、インジウムとスズとの原子比(インジウム/スズ比)は、99/1〜80/20であるのが好ましく、97/3〜85/15であるのがより好ましい。これにより、前述したような効果をより顕著に発揮させることができる。
また、脱離基303は、前述したように、金属原子および酸素原子の少なくとも一方から脱離することにより、接合膜15に活性手を生じさせるよう振る舞うものである。したがって、脱離基303には、エネルギーを付与されることによって、比較的簡単に、かつ均一に脱離するものの、エネルギーが付与されないときには、脱離しないよう接合膜15に確実に結合しているものが好適に選択される。
以上のような各原子および原子団の中でも、脱離基303は、特に、水素原子であるのが好ましい。水素原子で構成される脱離基303は、化学的な安定性が高いため、脱離基303として水素原子を備える接合膜15は、耐候性および耐薬品性に優れたものとなる。
かかる構成の接合膜15は、それ自体が優れた機械的特性を有している。また、多くの材料に対して特に優れた接着性を示すものである。したがって、このような接合膜15は、基板20に対して特に強固に接着するとともに、ノズルプレート10に対しても特に強い被着力を示し、その結果として、基板20とノズルプレート10とを強固に接合することができる。
すなわち、接合膜15の平均厚さが前記下限値を下回った場合は、十分な接合強度が得られないおそれがある。一方、接合膜15の平均厚さが前記上限値を上回った場合は、ヘッド1の寸法精度が著しく低下するおそれがある。
以上説明したような接合膜15は、接合膜15のほぼ全体に脱離基303を存在させる場合には、例えば、A:脱離基303を構成する原子成分を含む雰囲気下で、物理的気相成膜法により、金属原子と酸素原子とを含む金属酸化物材料を成膜することにより形成することができる。また、脱離基303を接合膜15の表面31付近に偏在させる場合には、例えば、B:金属原子と前記酸素原子とを含む金属酸化物膜を成膜した後、この金属酸化物膜の表面付近に含まれる金属原子および酸素原子の少なくとも一方に脱離基303を導入することにより形成することができる。
<A> Aの方法では、接合膜15は、上記のように、脱離基303を構成する原子成分を含む雰囲気下で、物理的気相成膜法(PVD法)により、金属原子と酸素原子とを含む金属酸化物材料を成膜することにより形成される。このようにPVD法を用いる構成とすれば、金属酸化物材料を基板20に向かって飛来させる際に、比較的容易に金属原子および酸素原子の少なくとも一方に脱離基303を導入することができる。このため、接合膜15のほぼ全体にわたって脱離基303を導入することができる。
まず、接合膜15の成膜方法を説明するのに先立って、基板20上にイオンビームスパッタリング法により接合膜15を成膜する際に用いられる成膜装置200について説明する。
図14に示す成膜装置200は、イオンビームスパッタリング法による接合膜15の形成がチャンバー(装置)内で行えるように構成されている。
なお、本実施形態では、基板ホルダー212は、チャンバー211の天井部に取り付けられている。この基板ホルダー212は、回動可能となっている。これにより、基板20上に接合膜15を均質かつ均一な厚さで成膜することができる。
また、イオン発生室256には、図14に示すように、その内部にガス(スパッタリング用ガス)を供給するガス供給源219が接続されている。
この成膜装置200では、イオン源215は、その開口250がチャンバー211内に位置するように、チャンバー211の側壁に固定(設置)されている。なお、イオン源215は、チャンバー211から離間した位置に配置し、接続部を介してチャンバー211に接続した構成とすることもできるが、本実施形態のような構成とすることにより、成膜装置200の小型化を図ることができる。
なお、イオン源215の設置個数は、1つに限定されるものではなく、複数とすることもできる。イオン源215を複数設置することにより、接合膜15の成膜速度をより速くすることができる。
これらシャッター220、221は、それぞれ、ターゲット216、基板20および接合膜15が、不要な雰囲気等に曝されるのを防ぐためのものである。
さらに、ガス供給手段260は、脱離基303を構成する原子成分を含むガス(例えば、水素ガス)を貯留するガスボンベ264と、ガスボンベ264からこのガスをチャンバー211に導くガス供給ライン261と、ガス供給ライン261の途中に設けられたポンプ262およびバルブ263とで構成されており、脱離基303を構成する原子成分を含むガスをチャンバー211内に供給し得るようになっている。
以上のような構成の成膜装置200を用いて、以下のようにして接合膜15が形成される。
まず、基板20を用意し、この基板20を成膜装置200のチャンバー211内に搬入し、基板ホルダー212に装着(セット)する。
次に、排気手段230を動作させ、すなわちポンプ232を作動させた状態でバルブ233を開くことにより、チャンバー211内を減圧状態にする。この減圧の程度(真空度)は、特に限定されないが、1×10−7〜1×10−4Torr程度であるのが好ましく、1×10−6〜1×10−5Torr程度であるのがより好ましい。
脱離基303を構成する原子成分を含むガスの流量は、1〜100ccm程度であるのが好ましく、10〜60ccm程度であるのがより好ましい。これにより、金属原子および酸素原子の少なくとも一方に確実に脱離基303を導入することができる。
また、チャンバー211内の温度は、25℃以上であればよいが、25〜100℃程度であるのが好ましい。かかる範囲内に設定することにより、金属原子または酸素原子と、前記原子成分を含むガスとの反応が効率良く行われ、金属原子および酸素原子に確実に、前記原子成分を含むガスを導入することができる。
この状態で、イオン源215のイオン発生室256内にガスを導入するとともに、フィラメント257に通電して加熱する。これにより、フィラメント257から電子が放出され、この放出された電子とガス分子が衝突することにより、ガス分子がイオン化する。
さらに、イオンビームBの照射方向(イオン源215の開口250)がターゲット216(チャンバー211の底部側と異なる方向)に向いているので、イオン発生室256内で発生した紫外線が、成膜された接合膜15に照射されるのがより確実に防止されて、接合膜15の成膜中に導入された脱離基303が脱離するのを確実に防止することができる。
以上のようにして、ほぼ全体にわたって脱離基303が存在する接合膜15を成膜することができる。
なお、Bの方法を用いて接合膜15の成膜する場合も、Aの方法を用いて接合膜15を成膜する際に用いられる成膜装置200と同様の成膜装置が用いられるため、成膜装置に関する説明は省略する。
[ii] 次に、排気手段230を動作させ、すなわちポンプ232を作動させた状態でバルブ233を開くことにより、チャンバー211内を減圧状態にする。この減圧の程度(真空度)は、特に限定されないが、1×10−7〜1×10−4Torr程度であるのが好ましく、1×10−6〜1×10−5Torr程度であるのがより好ましい。
また、このとき、加熱手段を動作させ、チャンバー211内を加熱する。チャンバー211内の温度は、25℃以上であればよいが、25〜100℃程度であるのが好ましい。かかる範囲内に設定することにより、膜密度の高い金属酸化物膜を成膜することができる。
この状態で、イオン源215のイオン発生室256内にガスを導入するとともに、フィラメント257に通電して加熱する。これにより、フィラメント257から電子が放出され、この放出された電子とガス分子が衝突することにより、ガス分子がイオン化する。
さらに、イオンビームBの照射方向(イオン源215の開口250)がターゲット216(チャンバー211の底部側と異なる方向)に向いているので、イオン発生室256内で発生した紫外線が、成膜された接合膜15に照射されるのがより確実に防止されて、接合膜15の成膜中に導入された脱離基303が脱離するのを確実に防止することができる。
この状態で、加熱手段を動作させ、チャンバー211内をさらに加熱する。チャンバー211内の温度は、金属酸化物膜の表面に効率良く脱離基303が導入される温度に設定され、100〜600℃程度であるのが好ましく、150〜300℃程度であるのがより好ましい。かかる範囲内に設定することにより、次工程[v]において、基板20および金属酸化物膜を変質・劣化させることなく、金属酸化物膜の表面に効率良く脱離基303を導入することができる。
このように、前記工程[iv]でチャンバー211内が加熱された状態で、チャンバー211内を、脱離基303を構成する原子成分を含むガスを含む雰囲気下(例えば、水素ガス雰囲気下)とすると、金属酸化物膜の表面付近に存在する金属原子および酸素原子の少なくとも一方に脱離基303が導入されて、接合膜15が形成される。
なお、チャンバー211内は、前記工程[ii]において、排気手段230を動作させることにより調整された減圧状態を維持しているのが好ましい。これにより、金属酸化物膜の表面付近に対する脱離基303の導入をより円滑に行うことができる。また、前記工程[ii]の減圧状態を維持したまま、本工程においてチャンバー211内を減圧する構成とすることにより、再度減圧する手間が省けることから、成膜時間および成膜コスト等の削減を図ることができるという利点も得られる。
また、熱処理を施す時間は、15〜120分程度であるのが好ましく、30〜60分程度であるのがより好ましい。
以上のようにして、表面31付近に脱離基303が偏在する接合膜15を成膜することができる。
以上のような第2実施形態にかかるインクジェット式記録ヘッド1においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。
次に、本発明の液滴吐出ヘッドをインクジェット式記録ヘッドに適用した場合の第3実施形態について説明する。
以下、インクジェット式記録ヘッドの第3実施形態について説明するが、前記第1実施形態および前記第2実施形態にかかるインクジェット式記録ヘッドとの相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
すなわち、本実施形態にかかるインクジェット式記録ヘッドは、各接合膜15、25、35、45a、45bがそれぞれエネルギー付与前の状態で、金属原子と、有機成分で構成される脱離基303を含むものである。
接合膜15は、基板20上に設けられ、金属原子と、有機成分で構成される脱離基303を含むものである。
このような接合膜15は、エネルギーが付与されると、脱離基303の結合手が切れて接合膜15の少なくとも表面31付近から脱離し、図13に示すように、接合膜15の少なくとも表面31付近に、活性手304が生じるものである。そして、これにより、接合膜15の表面31に接着性が発現する。かかる接着性が発現すると、接合膜15を備えた基板20は、ノズルプレート10に対して、高い寸法精度で強固に効率よく接合可能なものとなる。
このような接合膜15は、流動性を有さない固体状をなすものである。このため、従来から用いられている、流動性を有する液状または粘液状(半固形状)の接着剤に比べて、接着層(接合膜15)の厚さや形状がほとんど変化しない。したがって、このような接合膜15を用いて得られたヘッド1の寸法精度は、従来に比べて格段に高いものとなる。さらに、接着剤の硬化に要する時間が不要になるため、短時間で強固な接合が可能となる。
以上のような接合膜15としての機能が好適に発揮されるように、金属原子および脱離基303が選択される。
以上のような原子団の中でも、脱離基303は、特に、アルキル基であるのが好ましい。アルキル基で構成される脱離基303は、化学的な安定性が高いため、脱離基303としてアルキル基を備える接合膜15は、耐候性および耐薬品性に優れたものとなる。
すなわち、接合膜15の平均厚さが前記下限値を下回った場合は、十分な接合強度が得られないおそれがある。一方、接合膜15の平均厚さが前記上限値を上回った場合は、ヘッド1の寸法精度が著しく低下するおそれがある。
以上説明したような接合膜15は、いかなる方法で成膜してもよいが、例えば、IIa:金属原子で構成される金属膜に、脱離基(有機成分)303を含む有機物を、金属膜のほぼ全体または表面付近に選択的に付与(化学修飾)して接合膜15を形成する方法、IIb:金属原子と、脱離基(有機成分)303を含む有機物とを有する有機金属材料を原材料として有機金属化学気相成長法を用いて接合膜15を形成する方法(積層させる方法あるいは、単原子層からなる接合層を形成)、IIc:金属原子と脱離基303を含む有機物とを有する有機金属材料を原材料として適切な溶媒に溶解させスピンコート法などを用いて接合膜を形成する方法等が挙げられる。これらの中でも、IIbの方法により接合膜15を成膜するのが好ましい。かかる方法によれば、比較的簡単な工程で、かつ、均一な膜厚の接合膜15を形成することができる。
まず、接合膜15の成膜方法を説明するのに先立って、接合膜15を成膜する際に用いられる成膜装置400について説明する。
図16に示す成膜装置400は、有機金属化学気相成長法(以下、「MOCVD法」と省略することもある。)による接合膜15の形成をチャンバー411内で行えるように構成されている。
また、基板ホルダー412の近傍には、それぞれ、これらを覆うことができるシャッター421が配設されている。このシャッター421は、基板20および接合膜15が不要な雰囲気等に曝されるのを防ぐためのものである。
また、本実施形態では、ガス供給手段470がチャンバー411に接続されている。ガス供給手段470は、チャンバー411内を低還元性雰囲気下とするためのガスを貯留するガスボンベ475と、前記低還元性雰囲気下とするためのガスをチャンバー411内に導くガス供給ライン471と、ガス供給ライン471の途中に設けられたポンプ474およびバルブ473とで構成されている。かかる構成のガス供給手段470では、バルブ473を開放した状態で、ポンプ474を作動させると、前記低還元性雰囲気下とするためのガスが、ガスボンベ475から、供給ライン471を介して、チャンバー411内に供給されるようになっている。ガス供給手段470をかかる構成とすることにより、チャンバー411内を有機金属材料に対して確実に低還元な雰囲気とすることができる。その結果、有機金属材料を原材料としてMOCVD法を用いて接合膜15を成膜する際に、有機金属材料に含まれる有機成分の少なくとも一部を脱離基303として残存させた状態で接合膜15が成膜される。
なお、有機金属材料として、後述する2,4−ペンタジオネート−銅(II)や[Cu(hfac)(VTMS)]等のように分子構造中に酸素原子を含有するものを用いる場合には、低還元性雰囲気下とするためのガスに、水素ガスを添加するのが好ましい。これにより、酸素原子に対する還元性を向上させることができ、接合膜15に過度の酸素原子が残存することなく、接合膜15を成膜することができる。その結果、この接合膜15は、膜中における金属酸化物の存在率が低いものとなり、優れた導電性を発揮することとなる。
また、排気手段430は、ポンプ432と、ポンプ432とチャンバー411とを連通する排気ライン431と、排気ライン431の途中に設けられたバルブ433とで構成されており、チャンバー411内を所望の圧力に減圧し得るようになっている。
以上のような構成の成膜装置400を用いてMOCVD法により、以下のようにして基板20上に接合膜15が形成される。
[ii] 次に、排気手段430を動作させ、すなわちポンプ432を作動させた状態でバルブ433を開くことにより、チャンバー411内を減圧状態にする。この減圧の程度(真空度)は、特に限定されないが、1×10−7〜1×10−4Torr程度であるのが好ましく、1×10−6〜1×10−5Torr程度であるのがより好ましい。
そして、固形状の有機金属材料を貯留された貯留槽462が備える加熱手段を動作させることにより、有機金属材料を気化させた状態で、ポンプ464を動作させるとともに、バルブ463を開くことにより、気化または霧化した有機金属材料をキャリアガスとともにチャンバー内に導入する。
すなわち、MOCVD法によれば、有機金属材料に含まれる有機物の一部が残存するように金属原子を含む膜を形成すれば、この有機物の一部が脱離基303としての機能を発揮する接合膜15を基板20上に形成することができる。
以上のように、接合膜15を成膜した際に膜中に残存する残存物を脱離基303として用いる構成とすることにより、形成した金属膜等に脱離基を導入する必要がなく、比較的簡単な工程で接合膜15を成膜することができる。
以上のようにして、接合膜15を成膜することができる。
以上のような第3実施形態にかかるインクジェット式記録ヘッド1においても、前記第1実施形態および前記第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
例えば、本発明の液滴吐出ヘッドを製造する方法では、前記実施形態の構成に限定されず、工程の順序が前後してもよい。また、任意の目的の工程が1または2以上追加されていてもよく、不要な工程を削除してもよい。
また、上述した接合膜を用いる接合方法を、液滴吐出ヘッドの上記以外の部材の接合に適用してもよい。
1.インクジェット式記録ヘッドの製造
(実施例1)
<1>まず、ステンレス鋼製のノズルプレート、単結晶シリコン製の板状の母材、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)製の封止シート、ステンレス鋼製の振動板、ジルコン酸鉛の焼結体で構成された圧電体層とAgペーストを焼成した電極膜との積層体からなる圧電素子と、PPS製のケースヘッドとを用意した。
次いで、母材を図10に示すプラズマ重合装置のチャンバー内に収納し、酸素プラズマによる表面処理を行った。
次に、表面処理を行った面に、平均厚さ200nmのプラズマ重合膜(接合膜)を成膜した。なお、成膜条件は以下に示す通りである。
・原料ガスの組成 :オクタメチルトリシロキサン
・原料ガスの流量 :10sccm
・キャリアガスの組成:アルゴン
・キャリアガスの流量:10sccm
・高周波電力の出力 :100W
・高周波出力密度 :25W/cm2
・チャンバー内圧力 :1Pa(低真空)
・処理時間 :15分
・基板温度 :20℃
このようにして成膜されたプラズマ重合膜は、オクタメチルトリシロキサン(原料ガス)の重合物で構成されており、シロキサン結合を含み、ランダムな原子構造を有するSi骨格と、アルキル基(脱離基)とを含むものである。
<紫外線照射条件>
・雰囲気ガスの組成 :大気(空気)
・雰囲気ガスの温度 :20℃
・雰囲気ガスの圧力 :大気圧(100kPa)
・紫外線の波長 :172nm
・紫外線の照射時間 :5分
一方、封止シートの片面に対して、酸素プラズマによる表面処理を行った。
次に、紫外線を照射してから1分後に、プラズマ重合膜の紫外線を照射した面と、封止シートの表面処理を施した面とが接触するように、母材と封止シートとを貼り合わせた。これにより、母材と封止シートとの接合体を得た。
次に、得られたプラズマ重合膜に、前記工程<1>と同様にして、紫外線を照射した。一方、振動板の片面に対して、酸素プラズマによる表面処理を行った。
そして、紫外線を照射してから1分後に、プラズマ重合膜の紫外線を照射した面と、振動板の表面処理を施した面とが接触するように、接合体と振動板とを貼り合わせた。これにより、母材、封止シートおよび振動板の接合体を得た。
<4>次に、母材、封止シートおよび振動板が接合された接合体の振動板上のうち、圧電素子が組み立てられる位置(環状の貫通孔の内側の領域)に、前記工程<1>と同様にして、プラズマ重合膜を成膜した。
そして、紫外線を照射してから1分後に、プラズマ重合膜の紫外線を照射した面と、圧電素子の表面処理を施した面とが接触するように、接合体と圧電素子とを貼り合わせた。これにより、母材、封止シート、振動板および圧電素子の接合体を得た。
次に、得られたプラズマ重合膜に、前記工程<1>と同様にして、紫外線を照射した。一方、ケースヘッドの接合面に対して、酸素プラズマによる表面処理を行った。
そして、紫外線を照射してから1分後に、プラズマ重合膜の紫外線を照射した面と、ケースヘッドの表面処理を施した面とが接触するように、接合体とケースヘッドとを貼り合わせた。これにより、母材、封止シート、振動板、圧電素子およびケースヘッドの接合体を得た。
<6>次に、得られた接合体の上下を反転させ、母材の封止シートが接合された面と反対側の面に対して、エッチング法により加工を施した。そして、母材に、吐出液貯留室と吐出液供給室とを形成し、これにより吐出液貯留室形成基板を得た。
次に、得られたプラズマ重合膜に、前記工程<1>と同様にして、紫外線を照射した。一方、ノズルプレートの接合面に対して、酸素プラズマによる表面処理を行った。
そして、紫外線を照射してから1分後に、プラズマ重合膜の紫外線を照射した面と、ノズルプレートの表面処理を施した面とが接触するように、吐出液貯留室形成基板とノズルプレートとを貼り合わせた。これにより、ノズルプレート、母材、封止シート、振動板、圧電素子およびケースヘッドの接合体、すなわちインクジェット式記録ヘッドを得た。
<8>次に、得られたインクジェット式記録ヘッドを、3MPaで圧縮しつつ、80℃で加熱し、15分間維持した。これにより、インクジェット式記録ヘッドの接合強度の向上を図った。
ノズルプレートと吐出液貯留室形成基板との間の接合部以外の接合部、すなわち、母材と封止シートとの間、封止シートと振動板との間、振動板と圧電素子との間、振動板とケースヘッドとの間の各接合部を、それぞれエポキシ接着剤で接着するようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェット式記録ヘッドを製造した。
以下のようにして、プラズマ重合膜を、接合界面の両側に成膜し、各プラズマ重合膜同士を貼り合わせるようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェット式記録ヘッドを製造した。
具体的には、まず、前記実施例1と同様にして、母材上にプラズマ重合膜を成膜した。
また、同様に、封止シート上にもプラズマ重合膜を成膜した。
次に、各プラズマ重合膜同士が密着するように、母材と封止シートとを貼り合わせた。これにより、母材と封止シートとを接合した。
また、これと同様にして、封止シートと振動板との間、振動板と圧電素子との間、振動板とケースヘッドとの間、吐出液貯留室形成基板とノズルプレートとの間を、それぞれ接合した。
<1>まず、ステンレス鋼製のノズルプレート、単結晶シリコン製の板状の母材、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)製の封止シート、ステンレス鋼製の振動板、ジルコン酸鉛の焼結体で構成された圧電体層とAgペーストを焼成した電極膜との積層体からなる圧電素子と、PPS製のケースヘッドとを用意した。
次に、表面処理を行った面に、イオンビームスパッタリング法を用いて、ITOに水素原子が導入された接合膜(平均厚さ100nm)を成膜した。なお、成膜条件は以下に示す通りである。
・ターゲット :ITO
・チャンバーの到達真空度 :2×10−6Torr
・成膜時のチャンバー内の圧力 :1×10−3Torr
・水素ガスの流量 :60sccm
・チャンバー内の温度 :20℃
・イオンビームの加速電圧 :600V
イオン発生室側のグリッドへの印加電圧 :+400V
チャンバー側のグリッドへの印加電圧 :−200V
・イオンビーム電流 :200mA
・イオン発生室に供給するガス種 :Krガス
・処理時間 :20分
このようにして成膜された接合膜は、ITOに水素原子が導入されたもので構成されており、金属原子(インジウムおよびスズ)と、この金属原子と結合する酸素原子と、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基(水素原子)とを含むものである。
<紫外線照射条件>
・雰囲気ガスの組成 :窒素ガス
・雰囲気ガスの温度 :20℃
・雰囲気ガスの圧力 :大気圧(100kPa)
・紫外線の波長 :172nm
・紫外線の照射時間 :5分
一方、封止シートの片面に対して、酸素プラズマによる表面処理を行った。
次に、紫外線を照射してから1分後に、接合膜の紫外線を照射した面と、封止シートの表面処理を施した面とが接触するように、母材と封止シートとを貼り合わせた。これにより、母材と封止シートとの接合体を得た。
次に、得られた接合膜に、前記工程<1>と同様にして、紫外線を照射した。一方、振動板の片面に対して、酸素プラズマによる表面処理を行った。
そして、紫外線を照射してから1分後に、接合膜の紫外線を照射した面と、振動板の表面処理を施した面とが接触するように、接合体と振動板とを貼り合わせた。これにより、母材、封止シートおよび振動板の接合体を得た。
<4>次に、母材、封止シートおよび振動板が接合された接合体の振動板上のうち、圧電素子が組み立てられる位置(環状の貫通孔の内側の領域)に、前記工程<1>と同様にして、接合膜を成膜した。
そして、紫外線を照射してから1分後に、接合膜の紫外線を照射した面と、圧電素子の表面処理を施した面とが接触するように、接合体と圧電素子とを貼り合わせた。これにより、母材、封止シート、振動板および圧電素子の接合体を得た。
次に、得られた接合膜に、前記工程<1>と同様にして、紫外線を照射した。一方、ケースヘッドの接合面に対して、酸素プラズマによる表面処理を行った。
そして、紫外線を照射してから1分後に、接合膜の紫外線を照射した面と、ケースヘッドの表面処理を施した面とが接触するように、接合体とケースヘッドとを貼り合わせた。これにより、母材、封止シート、振動板、圧電素子およびケースヘッドの接合体を得た。
<6>次に、得られた接合体の上下を反転させ、母材の封止シートが接合された面と反対側の面に対して、エッチング法により加工を施した。そして、母材に、吐出液貯留室と吐出液供給室とを形成し、これにより吐出液貯留室形成基板を得た。
次に、得られた接合膜に、前記工程<1>と同様にして、紫外線を照射した。一方、ノズルプレートの接合面に対して、酸素プラズマによる表面処理を行った。
そして、紫外線を照射してから1分後に、接合膜の紫外線を照射した面と、ノズルプレートの表面処理を施した面とが接触するように、吐出液貯留室形成基板とノズルプレートとを貼り合わせた。これにより、ノズルプレート、母材、封止シート、振動板、圧電素子およびケースヘッドの接合体、すなわちインクジェット式記録ヘッドを得た。
<8>次に、得られたインクジェット式記録ヘッドを、3MPaで圧縮しつつ、80℃で加熱し、15分間維持した。これにより、インクジェット式記録ヘッドの接合強度の向上を図った。
接合膜を以下のようにして成膜した以外は、前記実施例4と同様にしてインクジェット式記録ヘッドを得た。
母材を図16に示す成膜装置のチャンバー内に収納し、酸素プラズマによる表面処理を行った。
次に、表面処理を行った面に、原材料を2,4−ペンタジオネート−銅(II)とし、MOCVD法を用いて、平均厚さ100nmの接合膜を成膜した。なお、成膜条件は以下に示す通りである。
・チャンバー内の雰囲気 :窒素ガス + 水素ガス
・有機金属材料(原材料) :2,4−ペンタジオネート−銅(II)
・有機金属材料の流量 :1sccm
・キャリアガス :窒素ガス
・水素ガスの流量 :0.2sccm
・チャンバーの到達真空度 :2×10−6Torr
・成膜時のチャンバー内の圧力 :1×10−3Torr
・基板ホルダーの温度 :275℃
・処理時間 :10分
なお、以上のようにして得られたインクジェット式記録ヘッドを、10MPaで圧縮しつつ、120℃で加熱し、15分間維持した。これにより、インクジェット式記録ヘッドの接合強度の向上を図った。
全ての接合部、すなわち、ノズルプレートと吐出液貯留室形成基板との間、母材と封止シートとの間、封止シートと振動板との間、振動板と圧電素子との間、振動板とケースヘッドとの間の各接合部を、それぞれエポキシ接着剤で接合するようにした以外は、前記実施例1と同様にしてインクジェット式記録ヘッドを製造した。
2.1 寸法精度の評価
各実施例および比較例で得られたインクジェット式記録ヘッドについて、それぞれ寸法精度を測定した。
その結果、各実施例で得られたインクジェット式記録ヘッドでは、いずれも、各比較例で得られたインクジェット式記録ヘッドに比べて寸法精度が高かった。
また、各インクジェット式記録ヘッドをインクジェットプリンタに組み込み、印刷用紙に印字したところ、各実施例で得られたヘッドを組み込んだプリンタでは、各比較例で得られたヘッドを組み込んだプリンタに比べ、印字品位が優れていることが認められた。
各実施例および比較例で得られたインクジェット式記録ヘッドに、80℃に維持したインクジェットプリンタ用インク(エプソン社製)を充填し、3週間保持した。その後、インクジェット式記録ヘッドの状態を評価した。
その結果、各実施例で得られたインクジェット式記録ヘッドでは、接合部へのインクの浸入がほとんど認められなかった。これに対し、比較例で得られたインクジェット式記録ヘッドでは、接合部へのインクの浸入が認められた。
Claims (34)
- 吐出液を貯留する吐出液貯留室が形成された基板と、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の一方の面に設けられ、前記吐出液を液滴として吐出するノズル孔とを備えるノズルプレートと、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の他方の面に設けられた封止板とを有し、
前記基板と前記ノズルプレートとが接合膜を介して接合されており、
前記接合膜は、プラズマ重合法により形成されたものであり、シロキサン(Si−O)結合を含みランダムな原子構造を有するSi骨格と、該Si骨格に結合する脱離基とを含み、
前記接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与したことにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が前記Si骨格から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現した接着性によって、前記基板と前記ノズルプレートとを接合していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記接合膜を構成する全原子からH原子を除いた原子のうち、Si原子の含有率とO原子の含有率の合計が、10〜90原子%である請求項1に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記接合膜中のSi原子とO原子の存在比は、3:7〜7:3である請求項1または2に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記Si骨格の結晶化度は、45%以下である請求項1ないし3のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記接合膜は、Si−H結合を含んでいる請求項1ないし4のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記Si−H結合を含む接合膜についての赤外光吸収スペクトルにおいて、シロキサン結合に帰属するピーク強度を1としたとき、Si−H結合に帰属するピーク強度が0.001〜0.2である請求項5に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記脱離基は、H原子、B原子、C原子、N原子、O原子、P原子、S原子およびハロゲン系原子、またはこれらの各原子が前記Si骨格に結合するよう配置された原子団からなる群から選択される少なくとも1種で構成されたものである請求項1ないし6のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記脱離基は、アルキル基である請求項7に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記脱離基としてメチル基を含む接合膜についての赤外光吸収スペクトルにおいて、シロキサン結合に帰属するピーク強度を1としたとき、メチル基に帰属するピーク強度が0.05〜0.45である請求項8に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記接合膜は、ポリオルガノシロキサンを主材料として構成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ポリオルガノシロキサンは、オクタメチルトリシロキサンの重合物を主成分とするものである請求項10に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記プラズマ重合法において、プラズマを発生させる際の高周波の出力密度は、0.01〜100W/cm2である請求項1ないし11のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記接合膜の平均厚さは、1〜1000nmである請求項1ないし12のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記接合膜は、流動性を有しない固体状のものである請求項1ないし13のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記基板は、シリコン材料またはステンレス鋼を主材料として構成されている請求項1ないし14のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ノズルプレートは、シリコン材料またはステンレス鋼を主材料として構成されている請求項1ないし15のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記基板の前記接合膜と接している面には、あらかじめ、前記接合膜との密着性を高める表面処理が施されている請求項1ないし16のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ノズルプレートの前記接合膜と接している面には、あらかじめ、前記接合膜との密着性を高める表面処理が施されている請求項1ないし17のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記表面処理は、プラズマ処理である請求項17または18に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記基板と前記接合膜との間に、中間層を有する請求項1ないし19のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ノズルプレートと前記接合膜との間に、中間層を有する請求項1ないし20のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記中間層は、酸化物系材料を主材料として構成されている請求項20または21に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記エネルギーの付与は、前記接合膜にエネルギー線を照射する方法、前記接合膜を加熱する方法、および、前記接合膜に圧縮力を付与する方法のうちの少なくとも1つの方法により行われる請求項1ないし22のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記エネルギー線は、波長150〜300nmの紫外線である請求項23に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記加熱の温度は、25〜100℃である請求項23に記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記圧縮力は、0.2〜10MPaである請求項23に記載の液滴吐出ヘッド。
- 吐出液を貯留する吐出液貯留室が形成された基板と、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の一方の面に設けられ、前記吐出液を液滴として吐出するノズル孔とを備えるノズルプレートと、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の他方の面に設けられた封止板とを有し、
前記基板と前記ノズルプレートとが接合膜を介して接合されており、
前記接合膜は、金属原子と、該金属原子に結合する酸素原子と、前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方に結合する脱離基とを含み、
前記接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与したことにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が前記金属原子および前記酸素原子の少なくとも一方から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現した接着性によって、前記基板と前記ノズルプレートとを接合していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 吐出液を貯留する吐出液貯留室が形成された基板と、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の一方の面に設けられ、前記吐出液を液滴として吐出するノズル孔とを備えるノズルプレートと、
前記吐出液貯留室を覆うように前記基板の他方の面に設けられた封止板とを有し、
前記基板と前記ノズルプレートとが接合膜を介して接合されており、
前記接合膜は、金属原子と、有機成分で構成される脱離基とを含み、
前記接合膜は、その少なくとも一部の領域にエネルギーを付与したことにより、前記接合膜の表面付近に存在する前記脱離基が前記接合膜から脱離し、前記接合膜の表面の前記領域に発現した接着性によって、前記基板と前記ノズルプレートとを接合していることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記基板と前記封止板とが、前記接合膜と同様の接合膜を介して接合されている請求項1ないし28のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記封止板は、複数の層を積層してなる積層体で構成されており、
前記積層体中の層のうち、隣接する少なくとも1組の層の層間が、前記接合膜と同様の接合膜を介して接合されている請求項1ないし29のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。 - 当該液滴吐出ヘッドは、さらに、前記封止板の前記基板と反対側に設けられ、前記封止板を振動させる振動手段を有し、
前記封止板と前記振動手段とが、前記接合膜と同様の接合膜を介して接合されている請求項1ないし30のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。 - 前記振動手段は、圧電素子で構成されている請求項31に記載の液滴吐出ヘッド。
- 当該液滴吐出ヘッドは、さらに、前記封止板の前記基板と反対側に設けられたケースヘッドを有し、
前記封止板と前記ケースヘッドとが、前記接合膜と同様の接合膜を介して接合されている請求項1ないし32のいずれかに記載の液滴吐出ヘッド。 - 請求項1ないし33のいずれかに記載の液滴吐出ヘッドを備えることを特徴とする液滴吐出装置。
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