JP2010046568A - 遠心分離装置 - Google Patents

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    • B04B5/00Other centrifuges
    • B04B5/04Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers
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Abstract

【課題】体積または濃度を容易にかつ正確に制御して最終生成物を回収することができる遠心分離装置を提供する。
【解決手段】所定の軸線回りに回転駆動させられるロータ2と、該ロータ2に設けられ、懸濁液Aを収容する筒状の遠心分離容器5をその長手軸線に直交する揺動軸線3a回りに揺動可能に支持し、ロータ2の回転時に遠心力によって遠心分離容器5の底部が半径方向外方に向かうように支持する支持部3と、ロータ2が停止した状態で遠心分離容器5を揺動軸線3a回りに傾斜させ、その傾斜角度を制御する角度制御部4とを備える遠心分離装置1を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、遠心分離装置に関するものである。
従来、細胞懸濁液の入った遠心分離容器を遠心分離装置により自動で操作する場合、容器内を無菌的に扱うために、給排液用および細胞回収用のチューブがそれぞれ開口側から挿入され、密閉された遠心分離容器を使用する。そして、遠心分離後にポンプにより給排液用のチューブから上清を吸引して排出したのち、細胞回収用のチューブにより細胞と少量の上清とを同時に吸引して細胞濃縮液として回収する。
細胞濃縮液の濃度や体積を変更したいときは、ポンプにより排出量を制御して上清の残量を調節する。あるいは、吸引を続けると上清の液面がチューブの先端の位置まで下がったときに排出は止まるので、チューブの先端の高さを変更して上清の残量を調節する方法が用いられている。また、このようにして一度残量が一定になるまで排出したのち、一定量の液体を給液することにより、細胞濃縮液の体積を調節する方法も用いられている。
また、上清を少量だけ残したい場合、底部に沈殿した細胞塊の近くまで給排液用チューブの先端を挿入して上清を吸引する必要がある。
しかし、一般に使用されるチューブポンプのような非接触のポンプの場合、送液量の誤差が生じやすく、ポンプの排出量のみで上清の残量を精度良く制御することは困難である。チューブの先端の位置により残量を制御する場合は、密閉された容器内において自動で位置を精度よく調節するには複雑な機構が必要となる。また、手動でこのような位置精度が必要な作業を行うことは困難であり、生体試料を扱う場合には雑菌の混入や安全性などの問題もある。また、底部付近から上清を吸引すると、沈殿させた細胞を巻き上げたり細胞も同時に吸引するなどして回収率が低下するとういう不都合がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、体積または濃度を容易にかつ正確に制御して最終生成物を回収することができる遠心分離装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、所定の回転軸線回りに回転駆動させられるロータと、該ロータに設けられ、懸濁液を収容する筒状の遠心分離容器をその長手軸線に直交する揺動軸線回りに揺動可能に支持し、前記ロータの回転時に遠心力によって前記遠心分離容器の底部が半径方向外方に向かうように支持する支持部と、前記ロータが停止した状態で前記遠心分離容器を前記揺動軸線回りに傾斜させ、その傾斜角度を制御する角度制御部とを備える遠心分離装置を提供する。
本発明によれば、遠心分離容器を支持部により支持させてロータを回転駆動させると、遠心分離容器には回転軸線を中心とする半径方向外方の遠心力が作用し、底部が回転軸線から離間する方向に回転させられる。そして、底部の位置を半径方向外方に保持したまま遠心分離容器が回転軸線回りに回転させられ、遠心分離容器内に収容された懸濁液内の各成分にはその密度に応じた半径方向外方の遠心力が作用し、密度の大きな成分ほど半径方向外方へ、つまり、遠心分離容器の底部側へ移動させられる。
その結果、懸濁液に含まれる成分を密度の差によって沈殿と上清とに分離することができる。ロータの回転が停止されると遠心分離容器に遠心力が作用しなくなり、遠心分離容器は重力に従って揺動し、底部を下方に向けて停止する。そして、上清を遠心分離容器内から排出し、底部に残った沈殿を回収すると、最終生成物を得ることができる。
この場合に、ロータの停止後に直立した遠心分離容器を角度制御部により揺動軸線回りに傾けていくと、遠心分離容器内において液面が移動し、揺動軸線に直交し、かつ長手軸線を含む揺動平面上に配される遠心分離容器の内壁面に沿う液面位置が変化する。これにより、遠心分離容器内の上清を吸引するための吸引口の位置が固定されていても、遠心分離容器の傾斜角度を調節して吸引口に対する液面位置を変化させ、吸引口からの上清の吸引を可能とすることができる。
すなわち、遠心分離容器の傾斜角度と吸引口の位置によって決まる一定量の上清を残して排出することができる。
したがって、本発明によれば、遠心分離容器の傾斜角度により残量を制御して上清を排出し、所望の体積、または所望の濃度の最終生成物を得ることができる。
また、遠心分離容器には上清の量を調節するための新たな機構は不要であるので、使用の都度交換可能なディスポーザブルの遠心分離容器を使用することができる。
また、傾けられた遠心分離容器の下方に向けられた内壁では、液面の位置が底部から離れる方向へ移動させられ、底部の沈殿から離れた位置から上清を吸引することが可能となる。これにより、沈殿を舞い上げて最終生成物を上清とともに吸引してしまうという不都合を防ぐことができると同時に、吸引口が底部から離れていても少量の上清のみを残して上清を排出することができる。
上記発明においては、前記角度制御部が、前記揺動軸線から前記長手軸線方向に離れた位置において前記遠心分離容器を揺動方向に押圧する押圧手段を備えてもよい。
このようにすることで、押圧された位置が揺動方向に移動させられると、その移動量に応じた傾斜角度に遠心分離容器全体を揺動させて傾斜させることができる。
また、本発明は、所定の回転軸線回りに回転駆動させられるロータと、該ロータに設けられ、懸濁液を収容する筒状の遠心分離容器をその長手軸線に直交する揺動軸線回りに揺動可能に支持し、前記ロータの回転時に遠心力によって前記遠心分離容器の底部が半径方向外方に向かうように支持する支持部と、前記ロータが停止した状態で、前記遠心分離容器の長手軸線が鉛直軸線に対して傾斜するように係止するストッパとを備える遠心分離装置を提供する。
本発明によれば、遠心分離容器を支持部に支持させてロータを回転駆動させると懸濁液を分離することができる。そして、ロータの回転が停止されると、遠心分離容器は重力に従って揺動軸線回りに揺動し、ストッパにより係止されて傾斜した状態で停止させられる。そして、上清を排出して底部の沈殿を回収すると、分離された最終生成物を得ることができる。
この場合に、傾斜した遠心分離容器の下方に向けられた内壁では、液面位置が底部から離れた位置に配置される。これにより、沈殿から離れた位置で上清を吸引することが可能になるので沈殿を舞い上げて最終生成物を上清とともに排出するという不都合を防ぐことができる。また、遠心分離容器を傾斜させることにより、吸引口が底部から離れていても上清を少量だけ残して排出することができる。
上記発明においては、前記ストッパが、位置調節可能に設けられていてもよい。
このようにすることで、遠心分離容器の傾斜角度を調節することが可能になる。これにより、吸引口の位置が固定されていても、上清の残量を調節することが可能となり、最終生成物の体積または濃度を制御することができる。
本発明によれば、体積または濃度を容易にかつ正確に制御して最終生成物を回収することができるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態に係る遠心分離装置1について、図1〜図5を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る遠心分離装置1は、図1に示されるように、鉛直軸線回りに回転駆動させられるロータ2と、該ロータ2に設けられたホルダ3(支持部)と、各ホルダ3を下方から押圧して傾斜角度を制御する角度制御部4とを備えている。
ロータ2は、直立した支柱2aと、該支柱2aに垂直に交差して固定された2本のアーム2bとを備えている。支柱2aは、図示しないモータによってその中心軸線回りに回転駆動させられる。各アーム2bは、支柱2aを径方向に挟んで平行に対向して配置されている。
ホルダ3は、遠心分離容器5を収納する筒状の容器であり、アーム2bの両端に1つずつ、各アーム2bの間に挟まれて配置されている。また、各ホルダ3は、アーム2bと垂直に交差した揺動軸3a回りに揺動可能に支持されている。
ロータ2が回転駆動させられると、ホルダ3もロータ2の回転に従って回転させられ、ホルダ3には支柱2aを中心とする半径方向外方の遠心力が作用する。そして、ホルダ3は支柱2aと離間する方向へ揺動軸3a回りに揺動させられ、底部の位置を半径方向外方に保持したまま支柱2a回りに回転させられるようになっている。
角度制御部4は、平板状の2枚のスライド板(押圧部材、以下スライド板4)を備えている。スライド板4は、各ホルダ3の下方に、支柱2aを径方向に挟んだ直線上に水平に設けられている。また、各スライド板4は、移動機構6によって支柱2aの長手方向に沿って互いに独立にスライドさせることが可能であり、任意の位置で停止させられるようになっている。
移動機構6は、例えば、図4に示されるように、水平軸線回りに回転可能な円柱状の第1のローラ6aと、第1のローラ6aの中心軸線から離れた位置に固定されスライド板4の下面を支持する第2のローラ6bと、第1のローラ6aを水平軸線回りに回転駆動させるモータ6cとを備えている。
モータ6cにより第1のローラ6aを回転駆動させると、第2のローラ6bがスライド板4を支持しながら第1のローラ6aの中心軸線回りに回転させられ、スライド板4が中心軸線を中心に上下に移動させられるようになっている。
スライド板4は、ロータ2の回転前、回転中および細胞濃縮液回収時は、ホルダ3に接触しない位置(初期位置)まで下げられている。また、スライド板4は、ロータ2の回転が停止して遠心分離容器5内から液を排出するときは、移動機構6により上方に移動させられる。そして、スライド板4はホルダ3を下方から鉛直方向上向きに押圧して、ホルダ3を、その底部が支柱2aから離れる方向に傾斜させ、スライド板4の高さ方向の位置に応じた傾斜角度で静止させるようになっている。
このように構成された遠心分離装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態においては、細胞懸濁液(懸濁液)Aを収容し、開口が栓で塞がれ、底部の内壁が円錐形状の遠心分離容器5を遠心分離することとする。遠心分離容器5内には、中心付近に細胞濃縮液を吸引して回収する細胞回収チューブ5aが、中心から離れた位置に上清Cを排出する排液チューブ5bがそれぞれ挿入されている。細胞回収チューブ5aの先端は底部の近傍に,排液チューブ5bの先端は底部から離れた位置にそれぞれ固定されている。
また、スライド板4の高さ方向の位置、ホルダ3の傾斜角度、および、その傾斜角度で遠心分離容器5内の液体を排出したときの残量の関係は、遠心分離装置1の設計値から算出され、あるいは、あらかじめ測定され、既に分かっているものとする。
本実施形態に係る遠心分離装置1を用いて細胞懸濁液Aを遠心分離するには、略同一の重量の細胞懸濁液Aを収容した2本の遠心分離容器5を、排液チューブ5bがロータ2の半径方向内方を向く位置で各ホルダ3内に収納する。そして、ロータ2を回転駆動させると、各ホルダ3および各遠心分離容器5は底部を半径方向外方に向けて回転させられ、細胞懸濁液Aに含まれる各成分には、それぞれの密度に応じた半径方向外方の遠心力が作用する。密度の大きい細胞Bは半径方向外方へ、つまり遠心分離容器5の底部側へ移動させられ、細胞Bを含む沈殿と上清Cとに分離することができる。
続いて、ロータ2の回転が停止した後に、各ホルダ3が各スライド板4の上方に配置されるようにロータ2を回転させる。そして、移動機構6により各スライド板4を上方に移動させて高さ方向の位置を調節し、図2(a)に示されるように、ホルダ3および遠心分離容器5を所望の上清Cの残量に応じた傾斜角度で静止させる。
次に、例えば、遠心分離装置1の外部に配置されたポンプ(図示略)を用いて、排液チューブ5bの先端から上清Cを吸引すると、上清Cの液面が排液チューブ5bの先端と同一の高さに下がるまで上清Cが排出される。
そして、図2(b)に示されるように、スライド板4の位置を初期位置まで下げてホルダ3を直立させ、底部に沈殿した細胞Bおよび残された上清Cを同時に、あるいは、これらを懸濁してから細胞回収チューブ5aにより吸引して回収すると、スライド板4の位置によって所望の体積に調節された細胞濃縮液を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、排液チューブ5bの先端の位置が固定されていても、スライド板4によりホルダ3を傾斜させその傾斜角度を調節することで、所望の体積または濃度の細胞濃縮液を得ることができる。また、このような構成にすることで傾斜角度を連続的に変化させられるので、上清Cの残量を連続的に調節することができる。
また、遠心分離容器を傾斜させた状態でロータを回転させる遠心分離装置の場合、細胞Bが内壁に沿って広がって沈殿する。したがって、上清Cを少量だけ残して細胞濃縮液の体積を小さくしたいときは、先端の位置が固定された細胞回収チューブ5aにより細胞Bを残さずに吸引するのは困難である。
しかし、本実施形態においては、遠心分離容器5を揺動可能に支持することにより、遠心分離容器5の着脱時および細胞濃縮液の回収時は、遠心分離容器5を直立させ、また、ロータ2の回転時は遠心分離容器5の長手方向を水平に保持させることができる。これにより、円錐形状の頂点に向かうように細胞Bが移動させられて底壁の中央部に沈殿が形成され、細胞回収チューブ5aにより細胞Bを残すことなく容易に回収することができる。また、遠心分離容器5の着脱を容易にすることができる。
また、遠心分離容器5を傾斜させ、排液チューブ5b側の上清Cの液面の位置を開口側へ移動させることにより、底部の沈殿から離れた位置で上清Cを吸引することができる。これにより、上清Cを少量だけ残して排出する場合でも、沈殿した細胞Bを舞い上げるのを防ぎ、上清Cのみを排出することができるという利点がある。
また、移動機構6を設け第1のローラ6aの回転角度を制御することにより、スライド板4を容易に所望の高さ方向の位置まで移動させることができる。
上記実施形態においては、図3(a),(b)に示されるように、底部の内壁の先端にポケット部5cが設けられた遠心分離容器を使用することが好ましい。
このようにすることで、ロータ2の回転時に細胞Bはポケット部5cに向かって移動させられ、ポケット部5c内に沈殿が形成される。そして、遠心分離後に遠心分離容器5を傾斜させ、ポケット部5cから溢れた上清Cを排出すると、沈殿およびわずかな体積の上清Cだけがポケット部5c内に残される。したがって、上清Cの残量がわずかであってもその体積をより精度良く制御することができる。
また、上記実施形態においては、各スライド板が独立に移動することとしたが、これに代えて、図4に示されるように、スライド板が一体であってもよい。
このようにすることで、スライド板4を移動させる操作を減らすことができる。
また、上記実施形態においては、スライド板またはホルダが、低摺動の材質であってもよい。
また、上記実施形態においては、スライド板が、ホルダと接触する位置に自転可能なローラを備えてもよい。
このようにすることで、スライド板4を移動させたときにスライド板4上でホルダ3が滑ることで生じる滑り抵抗を低減し、ホルダ3とスライド板4が互いに接触する箇所の摩耗を抑えることができる。
また、上記実施形態においては、ホルダとスライド板が、互いに異なる磁極の磁石を備えてもよい。
このようにすることで、磁石の斥力によりホルダ3とスライド板4が互いに離された状態でホルダ3の傾斜角度を調節し、ホルダ3およびスライド板4の接触による摩耗をなくすことができる。また、ホルダ3とスライド板4との間に空間が生じるので、例えば、遠心分離容器5の底部側からチューブを接続して細胞濃縮液を回収するなど、設計に自由度を与えることができる。
また、上記実施形態においては、図5に示されるように、スライド板がロータと一体で回転させられてもよい。
この場合、スライド板4は、例えば、軸受7を介して支持板8上に配置され、支持板8を移動機構6で上下方向へ移動させることにより支柱2aに沿って移動させられるようになっている。
このようにすることで、ロータ2を回転させても各ホルダ3とスライド板4との水平方向の相対的位置が固定され、ロータ2の停止時にホルダ3がいずれの位置で停止しても常にスライド板4が各ホルダ3の下方に配置される。これにより、上清C排出時のホルダ3とスライド板4の位置合わせを不要にすることができる。
本発明の第2の実施形態について、図6(a),(b)を参照して以下に説明する。
なお、第1の実施形態と構成を共通とする箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る遠心分離装置1においては、第1の実施形態のスライド板4に代えて、図6(a)に示されるように、各揺動軸3aの一端に固定されたバー3bと、アーム2bの揺動軸3a近傍に配置されたストッパピン9(ストッパ)とを備えている。
ホルダ3と揺動軸3aとは一体であり、揺動軸3aの両端はアーム2bに揺動可能に支持されている。
バー3bは、一端が揺動軸3aに固定され、ホルダ3の長手方向に沿う方向に配置されている。ホルダ3が揺動させられると、バー3bもホルダ3と一体になって揺動軸3a回りに揺動させられる。
ストッパピン9は、バー3bが揺動させられる空間内において、アーム2bの外側面に垂直に固定されている。ロータ2が停止した状態では、図6(b)の実線で示されるように、バー3bがストッパピン9により係止され、ホルダ3が傾斜して静止させられるようになっている。
このように構成された遠心分離装置1を用いて遠心分離するには、バー3bをストッパピン9に掛けてホルダ3を傾斜させ、細胞懸濁液Aを収容した遠心分離容器5を、排液チューブ5bがロータ2の半径方向内方を向く位置でホルダ3内に収納する。そして、ロータ2を回転駆動させると、ホルダ3および遠心分離容器5が底部を半径方向外方に向けて回転させられ、細胞懸濁液Aは細胞Bを含む沈殿と上清Cとに分離される。
ロータ2の回転が停止させられると、ホルダ3に遠心力が作用しなくなり、ホルダ3は重量に従って揺動軸3a回りに支柱2aと近接する方向へ揺動させられる。そして、バー3bがストッパピン9により係止された位置でホルダ3の揺動は停止し、傾斜した状態で静止させられる。続いて、第1の実施形態と同様に上清Cを吸引すると、遠心分離容器5の傾斜角度に応じた体積だけを残して上清Cが排出され、細胞回収チューブ5aにより沈殿と残された上清Cとを吸引すると細胞濃縮液を得ることができる。
このように、本実施形態によれば、遠心分離容器5を傾斜させて停止させることで、排液チューブ5b側の上清Cの液面を底部から離れた位置に配置させ、上清Cを少量だけ残したい場合でも、底部から離れた位置から上清Cを吸引することができる。また、ストッパピン9とバー3bのみを用いた簡易な構成にすることで、従来の遠心分離装置にも応用可能である。
また、遠心分離容器5を揺動可能に支持することにより、遠心分離された細胞Bは底壁の中央部に沈殿するので、細胞回収チューブ5aの先端の位置が固定されていても、容易にかつ残さずに細胞Bを回収することができる。
上記実施形態においては、ストッパピン9の配置される位置が調節可能であってもよい。
例えば、揺動軸3aの外周に沿って、アーム2bに厚さ方向の孔を複数設け、該孔にストッパピン9の一端を挿入するようにする。このようにすることで、遠心分離容器5を異なる傾斜角度で傾斜させ、上清Cの残量を段階的に調節することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る遠心分離装置を示す全体構成図である。 (a)上清の排出時を説明する図、(b)細胞濃縮液の回収時を説明する図である。 底部にポケット部を有する遠心分離容器を使用したときの、(a)上清の排出時を説明する図、(b)細胞濃縮液の回収時を説明する図である。 図1の遠心分離装置の変形例である。 図1の遠心分離装置の変形例である。 (a)本発明の第2の実施形態に係る遠心分離装置を示す全体構成図、(b)図6(a)の揺動軸近傍を拡大した図である。
符号の説明
1 遠心分離装置
2 ロータ
2a 支柱
2b アーム
3 ホルダ(支持部)
3a 揺動軸(揺動軸線)
3b バー
4 角度制御部、スライド板(押圧部材)
5 遠心分離容器
5a 細胞回収チューブ
5b 排液チューブ
5c ポケット部
6 移動機構
6a 第1のローラ
6b 第2のローラ
6c モータ
7 軸受
8 支持板
9 ストッパピン(ストッパ)
A 細胞懸濁液(懸濁液)
B 細胞
C 上清

Claims (4)

  1. 所定の回転軸線回りに回転駆動させられるロータと、
    該ロータに設けられ、懸濁液を収容する筒状の遠心分離容器をその長手軸線に直交する揺動軸線回りに揺動可能に支持し、前記ロータの回転時に遠心力によって前記遠心分離容器の底部が半径方向外方に向かうように支持する支持部と、
    前記ロータが停止した状態で前記遠心分離容器を前記揺動軸線回りに揺動させ、鉛直軸線に対する前記長手軸線の傾斜角度を制御する角度制御部とを備える遠心分離装置。
  2. 前記角度制御部が、前記揺動軸線から前記長手軸線方向に離れた位置において前記遠心分離容器を揺動方向に押圧する押圧手段を備える請求項1に記載の遠心分離装置。
  3. 所定の回転軸線回りに回転駆動させられるロータと、
    該ロータに設けられ、懸濁液を収容する筒状の遠心分離容器をその長手軸線に直交する揺動軸線回りに揺動可能に支持し、前記ロータの回転時に遠心力によって前記遠心分離容器の底部が半径方向外方に向かうように支持する支持部と、
    前記ロータが停止した状態で、前記遠心分離容器の長手軸線が鉛直軸線に対して傾斜するように係止するストッパとを備える遠心分離装置。
  4. 前記ストッパが、位置調節可能に設けられている請求項3に記載の遠心分離装置。
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