JP2010045441A - Pll回路、pll制御方法、情報再生装置およびコンピュータプログラム - Google Patents

Pll回路、pll制御方法、情報再生装置およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】PLL回路の安定動作を実現可能な、PLL回路を提供すること。
【解決手段】VCOと、アナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力するA/D変換部と、VCOが出力するクロックとA/D変換部の出力との位相差を検出して出力する位相差検出部と、直前の出力値に位相差検出部の出力を加算して出力するローパスフィルタと、ローパスフィルタの出力をアナログ信号に変換するD/A変換部と、ローパスフィルタの出力を設定する出力設定部と、を含み、出力設定部は、周期的にローパスフィルタの出力を取得し、出力設定部に所定の信号が入力されると、出力設定部はローパスフィルタの出力を用いてローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する、PLL回路が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、PLL回路、PLL制御方法、情報再生装置およびコンピュータプログラムに関する。
CD−ROM、DVD−ROMその他の光ディスクに記録された情報を読み出す際には(すなわち、光ディスクを再生する際には)、いわゆるRF信号から2値化データを再生するために、PLL回路(位相同期回路、Phase Locked Loop)を用いてRF信号に同期したクロックを生成している。
光ディスクを再生する際の、RF信号に対するPLL回路の動作に際しては、光ディスクの信号面に付着した埃や指紋、傷等によって信号が一時的に正しく読み取れない状態が生じる場合がある。なお、この光ディスクの信号面に付着した埃や指紋、傷等によって信号が一時的に正しく読み取れない状態を、以下「外乱が入力された状態」と称することにする。
外乱がPLL回路に入力されると、PLL回路の内部に設けられる位相比較器の出力は外乱により偽の値を示す。従って、外乱がPLL回路に入力された場合に何ら対策を施さないでいると、PLL回路のループフィルタ(ローパスフィルタ)の出力が、PLL回路に入力されるRF信号に対して、PLL回路のキャプションレンジ外の周波数を示す値となってしまう。PLL回路のキャプションレンジ外の周波数を示す値をループフィルタが出力すると、外乱が入力されなくなった後に、PLL回路はロックが出来ない状態になってしまう。
そこで、従来においては、PLL回路が外乱に追従しないように、外乱が入力されたことを検出して、外乱がPLL回路に入力されている間、所定の信号(例えば、HIGH状態のホールド信号)を生成する。そして、所定の信号が位相比較器に入力されると、位相比較器は出力を0にしてローパスフィルタの出力が変化しないように制御する(以後、かかる制御を「ホールド動作」とも称する)。このようにPLL回路の動作を制御することで、外乱が入力されなくなった後でもPLL回路は正常にロック出来る。
しかし、外乱の入力状態によっては、適切にホールド信号が生成されず、PLL回路を正常に動作させることが出来ない問題があった。具体的には、外乱に対してホールド動作が遅れてしまうような場合である。例えば、HIGH状態のホールド信号が外乱の入力に対して遅れて位相比較器に入力され、位相比較器の出力が外乱に応答してしまい、PLL回路が出力する信号の周波数がずれてしまった後にホールド動作が行われてしまうような場合である。このような場合には、ローパスフィルタの出力がPLL回路のキャプチャレンジの範囲外になってしまった後にホールド動作が行われることがあり、外乱が入力されなくなった後に、PLL回路はロックが出来ない状態になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、あらかじめローパスフィルタの出力を周期的に取得し、外乱が入力されると、取得したデータを用いてローパスフィルタの出力をキャプチャレンジの範囲内となるように制御することでPLL回路の安定動作を実現可能な、新規かつ改良されたPLL回路、PLL制御方法、情報再生装置およびコンピュータプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、クロックを生成して出力するVCOと、アナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力するA/D変換部と、VCOが出力するクロックとA/D変換部の出力との位相差を検出して出力する位相差検出部と、直前の出力値に位相差検出部の出力を加算して出力するローパスフィルタと、ローパスフィルタの出力をアナログ信号に変換するD/A変換部と、ローパスフィルタの出力を設定する出力設定部と、を含み、出力設定部は、周期的にローパスフィルタの出力を取得し、出力設定部に所定の信号が入力されると、出力設定部はローパスフィルタの出力を用いてローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する、PLL回路が提供される。
かかる構成によれば、VCOはクロックを生成して出力し、A/D変換部はアナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力し、位相差検出部はVCOが出力するクロックとA/D変換部の出力との位相差を検出して出力する。また、ローパスフィルタは直前の出力値に位相差検出部の出力を加算して出力し、D/A変換部はローパスフィルタの出力をアナログ信号に変換し、出力設定部はローパスフィルタの出力を設定する。そして、出力設定部は、周期的にローパスフィルタの出力を取得し、出力設定部に所定の信号が入力されると、出力設定部はローパスフィルタの出力を用いてローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する。その結果、ローパスフィルタの出力を用いてローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定することで、外乱が入力された場合であっても、取得したローパスフィルタの出力値を用いてローパスフィルタの出力をキャプチャレンジの範囲内となるように制御して、PLL回路を安定に動作させることが可能となる。
出力設定部は、ローパスフィルタの出力のうち、所定の信号が入力される前の直近のMサンプル(Mは0以上の整数)を無視し、さらにMサンプルより前のNサンプル(Nは1以上の整数)の統計量をローパスフィルタの出力に設定するようにしてもよい。
出力設定部は、Nサンプルの中央値をローパスフィルタの出力に設定するようにしてもよい。
出力設定部は、Nサンプルの平均値をローパスフィルタの出力に設定するようにしてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、VCOを用いてクロックを生成して出力するクロック出力ステップと、アナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力するA/D変換ステップと、クロック出力ステップで出力するクロックとA/D変換ステップの出力との位相差を検出して出力する位相差検出ステップと、ローパスフィルタを用いて直前の出力値に位相差検出ステップの出力を加算して出力するフィルタリングステップと、周期的にローパスフィルタの出力を取得する取得ステップと、フィルタリングステップの出力をアナログ信号に変換するD/A変換ステップと、所定の信号の発生を検出すると、取得ステップで取得したデータを用いてローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する出力設定ステップと、を含む、PLL制御方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、クロックを生成して出力するVCOと、アナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力するA/D変換部と、VCOが出力するクロックとA/D変換部の出力との位相差を検出して出力する位相差検出部と、直前の出力値に位相差検出部の出力を加算して出力するローパスフィルタと、ローパスフィルタの出力をアナログ信号に変換するD/A変換部と、ローパスフィルタの出力を設定する出力設定部と、含み、出力設定部は、周期的にローパスフィルタの出力を取得し、出力設定部に所定の信号が入力されると、出力設定部はローパスフィルタの出力を用いてローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する、情報再生装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、VCOを用いてクロックを生成して出力するクロック出力ステップと、アナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力するA/D変換ステップと、クロック出力ステップで出力するクロックとA/D変換ステップの出力との位相差を検出して出力する位相差検出ステップと、ローパスフィルタを用いて直前の出力値に位相差検出ステップの出力を加算して出力するフィルタリングステップと、周期的にローパスフィルタの出力を取得する取得ステップと、フィルタリングステップの出力をアナログ信号に変換するD/A変換ステップと、所定の信号の発生を検出すると、取得ステップで取得したデータを用いてローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する出力設定ステップと、をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、あらかじめローパスフィルタの出力を周期的に取得し、外乱が入力されると、取得したデータを用いてローパスフィルタの出力を制御することでPLL回路の安定動作を実現可能な、新規かつ改良されたPLL回路、PLL制御方法、情報再生装置およびコンピュータプログラムを提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
また、以下の順序に従って本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
〔1〕従来のPLL回路の構成及びホールド動作
〔2〕本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成
〔3〕本発明の一実施形態に係るPLL回路の構成
〔4〕本発明の一実施形態に係るPLL回路のホールド動作
〔5〕まとめ
〔1〕従来のPLL回路の構成及びホールド動作
最初に、本発明の好適な実施の形態について説明する前に、従来のPLL回路の構成及びホールド動作並びに問題点について説明する。
図6は、光ディスク装置に用いられる従来のPLL回路10の構成について説明する説明図である。以下、図6を用いて従来のPLL回路10の構成について説明する。
図6に示したように、従来のPLL回路10は、A/D変換器11と、位相誤差検出回路12と、LPF(Low Pass Filter;ローパスフィルタ)13と、D/A変換器14と、VCO(Voltage Controlled Oscillator;電圧制御発振器)15と、を含んで構成される。
A/D変換器11は、OPU(Optical Pickup Unit;光ピックアップ、図示せず)から送られてくるアナログRF信号をディジタルRF信号に変換するものである。A/D変換器11でアナログRF信号からディジタルRF信号に変換すると、ディジタルRF信号は後段の復調器(図示せず)に送られて復調が施される。また、A/D変換器11の出力は位相誤差検出回路12にも送られ、位相誤差検出回路12においてVCO15で生成されるクロックとの間の位相の誤差が検出される。
位相誤差検出回路12は、A/D変換器11で変換されて出力されるRF信号と、VCO15で生成されるクロックとの間の位相の誤差を検出するものである。検出した位相の誤差はLPF13に出力する。両者の間に位相の誤差が無ければ、位相誤差検出回路12はLPF13に0を出力し、両者の間に位相の誤差が有れば、位相誤差検出回路12はLPF13に位相の誤差に相当する値を出力する。
LPF13は、位相誤差検出回路12から入力される位相の誤差の値に、直前まで出力してきた値を加算して、D/A変換器14に出力するものである。従って、位相誤差検出回路12の出力は、周波数の変位がない場合には0を中心として変動する値となり、LPF13の出力は、位相誤差検出回路12の出力に自分自身を積分した出力となり、その値はVCO15の発振周波数そのものを示す。
D/A変換器14は、LPF13の出力を入力し、ディジタル信号からアナログ信号に変換するものである。D/A変換器14で変換された信号はVCO15に入力され、発振周波数の制御に用いられる。VCO15は、所定の発振周波数で発振する発振器であり、発振周波数はD/A変換器14から出力されるアナログ信号によって制御される。
以上、従来のPLL回路10の構成について説明した。従来においては、OPUが光ディスクにレーザ光を照射した結果得られたアナログRF信号を2値化して、後段の復調部で安定して復調するために、PLL回路を用いて、RF信号に同期したクロックを生成している。しかし、上述したように、光ディスクの記録面に埃、塵、指紋、傷等が付着していた場合には、OPUは信号を一時的に正しく読み取れなくなってしまう。そのような場合には、PLL回路には外乱が入力された状態となる。
図7は、PLL回路には外乱が入力された状態の一例を示す説明図である。図7では、時間軸を共にして、位相誤差検出回路12が検出して出力する位相の誤差と、LPF13の出力とを併せて示している。なお、図7の区間(1)は、OPUが正常に信号を読み取っている状態を指しており、区間(2)は、光ディスクの記録面に付着した埃、塵、指紋、傷等によってOPUが正常に信号を読み取れなくなってPLL回路10に外乱が入力された状態を指している。そして区間(3)は、外乱の入力が無くなり、再びOPUが正常に信号を読み取っている状態を指している。
図7に示したように、区間(1)においては外乱がPLL回路10に入力されないので、位相誤差検出回路12が出力する位相の誤差は所定の範囲内に収まっている。従って、LPF13の出力も、PLL回路10のキャプチャレンジの範囲内に収まっており、PLL回路10の出力は所定の周波数でロックされた状態となっている。
しかし、区間(2)においてPLL回路10に外乱が入力されると、位相誤差検出回路12が検出して出力する位相の誤差の値は、PLL回路10に入力された外乱により、偽の値を示すようになってしまう。
ここで、PLL回路10に何も対策を施さないと、LPF13の出力は、PLL回路10に入力されるRF信号に対して、PLL回路10のキャプチャレンジ外の周波数を示す値となってしまう。従って、外乱が入力されなくなり、正常に戻った区間(3)において、PLL回路10は再びロックできない状態になってしまうおそれがある。
従来のPLL回路においては、LPF13の出力が外乱に追従しないように、外乱が入力されたか否かをPLL回路の外部で検出し、外乱が検出されると、PLL回路に所定の信号(HIGH状態のホールド信号)を送出していた。PLL回路側では、HIGH状態のホールド信号が位相誤差検出回路12に入力され、位相誤差検出回路12は出力を0にすることで、LPF13の出力を強制的に固定させている。なお、HIGH状態のホールド信号の生成手法についてはいくつか存在するが、本発明とは直接的な関係は無いので、HIGH状態のホールド信号の生成手法の説明については省略する。
図6に示したPLL回路10においては、HIGH状態のホールド信号を位相誤差検出回路12で受け取り、HIGH状態のホールド信号を受け取った位相誤差検出回路12はLPF13に対して、位相の誤差ではなく0を出力する。そして、LPF13では位相誤差検出回路12から0を受け取ることで、LPF13の出力は変化しなくなる。すなわち、HIGH状態のホールド信号を位相誤差検出回路12で受け取ることで、LPF13はホールドされることになる。
従って、PLL回路10に外乱が入力された場合であっても、LPF13の出力がPLL回路10のキャプチャレンジ外の周波数を示す値とならない。従って、HIGH状態のホールド信号を位相誤差検出回路12で受け取れるようにすることで、PLL回路10の出力をキャプチャレンジ内の所定の周波数でロックされた状態にさせることができるので、正常な再生動作を続けることができる。図8は、図6に示したPLL回路10におけるホールドについて示す説明図である。図8では、図6に示したPLL回路10において、外乱が入力された時点でHIGH状態のホールド信号を位相誤差検出回路12で受け取ることで、PLL回路10の出力が、キャプチャレンジ内の所定の周波数でロックできている場合について示したものである。
しかし、外乱の入力の状態によっては、位相誤差検出回路12は適切なホールド動作を行えない場合がある。図9は、図7と同様にPLL回路には外乱が入力された状態の一例を示す説明図である。そして、図9では、外乱の入力によって位相誤差検出回路12が適切なホールド動作を行えない場合について説明したものである。
図9の区間(1)においては、図6の区間(1)と同様に、外乱がPLL回路10に入力されないので、位相誤差検出回路12が出力する位相の誤差は所定の範囲内に収まっている。ここで、区間(2)においてPLL回路10が入力された場合に、PLL回路10へのHIGH状態のホールド信号の送出が外乱の入力開始より遅れた場合を考える。すると、図9に示したように、区間(2)において、LPF13の出力が、PLL回路10がロックしていた周波数から外れたところでホールドされてしまうおそれがある。
すると、図9の区間(3)において、PLL回路10へのRF信号の入力が正常に戻ってホールド動作が解除された後であっても、図8の区間(2)においてPLL回路10がロックしていた周波数から外れたところでLPF13の出力がホールドされてしまっているので、PLL回路10の引き込み動作ができない。PLL回路10のキャプチャレンジの範囲外で動作が開始されてしまうからである。従って、外乱の入力開始よりも遅れてHIGH状態のホールド信号が発生すると、PLL回路10の出力を所定の周波数でロックさせることができないおそれがある。
そこで、本実施形態においては、LPFの出力を事前にサンプリングしておき、PLL回路に外乱が入力された場合に、サンプリングしておいたLPFの出力の値を用いてLPFの出力を決定することを特徴とする。このようにLPFの出力を制御することで、PLL回路へのHIGH状態のホールド信号の送出が外乱の入力開始より遅れた場合であっても、LPFの出力をPLL回路のキャプチャレンジの範囲内でホールドさせることができ、外乱が入力されなくなった後においても安定した復帰動作を実現することができる。
〔2〕本発明の一実施形態に係る光ディスク装置の構成
最初に、本発明の一実施形態に係るPLL回路が用いられる光ディスク装置の構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるPLL回路が用いられる、光ディスク装置100の構成について説明する説明図である。以下、図1を用いて本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置100の構成について詳細に説明する。
図1に示した光ディスク装置100は、本発明の情報再生装置の一例であり、光ディスク1の記録面に対して情報を記録したり、光ディスク1の記録面に記録された情報を、光ディスク1の記録面から読み出して再生したりするものである。光ディスク1としては、例えばDVD−RやBlu−ray Disc(登録商標)その他の記録/再生が可能な光ディスクがある。
図1に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる光ディスク装置100は、スピンドルサーボ回路102と、スピンドルドライバ104と、スピンドルモータ106と、光学ブロックサーボ回路108と、スレッドドライバ110と、スレッド機構112と、2軸ドライバ114と、光学ブロック116と、レーザパワー制御部118と、記録パルス変換回路120と、ECCエンコーダ/デコーダ122と、マトリクス回路124と、PLL回路126と、データ復調回路128と、ウォブル復調回路130と、アドレスデコーダ132と、CPU134と、を含んで構成される。
ディスク1は、ターンテーブル(図示せず)に積載され、記録/再生動作時においてスピンドルモータ106によって一定線速度(CLV)で回転駆動される。そして光学ブロック116によってディスク1上のグルーブトラックのウォブリングとして埋め込まれたアドレス情報が読み出される。アドレス情報としては、例えばADIP(Address In Pregroove)アドレスがある。なお、ディスク1上には、再生専用の管理情報として例えばディスクの物理情報等がエンボスピット又はウォブリンググルーブによって記録されるが、これらの情報の読出も光学ブロック116により行われる。
光ディスク1へのデータ記録時には光学ブロック116によってトラックにユーザーデータがフェイズチェンジマークとして記録され、光ディスク1からのデータ再生時には光学ブロック116によって記録されたマークの読出が行われる。
光学ブロック116内には、レーザ光源となるレーザダイオードや、反射光を検出するためのフォトディテクタ、レーザ光の出力端となる対物レンズ、対物レンズを介してレーザ光を光ディスク1の記録面に照射し、またその反射光をフォトディテクタに導く光学系(図示せず)が形成される。
光学ブロック116内において対物レンズは二軸機構によってトラッキング方向及びフォーカス方向に移動可能に保持されている。光学ブロック116全体はスレッド機構112によりディスク半径方向に移動可能とされている。また、光学ブロック116におけるレーザダイオードはレーザパワー制御部118からのドライブ信号(ドライブ電流)によってレーザ発光駆動される。
光ディスク1からの反射光情報は光学ブロック116内部のフォトディテクタによって検出され、受光光量に応じた電気信号とされてマトリクス回路124に供給される。マトリクス回路124は、フォトディテクタとしての複数の受光素子からの出力電流に対応して電流電圧変換回路、マトリクス演算/増幅回路等を備えており、マトリクス演算処理により必要な信号を生成する。
例えば、マトリクス回路124は、再生データに相当する高周波信号(再生データ信号)、サーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号などを生成する。さらに、グルーブのウォブリングに係る信号、即ちウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号を生成する。マトリクス回路124から出力されるデータ信号はデータ復調回路128、ウォブル復調回路130およびPLL回路126へ、それぞれ供給される。
PLL回路126は、光ディスク1から読み取った信号を再生するためにRF信号に同期したクロックを生成したり、光ディスク1の記録面から読み取ったウォブル信号に同期したクロックを生成したりするものである。光ディスク1から読み取った信号を再生するために生成されたRF信号に同期したクロックはデータ復調回路128に送られ、光ディスク1の記録面から読み取ったウォブル信号に同期したクロックはウォブル復調回路130に送られる。
データ復調回路128は、再生時におけるデコード処理として、再生クロックに基づいてランレングスリミテッドコードの復調処理を行う。データ復調回路128には、PLL回路126で生成された、RF信号に同期したクロックが供給される。データ復調回路128で復調処理されたデータはECCエンコーダ/デコーダ122に供給される。
ECCエンコーダ/デコーダ122は、データ記録時にエラー訂正コード(Error Correcting Code;ECC)を付加するECCエンコード処理と、データ再生時にエラー訂正を行うECCデコード処理を行う。データ再生時には、データ復調回路128で復調されたデータを内部メモリに取り込んで、エラー検出/訂正処理及びデインターリーブ等の処理を行い、再生データを得る。ECCエンコーダ/デコーダ122で再生データにまでデコードされたデータは、CPU134の指示に基づいて読み出され、後段のシステム(図示せず)に転送される。
光ディスク1の記録面に生成されたグルーブのウォブリングに係る信号としてマトリクス回路124から出力されるプッシュプル信号は、ディジタル化されることでウォブルデータとなり、ウォブル復調回路130において、変調されたウォブルからアドレスを復調し、アドレスデコーダ132に供給される。アドレスデコーダ132は、供給されるデータについてのデコードを行い、アドレス値を得て、当該アドレス値をCPU134に供給する。ウォブル復調回路130では、例えばMSK(Minimum Shift Keying)復調やSTW(Saw Tooth Wobble)復調を行ってもよい。また、ウォブル復調回路130は、例えばADIP(Address In Pregroove)アドレスを構成するデータストリームに復調してもよい。
光ディスク装置100を用いてデータを光ディスク1に記録する際には、システム(図示せず)から記録データが転送されてくるが、その記録データはECCエンコーダ/デコーダ122におけるメモリに送られてバッファリングされる。この場合、ECCエンコーダ/デコーダ122は、バファリングされた記録データのエンコード処理として、エラー訂正コード付加やインターリーブ、サブコード等の付加を行う。また、ECCエンコーダ/デコーダ122でエンコードされたデータは、記録パルス変換回路120において変調されたRF信号からデータを復調する。記録パルス変換回路120においては、例えばRLL(1−7)PP方式(RLL;Run Length Limited、PP:Paritypreserve/Prohibitrmtr(repeated minimum transitionrunlength))の変調を施してもよい。なお、データ記録時においてこれらのエンコード処理のための基準クロックとなるエンコードクロックはウォブル信号から生成したクロックを用いる。
記録パルス変換回路120でのエンコード処理により生成された記録データは、レーザパワー制御部118で、記録補償処理として、記録層の特性、レーザ光のスポット形状、記録線速度等に対する最適記録パワーの微調整やレーザドライブパルス波形の調整などが行われる。そして、レーザパワー制御部118は、記録補償処理したレーザドライブパルスを光学ブロック116内のレーザダイオードに与えてレーザ発光駆動を実行させる。これにより光ディスク1に記録データに応じたピット(フェイズチェンジマーク)が形成されることになる。
なお、レーザパワー制御部118は、いわゆるAPC回路(Auto Power Control)を備え、光学ブロック116内に設けられたレーザパワーのモニタ用ディテクタの出力によりレーザ出力パワーをモニタしながら、レーザの出力が温度などによらず一定になるように制御する。記録時及び再生時のレーザ出力の目標値はCPU134から与えられ、記録時及び再生時にはそれぞれレーザ出力レベルが、その目標値になるように制御される。
光学ブロックサーボ回路108は、マトリクス回路124からのフォーカスエラー信号およびトラッキングエラー信号から、フォーカス、トラッキング、スレッドの各種サーボドライブ信号を生成しサーボ動作を実行させる。即ち、光学ブロックサーボ回路108はフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号に応じてフォーカスドライブ信号、トラッキングドライブ信号を生成し、2軸ドライバ114により光学ブロック116内の二軸機構のフォーカスコイル、トラッキングコイルを駆動することになる。この駆動によって、光学ブロック116、マトリクス回路124、光学ブロックサーボ回路108、2軸ドライバ114、二軸機構によるトラッキングサーボループ及びフォーカスサーボループが形成される。
また、光学ブロックサーボ回路108は、CPU134からのトラックジャンプ指令に応じて、トラッキングサーボループをオフとし、ジャンプドライブ信号を出力することで、トラックジャンプ動作を実行させる。
また、光学ブロックサーボ回路108は、トラッキングエラー信号の低域成分として得られるスレッドエラー信号や、CPU134からのアクセス実行制御などに基づいてスレッドドライブ信号を生成し、スレッドドライバ110によりスレッド機構112を駆動させる。スレッド機構112には、図示しないが、光学ブロック116を保持するメインシャフト、スレッドモータ、伝達ギア等による機構を有し、スレッドドライブ信号に応じてスレッドモータを駆動させることで、光学ブロック116における所要のスライド移動が行なわれる。
スピンドルサーボ回路102はスピンドルモータ106をCLV回転(Constant Linear Velocity;線速度一定)させるよう制御する。スピンドルサーボ回路102は、ウォブル信号に対するPLL処理で生成されるクロックを、現在のスピンドルモータ106の回転速度情報として得て、その回転速度情報を所定のCLV基準速度情報と比較することで、スピンドルエラー信号を生成する。
データ再生時においては、PLL回路126によって生成される再生クロック(デコード処理の基準となるクロック)が、現在のスピンドルモータ106の回転速度情報となるため、これを所定のCLV基準速度情報と比較することでスピンドルエラー信号を生成することもできる。
そして、スピンドルサーボ回路102は、スピンドルエラー信号に応じて生成したスピンドルドライブ信号を出力し、スピンドルドライバ104によりスピンドルモータ106のCLV回転を実行させる。また、スピンドルサーボ回路102は、CPU134からのスピンドルキック/ブレーキ制御信号に応じてスピンドルドライブ信号を発生させ、スピンドルモータ106の起動、停止、加速、減速などの動作も実行させる。
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作はCPU134により制御される。CPU134は、システム(図示せず)からのコマンドに応じて各種処理を実行する。例えば、システムから書込命令(ライトコマンド)が送出されると、CPU134は、まず書き込むべきアドレスに光学ブロック116を移動させる。そして、ECCエンコーダ/デコーダ122、および記録パルス変換回路120により、システムから転送されてきたデータ(例えばMPEG2その他の方式によるビデオデータや、オーディオデータ等)について上述したようにエンコード処理を実行させる。そして、上述したようにエンコードされたデータに応じてレーザパワー制御部118が光学ブロック116からのレーザ発光駆動を制御することで、光ディスク1への記録が実行される。
また例えば、システムから光ディスク1に記録されているデータ(例えばMPEG2その他の方式のビデオデータや、オーディオデータ等)の転送を求めるリードコマンドがCPU134に送出された場合は、まず指示されたアドレスを目的アドレスとしてシーク動作制御を行う。即ち、光学ブロックサーボ回路108に指令を出し、シークコマンドにより指定されたアドレスをターゲットとして、光学ブロック116のアクセス動作を実行させる。その後、指示されたデータ区間のデータをシステムに転送するために必要な動作制御を行う。即ち、光ディスク1からのデータ読出を行い、マトリクス回路124、データ復調回路128、ECCエンコーダ/デコーダ122におけるデコード/バファリング等を実行させ、要求されたデータを転送する。
なお、これらのフェイズチェンジマークによるデータの記録再生時には、CPU134は、ウォブル復調回路130およびアドレスデコーダ132によって検出されるアドレスを用いてアクセスや記録再生動作を制御する。
以上、図1を用いて本発明の第1の実施形態にかかる光ディスク装置100の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置100に含まれるPLL回路の構成について説明する。
〔3〕本発明の一実施形態に係るPLL回路の構成
以下において、本発明の一実施形態に係るPLL回路の構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかるPLL回路150の構成について説明する説明図である。以下、図2を用いて本発明の一実施形態にかかるPLL回路150の構成について詳細に説明する。
図2に示したPLL回路150は、図6に示したPLL回路10と同様に、光ディスク装置に用いられるPLL回路であり、主にデータ復調に用いられるPLL回路である。PLL回路150は、図1に示した光ディスク装置100においてはPLL回路126の内部に設けられるものである。図1に示したように、本発明の一実施形態にかかるPLL回路150は、A/D変換器151と、位相誤差検出回路152と、LPF153と、D/A変換器154と、VCO155と、LPF更新シーケンサ156と、を含んで構成される。
A/D変換器151は、光学ブロック116が光ディスクの記録面にレーザ光を照射した結果取得し、光学ブロック116から送られてくるアナログRF信号をディジタルRF信号に変換するものである。A/D変換器151でアナログRF信号からディジタルRF信号に変換すると、ディジタルRF信号は後段のデータ復調回路128に送られて、データ復調回路128においてデータの復調が行われる。また、A/D変換器151の出力は位相誤差検出回路152にも送られ、位相誤差検出回路152においてVCO155で生成されるクロックとの間の位相の誤差が検出される。
位相誤差検出回路152は、本発明の位相差検出部の一例であり、A/D変換器151で変換されて出力されるRF信号と、VCO155で生成されるクロックとの間の位相の誤差を検出するものである。検出した位相の誤差はLPF153に出力する。両者の間に位相の誤差が無ければ、位相誤差検出回路152はLPF153に0を出力し、両者の間に位相の誤差が有れば、位相誤差検出回路152はLPF153に位相の誤差に相当する値を出力する。
LPF153は、位相誤差検出回路152から入力される位相の誤差の値に、直前まで出力してきた値を加算して、D/A変換器154に出力するものである。従って、位相誤差検出回路12の出力は、周波数の変位がない場合には0を中心として変動する値となり、LPF153の出力は、位相誤差検出回路152の出力に自分自身を積分した出力となり、その値はVCO155の発振周波数そのものを示す。
そして、本実施形態においては、LPF153からの出力値はLPF更新シーケンサ156が定期的にサンプリングする。LPF更新シーケンサ156がPLL回路150の外部で生成されたHIGH状態のホールド信号を受け取ると、LPF更新シーケンサ156によってLPF153からの出力が、LPF更新シーケンサ156がサンプリングした値に基づいて、PLLのキャプチャレンジの範囲内となるように制御される。
D/A変換器154は、LPF153の出力を入力し、ディジタル信号からアナログ信号に変換するものである。D/A変換器154で変換された信号はVCO155に入力され、発振周波数の制御に用いられる。VCO155は、所定の発振周波数で発振する発振器であり、発振周波数はD/A変換器154から出力されるアナログ信号によって制御される。
LPF更新シーケンサ156は、本発明の出力設定部の一例であり、LPF153からの出力値を定期的にサンプリングし、サンプリングした値を保持しておくものである。LPF更新シーケンサ156は、PLL回路150に外乱が入力されたことを示すHIGH状態のホールド信号をPLL回路150の外部から受け取ると、LPF153の出力の出力を制御する。具体的には、HIGH状態のホールド信号を受け取ったLPF更新シーケンサ156は、あらかじめサンプリングして保持しておいたLPF153の出力値を用いて、PLLのキャプチャレンジの範囲内となるようにLPF153の出力を制御する。
以上、本発明の一実施形態にかかるPLL回路150の構成について説明した。次に、本発明の一実施形態にかかるPLL回路150のホールド動作について説明する。
〔4〕本発明の一実施形態に係るPLL回路のホールド動作
図3は、本発明の一実施形態にかかるPLL回路150のホールド動作について説明する流れ図である。以下、図3を用いて本発明の一実施形態にかかるPLL回路150のホールド動作について説明する。
PLL回路150は、通常時、すなわちPLL回路150に外乱が入力されていない場合には、LPF更新シーケンサ156が周期的にLPF153の出力値をサンプリングする(ステップS102)。サンプリングして取得したLPF153の出力値はLPF更新シーケンサ156の内部に保持しておく。
光ディスクの記録面に付着した埃、塵、指紋、傷等によってOPUが正常に信号を読み取れなくなってPLL回路150に外乱が入力されると、LPF更新シーケンサ156にHIGH状態のホールド信号が送られてくる。従って、LPF更新シーケンサ156は、HIGH状態のホールド信号を受け取ったかどうかを判定する(ステップS104)。
上記ステップS104の判定の結果、HIGH状態のホールド信号を受け取っていない(すなわち、ホールド信号がLOW状態のままである)と判定した場合には、上記ステップS102に戻って、LPF更新シーケンサ156はLPF153の出力値のサンプリングを継続する。
一方、上記ステップS104の判定の結果、HIGH状態のホールド信号を受け取ったと判定した場合には、LPF更新シーケンサ156は、上記ステップS102において取得したLPF153の出力値を用いて、LPF153の出力値を決定する(ステップS106)。ここで、LPF更新シーケンサ156におけるLPF153の出力値の決定方法についてはいくつかの方法がある。ここでは2通りの方法を例示して説明する。なお、LPF更新シーケンサ156におけるLPF153の出力値の決定方法は、これから説明する方法に限られないことは言うまでもない。
図4は、本発明の一実施形態にかかるPLL回路150における、LPF153の出力値の決定方法の一例について説明する説明図である。図4では、図7や図8と同様に、区間(1)においては、OPUが正常に信号を読み取っている状態を指しており、区間(2)は、光ディスクの記録面に付着した埃、塵、指紋、傷等によってOPUが正常に信号を読み取れなくなってPLL回路150に外乱が入力された状態を指しており、区間(3)においては外乱の入力が無くなり、再びOPUが正常に信号を読み取っている状態を指している。また、図4では、図8と同様に、外乱の入力開始より遅れてホールド信号がHIGH状態になった場合を示している。
本実施形態にかかるPLL回路150では、図4の区間(1)において、LPF更新シーケンサ156が周期的にLPF153の出力値をサンプリングしている。そして、図4に示したようにPLL回路150に外乱が入力され、ホールド信号がHIGH状態となった場合には、LPF更新シーケンサ156はLPF153に対して、ホールド信号がHIGH状態となってホールドが開始される前までの、直近N点のサンプル値の統計値をロードする。図4に示した例では、N=3として、サンプルの中央値をロードした場合について示している。
このように、図8と同様に外乱の入力開始より遅れてホールド信号がHIGH状態となった場合においても、LPF更新シーケンサ156は、ホールド信号がHIGH状態となる前の直近の3つのサンプル値から中央値を判定し、その値をLPF153にロードすることで、LPF更新シーケンサ156は、外乱がPLL回路150に入力される前のLPF153の出力値をLPF153に対してロードすることができる。
そして、外乱がPLL回路150に入力される前のLPF153の出力値をLPF153に対してロードすることで、外乱がPLL回路150に入力され、外乱の入力よりも遅れてPLL回路150にHIGH状態のホールド信号が送られてきた場合であっても、外乱が入力される前のLPF153の出力値でLPF153の出力値をホールドすることができる。
さらに、図4の区間(3)においてホールド信号がLOW状態に戻った際に、PLL回路150のキャプチャレンジ内で動作を再開することができるので、その後の再生動作が可能となる。
もちろん、本発明においては、LPF更新シーケンサ156がロードするサンプル値の点数Nは、3点に限られないことは言うまでもなく、またサンプル値の統計値としては中央値に限定されないことも言うまでもない。例えば、LPF更新シーケンサ156は、直近N点のサンプル値の平均をとってもよい。また例えば、LPF更新シーケンサ156は、直近N点のサンプル値について最大値と最小値を除外したサンプル値について統計値をロードするようにしてもよい。
図5は、本発明の一実施形態にかかるPLL回路150における、LPF153の出力値の決定方法の他の例について説明する説明図である。図5では、図4と同様に、区間(1)においては、OPUが正常に信号を読み取っている状態を指しており、区間(2)は、光ディスクの記録面に付着した埃、塵、指紋、傷等によってOPUが正常に信号を読み取れなくなってPLL回路150に外乱が入力された状態を指しており、区間(3)においては外乱の入力が無くなり、再びOPUが正常に信号を読み取っている状態を指している。また、図5では、図4と同様に、外乱の入力開始より遅れてホールド信号がHIGH状態になった場合を示している。
図4に示した例では、外乱がPLL回路150に入力され、外乱の入力に遅れてHIGH状態のホールド信号がPLL回路150に送られた場合には、ホールド信号がHIGH状態となってホールド動作が開始される前までの、直近3点のサンプル値の統計値をロードしていた。図5に示した例では、ホールド動作が開始される前の直近のMサンプル(図5の場合ではM=2)を無視し、さらにその前のNサンプル(図5の場合ではN=3)の平均値をロードする。
従って、図5で示した例においては、図4で示した例と同じように、外乱がPLL回路150に入力される前のLPF153の出力値でLPF153の出力値をホールドすることができる。このようにLPF153の出力値をホールドすることで、PLL回路150に入力されるホールド信号がLOW状態に戻った際に、PLL回路150のキャプチャレンジ内で動作を再開することができ、その後の再生動作が可能となる。
〔5〕まとめ
本実施形態にかかるPLL回路150の動作を一般化すると以下の通りとなる。
(1)ホールド信号がHIGH状態となりホールド動作が開始される前の直近のMサンプル(Mは0以上の整数)を無視し、さらにその前のNサンプル(Nは1以上の整数、望ましくは2以上の整数)の統計量を、ホールド時のLPF153の出力値とする。
(2)Nサンプルの統計量は、平均値、中央値その他外乱を平均化する手段を用いる。
以上、本発明の一実施形態にかかるPLL回路150のホールド動作について説明した。なお、上述した2つの例は、それぞれ手段は異なるが、その効果は同一である。すなわち、外乱が入力される前のLPF153の出力値を用いてLPF153の出力値をホールドすることで、ホールド信号がLOW状態に戻った際に、PLL回路150のキャプチャレンジ内で動作を再開することができ、その後の再生動作が可能となる。
なお、MおよびNの値並びにLPF153の出力値のサンプル間隔は、PLL回路150の外乱への応答やホールド信号の品質に依存するパラメータであるので、本発明においては決まった値や間隔に限られないことは言うまでもない。
また、上述した本発明の一実施形態にかかるPLL回路150のホールド動作については、図1に示したCPU134が、光ディスク装置100の内部に設けられたROM(Read Only Memory)その他の記憶媒体に格納されたコンピュータプログラムを読み出して、読み出した当該コンピュータプログラムをCPU134で実行することによってPLL回路150を制御してもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、図2に示したPLL回路150を、光ディスクへの記録および光ディスクの再生を行う、図1に示したような光ディスク装置100に用いた場合について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、図2に示したPLL回路150は、光ディスクからの情報の再生のみを実行する再生専用の光ディスク装置に用いてもよい。さらには、本発明によるPLL回路は、光ディスク装置以外にも、情報記録媒体として光ディスク以外の媒体を用いている情報再生装置にも適用可能であることは言うまでもない。
本発明は、PLL回路、PLL制御方法、情報再生装置およびコンピュータプログラムに適用可能である。
本発明の一実施形態にかかる光ディスク装置100の構成について説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかるPLL回路150の構成について説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかるPLL回路150のホールド動作について説明する流れ図である。 本発明の一実施形態にかかるPLL回路150における、LPF153の出力値の決定方法の一例について説明する説明図である。 本発明の一実施形態にかかるPLL回路150における、LPF153の出力値の決定方法の他の例について説明する説明図である。 光ディスク装置に用いられる従来のPLL回路10の構成について説明する説明図である。 PLL回路には外乱が入力された状態の一例を示す説明図である。 図6に示したPLL回路10におけるホールドについて示す説明図である。 PLL回路には外乱が入力された状態の一例を示す説明図である。
符号の説明
100 光ディスク装置
102 スピンドルサーボ回路
104 スピンドルドライバ
106 スピンドルモータ
108 光学ブロックサーボ回路
110 スレッドドライバ
112 スレッド機構
114 2軸ドライバ
116 光学ブロック
118 レーザパワー制御部
120 記録パルス変換回路
122 ECCエンコーダ/デコーダ
124 マトリクス回路
126 PLL回路
128 データ復調回路
130 ウォブル復調回路
132 アドレスデコーダ
134 CPU
150 PLL回路
151 A/D変換器
152 位相誤差検出回路
153 LPF
154 D/A変換器
155 VCO
156 LPF更新シーケンサ

Claims (7)

  1. クロックを生成して出力するVCOと、
    アナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力するA/D変換部と、
    前記VCOが出力するクロックと前記A/D変換部の出力との位相差を検出して出力する位相差検出部と、
    直前の出力値に前記位相差検出部の出力を加算して出力するローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタの出力をアナログ信号に変換するD/A変換部と、
    前記ローパスフィルタの出力を設定する出力設定部と、
    を含み、
    前記出力設定部は、周期的に前記ローパスフィルタの出力を取得し、前記出力設定部に所定の信号が入力されると、前記出力設定部は前記ローパスフィルタの出力を用いて前記ローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する、PLL回路。
  2. 前記出力設定部は、前記ローパスフィルタの出力のうち、前記所定の信号が入力される前の直近のMサンプル(Mは0以上の整数)を無視し、さらに前記Mサンプルより前のNサンプル(Nは1以上の整数)の統計量を前記ローパスフィルタの出力に設定する、請求項1に記載のPLL回路。
  3. 前記出力設定部は、前記Nサンプルの中央値を前記ローパスフィルタの出力に設定する、請求項2に記載のPLL回路。
  4. 前記出力設定部は、前記Nサンプルの平均値を前記ローパスフィルタの出力に設定する、請求項2に記載のPLL回路。
  5. VCOを用いてクロックを生成して出力するクロック出力ステップと、
    アナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力するA/D変換ステップと、
    クロック出力ステップで出力するクロックと前記A/D変換ステップの出力との位相差を検出して出力する位相差検出ステップと、
    ローパスフィルタを用いて直前の出力値に前記位相差検出ステップの出力を加算して出力するフィルタリングステップと、
    周期的に前記ローパスフィルタの出力を取得する取得ステップと、
    前記フィルタリングステップの出力をアナログ信号に変換するD/A変換ステップと、
    所定の信号の発生を検出すると、前記取得ステップで取得したデータを用いて前記ローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する出力設定ステップと、
    を含む、PLL制御方法。
  6. クロックを生成して出力するVCOと、
    アナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力するA/D変換部と、
    前記VCOが出力するクロックと前記A/D変換部の出力との位相差を検出して出力する位相差検出部と、
    直前の出力値に前記位相差検出部の出力を加算して出力するローパスフィルタと、
    前記ローパスフィルタの出力をアナログ信号に変換するD/A変換部と、
    前記ローパスフィルタの出力を設定する出力設定部と、
    を含み、
    前記出力設定部は、周期的に前記ローパスフィルタの出力を取得し、前記出力設定部に所定の信号が入力されると、前記出力設定部は前記ローパスフィルタの出力を用いて前記ローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する、情報再生装置。
  7. VCOを用いてクロックを生成して出力するクロック出力ステップと、
    アナログRF信号をディジタルRF信号に変換して出力するA/D変換ステップと、
    クロック出力ステップで出力するクロックと前記A/D変換ステップの出力との位相差を検出して出力する位相差検出ステップと、
    ローパスフィルタを用いて直前の出力値に前記位相差検出ステップの出力を加算して出力するフィルタリングステップと、
    周期的に前記ローパスフィルタの出力を取得する取得ステップと、
    前記フィルタリングステップの出力をアナログ信号に変換するD/A変換ステップと、
    所定の信号の発生を検出すると、前記取得ステップで取得したデータを用いて前記ローパスフィルタの出力をPLLのキャプチャレンジの範囲内に強制的に設定する出力設定ステップと、
    をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
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