JP2010044877A - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents

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正純 石田
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Abstract

【課題】
水銀フリーで調光特性および発光効率に優れた高圧放電ランプおよびこれを備えた照明装置を提供する。
【解決手段】
高圧放電ランプは、内部に放電空間1cが形成される包囲部1aを備えた透光性セラミックス気密容器1と、その両端内部に配設された一対の電極2と、主として発光する金属である発光金属ハロゲン化物および始動ガスを含み、水銀を本質的に含まない構成であり、主として発光する金属のハロゲン化物は封入比率が30質量%以上のランタノイド系希土類金属の少なくとも一種のハロゲン化物を含み、始動ガスはその圧力P(気圧)が1≦P≦20を満足する透光性セラミックス気密容器の内部に封入されたイオン化媒体と;を具備し、透光性セラミックス気密容器の最大内径をDとし、電極間距離をGとしたときの比D/Gが0.3≦D/G≦2.4を満足する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水銀フリーで調光可能な高圧放電ランプおよびこれを備えた照明装置に関する。
水銀入りの高圧放電ランプにおいて、タリウム(Tl)ハロゲン化物を含まないか、またはこれを微量封入に制限し、かつマグネシウム(Mg)ハロゲン化物を封入することにより、調光特性を改善することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許第3965948号公報
近時、水銀は環境を汚染する可能性のある物質であることから、その使用の低減が課題になっている。
本発明者は、水銀フリーでありながら調光特性および発光効率に優れた高圧放電ランプについて調査・研究した結果、始動ガスの封入圧、イオン化媒体および発光管構造を所定の範囲にすることによって所望の高圧放電ランプが可能であることを究明し、本発明をなすに至った。
本発明は、水銀フリーで調光特性および発光効率に優れた高圧放電ランプおよびこれを備えた照明装置を提供することを目的とする。
本発明の高圧放電ランプは、内部に放電空間が形成される包囲部を備えた透光性セラミックス気密容器と;透光性気密容器の両端内部に配設された一対の電極と;主として発光する金属である発光金属ハロゲン化物および始動ガスを含み、水銀を本質的に含まない構成であり、主として発光する金属のハロゲン化物は封入比率が30質量%以上のランタノイド系希土類金属の少なくとも一種のハロゲン化物を含み、始動ガスはその圧力P(気圧)が1≦P≦20を満足する透光性セラミックス気密容器の内部に封入されたイオン化媒体と;を具備し、透光性セラミックス気密容器の最大内径をDとし、電極間距離をGとしたときの比D/Gが0.3≦D/G≦2.4を満足する;ことを特徴としている。
本発明は以下の態様を許容する。
透光性セラミックス気密容器は、その内部に形成される放電空間内で発生した放射を外部へ導出するための主要部が少なくとも透光性セラミックスからなる気密容器を意味し、通常の作動温度に耐え得る耐火性を有するセラミック素材を用いて形成されている。透光性セラミックス気密容器を用いることにより、最冷部温度を石英ガラスからなる気密容器におけるのより高く設定して、ランプ電圧を高くするとともに、発光効率を向上させることができる。
また、透光性セラミックス気密容器は、イオン化媒体中のランタノイド系希土類金属やそのハロゲン化物に対する耐久性が高いので、ランタノイド系希土類金属のハロゲン化物をイオン化媒体として用いる場合に好都合である。なお、透光性セラミックスとしては、透光性アルミナ、イットリウム−アルミニウム−ガーネット(YAG)、イットリウム酸化物(YOX)と、多結晶非酸化物、例えばアルミニウム窒化物(AlN)などの多結晶または単結晶のセラミックスなどを用いることができる。
一方、透光性セラミックス気密容器は、少なくともその内部に放電空間を包囲する包囲部を有している。包囲部は、その内部空間が適当な形状、例えば球状、楕円球状、ほぼ円柱状などの形状をなしている。内部空間の容積は、高圧放電ランプの定格ランプ電力、電極間距離などに応じてさまざまな値が選択され得る。例えば、液晶プロジェクタ用ランプの場合、1.0cc以下にすることができる。自動車前照灯用ランプの場合、0.05cc以下にすることができる。また、一般照明用ランプの場合、定格ランプ電力に応じて1cc以上および以下のいずれに設定することもできる。
さらに、透光性セラミックス気密容器は、その包囲部に連通した小径筒部を備えていることが許容される。小径筒部は、包囲部を封止するとともに、電極の基端側の軸部がその内部に挿通され、かつ一部が小径筒部の内部に挿通された電流導入導体を経由して点灯回路から電流を電極へ気密に導入するのに寄与することができる。そして、一般的には小径筒部は、包囲部の両端にその一対が配設される。
本発明において、透光性セラミックス気密容器の封止手段としては、例えばフリットガラスを透光性セラミックスと導入導体の間に流し込んで封止するフリット封着、フリットガラスに代えて金属を用いる金属封着および透光性セラミックス気密容器の封止予定の開口部を溶融させて電流導入導体に直接または間接的に封着する手段など各種封止手段を所望により適宜選択的に採用することができる。
また、透光性セラミックス気密容器のフリットガラスを用いて形成した封止部を所要の比較的低い温度に保持しながら透光性気密容器内に形成される放電空間の最冷部温度を所望の比較的高い温度に維持するために、包囲部に連通する小径筒部をその目的に適合するような長さに設定することができる。この場合、封止部は小径筒部の端部部分に形成されるとともに、小径筒部内に電極軸部を延在させて電極軸部または/および電流導入導体と小径筒部の内面との間に僅かな隙間すなわちキャピラリーを小径筒部の軸方向に沿って形成する。なお、電極軸部は、電極軸のみの状態だけでなく、電極がその電極軸の周囲に電極と同材質の細線を巻回して形成した電極軸コイルを備えている場合には、当該コイルを含み、コイルの周囲にキャピラリーが形成される。
さらに、透光性セラミックス気密容器を包囲部と小径筒部とを別に成形して焼き嵌め構造などの採用により一体化してもよいし、両者を最初から一体成形してもよい。一体成形された透光性セラミックス気密容器は、肉厚分布を均一化しやすくて、包囲部と小径筒部の間が曲線で連続した形状を採用することができるので、温度分布が均一になりやすくなるとともに、光学的均質性を得やすくなるので好適である。
本発明において、透光性セラミックス気密容器の包囲部の最大内径D(mm)は、後述するように電極間距離G(mm)との比D/Gが所定範囲になるように設定される。また、これに加えて透光性セラミックス気密容器の内容積すなわち包囲部の内容積をV(cc)とし、後述するイオン化媒体中の主として発光金属のハロゲン化物の封入量をM(mg)としたときの比M/Vが所定範囲になるように設定される態様であるのが好ましい。さらに、透光性セラミックス気密容器が小径筒部の内部にキャピラリーが形成される構成の場合において、ランプ点灯時にキャピラリー内が液相状態のハロゲン化物で充填される割合であるキャピラリー充填率Uが後述する所定範囲内になっている態様であることが好ましい。
一対の電極は、透光性セラミックス気密容器の包囲部の両端内部に配設され、それらの先端間の間隔が電極間距離G(mm)となる。電極の構成材としては、耐火性で、導電性の金属、例えば純タングステン(W)、ドープ剤(例えばスカンジウム(Sc)、アルミニウム(Al)、カリウム(K)およびケイ素(Si)などのグループから選択された一種または複数種)を含有するドープドタングステン、酸化トリウムを含有するトリエーテッドタングステン、レニウム(Re)またはタングステン−レニウム(W−Re)合金などを用いて形成することができる。
小形の高圧放電ランプの場合、直棒状の線材や先端部に径大部を形成した線材を電極として用いることができる。中形ないし大形の高圧放電ランプに用いる電極の場合、電極軸の先端部に電極構成材製のコイルを巻回したりすることができる。なお、一対の電極は、交流で作動する場合、同一構造とするが、直流で作動する場合、一般に陽極は温度上昇が激しいから、陰極より放熱面積の大きい、したがって主部が太いものを用いることができる。
また、電極は、その基端部が透光性セラミックス気密容器に気密に封着された電流導入導体に支持されることで先端部の電極主部が包囲部内の所定位置に固定される。透光性セラミックス気密容器に小径筒部が形成されている場合、電極主部と基端部との間の電極軸部は、小径筒部の中心軸上に位置して延在し、小径筒部の内面と電極軸部の外面との間にキャピラリーを形成するように配置することが許容される。
さらに、電極は、その軸部の周囲に前述の電極構成材例えばタングステンなど製の細線からなる電極軸コイルを巻回することができる。この態様において、キャピラリーは主として電極軸コイルの外周面と小径筒部の内面との間に形成されるが、コイルのターン間に隙間が存在する場合には、当該隙間もキャピラリーとして機能するように構成することができる。
本発明において、電極間距離Gに対する透光性セラミックス気密容器の最大内径Dの比率D/Gは、0.3≦D/G≦2.4を満足する範囲に設定される。この条件を満足すれば、放電開始電圧が比較的に低くて、色分離が発生しにくく、かつ所望の高いランプ電圧が得られて発光効率が高くなる。これに対して、比D/Gが0.3未満になると、放電開始電圧したがって始動電圧が高くなったり、色分離が発生しやすくなったりする。また、比率D/Gが2.4を超えると、所望のランプ電圧および発光効率を得るのが困難になる。なお、最適には0.4≦D/G≦1.8である。この範囲内であれば、確実にランプ電圧、、発光効率とともに良好な始動性および長寿命を確保できる。
イオン化媒体は、少なくとも主として発光する金属のハロゲン化物と始動ガスとを含み、水銀を本質的に含まない。なお、主として発光する金属とは、発光中のスペクトルの主要な部分の少なくとも主要な一部に寄与する発光を担当する金属をいう。なお、この金属は、加えてランプ電圧を形成する作用を有していてもよい。
本発明において、主として発光する金属のハロゲン化物にはランタノイド系金属のハロゲン化物を主要成分として含む。ランタノイド系金属は、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)およびルテチウム(Lu)のグループにより構成されているが、そのいずれも視感度特性曲線に沿って多数の輝線スペクトルを放射するので、発光効率を向上させるのに効果的な発光金属である。
とりわけ、ツリウム(Tm)は、視感度特性曲線のピーク波長付近に多数の輝線スペクトルを放射し、その発光のピークが視感度曲線のピークに一致するので、本発明において、発光効率を向上させるのに極めて効果的な主として発光する金属である。また、ツリウム(Tm)は、水銀フリーの態様においてランプ電圧を高める作用があるので、本発明において有用である。なお、ホルミウムもツリウムに類似した性質を有している。
また、ランタノイド系金属のハロゲン化物は、全ての主として発光する金属のハロゲン化物の全体に対するその封入量の比率が30質量%以上、好ましくは50質量%以上であるように規制される。ランタノイド系金属のハロゲン化物の封入割合が50質量%以上であれば、より高いランプ電圧とより高い発光効率を得ることができる。しかしながら、上記封入比率が80質量%を超えると、ランタノイド系希土類金属、例えばツリウム(Tm)およびホルミウム(Ho)以外の金属のハロゲン化物を封入する余地が相応して低下し、その結果所望の白色発光が得られなくなるので、白色発光を得る目的に対しては好ましくない。したがって、この場合には上限を80質量%以下にするのがよい。
ランタノイド系希土類金属の封入割合を80質量%以下にした場合、所望の発光色または色度を得るために、残余の20〜70質量%の範囲でランタノイド系金属以外の主として発光する金属のハロゲン化物を封入することが許容される。例えば、白色発光を得る場合には、ナトリウム(Na)などのハロゲン化物を封入することができる。また、発光の色度や色温度を調整するために、インジウム(In)のハロゲン化物を適量封入することができる。なお、インジウムハロゲン化物は、蒸気圧が高いので、ランプ電圧形成作用も有している。
しかしながら、本発明において、タリウム(Tl)は、調光特性を悪化するので、本質的に封入しない。すなわち、タリウムを全く封入しないのが好ましい。タリウムを封入する場合であっても、不純物程度にわずかな割合にする必要がある。
また、本発明において、主として発光する金属のハロゲン化物に加えて、主としてランプ電圧を形成するのに効果的な金属のハロゲン化物を封入することができる。すなわち、主としてランプ電圧形成用のハロゲン化物としては、例えばマグネシウム(Mg)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、アルミニウム(Al)、アンチモン(Sb)、ベリリウム(Be)、レニウム(Re)、ガリウム(Ga)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)およびハフニウム(Hf)からなるグループの中から選択された1種または複数種のハロゲン化物を用いることができる。これらの金属は、可視域での発光が少なくて、ハロゲン化物の蒸気圧が比較的高いので、ランプ電圧形成作用に優れているという点で共通した特性を有している。
主としてランプ電圧を形成するのに効果的な金属のハロゲン化物の封入量は、本発明において、特段限定されない。しかしながら、封入量が多くなれば高いランプ電圧を得ることができるが、発光の色度の偏差が大きくなり、または/および発光効率が低下する傾向があるので、必要な範囲でなるべく少ないのが好ましい。ランタノイド系希土類金属のうちツリウムやホルミウムは、上述のように優れた発光特性に加えて水銀フリーの態様において、ランプ電圧を高める作用を有しているので、これらのハロゲン化物を封入する場合には、主としてランプ電圧を形成するのに効果的な金属のハロゲン化物の封入量を透光性セラミックス気密容器の内容積1cc当たり0.1〜0.5mgであっても所望のランプ電圧を形成することができ、この範囲内であれば色度偏差が小さいので好都合である。しかし、封入量が0.1mg未満であると、所望のランプ電圧形成作用が得られない。また、0.5mgを超えると、所望のランプ電圧を得ることができるが、発光の色度偏差が無視し得なくなる。
以上述べた主として発光用金属および主としてランプ電圧形成用金属のハロゲン化物を形成するハロゲンとしてはヨウ素が好適であるが、所望により臭素や塩素を用いることもできる。
始動ガスは、その室温での圧力P(気圧)が1≦P≦20を満足するように透光性気密容器の内部に封入されている。封入圧が1気圧未満であると、高圧放電ランプの発光効率が低くなりすぎてしまい、逆に20気圧超になると、始動電圧が高くなりすぎるので、不可である。なお、発光効率90lm/W以上が得られ、しかも始動電圧が5kV以下になる理由により、好適には1〜10気圧、最適には1〜5気圧である。
また、始動ガスには、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)およびキセノン(Xe)などの希ガスを単独で、または混合して用いることができる。
本発明において、水銀は本質的に封入されない、すなわち、水銀は封入しない。また、水銀を封入する場合であっても、不純物程度、例えば透光性セラミックス気密容器の内容積当たり0.2mg以下とすべきである。
本発明における第1の態様として、全てのハロゲン化物の封入量をM(mg)とし、透光性セラミックス気密容器の内容積をV(cc)としたとき、比M/Vを3≦M/V≦80を満足するように所望により設定することができる。この条件を満足することにより、最冷部温度を所要のランプ特性を得る程度に確保することができる。これに対して、比M/Vが3未満になると、上記最冷部温度の確保が困難になる。反対に、比率M/Vが80を超えると、ハロゲン化物の包囲部の壁面に付着する量が多くなりすぎてしまう。ハロゲン化物は、黄緑色をなしているため、壁面に付着する量が多くなると光フィルター作用によって発光色が影響を受けやすくなり、発光特性のばらつきが大きくなる。なお、好適には6≦M/V≦50である。
本発明における第2の態様として、透光性セラミックス気密容器が一対の小径筒部を備えている場合、点灯時において、少なくとも一方の小径筒部に形成されるキャピラリーの内部に液相のハロゲン化物が充填されている割合であるキャピラリー充填率U(%)が70≦U≦95を満足するのが好ましい。ここで、ハロゲン化物とは、イオン化媒体が主として発光する金属のハロゲン化物と主としてランプ電圧を形成する金属のハロゲン化物を含む場合、それら全てのハロゲン化物を含む。
そうして、キャピラリー充填率Uが上記数式を満足すれば、所望の最冷部温度を得ることができるとともに、キャピラリーの内部に充填された液相のハロゲン化物が包囲部の内面側に不所望に溢れ出るようなことが生じにくくなる。そのため、包囲部の内面に付着した液相のハロゲン化物がフィルター作用を呈して、高圧放電ランプの発光特性がばらつくのを抑制することができる。なお、キャピラリーの容積は、小径筒部の内径がほぼ一定の部分において、小径筒部の内面と電極および電流導入導体の周囲に形成される空隙の容積とする。
なお、キャピラリー充填率Uが75%未満であると、最冷部温度が低くなりすぎ、逆に95%を超えると、ハロゲン化物が包囲部の内面に溢れ出た液相のイオン化媒体が放電による放射に対して光フィルター作用を奏しやすくなる。
本発明における第3の態様として、小径筒部の内面と電極の外周面との間に空隙の幅を10〜80μmの範囲、好適には20〜80μmの範囲に設定することができる。なお、小径筒部の内面とは小径筒部の内径がほぼ一定の部分をいう。この範囲であれば、点灯中液相状態のハロゲン化物がキャピラリーの内部に安定に充填されて所望の最冷部温度を形成することが容易になる。空隙の幅が10μm未満になると、ハロゲン化物がキャピラリーの内部に充填されにくくなり、ハロゲン化物が小径筒部から溢れ出す。逆に空隙の幅が80μm超になると、ハロゲン化物による充填率が低下して最冷部温度が低下する、もしくは一定の最冷部温度を得るためのハロゲン化物の量が増加してハロゲン化物が内包する不純物量が増加する。
本発明における第4の態様として、管壁負荷が15〜25W/cmである。
本発明の照明装置は、照明装置本体と;照明装置本体に配設された請求項1または2記載の高圧放電ランプと;高圧放電ランプを点灯する点灯装置と;を具備していることを特徴としている。
本発明において、照明装置は、前記本発明の高圧放電ランプを光源とする装置を意味し、照明器具、標識灯、光化学反応装置および検査装置などを包含する概念である。また、照明装置本体は、照明装置から高圧放電ランプおよびその点灯装置を除外した残余の部分をいう。
本発明によれば、イオン化媒体が水銀を本質的に含まない構成であり、主として発光する金属のハロゲン化物は封入比率が30質量%以上のランタノイド系希土類金属の少なくとも一種のハロゲン化物を含み、始動ガスはその圧力P(気圧)が1≦P≦20を満足し、かつ透光性セラミックス気密容器の最大内径をDとし、電極間距離をGとしたときの比D/Gが0.3≦D/G≦2.4を満足することにより、ランプ電力が変化しても相関色温度が変化しにくいので、調光特性が良好であるとともに高効率な高圧放電ランプおよびこれを備えた照明装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図1は、本発明の高圧放電ランプを実施するための一形態を示す発光管の断面図である。図において、高圧放電ランプは、その発光管が透光性セラミックス気密容器1、電極2、電流導入導体3、シール4およびイオン化媒体を具備して構成されている。
透光性セラミックス気密容器1は、透光性多結晶アルミナセラミックスからなり、包囲部1aおよび包囲部1aの両端に連通して配設された一対の小径筒部1b、1bを備えている。そして、小径筒部1bおよび包囲部1aは、鋳込み成形により一体に成形されている。なお、内容積をV(cc)とする。
包囲部1aは、外形が中間の円筒部とその両端に連続する一対の半球部からなる繭玉状に膨出していて、その内部にほぼ同様形状の放電空間1cが形成される。小径筒状部1bは、細長いパイプ状をなしていて、包囲部1aの管軸方向の両端から管軸方向に沿って外方へ一体に延在していて、先端が包囲部1aの半球部の中央部に連通している。
電極2は、その一対の電極主部2aが包囲部1a内に臨んで配設され、それぞれ電極主2a、電極軸部2bおよび電極軸コイル2cを備えたドープドタングステンにより形成されている。電極主部2aは、全体が棒状をなしている電極軸部2bの先端部分により構成されている。電極軸2bは、小径筒部1b、1b内の中心部に挿通されている。電極軸コイル2cは、電極軸部2bの周囲にドープドタングステン細線を巻回して形成されている。
そうして、電極軸部2bの周囲に巻回された電極軸コイル2cと小径筒部1bの内面との間にわずかな隙間からなるキャピラリーが形成されている。一対の電極2、2の包囲部1a内に露出する電極主部2aの先端間が電極間距離G(mm)となる。
一対の電流導入導体3、3は、それぞれニオブ棒状体3aおよびモリブデン棒状体3bからなる。ニオブ棒状体3aは、先端が小径筒部1bの内部に挿入され、基端が小径筒部1bから外部へ突出している。モリブデン棒状体3bは、小径筒部1bの内部においてニオブ棒状体3aの先端に突合せ溶接され、その先端に電極軸部2aの基端を突合せ溶接して、電極2を支持している。
一対のシール部4、4は、例えばフリットガラスとしてDy−SiO−Alからなるセラミックス封止用コンパウンドを加熱して溶融し、固化することにより形成されている。そうして、一対のシール部4、4は、透光性セラミックス気密容器1の一対の小径筒部1b、1bの端面側の内面と、これに対向する電流導入導体3、3の主としてニオブ棒状体3aの中間部および先端部ならびにモリブデン棒状体3bの基端部と、の間に介在して透光性セラミックス気密容器1を気密に封止していて、いわゆる電流導入導体挿入封止構造を提供するとともに、電流導入導体3、3のニオブ棒状体3aが透光性セラミックス気密容器1の内部に露出しないように小径筒部1b、1b内に挿入されている部分の全体を被覆している。以上の封止構造により、電極2を透光性セラミックス気密容器1の所定の位置に固定している。
イオン化媒体は、始動ガス、主として発光用のハロゲン化物および主としてランプ電圧形成用のハロゲン化物からなる。始動ガスは、室温で1〜20気圧の希ガスである。なお、上記各ハロゲン化物は、蒸発する分より過剰に封入されているので、その過剰分が高圧放電ランプの安定点灯時に小径筒部1b、1b内に形成されるキャピラリー内に液相状態で滞留している。そして、点灯中下側となる例えば小径筒部1bのキャピラリー内に液相状態で滞留しているイオン化媒体の包囲部1a側の表層部付近に最冷部が形成される。
主として発光用のハロゲン化物は、ツリウム(Tm)およびナトリウム(Na)のハロゲン化物である。主としてランプ電圧形成用のハロゲン化物は、亜鉛(Zn)のハロゲン化物である。
実施例は、図1に示す構造である。
透光性セラミックス気密容器:最大内径D5.0mm、内容積V0.2cc
電極間距離G :9.0mm
比D/G :0.9
イオン化媒体 :
始動ガス Xe3気圧
ハロゲン化物 NaI−TmI3−ZnI2(質量% 24.4:73.2:2.4)4.1mg
管壁負荷 :20W/cm2
定格ランプ電力 :35W
ランプ電圧 :50V
発光効率 :90lm/W

図2は、本発明の高圧放電ランプにおける調光特性を比較例のそれと対比して示すグラフである。横軸はランプ電力(W)を、縦軸は色温度(K)を、それぞれ示す。
図において、曲線「本発明」は、その仕様が上記実施例に示すものであり、曲線「比較例」はハロゲン化物がタリウムを含み、NaI−TmI−TlI−ZnI(質量%22:66:3:9)である以外は実施例と同じである。
図から理解できるように、本発明によれば、調光しても発光色の変化が殆ど生じないことが分かる。
図3は、本発明における始動ガスの封入圧と始動電圧および発光効率との関係を示すグラフである。図において、横軸は始動ガスの封入圧P(気圧)を、縦軸は左側が始動電圧(kV)、右側が発光効率(lm/W)を、それぞれ示す。なお、図中の2曲線は、それぞれの近傍に配置された矢印に示す方向の縦軸に対応する曲線である。すなわち、図の上側の曲線が発光効率、同じく下側が始動電圧を、それぞれ示している。
図から理解できるように、本発明によれば、始動ガスの封入圧Pが1〜20気圧の範囲内において、始動電圧が10kV以下、発光効率60lm/W以上が得られる。しかし、始動ガスの封入圧Pが1〜16気圧の範囲内においては、始動電圧が7kV以下、発光効率60lm/W以上が得られる。また、始動ガスの封入圧Pが1〜5気圧の範囲内において始動電圧が5kV以下であり、また始動ガスが3〜8気圧において発光効率90lm/W以上が得られる。
本発明の高圧放電ランプを実施するための一形態を示す発光管の断面図 本発明の高圧放電ランプにおける調光特性を比較例のそれと対比して示すグラフ 本発明における始動ガスの封入圧と始動電圧および発光効率との関係を示すグラフ
符号の説明
1…透光性セラミックス気密容器、1a…包囲部、1b…小径筒部、1c…放電空間、2…電極、2a…電極主部、2b…電極軸部、2c…電極軸コイル、3…電流導入導体、3a…ニオブ棒状体、3b…モリブデン棒状体、4…シール

Claims (4)

  1. 内部に放電空間が形成される包囲部を備えた透光性セラミックス気密容器と;
    透光性気密容器の両端内部に配設された一対の電極と;
    主として発光する金属のハロゲン化物および始動ガスを含み、水銀を本質的に含まない構成であり、主として発光する金属のハロゲン化物は30質量%以上のランタノイド系希土類金属の少なくとも一種のハロゲン化物を含み、始動ガスはその圧力P(気圧)が1≦P≦20を満足する透光性セラミックス気密容器の内部に封入されたイオン化媒体と;
    を具備し、透光性セラミックス気密容器の最大内径をDとし、電極間距離をGとしたときの比D/Gが0.3≦D/G≦2.4を満足する;
    ことを特徴とする高圧放電ランプ。
  2. 透光性セラミックス気密容器は、包囲部の両端部に連接された一対の小径筒部を備えており;
    電極は、その基端部が小径筒部の内部に小径筒部の内面との間にキャピラリーを形成して挿通されており;
    小径筒部の内部に挿通されて先端部が電極の基端に接続し、基端部が小径筒部の外部に露出した一対の電流導入導体を具備し;
    ランプ点灯時にキャピラリー内が液相状態の金属ハロゲン化物で充填される割合であるキャピラリー充填率Uが70≦U≦95であることを特徴とする請求項1記載の高圧放電ランプ。
  3. イオン化媒体は、タリウム(Tl)を本質的に含有しないことを特徴とする請求項1または2記載の高圧放電ランプ。
  4. 照明装置本体と;
    照明装置本体に配設された請求項1または2記載の高圧放電ランプと;
    高圧放電ランプを点灯する点灯装置と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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