JP2010043164A - 樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システム - Google Patents

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Abstract

【課題】気体状の分解生成物を大気中に放出することなく、かつ、安定して燃焼処理できる樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システムの提供。
【解決手段】分解室11と、分解室11内に流動化ガスを供給する分散室12を備えた分解槽10と、加熱室21と、加熱室21内に流動化ガスを供給する分散室22を備えた固体粒子加熱槽20と、分解槽10で分解した樹脂の分解生成物を回収する回収装置30とを具備し、加熱室21に流動化ガスを供給しながら固体粒子を加熱し、固体粒子と流動化ガスを分解室11に供給し、分解槽10で樹脂を分解し、樹脂の分解生成物と流動化ガスの未冷却混合ガスを回収装置30で冷却して液体状の分解生成物を回収すると共に、液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを分散室22に返送して燃焼処理する回収システム1を使用し、分散室12の圧力を分散室22の圧力よりも大きくする。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システムに関する。
不要となった樹脂を分解し、その分解生成物を回収して利用することは、樹脂の有効利用の点で望まれている。特に、液体状の分解生成物は、液体燃料等に利用できるので好ましい。さらに、メタクリル酸メチルを含む樹脂を分解して、液体状のメタクリル酸メチルモノマーを回収すると、それを樹脂製造の原料として再利用できるので、特に好ましい。
樹脂の分解方法としては、例えば高温の固体粒子(砂等)に樹脂を接触させて、樹脂を熱分解する方法が知られている。そして、発生した分解生成物を含むガスを冷却することで、液体状の分解生成物が得られる。
ところで、樹脂を分解した後に冷却しても液体状にならず、気体状の分解生成物が発生する場合がある。この気体状の分解生成物を大気中に放出することは環境保全の観点で好ましくない。
そこで、例えば特許文献1には、樹脂(廃プラスチック)を熱分解手段により、高温の砂及び/又は添加剤と混合、直接加熱して、ガス状の高沸点油、低沸点油及び気体状の分解生成物(低分子ガス)から成る熱分解生成物と固体状の熱分解残渣を製造して樹脂を加熱分解し、さらに熱分解生成物のうち気体状の分解生成物を残渣焼却手段で燃焼する方法が開示されている。
特開平9−235563号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、気体状の分解生成物が残渣焼却手段から熱分解手段へ逆流することがあり、安定して気体状の分解生成物を燃焼処理することが困難となる場合があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、気体状の分解生成物を大気中に放出することなく、かつ、安定して燃焼処理できる樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システムを提供することを目的とする。
本発明の樹脂の分解生成物の回収方法は、分解室と、該分解室の下側に設けられた、分解室内に流動化ガスを供給する分散室とを備えて樹脂を分解する分解槽と、加熱室と、該加熱室の下側に設けられた、加熱室内に流動化ガスを供給する分散室とを備えて固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽と、前記分解槽で分解した樹脂の分解生成物を回収する回収装置とを具備し、前記加熱室に流動化ガスを供給しながら固体粒子を加熱して、加熱した固体粒子を前記分解室に供給し、分解室に流動化ガスを供給しながら固体粒子に樹脂を接触させて樹脂を分解し、分解した樹脂の分解生成物と流動化ガスの未冷却混合ガスを前記回収装置で冷却して液体状の分解生成物を回収すると共に、前記回収装置で液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを前記固体粒子加熱槽の分散室に返送して燃焼処理する回収システムを使用して樹脂の分解生成物を回収する方法であって、前記分解槽の分散室の圧力を前記固体粒子加熱槽の分散室の圧力よりも大きくすることを特徴とする。
また、前記分解槽中の固体粒子の層高を前記固体粒子加熱槽中の固体粒子の層高よりも高くすることが好ましい。
さらに、前記固体粒子加熱槽の分散室に返送する、液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを返送前に加圧することが好ましい。
また、前記固体粒子加熱槽の分散室に返送する、液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスの一部を前記分解槽の分散室に返送することが好ましい。
さらに、分解する樹脂がメタクリル酸メチルを含む単量体を重合した樹脂の場合にも好適であり、この場合、回収する樹脂の分解生成物はメタクリル酸メチルである。
また、本発明の樹脂の分解生成物の回収システムは、分解室と、該分解室の下側に設けられた、分解室内に流動化ガスを供給する分散室とを備えて樹脂を分解する分解槽と、加熱室と、該加熱室の下側に設けられた、加熱室内に流動化ガスを供給する分散室とを備えて固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽と、前記分解槽で分解した樹脂の分解生成物を回収する回収装置とを具備し、前記分解槽は、樹脂が供給される配管と、前記固体粒子加熱槽で加熱された固体粒子が供給される配管と、分解した樹脂の分解生成物と流動化ガスの未冷却混合ガスを前記回収装置に供給する配管とを備え、前記回収装置は、未冷却混合ガスを冷却することで得られる液体状の分解生成物を回収する回収容器、および該回収容器へ液体状の分解生成物を供給する配管と、液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを前記固体粒子加熱槽の分散室に返送する配管とを備えた樹脂の分解生成物を回収するシステムであって、前記分解槽の分散室の圧力が前記固体粒子加熱槽の分散室の圧力よりも大きくされていることを特徴とする。
また、前記回収装置で液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを前記固体粒子加熱槽の分散室に返送する配管に、該混合ガスの一部を前記分解槽の分散室に返送する配管が分岐して接続していることが好ましい。
本発明において、分解槽に供給される「流動化ガス」とは、分解槽の分散室に供給されるガスを指す。具体的には、後述する補給ガスを直接分解槽の分散室に供給する場合には、流動化ガスは補給ガスを指す。また、後述する回収装置で液化しなかった気体状の分解生成物を分解槽の分散室に返送する場合には、流動化ガスは気体状の分解生成物を指す。また、液化しなかった気体状の分解生成物に補給ガスを供給し、分解槽の分散室に返送する場合には、流動化ガスは補給ガスと液化しなかった気体状の分解生成物の混合物(混合ガス)を指す。
また、固体粒子加熱槽に供給される「流動化ガス」とは、固体粒子加熱槽の分散室に供給されるガスを指す。具体的には、大気から取り込む空気を指す。
本発明の樹脂の分解生成物の回収方法、および樹脂の分解生成物の回収システムによれば、気体状の分解生成物を大気中に放出することなく、かつ、安定して燃焼処理できる。
本発明の樹脂の分解生成物の回収方法(以下、単に「回収方法」という場合がある。)は、固体粒子加熱槽で加熱した固体粒子を分解槽に供給し、分解槽で固体粒子に樹脂を接触させて分解し、樹脂の分解生成物を回収することを特徴とする。
ここで、図1を参照しながら本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の樹脂の分解生成物の回収システム(以下、単に「回収システム」という場合がある。)の一例を示す概略構成図である。この例の回収システム1は、樹脂を分解する分解槽10と、固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽20と、分解生成物を回収する回収装置30とを具備する。さらに、分解生成物を回収するための回収容器31、およびブロワー41、42を備える。
分解槽10は、分解室11と、その下方の分散室12とに分散板Aで上下に仕切られている。
分解槽10としては、流動槽、攪拌機を備えた流動槽が挙げられる。撹拌機の攪拌翼の形状は特に限定されず、パドル翼、アンカー翼、リボン翼、ヘリカル翼、プロペラ翼、タービン翼等が例示できる。
分散板Aは、流動化ガスを分散させるためのものである。分散板Aとしては、多孔板、スリット板、メッシュ板、焼結フィルター、ノズル、キャップ付きノズル等が挙げられる。
分解槽10は、配管a、b、c、dを備え、配管b、dにより固体粒子加熱槽20に、配管cにより回収装置30にそれぞれ連結している。配管a〜dは分解槽10の分解室11に設けられており、配管a、bは分解室11の側面に、配管cは分解室11の上面または側面に、配管dは分解室11の底面に設けられるのが好ましい。
分解槽10には、樹脂が配管aから、固体粒子加熱槽20で加熱された固体粒子が配管bからそれぞれ供給される。そして、分解槽10の分解室11において、樹脂が固体粒子に接触することで分解される。この際、分解槽10内の流動性を良好に維持する観点から、分解槽10の分散室12に流動化ガスを一旦供給し、分散板Aによって分散させて分解槽10の分解室11内に流動化ガスを供給しながら、樹脂を分解する。分解槽10への流動化ガスの供給方法としては、分解槽10に連結したブロワー41等を使用することが定量供給及び加圧供給の観点から好ましい。流動化ガスの供給速度の計測、及び制御は、渦式流量計等のガス用流量制御計(図示略)により行うことができる。また、後述するように、補給ガスを直接供給できる配管を分解槽10に設けて補給ガスを供給したり、回収装置30で液化しなかった気体状の分解生成物等を分解槽10に返送したりすることで、流動化ガスを分解槽10に供給することができる。
なお、分解槽10には、樹脂を供給する前に、予め所定量の固体粒子を充填させておく。
分解槽10への樹脂の供給量は、分解槽10の分解室11の容積に応じて、適宜設定される。
分解槽10への固体粒子の1時間当りの供給量は、樹脂の1時間当りの供給量の1〜20倍が好ましく、5〜15倍がより好ましい。固体粒子の供給量が上記範囲内であれば、樹脂の分解が十分に進行する。樹脂の供給量と固体粒子の供給量は質量とする。
分解槽10への流動化ガスの1時間当りの供給量は、その供給量(Nm/hr)を分解槽10の分解室11の断面積(m)で割った数値が40〜4000となるのが好ましく、70〜2000となるのがより好ましい。流動化ガスの供給量が上記範囲内であれば分解槽10の分解室11に流動化ガスが十分に供給されるので、分解槽10内の流動性を良好に維持できる。
なお、本発明において「Nm/hr」とは0℃、大気圧に換算したときの流量(m/hr)である。
分解槽10で分解された樹脂の分解生成物は概ね気体状であり、分解槽10から排出され、配管cより回収装置30へ供給される。その際、流動化ガスも分解槽10から排出され、樹脂の分解生成物との混合ガス(未冷却混合ガス)の状態で配管cより回収装置30へ供給される。
固体粒子加熱槽20は、加熱室21と、その下方の分散室22とに分散板Bで上下に仕切られている。
固体粒子加熱槽20としては、流動槽、攪拌機を備えた流動槽が挙げられる。撹拌機の攪拌翼の形状は特に限定されず、パドル翼、アンカー翼、リボン翼、ヘリカル翼、プロペラ翼、タービン翼等が例示できる。
分散板Bは、大気中から取り込んだ空気を分散させるためのものである。分散板Bとしては、多孔板、スリット板、メッシュ板、焼結フィルター、ノズル、キャップ付きノズル等が挙げられる。
さらに、固体粒子加熱槽20にはバーナー23が設置されており、液体燃料や気体燃料を燃焼させることで熱風を発生させ、固体粒子等を加熱する。固体粒子加熱槽20で使用する燃料としては特に制限はないが、例えば、重油、軽油、灯油、または樹脂を分解して回収した液(回収液)等が挙げられる。特に、回収液を使用する場合、新たに燃料を供給する必要がないので、環境的、コスト的な観点から好ましい。また、回収液を使用することは、樹脂分解に必要な熱量をその回収液で賄うことになるので、クローズドシステムとなり、環境負荷の小さいプロセスとなる。
上述したように、固体粒子加熱槽20で加熱された固体粒子は、配管bより分解槽10の分解室11へ供給される。この際、固体粒子加熱槽20内の流動性を良好に維持する観点から、固体粒子加熱槽20の分散室22に、大気中から取り込んだ空気を流動化ガスとして一旦供給し、分散板Bによって分散させて固体粒子加熱槽20の加熱室21内に流動化ガスを供給しながら、固体粒子を加熱する。固体粒子加熱槽20への空気(流動化ガス)の供給方法としては、固体粒子加熱槽20に連結したブロワー42等を使用して配管eより分散室22に供給することが定量供給及び加圧供給の観点から好ましい。流動化ガスの供給速度の計測、及び制御は、渦式流量計等のガス用流量制御計(図示略)により行うことができる。
固体粒子加熱槽20への空気の1時間当りの供給量は、その供給量(Nm/hr)を固体粒子加熱槽20の加熱室21の断面積(m)で割った数値が40〜4000となるのが好ましく、70〜2000となるのがより好ましい。空気の供給量が上記範囲内であれば固体粒子加熱槽20の加熱室21に流動化ガスが十分に供給されるので、固体粒子加熱槽20内の流動性を良好に維持できる。
また、分解槽10からは、固体粒子が排出され、排出された固体粒子は配管dより固体粒子加熱槽20の加熱室21に供給される。排出される固体粒子には樹脂の分解残渣が混在しており、その樹脂の分解残渣は、固体粒子加熱槽20で燃焼される。この際、上述した方法と同様にして、大気中から分散室22に取り込んだ空気を流動化ガスとして、分散板Bによって分散させながら固体粒子加熱槽20の加熱室21に供給することで、固体粒子加熱槽20内の流動性をより良好に維持できる。
回収装置30は、分解槽10で分解された樹脂の分解生成物を冷却する冷却手段を含む。冷却手段としては、管式熱交換器、プレート式熱交換器、スクラバー等が挙げられる。
回収装置30は、冷却手段の他に、ミスト回収手段を設置するのが好ましい。ミスト回収手段としては、サイクロン式ミスト回収手段、メッシュ式ミスト回収手段等が挙げられる。
回収装置30では、未冷却混合ガスを冷却することにより、樹脂の分解生成物を液化する。液体状になった分解生成物は、配管fより回収容器31へ回収される。
一方、回収装置30で液化しなかった気体状の分解生成物および流動化ガスの混合ガスは、回収装置30から排出され、配管gを通って固体粒子加熱槽20の分散室22に返送され燃焼処理される。この際、分散室22に返送する前に、混合ガスをブロワー41に供給して加圧するのが好ましい。
混合ガスを加圧することで、より安定して混合ガスを固体粒子加熱槽20の分散室22へ返送できる。
ここで、混合ガスを加圧し、固体粒子加熱槽20の分散室22へ返送する方法の一例を説明する。
回収装置30から排出された液化しなかった気体状の分解生成物および流動化ガスの混合ガスは、配管gよりブロワー41に供給され、加圧される。加圧された混合ガスは、配管hを通って固体粒子加熱槽20の分散室22に返送される。配管hは、図1に示すように固体粒子加熱槽20の分散室22に直接接続されていてもよく、図2に示すように分岐点h’で配管iと配管jに分岐していてもよい。
ここで、図2において、図1と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略することがある。
配管hが図2に示すように分岐している場合、配管iは分解槽10の分散室12に、配管jは固体粒子加熱槽20の分散室22にそれぞれ接続され、加圧された混合ガスは分解槽10の分散室12と固体粒子加熱槽20の分散室22にそれぞれ返送される。
なお、配管iを通って分解槽10の分散室12に返送される混合ガス中の気体状の分解生成物は、流動化ガスとしての役割を果たすことができる。従って、後述するように補給ガスを分解槽10に供給しなくても分解槽10内の流動性は良好に維持できるが、補給ガスを供給すれば、分解槽10内の流動性をより良好に維持できる。
混合ガスを分岐点h’で分岐させて返送する場合には、分解槽10の分散室12への混合ガスの返送量(i)と、固体粒子加熱槽20の分散室22への混合ガスの返送量(j)の比は、返送量(i):返送量(j)=0.99:0.01〜0.7〜0.3が好ましく、0.98:0.02〜0.8〜0.2がより好ましい。返送量の比が上記範囲内であれば、分解槽10内の流動性をより安定して保つことができ、また、混合ガス中の気体状の分解生成物の効率的な燃焼処理が可能となる傾向にある。返送量の比を算出する際は、それぞれの流量の単位は「Nm/hr」とする。
なお、各分散室への混合ガスの供給量は、配管iや配管jに流量調整バルブや流量計を設置し、流量を計測しながら流量制御バルブの開度を調節することで制御できる。
分解槽10の分散室12に返送された混合ガスは、分散板Aによって分散されながら分解室11に供給され、新たに分解された樹脂の分解生成物と共に分解槽10から排出され、配管cを通って回収装置30に供給される。
一方、固体粒子加熱槽20の分散室22に返送された混合ガスは、燃焼処理され、廃ガスとして配管kより排出される。この際、上述した方法と同様にして、大気中から分散室22に取り込んだ空気を流動化ガスとして、分散板Bによって分散させながら固体粒子加熱槽20の加熱室21に供給することで、固体粒子加熱槽20内の流動性をより良好に維持できる。
固体粒子加熱槽20への空気の1時間当りの供給量は、その供給量(Nm/hr)を固体粒子加熱槽20の加熱室21の断面積(m)で割った数値が40〜4000となるのが好ましく、70〜2000となるのがより好ましい。空気の供給量が上記範囲内であれば固体粒子加熱槽20の加熱室21に流動化ガスが十分に供給されるので、固体粒子加熱槽20内の流動性を良好に維持できる。
また、分岐点h’よりも上流側で配管hに配管lを合流させ、加圧した混合ガスを分解槽10の分散室12や固体粒子加熱槽20の分散室22に返送する前に、補給ガスを配管lから混合ガスに供給してもよい。補給ガスを混合ガスに供給することで、流動化ガスとして用いる気体状の分解生成物の濃度を調整することができる。
混合ガスへの補給ガスの1時間当りの供給量は、配管jを通って固体粒子加熱槽20の分散室22に返送される混合ガスの流量の0.8〜1.2倍とすることが好ましく、0.9〜1.1倍とすることがより好ましい。補給ガスの供給量が上記範囲内であれば、配管iを通って分解槽10の分散室12に返送される混合ガスの流量や、配管jを通って固体粒子加熱槽20の分散室22に返送される混合ガスの流量をほぼ一定に維持することができる。補給ガスの流量と、固体粒子加熱槽20の分散室22に返送される混合ガスの流量の比を算出する際は、それぞれの流量の単位は「Nm/hr」とする。
なお、図1に示すように、配管hが分岐せずに固体粒子加熱槽20の分散室22に直接接続され、加圧した混合ガスが配管hを通って固体粒子加熱槽20の分散室22に直接返送される場合は、配管lを分解槽10の分散室12に直接接続し、補給ガスを分解槽10の分散室12に直接供給することが好ましい。分解槽10に補給ガスを直接供給する場合、その1時間当りの供給量は、その供給量(Nm/hr)を分解槽10の分解室11の断面積(m)で割った数値が、40〜4000となるのが好ましく、70〜2000となるのがより好ましい。補給ガスの供給量が上記範囲内であれば分解槽10の分解室11に流動化ガスが十分に供給されるので、分解槽10内の流動性を良好に維持できる。
分解槽10および固体粒子加熱槽20で使用する固体粒子としては特に制限はないが、例えば、砂、セラミクス粒子、金属粒子、金属酸化物粒子、金属水酸化物粒子、金属ハロゲン化物粒子等が挙げられる。これら固体粒子は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。
また、固体粒子は、樹脂の分解に不活性なものであってもよいし、樹脂の分解を促進するような触媒であってもよい。さらに、樹脂から生成する有害な物質を吸収するようなものであってもよい。例えば、ポリ塩化ビニル樹脂などのように、その分子中に塩素原子を含む樹脂は、加熱分解されると塩素、塩化水素、塩素含有物質等を生成する。このような場合は、固体粒子として酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム等を利用して、生成した塩素、塩化水素、塩素含有物質等を中和、或いは吸収するのが好ましい。
固体粒子の大きさは特に制限はないが、その取り扱い性、固体粒子と樹脂の流動・混合等の観点から、平均粒径は0.01〜1mmが好ましく、0.05mm〜0.8mmがより好ましい。
なお、平均粒径とは、篩分法など公知の方法を用いて測定される値である。
分解槽10の分散室12に直接供給する補給ガス、または回収装置30で液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを固体粒子加熱槽20や分解槽10に返送する前に、これらに供給する補給ガスとしては、回収装置30にて回収される液体状の分解生成物の品質向上の観点から、酸素を実質的に含まないガスとすることが好ましい。補給ガスとして使用できるガスの種類は、窒素、二酸化炭素、水蒸気等が挙げられる。このような流動化ガスは1種類のガスであってもよく、2種類以上のガスが混合した混合ガスであってもよい。
補給ガス中の酸素濃度は、樹脂分解の安定性確保や回収する液量の増加や、回収装置30にて回収される液体状の分解生成物の品質向上の観点から、3体積%以下とすることが好ましく、1体積%以下とするのが特に好ましい。
本発明を適用できる樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単一の樹脂であってもよく、2種類以上の混合物であってもよい。なお、ここで「(メタ)アクリル」とは、アクリルあるいはメタクリルのことをいう。
このような樹脂が分解されて得られる分解生成物の主成分としては、ポリエチレンやポリプロピレンからはパラフィンやワックスが、ポリエチレンテレフタレートからはテレフタル酸が、ポリカーボネートからはフェノール類が、ポリスチレンからはスチレンモノマーが、(メタ)アクリル樹脂からは(メタ)アクリルモノマーが得られる。
本発明で使用する樹脂としては、分解生成物のモノマーの収率の観点から(メタ)アクリル樹脂が好ましい。従って、本発明の回収方法を(メタ)アクリル樹脂に適用することは、工業的に価値が非常に高い。
(メタ)アクリル樹脂を構成するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらのエステルである。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等が挙げられる。メタクリル酸エステルとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂は、上記以外の他のモノマーを共重合成分として含んでいてもよい。他のモノマーとしては、無水マレイン酸、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル樹脂は、架橋した樹脂であってもよい。架橋した(メタ)アクリル樹脂とは多官能性モノマー単位および前記(メタ)アクリル樹脂を構成するモノマー単位を含むものである。多官能モノマーとしては、多官能(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。具体的には、多官能(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、 エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが例示できる。
(メタ)アクリルモノマーのうち、メタクリル酸メチルを高収率で回収できる観点から、(メタ)アクリル樹脂を構成する全モノマー100質量%中、メタクリル酸メチルを50質量%以上、構成単位として含んでいることが好ましく、メタクリル酸メチルを70質量%以上、構成単位として含んでいることがより好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、他のポリマーと混合されていてもよい。また、(メタ)アクリル樹脂は、充填剤を含む複合体であってもよい。充填剤としては、水酸化アルミニウム、シリカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、タルク、クレイ等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル樹脂は、充填剤以外の各種添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、顔料、染料、補強剤、酸化防止剤、各種安定剤等が挙げられる。
樹脂は、ペレット状(固体の粒子状)で供給することが好ましい。樹脂をペレット状で供給することにより、分解槽10内の樹脂の分散が良好になりやすくなる。樹脂ペレットの大きさは、特に限定されないが、取り扱い性、供給安定性、分解槽内で分散性の観点から、平均粒径が1〜20mmとするのが好ましい。平均粒径を1mm以上とすることにより樹脂同士の付着や融着を防ぐことができ、20mm以下とすることにより樹脂ペレットの固体粒子への分散性が良好となる。特に、樹脂の大きさを平均粒径が3〜10mmとするのが好ましい。
なお、平均粒径とは、篩分法など公知の方法を用いて測定される値である。
回収容器31に回収される液体状の分解生成物は、分解する樹脂の種類によって異なる。分解する樹脂としてポリエチレンやポリプロピレンを用いる場合には、パラフィン、ワックスが回収される。また、メタクリル酸メチルを含む樹脂を用いる場合には、メタクリル酸メチルが回収される。
一方、回収装置30で液体状にならない気体状の分解生成物としては、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
本発明においては、分解槽10の分散室12の圧力を、固体粒子加熱槽20の分散室22の圧力より大きくする。これにより、回収装置30から排出される液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスが、固体粒子加熱槽20の分散室22へ流れるようになり、その逆流(例えばブロワー41への逆流や、固体粒子加熱槽20の分散室22から、分解槽10の分散室12への逆流など)を抑制できる。従って、安定して気体状の分解生成物を固体粒子加熱槽20の分散室22で燃焼処理することができる。
分解槽10の分散室12の圧力を、固体粒子加熱槽20の分散室22の圧力より大きくする方法としては、分解槽10の分散室12と固体粒子加熱槽20の分散室22に、圧力制御装置(図示略)を設置し制御する方法や、分解槽10中の固体粒子の層高を、固体粒子加熱槽20中の固体粒子の層高より高くする方法が例示される。
中でも、装置が簡便であることや、回収システム1の運転が容易であることの観点から、分解槽10中の固体粒子の層高を、固体粒子加熱槽20中の固体粒子の層高より高くする方法が好ましい。この場合は、分解槽10に樹脂を供給する前に、予め分解槽10に固体粒子を充填しておくものとする。予め分解槽10に充填しておく固体粒子は、加熱されたものであってもよく、加熱されていないものであってもよい。そして、分解槽10へ樹脂を供給して分解を開始する際は、固体粒子加熱槽20で加熱された固体粒子を分解槽10の分解室11へ供給すると共に、分解槽10から排出された固体粒子を固体粒子加熱槽20の加熱室21へ返送して、固体粒子を分解槽10と固体粒子加熱槽20との間で循環させる。
本発明において、分解槽中の固体粒子の「層高」や、固体粒子加熱槽の固体粒子の「層高」とは、分解槽または固体粒子加熱槽の分散板から固体粒子が充填された部分(固体粒子層)における上面までの鉛直方向の距離のことである。
具体的には、固体粒子の層高は、図3に示すように、分解槽10の分散板A(または固体粒子加熱槽20の分散板B)が平板状の場合には、分散板A(または分散板B)の上面A1(または上面B1)から固体粒子層50の最上面51までの距離L1である。例えば図4に示すように、分解槽10の分散板A(または固体粒子加熱槽20の分散板B)が円錐状の場合には、分散板の最下部から固体粒子層の最上部まで、すなわち円錐状の分散板A(またはB)の頂点相当位置(以下、「円錐の頂点」という。)A2(またはB2)から固体粒子層50の最上面51までの距離L2である。
固体粒子の層高は静置した状態で測定する。ここで、「静置した状態」とは、樹脂の供給や、固体粒子の供給・排出をしない状態であり、かつ、流動化ガスの供給や攪拌の運転を停止した状態のことである。
固体粒子の層高が高いほど流動化した時の分散室の圧力が高くなる。従って、分解槽10中の固体粒子の層高を固体粒子加熱槽20中の固体粒子の層高より高くすることにより、分解槽10の分散室12の圧力を、固体粒子加熱槽20の分散室22の圧力より大きくすることができる。
混合ガスの一部が、固体粒子加熱槽20の分散室22へ、より確実に流れるようにするためには、分解槽10の分散室12の圧力/固体粒子加熱槽20の分散室22の圧力の比を、1.5以上にすることが好ましく、2.0以上にすることがより好ましい。なお、圧力はゲージ圧とする。
また、固体粒子の層高の比を調整することでも、混合ガスの逆流を抑制することができる。すなわち、分解槽10中の固体粒子の層高/固体粒子加熱槽20中の固体粒子の層高の比を、1.5以上にすることが好ましく、2.0以上にすることが好ましい。
このように本発明によれば、分解槽10の分散室12の圧力を固体粒子加熱槽20の分散室22の圧力よりも大きくすることで、気体状の分解生成物を固体粒子加熱槽20の分散室22に返送して燃焼処理する際に、気体状の分解生成物の逆流を防ぐことができるので、気体状の分解生成物を大気中に放出することなく、かつ、安定して燃焼処理できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本実施例および比較例においては、以下に示す樹脂および固体粒子を用いた。また、回収液(回収された液体状の分解生成物)の測定は以下の方法で行った。
(樹脂)
樹脂Aとして、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」と略記する。)100質量%からなる樹脂を用いた。この樹脂の質量平均分子量は40万、平均粒径は約5mm(目開き5.6mmの篩いを通過し、目開き4.75mmの篩いを通過しない)であった。
(固体粒子)
固体粒子として、天然川砂((株)昌栄マテリアル製、商品名:エバラロズナ、平均粒径(直径):0.3mm、かさ密度:1600kg/m)を用いた。
(回収液中のMMA濃度(質量%))
ガスクロマトグラフ((株)島津製作所製、商品名:GC−17A)で測定した。溶媒にはN,N−ジメチルホルムアミドを使用した。予め検量線を作成しておき、回収液のガスクロマトグラフィーの結果から、回収液中のMMA濃度を算出した。
(混合ガス中に含まれる気体状の分解生成物の同定)
ガスクロマトグラフ質量分析計(ヒューレットパッカード社製、商品名:HP−6890/5973N)を用い、混合ガス中に含まれる気体状の分解生成物の成分を同定した。
[実施例1]
図2に示す回収システム1を用いて樹脂Aを分解し、液体状の分解生成物を回収した。
分解槽10としては、直径が350mmの円柱状のものを用いた。分散板Aとしては、平板状であり、キャップ付ノズル式のものを用いた。
分解槽10としては、2枚の傾斜パドル翼(直径:310mm、幅:20mm、傾斜角度:45度)を5段(パドル間のピッチ:140mm)にしたものを用いた。上下の段の傾斜パドル翼は直交するようにした。
分解槽10に、天然川砂を80cmの層高まで供給した。供給した天然川砂の質量は123kgであった。
固体粒子加熱槽20としては、直径が600mmの円柱状のものを用いた。分散板Bとしては、平板状であり、キャップ付ノズル式のものを用いた。
固体粒子加熱槽20に、天然川砂を30cmの層高まで供給した。供給した天然川砂の質量は136kgであった。
次いで、樹脂Aを配管aより10.0kg/hrで分解槽10に、分解槽10の分散板Aから200mm上方の位置に連続的に供給した。樹脂Aの供給には一軸スクリューを使用した。その供給温度は20℃とした。
また、固体粒子加熱槽20で加熱された天然川砂を配管bより100kg/hrで分解槽10に、分解槽10の分散板Aから200mm上方の位置に連続的に供給した。天然川砂の供給には一軸スクリューを使用した。その供給温度は600℃とした。
分解槽10の分散室12の圧力は8.3kPa(ゲージ圧)であった。
一方、固体粒子加熱槽20では分散室22に設置されたバーナー23で、灯油を3L/hrで燃焼させた。分散室22には、大気中から取り入れた空気をブロワー42で加圧して、配管eより供給した。その空気流量は60Nm/hrであった。
また、分解槽10から排出された天然川砂を配管dより100kg/hrで固体粒子加熱槽20の加熱室21に、固体粒子加熱槽20の分散板Bから900mm上方の位置に連続的に供給した。
固体粒子加熱槽20の分散室22の圧力は3.2kPa(ゲージ圧)であった。
分解槽10の上部から樹脂の分解生成物と流動化ガスの混合ガス(未冷却混合ガス)を排出し、配管cより回収装置30に送り、該回収装置30にて未冷却混合ガスを冷却した。
回収装置30は、多管式の熱交換器とサイクロン式のミスト回収手段からなるものを用いた。また、多管式熱交換器には0℃の媒体を流した。
回収装置30にて冷却されて液化した液体状の分解生成物(回収液)を配管fより、回収装置30の下方に設置した回収容器31に供給し、回収液を回収した。
一方、配管gを流れる回収装置30で液化されなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスの流量は、20.07Nm/hrであった。配管gから混合ガスの一部を採取して分析したところ、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン等が検出された。この混合ガスを配管gよりブロワー41に供給して加圧した。また、配管hが分岐する分岐点h’よりも上流側で、配管lより補給ガスとして窒素を2.0Nm/hrで混合ガスに加えた。加えた窒素の純度は99.5%、残り0.5%が酸素であった。
加圧した混合ガスを配管h、および分岐点h’で分岐した配管i、jより、分解槽10の分散室12と、固体粒子加熱槽20の分散室22にそれぞれ返送した。分解槽10の分散室12に返送される混合ガスの流量は20Nm/hr、固体粒子加熱槽20の分散室22に返送される混合ガスの流量は2.07Nm/hrとした。配管iの混合ガスは、分解槽10の流動化ガスとして使用された。配管jの混合ガスに含まれる気体状の樹脂の分解生成物は、固体粒子加熱槽20の分散室22で燃焼した。
上述した操作を樹脂Aの供給開始から24時間連続して行った結果、回収システム1の運転は安定しており、気体状の分解生成物が逆流することなく安定して固体粒子加熱槽20の分散室22で燃焼処理することができた。回収装置30の下方に設置した回収容器31に回収した回収液の合計は、227.0kgであった。すなわち、平均して回収液を9.46kg/hrで回収できたことになる。
回収した回収液中のMMA濃度は95.9%であった。
[比較例1]
固体粒子加熱槽20に、天然川砂を80cmの層高まで供給し、固体粒子加熱槽20の分散室22の圧力を8.5kPa(ゲージ圧)とした以外は、実施例1と同様の操作を実施した。なお、固体粒子加熱槽20に供給した天然川砂の質量は362kgであった。
その結果、比較例1では、分解槽10から排出される樹脂の分解生成物と流動化ガスの混合ガス(未冷却混合ガス)や、回収装置30から排出される液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスの流れが不安的であり、連続安定運転ができず、気体状の分解生成物を安定して燃焼処理することが困難であった。
本発明は、樹脂を分解して、その分解生成物を回収する方法として、広く適用できる。
本発明を実施するための回収システムの一例を示す概略構成図である。 本発明を実施するための回収システムの他の例を示す概略構成図である。 固体粒子の層高の一例を説明する断面図である。 固体粒子の層高の他の例を説明する断面図である。
符号の説明
1:回収システム、10:分解槽、11:分解室、12:分散室、20:固体粒子加熱槽、21:加熱室、22:分散室、23:バーナー、30:回収装置、31:回収容器、41,42:ブロワー、50:固体粒子層、51:固体粒子層の最上面、A,B:分散板、A1,B1:分散板の上面、A2,B2:円錐の頂点、a,b,c,d,e,f,g,h,i,j,k,l:配管。

Claims (7)

  1. 分解室と、該分解室の下側に設けられた、分解室内に流動化ガスを供給する分散室とを備えて樹脂を分解する分解槽と、
    加熱室と、該加熱室の下側に設けられた、加熱室内に流動化ガスを供給する分散室とを備えて固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽と、
    前記分解槽で分解した樹脂の分解生成物を回収する回収装置とを具備し、
    前記加熱室に流動化ガスを供給しながら固体粒子を加熱して、加熱した固体粒子を前記分解室に供給し、分解室に流動化ガスを供給しながら固体粒子に樹脂を接触させて樹脂を分解し、分解した樹脂の分解生成物と流動化ガスの未冷却混合ガスを前記回収装置で冷却して液体状の分解生成物を回収すると共に、前記回収装置で液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを前記固体粒子加熱槽の分散室に返送して燃焼処理する回収システムを使用して樹脂の分解生成物を回収する方法であって、
    前記分解槽の分散室の圧力を前記固体粒子加熱槽の分散室の圧力よりも大きくすることを特徴とする樹脂の分解生成物の回収方法。
  2. 前記分解槽中の固体粒子の層高を前記固体粒子加熱槽中の固体粒子の層高よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の樹脂の分解生成物の回収方法。
  3. 前記固体粒子加熱槽の分散室に返送する、液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを返送前に加圧することを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂の分解生成物の回収方法。
  4. 前記固体粒子加熱槽の分散室に返送する、液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスの一部を前記分解槽の分散室に返送することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂の分解生成物の回収方法。
  5. 前記樹脂がメタクリル酸メチルを含む単量体を重合した樹脂であり、回収する樹脂の分解生成物がメタクリル酸メチルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂の分解生成物の回収方法。
  6. 分解室と、該分解室の下側に設けられた、分解室内に流動化ガスを供給する分散室とを備えて樹脂を分解する分解槽と、
    加熱室と、該加熱室の下側に設けられた、加熱室内に流動化ガスを供給する分散室とを備えて固体粒子を加熱する固体粒子加熱槽と、
    前記分解槽で分解した樹脂の分解生成物を回収する回収装置とを具備し、
    前記分解槽は、樹脂が供給される配管と、前記固体粒子加熱槽で加熱された固体粒子が供給される配管と、分解した樹脂の分解生成物と流動化ガスの未冷却混合ガスを前記回収装置に供給する配管とを備え、
    前記回収装置は、未冷却混合ガスを冷却することで得られる液体状の分解生成物を回収する回収容器、および該回収容器へ液体状の分解生成物を供給する配管と、液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを前記固体粒子加熱槽の分散室に返送する配管とを備えた樹脂の分解生成物を回収するシステムであって、
    前記分解槽の分散室の圧力が前記固体粒子加熱槽の分散室の圧力よりも大きくされていることを特徴とする樹脂の分解生成物の回収システム。
  7. 前記回収装置で液化しなかった気体状の分解生成物と流動化ガスの混合ガスを前記固体粒子加熱槽の分散室に返送する配管に、該混合ガスの一部を前記分解槽の分散室に返送する配管が分岐して接続していることを特徴とする請求項6に記載の樹脂の分解生成物の回収システム。
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