JP5646890B2 - 炭化物の製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化物の製造装置に関し、特には、高分子系廃棄物から炭化物を回収する際に発生する熱を有効利用することが可能な炭化物の製造装置に関するものである。
従来、機能性の材料を開発する目的で、ゴム材料や樹脂材料等、様々な高分子系材料の工業化がなされているが、他方で、高分子工業の発展は、汎用材料の大量生産、大量消費をもたらし、高分子系廃棄物の処理は早急に解決すべき重要課題となっている。そして、この課題を解決するためには、高分子系材料の再利用化、リサイクル化等の技術的進展が肝要となる。例えば、ゴム材料であるタイヤは、モータリゼーションの発展と共に自動車必需部材として大量生産、大量消費がなされ、使用済みタイヤの数が膨大になっていることから、使用済みタイヤのリサイクル化・有効利用の研究が進められ、特に有用材料の回収が大きな課題となっている。
例えば、使用済みタイヤ等の高分子系廃棄物から炭化物を効率よく回収する手法として、該高分子系廃棄物の熱分解によって生成される熱分解ガスから油分を除去し、該油分が除去された熱分解ガスを再加熱し、これを熱源として熱分解釜に再循環させる手法が知られている(特開平8−159430号公報(特許文献1)参照)。しかしながら、該手法では、油分を回収する際に冷却された熱分解ガスを再加熱するため、熱風炉等の追加の加熱手段を設け、該加熱手段から供給される熱を利用する必要があった。従って、該方法を利用する炭化物の製造装置には、熱利用効率が低いという問題があった。
ところで、高分子系廃棄物から回収される炭化物の製造装置とは異なるが、オイル・ファーネス法によるカーボンブラックの製造方法を用いたシステムにおいて、熱分解反応により発生した熱を利用し、反応部に導入されるべき燃焼用空気を1次予熱する手法が報告されている(特開平11−293141号公報(特許文献2)参照)。特許文献2に記載のシステムの構成は、高分子系廃棄物から回収される炭化物の製造装置の構成と明らかに異なるものであるが、熱分解反応により発生した熱を利用することについては、熱利用効率の改善の観点から注目に値するものである。
特開平8−159430号公報 特開平11−293141号公報
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、高分子系廃棄物から炭化物を回収する際に発生する熱を有効利用することが可能な炭化物の製造装置を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、熱分解反応により発生する熱分解ガスを熱分解炉内へ循環供給する手段を備えた、高分子系廃棄物から回収される炭化物の製造装置において、高分子系廃棄物との接触後のガスが持つ余熱を、熱分解炉内へ循環供給させるガスに付与することで、熱利用効率を改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明の炭化物の製造装置は、
高分子系廃棄物を熱分解させて炭化物を回収する炭化物の製造装置であって、
内部に高分子系廃棄物を収容し、該高分子系廃棄物を熱分解させて熱分解ガスを発生させるための熱分解炉と、前記熱分解ガスから油分を回収して循環ガスと油分を分離するための冷却分離手段と、前記循環ガスを前記熱分解炉に供給して循環させるためのガス循環手段とを備え、
更に、高分子系廃棄物との接触後のガスが持つ熱によって循環ガスを加熱するための熱交換器を備え
ここで、前記冷却分離手段として凝縮器を備え、該凝縮器に冷却媒体を循環させるためのヒートポンプを備え、
前記ヒートポンプには、前記冷却媒体を冷却するための媒体が循環しており、
前記熱交換器は、前記ヒートポンプ内を循環する媒体が通過する媒体路と前記循環ガスが通過する循環ガス路とを備えてなり、
前記媒体路が前記ヒートポンプに取り付けられ、前記循環ガス路が前記冷却分離手段の下流側で且つ前記熱分解炉の上流側に設置されている
ことを特徴とする。
なお、本願における「炭化物」とは、有機物を含む物質を原料とし、この原料を加熱による熱分解反応によって原料中のガス体及び液体成分を放出した後に、生成されて残った固体を指し、灰分として無機物を含むこともある。また、「熱分解ガス」とは、高分子系廃棄物を熱分解させて得られるガスであって、油分を含むガスであり、「循環ガス」とは、熱分解ガスから油分を除くことで得られるガスであり、「高温ガス」とは、循環ガスを熱交換器で加熱することで得られるガスである。
本発明の炭化物の製造装置の好適例においては、前記熱交換器が、前記熱分解ガスが通過する熱分解ガス路と前記循環ガスが通過する循環ガス路とを備えてなり、前記熱分解ガス路が前記熱分解炉の下流側で且つ前記冷却分離手段の上流側に設置され、前記循環ガス路が前記冷却分離手段の下流側で且つ前記熱分解炉の上流側に設置されている。また、本発明の炭化物の製造装置は、前記熱交換器通過後の循環ガスが、前記循環ガスの一部を用いて加熱された空間内を更に通過することにより、温度を一層上昇させたガス体とするのが好ましい。
また、本発明の炭化物の製造装置を用いた炭化物の製造方法は、熱分解炉内で高分子系廃棄物を熱分解させて熱分解ガスを発生させる工程と、前記熱分解ガスから油分を回収して循環ガスと油分を分離させる工程と、高分子系廃棄物を熱分解する為に前記熱分解炉に導入された前記高分子系廃棄物との接触後のガスが持つ熱によって循環ガスを加熱する工程と、前記循環ガスを加熱することにより得られる高温ガスを前記熱分解炉内に供給して循環させる工程とを含むことが好ましい。
本発明によれば、熱分解反応により発生する熱分解ガスを熱分解炉内へ循環供給する手段を備えた、高分子系廃棄物から回収される炭化物の製造装置において、高分子系廃棄物との接触後のガスが持つ余熱を、熱分解炉内へ循環供給させるガスに付与することで、高分子系廃棄物から炭化物を回収する際に発生する熱を有効利用することが可能な炭化物の製造装置を提供することができる。
本発明の炭化物の製造装置の一例を示す概略図である。 本発明の炭化物の製造装置の他の例を示す概略図である。 本発明の炭化物の製造装置の他の例を示す概略図である。
以下に、図を参照しながら、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の炭化物の製造装置の一例を示す概略図であり、図2は、本発明の炭化物の製造装置の他の例を示す概略図であり、図3は、本発明の炭化物の製造装置の他の例を示す概略図である。本発明の炭化物の製造装置は、高分子系廃棄物1を熱分解させて炭化物を回収する炭化物の製造装置であって、内部に高分子系廃棄物1を収容し、該高分子系廃棄物1を熱分解させて熱分解ガスを発生させるための熱分解炉2と、前記熱分解ガスから油分を回収して循環ガスと油分を分離するための冷却分離手段と、前記循環ガスを前記熱分解炉2に供給して循環させるためのガス循環手段とを備え、更に、前記循環ガスを加熱する手段として高分子系廃棄物1を熱分解する為に前記熱分解炉2に導入された前記高分子系廃棄物1との接触後のガスが持つ熱によって循環ガスを加熱するための熱交換器3を備えることを特徴とする。
図1に示す炭化物の製造装置は、内部に高分子系廃棄物1を収容する熱分解炉2を備え、ここで、該高分子系廃棄物1を熱分解させて熱分解ガスを発生させることになる。より具体的には、高温ガスを熱分解炉2に導入し、高分子系廃棄物1を該高温ガスとの接触により熱分解させて熱分解ガスを発生させることになる。これにより、高分子系廃棄物1の熱分解反応が進行し、該高分子系廃棄物1の熱分解後の熱分解炉2内に、炭化物が生成される。ここで、本発明の炭化物の製造装置においては、熱分解炉2を外部から加熱する外部加熱手段4を用いて、高分子系廃棄物1の熱分解反応を行うことが好ましい。炭化物の製造装置が外部加熱手段4を備えることで、熱分解炉2内の高分子系廃棄物1を熱分解炉2の外側から間接的に加熱することができる。
なお、高分子系廃棄物1は、主として有機系廃棄物を指し、具体的には、タイヤ廃棄物(例えば、スピュー、バフ粉、4〜32分割されたタイヤ)等のゴム材料廃棄物や、炭化水素モノマーの(共)重合反応により得られた高分子材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、スチレン−ブタジエン共重合体等、炭化水素モノマーと他のモノマーとの共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体、炭化水素モノマーのハロゲン誘導体の(共)重合体、例えばポリ塩化ビニル等の樹脂材料廃棄物が挙げられる。また、タイヤ廃棄物を熱分解処理した後の残渣には、スチールコードやワイヤ等が炭化物と混在している。
また、熱分解炉2は、特に限定されるものではないが、例えば、釜式熱分解炉、流動床式熱分解炉、キルン式熱分解炉等が使用される。更に、外部加熱手段4としては、特に限定されず、通常のヒーターを使用することができ、より具体的には、熱分解炉を囲んで配設される炭化珪素発熱体もしくは他の発熱体を使用してもよいし、熱分解炉を囲んで配設した容器によって熱分解炉との間に空間を形成させて、この空間に熱媒体を導入したものを使用してもよい。
本発明の炭化物の製造装置においては、不活性ガス供給ライン5を介して、熱分解炉2内に不活性ガスを導入してもよい。例えば、熱分解開始時の熱分解炉2内をパージしたり、熱分解終了時に上記循環ガスの供給を停止したりする際に、熱分解炉2内へ不活性ガスを導入することで、無酸素状態での熱分解がより確実なものとなり、生成される炭化物の酸化を抑えることができる。なお、不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン等が挙げられる。
図1に示す炭化物の製造装置は、冷却分離手段として、凝縮器6を備え、ここで、上記熱分解ガスから油分を回収して循環ガスと油分を分離させることになる。なお、図1に示す炭化物の製造装置では、熱分解ガス供給ライン7を介して熱分解炉2から凝縮器6に熱分解ガスを導入している。図1に示す凝縮器6には、通常のクーリングタワー8を介して冷媒が供給されている。また、図1に示す炭化物の製造装置においては、一つの凝縮器のみが設置されているが、本発明の炭化物の製造装置においては、冷却分離手段の設置数は任意であり、例えば複数の凝縮器を設置してもよい。複数の凝縮器を利用すれば、熱分解ガスから得られる油分を、その沸点に応じて分けることができる。更に、図1に示す炭化物の製造装置は、凝縮器6の下部に配管を通して接続された油水分離タンク9及び油分回収タンク10を備え、回収した油分を貯蔵することもできる。
また、本発明の炭化物の製造装置は、冷却分離手段において油分を回収する精度を向上させるため、精留塔11を備えることが好ましい。図2及び3に示すように、精留塔11は、通常、熱分解炉2の下流側で且つ冷却分離手段(図2及び3では凝縮器6)の上流側に位置している。なお、精留塔11の下部には、冷却分離手段と同様に油分が溜まるため、精留塔11の下部に配管を通して接続された油分回収タンク12を備えてもよい。
図1に示す炭化物の製造装置は、ガス循環手段として、循環ガス供給ライン13を備え、これにより、循環ガスを熱交換器3に供給し、該熱交換器3により加熱された高温ガスを熱分解炉2に供給させることになる。後述されるように、循環ガスは、熱分解炉内へ供給する前に熱交換器3により加熱されており、この加熱された高温ガスが高分子系廃棄物1の熱分解反応の熱源として作用する。そして、本発明の炭化物の製造装置は、例えば、図1に示すように、循環ガス供給ライン13を介して、凝縮器6により熱分解ガスから油分を回収することで生成された循環ガスを熱交換器3に導入し、得られた高温化された循環ガスを熱分解炉2に導入することによって、ガスが熱分解炉2へ繰り返し戻ってくる構造が形成されており、ガスを熱分解炉2に循環させることができる。従って、本発明の炭化物の製造装置によれば、高分子系廃棄物1の熱分解反応の熱源としての高温化された循環ガスを効率よく利用できると共に、外部からの熱源の供給を必要としないため、無酸素状態での熱分解が確実なものとなる。
更に好ましくは、熱交換器通過後の循環ガスが、循環ガスの一部を用いて加熱された空間内(図1では、追加の加熱手段20内)を更に通過することにより、温度を一層上昇させたガス体として熱分解炉2に循環させる構成とする。具体的には、凝縮器6により熱分解ガスから油分を回収することで生成された循環ガスの一部を供給ライン21を介してバーナー部22に導入し、このガスを燃焼させて加熱した追加の加熱手段20に、循環ガスを導入することで、更なる高温化を行う。
また、本発明の炭化物の製造装置は、高分子系廃棄物の熱分解反応を温和な条件下で行う観点から、熱分解炉2内に導入される高温ガスの流量を制御するため、ガス送風機14を備えてもよい。なお、熱分解炉2内に導入される高温ガスの流量は、29〜31L/(hr・m3)の範囲であることが好ましい。
本発明の炭化物の製造装置は、高分子系廃棄物1との接触後のガスが持つ熱によって循環ガスを加熱するための熱交換器3を備えることを要する。これにより、本発明の炭化物の製造装置において発生する熱の熱利用効率を向上させることができる。また、循環ガスを加熱するために、熱風炉、加熱装置等の追加の加熱手段20を設ける必要が無くなったり、該追加の加熱手段20を設けたとしても、その加熱手段に必要とされるエネルギーを低下させることができる。ここで、本発明の炭化物の製造装置に用いる熱交換器3としては、例えば、図1及び2に示されるように、熱分解ガスとの熱交換により循環ガスを加熱するための熱交換器、図3に示されるように、ヒートポンプ内を循環する媒体との熱交換により循環ガスを加熱するための熱交換器等が挙げられる。
より具体的には、図1に示す炭化物の製造装置においては、熱交換器3が、上記熱分解ガスが通過する熱分解ガス路3Aと上記循環ガスが通過する循環ガス路3Bとを備えてなり、該熱分解ガス路3Aが熱分解炉2の下流側で且つ冷却分離手段(図1では凝縮器6)の上流側に設置され、循環ガス路3Bが冷却分離手段(図1では凝縮器6)の下流側で且つ熱分解炉2の上流側に設置されている。上述の通り、熱分解ガスは、該熱分解ガスから油分を回収するのに冷却される必要があるため、該熱分解ガスとの熱交換を利用して循環ガスを加熱することは、熱利用効率向上の観点から非常に効果的である。また、図2に示されるように、熱分解炉2の下流側で且つ冷却分離手段(図2では凝縮器6)の上流側に位置する精留塔11を備える場合においては、冷却分離手段にて油分をより確実に回収するため、熱交換器3の熱分解ガス路3Aは、精留塔11の下流側で且つ冷却分離手段(図2では凝縮器6)の上流側に設置されていることが好ましい。
一方、図3に示す炭化物の製造装置は、上記冷却分離手段として凝縮器6を備え、該凝縮器6に冷却媒体を循環させるためのヒートポンプ15を備える。ここで、ヒートポンプ15は、凝縮器6へ循環させる冷却媒体を冷却するための媒体が循環している限り、特に限定されるものではないが、例えば、図3に示されるように、媒体が循環する配管16に、媒体の膨張により該媒体の温度を下降させるための膨張弁17と、媒体の圧縮により該媒体の温度を上昇させるための圧縮機18と、媒体との熱交換により凝縮器用冷却媒体の温度を下降させるための熱交換器19とを備える。このため、本発明の炭化物の製造装置において、ヒートポンプを使用する場合、ヒートポンプ内を循環する媒体が高温状態で存在する領域が存在することになる。従って、図3に示されるように、熱交換器3は、上記ヒートポンプ内を循環する媒体が通過する媒体路3Cと上記循環ガスが通過する循環ガス路3Dとを備えてなり、該媒体路3Cがヒートポンプ15に取り付けられ、循環ガス路3Dが冷却分離手段(図3では凝縮器6)の下流側で且つ熱分解炉2の上流側に設置されていることが好ましい。これにより、クーリングタワーの設置が不要となり、また、膨張により冷却される必要のある媒体との熱交換を利用して循環ガスを加熱するため、熱利用効率向上の観点から非常に効果的である。この場合、熱交換器3は、凝縮器6を通過する熱分解ガスの余熱を有効に活用して循環ガスを加熱していると考えられる。なお、ヒートポンプ内を循環する媒体としては、特に限定されず、水等が挙げられる。
本発明の炭化物の製造装置においては、図示しないが、ガス流量を制御するため、ガス流量を測定するための流量計、その開度でガス流量を調整するためのバルブ、ガス流量を一定に保つための送風機等を設置することができる。また、本発明の炭化物の製造装置は、装置内の酸素濃度を1容量%以下に制御することが好ましい。該製造装置内の酸素濃度が1容量%以下であれば、熱分解後の熱分解炉内に残る炭化物の酸化をより確実に抑制でき、品質が劣化せず、ゴム成分に配合してもゴム特性を十分に維持できる炭化物をより確実に得ることができる。なお、製造装置内の酸素濃度は、例えば、固体電解質ジルコニアベースの酸素濃淡セルを用いるジルコニア式酸素センサー等により測定できる。
次に、図を参照しながら、本発明の炭化物の製造装置を用いた炭化物の製造方法を詳細に説明する。上記炭化物の製造方法においては、まず、熱分解炉2内で高分子系廃棄物1を熱分解させて熱分解ガスを発生させる。次に、上記熱分解ガスから油分を回収して循環ガスと油分を分離させる。次に、高分子系廃棄物1を熱分解する為に熱分解炉2に導入された高分子系廃棄物1との接触後のガスが持つ熱によって循環ガスを加熱する。最後に、上記循環ガスを加熱することにより得られる高温ガスを熱分解炉2内に供給して循環させる。ここで、上記炭化物の製造装置においては、高分子系廃棄物との接触後のガスが持つ余熱を、熱分解炉内へ循環供給させるガスに付与することで、循環ガスを加熱することになる。これにより、熱利用効率を向上させることができる。また、高分子系廃棄物1から熱分解ガスを発生させる工程においては、熱分解時の温度を300〜600℃の範囲に制御するのが好ましい。熱分解時の温度が上記特定した範囲内にあれば、高分子系廃棄物が安定で且つ連続的な熱分解を行うことができる。該熱分解時の温度が300℃未満では、熱分解反応が十分に進行せず、これによって、分解されるべき成分が完全に除去されない炭化物を生成するおそれがあり、他方、600℃を超えると、生成した炭化物とガス中に含まれ得る成分との間で望ましくない改質反応や賦活反応が起こり、炭化物中の全酸性度を上昇させたり、又は多孔性でゴムへの補強効果に悪影響を及ぼし得る炭化物を生成するおそれがある。ここで、熱分解時の温度を制御するには、上述した、熱分解炉2内に供給される高温ガスや、熱分解炉2を外部から加熱する外部加熱手段4等を利用すればよい。なお、熱分解炉2内に導入される高温ガスの温度は、400〜600℃の範囲であることが好ましい。更に、驚くべきことに、本発明の炭化物の製造装置を用いた炭化物の製造方法においては、上記熱分解ガスから回収した油分を熱分解炉2内に循環供給させることで、高分子系廃棄物から製造できる炭化物のトルエン着色透過度を高くすることができる。この理由としては、上記油分が熱分解炉2内へ供給されるとガス化し、熱分解ガスのキャリアーとして作用することになるが、この際、補強性の阻害因子となり得るタール分の共沸剤としても作用するため、タール分が高分子系廃棄物1から留出されると考えられる。
本発明の炭化物の製造装置を用いた炭化物の製造方法においては、最後に、高分子系廃棄物1の熱分解後の熱分解炉2内に残る炭化物を回収する。なお、上述の製造方法により得られる炭化物は、例えば、タイヤ廃棄物を熱分解処理した場合、タイヤの骨材であるスチールコードやワイヤ等と混在しているため、炭化物回収手段として磁石、ふるい等を用いてスチールコードやワイヤ等と分離させることが好ましい。また、上述の製造方法により得られる炭化物は、炭化の過程で凝集した塊状部分と粉末状部分とからなるため、例えば、粉砕機等を用いた粉砕工程によって回収された炭化物を微細に壊砕し、更に分級機等を用いた分級工程によって特定の粒度を持つ炭化物を抽出することが好ましい。
1 高分子系廃棄物
2 熱分解炉
3 熱交換器
3A 熱分解ガス路
3B 循環ガス路
3C 媒体路
3D 循環ガス路
4 外部加熱手段
5 不活性ガス供給ライン
6 凝縮器
7 熱分解ガス供給ライン
8 クーリングタワー
9 油水分離タンク
10 油分回収タンク
11 精留塔
12 油分回収タンク
13 循環ガス供給ライン
14 ガス送風機
15 ヒートポンプ
16 配管
17 膨張弁
18 圧縮機
19 熱交換器
20 追加の加熱手段
21 供給ライン
22 バーナー部

Claims (3)

  1. 高分子系廃棄物を熱分解させて炭化物を回収する炭化物の製造装置であって、
    内部に高分子系廃棄物を収容し、該高分子系廃棄物を熱分解させて熱分解ガスを発生させるための熱分解炉と、前記熱分解ガスから油分を回収して循環ガスと油分を分離するための冷却分離手段と、前記循環ガスを前記熱分解炉に供給して循環させるためのガス循環手段とを備え、
    更に、高分子系廃棄物との接触後のガスが持つ熱によって循環ガスを加熱するための熱交換器を備え
    ここで、前記冷却分離手段として凝縮器を備え、該凝縮器に冷却媒体を循環させるためのヒートポンプを備え、
    前記ヒートポンプには、前記冷却媒体を冷却するための媒体が循環しており、
    前記熱交換器は、前記ヒートポンプ内を循環する媒体が通過する媒体路と前記循環ガスが通過する循環ガス路とを備えてなり、
    前記媒体路が前記ヒートポンプに取り付けられ、前記循環ガス路が前記冷却分離手段の下流側で且つ前記熱分解炉の上流側に設置されている
    ことを特徴とする炭化物の製造装置。
  2. 前記熱交換器が、前記熱分解ガスが通過する熱分解ガス路と前記循環ガスが通過する循環ガス路とを備えてなり、
    前記熱分解ガス路が前記熱分解炉の下流側で且つ前記冷却分離手段の上流側に設置され、前記循環ガス路が前記冷却分離手段の下流側で且つ前記熱分解炉の上流側に設置されていることを特徴とする請求項1に記載の炭化物の製造装置。
  3. 前記熱交換器通過後の循環ガスが、前記循環ガスの一部を用いて加熱された空間内を更に通過することにより、温度を一層上昇させたガス体とすることを特徴とする請求項2に記載の炭化物の製造装置。
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