JP2010043028A - シート状化粧料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】携帯性に優れ、顔、腕、脚、胸元等の目的とするポイントに簡単にラメ感を付与することができ、光輝性顔料が皮膚から剥がれ落ちにくいことから、化粧持続性においても優れるシート状化粧料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】シート状基材上に化粧料層が設けられたシート状化粧料であって、上記化粧料層は、光輝性顔料(A)及び化粧料層に対して0.1〜10質量%の水溶性高分子(B)を含有するシート状化粧料。
【選択図】なし
【解決手段】シート状基材上に化粧料層が設けられたシート状化粧料であって、上記化粧料層は、光輝性顔料(A)及び化粧料層に対して0.1〜10質量%の水溶性高分子(B)を含有するシート状化粧料。
【選択図】なし
Description
本発明は、肌に対して均一で長持ちするラメ感を付与することができるシート状化粧料及びその製造方法に関する。
従来、紙等のシート状基材に粉体等からなる化粧料層を設けた紙おしろいが広く知られており、主に化粧崩れをなおす目的で使用されている。このような紙おしろいは、通常、各種顔料や皮脂吸着物質等を含有する化粧料層が設けられており、肌上で摩擦することで化粧料層を肌上に付着させることによって使用される。しかし、このような紙おしろいは、ラメ感を付与するための光輝性顔料を使用するものではない。
一方、近年、ファッション性を高めるため光輝性のある顔料を配合した化粧料によって、顔、腕、脚、胸元等にきらきらとしたラメ感を付与することが行われている。このようなラメ感を得る化粧料は、通常は固形錠剤打型品、パウダー、パフ等の形態を有するものである。しかし、光輝性顔料は形状が扁平な板状であることから、相互に重なり合ってしまうため、肌上に均一に塗布することが困難であり、更に、皮膚から剥がれ落ちやすいという問題があった。また、パウダーやパフ等は携帯に不便であり繰り返し使用する際の見た目の美しさ、衛生面で改善が求められていた。
特許文献1に虹色光沢を有する薄片状積層樹脂粉体、薄片状雲母の表面に金属酸化物及び/又は金属水酸化物が被覆されたパール光沢を有する粉体から選ばれる一種、二種以上の粉体を含有するシート状化粧料が記載されている。これはウェットタイプのシート状化粧料であり、乾式のシート状化粧料については記載されていない。
特許文献2には、カルボキシメチルセルロースを使用した紙おしろいが記載されている。しかし、カルボキシメチルセルロースはサリチル酸を安定して紙おしろいに配合するためのものであり、光輝性顔料と併用して使用する事に関する記載は存在しない。
本発明は、上記現状に鑑み、携帯性に優れ、顔、腕、脚、胸元等の目的とするポイントに簡単にラメ感を付与することができ、光輝性顔料が皮膚から剥がれ落ちにくいことから、化粧持続性においても優れたシート状化粧料及びその製造方法を提供するものである。
本発明は、シート状基材上に化粧料層が設けられたシート状化粧料であって、上記化粧料層は、光輝性顔料(A)及び化粧料層に対して0.1〜10質量%の水溶性高分子(B)を含有することを特徴とするシート状化粧料である。
上記化粧料層は、乾燥減量が10質量%未満であることが好ましい。
上記シート状化粧料は、1枚のシート状化粧料の面積が30×30mm〜150×150mmの四角、三角、円、楕円、円弧状であることが好ましい。
本発明は、シート状基材上に光輝性顔料(A)、化粧料層に対して0.1〜10質量%の水溶性高分子(B)および液体媒体を含有する化粧料原液を塗布する工程(1)及び乾燥工程(2)を有することを特徴とするシート状化粧料の製造方法でもある。
上記化粧料原液は、30℃で測定した乾燥前の粘度が2000mPa・s以下であることが好ましい。
上記化粧料層は、乾燥減量が10質量%未満であることが好ましい。
上記シート状化粧料は、1枚のシート状化粧料の面積が30×30mm〜150×150mmの四角、三角、円、楕円、円弧状であることが好ましい。
本発明は、シート状基材上に光輝性顔料(A)、化粧料層に対して0.1〜10質量%の水溶性高分子(B)および液体媒体を含有する化粧料原液を塗布する工程(1)及び乾燥工程(2)を有することを特徴とするシート状化粧料の製造方法でもある。
上記化粧料原液は、30℃で測定した乾燥前の粘度が2000mPa・s以下であることが好ましい。
本発明により、携帯性に優れ、容易にラメ感を付与することができ、光輝性顔料が皮膚から剥がれ落ちにくいことから、化粧持続性においても優れるシート状化粧料及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用する光輝性顔料は、化粧品に一般的に用いられているものであれば、特に限定されず何れのものも使用できる。例えば、マイカ、干渉マイカ、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー、酸化鉄被覆アルミニウム末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・銀・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等を使用することができる。
本発明において使用する光輝性顔料は、化粧品に一般的に用いられているものであれば、特に限定されず何れのものも使用できる。例えば、マイカ、干渉マイカ、魚鱗箔、オキシ塩化ビスマス、アルミニウムパウダー、酸化鉄被覆アルミニウム末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・銀・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等を使用することができる。
上記光輝性顔料は、化粧量層の質量に対して0.1〜50質量%の割合で配合することが好ましい。0.1質量%未満であると、充分な光輝性を付与することができないおそれがある。また、50質量%を超えると光輝性が強すぎて見た目が悪く、更に肌に塗布しても光輝性顔料が定着せずに落ちるという問題を生じるおそれがある。
本発明においては、更に、化粧料層の不揮発成分に対して0.1〜10質量%の水溶性高分子(B)を使用する。上記水溶性高分子(B)を特定量配合することによって、粉体の皮膚への付着性が改善され、また使用時においても光輝性顔料粒子間において適度な滑りを付与することができるため、容易に上記成分(A)を広げることができる。上記水溶性高分子(B)が0.1質量%未満であると、付着性の改善や使用時の効率の改善が充分ではない。上記水溶性高分子(B)が10質量%を超えると、べたつきを生じる等の感触面の悪化や均一に塗工することができないなど製造上の問題を生じる。
本発明に用いられる水溶性高分子としては、化粧品用として一般に使用され得るものであれば、天然水溶性高分子、半合成水溶性高分子、合成水溶性高分子等、いずれを用いてもよい。
天然水溶性高分子としては、例えばグアーガム、ローカストビンガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、トラガカントガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、カードラン、ヒアルロン酸、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲンおよびその誘導体等が挙げられる。
半合成水溶性高分子としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはその塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、メチルヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース系高分子;可溶性デンプン、カルキシメチルデンプン、メチルデンプン等のデンプン系高分子;アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸塩等のアルギン酸系高分子;多糖類系誘導体等が挙げられる。
合成水溶性高分子としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、ポリエチレンオキシド、エチレンオキシド−プロピレンオキシドブロック共重合体等が挙げられる。
上記水溶性高分子としては、上述したもののなかでも、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースを使用することがより好ましい。これらの水溶性高分子を使用すると、適度な力をかけることによってラメがシート基材から皮膚上に容易に移行する点で好ましい。これら水溶性高分子は単独で用いても2種以上を組み合わせてもよい。
本発明の化粧料層は、必要に応じて通常化粧料に使用されるその他の成分を使用することが出来る。例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤の界面活性剤;タルク、カオリン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の顔料;色素;pH調整剤;防腐剤;香料;金属封鎖剤;ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、グリチルリチン及びその誘導体、γ−アミノ酪酸、動植物由来の有効成分等の薬剤;エチレングリコール、ジエチレグリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチルグルコシド等の保湿剤;l−メントール、l−メンチルグリセリルエーテル等の清涼剤等を必要に応じて適宜配合してよい。
本発明において使用されるシート状基材としては、特に限定されず、紙:綿、麻、羊毛等の天然繊維、レーヨン、アセテート等のセルロース系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアクリル、ポリエステル、ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等の合成繊維等の繊維からなる不織布;上記繊維の編織布等が挙げられ、これらの単体物あるいは複数以上の混合物でもよい。なかでも、均一に化粧料層を設け、扁平な形状を有する光輝性顔料を均一に配列することが容易であることから、紙が好ましい。
本発明のシート状化粧料は、上記化粧料層を構成する成分と水性媒体等の液体媒体とを混合した化粧料原液を調製し、当該化粧料原液をバーコーター、スプレー噴霧、ローラー等で上記シート上基材上に塗布し、乾燥させて液体媒体を除去することによって製造することができる。シート状基材に対する化粧料層は、1〜20g/m2で形成されることが好ましい。
上記方法によって本発明のシート状化粧料を製造する場合、30℃で測定した乾燥前の化粧料原液は2000mPa・s以下であることが好ましい。乾燥前の化粧料原液の粘度を2000mPa・s以下に調整することで、塗布工程において均一に塗工できる点で好ましい。2000mPa・sを超えると、左右に均一に塗工量にばらつきが生じ、製品として均一なものを作成することが困難になる。本明細書における粘度は、医薬部外品原料規格2006・一般試験法における粘度測定法「第2法」によって測定される粘度である。即ち、ブルックフィールド型粘度計を用い、粘性液中を一定の角速度で回転するローターに働く液性の粘性抵抗トルクを検出し、粘度に換算することにより測定されたものである。
得られたシート状化粧料は必要に応じて所望の大きさにカットしてもよい。1枚のシート状化粧料の面積を30×30mm〜150×150mm範囲内にすることで使用時の扱い易さ、持ち運びの簡便さにすぐれたシート状化粧料とすることができる。また、この面積内であれば使用時の使い勝手にすぐれ、均一に塗布することが可能である。また、四角、三角、円、楕円、円弧上等のいずれの形状であっても、上記面積の範囲内であれば使用時の使い勝手に優れ、均一に化粧料層を形成することができる。
本発明のシート状化粧料は、乾式タイプのシート状化粧料である。より具体的には、上記化粧量層は、乾燥減量が10質量%未満であることが好ましい。特に製造時に5質量%以下とすることが好ましく、3質量%以下とすることがより好ましい。なお、本明細書において、乾燥減量は、医薬部外品原料規格2006・一般試験法の乾燥減量試験法に準じた方法によって測定された値である。まず乾燥後精密に質量を量ったはかり瓶中に試料3gを取り、その質量を精密に量る。次いで五酸化リンを乾燥剤とするデシケータ中に上記はかり瓶を入れ、はかり瓶の栓を取ってそばに置き、4時間室温で減圧乾燥する。その後、はかり瓶の質量を測定する。この操作を繰り返し行い、質量の減少がなくなった時点の質量を乾燥前の質量から減じた値を乾燥減量とする。
上記のようにして製造されたシート状化粧料にて、腕、足、首、顔等の人体の肌等の表面を摺動させ、ラメ感のある粉体を肌に付着させることによって、優れたファッション性を得ることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げ本発明を詳説するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。尚、実施例及び比較例に示す%とは質量%である。
(実施例1)
以下の表1に示す成分9を55℃に加熱した80倍重量%の精製水に添加し、6、7を加え均一に溶解していることを確認後、さらにその他の残りの成分を加えホモジナイザーによって攪拌して粘度100mPa・sの原液を得た。
以下の表1に示す成分9を55℃に加熱した80倍重量%の精製水に添加し、6、7を加え均一に溶解していることを確認後、さらにその他の残りの成分を加えホモジナイザーによって攪拌して粘度100mPa・sの原液を得た。
紙パルプ100%からなる基材シートで幅300mmの白粉原紙16g/m2(日本大昭和板紙社製和紙パルプ 15)上にバーコーターによって左右のローラーで上記原液を一定になるように調整し塗布し、その後、97℃のローラーヒーターにて乾燥後の総重量が20から25g/m2になるよう乾燥した。得られたシート状化粧料は、乾燥減量が2.6質量%であった。得られたシート状化粧料を75×100mmの大きさに切り、皮膚上に摩擦させたところ、皮膚上に好適なラメ感を付与することができた。また、ラメ感は長時間にわたって維持された。
(実施例2)
以下の表2に示す各成分を使用した以外は、実施例1と同様にしてシート状化粧料を得た。
以下の表2に示す各成分を使用した以外は、実施例1と同様にしてシート状化粧料を得た。
得られたシート状化粧料を直径100mmの円形に切り取り、皮膚上に摩擦させたところ、皮膚上に好適なラメ感を付与することができた。また、ラメ感は長時間にわたって維持された。
(比較例1)
ポリビニルアルコールを使用しない以外は、上記実施例1と同様の方法でシート状化粧料を得た。得られたシート状化粧料は、光輝性顔料を皮膚上に均一に塗布することができず、また、光輝性顔料は短時間で剥離してしまった。
ポリビニルアルコールを使用しない以外は、上記実施例1と同様の方法でシート状化粧料を得た。得られたシート状化粧料は、光輝性顔料を皮膚上に均一に塗布することができず、また、光輝性顔料は短時間で剥離してしまった。
以上のように、本発明のシート状化粧料は、容易に長時間持続可能なファッション性の高いラメ感を付与することができるものであり、化粧料分野において使用することができる。
Claims (5)
- シート状基材上に化粧料層が設けられたシート状化粧料であって、
前記化粧料層は、光輝性顔料(A)及び化粧料層に対して0.1〜10質量%の水溶性高分子(B)を含有することを特徴とするシート状化粧料。 - 前記化粧料層は、乾燥減量が10質量%未満である請求項1記載のシート状化粧料。
- 1枚のシート状化粧料は、面積が30×30mm〜150×150mmの四角、三角、円、楕円、円弧状である請求項1又は2記載のシート状化粧料。
- シート状基材上に光輝性顔料(A)、化粧料層に対して0.1〜10質量%の水溶性高分子(B)および液体媒体を含有する化粧料原液を塗布する工程(1)及び乾燥工程(2)を有することを特徴とするシート状化粧料の製造方法。
- 化粧料原液は、30℃で測定した乾燥前の粘度が2000mPa・s以下である請求項4記載のシート状化粧料の製造方法。
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2008
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