JP2010042499A - 加工条件探索装置 - Google Patents

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哲男 野田
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Abstract

【課題】要求仕様に対応する加工条件を決定するにあたり、より簡単に最適な加工条件を探索することができる加工条件探索装置を提供する。
【解決手段】本発明の請求項1に記載の加工条件探索装置100は、実加工結果保持部5、加工特性モデル部6および実験加工条件発生部2を備えている。実加工結果保持部5は、実験加工条件に従い実験加工を行った結果得られる計測値および第一の評価値を、当該実験加工条件と組み合わせて、実験加工毎にデータとして記憶する。加工特性モデル部6は、実加工結果保持部5に記憶されている前記データを用いて、加工特性モデルを生成する。そして、実験加工条件発生部2は、当該生成された加工特性モデルを用いて、実験加工条件を新たに生成する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、適切な加工条件を探索する加工条件探索装置に関するものである。
産業用途で用いられる加工機は、たとえば工具鋼からなる金属ワークに対し、物理的、電気的、化学的に作用を加えて形状を徐々に変化させる加工プロセスを実施し、所望する最終形状の加工物を作製する。加工対象となるワークは、金属のみならずプラスチックや木材、有機物、ガラスなど様々である。また、ワークの初期形状も棒状、板状、塊状、筒状など様々である。
一般に加工機は、加工条件と呼ばれる制御パラメータを変更することで、加工プロセスの状態を変化させることができる。通常、加工プロセスは、荒加工、中仕上げ加工、仕上げ加工といった、複数のプロセスから構成され、これを多段加工と呼ぶ。ここで、適切な加工条件の選択が、加工の成否を分けることになる。しかし、加工要求仕様を満足させるような好条件を選択することは、実際問題として困難である。
たとえば、液中短間隙におけるアーク放電による熱作用、およびこれに伴う加工液の気化爆発作用による放電痕の累積により、所望形状を得る放電加工というものがある。当該放電加工では、要求される加工面の面粗さ、形状精度を満たしつつ、加工速度が高くかつ異常な加工状態に陥らない加工条件を選択することが求められている。ここでいう加工条件は、複数の制御パラメータから構成され、それぞれの制御パラメータは数段階に変化する値の中から一つ選択するように構成されている。たとえば制御パラメータが9種類あり、それぞれ9段階の値を選べるとした場合、総組み合わせ数387420489通りの中から一つを選び出すことになる。通常は、これらの組み合わせの全てを試行することはせず、適切と考えられる組み合わせを、過去の経験や加工現象モデルで推測する。または、適切と考えられる組み合わせの周辺を実験的に探索して、適切な加工条件を選び出す。
たとえば、特許文献1には、次のような方法が開示されている。つまり、加工実験の結果得られた知見を元に、発見的に加工特性モデルを構築する。そして、この加工特性モデルに対して、これから行いたい加工に関する要求仕様を入力する。そして、その要求仕様を満たす加工条件を出力する。
また、特許文献2〜4には、ワーク板材の板厚、使用ワイヤ電極径、要求加工面粗さを入力すると、適切な加工条件を算出する加工条件自動選択装置が示されている。すなわち、当該特許文献2〜4には、加工プロセスとは逆方向の加工モデルが示されている。さらに、当該特許文献2〜4には、その加工条件による加工結果を、それ以降の加工にフィードバックする手段も示されている。
また、特許文献5には、次のようの方法が開示されている。加工実験の結果得られた知見を元に、場合分けと各場合における線形な加工特性実験式とを用いて、発見的に加工特性モデルを構築しておく。そして、この加工特性モデルに対して、これから行いたい加工に関する要求仕様を入力する。そして、その要求仕様を満たす加工条件を出力する。
また、特許文献6には、この加工特性実験式を、ファジィ推論を用いて非線形なものにする方法が示されている。
また、特許文献7には、加工の結果から得られる表面粗さのデータを多数取得しておくことで加工特性モデルを構築しておき、多段加工の加工条件を発生する方法が示されている。
さらに、非特許文献1では、ワイヤ放電加工機において、ワイヤ断線しない加工条件パラメータをできるだけ少ない実験数で自動的に探索し、当該加工条件パラメータを最適化する方法が示されている。
上記文献では、予め様々な場合の組み合わせ(板厚、ワイヤ径、目標とする表面粗さ、などの要求仕様)に対して適切な加工条件組み合わせを出力できるように、加工条件とそれによる加工結果を組み合わせたデータを蓄積しておく。そして、その蓄積されたデータから、予め発見的なモデルを構築したり、ファジィ推論やプロダクションシステムの枠組みの元、ルールを記述したりする。これにより、加工条件生成のモデルを構築しておき、多段加工条件を算出する。
特開昭61−131824号公報 特開昭64−64721号公報 特開昭64−64722号公報 特開昭64−64723号公報 特許第2981032号公報 特許第3209353号公報 特許第3736825号公報 野田ほか著「能動型探索アルゴリズムによる加工制御パラメータ調整の自動化」2007年度電気加工学会全国大会予稿集、講演番号J7,2007年
しかしながら、加工条件、すなわち、制御パラメータの組み合わせと要求仕様の間の関係とを、網羅的に設計することは簡単ではない。これは、加工機の加工特性を事前の実験で取得するにあたり、制御パラメータの組み合わせの数が非常に多く、全ての加工条件による実験を実施することはコストと時間とを要するからである。このため、要求仕様に対し事前に、網羅的に最適な加工条件を検索できるシステムを設計することは困難である。
さらに、加工特性モデルの構築が困難である理由が存在する。加工特性として、加工速度や加工精度の実験式は、適切な場合分けのもと、線形関数で記述することができるかに見える。しかしながら、実際にはワイヤ放電加工機における、ワイヤ断線現象に代表される加工不能となる加工条件組み合わせが非線形な領域を描くため、線形な実験式の組み合わせを検索する際に線形計画法的手法が有効な局面が少ない。このため、上記実験式を事実上検索できないことになる。
また、ワイヤが断線せず加工速度が高い加工条件を見つけることに加え、加工断面の形状精度(上下寸法差,タイコ量)が好ましい値になる加工条件を見つけることが、重要である。
そこで、本発明は、以上のような問題点を解決するためのなされたもので、要求仕様に対応する加工条件を決定するにあたり、より簡単に最適な加工条件を探索することができる加工条件探索装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の加工条件探索装置は、実験加工条件を生成する実験加工条件発生部と、前記実験加工条件に従い実験加工を行い、加工結果を出力する加工機と、前記加工結果から得られる情報を、前記実験加工条件と組み合わせて、前記実験加工毎にデータとして記憶する実加工結果保持部と、前記データが前記実加工結果保持部に記憶された後、前記データを用いて、加工特性モデルを生成する、加工特性モデル部とを、備えており、前記実験加工条件発生部は、前記データを用いて生成された前記加工特性モデルを用いて、前記実験加工条件を新たに生成する。
本発明の請求項1に記載の加工条件探索装置は、加工結果から得られる情報を、当該実験加工条件と組み合わせて、実験加工毎にデータとして記憶する実加工結果保持部を備えている。そして、実加工結果保持部に記憶されている前記データを用いて、加工特性モデルを生成する加工特性モデル部を備えている。そして、実験加工条件発生部は、前記データを用いて生成された加工特性モデルを用いて、実験加工条件を新たに生成する。
したがって、要求仕様に対応する加工条件を決定するにあたり、できるだけ少ない実験数で、簡単に、最良の多段加工条件を探索することができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
図1は、この発明の実施の形態1に係る加工条件探索装置100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように当該加工条件探索装置100は、加工機1、実験加工条件発生部2、加工結果計測部3、加工結果評価部4、実加工結果保持部5、および加工特性モデル部6を、備えている。
加工機1は、本発明の対象とする加工プロセスを実行する産業用装置である。本発明では、加工機1は、後述する実験加工条件に従い実験加工を行うこともできる。また、当該加工機1は、加工結果(実験加工中に得られる現象や情報および実験加工終了後に得られる現象や情報)を、加工結果計測部3へと出力することもできる。
加工機1は、たとえば、金属の塊から所望の形状を除去もしくは付加もしくは変形し、最終的に所望する形状を得て製品(加工物)を作る。このような加工機1としては、切削加工機、放電加工機、レーザ加工機、電子ビーム加工機、プラズマ加工機、電解加工機、鍛造機、圧延機、溶接機、および表面処理機等が該当する。なお、以下では、加工機1がワイヤカット放電加工機である場合について説明する。
実験加工条件発生部2は、加工条件を発生させる際における加工特性モデル部6が有する加工特性モデルを用いて、実験加工条件(制御パラメータの組み合わせ)を生成する。そして、実験加工条件発生部2は、当該実験加工条件をデータとして、加工機1および実加工結果保持部5に対して出力する。
ここで、当該実験加工条件は、次の実験加工により得られる評価値の期待値が好ましいものになるように決定される。
具体的に、実験加工条件発生部2は、加工条件を加工特性モデル部6に送信する。当該加工条件を受信した加工特性モデル部6は、当該受信時に有する加工特性モデルを用いて、加工結果を計算し、当該加工結果を実験加工条件発生部2に送信する。実験加工条件生成部2および加工特性モデル部6における加工条件および加工結果の送受信を繰り返し実施する。そして、実験加工条件生成部2は、受信した加工結果の評価値が最も好ましいものを選択する。その後、実験加工条件生成部2は、生成された複数の加工条件の中から、当該選択した加工結果に対応する加工条件を、最適な実験加工条件として決定する。
加工特性モデル部6は、実加工結果保持部5に記憶されているデータを用いて、加工特性モデルを生成する。加工特性モデル部6は、加工条件を入力すると、加工特性モデルを用いて加工結果を推定する。
具体的に、加工特性モデル部6は、ワーク材質やワーク形状、加工に使用する工具や電極の種類と寸法などの要求仕様の一部と加工条件を入力データとし、それら入力データの元で加工機1において行われる加工プロセスの加工結果を推測する。そして、加工特性モデル部6は、当該加工結果をデータとして、実験加工条件発生部2に対して出力する。加工結果とは、加工速度、加工面の面粗さ、加工断面の真直度、加工が異常なく完了するか否か等である。
図2は、加工特性モデル部6の内部の構成を概念的に示した図である。
図示のように、加工特性モデル部6には、加工条件を引数とする関数(加工特性モデルと把握できる)が3つ備えられている。加工条件を探索する段階においては、これらの関数により、加工速度、面粗さ、真直度、ワイヤ断線の発生の有無による加工完了・中断が推測できる。各関数は、別途定められる動作パラメータにより、上記の入出力関係を変化させることができる。
当該動作パラメータの決定は、実加工結果保持部5に蓄積保持されているデータを処理することで行われる。当該動作パラメータの決定は、たとえば重回帰分析、サポートベクターマシン、サポートベクター回帰、カーネル回帰、ベイズポイントマシン、ベイズ推定、最尤推定、応答曲面、ラジアスベイシスファンクションネットワーク、ニューラルネットワーク、といった関数モデルおよびパラメータ決定アルゴリズムの組み合わせを用いることで行われる。
なお、図2に示した加工特性モデル部6における材質推定モデルについては、次の推定結果のデータを出力するためのものである。当該推定結果は、加工中のワークの板厚、ワークの材質、加工液ノズルの位置を推定した結果である。当該推定結果は、加工機1による実加工が行われているとき(あるいは実加工終了後に)、加工中に収集された加工に関するデータと、そのとき使用した加工条件、ワイヤ径、ワイヤ材質のデータを引数として、推定される。ワーク図面情報が与えられているときには、ワークの板厚は推定するのではなく、引数として用いる。これにより、正確に推定を行うことができるという効果が奏される。
実加工結果保持部5は、加工機1にて実験加工が行われる毎に、そのときに使用した実験加工条件、要求仕様、加工結果(具体的に、後述する計測値および評価値)を組み合わせて保存しておく、いわゆるリレーショナルデータベースである。実加工結果保持部5に保存されるデータ構成の一例を図3に示す。
図3に例示するように、1件の実加工結果データについて、時刻、場所等の複数の項目(フィールド)の集合として保持される。そして、実加工結果データの集合をテーブルで表し、項目のID番号で他のテーブルのデータが結合されている。この実加工結果保持部5に保持されたデータは、先に述べた加工特性モデル部6で生成される加工特性モデルの形式および当該加工特性モデル形式のパラメータを決定する際に使用される。
実験加工条件発生部2は、前述したように、加工特性モデル部6で生成された加工特性モデルを用いて、実験加工することが有効と考えられる実験加工条件を推測し、次の実験加工の際に使用する実験加工条件を生成するよう構成されている。すなわち、実験加工条件発生部2は、その時点で得られている加工特性モデルを用いて、次の実験加工により得られる評価値の期待値が好ましいものになるような、実験加工条件を発生・決定している。
実験加工条件発生部2が実験加工条件を加工機1に対して出力した場合、加工機1は、当該実験加工条件に従い実験加工を行う。実験加工の最中および加工終了後に得られた現象や情報(現象および情報は、加工結果と称する)を、加工機1は、加工結果計測部3に対して出力する。
加工結果計測部3では、受信した加工結果から計測値を、数値化して導出する。たとえば加工断面の数箇所の寸法、加工断面の表面粗さ、加工に要した時間、実際に加工した距離、加工中の制御装置内部から観測された信号を処理して得られるデータ(最大値,最小値,振幅,平均値,分散,移動平均,FFTの結果,異常発生検知信号など)が、数値データ化される。加工結果の数値データ化には、自動計測装置を用いる。
たとえば、加工機主軸の脇に設けた接触プローブを用いることで、寸法の計測が実施される。なお、加工断面に対する複数個所の寸法計測を実施した場合には、それらの値を用いて、タイコ形状(糸巻き歪形状)、台形歪形状、平行四辺形形状に仕上がったことが数値化できる。
また、加工結果計測部3は、数値化された上記計測値を、加工結果評価部4および実加工結果保持部5に対して出力する。
加工結果評価部4では、上記計測値を用いて、実験加工の加工結果が好ましいものであるか否かの、2値判断を実施する(つまり、実験加工の結果の良否を示す第一の評価値を導出する)。たとえば実験加工中に加工継続不能な状態に陥っていたか否か、加工結果の品質が悪く、商品として成立しないかどうか、実験加工中に主軸の振動といった好ましくない制御状態が発生し、加工条件として不採用とすべきかどうか、などが判断される。
加工結果評価部4では、上記計測値を用いて、上記2値判断と同時に、加工速度や加工精度などの数値が目標値に達したかどうか、実験試行回数が予定数を超えたかどうか、実験試行時間が予定時間を越えたかどうか、といった、実験加工の繰り返しを継続するか終了するかを示す第二の評価値を2値判断評価値として求める。第二の評価値として、上記のいずれを用いるか、あるいは具体的な数値としていくつを用いるかは、加工条件探索装置の操作画面に表示される入力欄に入力する。
加工結果評価部4は、上記第一の評価値を実加工結果保持部5に向けて出力し、上記第二の評価値を実験加工条件発生部2に向けて出力する。
なお、実加工結果保持部5は、上記したように、実験加工条件に従い実験加工を行った結果得られる計測値および第一の評価値(計測とおよび第一の評価値は、加工結果から得られる情報と把握できる)を、当該実験加工条件と組み合わせて、実験加工毎にデータとして記憶する。そして、実加工結果保持部5に前記データが記憶されると、加工特性モデル部6は、当該データと既に記憶されている他のデータとを用いて、加工特性モデルを新たに生成する。
他方、実験加工条件発生部2は、入力してきた第二の評価値が実験加工の繰り返しの継続を示すとき、当該第二の評価値入力時に生成されている加工特性モデルを用いて、実験加工条件の生成を継続する。当該加工特性モデルは、加工特性モデル部6にておいて上記のように新たに生成されたモデルである。
これに対して、実験加工条件発生部2は、入力してきた第二の評価値が実験加工の繰り返しの停止を示すとき、実験加工条件の生成を停止する。
次に、実施の形態1における加工条件探索装置100の動作について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。
実験加工条件発生部2は、まず、複数の実験加工条件を初期実験加工条件として生成(発生)する(ステップS1)。たとえば7種類の制御パラメータについて、それぞれ2つのレベルに変化させた場合の、総計2の7乗通り(すなわち、128通り)の中から、初期実験加工条件として所定数(たとえば8通り)選び出される。なお、実験加工条件は、各上記制御パラメータの組み合わせであり、加工機1における実験加工の際に使用される。
上記は、いわゆるL8型直交表を用いて実験加工を行うものである。なお、L8型直交表に限らず、L4型直交表、L16型直交表、L32型直交表、L64型直交表、L9型直交表、L27型直交表、L81型直交表、L243型直交表、L12型直交表、L18型直交表、L36型直交表、L72型直交表などを使っても良い。あるいは、多元配置、ラテン方格、グレコラテン方格、一様計画、D最適、G最適、A最適などの最適計画、応答曲面計画における複合計画、Box and Behnken計画、あるいはまったくのランダムな計画などを適宜用いても良い。
次に、実験加工条件発生部2は、上記で生成した、例えば8通りの初期実験加工条件の中から一つの初期実験加工条件を選択する。そして、実験加工条件発生部2は、当該選択した一つの初期実験加工条件を、加工機1に対して出力する。そして、加工機1では、受信した初期実験加工条件に従い、加工実験を実施する(ステップS1)。ここで、加工機1における実験加工から得られる加工結果は、データとして実加工結果保持部5に収集(保存)される(ステップS1)。
その後、残りの7通りの初期実験加工条件に従った加工機1における実験加工、および当該実験加工から得られる加工結果の実加工結果保持部5への収集(保存)を、当該初期実験加工条件毎に順次繰り返し実施する。なお、上記と異なり、加工機1が8通り全ての初期実験加工条件に従った実験加工を実施した後に、実加工結果保持部5がそれぞれの初期実験加工条件に対する加工結果を収集しても良い。
複数(8通り)の初期実験加工条件に従った実験加工および実験加工の結果の収集が全て終了したならば、加工特性モデル部6は、実加工結果保持部5で蓄えられたデータを元に、加工特性モデルを生成する(ステップS2)。
ステップS2において加工特性モデルが生成されると、実験加工条件発生部2は、当該加工特性モデルを用いて、次の実験加工条件を一つ生成する(ステップS3)。当該実験加工条件の生成・決定方法は、上述の通りである。そして、実験加工条件発生部2は、ステップS3で生成・決定した実験加工条件を、加工機1および実加工結果保持部5に対して送信する。加工機1では、ステップS3で生成・決定した実験加工条件に従った、実験加工を実施する(ステップS4)。
加工機1は、当該実験加工により得られる加工結果を、加工結果計測部3へと出力する。ここで、当該加工結果とは、加工機1において、実験加工中に得られる現象や情報および実験加工終了後に得られる現象や情報である。
次に、加工結果計測部3では、受信した加工結果から計測値を導出する(ステップS5)。
たとえば、加工結果計測部3は、得られた加工結果より、加工結果物の寸法あるいは表面粗さ(加工物の加工結果形状と把握できる)を自動計測する。そして、加工結果計測部3は、当該計測結果である、加工物の加工結果形状を表す数値データを、計測値として加工結果評価部4および実加工結果保持部5へと出力する。
あるいは、加工結果計測部3は、得られた加工結果より、加工中に観測された加工機の動作信号を記録する。そして、加工結果計測部3は、実験加工中に観測された当該動作信号を、計測値として加工結果評価部4へと出力する。
次に、加工結果評価部4は、受信した計測値を用いて、上記実験加工の良否を示す第一の評価値を導出する(つまり、上記加工結果に対する第一の評価値を求める)。ここで、上記の通り、当該第一の評価値は、実験加工の良否に応じて2値化される(ステップS6)。
また、加工結果評価部4では、上記計測値を用いて、この第一の評価値の導出と共に、実験加工の繰り返しを継続するか終了するかを示す第二の評価値を求める。ここで、上記の通り、当該第二の評価値は、実験加工の終了・継続に応じて2値化される(ステップS6)。
当該第一、二の評価値導出後、加工結果評価部4は、第一の評価値を実加工結果保持部5に向けて出力し、第二の評価値を実験加工条件発生部2に向けて出力する。
次に、実加工結果保持部5では、上記実験加工条件に従い実験加工を行った結果得られる計測値および第一の評価値を、当該実験加工条件と組み合わせて、実験加工毎にデータとして追加記憶する(ステップS7)。
そして、実験加工条件発生部2では、入力してきた第二の評価値に応じて、実験加工を継続するか終了するかを判断する(ステップS8)。
実験加工条件発生部2が実験加工の繰り返しの継続を判断したとき(ステップS8で「N」)、ステップS2に戻る。つまり、実加工結果保持部5に当該時点で記憶されている各データを用いて、加工特性モデルを新たに生成(更新)する(ステップS2)。そして、実験加工条件発生部2は、当該生成(更新)された加工特性モデルを用いて、実験加工条件を新たに生成する(実験加工条件生成の継続である:ステップS3)。
なお、ステップS8の判断が実験加工の継続である限り、図4に示すように、加工機1による実験加工(ステップS4)、加工結果計測部3による計測値導出(ステップS5)、加工結果評価部4による第一、二の評価値導出(ステップS6)、実加工結果保持部5による計測値、第一の評価値および実験加工条件から成るデータの記憶(ステップS7)、加工特性モデル部6による加工特性モデルの生成(更新)(ステップS2)、および当該加工特性モデルを用いた新たな実験加工条件の生成(ステップS3)は、当該順に繰り返し実行される。
これに対して、実験加工条件発生部2が、入力してきた第二の評価値が実験加工の繰り返しの停止を示すものであると判断したとする(ステップS8で「Y」)。この場合には、加工特性モデル部6は加工特性モデルの生成(更新)を停止し、実験加工条件発生部2は実験加工条件の生成を停止する。
以上のように、実施の形態1に係る加工条件探索装置100は、実験加工が行われる度に、実加工結果保持部5に加工結果がデータとして追加蓄積され、それに基づいて加工特性モデル部6が更新される。そして、当該更新された加工特性モデルを用いることで、実験加工条件発生部2は新たな加工条件を生成する。
ここで、実験加工条件発生部2は、加工特性モデル部6に加工条件を送信し、加工特性モデル部6は当該加工条件に基づいて加工結果(加工速度がより高いもの、形状精度がより良いもの、面粗さがより均一であったり微細であるもの)を推定し、当該加工結果を実験加工条件発生部2へ送信する。実験加工条件発生部2は、生成した複数の加工条件の中から、加工結果が望ましいものになる期待値が最も高いと予想される加工条件を、実験加工条件として決定する。
このように、実施の形態1に係る加工条件探索装置100は、加工結果に基づいて加工特性モデルを生成すると共に、この加工特性モデルを用いて実験加工条件を新たに発生する。したがって、要求仕様に対応する加工条件を決定するにあたり、できるだけ少ない実験数で、簡単に、最良の多段加工条件を探索することができる。
また、実施の形態1に係る加工条件探索装置100は、実験加工条件の生成(ステップS3)、実験加工(ステップS4)、データの記憶(ステップS7)、加工特性モデルの生成(ステップS2)、および加工特性モデルを用いた新たな実験加工条件の生成(ステップS3)を、当該順に繰り返し実行している。なお、実験加工条件発生部2は、第二の評価値に応じて、実験加工条件生成の継続または停止を決定している。
したがって、自動的に実験加工を繰り返すことが可能となる。その際、加工特性モデルの最適化と得られる加工条件の最適化が同時進行し、双方の進行が加速される。これにより、全体としてより良い加工条件を得るまでの時間が短くなる。
なお、上記ステップS3では、実験加工条件発生部2にて発生する実験加工条件は、ステップS3の時期毎に毎回1つとして説明した。しかしながら、実験加工条件発生部2が毎回複数の実験加工条件を発生し、加工機1が当該実験加工条件に従って毎回複数の実験加工を実施するよう構成しても良い。
操作者による段取り作業が必要な実験加工においては、一度の段取りで複数の実験加工を続けて実施したい場合がある。このような場合に、ステップS3の時期毎に実験加工条件発生部2が複数の実験加工条件を発生するよう構成することで、このような段取り換えの回数を減らしたい場合に対応できる効果が得られる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、加工結果計測部3では、自動計測装置を用いて加工結果の数値化をすることとしていた。しかしながら、計測の自動化に莫大なコストがかかる場合には、人手による手動計測が必要となる。そこで、本実施の形態2では、加工結果計測部3を次のように構成する。
すなわち、加工結果計測部3を加工機1のNC(numerical control unit)装置の一画面とする。つまり、加工結果計測部3は、実験加工条件の表示と計測した数値データの入力とが可能な、作業者インタフェース画面(入力手段と把握できる)を備える。ここで、当該計測した数値データとは、当該実験加工により得られた加工物を手作業で計測することにより取得した数値データである。
なお、上記とは異なり、加工機1とネットワーク接続された別置きのコンピュータ上に同様の作業者インタフェース画面(入力手段と把握できる)を備える構成を採用しても良い。
たとえば、手作業で、加工物の加工結果形状を計測し、ユーザは、外部から、当該計測結果を上記作業者インタフェース画面(入力手段)に対して数値データとして入力する。なお、上記作業者インタフェース画面の一例を図5に示す。
図5を用いて、実施の形態2に係る加工条件探索装置の動作について説明する。なお、実施の形態2に係る加工条件探索装置の物理的構成は、実施の形態1に係る加工条件探索装置100(図1)に、上記作業者インタフェース画面(入力手段)を加えた構成である。
まず、実験加工条件生成部2が、たとえば4つの初期実験加工条件を生成したとする。この場合には、図5に示すように、作業者インタフェース画面に当該4つの初期実験加工条件が表示される。そして、加工機1は、当該初期実験加工条件に従った実験加工を自動的に実施する。
4つの初期実験加工条件に従った実験加工全てが終了すると、作業者は、加工物の寸法を手作業でたとえば3箇所計測する。そして、作業者は、図5に示す作業者インタフェース画面に対して、当該3箇所の寸法(図5の「寸法1」、「寸法2」、「寸法3」)の計測結果を入力する。なお、初期実験加工条件に従った実験加工、手作業による加工物寸法の計測および計測結果の入力処理を、各初期実験加工条件毎に順次繰り返し実施しても良い。
次に、加工特性モデル部6は、初期実験加工条件および上記入力された計測値を用いて、加工特性モデルを生成する。その後、実験加工条件発生部2は、更新された加工特性モデルを用いて、たとえば3つの実験加工条件を新たに生成する。その後、加工機1は、新たに生成された実験加工条件に従って、自動的に実験加工を実施する。
次に、作業者は、加工機1により生成された加工物の寸法を、手作業で、たとえば3箇所計測する。そして、作業者は、図5に示す作業者インタフェース画面に対して、当該3箇所の寸法(図5の「寸法1」、「寸法2」、「寸法3」)の計測結果を、各々入力する。
ここで、3つの実験加工条件に従った実験加工が全て終わった後に、当該実験加工により作製された加工物の計測・入力処理を実施しても良い。また、1つあるいは2つの実験加工条件に従った実験加工が終わった後に一度実験加工を停止し、当該実験加工により作製された加工物の計測・入力処理を実施する。そして、その後、残りの実験加工条件に従った実験加工を再開し、当該実験加工により作製された加工物の計測・入力処理を実施しても良い。
さて、作業者インタフェース画面に対して手入力により寸法の計測結果が入力されると、直ちに、実加工結果保持部5に当該入力された数値データが記憶される。そして、加工特性モデル部6は、当該記憶された数値データおよび既に記憶されている各データを用いて、加工特性モデルを新たに生成(更新)する。
次に、実験加工条件発生部2は、上記のように、作業者インタフェース画面に対して手入力により寸法の計測結果が入力されると、当該数値データを用いて生成された上記加工特性モデルを用いて、たとえば3つの実験加工条件を新たに生成する。
なお、いずれかの段階で作業者が、作業者インタフェース画面に表示される「実験加工条件発生」部分を入力したとする。この場合には、既に発生している、実験加工されなかった残り実験加工条件は、消去される。そして、実験加工条件発生部2は、当該時点における加工特性モデルを用いて、たとえば3つの実験加工条件が新たに発生する。そして、加工機1は、当該新たに生成された実験加工条件に従った実験加工を、自動的に実施する。
以上のように、実施の形態2に係る加工条件探索装置は、加工物に対する計測結果である数値データを外部から入力するための作業者インタフェース画面(入力手段)を、さらに備えている。
したがって、加工機1で作製された加工物に対する手動計測が必要な場合にも対応できる、加工条件探索装置を提供することができる。
<実施の形態3>
加工特性モデル部6で生成された加工特性モデルは、その時点で得られている加工結果のデータから、最も尤もらしいモデルを導出することにより、得られたものである。具体的には、加工条件を入力とし、加工精度などの加工結果を出力とする関数を、その時点で得られている加工条件と加工結果の複数の組み合わせデータを回帰分析して決定している。
本実施の形態では、当該回帰分析の手法として、パラメトリックモデルではなく、ノンパラメトリックモデルを用いる。
ここで、パラメトリックモデルとは、あらかじめ関数の形を決めて、その関数のパラメータを推定する回帰分析の手法である。これに対して、ノンパラメトリックモデルとは、サポートベクター回帰に代表される関数の形が完全には与えられない、回帰分析の手法である。
実施の形態1あるいは2では、実験加工条件発生部2において、まず、複数の実験加工条件を初期実験加工条件として生成(発生)していた(ステップS1)。例えば7種類の制御パラメータについて、それぞれ2つのレベルに変化させた場合の、総計2の7乗通り(すなわち、128通り)の中から、初期実験加工条件として所定数(たとえば8通り)選び出される。これは、L8型直交表を用いて実験加工を行うもので、その他、各種直交表、あるいは、多元配置、ラテン方格、グレコラテン方格、一様計画、D最適、G最適、A最適などの最適計画、応答曲面計画における複合計画、Box and Behnken計画、あるいは全くのランダムな計画などを利用して、複数の初期実験加工条件を得るものとしていた。
これに対して、本実施の形態では、実験加工条件発生部2における初期実験加工条件を得る手順を、次のようにする。
なお、本実施の形態に係る方法を採用することにより、加工精度が好ましく、かつ、加工速度が高い加工結果が得られる加工条件を得ることができる。加工精度が好ましくなるような加工条件の調節方法は、ある程度は知られている。本実施の形態では、当該既知の調節方法を模擬することで、初期実験加工条件の発生方法を実現している。本実施の形態における“好ましい加工精度”を、ワイヤ放電加工機の加工を例にして、説明する。
図6は、ワイヤ放電加工機における加工が終わった後の、ワーク断面の概略を示す断面図である。ワイヤ放電加工を行った結果、当該ワークの断面形状として、図6の(a)のように、端面の中程が凹んでいるもの、図6の(b)のように、端面が直線的に加工されているもの、図6の(c)のように、端面の中程がでっぱっているものの、いずれかが得られる。ここで、詳細には、端面が波打つ場合もあるが、加工後のワークの断面形状は概ね、図6の(a)(b)(c)のいずれかに分類される。
加工後のワークの好ましい断面形状は、図6の(b)である。図6の(a)、(c)の場合であっても、より図6の(b)に近い断面が得られることが好ましい。ここで、加工後のワーク断面の好ましさを「s」で表すことにする。図6の(b)の状態をs=0と定義し、図6の(a)の状態をs>0と定義し、図6の(c)の状態をs<0と定義する。
ワーク断面の形状は、加工後のワークの寸法を数箇所計測することにより得られる。計測は、マイクロメータ等を用いて作業者が手で実施しても良いし、プローブやレーザなどで自動計測しても良い。
図7に示すように、ワーク断面の図面における上端、中央、下端の3箇所の計測値を、X1,X2,X3とする。ここで、本実施の形態では、ワーク断面の上端位置を基準面(X1=0)として、当該基準面からのワーク断面の中央および下端までの距離を、X2およびX3としている。
なお、後述から分かるように、X1、X2、X3の差を計算するので、基準面はどこを設定しても良い。ここで、X2とX1の差をY21とし、X3とX2の差をY32とし、Y32とY21の差をZ3221とする。当該Z3221がsとなる。
上記の通り、図6(a)に示すように、ワーク断面の端面が中程でへこんでいる場合には、s(=Z3221)は正の値をとる。また、図6(a)に示すように、ワーク断面の端面がまっすぐな場合に、s(=Z3221)はゼロとなる。また、図6(a)に示すように、ワーク断面の端面が中程ででっぱっている場合には、s(=Z3221)は負の値をとる。
前記から分かるように、s(=Z3221)の値が正であっても、負であっても、その値がゼロに近い値であるほど、ワーク断面の端面がまっすぐになっているといえる。ここで、図6の(a)の断面形状が都合がよく、図6の(c)の断面形状が失敗加工であると考えるなら、s>0かつ0に近いほど、加工結果がより好ましいことになる。
加工条件を変更すると、sの値は変わる。したがって、当該sは、加工条件の関数である。例えば、2つの加工条件パラメータa、bを変更してsが変化することは、式1のように表現できる。
s=s(a,b) 0≦a≦1, 0≦b≦1 ・・・式1
ここで、a=(i−1)/l、b=(j−1)/mである。また、i=1,2,・・・,l、j=1,2,・・・,m)である。
上記の場合、加工条件パラメータa,bによる組み合わせ総数は、(l×m)通りとなる。ワイヤ放電加工においては、あるa、bについて、次のような定性的な性質が知られている。
つまり、aは、設定範囲の中間くらいで、s=0になり、設定範囲の両端でs>0となる。また、bは、設定範囲の右端でs>0となり、左端でs<0となる。当該定性的な性質を式2のように表現される。
s(a,b)∝|a−0.5|+b+定数(Const) ・・・式2
また、a、bの定義域におけるsの正負は、図8のようになる。
そこで、まず、(l×m)通りのすべての(a,b)の組み合わせについて、式2により、s値を計算し、(a,b,s)を得る。この(a,b,s)の集合を、sについてソートし、最大値smax、最小値sminを得る。
sが同じ値を取るときは、aあるいはbの値を見て、aが小さい方を、sがより大きいものとして取り扱う。仮に、aの値も同じである場合には、bが小さい方を、sがより大きいものとして取り扱う。このように取り扱う採用するのは、当該取り扱いにより、加工を安定させ易くなり、あるいは加工速度が高くなるからである。
この後、実験加工条件発生部2は、次に示す順番で、初期実験加工条件を適応的に(a,b,s)の集合の中からひとつ選択する。そして、実験加工条件発生部2は、選択した初期実験加工条件(a,b)を、加工機1に対して出力する。そして、加工機1では、受信した初期実験加工条件に従い、加工実験を実施する。加工機1における実験加工から得られる加工結果は、データとして実加工結果保持部5に収集(保存)される。
具体的に、まず、ワイヤが断線したり、加工中に電極とワイヤが短絡するといった、致命的に不適切な現象を発生させない加工条件(a,b)が見つかるまで、sの値が最大をとる加工条件、sの値が最小をとる加工条件から、交互に選択する。(a,b,s)を上記手順でソートしたものに番号を振ったとして、1、(l×m)、2、(l×m−1)、3、といった順番である。ここで、一度実験した加工条件は二度と選択しない。
致命的に不適切な現象を発生させない加工条件(a,b)が見つかったとする。その加工条件(a,b)により、実際に得られたsが、s>0であるとする。この場合には、まだ加工したことのない加工条件(a,b,s)の中から、式2により計算されたsが最小をとる(a,b,s)を選択する。これ以降も、一度実験した加工条件は二度と選択しない。
(a,b,s)の集合は、2つのクラスに分ける。s>0かつs≒0なる断面形状が好ましいとする場合には、s>0かつ、致命的に不適切な現象を観測しない(a,b,s)を可クラスとする。一方、それ以外の(a,b,s)を不可クラスと分類する。
上記の選択手順によれば、事前に知られている、実験加工条件と加工結果との定性的な関係を利用することで、可クラスまたは不可クラスに属する(a,b,s)を最短2回で発見することができる。これで、実験加工条件発生部2は、初期実験加工条件の選択を終え、すなわちステップS1の動作を終え、ステップS2に移行する。
つまり、本実施の形態によれば、初期実験加工条件の数を大幅に減ずることができる効果がある。なお、本実施の形態では、加工条件パラメータとして、a,bふたつの場合のみを、説明した。しかし当該加工条件パラメータの個数がそれ以上(たとえば5個または7個)であったりしても、本実施の形態は同様に機能し、同等の効果が得られる。パラメータ数が増えると組み合わせ数が膨大になるため、当該パラメータ数が増大する場合には、初期実験回数を減らすことができる本実施の形態はより有利である。
<実施の形態4>
実験加工条件発生部2は、前述したように、加工特性モデル部6で生成された加工特性モデルを用いて、実験加工することが有効と考えられる実験加工条件を推測し、次の実験加工の際に使用する実験加工条件を生成するよう構成されている。加工特性モデルは、本発明においては、得られた実験データから関数の形を変化させる、いわゆるノンパラメトリックモデルを用いる。たとえばサポートベクターマシンが、これに該当する。
すなわち、実験加工条件発生部2は、その時点で得られている加工特性モデルを用いて、次の実験加工により得られる評価値の期待値が好ましいものになるような、実験加工条件を発生・決定している。
実施の形態3では、評価値として「s」を用い、加工中に致命的な現象が観測されると、期待値がもっとも好ましくない評価値とすることにし、それを元に可クラスおよび不可クラスを分類していた。図9は、その分類のようすを示す。
本実施の形態も、同じ方法で可クラス(s>0およびs=0が可クラス)および不可クラス(s<0あるいは致命的な結果が不可クラス)を分類しながら、次に実験すべき加工条件を選ぶため、期待値をつぎのように計算する。なお、実線で描かれた境界付近のs>0側に、もっとも好ましい加工条件があることがわかる。ただし、実線の境界の形は、実験により、その時点で得られている(a,b,s)の集合から、最も尤もらしい推定モデル(加工特性モデル)を計算して得ることにする。この推定モデルは、(a,b,s)が得られるたびに毎回計算し、作り直す。この推定モデルを用いて、次の実験加工条件を選び出す。
図10は、期待値の計算の方法を示した説明図である。
まだ実験していない加工条件組み合わせの集合(a,b)の中から、次に実験すべき候補点を選ぶ。候補点は、実験していない残りすべてでも良いし、推定モデルにより得られる境界(実線)から一定の距離にあるもの、それまでに得られている実験結果から加工速度についての推定モデルを計算し、その加工速度推定モデルにより高い加工速度が得られると推定される加工条件組み合わせ上位100点とする、など、なんらかの基準により、候補点を絞り込んでもよい。このように候補点を絞り込む事により、期待値の計算回数が減るので、計算時間が短縮される効果が得られる。
選ばれた候補点すべてについて、その候補点による加工結果が、可クラスに分類された場合に描かれる境界(図10の二点鎖線)、不可クラスに分類された場合に描かれる境界(図10の一点鎖線)、を推定モデルの計算方法を用いて計算する。
そして、実線と一点鎖線に囲まれた領域の面積A1と、実線と二点鎖線に囲まれた領域の面積A2をそれぞれ計算する。そして、面積A1,A2を用いて、A1+A2を期待値とする。あるいは(A1+A2)/|A1−A2+1|を期待値とする。
A1+A2が大きいことは、推定モデルが大きく変わる可能性が高いことを表し、A1−A2が小さいことは、推定モデルが大きく変わる可能性も小さく変わる可能性も5分5分であることを表す。A1+A2が大きくてもA1―A2が大きいと、当たれば推定モデルの変化量はかなり大きくなり、外すと推定モデルの変化量はかなり小さくなる。
このような期待値の計算を、すべての候補点について実施する。そして、得られた期待値の中から、最も値が高いものを次の候補点として選択し、選択した候補点を実験加工条件(a,b)として、加工機1に対して出力する。そして、加工機1では、受信した実験加工条件に従い、加工実験を実施する。加工機1における実験加工から得られる加工結果は、データとして実加工結果保持部5に収集(保存)される。
可クラスに属し、かつs>0付近にある加工条件であって、加工速度も推定して、それが高いものを選ぶ。このことは、ワークの断面の端面形状が中へこみ、かつ直線形状に近く、加工速度が高い、好ましい加工条件が得られるものを表している。上記のごとく、期待値が高いものを選択することは、そのような好ましい加工結果をもたらす加工条件の候補を選択することになる。
本実施例によれば、加工形状、加工速度といった複数の評価指標について好ましい加工結果をもたらす加工条件が、より少ない実験数で得られる効果がある。
なお、本実施の形態では、加工条件パラメータとして、a,bふたつの場合のみを、説明した。しかし当該加工条件パラメータの個数がそれ以上(たとえば5個または7個)であったりしても、本実施の形態は同様に機能し、同等の効果が得られる。パラメータ数が増えると組み合わせ数が膨大になるため、当該パラメータ数が増大する場合には、実験回数を減らすことができる本実施の形態はより有利である。
加工条件パラメータが複数である場合、上記で説明した、面積を計算していた部分は、多次元空間内の多様体の体積に相当する量の計算に置き換えればよい。あるいは、カルバックライブラーダイバージェンスの計算式を用いて、現在の推定モデルと、予想される推定モデルの差を計算して、それを用いることとしても良い。
実施の形態1に係る加工条件探索装置の概略構成を示すブロック図である。 加工特性モデル部の内部構成を概念的に示した図である。 実加工結果保持部に記憶されているデータ例を示す図である。 実施の形態1に係る加工条件探索装置の動作を説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係る作業者インタフェース画面の表示例を示す図である。 ワークの断面形状の各形態を示す図である。 ワークの各点の寸法の測定方法を説明するための図である。 実施の形態3に係る加工条件探索装置の動作を説明するための図である。 実施の形態4に係る加工条件探索装置の動作を説明するための図である。 実施の形態4に係る加工条件探索装置の動作を説明するための図である。
符号の説明
1 加工機、2 実験加工条件発生部、3 加工結果計測部、4 加工結果評価部、5 実加工結果保持部、6 加工特性モデル部、100 加工条件探索装置。

Claims (9)

  1. 実験加工条件を生成する実験加工条件発生部と、
    前記実験加工条件に従い実験加工を行い、加工結果を出力する加工機と、
    前記加工結果から得られる情報を、前記実験加工条件と組み合わせて、前記実験加工毎にデータとして記憶する実加工結果保持部と、
    前記データが前記実加工結果保持部に記憶された後、前記データを用いて、加工特性モデルを生成する、加工特性モデル部とを、備えており、
    前記実験加工条件発生部は、
    前記データを用いて生成された前記加工特性モデルを用いて、前記実験加工条件を新たに生成する、
    ことを特徴とする加工条件探索装置。
  2. 前記加工結果から導出される計測値を出力する加工結果計測部と、
    前記計測値を用いて、前記実験加工の良否を示す第一の評価値を導出する加工結果評価部とを、さらに備えており、
    前記実加工結果保持部は、
    前記実験加工条件に従い前記実験加工を行った結果得られる前記計測値および前記第一の評価値を、前記実験加工条件と組み合わせて、前記実験加工毎にデータとして記憶する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の加工条件探索装置。
  3. 前記実験加工条件の生成、前記実験加工、前記データの記憶、前記加工特性モデルの生成、および前記加工特性モデルを用いた新たな前記実験加工条件の生成は、当該順に繰り返し実行される、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加工条件探索装置。
  4. 前記加工結果計測部は、
    加工物の加工結果形状を表す数値データを、前記計測値として出力する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の加工条件探索装置。
  5. 前記加工結果計測部は、
    前記実験加工中に観測された前記加工機の動作信号を、前記計測値として出力する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の加工条件探索装置。
  6. 加工物に対する計測結果である数値データを外部から入力するための入力手段を、さらに備えており、
    前記加工特性モデル部は、
    前記入力手段を用いて入力された前記数値データを用いて、前記加工特性モデルを生成し、
    前記実験加工条件発生部は、
    前記入力手段を用いて入力された前記数値データを用いて生成された前記加工特性モデルを用いて、前記実験加工条件を新たに生成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の加工条件探索装置。
  7. 前記加工結果評価部は、
    前記計測値を用いて、前記実験加工の繰り返しを終了するか否かの第二の評価値を導出し、
    前記実験加工条件発生部は、
    前記第二の評価値が前記実験加工の繰り返しの継続を示すとき、前記実験加工条件を生成し、
    前記第二の評価値が前記実験加工の繰り返しの停止を示すとき、前記実験加工条件の生成を停止する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の加工条件探索装置。
  8. 前記実験加工条件発生部は、
    前記実験加工条件生成の時期毎に、前記加工特性モデルを用いて、複数の前記実験加工条件を新たに生成する、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の加工条件探索装置。
  9. 前記加工特性モデルは
    ノンパラメトリックモデルを用いて決定される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の加工条件探索装置。
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