JP4795282B2 - 加工条件探索装置 - Google Patents

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Description

この発明は、加工機に対して、加工条件と呼ばれる制御パラメータを適切なものに設定する場合、その適切な加工条件を探索する加工条件探索装置に関するものである。
産業用途で用いられる加工機は、例えば工具鋼からなる金属ワークに対し、物理的、電気的、化学的に作用を加えて形状を徐々に変化させることで所望する最終形状を得るという加工プロセスを有する。加工対象となるワークは、金属のみならずプラスチックや木材、有機物、ガラスなど様々であり、ワークの初期形状も棒状、板状、塊状、筒状など様々である。
これら加工機は、その加工プロセスにおいて、一般に、加工条件と呼ばれる制御パラメータを変更することで、加工プロセスの状態を変化させることができる。ここで、適切な加工条件の選択が加工の成否を分けることになるが、加工要求仕様を満足させるような好条件を選択することは実際問題として困難である。
例えば、液中短間隙におけるアーク放電による熱作用及びこれに伴う加工液の気化爆発作用による放電痕の累積により所望形状を得る放電加工においては、要求される加工面の面粗さ、形状精度を満たしつつ、加工速度が高くかつ異常な加工状態に陥らない加工条件を選択することが求められている。ここでいう加工条件は複数の制御パラメータから構成され、それぞれの制御パラメータは数段階に変化する値の中から一つ選択するように構成されている。例えば制御パラメータが9種類あり、それぞれ9段階の値を選べるとした場合、総組み合わせ数387420489通りの中から一つを選び出すことになる。通常はこれらの組み合わせを全て試してみることは行わず、適切と考えられる組み合わせを過去の経験や加工現象モデルで推測し、また、その周辺を実験的に探索して、適切な加工条件を選び出すことで組み合わせ爆発の発生を回避している。
例えば、特許文献1〜3には、ワーク板材の板厚、使用ワイヤ電極径、要求加工面粗さを入力すると適切な加工条件を算出する加工条件自動選択装置、即ち、加工プロセスとは逆方向の加工モデルが示されており、更に、その加工条件による加工結果をそれ以降の加工にフィードバックする手段も示されている。
また、例えば、特許文献4には、同じ加工を繰り返し行いながら、仕上げ面粗さ、加工速度などの性能指標を改善させていく技術が開示されている。ここでも、逐次変更するのは主として加工軌跡であり、電気的な加工条件の変更は可能だが難しいとして具体的な変更方法は開示されていない。また、特許文献5等においても、やはり同じ加工を繰り返し実施しつつ、シミュレーション、即ち、順方向の加工特性モデルによる加工状態推定情報と実際の加工状態情報を上流工程にフィードバックし、加工プログラムおよび加工条件の改良を行う方法が示されている。
また、例えば、特許文献6には、複数の実験計画に基づいて加工条件による実験加工を行い、その結果を基に最適な加工条件を選択する技術が示されており、更に、順方向回帰モデル、実験範囲の移動も示されている。
また、例えば、特許文献7には、加工中の放電パルス形状を類別してカウントし、予め定められたモデルにより加工間隙に印加されているエネルギー量を推定し、そのエネルギー量を指標として加工間隙の距離を目標値に制御する技術が示されている。また、特許文献8においても、予め定められたモデルにより加工間隙に印加されているエネルギー量を推定し、そのエネルギー量を指標として放電パルスの休止時間を目標値に制御する技術が示されている。更に、特許文献9においても、加工中に放電パルスの状態を計測し、予め用意した放電現象モデルにより、加工間隙の状態を代表する値(無負荷時間)を推測し、その値をある目標値に向かって制御することで加工間隙の距離を適切に保つ制御方式が開示されている。
更に、例えば、特許文献10においても、加工中の放電パルス波形の形状を表す代表値を、順方向の加工特性モデルにより得られる理論値と比較し、間隙制御の目標値と加工安定化制御パラメータを変化させる技術が示されている。また、この文献では、理論値と計測値の乖離率を定義して、この乖離率を入力とし加工の安定度を出力とする推論部(ファジー推論)を備え、加工の安定度に応じて加工安定化制御動作パラメータを変更するアイデアが開示されている。あるいはニューラルネットで計測値から制御操作量を算出するアイデアが開示されている。
特開昭64−64721号公報 特開昭64−64722号公報 特開昭64−64723号公報 特開平6−114637号公報 特許第3257327号公報 特開平7−295619号公報 特開平9−11043号公報 特開2001−62634号公報 特許第3006817号公報 特許第3547151号公報
上記従来の技術では、以上の特許文献に示すように、予め様々な場合の組み合わせ(板厚、ワイヤ径、目標とする表面粗さ、などの要求仕様)に対して適切な加工条件組み合わせを出力できるように、加工条件を蓄積しておく、あるいはあらかじめ定めた何らかのモデルにもとづいて加工条件をその都度算出する加工条件検索システムは存在していた。
しかしながら、加工条件、即ち、制御パラメータの組み合わせと要求仕様の間の関係を網羅的に設計することは簡単ではなく、その結果、得られる加工条件は最適な場合もあるがそうでない場合も出てきてしまうという問題点があった。つまり、加工機の加工特性を事前の実験で取得するにあたり、制御パラメータの組み合わせの数が非常に多く、全ての加工条件による実験を実施することはコストと時間を要することに起因する。このため、要求仕様に対し事前に網羅的に最適な加工条件を検索できるシステムを設計することは困難である。
このような課題に対処するため、加工を繰り返す度に加工結果を改善するよう加工条件や加工軌跡を変化させることが考えられる。しかし複数の制御パラメータの組み合わせを同時に変化させることで加工結果がどのように変化するのかという因果関係を明らかにする手段は備える必要が生じる。一部の制御パラメータを、それぞれ単独で変化させる方法を用いると、最適ではない準最適な加工条件に到達するのにさえ、加工繰り返し数を多く要するという問題点が生じることになる。
一方、制御パラメータの定義域を選択して実験範囲を決定し、その実験範囲を変化させながら加工実験を行って加工特性データを収集することを繰り返し、そこから良い加工条件を選択する技術も存在する。これは古典的実験計画法やタグチメソッドなどに見られる方法である。しかしながら、このような技術においても、実験した加工条件と加工結果の組み合わせの中で、どれがよいのか選択するに止まり、実験結果を応用的に利用するにしてもせいぜい各制御パラメータによる効果が独立していることを仮定して制御パラメータそれぞれの最適値を選択するに止まり、結局、最適な加工条件への到達の成否およびそれに要する時間は、実験範囲の選び方、即ち、作業者の知見あるいは経験に左右されるという問題点があった。
更に、加工条件と加工結果の関係を表す加工特性モデルを見出す技術も存在するが、モデルの利用方法としては、加工中に計測したデータから加工特性モデルを用いて加工状態を推測しサーボ送りに関する一つの制御パラメータを変更するために用いているのみで、複数の制御パラメータからなる加工条件を選択するものではない。
この発明は、以上のような問題点を解決するためのなされたもので、要求仕様に対応する加工条件を決定するにあたり、必要に応じて加工実験を試行し、加工実験を試行する場合にはどの加工条件を用いて試行するかを自動的に決定し、その際、できるだけ少ない試行数となるような加工条件で実験を試行し、結果として最良の加工条件を探し当てる加工条件探索装置を得ることを目的とする。
この発明に係る加工条件探索装置は、実験加工条件を発生する実験加工条件発生部と、実験加工条件発生部から出力された加工条件で加工を行い、実加工結果を出力する加工機と、加工機から出力された実加工結果に基づいて、所定の加工条件が入力された場合の最適加工条件である加工特性モデルを生成する加工特性モデル部とを備え、加工特性モデル部は、加工条件の探索実験を繰り返している時、ある時点で得られている実加工結果に基づいて、加工特性を表現するモデルを更新し、更新された加工特性モデルについて、加工条件を引数とする評価関数を備え、実験加工条件発生部は、評価関数を用いて、評価関数の値が最大になる加工条件を求め、その加工条件を次の実験点として選択するようにしたものである。
この発明の加工条件探索装置は、加工特性モデル部は、加工条件を引数とする評価関数を備え、実験加工条件発生部は、評価関数を用いて、評価関数の値が最大になる加工条件を求め、その加工条件を次の実験点として選択するようにしたので、できるだけ少ない実験数で、複雑な組み合わせを持つ加工条件に対して、最良の加工条件を探索することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による加工条件探索装置を示す構成図である。
図示の装置は、加工機1、最適加工条件発生部2、加工特性モデル部3、実加工結果保持部4、実験加工条件発生部5を備えている。
加工機1は、本発明の対象とする加工プロセスを実行する産業用装置であり、例えば、金属の塊から何らかの形状を除去もしくは付加もしくは変形し、最終的に所望する形状を得て製品を作るためのものである。このような加工機1としては、切削加工機、放電加工機、レーザ加工機、電子ビーム加工機、プラズマ加工機、電解加工機、鍛造機、圧延機、溶接機、表面処理機等が該当する。尚、以下の実施の形態では、加工機1がワイヤカット放電加工機の場合について説明する。
最適加工条件発生部2は、作業者から入力された、これから行う加工に関する要求仕様データを、所定のユーザインタフェースを介して受け取り、その要求仕様に対応する最適な加工条件(制御パラメータの組み合わせ)のデータを出力するものである。出力された加工条件は加工機1に転送される。また、最適加工条件発生部2は、最適な加工条件を発生させる場合、加工特性モデル部3を用いるよう構成されている。
作業者が入力に用いるユーザインタフェースは、ディスプレイ画面とキーボード、ポインタなどから構成されるか、もしくはコンピュータで読み取り可能なデータファイルを介して行われる。入力の内容は、加工に用いるワークの材質、ワーク板厚を含むワーク形状(ワーク図面情報)、ワイヤ径、ワイヤ材質、加工液のノズル位置(ワークに密着しているか、ワークから離れているか)、目標とする表面粗さ、加工面の真直度(本来水平面であるべき加工面が歪んでいる度合い)に代表される形状精度、加工速度などについて作業者が数値データあるいは優先する、しないなどの項目の全てあるいは一部である。
加工特性モデル部3は、ワーク材質やワーク形状などの要求仕様の一部と加工条件を入力データとし、それら入力の元で加工機1において行われる加工プロセスの結果を推測し、それによる加工結果のデータを出力するものである。加工結果のデータとは、加工速度、加工面の面粗さ、加工断面の真直度、そしてなにより加工が異常なく完了するか否かである。
図2は、加工特性モデル部3の内部の構成を示す説明図である。
図示のように、加工特性モデル部3には、加工条件を引数とする関数が3つ備えられている。加工条件を探索する段階においては、これらの関数により、加工速度、面粗さ、真直度、ワイヤ断線の発生の有無による加工完了・中断が推測できる。各関数は、別途定められる動作パラメータにより上記の入出力関係を変化させることができる。この動作パラメータの決定は、実加工結果保持部4に蓄積保持されているデータを処理することで行われる。それは、例えば重回帰分析、サポートベクターマシン、サポートベクター回帰、カーネル回帰、ベイズポイントマシン、ベイズ推定、最尤推定、応答曲面、ラジアスベイシスファンクションネットワーク、ニューラルネットワーク、といった関数モデルおよびパラメータ決定アルゴリズムの組み合わせを用いることで行われる。
なお、図2に示した加工特性モデル部3における材質推定モデルについては、加工機1による実加工が行われているとき、あるいは実加工終了後に、加工中に収集された加工に関するデータと、そのとき使用した加工条件、ワイヤ径、ワイヤ材質のデータを引数とし、加工中のワークの板厚、ワークの材質、加工液ノズルの位置を推定して、推定結果のデータを出力するためのものである。ワーク図面情報が与えられているときには、ワークの板厚は推定するのではなく引数として用いることになり、その場合にはより正確に推定を行える効果がある。
実加工結果保持部4は、加工機1にて加工が行われる毎に、そのときに使用した加工条件、要求仕様、加工結果を組み合わせて保存しておく、いわゆるリレーショナルデータベースである。その構成の一例を図3に示す。
図3に示す通り、実加工結果1件のデータについて、時刻、場所に始まる複数の項目(フィールド)の集合として保持し、実加工結果データの集合をテーブルで表し、項目のID番号で他のテーブルのデータを結合している。この実加工結果保持部4に保持されたデータは先に述べた加工特性モデル部3のモデルの形式およびモデル形式のパラメータを決定する際に参照される。
実験加工条件発生部5は、最適加工条件発生部2の発生した加工条件をより良いものに改善する際に用いられるもので、加工特性モデル部3の加工特性を用いてサンプリング点を推測して実験すべき加工条件を生成するよう構成されている。即ち、実験加工条件発生部5は、加工特性モデル部3を用いて、ある加工条件による加工プロセスの結果を予測しながら次に実験すべき加工条件を発生させる機能を有している。
実験加工条件発生部5が加工条件を加工機1に対して出力した場合、加工機1にて実験加工が行われる。加工実験の結果得られたデータは実加工結果保持部4において追加保持される。そして、新たに得られた実加工結果を加えて、加工特性モデル部3のパラメータが再決定される。以下、同様の手順を繰り返し、加工実験が繰り返される。この繰り返しの終了判定は別途定められる。例えば加工が異常終了しないことを前提とする中で最も加工速度の速い加工条件が得られると終了する。ワイヤカット放電加工機の場合には加工の異常終了はワイヤが断線することである。
本実施の形態の特徴は、実際の加工が行われる度に実加工結果保持部4に加工結果が追加蓄積され、それに基づいて加工特性モデル部3が更新され、最適加工条件発生部2の出力する加工条件がより良いもの(加工速度がより高いもの、形状精度がより良いもの、面粗さがより均一であったり微細であるもの)に変化させる動作が行われ、その際、実験加工条件発生部5が加工特性モデル部3および実加工結果保持部4のデータに基づいて実験加工条件を発生させることで、全体としてより良い加工条件を得るまでの時間が短くなることにある。
次に、実施の形態1における加工実験試行動作について説明する。
図4は、各部のデータの流れを示す説明図である。
また、図5は、各部の動作を示すフローチャートである。
実験加工条件発生部5は、先ず、複数の加工条件をグローバル探索加工条件として発生させる(図5におけるステップST1)。複数の加工条件とは例えば図6に示すごとく、7種類の制御パラメータについて、それぞれ2つのレベルに変化させた場合の、総計2の7乗通り、即ち、128通りの中から8通りのみを選び出して実験する場合の、各制御パラメータの組み合わせであり、この加工条件で加工実験を実施する。これは、いわゆるL8型直交表を用いて実験を行うものである。尚、L8に限らず、L4、L16、L32、L64、L9、L27、L81、L243、L12、L18、L36、L72などを使ってもよく、あるいは、多元配置、ラテン方格、グレコラテン方格、一様計画、D最適、G最適、A最適などの最適計画、応答曲面計画における複合計画、Box and Behnken計画、あるいはまったくのランダムな計画などを適宜用いる。
次に、実験加工条件発生部5は、ステップST1で発生させた加工条件リストの中から一つの加工条件を加工機1に対して出力し、加工実験を行う(ステップST2)。加工機1における加工結果は実加工結果保持部4に保存される。尚、このステップST2において、ステップST1で発生させた加工条件のリストをどの順番で加工実験するかはランダムに選ぶことする。また、図5のフローチャートにおけるステップST2の詳細及び加工機1の動作については後述する。次いで、ステップST3において、加工条件リストを全て実験し終わったかを判定し、終わっていなければステップST2の加工実験に戻り、全て終了していればステップST4に進んで、加工特性モデル部3における加工特性モデルのパラメータを実加工結果保持部4に蓄えられたデータを元に更新する。即ち、ステップST2,ST3の処理は、ステップST1で発生させた各制御パラメータの組み合わせ(グローバル探索加工条件)の中から最適な加工条件を探索するグローバル探索処理である。
ステップST4において加工特性モデル部3の加工特性モデルが更新されると、ステップST5において、ローカル探索加工条件を発生させる。即ち、このステップST5では、実加工結果保持部4に保持されている加工条件のうち、最適なものを一つ選び出す。例えば、現在のワーク材質、ワーク板厚、ワイヤ径、ワイヤ材質、ノズル位置において、加工速度が最大になりかつワイヤ断線が発生しない加工条件を最適なものとして選択する。次に加工特性モデル部3を用いて、加工速度が高くなる方向へはどの制御パラメータをどのように変化させればよいかを計算する。加工速度に関する加工特性モデルが重回帰式で表現されている場合には、加工速度は制御パラメータ次元の超平面であるので、先ほど選んだ加工条件を出発点とし、加工速度の超平面を登る方向に進むことになる。具体的には次の通りである。
図7は、探索加工条件の説明図である。
図7(a)に示すように、加工速度が計測され、全ての加工条件でワイヤ断線が発生していなかったとする(通常は加工速度が高いとワイヤ断線が発生しやすくなると言われている)。このときの加工速度に関する加工特性モデルを重回帰分析でパラメータを決定すると、
(推定加工速度)=(制御パラメータ1)−2×(制御パラメータ2)+3×(制御パラメータ3)制御パラメータ4)+1.8×(制御パラメータ5)−0.5×(制御パラメータ6)+(制御パラメータ7)
とモデルをたてることができる。
図7(a)に示すような結果が得られた場合、最適な加工条件は、実加工速度の高い実験番号8番の加工条件である。そしてこの実験番号8の加工条件を出発点とし、加工特性モデル式の示す超平面を少し登る方向に各制御パラメータを変化させ(ステップST5)、実験加工を行い(ステップST6)、ワイヤの断線が発生するまで(ステップST8)繰り返す。即ち、図7(b)に示すように、実験番号8.1、8.2、8.3、8.4と実験が行われていく。ここでは、8.4にてワイヤ断線が発生している。ステップST7において、加工特性モデル部3は、追加された実加工結果のデータを加えて重回帰分析を実施し、加工特性モデルのパラメータを更新する。例えば、8.1は全ての制御パラメータ組み合わせの中から上述の加工速度モデル式による推定加工速度が、実験番号8の加工条件により得られた加工速度よりも少しだけ速くなる加工条件を選んでいる。あるいは制御パラメータが連続値をとる場合には、加工速度モデル式の微係数を求め、実験番号8の近傍で推定加工速度が速い加工条件を選んで8.1としている。ここでは各制御パラメータが1もしくは2のごとく、いわゆるノッチと呼ばれる段階的なの値をとる場合について説明している。制御パラメータが連続的な値をとる場合には、各制御パラメータに適当な刻み幅を定め、それら刻み幅をΔi (i=0,1,・・・,N:制御パラメータ数)としたとき、制御パラメータPiについてPi−ΔiおよびPi+Δiの2種類変化させ、加工条件全体で2のN乗個を次の実験加工条件候補とし、その中から加工特性モデルにより評価値の高い(ここでは加工速度が速いこと)ものを選択するようにすれば良い。
8.1で実験した後は、同様の手順を繰り返し、8.2、8.3、8.4となる加工条件を発生させて実験を繰り返し、最終的に8.4にて断線が観測され、ST8の終了判定が成立して手順が終了する。
尚、上記ステップST2およびステップST6の加工処理の詳細は次の通りである。図5において、ステップST11〜ステップST19は、図示しない制御装置の動作であり、ステップST21〜ステップST26は、加工機1の動作である。
先ず、実験加工条件発生部5から、加工条件が出力されると、図示しない制御装置は、その加工条件を加工機1に送信する(ステップST11)。また、制御装置はNCプログラムを送信する(ステップST12)と共に、加工開始指示を行う(ステップST13)。加工機1では、送信された加工条件を受信し(ステップST21)、NCプログラムを受信すると(ステップST22)、加工開始指示待ちを行い、制御装置からの加工開始指示を受信すると(ステップST23)、加工を開始する(ステップST24)。
加工機1では、加工が完了すると加工完了通知を送出する(ステップST25)と共に、加工結果を送信する(ステップST26)。制御装置側では、ステップST13において加工開始指示を送出した後は加工終了待ちとなり、この状態で加工機1からの加工終了通知と加工結果を受信すると(ステップST14、ST15)、加工結果を実加工結果保持部4に送出する(ステップST16)。また、制御装置は、ワーク使用回数が敷居値を超えたかを判定し(ステップST17)、敷居値を超えていない場合は、そのまま加工制御を終了し、敷居値を超えていた場合は、ワーク交換等、必要なメッセージを作業者に提示し(ステップST18)、作業者からの確認入力を受信すると(ステップST19)、加工制御を終了する。
以上説明したように、本実施の形態においては、実際の加工が行われる度に実加工結果保持部4に加工結果が追加蓄積され、それに基づいて加工特性モデル部3が更新され、最適加工条件発生部2の出力する加工条件がよりよいものに変化させる動作が行われる。このとき、実験加工条件発生部5が、先ず複数の加工条件を選び出して加工実験を行い(グローバル探索)、次に、グローバル探索で得られた加工特性を元に加工条件を改善しうる加工条件を発生させ(ローカル探索:加工特性の超平面の登り方向を計算し、新たな加工条件を発生させる)、加工実験を行って確認している。加工条件に含まれる各制御パラメータは、実験加工毎に、一つの種類のみを変化させるのではなく、複数のものを同時に変化させることになる。もちろん一つの種類だけが変化する場合もあるが、その場合でも同一種類の制御パラメータが変化し続けるのではなく、あちこちの制御パラメータが変化することになる。もっとも加工特性モデルにより単一の制御パラメータのみが加工速度を変化させる効果を持つことがモデル化された場合には単一の制御パラメータのみを変化させることになる。いずれにせよ次に実験加工を行うべき加工条件は加工特性モデルにより推測して加工条件を発生する。
図8は、ワイヤカット放電加工機において、上記手順によりグローバル探索を行って、ワイヤ断線の発生しない加工速度最速の加工条件を選び出し、加工特性モデルをもとにローカル探索を実施した場合の説明図である。この例は、グローバル探索が終了し、ローカル探索が行われている様子をプロットしたものである。横軸は加工条件であり、複数(3種類)の制御パラメータが組み合わされてばらばらに変化している様子がプロットされている。(制御パラメータ1,制御パラメータ2,制御パラメータ3)の組み合わせが(8,10,6)→(8,10,7)→(8,10,8)→(8,11,7)→(9,10,6)→…と言った様に変化していったことが示されている。加工速度について、加工特性モデルと実測はこの場合には若干の乖離があるが、順序関係は保存されているので探索には問題がない。グローバル探索により得られた加工条件から出発して、順次実験加工が進み、最終的に加工速度が高くワイヤ断線しない断線限界の最適な加工条件を探索することができた。
図9は、これまで述べてきた実験の試行による加工条件の探索動作(最適な加工条件を検索できるように全体を鍛える、あるいは部分的に改良することに相当する)および、加工要求仕様に対して最適加工条件を検索する動作の概要を示したものである。
即ち、900aは上述した加工実験の試行による加工条件の探索動作を示し、900bは最適加工条件の検索動作を示している。尚、図中の加工特性モデル部3や実加工結果保持部4は同様の構成を示している。また、最適加工条件の検索動作900bでは、加工特性モデル部3は、最適加工条件発生部2から与えられた加工条件の中で、加工条件の探索動作900aで更新した加工特性モデルに基づいて最適条件を出力し、最適加工条件発生部2は、これを加工機1に出力する。
以上述べてきたように、グローバル探索、ローカル探索の双方で、これまで述べてきたような方法で、加工特性モデル部3および実加工結果保持部4のデータに基づいて実験加工条件を発生させることで、効率的な探索が可能となるので、全体としてよりよい加工条件を得るまでの時間が短くなる効果がある。
尚、本実施の形態の探索アルゴリズムは、加工特性モデルをある種の評価関数であると見たとき、この評価関数自体の推定と、推定された評価関数のもとでの最適化を並行して実施していることに相当し、評価関数の推定に供するサンプリング点(加工実験)をある種の評価関数のもとで選択することの繰り返しにより、探索の効率を高く保つアルゴリズムであることがわかる。ある種の評価関数とは、探索効率を良くすると考えられる場合に評価値が高くなるような関数で、上記例では超平面の傾きの高い方向に進むことが評価値が高い。
以上のように、実施の形態1の加工条件探索装置によれば、実験加工条件を発生する実験加工条件発生部と、実験加工条件発生部から出力された加工条件で加工を行い、実加工結果を出力する加工機と、加工機から出力された実加工結果に基づいて、所定の加工条件が入力された場合の最適加工条件である加工特性モデルを生成する加工特性モデル部とを備え、実験加工条件発生部は、加工特性モデルを用いて実験加工条件を発生させるようにしたので、できるだけ少ない実験数で、複雑な組み合わせからなる加工条件のうち、最良の加工条件を探索することができる。
また、実施の形態1の加工条件探索装置によれば、実験加工条件発生部は、加工特性モデルを用いて実験加工条件のサンプリング点を推測して実験加工条件を生成すると共に、加工特性モデル部は、実験加工条件における実加工結果に基づいて加工特性モデルを更新し、更に、実験加工条件発生部は、更新された加工特性モデルに基づいてサンプリング点を推測して実験すべき加工条件を生成し、実験加工条件発生部及び加工特性モデル部はこれらの処理を繰り返すようにしたので、効率的な探索を行え、最適な加工条件を得るまでの時間を更に短縮することができる。
実施の形態2.
実施の形態2では、上記実施の形態1で説明した「ある種の評価関数」として、次のようなものを考える。
図10に示すように、白抜きの丸で示されるような加工速度の実験値(実加工速度)が得られているとする。そのとき、加工特性モデルを建てて、加工速度の推定値を得る。図10中の実線にこれを示す。同時に推定値が分散して取りうる値の上限と下限を加工特性モデルより得る。図10中の破線にこれを示す。尚、図10の横軸は加工条件、縦軸はその加工条件により得られる加工速度である。
このとき、次に実験して実測すべきサンプリング点は推定分散値の幅が広いところである。例えば加工条件組み合わせの5番目から10番目のあたり、20番目から25番目あたり35番目から45番目あたりである。これらのうち、もっとも分散が大きい(と推測されている)加工条件について加工実験を行うことにする。即ち、本実施の形態においては「ある種の評価関数」とは、加工速度の推定における分散である。
図10においては、加工特性モデルとして、実測値の変則的な移動平均
Y=(Y(i−1)+Y(i)+Y(i+1))/3
を用いている。分散も同様、前後1つずつのサンプリング点を用いている。
このことは次のような考察をすることもできる。
加工条件x、加工速度yとするとき、加工速度の加工特性モデルがパラメータθを持つ関数fで表されているとする。
y=f(y|x,θ)
θは実験により得られたデータDにより、p(θ|D)なる確率分布で推定できるとする。
但し、
p(θ|D)=p(D|θ)p(θ)/∫p(D|θ)p(θ)dθ
である(ベイズの定理)。
このとき、ある加工条件xに対してどのような加工速度yが得られるかという推定は、次式で与えることができる。
q(y|x,D)=∫p(y|x,θ)p(θ|D)dθ
とすると、このqは加工速度の推定値の確率分布となる。
結局、
y=∫Y・q(Y|x,D)dY
と推測され(平均値)、そのときの分散は、
σ2=∫(Y−y)・q(Y|x,D)dY
と推測できる。これにより、q(y|x,D)なる確率分布を評価関数として用いることにして、q(y|x,D)が平均的に同じ値になるようなDを実験により得ることにすればよい。
以上のように、実施の形態2によれば、評価関数として、加工速度の推定における分散として、探索の効率を高く保つ加工条件探索装置が得られる効果がある。
実施の形態3.
本実施の形態では、加工不能に陥る加工条件についての加工特性モデルを、探索実験を実施することで作成する探索アルゴリズムについて説明する。
例えば、ワイヤ放電加工機においては、加工に用いるワイヤの径、材質、ワークの材質と形状が決められたとして、加工条件の選び方によってはワイヤが断線してしまい加工不能に陥ることがある。あるいは、切削加工機においては、先端工具が破損して加工不能に陥ることがある。加工不能に陥る原因はいくつかあるが、加工が行われる間隙への加工エネルギー投入過多が主因である。言葉を返せば加工エネルギー量として加工不能に陥るより少し小さい値を選択すれば加工速度が速くなるので、このような値を与える加工条件を最適な加工条件として選択することができる。
先ず、加工条件が2つのパラメータで構成されている場合を説明する。
図11は、パラメータX1とX2による加工結果が良かったか、加工不能に陥ったかを表した説明図である。この例では、各パラメータは離散的な値をとり、かつ最小値、最大値の制限があるので、加工条件としての組み合わせは図11の点線の交わる格子点のいずれかを選択することになる。
本実施の形態のアルゴリズムでは、予め何点か実験し、加工の良否のサンプルを得ておくことにする。図11では、予め得た4点について、白丸が良点、黒丸が不良点としてプロットしてある。丸印内の番号は実験した順番を表すものとする。
このように加工の良否を与える加工条件が何点か得られているとき、図12に示すような実線(式(1)で表される)を所定の方法で定めることで、未だ実験していない加工条件を含めて、加工の良否を推定する加工特性モデルを得る。つまり、この実線の白丸側の格子点の加工条件は全て良い加工条件で、実線の黒丸側は全て不良な加工条件であると推定するのである。
実線の方程式を定める所定の方法とは、例えば、各実験点から実線に降ろした法線の長さを各実験点から実線への距離と定義し、全ての実験点からの距離の和が最小になるように実線の方程式の係数を選択する方法である。あるいはサポートベクターマシン(http://www.kernel-machines.org/)の考え方にあるマージン(実験点からの距離)が最大になるように実線の方程式の係数を定める方法である。以下、実線のことを識別境界と呼ぶことにする。
Figure 0004795282
次に、加工実験を追加実施して、この加工特性モデルを変更するが、追加で実施する加工条件を以下に示す手順にて一つ選択する。手順は図12の状態から開始される。先ず候補点を複数抽出する。これには識別境界が横切る格子を挟む格子点を全て抽出して複数の候補とする。抽出した状態を図13に示す。星印で示した格子点がそれである。
そして、全ての候補について、加工特性モデル部3は次のことを計算する。あるi番目の候補が対応する加工条件で加工実験を行ったら良い加工であることが分かったと仮定して識別境界を再計算する。再計算は先に述べた所定の方式による。この結果、新たな識別境界候補として下式(2)を得る。
Figure 0004795282
同様にあるi番目の候補が対応する加工条件で加工実験を行ったら不良な加工であることが分かったと仮定して識別境界を再計算する。再計算は先に述べた所定の方式による。この結果、新たな識別境界候補として下式(3)を得る。
Figure 0004795282
次に、式(4)の如く関数fおよびgを定義し、既に実験結果が得られている格子点に良、不良を仮定した候補格子点を加えてDiを計算する。全ての候補点についてDiが求まるとその中からDiの値が最大になるiが定まる。即ちDiが最大になる候補が定まるので、この候補点を次に実験する格子点として選択する。尚、下式(4)のX1jというのは加工条件パラメータX1の実際の値を格子点jの値にするという意味である。
Figure 0004795282
次に実験する格子点が定まったのでこの格子点に対応する加工条件を用いて実験し、加工の良、不良を確定させる。加工結果が良だった場合には式(2)の各係数を式(1)の各係数α1、α2、bとして新たに採用する。加工結果が不良だった場合には式(3)の各係数を式(1)の各係数α1、α2、bとして新たに採用する。つまり図14に示すように例えば5と記された点が候補として選択され、実験したら良であり、新たに識別境界が引き直された状態が得られる。
図15は、本実施の形態の動作を示すフローチャートである。
先ず、実験加工条件発生部5より加工機1に数点の加工条件を与えて、初期加工実験を行い(ステップST31)、図11のような結果を得る。このような結果は実加工結果保持部4に保持され、加工特性モデル部3はこの結果に基づいて、図12に示すような識別境界を決定する(ステップST32)。そして、図13中の星印で示すような格子点の候補を発生させ(ステップST33)、ステップST34において、まだ実験していない点が残っている場合は、全ての実験点の候補について式(4)に示すようなDiを計算する(ステップST35)。そして、全てのDiが一定値以下であるかを判定し(ステップST36)、この条件を満たさなかった場合、実験加工条件発生部5は、最大のDiを与えるiを選択してこれを次の実験点とする(ステップST37)。次に、ステップST37で決定した実験点で実際に実験を行って加工結果を取得し、実加工結果保持部4に保持する(ステップST38)。その後はステップST32に戻り、以降、この手順を繰り返していく。
このような手順を終了させる条件は、ステップST34において実験点が全て無くなった場合と、ステップST36において全てのDiが一定値以下となった場合である。
尚、上記の説明では、式(4)を用いてDiを決定したが、下式(5)または(6)を用いても同様の結果を得ることができる。
Figure 0004795282
本実施の形態で用いたサポートベクターマシンは、線形サポートベクターマシンである例について説明したが、サポートベクターマシンではカーネルトリックと呼ばれる手法を用いて非線形な識別境界面を形成する方法を用いても、同様の手順を実施可能である。こちらの場合には、加工実験結果が、図16に示すように、直線では分離分割できないような場合であっても、非線形な曲線により加工の良否を識別する境界が得られる。これにより加工特性モデルの識別性能を向上させられる効果がある。
以上のように、実施の形態3の加工条件探索装置によれば、加工実験を進めながら加工特性モデルを構築する際、ある時点で得られている識別境界の変化が最も大きくなる候補について実験を繰り返すので、識別境界が正しい位置に収束する速度を速くすることを期待できる加工条件探索装置が得られる。
実施の形態4.
図17は、実施の形態4による加工条件探索装置の構成図である。
実施の形態4は、複数の加工機1−1〜1−nが、パーソナルコンピュータ100とネットワーク101を介して接続された例である。パーソナルコンピュータ100には、最適加工条件発生部2、加工特性モデル部3、実加工結果保持部4、実験加工条件発生部5と共に、計量手段6が設けられている。ここで、最適加工条件発生部2〜実験加工条件発生部5は、加工機1−1〜1−nに対して並列的に処理を行うよう構成されている以外の基本的な構成は実施の形態1と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。計量手段6は、それぞれの加工機1−1〜1−nを用いて加工実験を行った場合、加工機1−1〜1−n毎のデータ量を計量する手段である。また、計量手段6は、加工実験結果をいずれかの加工機1−1〜1−nに送信した場合は、その加工実験結果を得た加工機1−1〜1−nの情報とデータ量を通知する機能を有している。
また、ネットワーク101は、例えば、イーサネット(登録商標)からなるもので、それぞれの加工機1−1〜1−nとパーソナルコンピュータ100とが、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)のLAN(Local Area Network)を構成している。
加工機1−1〜1−nは、それぞれ計量手段7−1〜7−nを備えている(図面上では、計量手段7−2〜7−nの図示は省略されている)。これらの計量手段7−1〜7−nは、計量手段6から加工実験結果を得た加工機1−1〜1−nの情報とデータ量に基づいて、加工実験結果を得た加工機1−1〜1−nの計量手段7−1〜7−nと通信を行い、その加工機1−1〜1−nに対して報酬情報を送信する機能を有している。計量手段で計量する値は、加工実験数、加工実験時間、作業時間、加工形状の大きさ(加工距離、加工面積、加工体積)、使用エネルギー量(電力量、ガス量、水量)、使用材料費用、などである。
このように構成された加工条件探索装置では、実験加工条件発生部5で発生させた複数の加工条件が、ネットワーク101を介してそれぞれの加工機1−1〜1−nに分配され、並列的に実験が行われる。そして、加工機1−1〜1−nにおけるそれぞれの加工結果はネットワーク101を介して実加工結果保持部4に保持される。このように、実施の形態1では、加工機1の実験が逐次的に行われていたのに対し、本実施の形態では並列的に行われるため、最適化に要する時間が更に短くなる。
また、いずれかの加工機1−1〜1−nからの要求(例えば、加工機1−2であるとする)により、最適加工条件発生部2が最適加工条件を出力する場合、計量手段6は、その最適加工条件を求めるために用いた加工機1−1〜1−nの情報(例えば、加工機1−1であるとする)とその最適加工条件のデータ量の情報を、要求のあった加工機1−2に対して送信する。最適加工条件を受け取った加工機1−2の計量手段7−2は、計量手段6から通知された加工機1−1の計量手段7−1と通信を行い、データ量に応じた報酬を示す報酬情報を送信する。計量手段7−1では、この報酬情報を受け取った場合はこれを蓄積し、後日あるいは直ちに、蓄積された報酬情報に基づいて、加工機1−1と加工機1−2の所有者間で実際の金銭の決済が金融機関等を通じて行われる。即ち、加工機1−2の所有者から加工機1−1所有者への支払いが行われる。尚、決済処理の詳細については公知であるため、ここでの説明は省略する。
このような計量手段6、7−1〜7−nを用いて、データ量に応じた報酬を支払うように加工機1−1〜1−n間で契約することで、加工実験を行うことで報酬を交換するビジネスを実現することができる。
尚、本実施の形態では、ネットワーク101としてイーサネット(登録商標)を用いたが、他の物理層によるネットワーク、例えば、無線LAN、無線WAN、ATM(非同期転送モード)、あるいは公衆回線、VLAN(仮想LAN)、インターネットといったネットワークでも同様の効果を奏する。
以上のように、実施の形態4の加工条件探索装置によれば、複数の加工機が実験加工条件発生部と接続され、実験加工条件発生部は、複数の加工機に対して並列的に実験加工条件を発生させるようにしたので、最適化に要する時間を更に短縮することができる。
実施の形態5.
実施の形態5は、加工特性モデルとして、加工の進行状況を示す加工安定度を含むようにしたものである。
例えば、加工機、特に放電加工機は、加工中に予定通りに一定のペースで加工が進行する場合と、加工が止まったり進んだり、完全に止まったり、加工の進行状況が乱れる場合がある。このような加工の進行状況を示す値を加工安定度と称することとする。
上記各実施の形態では、一定の進行ペースを保ったか否かにかかわらず加工が終了したもののみを採用していたが、本実施の形態では、加工実験中の安定度も含めて実加工結果保持部4に記録しておくことで、実験加工条件発生部5は、加工が終了しなかった場合をも含めて、全ての加工実験データを採用する。これにより、判断に用いる加工実験データの数が増えるので、最適な加工条件が発見できるまでの時間が短くなり、加工速度および安定度という2つの数値により、最適加工条件発生部2は、より詳細な方針の下での最適加工条件を選択することが可能となる。加工安定度の求め方は次の通りである。
加工中に観測されたデータをx、加工安定度の推測値をyとし、加工安定度がパラメータθを持つ関数fで表されているとする。
y=f(y|x,θ)
尚、θは事前の実験により得られたデータDにより、p(θ|D)なる確率分布で推定できるとする。
但し、
p(θ|D)=p(D|θ)p(θ)/∫p(D|θ)p(θ)dθである(ベイズの定理)。
このとき、加工中にxが観測された時点での加工安定度の推定値yは次式で与えることができる。
q(y|x,D)=∫p(y|x,θ)p(θ|D)dθ
とし、
y=∫Y・q(Y|x,D)dY
また、ワークおよび電極の材質組成、ワーク形状が既知の元での加工実験の結果得られた加工特性モデルを用いる(加工特性モデルを固定する)ことで、新たに実行する加工において加工状態、即ち加工速度、安定度を計測して加工特性モデルに代入すると、ワークもしくは工具(電極)の材質組成、もしくはワークの形状を推定することができる。次に、この推定の結果を用いて、予め定めた適切な加工条件を選択することの加工制御動作を行う。これにより詳細な方針の下での最適加工条件を選択することが可能となる。
上記の加工安定度yの計算式は事前の実験により得られたデータDを用いることで確定される。確定の後には、yを加工中の安定度の推定値として用いる。yの増減により加工を安定させるための加工条件パラメータを増減するよう制御することで、加工状態に適応した加工制御を実施するものである。例えば、安定度が所定の値を下まわったとき、放電パルスの休止時間に相当する加工条件パラメータを変更してパルス休止時間を増大させる制御を行うものである。
以上のように、実施の形態5の加工条件探索装置によれば、加工特性モデルとして、加工の進行状況を示す加工安定度を含むようにしたので、判断に用いる加工実験データの数が増えるので、最適な加工条件が発見できるまでの時間が短くなり、より詳細な方針の下での最適加工条件を選択することが可能となる。
実施の形態6.
本実施の形態では、加工不能に陥る加工条件についての加工特性モデルを、探索実験を実施することで作成する探索アルゴリズムについて説明する。即ち、好ましくない加工状態に陥る加工条件と、そうでない加工条件を識別する識別境界を、実験を繰り返すことで正確なものにする方法について説明する。
好ましくない加工状態とは、例えばワイヤ放電加工機においては、ワイヤの断線や加工送り制御が振動的に推移するなどして結果的に加工面が荒れる状態を指す。あるいは、切削加工機においては、先端工具が破損する、加工中に異常な振動が発生する状態を指す。
実施の形態6の図面上の構成は、実施の形態1で用いた図面上の構成と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。実施の形態6の加工特性モデル部3は、好ましい結果と好ましくない結果が観測される識別境界fを求めると共に、この識別境界fに基づいて、ある条件で加工を行った場合に、好ましい結果が観測される新たな識別境界gと、好ましくない結果が観測される新たな識別境界hとで挟まれる領域が最大となる条件を求めるよう構成されている。また、実験加工条件発生部5は、加工特性モデル部3で求められた条件を次の実験点として選択するよう構成されている。他の各構成は実施の形態1と同様である。
次に、実施の形態6の動作について説明する。
図18は探索実験が進行しつつあるときの、ある時点での識別境界と次の探索実験点をどこに選ぶのかということを説明するための説明図である。図中、X1,X2は二つの加工条件パラメータであり、fと示した太い実線が現時点での識別境界である。このとき、次の実験点Sn+1の候補を識別境界近傍の加工条件パラメータの格子点の一つを選んだとして、その候補点を実験した結果、好ましくない結果が観測された場合には新たな識別境界gを得ることが出来ると予測される。一方、好ましい結果が観測された場合には、新たな識別境界hを得ることが出来ると予測される。これらの値は次のように表される。
Figure 0004795282
加工特性モデル部3は、これら予測される識別境界gおよびhに挟まれた領域の面積(あるいは体積、あるいは体積に相当する量)を計算する。即ち、加工特性モデル部3は、現在の識別境界付近の格子点で、まだ実験していない点を全てを探索候補点とし、これら複数の候補点全てについて、上記面積(あるいは体積、あるいは体積に相当する量)を計算して、これらの値を比較し、この値が最大になる候補点を求め、実験加工条件発生部5はこの候補点を次の実験点とする。ここで面積(あるいは体積、あるいは体積に相当する量)と述べたが加工条件が2入力なら面積であり、3入力であれば体積であり、それ以上の多入力であれば識別境界gおよびhに挟まれた多様体の体積のことを指している。
図19に、実施の形態6における探索実験の手順を示す。
ここで、ステップST31〜ステップST34及びステップST38は、実施の形態3の図15のフローチャートと同様である。即ち、ステップST31では、数点の加工条件にて初期加工実験を行う。次にステップST32にて、その時点で得られている実験結果(複数の実験点ごとの加工結果)から加工特性モデル部3は識別境界を決定する(サポートベクターマシンを用いる)。次に、ステップST33にて、実験加工条件発生部5は、ステップST32で定めた識別境界付近の格子点を次の実験候補点とする。格子点は図13に示すごとく選択する。尚、ここではこの操作を候補の発生と呼ぶことにする。既に全ての格子点を実験しつくしている場合には終了するが、そうでない場合にはステップST41に進む。ステップST41では、加工特性モデル部3により、発生した全ての候補点について、上記の面積(あるいは体積、あるいは体積に相当する量)を計算する。そして、ステップST42にて、実験加工条件発生部5は、この値が最大になる候補点を次の実験点として選択する。ステップST38にて、ステップST42にて選択された実験点を実際に加工実験し加工結果を取得する。そしてステップST32に戻り、以下これらの処理を繰り返す。
以上のように、実施の形態6の加工条件探索装置によれば、加工特性モデル部は、得られた実加工結果に基づいて、好ましい結果と好ましくない結果が観測される識別境界を求めると共に、この識別境界に基づいて、ある条件で加工を行った場合に、好ましい結果が観測される新たな識別境界と、好ましくない結果が観測される新たな識別境界とで挟まれる領域が最大となる条件を求め、実験加工条件発生部は、その条件を次の実験点とするようにしたので、加工実験を進めながら加工特性モデルを構築する際、ある時点で得られている識別境界の変化が最も大きくなる候補について実験を繰り返すため、識別境界が正しい位置に収束する速度を速くすることを期待できる加工条件探索装置が得られる。
実施の形態7.
実施の形態7は、実施の形態6において示した次の候補点の選択方法の他の例について示すものである。実施の形態6では、候補を一つに選択するため、識別境界gおよびhに挟まれた領域の面積(あるいは体積、あるいは体積に相当する量)を計算し、その値が最大になる候補点を選択していたが、実施の形態7では、図20に示すように(面積についての場合のみ示すが、体積の場合でも効果は同等である)、ある候補点について、識別境界fとgの面積差Afg、識別境界fとhの面積差Afhを計算し、それらの差を計算する。このとき、全ての候補点についてこの差を計算し、その差が最も小さくなる候補点を次の実験点として選択する。尚、図中、X1,X2は二つの加工条件パラメータである。
即ち、実施の形態7における加工特性モデル部3は、得られた実加工結果に基づいて、好ましい結果と好ましくない結果が観測される識別境界fを求めると共に、識別境界fに基づいて、ある条件で加工を行った場合に、好ましい結果が観測される新たな識別境界hと識別境界fとで挟まれる領域と、好ましくない結果が観測される新たな識別境界gと識別境界fとで挟まれる領域の差が最小となる条件を求めるよう構成されている。また、実験加工条件発生部5は、加工特性モデル部3で求められた条件を次の実験点として選択するよう構成されている。これ以外の構成は実施の形態6と同様である。
実施の形態7において、識別境界fとhとの面積の差をAfh(Sn+1)、識別境界fとgとの面積の差をAfg(Sn+1)とした場合、Sn+1は次のように表される。
Figure 0004795282
図21は、実施の形態7の加工条件探索装置の動作を示すフローチャートである。
ここで、ステップST51及びステップST52における実験点の選択方法以外は図19に示した実施の形態6の動作と同様であるため、実験点の選択についてのみ説明する。ステップST34において、まだ実験していない点があった場合、加工特性モデル部3は、全ての実験点の候補について、識別境界fとhとの面積の差Afh(Sn+1)と、識別境界fとgとの面積の差Afg(Sn+1)との差を計算する(ステップST51)。そして、この値が最小となる候補点を求め、実験加工条件発生部5はこの候補点を次の実験点として選択する(ステップST52)。
さて、AfgとAfhの差が小さいということは、その候補点による実験を行った結果、好ましくない結果となった場合と好ましい結果となった場合の識別境界の変化量がほぼ同等であるということである。従って、次の実験点の候補として、識別境界が正しくはそこを通過するのであろうという予測が確からしい点を選択することができる。
以上のように、実施の形態7の加工条件探索装置によれば、加工特性モデル部は、得られた実加工結果に基づいて、好ましい結果と好ましくない結果が観測される識別境界fを求めると共に、識別境界fに基づいて、ある条件で加工を行った場合に、好ましい結果が観測される新たな識別境界hと識別境界fとで挟まれる領域と、好ましくない結果が観測される新たな識別境界gと識別境界fとで挟まれる領域の差が最小となる条件を求め、実験加工条件発生部は、その条件を次の実験点とするようにしたので、加工実験を進めながら加工特性モデルを構築する際、ある時点で得られている識別境界の変化が最も大きくなる候補について実験を繰り返すため、識別境界が正しい位置に収束する速度を速くすることを期待できる加工条件探索装置が得られる。
実施の形態8.
実施の形態7は、実施の形態6において示した次の候補点の選択方法の更に他の例について示すものである。実施の形態6では候補を一つに選択するため、識別境界gおよびhに挟まれた領域の面積(あるいは体積、あるいは体積に相当する量)を計算しその値が最大になる候補点を選択していたが、実施の形態8では図22に示すように(面積についての場合のみ示すが、体積の場合でも効果は同等である)、ある候補点について、fとgの面積差Afg、fとhの面積差Afhを計算し、それらの差と和を用いて、和÷(差+1.0)という値を計算する。このとき、全ての候補点についてこのを計算し、その値が最も大きくなる候補点を次の実験点として選択する。尚、図中、X1,X2は二つの加工条件パラメータである。

即ち、実施の形態8における加工特性モデル部3は、得られた実加工結果に基づいて、好ましい結果と好ましくない結果が観測される識別境界fを求めると共に、識別境界fに基づいて、ある条件で加工を行った場合に、好ましい結果が観測される新たな識別境界hと識別境界fとで挟まれる領域と、好ましくない結果が観測される新たな識別境界gと識別境界fとで挟まれる領域との和÷差の値が最大となる条件を求めるよう構成されている。また、実験加工条件発生部5は、加工特性モデル部3で求められた条件を次の実験点として選択するよう構成されている。これ以外の構成は、実施の形態6と同様である。
また、実施の形態8において、fとhとの面積の差をAfh(Sn+1)、fとgとの面積の差をAfg(Sn+1)とした場合、Sn+1は次のように表される。
Figure 0004795282
図23は、実施の形態8の加工条件探索装置における動作に示すフローチャートである。
ここで、ステップST61及びステップST62における実験点の選択方法以外は図19に示した実施の形態6の動作と同様であるため、実験点の選択についてのみ説明する。ステップST34において、まだ実験していない点があった場合、加工特性モデル部3は、全ての実験点の候補についてAfh(Sn+1)とAfg(Sn+1)の和÷(差+1.0)を計算する(ステップST61)。そして、この値が最も大きくなる候補点を求め、実験加工条件発生部5はこの候補点を次の実験点として選択する(ステップST62)。
さて、本実施の形態で計算する和÷(差+1.0)という値が大きいということは、その候補点による実験を行った結果、好ましくない結果となった場合と好ましい結果となった場合の識別境界の変化量がほぼ同等であり、かつその変化量が大きいということである。即ち、変化量が同等になれば差の値(分母)は小さくなり、かつ、変化量が大きければ和の値(分子)は大きくなるからである。このような点から、次の実験点の候補として、識別境界が正しくはそこを通過するのであろうという予測が確からしい点を選択することができる。
尚、上記実施の形態において、和÷(差+1.0)における1.0の値については、差が0であった場合に、和÷差の値が無限大になってしまうのを避けるためであり、1.0以外の数値であってもよい。但し、値を小さくすると、差の大小の影響を大きく評価し、値を大きくすると差の大小の影響を小さく評価することになる。従って、条件等に合わせて適宜値は選択する。
以上のように、実施の形態8の加工条件探索装置によれば、加工特性モデル部は、得られた実加工結果に基づいて、好ましい結果と好ましくない結果が観測される識別境界fを求めると共に、識別境界fに基づいて、ある条件で加工を行った場合に、好ましい結果が観測される新たな識別境界hと識別境界fとで挟まれる領域と、好ましくない結果が観測される新たな識別境界gと識別境界fとで挟まれる領域との和÷差の値が最大となる条件を求め、実験加工条件発生部は、その条件を次の実験点として選択するようにしたので、加工実験を進めながら加工特性モデルを構築する際、ある時点で得られている識別境界の変化が最も大きくなる候補について実験を繰り返すため、識別境界が正しい位置に収束する速度を速くすることを期待できる加工条件探索装置が得られる。
実施の形態9.
これまでの実施の形態では、加工中に発生する好ましくない状態として、主としてワイヤ放電加工機における断線現象を説明に用いてきたが、断線現象のみならず加工中に観測される様々な現象を元に好ましい状態と好ましくない状態を識別することで探索実験の繰り返しが成立する。実施の形態9ではそのような他の識別の方法を説明する。
図24及び図25は、ワイヤ放電加工機においてワーク端面から少し離れた位置からワイヤを送り切り込んでいったときの加工距離と加工速度の関係をプロットしたものである。尚、図24は加工結果が好ましいと予測されるときの加工結果を、図25は加工結果が好ましくないと予測されるときの加工結果を、それぞれ示している。
これらの図に示すように、加工開始後、先ず、ワイヤは空送を経てワークに当たり始め、加工速度が一定の値に向かって収束していく。この区間のことを喰付区間と呼ぶことにする。これは通常ワイヤの周りに流しているウォータージェット水流ノズルの開口半径とほぼ同等の距離を進む間の現象が観測される。次に、定常的な本加工に移行し、所定の距離を進んだところで加工が完了する。この区間を本加工区間と呼ぶことにする。
このとき、喰付区間、本加工区間それぞれについて、実験の結果得られた観測値から、加工速度の最大値、最小値、平均値、標準偏差を計算する。次に、喰付区間、本加工区間それぞれについて予め定めた加工速度の最大値、最小値、平均値、標準偏差についての敷居値と比較し、比較結果が一つでも好ましくない比較結果が得られた場合に、その加工条件による実験結果が好ましくない結果が観測されたと判断する。実験中にワイヤが断線する現象が観測された場合にはもちろん好ましくない結果が観測されたと判断する。このような比較結果を行う意義というのは、加工中に加工速度が変化するような加工条件というのは、探索実験で用いるような単純な形状で断線しなくても、より複雑な形状を加工した際に断線することがあったり、加工面が荒れる(段が付く、表面粗さが均一になっていない)などの加工結果が得られるのを、好ましくない加工結果として予測しうるとの物理現象を利用している。
以上のように、実施の形態9の加工条件探索装置によれば、加工実験を進めながら加工特性モデルを構築する際、単なる断線のみならず加工面の仕上がりを予測した加工条件を探索が期待できる加工条件探索装置が得られる。
実施の形態10.
実施の形態10は、次の実験点の候補を発生する場合に、それまでの実験点が一様に分布しているかを調べ、一様に分布していなかった場合は、まだ実験していない候補点のなかでいずれかの点をランダムに選択して実験を行うようにしたものである。
図面上の構成は、実施の形態1と同様であるため、これらの図面を援用して説明する。実施の形態10の加工特性モデル部3は、次の実験点の候補を発生する場合、それまでの実験点が一様に分布しているかを判定し、一様であった場合は、現在の識別境界付近の値を次の実験点の候補として選択し、一様でないと判定した場合は、まだ実験していない値をランダムに次の実験点の候補として選択するよう構成されている。その他の構成は実施の形態1と同様であるため、ここでの説明は省略する。
次に、実施の形態10の動作について説明する。
図26は、実施の形態10の加工条件探索装置の動作を示すフローチャートであり、これは、実施の形態3、6、7、8のステップST33の動作の詳細を示している。
これら実施の形態において、ステップST33では、候補点として現時点での識別境界の付近の格子点を候補として発生するとしていたが、本実施の形態においてはステップST33での手順をより複雑なものに拡張している。即ち、これまでの実験点が実験可能な空間内に一様に分布しているかどうかをカイ二乗検定により検定する(ステップST331)。検定の結果、一様であるという仮説が棄却された場合にQの値に1を代入し、棄却されない場合にはQに−1を代入する。ステップST332において、Q<0であった場合(即ち、実験点が一様に分布していると判断された場合)には、他の実施の形態と同様に、現時点での識別境界の付近の格子点を候補として発生し(ステップST333)、ステップST34に進む。
一方、Q>0であった場合には実験点に偏在が見られるということであり、まだ実験していない格子点の中からランダムに一つ選択する(ステップST334)。次に、格子点が選択できるかを判定し(ステップST335)、選択できた場合にはステップST38にジャンプし、実験を実施する。また、ステップST335において、格子点が選択できない場合には全ての格子点を実験し尽くしたということであるため、ステップST34に進み、探索は終了する。
以上のように、実施の形態10の加工条件探索装置によれば、次の実験点の候補を発生する場合、それまでの実験点が一様に分布しているかを判定し、一様であった場合は、現在の識別境界付近の値を次の実験点の候補として選択し、一様でないと判定した場合は、まだ実験していない値をランダムに次の実験点の候補として選択するようにしたので、加工実験を進めながら加工特性モデルを構築する際、探索可能な空間をまんべんなく探索しようとするため、正しい識別境界が離れ小島のように点在している場合であっても、識別境界が正しい位置に収束する速度を速くすることを期待できる加工条件探索装置が得られる。
また、実施の形態3、6、7、8のいずれかで説明した候補の発生方法と、実施の形態10で説明した候補の発生方法を交互に、あるいは時々他方を、あるいは最初に片方を実施し途中から他方を実施するように構成することもできる。この場合には複雑な現象であっても高速に最適な加工条件を探索できる加工条件探索装置が得られる効果がある。
実施の形態11.
実施の形態11は、加工中に観測される様々な現象を元に好ましい状態と好ましくない状態を識別する判定手法の変更を実行する例を示している。
例えば、実施の形態9では、加工中に観測される様々な現象を元に好ましい状態と好ましくない状態を識別することで探索実験の繰り返しを行う例を示したが、実施の形態11では、加工中に観測される様々な現象を元に好ましい状態と好ましくない状態を識別する判定手法の変更を実行する。
図27は、実施の形態11の加工条件探索装置の動作を示すフローチャートである。
例えば実施の形態3で説明したように、候補点の発生後、実験点が一つに定められ(ステップST71)、この実験点によって実験加工が行われ(ステップST72)、実験加工結果が得られる(ステップST73)。更に、実験加工結果によって識別境界を決定し(ステップST74)、この識別境界に基づいて最適加工条件を選択して(ステップST75)、実加工を実施する(ステップST76)。あるいは、ステップST75の後、ステップST71に戻る。
ステップST76において、実加工が実施されると、その加工結果が好ましい状態か、好ましくない状態かを判定し(ステップST77)、その加工結果が好ましい状態と好ましくない状態を識別する判定手法が異なっている場合は、その加工結果が好ましい状態と好ましくない状態を識別する判定手法が一致するよう、その識別値、例えば実施の形態9における各敷居値を変更する(ステップST78)。そして、ステップST74に進み、変更した敷居値に基づいて新たな識別境界を決定する。
以上のように、実施の形態11の加工条件探索装置によれば、加工実験を進めながら加工特性モデルを構築する際、単なる断線のみならず加工面の仕上がりの予測を常に正しいものに更新しながら、正確に加工条件を探索が期待できる加工条件探索装置が得られる。
実施の形態12.
これまでの実施の形態では、加工中に発生する好ましくない状態として、主としてワイヤ放電加工機におけるワイヤ断線領域を高速に正確化する例を説明してきたが、実施の形態12では、加工速度の高い加工条件を探索する構成について説明する。
先ず始めに、これまで述べてきた実施の形態により断線する領域を探索する実験を実施する。この探索実験が進行すると断線領域の正確化が進んでいくが、この正確化の進み具合を数値化する。例えばサポートベクターマシンを用いて断線領域を表す場合にはサポートベクターマシンで言うところのマージンが1.0未満となるまだ実験していない格子点の数を進み具合の数値として用いる。正確化が進行するにつれ、そのような格子点の数は徐々に減っていき、最終的にゼロになるのである。そこで、探索実験を繰り返してこの数値がある敷居値以下になったときに探索実験を終了し、断線しない領域に分類された実験結果を用いて加工速度を推定する関数式を回帰する。関数式には線形回帰式、非線形回帰式を用いる。
次に、得られた加工速度回帰式を用いて、断線しない領域に分類された加工条件の格子点の中から加工速度が最大になると推定される加工条件格子点を一つまたはいくつか選択する。次に、選んだ各加工条件で実際に加工実験を行い、得られた実測加工速度の中から最大になるものを選び、その加工速度を与える加工条件を最終結果として選択する。
以上のように、実施の形態12の加工条件探索装置によれば、加工速度が最大になる加工条件の高速な探索が期待できる加工条件探索装置が得られる効果がある。
尚、本実施の形態では、正確化の進み具合の数値化として、サポートベクターマシンで言うところのマージンが1.0未満となる格子点の数を用いたが、1.0以外の敷居値であってももちろん良い。また、正確化の進み具合の数値として、実施の形態6、7、8などで説明した候補点の評価値の最大値を用いても良い。このような場合であっても、やはり探索が進行するにつれ、候補点の評価値は徐々に小さくなっていき、最終的にゼロになる。これらの方法を用いても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では、先ず断線識別境界の正確化を行い、その後、加工速度が最大になる加工条件の探索を実施したが、識別境界の正確化と加工条件最大の探索を交互に、あるいは時々他方を実施するように構成することもできる。これらの方法を用いても同様の効果が得られる。
実施の形態13.
実施の形態1に示したように、実験の開始時に、直交表あるいは、多元配置、ラテン方格、グレコラテン方格、一様計画、D最適、G最適、A最適などの最適計画、応答曲面計画における複合計画、Box and Behnken計画、あるいはまったくのランダムな計画などを適宜用いることとしていた。これらは実験対象がどのような応答をもつか定かではないときに、出来るだけ少ない実験数でより正確な応答の全容がわかることを期待して実験の計画を立てる方法である。一方、実験する対象の応答が、経験や過去の実験により、事前にある程度はわかっていることもある。そのような場合には前記実験計画手法のみに頼らず、実験点を事前知識に基づいて追加すればよい。
図28では、直交表L9を用いて初期の実験候補点(黒丸で図示)を選択することに加えて、事前知識に基づいた実験点(白丸で図示)を追加して実験を開始しているところを表している。また、図中、破線で囲まれた領域は実験可能な範囲を示している。事前知識とは、例えば、ある領域内で過去に最適な加工条件が見つかったことがある、という人間の経験のことでもよい。図28においては、ハッチングされた領域が経験的に良いと分かっている領域を示しており、このときハッチング領域内に、数点、白丸で示すような実験点を選んでいる。
また、事前知識に基づいて加工実験点を与えるに当たり、各実験点を個別に指定する方法や、数式を用いてある範囲内や選択する規則を指定する方法がある。
以上のように実施の形態13の加工条件探索装置によれば、事前知識を用いてより高速に合目的な最適加工条件の探索が期待できる加工条件探索装置が得られる効果がある。
実施の形態14.
実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8において、次の実験点候補を発生した後、すべての実験点候補についてある数式に基づいてそれぞれの実験点候補の評価値を計算することにしていた。実施の形態14では、次の実験点候補を発生したのち、これまでの実験点により得られた加工速度を用いて加工速度予測モデル(加工条件を引数とする加工速度回帰式)を構築し、この加工速度予測モデルを用いてすべての実験点候補により得られるであろう加工速度の予測値を計算する。そして、この予測値をキーにして実験点候補を降順にソートし、上位100点のみを次の実験点候補とする。すなわち高い加工速度が得られることが予測される実験点候補100点について、ある数式に基づいてそれぞれの実験点候補の評価値を計算することにする。図は省略する。
以上のように、実施の形態14の加工条件探索装置によれば、実験点候補の選択に要する計算時間を短くするとともに、より高速に合目的な最適加工条件の探索が可能な加工条件探索装置が得られる効果がある。なお、100点というのは単なる例であり50点でも1000点でも効果は変わらない。
実施の形態15.
実施の形態6、実施の形態7、実施の形態8において、例えばサポートベクターマシンを用いて、好ましくない結果がもたらされた加工条件と好ましい結果がもたらされた加工条件を識別する境界を得ることにしていた。サポートベクターマシンによるモデルはいくつかのパラメータを調整することが出来、簡単に言えば識別境界の表現力を調節できる。例えば複雑な識別境界を描きたいときにはあるパラメータの値を大きくすれば良い。しかしその際の欠点としてサポートベクターマシンの数式を処理するのに要する時間が増大することがある。そのパラメータの値を小さくすれば計算時間は短くなるが、すべての実験点の結果を正しく識別できる識別境界を作れないことが起きる。
そこで、実施の形態15においては、該当するパラメータの値を、最初は小さなものにしておいて計算時間の削減をはかる。そして識別境界を決定するステップ、たとえば図21におけるST32において、その時点までに得られている実験点による結果を、完全に分離する識別境界を得ることが出来なくなった時点で該当するパラメータの値を、完全に分離できるようになるまで増やすように構成する。同時に完全に分離できなくなる直前まで減らすように構成する。図は省略する。
以上のように、実施の形態15の加工条件探索装置によれば、実験点候補の選択に要する計算時間を短かい加工条件探索装置が得られる効果がある。
この発明の実施の形態1による加工条件探索装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1における加工特性モデル部の内部構成を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における実加工結果保持部の内部構成を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における加工実験試行動作時の各部のデータの流れを示す説明図である。 この発明の実施の形態1における加工実験試行動作時の各部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1におけるグローバル探索加工条件の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における探索加工条件の説明図である。 この発明の実施の形態1における探索動作の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1における実験を実施して加工条件を探索する動作と要求仕様に対する最適加工条件を検索する動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態2における探索動作の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における加工条件の一例を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における加工実験の識別境界の初期値を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における加工実験の候補点の説明図である。 この発明の実施の形態3における加工実験の新たな識別境界を示す説明図である。 この発明の実施の形態3における加工実験の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3における非線形な識別境界面を形成する場合の説明図である。 この発明の実施の形態4による加工条件探索装置の構成図である。 この発明の実施の形態6による加工条件探索装置の識別境界と次の探索実験点との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態6による加工条件探索装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態7による加工条件探索装置の識別境界と次の探索実験点との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態7による加工条件探索装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態8による加工条件探索装置の識別境界と次の探索実験点との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態8による加工条件探索装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態9による加工条件探索装置の加工結果が好ましいと予測されるときの加工結果を示す説明図である。 この発明の実施の形態9による加工条件探索装置の加工結果が好ましくないと予測されるときの加工結果を示す説明図である。 この発明の実施の形態10による加工条件探索装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態11による加工条件探索装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態13による加工条件探索装置の事前知識に基づいた実験点の説明図である。
符号の説明
1,1−1〜1−n 加工機、2 最適加工条件発生部、3 加工特性モデル部、4 実加工結果保持部、5 実験加工条件発生部。

Claims (5)

  1. 実験加工条件を発生する実験加工条件発生部と、
    前記実験加工条件発生部から出力された加工条件で加工を行い、実加工結果を出力する加工機と、
    前記加工機から出力された実加工結果に基づいて、所定の加工条件が入力された場合の最適加工条件である加工特性モデルを生成する加工特性モデル部とを備え、
    前記加工特性モデル部は、加工条件の探索実験を繰り返している時、ある時点で得られている実加工結果に基づいて、加工特性を表現するモデルを更新し、更新された加工特性モデルについて、加工条件を引数とする評価関数を備え、
    前記実験加工条件発生部は、前記評価関数を用いて、当該評価関数の値が最大になる加工条件を求め、その加工条件を次の実験点として選択することを特徴とする加工条件探索装置。
  2. 加工特性モデル部は、得られた実加工結果に基づいて、好ましい結果と好ましくない結果が観測される識別境界fを求めると共に、当該識別境界fに基づいて、ある条件で加工を行った場合に、好ましい結果が観測される新たな識別境界gと、好ましくない結果が観測される新たな識別境界hとで挟まれる領域が最大となる条件を求め、実験加工条件発生部は、前記条件を次の実験点として選択することを特徴とする請求項1記載の加工条件探索装置。
  3. 加工特性モデル部は、得られた実加工結果に基づいて、好ましい結果と好ましくない結果が観測される識別境界fを求めると共に、当該識別境界fに基づいて、ある条件で加工を行った場合に、好ましい結果が観測される新たな識別境界hと前記識別境界fとで挟まれる領域と、好ましくない結果が観測される新たな識別境界gと前記識別境界fとで挟まれる領域の差が最小となる条件を求め、実験加工条件発生部は、前記条件を次の実験点として選択することを特徴とする請求項1記載の加工条件探索装置。
  4. 加工特性モデル部は、得られた実加工結果に基づいて、好ましい結果と好ましくない結果が観測される識別境界fを求めると共に、当該識別境界fに基づいて、ある条件で加工を行った場合に、好ましい結果が観測される新たな識別境界hと前記識別境界fとで挟まれる領域と、好ましくない結果が観測される新たな識別境界gと前記識別境界fとで挟まれる領域との和÷差の値が最大となる条件を求め、実験加工条件発生部は、前記条件を次の実験点として選択することを特徴とする請求項1記載の加工条件探索装置。
  5. 加工特性モデル部は、次の実験点の候補を発生する場合、それまでの実験点が一様に分布しているかを判定し、一様であった場合は、現在の識別境界付近の値を次の実験点の候補として選択し、一様でないと判定した場合は、まだ実験していない値をランダムに次の実験点の候補として選択することを特徴とする請求項1から請求項のうちのいずれか1項記載の加工条件探索装置。
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