JP2010040673A - 多層配線回路基板の製造方法 - Google Patents

多層配線回路基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】絶縁層の開口部内で金属薄膜と導体パターンとを十分な強度で接着することが可能な多層配線回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】第1の絶縁層1上に第1の導体パターン2を形成する。次に、孔部3aを有する第2の絶縁層3を第1の絶縁層1上に形成する。第2の絶縁層3の孔部3a内で第1の導体パターン2の一部が露出する。次に、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが20nm以上200nm以下となるように、粗面化処理を行う。その後、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分、孔部3aの側面および第2の絶縁層3上にスパッタリングにより金属薄膜4を形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層配線回路基板の製造方法に関する。
近年、種々の電気機器または電子機器に、複数層の導体パターンを備えた多層配線回路基板が用いられている。この多層配線回路基板において、複数の導体パターン間または導体パターンと他の層との接着強度を高くするため、導体パターンの表面の粗面化を行うことが提案されている(例えば特許文献1,2参照)。
特開平9−199850号公報 特開平11−284343号公報
このような多層配線回路基板においては、例えば絶縁層の上面側および下面側に導体パターンが配置され、これらの導体パターンが、絶縁層に形成された孔部(ビアホール)を介して電気的に接続される。
ところで、セミアディティブ法によって絶縁層上に導体パターンを形成する場合、例えばスパッタリングにより、電解めっきを行うための金属薄膜(導電膜)が形成される。
その場合、絶縁層の下面側に導体パターンが配置される状態で、その導体パターンとビアホール内で接続されるように、絶縁層の上面側にスパッタリングによって金属薄膜を形成すると、絶縁層の下面側の導体パターンと金属薄膜とを十分な強度で接着することができない場合がある。その場合、導体パターンと金属薄膜との間で剥離が生じ、断線または接続不良等が発生する可能性がある。
本発明は、絶縁層の開口部内で金属薄膜と導体パターンとを十分な強度で接着することが可能な多層配線回路基板の製造方法を提供することである。
(1)本発明に係る多層配線回路基板の製造方法は、第1の絶縁層上に第1の導体パターンを形成する工程と、開口部を有する第2の絶縁層を第1の導体パターンの一部が開口部内で露出するように第1の導体パターン上に形成する工程と、第2の絶縁層の開口部内で露出する第1の導体パターンの部分の平均表面粗さが20nm以上200nm以下になるように粗面化処理を行う工程と、開口部に露出する第1導体パターンの部分、第2の絶縁層の開口部の側面および第2の絶縁層上の領域に連続して延びるように、スパッタリングにより金属薄膜を形成する工程と、第2の絶縁層の開口部内を埋め込むように金属薄膜上に第2の導体パターンを形成する工程とを備えるものである。
この製造方法においては、スパッタリングにより、第2の絶縁層の開口部に露出する第1導体パターンの部分、第2の絶縁層の開口部の側面および第2の絶縁層上の領域に連続して延びるように金属薄膜が形成される。そして、第2の絶縁層の開口部内を埋め込むように金属薄膜上に第2の導体パターンが形成される。これにより、第2の絶縁層の開口部内で第1の導体パターン、金属薄膜および第2の導体パターンが電気的に接続される。
この場合、第2の絶縁層の開口部内で露出する第1の導体パターンの部分の平均表面粗さが20nm以上200nm以下となるように粗面化処理が行われることにより、第1の導体パターンと金属薄膜とが十分な強度で接着される。それにより、第1の導体パターンと金属薄膜との剥離が防止される。したがって、第1の導体パターンと第2の導体パターンとの間で断線または接続不良等の不具合が発生することが防止される。
(2)第2の導体パターンは銅からなり、第2の導体パターンを形成する工程において、第2の導体パターンを金属薄膜上に電解銅めっきにより形成してもよい。
この場合、セミアディティブ法によって効率よく第2の導体パターンを形成することができる。
(3)金属薄膜はクロム薄膜および銅薄膜からなり、金属薄膜を形成する工程において、スパッタリングによりクロム薄膜および銅薄膜を順に形成してもよい。
この場合、第2の絶縁層の開口部内で第1の導体パターンと金属薄膜のクロム薄膜とが十分な強度で接着される。それにより、第1の導体パターンと金属薄膜との剥離がより確実に防止され、断線または接続不良等の不具合の発生がより確実に防止される。
本発明によれば、第1の導体パターンと金属薄膜とが十分な強度で接着される。それにより、第1の導体パターンと金属薄膜との剥離が防止される。したがって、第1の導体パターンと第2の導体パターンとの間で断線または接続不良等の不具合が発生することが防止される。
以下、本発明の一実施の形態に係る多層配線回路基板の製造方法について図面を参照しながら説明する。
(1)製造方法
図1および図2は、本実施の形態に係る多層配線回路基板の製造工程を示す断面図である。
図1(a)に示すように、まず、第1の絶縁層1上に第1の導体パターン2を形成する。第1の絶縁層1の材料としては、例えばポリイミドが用いられる。第1の絶縁層1の厚みは例えば2μm以上50μm以下であり、2μm以上30μm以下であることが好ましい。なお、第1の絶縁層1の材料として、ポリイミドの代わりにエポキシ樹脂等の他の絶縁材料を用いてもよい。
第1の導体パターン2の材料としては、例えば銅、金またはアルミニウム等の他の金属、もしくは銅合金またはアルミニウム合金等の合金を用いることができる。好ましくは、第1の導体パターン2の材料として銅を用いる。第1の導体パターン2の厚みは例えば1μm以上50μm以下であり、1μm以上30μm以下であることが好ましい。
第1の導体パターン2は、例えばセミアディティブ法を用いて形成する。なお、サブトラクティブ法等の他の方法を用いて第1の導体パターン2を形成してもよい。
次に、図1(b)に示すように、孔部3aを有する第2の絶縁層3を第1の絶縁層1上に形成する。第2の絶縁層3の孔部3a内で第1の導体パターン2の一部が露出する。なお、孔部3aは、請求項における開口部に相当する。孔部3aの形状は、円形、三角形または四角形等任意に設定可能である。
第2の絶縁層3の材料としては、例えば感光性ポリイミドが用いられる。その場合、感光性ポリイミドの露光および現像を行うことにより孔部3aを形成する。第2の絶縁層3の厚みは例えば2μm以上50μm以下であり、2μm以上30μm以下であることが好ましい。また、孔部3aが円形である場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の直径が5μm以上500μm以下であり、20μm以上200μm以下であることが好ましい。また、孔部3aが四角形である場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の一辺が5μm以上500μm以下であり、20μm以上200μm以下であることが好ましい。なお、第2の絶縁層3の材料として、ポリイミドの代わりにエポキシ樹脂等の他の絶縁材料を用いてもよい。
次に、図1(c)に示すように、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが20nm以上200nm以下となるように、粗面化処理を行う。ここで、平均表面粗さRaとは、日本工業規格(JIS)に定められた算術平均高さをいい、例えば光干渉型表面粗さ計により測定することができる。
それにより、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが第1の導体パターン2の他の部分の平均表面粗さRaよりも大きくなる。なお、第1の導体パターン2の粗面化処理されていない部分の平均表面粗さRaは20nm未満であることが好ましい。それにより、第1の導体パターン2の表面での伝送損失が低減される。
具体的には、粗面化処理液により第1の導体パターン2の表面をエッチングする。粗面化処理液としては、硫酸、塩酸、過硫酸アンモニウムまたは過硫酸ナトリウム等の酸性薬液、もしくはその酸性薬液に過酸化水素水を混合した溶液を用いることができる。
また、粗面化速度(エッチング速度)を制御するために、第1の導体パターン2の金属成分を所定量溶解した粗面化処理液を用いてもよい。例えば、第1の導体パターン2の材料として銅を用いる場合に、過硫酸ナトリウムに2g/L以上10g/L以下の濃度範囲で銅を溶解した溶液を粗面化処理液として用いてもよい。
この場合、銅の濃度が2g/Lよりも低いと第1の導体パターン2の表面が過剰に粗面化される可能性がある。一方、銅の濃度が10g/Lよりも高いと第1の導体パターン2の表面を十分に粗面化することができない可能性がある。なお、過硫酸ナトリウムを用いることにより、粗面化処理液の管理が比較的容易になる。
粗面化処理温度(粗面化処理液の温度)は、40℃以上60℃以下であることが好ましい。粗面化処理温度が40℃よりも低いと、粗面化処理液の管理が困難になる、または粗面化処理の時間が長くなる等の不具合が発生する。粗面化処理温度が60℃よりも高いと、第1の導体パターン2の平均表面粗さRaの調整が困難になる。
なお、第1の導体パターン2の平均表面粗さRaは、20nm以上70nm以下であることがより好ましい。
次に、図1(d)に示すように、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分、孔部3aの側面および第2の絶縁層3上に、スパッタリングにより金属薄膜4を形成する。金属薄膜4は、例えばクロム薄膜および銅薄膜からなる。金属薄膜4の厚みは例えば0.05μm以上2μm以下であり、0.1μm以上0.5μm以下であることが好ましい。なお、金属薄膜4は、クロム薄膜および銅薄膜からなる2層構造に限らず、例えば銅のみの単層構造であってもよい。
次に、図1(e)に示すように、第2の絶縁層3の孔部3a内を除く金属薄膜4上の所定の部分にめっきレジスト5を形成する。この場合、次工程で形成される第2の導体パターン6と逆のパターンのめっきレジスト5が露光および現像により形成される。
そして、図2(f)に示すように、第2の絶縁層3の孔部3a内を埋め込むように、露出する金属薄膜4上の部分に電解めっきにより第2の導体パターン6を形成する。第2の導体パターン6の材料としては、銅、銀、アルミニウム等を用いることができる。第2の絶縁層3a上における第2の導体パターン6の部分の厚みは、例えば1μm以上50μm以下であり、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
次に、図2(g)に示すように、めっきレジスト5をエッチングまたは剥離によって除去する。次に、図2(h)に示すように、露出した金属薄膜4の部分をエッチングにより除去する。
そして、図2(i)に示すように、第2の導体パターン6を覆うように、第2の絶縁層3上に第3の絶縁層7を形成する。第3の絶縁層7の材料としては、例えば感光性ポリイミドが用いられる。第3の絶縁層7の厚みは例えば2μm以上50μm以下であり、2μm以上30μm以下であることが好ましい。なお、第3の絶縁層7の材料として、ポリイミドの代わりにエポキシ樹脂等の他の絶縁材料を用いてもよい。これにより、多層配線回路基板100が完成する。
本実施の形態では、第1の導体パターン2の平均表面粗さRaが20nm以上200nm以下となるように粗面化処理を行うことにより、第2の絶縁層3の孔部3a内において、第1の導体パターン2と金属薄膜4とを十分な強度で接着することができる。それにより、第1の導体パターン2と金属薄膜4との剥離が防止され、断線または接続不良等の不具合が発生することが防止される。
(2)実施例および比較例
種々の条件で多層配線回路基板100を製造し、第1の導体パターン2と金属薄膜4との接着強度を調べた。表1には、実施例1〜6および比較例1〜4における種々の製造条件が示される。
Figure 2010040673
(2−1)実施例
(2−1−1)実施例1
ポリイミドからなる第1の絶縁層1上に、セミアディティブ法により第1の導体パターン2を形成した。具体的には、スパッタリングにより第1の絶縁層1上にクロム薄膜および銅薄膜を順に形成し、続いてめっきレジストを用いて電解銅めっきを行うことにより、第1の導体パターン2を形成した。なお、クロム薄膜の厚みを20nmとし、銅薄膜の厚みを100nmとし、銅めっきの厚みを20μmとした。
次に、感光性ポリイミドを用いて、孔部3aを有する第2の絶縁層3を形成した。第2の絶縁層3の厚みは、5μmとした。また、孔部3aは円形であり、孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の直径は100μmであった。
次に、過硫酸ナトリウムに銅を2g/Lの濃度で溶解した粗面化処理液に、第1の導体パターン2を1分間浸漬することにより、第1の導体パターン2の粗面化処理を行った。これにより、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaを24nmとした。なお、粗面化処理時における粗面化処理液の温度(粗面化処理温度)を50℃とした。また、第1の導体パターン2の平均表面粗さRaは、光干渉型表面粗さ計を用いて測定した。
次に、スパッタリングにより金属薄膜4としてクロム薄膜および銅薄膜を順に形成した。なお、クロム薄膜の厚みを20nmとし、銅薄膜の厚みを100nmとした。
次に、めっきレジスト6を形成し、電解銅めっきにより第2の導体パターン6を形成した。なお、銅めっきの厚みを20μmとした。その後、めっきレジスト6および露出する金属薄膜4(クロム薄膜および銅薄膜)の部分を除去した。
そして、感光性ポリイミドを用いて第3の絶縁層7を形成した。なお、第3の絶縁層7の厚みを5μmとした。これにより、実施例1における多層配線回路基板100を得た。
(2−1−2)実施例2
第1の導体パターン2の粗面化処理液への浸漬時間を2分とした点を除いて、上記実施例1と同様に多層配線回路基板100を製造した。この場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが30nmであった。
(2−1−3)実施例3
第1の導体パターン2の粗面化処理液への浸漬時間を5分とした点を除いて、上記実施例1と同様に多層配線回路基板100を製造した。この場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが32nmであった。
(2−1−4)実施例4
粗面化処理液として、過硫酸ナトリウムの代わりに過硫酸カリウム系溶液(メルテック社製、AD−485)を用いた。この粗面化処理液を第1の導体パターン2に1.5kg/cmの圧力でスプレーすることにより、第1の導体パターン2の粗面化処理を行った。なお、粗面化処理温度(粗面化処理液の温度)を40℃とし、処理時間(スプレーする時間)を12秒とした。
これらの点を除いて、上記実施例1と同様に多層配線回路基板100を製造した。この場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが50nmであった。
(2−1−5)実施例5
処理時間(スプレーする時間)を24秒とした点を除いて上記実施例4と同様に多層配線回路基板100を製造した。この場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが66nmであった。
(2−1−6)実施例6
処理時間(スプレーする時間)を1分とした点を除いて上記実施例4と同様に多層配線回路基板100を製造した。この場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが196nmであった。
(2−2)比較例
(2−2−1)比較例1
粗面化処理を行わなかった点を除いて上記実施例1と同様に多層配線回路基板100を製造した。この場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが8nmであった。
(2−2−2)比較例2
粗面化処理温度を25℃とし、処理温度(浸漬時間)を2分とした点を除いて、上記実施例1と同様に多層配線回路基板100を製造した。この場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが15nmであった。
(2−2−3)比較例3
粗面化処理液として、過硫酸ナトリウムの代わりに10%の濃度の硫酸水溶液を用いた。また、粗面化処理温度を50℃とし、処理温度(浸漬時間)を2分とした。これらの点を除いて、上記実施例1と同様に多層配線回路基板100を製造した。この場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが9nmであった。
(2−2−4)比較例4
電解銅めっき層およびポリイミド層からなる2層基材を用い、サブトラクティブ法により第1の絶縁層1および第1の導体パターン2を形成した。これらの点を除いて、上記実施例2と同様に多層配線回路基板100を製造した。この場合、第2の絶縁層3の孔部3a内で露出する第1の導体パターン2の部分の平均表面粗さRaが207nmであった。
(2−3)評価
実施例1〜6および比較例1〜4の多層配線回路基板100をそれぞれ屈曲させて、第1の導体パターン2と金属薄膜4との接着状態を調べた。表1にその結果が示される。
表1に示すように、実施例1〜6の多層配線回路基板100を屈曲させても、第1の導体パターン2と金属薄膜4のクロム薄膜とが界面で剥離は発生しなかった。一方、比較例1〜4の多層配線回路基板100を屈曲させると、第1の導体パターン2と金属薄膜4のクロム薄膜との界面において剥離が発生した。
これにより、第1の導体パターン2の平均表面粗さRaを20nm以上200nm以下とすることにより、第2の絶縁層3の孔部3a内において、第1の導体パターン2と金属薄膜4との剥離が十分に防止されることがわかった。
また、第1の導体パターン2と金属薄膜4との接着強度を調べるため、実施例1〜6および比較例1〜4の多層配線回路基板100のサンプルをそれぞれ製造し、剥離試験を行った。
図3は、実施例1〜6および比較例1〜3の多層配線回路基板100のサンプルの製造工程を示す断面図である。
図3(a)に示すように、ポリイミドからなる絶縁層11上に、セミアディティブ法により導体層12を形成した。具体的には、スパッタリングにより第1の絶縁層1上にクロム薄膜および銅薄膜を順に形成し、その後、電解銅めっきを行うことにより第1の導体層12を形成した。なお、クロム薄膜の厚みを20nmとし、銅薄膜の厚みを100nmとし、銅めっきの厚みを20μmとした。
次に、図3(b)に示すように、実施例1〜6および比較例1〜3の多層配線回路基板100の製造時における第1の導体パターン2の粗面化処理と同様の条件で、第1の導体層12の粗面化処理をそれぞれ行った。それにより、第1の導体層12の平均表面粗さRaをそれぞれ24nm、30nm、32nm、50nm、66nm、196nm、8nm、15nmおよび9nmとした。
次に、図3(c)に示すように、スパッタリングにより、クロム薄膜および銅薄膜を順に形成し、金属薄膜13を形成した。なお、クロム膜の厚みを20nmとし、銅膜の厚みを100nmとした。次に、図3(d)に示すように、電解銅めっきにより、金属薄膜13上に第2の導体層14を形成した。なお、銅めっきの厚みを20μmとした。このようにして、実施例1〜6および比較例1〜3の多層配線回路基板100のサンプルを製造した。
比較例4の多層配線回路基板100のサンプルの製造工程と実施例1〜6および比較例1〜3の多層配線回路基板100のサンプルの製造工程とが異なるのは次の点である。
比較例4の多層配線回路基板100のサンプルの製造時には、絶縁層11および第1の導体層12として電解銅めっき層およびポリイミド層からなる2層基材を用いた。そして、比較例4の多層配線回路基板100の製造時における第1の導体パターン2の粗面化処理と同様の条件で第1の導体層12の粗面化処理を行った。それにより、第1の導体層12の平均表面粗さRaを207nmとした。
これらのサンプルを用いて剥離試験を行い、第1の導体層12と金属薄膜13との剥離強度を測定した。図4は、剥離試験について説明するための模式的断面図である。
図4に示すように、金属薄膜13が第1の導体層12から剥離するように、金属薄膜13および第2の導体層14の一端を第1の導体層12に対して90°の角度をなす方向に50mm/minの速度で引張った。この引張る力の大きさを剥離強度として測定した。
実施例1〜6および比較例1〜4の多層配線回路基板100のサンプルにおいて、第1の導体パターン2と金属薄膜4との剥離強度を測定した結果が、表1に示される。
実施例1〜6の多層配線回路基板100のサンプルにおいては、剥離強度が0.35〜1.5kN/mと高かった。一方、比較例1〜4の多層配線回路基板100においては、剥離強度が0.01〜0.26kN/mと低かった。これにより、第1の導体パターン2の平均表面粗さRaを20nm以上200nm以下とすることにより、第1の導体パターン2と金属薄膜4との剥離強度が高くなることがわかった。
本発明は、種々の多層配線回路基板の製造に有効に利用することができる。
本実施の形態に係る多層配線回路基板の製造工程を示す断面図である。 本実施の形態に係る多層配線回路基板の製造工程を示す断面図である。 実施例1〜6および比較例1〜3の多層配線回路基板のサンプルの製造工程を示す断面図である。 剥離試験について説明するための模式的断面図である。
符号の説明
1 第1の絶縁層
2 第1の導体パターン
3 第2の絶縁層
3a 孔部
4 金属薄膜
5 めっきレジスト
6 第2の導体パターン
7 第3の絶縁層
100 多層配線回路基板

Claims (3)

  1. 第1の絶縁層上に第1の導体パターンを形成する工程と、
    開口部を有する第2の絶縁層を前記第1の導体パターンの一部が前記開口部内で露出するように前記第1の導体パターン上に形成する工程と、
    前記第2の絶縁層の前記開口部内で露出する前記第1の導体パターンの部分の平均表面粗さが20nm以上200nm以下になるように粗面化処理を行う工程と、
    前記開口部に露出する前記第1導体パターンの部分、前記第2の絶縁層の前記開口部の側面および前記第2の絶縁層上の領域に連続して延びるように、スパッタリングにより金属薄膜を形成する工程と、
    前記第2の絶縁層の前記開口部内を埋め込むように前記金属薄膜上に第2の導体パターンを形成する工程とを備えることを特徴とする多層配線回路基板の製造方法。
  2. 前記第2の導体パターンは銅からなり、
    前記第2の導体パターンを形成する工程において、前記第2の導体パターンを前記金属薄膜上に電解銅めっきにより形成することを特徴とする請求項1記載の多層配線回路基板の製造方法。
  3. 前記金属薄膜はクロム薄膜および銅薄膜からなり、
    前記金属薄膜を形成する工程において、スパッタリングによりクロム薄膜および銅薄膜を順に形成することを特徴とする請求項1または2記載の多層配線回路基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023119940A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 日東電工株式会社 配線回路基板およびその製造方法

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