JP2010040231A - 非水電解質二次電池用負極材及びその製造方法、負極、ならびにリチウムイオン二次電池及び電気化学キャパシタ - Google Patents
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Abstract
【効果】本発明で得られた31P変換粒子を非水電解質二次電池用負極材として用いることで、レート特性及びサイクル性に優れたリチウムイオン二次電池及び電気化学キャパシタ等の非水電解質二次電池を得ることができる。また、製造方法についても簡便であり、工業的規模の生産にも十分耐え得るものである。
【選択図】なし
Description
[1].一般式SiOx(x=0.5〜1.6)で表される酸化珪素、Si/Oのモル比が1/0.5〜1.6で、珪素が二酸化珪素に分散した構造を有する珪素複合体、又はこれらの混合物に中性子を照射し、Si中の30Siを核反応により31Pに変換させた31P変換粒子からなることを特徴とする非水電解質二次電池用負極材。
[2].Pの含有量が20〜10,000ppmであることを特徴とする[1]記載の非水電解質二次電池用負極材。
[3].31P変換粒子表面が、カーボン被膜で被覆されていることを特徴とする[1]又は[2]記載の非水電解質二次電池用負極材。
[4].一般式SiOx(x=0.5〜1.6)で表される酸化珪素、Si/Oのモル比が1/0.5〜1.6で、珪素が二酸化珪素に分散した構造を有する珪素複合体、又はこれらの混合物に中性子を照射し、Si中の30Siを核反応により31Pに変換させる工程を含むことを特徴とする[1]記載の非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
[5].下記工程(I)及び(II)を含む[3]記載の非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
(I)一般式SiOx(x=0.5〜1.6)で表される酸化珪素、Si/Oのモル比が1/0.5〜1.6で、珪素が二酸化珪素に分散した構造を有する珪素複合体、又はこれらの混合物に中性子を照射し、Si中の30Siを核反応により31Pに変換させ、31P変換粒子を得る工程
(II)(I)で得られた31P変換粒子を、有機物ガス中で化学蒸着することにより、31P変換粒子表面をカーボン被膜で被覆する工程
[6].上記(II)工程が、(I)で得られた31P変換粒子を、有機物ガス中、30,000Pa以下の減圧下で化学蒸着することにより、31P変換粒子表面をカーボン被膜で被覆する工程である[5]記載の非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
[7].[1]〜[3]のいずれかに記載の非水電解質二次電池用負極材を含む非水電解質二次電池用負極。
[8].[7]記載の非水電解質二次電池用負極を用いた負極成型体と、正極成型体、セパレーター及び非水電解質とを備えた非水電解質二次電池。
[9].非水電解質二次電池がリチウムイオン二次電池であることを特徴とする[8]記載の非水電解質二次電池。
[10].[7]記載の非水電解質二次電池用負極を用いた負極成型体と、正極成型体、セパレーター及び非水電解質とを備えた電気化学キャパシタ。
本発明において酸化珪素とは、二酸化珪素と金属珪素との混合物を加熱して生成した一酸化珪素ガスを冷却・析出して得られた非晶質の珪素酸化物の総称であり、一般式SiOx(x=0.5〜1.6)で表されるものをいう。本発明の珪素複合体は、Si/Oのモル比が1/0.5〜1.6で、珪素が二酸化珪素に分散した構造を有する珪素複合体である。上記x及びSi 1に対するOのモル比は0.5〜1.6であり、0.8〜1.3が好ましく、0.8〜1.2がより好ましい。上記値が、0.5より小さい酸化珪素、珪素複合体の製造は困難であり、1.6より大きいと、熱処理を行い、不均化反応を行った際に、不活性なSiO2の割合が大きく、非水電解質二次電池として使用した場合、充放電容量が低下するおそれがある。
(i).銅を対陰極としたX線回折(Cu−Kα)において、2θ=28.4°付近を中心としたSi(111)に帰属される回折ピークが観察され、その回折線の広がりをもとに、シェーラーの式によって求めた珪素の結晶の粒子径が好ましくは1〜500nm、より好ましくは2〜200nm、さらに好ましくは2〜50nmである。珪素の微粒子の大きさが1nmより小さいと、充放電容量が小さくなる場合があるし、逆に500nmより大きいと充放電時の膨張収縮が大きくなり、サイクル性が低下するおそれがある。なお、珪素の微粒子の大きさは透過電子顕微鏡写真により測定することができる。
(ii).固体NMR(29Si−DDMAS)測定において、そのスペクトルが−110ppm付近を中心とするブロードな二酸化珪素のピークとともに−84ppm付近にSiのダイヤモンド結晶の特徴であるピークが存在する。なお、このスペクトルは、通常の酸化珪素(SiOx:x=1.0+α)とは全く異なるもので、構造そのものが明らかに異なっているものである。また、透過電子顕微鏡によって、シリコンの結晶が無定形の二酸化珪素に分散していることが確認される。
得られた31P変換粒子は、一般式SiOx(x=0.5〜1.6)で表される酸化珪素、Si/Oのモル比が1/0.5〜1.6で、珪素が二酸化珪素に分散した構造を有する珪素複合体、又はこれらの混合物に中性子を照射し、Si中の30Siを核反応により31Pに変換させたものである。30Siが核反応により31Pに変換したことは、ICP発光分析によりPの含有量を測定することで確認できる。31P変換粒子の粒子径はレーザー回折散乱式粒度分布測定法による平均粒子径(体積平均値D50)で0.01〜50μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。
本発明は、上記31P変換粒子を非水電解質二次電池用負極材に用いるものであり、この本発明で得られた非水電解質二次電池用負極材を用いて、負極を作製することができる。この場合、カーボン、黒鉛等の導電剤を添加することができる。この場合においても導電剤の種類は特に限定されず、構成された電池において、分解や変質を起こさない電子伝導性の材料であればよく、具体的にはAl,Ti,Fe,Ni,Cu,Zn,Ag,Sn,Si等の金属粉末や金属繊維又は天然黒鉛、人造黒鉛、各種のコークス粉末、メソフェーズ炭素、気相成長炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維、各種の樹脂焼成体等の黒鉛を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、上記負極材を用いる点に特徴を有し、その他の負極(成型体)、正極(成型体)、セパレーター、非水電解質等の材料及び電池形状等は公知のものを使用することができ、特に限定されない。例えば、正極活物質としてはLiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、V2O5、MnO2、TiS2、MoS2等の遷移金属の酸化物、リチウム、及びカルコゲン化合物等が用いられる。電解質としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム、過塩素酸リチウム等のリチウム塩を含む非水溶液が用いられ、非水溶媒としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフラン等の1種又は2種類以上を組み合わせて用いられる。また、それ以外の種々の非水系電解質や固体電解質も使用できる。
また、本発明の非水電解質二次電池用負極を用いた負極成型体と、正極成型体、セパレーター及び非水電解質とを備えた電気化学キャパシタの場合は、電気化学キャパシタは、上記負極材を用いる点に特徴を有し、その他の負極(成型体)、正極(成型体)、セパレーター、非水電解質等の材料及びキャパシタ形状等は限定されない。例えば、電解質として六フッ化リン酸リチウム、過塩素リチウム、ホウフッ化リチウム、六フッ化砒素酸リチウム等のリチウム塩を含む非水溶液が用いられ、非水溶媒としてはプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフラン等の1種又は2種類以上を組み合わせて用いられる。また、それ以外の種々の非水系電解質や固体電解質も使用できる。
一般式SiOx(x=1.02)で表される酸化珪素で平均粒子径5μmの酸化珪素粉末10gを石英管に充填し、熱中性子束9.6×1017/m2・sの中性子を12時間照射した。3時間後に取り出し、この粉末をICP発光分析したところ、Pの含有量は520ppmであった。次にこの粉末をバッチ式加熱炉内に仕込んだ。油回転式真空ポンプで炉内を減圧しつつ炉内を1100℃に昇温し、1100℃に達した後にCH4ガスを0.3NL/min流入し、5時間のカーボン被覆処理を行った。なお、この時の減圧度は800Paであった。処理後は降温し、約10.5gの黒色粉末を得た。得られた黒色粉末は、平均粒子径5.2μm、黒色粉末に対するカーボン被覆量5質量%の導電性粉末であった。なお、中性子照射前の酸化珪素粉末における、銅を対陰極としたX線回折(Cu−Kα)結果は、2θ=28.4°付近のSi(111)に帰属される回折線ピークが観察されず(図1)、カーボン被覆処理工程後の導電性粉末は、上記ピークが観察された。
次に、以下の方法で、得られた導電性粉末を負極活物質として用いた電池評価を行った。
得られた導電性粉末90質量%にポリイミドを10質量%加え、さらにN−メチルピロリドンを加えてスラリーとし、このスラリーを厚さ20μmの銅箔に塗布し、80℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成形し、この電極を350℃で1時間真空乾燥した後、2cm2に打ち抜き負極とした。
ここで、得られた負極の充放電特性を評価するために、対極にリチウム箔を使用し、非水電解質として六フッ化リン酸リチウムをエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1/1(体積比)混合液に1モル/Lの濃度で溶解した非水電解質溶液を用い、セパレーターに厚さ30μmのポリエチレン製微多孔質フィルムを用いた評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
以上の充放電試験を繰り返し、評価用リチウムイオン二次電池の200サイクル後の充放電試験を行った。その結果、200サイクル後の容量維持率85%であり、サイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池であることが確認された。
また、放電を0.2c及び1.0cで行い、1.0c放電時の放電容量を0.2c放電時の放電容量で割ったものを百分率で求めたところ、88%であった。
一般式SiOx(x=1.02)で表される酸化珪素で平均粒子径5μmの酸化珪素粉末10gの代わりに、Si/Oのモル比が1/1.1で、平均粒子径5μmの珪素が二酸化珪素に分散した構造を有する珪素複合体粉末10gを用いた他は実施例1と同様に中性子照射し、その後カーボン被覆処理を行い10.4gの黒色粉末を得た。得られた黒色粉末は、平均粒子径=5.3μm、カーボン被覆量5質量%の導電性粉末であった。カーボン被覆処理前の粉末のP含有量は610ppmであった。なお、中性子照射前の珪素複合体粉末における、銅を対陰極としたX線回折(Cu−Kα)結果は、2θ=28.4°付近のSi(111)に帰属される回折線ピークが観察された(図2)。
実施例1で用いた酸化珪素粉末10gに中性子照射を行わずバッチ式加熱炉内に仕込み、実施例1と同様な方法でカーボン被覆処理を行い約10.6gの導電性粉末を製造した。得られた導電性粉末は平均粒子径5.2μm、カーボン被覆量5質量%の導電性粉末であった。カーボン被覆処理前のP含有量は16ppmであった。なお、このP含有量は原料にもともと含まれる不純物である。
Claims (10)
- 一般式SiOx(x=0.5〜1.6)で表される酸化珪素、Si/Oのモル比が1/0.5〜1.6で、珪素が二酸化珪素に分散した構造を有する珪素複合体、又はこれらの混合物に中性子を照射し、Si中の30Siを核反応により31Pに変換させた31P変換粒子からなることを特徴とする非水電解質二次電池用負極材。
- Pの含有量が20〜10,000ppmであることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池用負極材。
- 31P変換粒子表面が、カーボン被膜で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2記載の非水電解質二次電池用負極材。
- 一般式SiOx(x=0.5〜1.6)で表される酸化珪素、Si/Oのモル比が1/0.5〜1.6で、珪素が二酸化珪素に分散した構造を有する珪素複合体、又はこれらの混合物に中性子を照射し、Si中の30Siを核反応により31Pに変換させる工程を含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
- 下記工程(I)及び(II)を含む請求項3記載の非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
(I)一般式SiOx(x=0.5〜1.6)で表される酸化珪素、Si/Oのモル比が1/0.5〜1.6で、珪素が二酸化珪素に分散した構造を有する珪素複合体、又はこれらの混合物に中性子を照射し、Si中の30Siを核反応により31Pに変換させ、31P変換粒子を得る工程
(II)(I)で得られた31P変換粒子を、有機物ガス中で化学蒸着することにより、31P変換粒子表面をカーボン被膜で被覆する工程 - 上記(II)工程が、(I)で得られた31P変換粒子を、有機物ガス中、30,000Pa以下の減圧下で化学蒸着することにより、31P変換粒子表面をカーボン被膜で被覆する工程である請求項5記載の非水電解質二次電池用負極材の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の非水電解質二次電池用負極材を含む非水電解質二次電池用負極。
- 請求項7記載の非水電解質二次電池用負極を用いた負極成型体と、正極成型体、セパレーター及び非水電解質とを備えた非水電解質二次電池。
- 非水電解質二次電池がリチウムイオン二次電池であることを特徴とする請求項8記載の非水電解質二次電池。
- 請求項7記載の非水電解質二次電池用負極を用いた負極成型体と、正極成型体、セパレーター及び非水電解質とを備えた電気化学キャパシタ。
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