JP2010038156A - 圧縮機ブレード前縁シム及び関連する方法 - Google Patents

Abstract

【課題】圧縮機ブレード前縁のエロージョン及び／又は腐食に起因する損傷を軽減すること。
【解決手段】（ａ）圧縮機ブレード翼形部の前縁部分を準備する段階と、（ｂ）前縁部分に１以上のシムを取り付ける段階とを含む圧縮機ブレード翼形部の前縁部分の耐エロージョン性及び／又は耐腐食性を向上させる方法。
【選択図】 図１

Description

本発明は、広義にはタービン技術に関し、具体的には、圧縮機ブレード前縁のエロージョン及び／又は腐食に起因する損傷を軽減するための物品及び方法に関する。

圧縮機ブレード前縁のエロージョン及び／又は腐食は、タービンエンジンに共通の問題である。タービンブレード及び詳細にはタービン圧縮機ブレード又は翼形部の前縁は、過酷な環境に曝されることよって生じるエロージョン及び／又は腐食の影響を特に受けやすい。損傷を受けたタービンブレードの補修及び／又は交換には高価な停止時間が必要となり、これは通常のサービス間隔とは時間的に重ならない場合がある。従って、
ブレード前縁のエロージョン及び／又は腐食の発生頻度又は発生する損傷を軽減する技術又は方法を開発することが有利となるであろう。

米国特許第５４４９２７３号明細書 米国特許第５６０３６０３号明細書 米国特許第５６５５８８３号明細書 米国特許第５７７８９６０号明細書 米国特許第５７９１８７９号明細書 米国特許第５９３１６４１号明細書 米国特許第６５２４０７４号明細書 米国特許第６５３２６５６号明細書 米国特許第６６０７３５８号明細書 米国特許第７１０４７６１号明細書 米国特許第７１８６０９２号明細書 米国特許第７３３４９９７号明細書

限定ではない１つの例示的な実施形態によれば、本発明は、翼形部部分と取り付け部分とを備え、翼形部部分が前縁及び後縁を有し、前縁には耐エロージョン性シムが取り付けられている圧縮機ブレードに関する。

別の態様によれば、本発明は、圧縮機ブレード翼形部の前縁部分の耐エロージョン性及び／又は耐腐食性を向上させる方法であって、（ａ）圧縮機ブレード翼形部の前縁部分を清浄化する段階と、（ｂ）前縁部分に１以上のシムを取り付ける段階とを含む方法に関する。

次に、以下で示される図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。

本発明の例示的な実施形態による圧縮機ブレードの斜視図。 シムの縮尺が誇張された、図１の線２−２に沿った断面図。

図１を参照すると、ベーン又はブレード１０（例えば、タービン圧縮機ブレード）は、翼形部部分１２とダブテール取り付け部分１４とを含む。翼形部部分１２は、前縁１６、後縁１８、正圧側面２０、及び負圧側面２２を有する。

圧縮機入口において流入空気流（例えば、乾燥粒子、塩霧、その他）に起因するエロージョン及び／又は腐食の影響を最も受けやすいのは、前縁１６である。

本発明の非限定的な例示的実施形態によれば、１以上のシム２４は、翼形部部分の前縁１６に施工することができる。図２を更に参照すると、シム２４は、前縁１６を実質的に密閉し、翼形部の正圧側面２０と負圧側面２２の両方に延びる。図２において、シムは、本発明の理解を容易にするために大きく誇張した縮尺で分かり易く図示されている。１つのシムは、前縁の一部又は長さ全体に沿って延びることができ、或いは、複数のシムセグメントを利用して、翼形部／シム境界面の剪断歪みを低減することができる。

好ましい構成では、シム２４は、１〜３０ミルの範囲の厚みを有する。１以上のシムは、Ｎｉ−２５ＣｒのようなＣｒリッチ材料、Ａｌリッチ材料、又はＴｉリッチ材料を含む耐食成分で構成することができる。代替的に、ＴｉＮ、Ｔｉ／ＴｉＮ、ＴｉＮ／ＣｒＮ、ＮｉＣｒＷＣ、その他などの硬質の耐エロージョン性材料を利用してもよい。１以上のシムはまた、ポリプロピレンなどの耐エロージョン性ポリマー材料、或いは、約１〜１０ミルの厚みを有する耐エロージョン性テープ（例えば３Ｍポリプロピレン保護テープ）から構成することができる。１以上のシムはまた、耐エロージョン又は耐腐食性材料、すなわち上述の成分の粉体形態を利用してコーティングされた好適な金属から構成することができる。

金属の形態の１以上のシム２４は、例えば、溶接、ろう付け、はんだ付け、及び／又は接着フィルムなどの複数の既知の技術の何れかによって前縁に付加することができる。１つの好適な接着フィルムは、３Ｍ構造的接着テープの名称で市販されている。参照符号２６、２８で示される追加の接着材料は、翼形部と接するシム縁部を滑らかにするために金属シムの縁部３０、３２に沿って施工することができる。

いずれの場合においても、翼形部及びシムの熱膨張特性は、繰り返し歪みの量を低減できる範囲に適合させることができるが、機械の前端において温度スイングが比較的緩やかである、すなわち約７０°Ｆから約４００°Ｆである点に留意されたい。この点に関して、金属シムを取り付けるため又はシム自体を用いるための低温接着は、切断を必要とせず、すなわち母材の特性を維持する点で有利である。

１以上のシム２４の取り付けの前に、フライス加工、ショットピーニング、グリットブラスティング、バレル研磨、又は上記の組み合わせにより前縁１６の表面剥離が必要とされる。上述の３Ｍ構造的接着テープなどの高圧接着テープを用いたシムの取り付けでは、更に準備が必要となる。例えば、シムと翼形部前縁との相対する面は、リンス、アルカリ脱脂、エッチング、乾燥、下塗り、及び硬化することができる。接着テープによりシムが施工された後、ブレードは、例えば接着剤を硬化するためにオートクレーブ内に配置することができる。

３Ｍ保護ポリウレタンテープのような低温接着性のものをシムとして利用するときには、テープを貼る前に相対する面を単にリンスして脱脂することが必要である。

本明細書で記載されたシムは製造時にブレードに取り付けられることが企図される。他方、ブレードが許容可能な状態である限り、既存のブレードに後付けすることができる。

現時点で最も実用的かつ好ましい実施形態であると考えられるものに関して本発明を説明してきたが、本発明は、開示した実施形態に限定されるものではなく、逆に特許請求の範囲の技術思想及び技術的範囲内に含まれる様々な改良及び均等な構成を保護しようとするものであることを理解されたい。

１０ ブレード
１２ 翼形部部分
１４ ダブテール取り付け部分
１６ 前縁
１８ 後縁
２２ 負圧側面

Claims (19)

1. 翼形部部分と取り付け部分とを備え、前記翼形部部分が前縁及び後縁を有し、前記前縁には耐エロージョン性シムが取り付けられている、圧縮機ブレード。
2. 前記シムが、ＴｉＮ、Ｔｉ／ＴｉＮ、ＴｉＮ／ＣｒＮ、及びＮｉＣｒＷＣからなる群から選択される材料から構成される、請求項１の圧縮機ブレード。
3. 前記シムが、Ｃｒ、Ａｌ、又はＴｉリッチ材料からなる群から選択される成分から少なくとも一部が構成される、請求項１の圧縮機ブレード。
4. 前記シムが、耐エロージョン及び／又は耐腐食材料でコーティングされた金属から構成される、請求項１の圧縮機ブレード。
5. 前記シムが、溶接、ろう付け、又ははんだ付けによって取り付けられる、請求項１の圧縮機ブレード。
6. 前記シムが接着によって取り付けられる、請求項１の圧縮機ブレード。
7. 前記シムが複数のシムセグメントを含む、請求項１の圧縮機ブレード。
8. 前記シムが、約１と約２５ミル厚の間である、請求項１の圧縮機ブレード。
9. 前記シムがポリマー材料で作られる、請求項１の圧縮機ブレード。
10. 前記ポリマー材料がポリプロピレンを含む、請求項９の圧縮機ブレード。
11. 圧縮機ブレード翼形部の前縁部分の耐エロージョン性及び／又は耐腐食性を向上させる方法であって、
    前記圧縮機ブレード翼形部の前縁部分を準備する段階と、
    前記前縁部分に１以上のシムを取り付ける段階と
    を含む方法。
12. 前記ステップ（ａ）が、フライス加工、ショットピーニング、グリットブラスティング、バレル研磨、又は上記の組み合わせにより行われる、請求項１１に記載の方法。
13. 前記シムが、ＴｉＮ、Ｔｉ／ＴｉＮ、ＴｉＮ／ＣｒＮ、及びＮｉＣｒＷＣからなる群から選択される材料から構成される、請求項１１に記載の方法。
14. 前記シムが、ＴｉＮ、Ｔｉ／ＴｉＮ、ＴｉＮ／ＣｒＮ、及びＮｉＣｒＷＣからなる群から選択される材料から構成される、請求項１１に記載の方法。
15. 前記シムが、耐エロージョン及び／又は耐腐食材料でコーティングされた金属から構成される、請求項１１に記載の方法。
16. 前記シムが、溶接、ろう付け、又ははんだ付けによって取り付けられる、請求項１１に記載の方法。
17. 前記シムが接着によって取り付けられる、請求項１１に記載の方法。
18. 前記シムがポリウレタンテープで作られる、請求項１１に記載の方法。
19. 前記シムがポリマー材料で作られる、請求項１１に記載の方法。

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