次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。本実施形態の間仕切装置の構造として、単位パネルを上下左右に連結して構成する積上げ式の構造を示しているが、本発明はその構造には限定されず、上下方向に一枚物の間仕切パネルを左右に連結して構成するものでも良く、前記単位パネルを上下に積上げたものを間仕切パネルと見なしても良い。つまり、本発明は最上段の単位パネルの上端あるいは間仕切パネルの上端に沿って笠木を設けるとともに、連結部に配したコーナーポストあるいはエンドポストの上端にキャップを有する構造において、それらの組立構造に係るものであるから、パネルの連結構造等には影響されない。
図1〜図4は、本実施形態の間仕切装置の一部分を示し、図1は直線状連結部、図2はL字状連結部、図3はT字状連結部、図4は終端部であり、図中符号1は単位パネル、2は笠木、3は笠木キャップ、4はコーナーポスト、5はポストキャップ、6はエンドポスト、7はエンドキャップをそれぞれ示している。
本実施形態に係る積上げ式間仕切装置は、アルミ押出し型材からなる複数の単位パネル1,…を連結手段にて上下左右に連結して所望の高さ及び長さの間仕切装置を構成するとともに、各単位パネル1の上端に同じくアルミ押出し型材からなる笠木2を取付け、該笠木2の一端には笠木キャップ3を設け、更に単位パネル1,…をL字状、T字状あるいは十字状に連結するためにコーナーポスト4を介在させ、該コーナーポスト4の上端にポストキャップ5を嵌着して前記笠木キャップ3と連設し、またパネル終端部には終端面を処理するためにエンドポスト6を連結し、該エンドポスト6の上端にエンドキャップ7を嵌着して前記笠木キャップ3と連設し、前記笠木2、笠木キャップ3、ポストキャップ5及びエンドキャップ7とで、外観的に一連となった上部構造を構成している。
最初に、図1、図5〜図11を用いて本実施形態の間仕切装置を説明する。前記単位パネル1を上下左右に連結する連結手段は、下連結具8、上連結具9及び締結具10とから構成されている。また、前記笠木2は、アルミ押出し型材からなる笠木ベース11と笠木カバー12、及び笠木2の一端に嵌着する前記笠木キャップ3とから構成されている。
前記単位パネル1は、表面板13と裏面板14とが下嵌合部15と上嵌合部16及び単又は複数の連結部17,…で連結された中空形状であり、両側切断面において中央部に凹溝18を形成し、両側に切断面を覆う鍔部20と中央部に凹溝部21を設けた端部部材19を、該凹溝部21を凹溝18に嵌合するとともに、前記連結部17,…にネジ止めし、該端部部材19の凹溝部21内に下係止部22と上係止部23を形成したものである。
実際には、前記凹溝18は、下嵌合部15と上嵌合部16及び単又は複数の連結部17,…の中央部を切り欠いて形成する。そして、前記連結部17の中央部に一体形成された断面C字形の下穴24に前記端部部材19の凹溝部21の底部から貫通させたタッピンねじ25を螺合して取付ける。また、前記端部部材19は、図8に示すように、前記凹溝18に嵌合する部分は筒状になっており、複数の単位パネル1,…に跨って取付ける場合に長尺になっても十分な剛性を確保しているため、前記凹溝部21は浅くなっている。前記前記凹溝部21の底面部26の下端部を切り欠いて前記下係止部22を形成するとともに、該底面部26の上端部を切り欠いて前記上係止部23を形成している。
そして、前記単位パネル1の下嵌合部15と上嵌合部16は、互いに凹凸嵌合してパネル面外方向の変位を規制する構造となっている。具体的には、前記下嵌合部15には下方へ開放した係合溝27,27を形成し、前記上嵌合部16には前記下嵌合部15の係合溝27に係入する上方へ突設した突部28,28を突設している。そして、前記上嵌合部16の突部28,28の間には、開口縁よりも内部が広がった嵌合溝29を形成している。更に、前記単位パネル1の表面板13と裏面板14の上下縁に沿って係止縁30,…を形成し、上下に位置する単位パネル1,1の係止縁30,30を対向させ且つその間に開口部31を設けて上下の単位パネル間に沿ってハンギング溝32を形成するようになっている。尚、前記ハンギング溝32は、前記係止縁30の他に前記下嵌合部15と上嵌合部16の一部も使用して構成され、上下の単位パネル1,1の接合線が該ハンギング溝32の開口部31の上縁に一致するように設定し、接合線が見立たないようにしている。同様に、前記笠木カバー12と単位パネル1間にもハンギング溝32が形成される。このハンギング溝32が横目地となるのである。
次に、前記単位パネル1,1を上下左右に連結する連結構造について、図5〜図7に基づいて具体的に説明する。本実施形態の場合、連結部には支柱を介在させず、共通の連結手段で上下方向の連結と左右方向(横方向)の連結を同時に実現することが特徴である。前記下連結具8は、ブロック状の金属部材であり、両側に前記下係止部22に下方から係止する係止爪部33,33を上部に有するとともに、上部中央部に筒部を突設して角孔34を形成し、更に下部に第1係合部35を形成している。
一方、前記上連結具9は、ブロック状の金属部材であり、両側に前記上係止部23に上方から係止する係止爪部36,36を下部に有するとともに、下部中央部に筒部を突設して角孔37を形成し、該角孔37の内部に上下貫通した通孔38を形成し、更に上部に第2係合部39を形成している。ここで、前記下連結具8の下方へ突設した第1係合部35が側面視略T字形の係合凸部であり、前記上連結具9の第2係合部39が内部よりも開口部が狭い係合凹部であり、前記第1係合部35と第2係合部39がパネル面内方向にスライド係合してそれぞれ互いに上下変位不能に係合する構造である。ここで、前記単位パネル1の上嵌合部16の嵌合溝29と上連結具9の第2係合部39とは断面形状を略一致させている。
そして、前記締結具10は、前記下連結具8の角孔34と前記上連結具9の角孔37に上下摺動可能に嵌入する断面正方形の連結軸40と締結ネジ41とからなっている。前記連結軸40の下端部は、下連結具8の角孔34に嵌合し、側方からC字形のバネピン42を筒部と連結軸40に密嵌して固定する。前記連結軸40の上端部には、軸方向に螺孔43を形成してあり、上端部を前記上連結具9の角孔37に嵌合し、締結ネジ41を上方から通孔38に通して螺孔43に螺合する。ここで、前記締結具10は、全て両端部部材19,19の凹溝部21,21内に収容されるようになっている。
そして、前記単位パネル1,…を上下左右に連結するには、下段から上段へ順次、下連結具8、上連結具9及び締結具10を用いて行う。先ず、前記連結軸40の下端部に取付けた下連結具8の両係止爪部33,33を、左右の単位パネル1,1の端部同士、具体的にはそれぞれの端部部材19,19の鍔部20,20同士を接合し、各端部部材19,19の下係止部22,22に係止する。この際に、前記連結軸40は凹溝部21,21で形成される縦孔内に立起状態で位置する。それから、上方から前記上連結具9の角孔37内に連結軸40の上端部を嵌合するとともに、両係止爪部36,36を各端部部材19,19の上係止部23,23に係止し、上方から締結ネジ41を通孔38を通して挿入し、前記連結軸40の螺孔43に螺合する。この締結ネジ41を締め付けることにより、下連結具8と上連結具9を引き付けるとともに、前記係止爪部33,33及び係止爪部36,36の傾斜を利用して左右の単位パネル1,1を引き寄せて連結するのである。
ここで、前記端部部材19の一方の鍔部20には、凹溝部21の開口部に沿って突条20Aを形成するととともに、他方の鍔部20には、凹溝部21の開口部に沿って条溝20Bを形成している。そして、左右の単位パネル1,1を連結する際に、各端部部材19,19の鍔部20,20を接合すると、前記突条20Aと条溝20Bが係合し、パネル面外方向への変位を規制し、正確な位置で連結することができるようになっている。ここで、左右の単位パネル1,1間に有する互いに接合した一対の鍔部20,20が、縦目地を構成する。
そして、既に左右に連結した単位パネル1,…の上段に単位パネル1,1を連結するには、図1及び図5に示すように、下段の単位パネル1,1の連結に用いた上連結具9を利用する。具体的には、前記連結軸40の下端部に取付けた下連結具8の第1係合部35を、下段の連結に用いた上連結具9の第2係合部39にパネル面内方向からスライド係合させて立起状態に維持し、その状態で両単位パネル1,1の下嵌合部15を、下段の単位パネル1,1の上嵌合部16に載置して凹凸嵌合するとともに、各端部部材19,19の下係止部22,22を下連結具8の両係止爪部33,33に係合させる。その後は、前記同様に上方から前記上連結具9の角孔37内に連結軸40の上端部を嵌合するとともに、両係止爪部36,36を各端部部材19,19の上係止部23,23に係止し、上方から締結ネジ41を通孔38を通して挿入し、前記連結軸40の螺孔43に螺合する。すると、前記下連結具8が引き上げられ、該第1係合部35が下方の上連結具9の第2係合部39に強く係合する。この際、前記下連結具8の両係止爪部33,33が各端部部材19,19の下係止部22,22に同時に強く接触するように寸法設定することが好ましい。
次に、前記笠木ベース11及び笠木カバー12を最上段の単位パネル1の上端、巾木部材44を最下段の単位パネル1の下端にそれぞれ連結する構造を図1、図2、図4〜図7に基づいて簡単に説明する。前記笠木ベース11、笠木カバー12及び巾木部材44は、アルミ押出し型材から作製されており、前記単位パネル1の横幅に応じて適宜長さに切断される。前記笠木ベース11の下部の嵌合部45の形状は、前記単位パネル1の下嵌合部15の形状と類似し、また前記巾木部材44の上部の嵌合部46の形状は、前記単位パネル1の上嵌合部16の形状と一致している。前記笠木カバー12は、笠木ベース11を完全に覆うように上方から外嵌する。
前記笠木ベース11を最上段の単位パネル1の上端に取付けるには、該笠木ベース11の底面を貫通させたネジ47を前記単位パネル1の上嵌合部16に形成した嵌合溝29内に側端から挿入した係止部材48に螺合して締め付ける。具体的には、前記笠木ベース11の底面に、前記ネジ47を挿通する通孔49とその両側に角穴50,50を形成する。そして、前記係止部材48は、前記嵌合溝29に上方への抜止め状態でスライド係合する長方形の板片の中央部に螺孔51を形成するとともに、その両側に前記嵌合溝29から上方へ突出し、前記笠木ベース11の角穴50,50に嵌入する突起52,52を上方へ向けて形成している。そして、前記係止部材48を単位パネル1の嵌合溝29に係合した状態で、前記笠木ベース11の嵌合部45を単位パネル1の上嵌合部16に嵌合するとともに、前記係止部材48の突起52,52を笠木ベース11の角穴50,50に嵌合し、上方から通孔49にネジ47を通して係止部材48の螺孔51に螺合して取付ける。
また、隣接する単位パネル1,1の連結部においては、両側の笠木ベース11,11にわたる長さの連結板53を用いて強固に連結する。前記連結板53の両端部には、前記笠木ベース11の通孔49と角穴50,50とに対応させて通孔54と角穴55,55をそれぞれ形成している。そして、前記笠木ベース11の角穴50,50から上方へ突出した前記係止部材48の突起52,52に、前記連結板53の角穴55,55を嵌合した状態で、該連結板53の通孔54と笠木ベース11の通孔49を通したネジ47を係止部材48の螺孔51に螺合して取付ける。前記連結板53の両側がそれぞれ隣接する笠木ベース11,11を介して単位パネル1,1に連結される。
そして、前記笠木カバー12は、断面略コ字形であり、その凹溝内上面には断面L字形の一対の係止片56,56が平行に対向形成され、合成樹脂製の嵌合部材57の上部の係止板58を回転係合できるようになっている。前記笠木カバー12には、所定数の嵌合部材57,…を装着した状態で、前記笠木ベース11に上方から嵌合すると、前記嵌合部材57の下部に形成した脚片59,59が笠木ベース11の内部に弾性的に係合する。
前記巾木部材44は、両端部に前記単位パネル1の凹溝18と同様な凹溝60を形成し、該凹溝60に上段の単位パネル1の端部部材19の下方延長部を嵌合し、前記同様にネジ止めするとともに、上部の嵌合部46を単位パネル1の下嵌合部15に凹凸嵌合する。尚、前記巾木部材44には適宜アジャスター61を設けている。
ここで、本実施形態に係る間仕切装置は、現場で順次積上げて構築することが特徴であるが、下部は最小限の高さが必要であるので、当該巾木部材44と1枚〜4枚の単位パネル1,…を予め工場出荷時点で連結しておくことも好ましい。その場合には、長尺の前記端部部材19,19を用いて巾木部材44と単位パネル1,…を上下に連結する。あるいは、取り扱いができる程度に、複数の単位パネル1,…を上下に凹凸嵌合するとともに、両端の各凹溝18,…に亘って長尺の端部部材19,19の凹溝部21を嵌合し、タッピンねじ25で強固に連結して一体物の複合パネルを形成し、これを単位パネル1と同様に扱って前述のように上下左右に連結することも可能である。そして、この複合パネルを左右に連結するには、上下高さに応じた長尺の連結軸40を用意するだけで良く、その他の下連結具8や上連結具9は共通のものを使用できる。
前記笠木ベース11と笠木カバー12の一端部には、図12に示す合成樹脂製の笠木キャップ3を嵌着して端部を閉塞している。尚、前記笠木キャップ3には、前記笠木ベース11及び笠木カバー12の端面を覆うフランジ部62を有し、該フランジ部62の厚さは、前記端部部材19の鍔部20の厚さの2倍とし、左右の連結部において一方の側の笠木ベース11と笠木カバー12の端部にのみ笠木キャップ3を嵌着し、他方の側の笠木ベース11と笠木カバー12の端面は前記フランジ部62を当接するようになっている。前記笠木キャップ3は、前記フランジ部62から前記笠木ベース11に上方から嵌着する装着部63を延設し、またフランジ部62の下部には前記上連結具9を収容するため、あるいは前記連結板53を通過させるための凹部64を設けている。そして、前記笠木キャップ3のフランジ部62の外周面に、厚さ方向中央部に最深部を有するV字溝65を形成している。
ここで、前記笠木ベース11は、図5及び図8に示すように、断面において表裏両側部に前記ハンギング溝32の上部を構成する断面T字形の係止条66,66を有するとともに、該係止条66,66の内側に立起した板状の保持条67,67を形成し、両保持条67,67の中間部に突条68を形成し、該突条68と保持条67,67の間に条溝69,69を有している。前記連結板53は、前記笠木ベース11の突条68の上面と両保持条67,67との間に嵌合状態で連結される。そして、前記嵌合部材57の両脚片59,59は、前記笠木ベース11の条溝69,69内で前記保持条67,67の内側の突起に係合して保持される。また、前記笠木キャップ3の装着部63は、中央部の押え部63Aとその両側の保持片63B,63Bとで構成され、図7に示すように、前記笠木ベース11の両保持条67,67の外側に保持片63B,63Bが嵌合し、前記係止条66,66の基部に当止して保持される。そして、前記笠木ベース11に笠木カバー12を前記嵌合部材57,…を用いて装着すると、断面において笠木カバー12の両側板70,70の内面に設けたフック片71,71を前記笠木ベース11の係止条66,66の上縁に係止するとともに、該笠木カバー12の内面で前記笠木キャップ3の押え部63Aを当止するようになっている。
図13及び図14は、パネルの上部において直線状連結部の構造を示し、先ず単位パネル1,1同士を連結し(図13(a)参照)、それから各単位パネル1,1の上端に前記笠木ベース11を、連結板53と係止部材48を用いて強固に連結した後、一方の笠木ベース11の端部に上方から前記笠木キャップ3の装着部63を嵌合し(図13(b)参照)、最後に各笠木ベース11の上に笠木カバー12を前記嵌合部材57,…を用いて装着するのである(図13(c)参照)。図14(a)は、各単位パネル1,1の上端に笠木ベース11を取付けた状態の正面図を示し、両笠木ベース11,11の間には、前記端部部材19の鍔部20の二倍の厚さに相当する隙間を設けている。図14(b)は、一方の笠木ベース11の端部に前記笠木キャップ3の装着部63を嵌合し、前述の隙間をフランジ部62で埋めた状態を示している。尚、実際の施工においては、一方の笠木ベース11を取付け、その端部に笠木キャップ3を嵌着し、それから他方の笠木ベース11を前記笠木キャップ3のフランジ部62に接合させて取付けるのである。図14(c)は、各笠木キャップ3に笠木カバー12を装着した状態を示している。
このように複数の単位パネル1,…を上下左右に連結した状態は、図1に示している。この場合、上下の単位パネル1,1間に形成したハンギング溝32は左右に連続して目地部を兼ねている。また、左右の単位パネル1,1間には端部部材19,19の鍔部20,20が重なって存在している以外に何もなく、すっきりとした外観となっている。同様に、最上段の単位パネル1と笠木カバー12との間にも前記同様なハンギング溝32が設けられている。また、最下段の単位パネル1と前記巾木部材44との間にも前記同様なハンギング溝32が設けられている。そして、前記単位パネル1の表面板13と裏面板14、笠木カバー12及び巾木部材44の側面は、横方向に延び、上下方向に繰り返しの波形面となっており、全体として統一的な意匠を構成している。
尚、前記下連結具8の第1係合部35は、前記単位パネル1の上嵌合部16に形成した嵌合溝29にスライド係合することが可能であるので、下段の連結に供した上連結具9の第2係合部39に係合させなくても、上段に単位パネル1を積上げて連結することが可能である。
次に、図2、図15〜図20に基づいて、L字状連結部の構造を説明する。前記単位パネル1,…を、コーナーポスト4(4A)を用いてL字状に連結する。前記コーナーポスト4は、ポスト本体72とポストカバー73及びポストキャップ5とで構成されている。本発明は、前記ポスト本体72は、前記単位パネル1に対応する上下寸法を有し、複数のポスト本体72,…を上下に複数接続し、各ポスト本体72にそれぞれ前記ポストカバー73を係止してなるのである。前記ポスト本体72の隣接した二面に、それぞれ単位パネル1,1を連結し、残りの2面の外側面に外面に平面視L字形のポストカバー73を取付けるようになっている。前記ポスト本体72は、アルミ押し出し型材から作製し、中央部に四角形の筒部74を有し、その一つのコーナー部から矢印形断面のエッジ部75を形成し、該エッジ部75に対向する二つのコーナー部に断面略L字状の延長部76,76をそれぞれ形成し、エッジ部75と延長部76とで凹溝部77を形成するとともに、延長部76の端縁に一体形成した外側へ延びた鍔部78とエッジ部75の一面とで前記単位パネル1の端部部材19の鍔部20,20に接合するようになっている。そして、前記ポスト本体72の外側二面の上下部に係止具82を嵌着する開口79,79を形成している。ここで、前記係止具82には、上向きの係止片83を有している。そして、前記ポスト本体72の凹溝部77内の下端部と上端部にそれぞれ下係止部80と上係止部81を形成し、前記同様に下連結具8、上連結具9及び締結具10を用いて単位パネル1の端部部材19に連結できるようになっている。ここで、単位パネル1とコーナーポスト4との間に有する互いに接合した一対の鍔部20と鍔部78が、縦目地を構成する。
前記ポストカバー73は、図17に示すように、前記単位パネル1の表面と同じ波形面を形成したアルミ押し出し型材を加工して平面視L字形に形成したものである。この型材は、内側の上端部と下部とに下向きの係止部84,84を形成し、上下縁には前記単位パネル1の係止縁30と同様な端縁85,85を形成し、更に内側の上部と下端部に上向きの係止部86,86を形成し、90度に折曲したコーナー部に係止部86を利用して合成樹脂製のL字形保形部材87を嵌合して形状を維持している。前記型材は端面に45度の傾斜面を形成し、それらを互いに接合した状態で前記保形部材87を上下の両係止部86,86に嵌合する。あるいは、型材を完全に切り離さずに、該型材の途中に90度のV字形の切れ込みを入れ、この部分で折曲して切断面を接合し、90度の角度のコーナー部を形成することも可能である。前記係止部84と係止部86は、断面略L字形であり、型材の押し出し方向(長手方向)に沿って平行に形成されている。
そして、前記ポスト本体72の二対あるエッジ部75と鍔部78を有する側に単位パネル1の端部部材19を接合して前記同様に下連結具8、上連結具9及び締結具10にて連結する。前記ポスト本体72の残りの二面の開口79,…にそれぞれ前記係止具82,…を取付け、前記ポストカバー73の係止部84を係止する。図26(a)は、前記ポスト本体72にL字形のポストカバー73を取付けた状態の横断面図である。
前記ポストキャップ5は、図15及び図16に示すように、下部に前記ポスト本体72の筒部74の上端部に嵌合する嵌合突起88を突設するとともに、連結側の一側面に爪片89を突設し、前記笠木キャップ3の凹部64で該爪片89を上方から当止し、抜止めを図っている。更に、前記ポストキャップ5は、前記爪片89を突設した一側面以外の三側面は前記笠木カバー12と同様の外観の化粧面とし、具体的には単位パネル1の表面板13と同様な横方向に延び、上下方向に繰り返しの波形面としている。また、前記ポスト本体72の上端にポストキャップ5を嵌着した状態で、該ポスト本体72のパネル連結面側において当該ポストキャップ5の側面が、前記笠木キャップ3のフランジ部62の厚さの半分だけ内側に位置している。つまり、前記笠木キャップ3のフランジ部62とポストキャップ5の側面が接合した状態では、該フランジ部62の半分がポスト本体72の鍔部78を含む縁部に重なるようになり、それにより縦目地とフランジ部62が上下に連続するのである。
図18(a)に示すように、前記ポスト本体72を介して二つの単位パネル1,1を平面視L字状に連結した後、図18(b)に示すように、前記ポスト本体72の上端にポストキャップ5を嵌着する。この状態で、前記ポスト本体72の連結側の二面において、該ポスト本体72の鍔部78及びエッジ部75の周端部がポストキャップ5から露出するように寸法設定されている。また、各単位パネル1の上端に前述のように笠木ベース11と取付けた状態で、該笠木ベース11の端部とポストキャップ5の間に前記鍔部20の二倍の厚さの間隙を設ける。前記ポストキャップ5の爪片89は、一方の連結側に突出している。それから、図19(a)に示すように、前記ポストキャップ5に対面する各笠木ベース11の端部に、前記笠木キャップ3を上方から嵌合して取付けることにより、前記ポストキャップ5の爪片89が一方の笠木キャップ3の凹部64で上方から当止される。ここで、前記フランジ部62の凹部64を形成した部分の下縁が、前記ポストキャップ5の爪片89を上方から当止する当止部となるが、勿論、パネルの連結手段、特に上連結具9との関係、及び連結板53の関係で凹部64を設ける必要がなければフランジ部62の下縁が、そのまま前記ポストキャップ5の爪片89を上方から当止する当止部となる。ここで、前記笠木キャップ3のフランジ部62の厚さの半分は、前記ポスト本体72の鍔部78とエッジ部75の縁部に載置される。最後に、図19(b)に示すように、各笠木ベース11の上に笠木カバー12を前記嵌合部材57,…を用いて装着するのである。それにより、図20に示すように、前記笠木キャップ3の装着部63が笠木カバー12によって上方から押さえ込まれ、笠木キャップ3の上方移動が規制され、もって前記ポストキャップ5の持ち上がりが規制され、前記ポスト本体72から容易に外れなくなるのである。
前記保形部材87は、図21に示すように、二つの嵌合片90,90が平面視L字形に配した合成樹脂製部材であり、両嵌合片90,90が前記ポストカバー73の上向き係止部86,86に上方から嵌合し、その嵌合状態を維持するため、各嵌合片90には前記係止部86に圧接する弾性片91を一部に形成している。
上下のポストカバー73,73の間には、前記ハンギング溝32に連続する横溝92が形成され、合成樹脂製のポストキャップ5と最上段のポストカバー73の間にも横溝92が形成され、前記ハンギング溝32と連続する。
また、図3及び図22に示すように、T字状連結部においては、前述のL字状連結部と略同じであるが、この場合のコーナーポスト4(4B)のポスト本体93は、隣接する二つのコーナー部にエッジ部75,75を有し、各エッジ部75に隣接するコーナー部にそれぞれ前記同様の延長部76を形成し、またポストカバー94が直線状の平面視形状を有している。この場合も、前記ポスト本体93は、前記単位パネル1に対応する上下寸法を有し、複数のポスト本体93,…を上下に複数接続し、各ポスト本体93にそれぞれ前記ポストカバー94を係止してなるのである。図22(a)に示すように、前記ポスト本体93の二つのエッジ部75,75を有する一面と、各エッジ部75と隣接するコーナー部の鍔部78を有する二面に、それぞれ単位パネル1の端部部材19を接合して前記同様に下連結具8、上連結具9及び締結具10にて連結する。そして、図示しないが、ポスト本体93の外側一面に前記同様に形成した開口79,79に係止具82,82を嵌着し、直線状のポストカバー94の係止部84,84を係止して保持する。そして、前記同様に上下のポストカバー94,94の間には、前記ハンギング溝32に連続する横溝95が形成され、ポストキャップ5と最上段のポストカバー94の間にも横溝95が形成されている。また、図22(b)に示すように、前記ポストキャップ5の連結側三面には、それぞれ笠木ベース11に嵌着し、笠木カバー12で押さえ込まれた笠木キャップ3のフランジ部62が当接するとともに、何れかの笠木キャップ3の凹部64で前記ポストキャップ5の爪片89を当止して抜止めを図っている。
そして、図23に示すように、十字状連結部においては、前記コーナーポスト4(4C)のポスト本体96の4つのコーナー部にエッジ部75,…を形成した構造とし、各面に単位パネル1,…を連結するので、前述のようなポストカバーは不要である。つまり、図23(a)に示すように、前記ポスト本体96の各エッジ部75,75に単位パネル1の端部部材19を接合して前記同様に下連結具8、上連結具9及び締結具10にて連結する。そして、前記同様に、前記ポストキャップ5の連結側四面には、それぞれ笠木ベース11に嵌着し、笠木カバー12で押さえ込まれた笠木キャップ3のフランジ部62が当接するとともに、何れかの笠木キャップ3の凹部64で前記ポストキャップ5の爪片89を当止して抜止めを図っている(図23(b)参照)。
最後に、図24及び図18に基づいて、終端部の処理を説明する。終端に位置する単位パネル1の端部に、エンドポスト6のポスト本体97を前記同様に連結するとともに、ポスト本体97の側面を覆うように平面視コ字形のエンドカバー98を取付け、そしてポスト本体97の上端にエンドキャップ7を嵌着する。エンドポスト6は、ポスト本体97、エンドカバー98及びエンドキャップ7で構成されている。この場合も、前記ポスト本体97は、前記単位パネル1に対応する上下寸法を有し、複数のポスト本体97,…を上下に複数接続し、各ポスト本体97にそれぞれ前記エンドカバー98を係止してなるのである。尚、本実施形態では、エンドカバー98と称しているが、機能的には前記ポストカバー73、98と同様である。
前記ポスト本体97は、前記端部部材19と類似した断面形状を持つアルミ押し出し型材から作製し、前記コーナーポスト4の凹溝部77と同様な凹溝部99とその両側に鍔部100,100を有している。このポスト本体97の鍔部100,100と単位パネル1の端部部材19の鍔部20,20を接合した際に、前記同様にパネル面外方向へズレないように凹凸嵌合するようにしている。そして、前記ポスト本体97の凹溝部99の内部の下端部に前記下係止部80と同様な下係止部101を形成し、上端部に前記上係止部81と同様な上係止部102を形成し、前記下連結具8、上連結具9及び締結具10を用いて端部部材19にポスト本体97を連結できるようにしている。図24及び図26(b)に示すように、前記ポスト本体97の凹溝部99の上下部の底部に開口103,103を形成し、該開口103,103に係止具82を取付け、該係止具82の上向き係止片83に前記エンドカバー98の係止部84,84を係止する。ここで、単位パネル1とエンドポスト6との間に有する互いに接合した一対の鍔部20と鍔部100が、縦目地を構成する。
前記エンドカバー98は、前記ポストカバー73と同じ型材を用いて、平面視コ字形に成形し、前記係止部86,86コーナー部に前記保形部材87をそれぞれ嵌着して作成する。ここで、上下のエンドカバー98の端縁85,85の間には、図4に示すように、前記ハンギング溝32に連続する横溝104が形成される。また、最上段のエンドカバー98の上端と前記笠木2の端部の空間部には、合成樹脂製のエンドキャップ7を取付け、該エンドキャップ7と最上段のエンドカバー98の間にも前記同様な横溝104が形成されるようになっている。
そして、前記エンドキャップ7の下部には前記ポスト本体97の上端部に嵌合する嵌合突起105を形成するとともに、連結側の一側面には爪片106を突設している。そして、前記エンドキャップ7の嵌合突起105をポスト本体97の上端部に嵌合した後、前記笠木ベース11の端部に上方から嵌合した前記笠木キャップ3の凹部64で爪片106を上方から当止し、更に笠木キャップ3の上方から笠木カバー12を嵌着することにより、該笠木カバー12の端部で笠木キャップ3の装着部63を上方から当止することから、当該笠木キャップ3が上方へ抜けることを防止している。また、前記単位パネル1を左右で高さを段違いに連結する場合もあるが、その場合には、高い方の単位パネル1の側端には前記エンドポスト6を連結して端部を隠蔽する。
図27には、その他の各種コーナーポストのポスト本体にポストカバーを装着した断面図を示している。何れの場合も、ポスト本体は、前記単位パネル1に対応する上下寸法を有し、複数のポスト本体を上下に複数接続し、各ポスト本体にそれぞれ前記ポストカバーを係止してなるのである。
図27(a)は、前述の平面視T字状連結部に使用するコーナーポスト4Bを示している。このコーナーポスト4Bのポスト本体93は、三面に前記単位パネル1,…を連結する凹溝部77,…を設け、残りの一面に直線状のポストカバー94を装着したものである。このポストカバー94には、前記ポストカバー73を作製した型材をそのまま切断して用い、前記係止具82でポスト本体93に係着する。
図27(b)は、間仕切装置の終端部に前記エンドポスト6よりは強度の高い端部ポスト107を設ける場合を示し、該端部ポスト107のポスト本体108は、前記同様に筒部74の一側面のみに凹溝部77を設けた構造であり、その他の三面に平面視コ字形のポストカバー109を装着している。このポストカバー109は、前記エンドカバー98とは両側化粧面の寸法が異なり、その他の構造は全く同じである。
図27(c)は、直線状に単位パネル1,1を連結する場合、中間ポスト110を介して連結する場合を示している。具体的には、中間ポスト110のポスト本体111は、筒部74の対向する二面に前記単位パネル1,1を連結する凹溝部77,77を形成し、他の二面には前記ポストカバー94と同様な直線状のポストカバー112をそれぞれ係止具82で係着している。