次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1〜図8は本発明に係る積上げ式間仕切装置の第1実施形態を示し、図中符号1は単位パネル、2は下連結具、3は上連結具、4は締結具をそれぞれ示している。
本発明に係る積上げ式間仕切装置は、アルミ押出し型材からなる複数の単位パネル1,…を下連結具2、上連結具3及び締結具4とからなる連結手段にて上下左右に連結して所望の高さ及び長さの間仕切装置を構成するものである。更には、同じくアルミ押出し型材からなる笠木部材5、笠木カバー6及び巾木部材7が、直線状に連結して間仕切装置を構築するための最小構成となる。それ以外に、パネル終端面の処理やL字状、T字状あるいは十字状に連結するための端部カバーやコーナーポスト及びポストカバー等が必要であるが、これらの構成については後述する。尚、アルミ押出し型材の代わりに、合成樹脂製の押出し型材を用いることも可能である。
先ず、図1〜図8に示すように、前記単位パネル1は、上下幅が200mmを基本寸法とし、横幅はアルミ押出し型材を適宜な長さに切断して450〜3600mmまでの範囲で複数種類を作製する。何れの横幅の単位パネル1も両端部の後加工は共通する。具体的には、前記単位パネル1は、表面板8と裏面板9とが下嵌合部10と上嵌合部11及び単又は複数の連結部12,…で連結された中空形状であり、両側切断面において中央部に凹溝13を形成し、両側に切断面を覆う鍔部15と凹溝部16を設けた端部部材14を、該凹溝部16を凹溝13に嵌合するとともに、前記連結部12,…にネジ止めし、該端部部材14の凹溝部内に下係止部17と上係止部18を形成したものである。
実際には、前記凹溝13は、下嵌合部10と上嵌合部11及び単又は複数の連結部12,…の中央部を切り欠いて形成する。そして、前記連結部12の中央部に一体形成された断面C字形の下穴19に前記端部部材14の凹溝部16の底部から貫通させたタッピンねじ20を螺合して取付ける。また、前記端部部材14の凹溝部16の両側壁の途中部から互いに対向する方向に一対のリブ21,21を突設し、該リブ21,21の下端部を切り欠いて前記下係止部17を形成するとともに、該リブ21,21の上端部を切り欠いて前記上係止部18を形成している。
そして、前記単位パネル1の下嵌合部10と上嵌合部11は、互いに凹凸嵌合してパネル面外方向の変位を規制する構造となっている。具体的には、前記下嵌合部10には下方へ開放した係合溝22,22を形成し、前記上嵌合部11には前記下嵌合部10の係合溝22に係入する上方へ突設した突片23,23を突設している。更に、前記単位パネル1の表面板8と裏面板9の上下縁に沿って係止縁24,…を形成し、上下に位置する単位パネル1,1の係止縁24,24を対向させ且つその間に開口部25を設けて上下の単位パネル間に沿ってハンギング溝26を形成するようになっている。尚、前記ハンギング溝26は、前記係止縁24の他に前記下嵌合部10と上嵌合部11の一部も使用して構成され、上下の単位パネル1,1の接合線が該ハンギング溝26の開口部25の上縁に一致するように設定し、接合線が見立たないようにしている。同様に、前記笠木部材5と単位パネル1間、前記巾木部材7と単位パネル1間にもハンギング溝26が形成される。
次に、前記単位パネル1,1を上下左右に連結する連結構造について、図1〜図3に基づいて詳細に具体的に説明する。本発明の場合、連結部には支柱を介在させず、共通の連結手段で上下方向の連結と左右方向(横方向)の連結を同時に実現することが特徴である。前記下連結具2は、ブロック状の金属部材であり、両側に前記下係止部17に下方から係止する係止爪部27,27を上部に有するとともに、上部中央部に筒部を突設して角孔28を形成し、該角孔28の内部に上下貫通した通孔29を形成し、更に下部に第1係合部30を形成している。
一方、前記上連結具3は、ブロック状の金属部材であり、両側に前記上係止部18に上方から係止する係止爪部31,31を下部に有するとともに、下部中央部に筒部を突設して角孔32を形成し、該角孔32の内部に上下貫通した通孔33を形成し、更に上部に第2係合部34を形成している。ここで、前記下連結具2の第1係合部30が内部よりも開口部が狭い係合凹部であり、前記上連結具3の第2係合部34が側面視略T字形の係合凸部であり、パネル面内方向にスライド係合してそれぞれ互いに上下変位不能に係合する構造である。
そして、前記締結具4は、前記下連結具2の角孔28と前記上連結具3の角孔32に上下摺動可能に嵌入する断面正方形の連結軸35と締結ネジ36,36とからなり、前記連結軸35の両端部に軸方向に螺孔37を形成している。前記締結具4の下端部を前記下連結具2の角孔28に嵌合し、締結ネジ36を下方から通孔33に通して螺孔37に螺合する。また、前記締結具4の上端部を前記上連結具3の角孔32に嵌合し、締結ネジ36を上方から通孔33に通して螺孔37に螺合する。ここで、前記締結具4は、全て両端部部材14,14の凹溝部16,16内に収容されるようになっている。
そして、前記単位パネル1,…を上下左右に連結するには、下段から上段へ順次締結具4を用いて行う。先ず、前記連結軸35の下端部を下連結具2に連結した状態で、該下連結具2の両係止爪部27,27を、左右の単位パネル1,1の端部同士、具体的にはそれぞれの端部部材14,14の鍔部15,15同士を接合し、各端部部材14,14の下係止部17,17に係止する。この際に、前記連結軸35は凹溝部16,16で形成される縦孔内に立起状態で位置する。それから、上方から前記上連結具3の角孔28内に連結軸35の上端部を嵌合するとともに、両係止爪部31,31を各端部部材14,14の上係止部18,18に係止し、上方から締結ネジ36を通孔33を通して挿入し、前記連結軸35の螺孔37に螺合する。この締結ネジ36を締め付けることにより、下連結具2と上連結具3を引き付けるとともに、前記係止爪部27,27及び係止爪部31,31の傾斜を利用して左右の単位パネル1,1を引き寄せて連結するのである。
ここで、前記端部部材14の一方の鍔部15には、凹溝部16の開口部に沿って突条15Aを形成するととともに、他方の鍔部15には、凹溝部16の開口部に沿って条溝15Bを形成している。そして、左右の単位パネル1,1を連結する際に、各端部部材14,14の鍔部15,15を接合すると、前記突条15Aと条溝15Bが係合し、パネル面外方向への変位を規制し、正確な位置で連結することができるようになっている。
そして、既に左右に連結した単位パネル1,…の上段に単位パネル1,1を連結するには、図1に示すように、下段の単位パネル1,1の連結に用いた上連結具3を利用する。具体的には、前記連結軸35の下端部を下連結具2に連結した状態で、該下連結具2の第1係合部30を、下段の連結に用いた上連結具3の第2係合部34にパネル面内方向からスライド係合させて立起状態に維持し、その状態で両単位パネル1,1の下嵌合部10を、下段の単位パネル1,1の上嵌合部11に載置して凹凸嵌合するとともに、各端部部材14,14の下係止部17,17を下連結具2の両係止爪部27,27に係合させる。その後は、前記同様に上方から前記上連結具3の角孔28内に連結軸35の上端部を嵌合するとともに、両係止爪部31,31を各端部部材14,14の上係止部18,18に係止し、上方から締結ネジ36を通孔33を通して挿入し、前記連結軸35の螺孔37に螺合する。すると、前記下連結具2が引き上げられ、該第1係合部30が下方の上連結具3の第2係合部34に強く係合する。この際、前記下連結具2の両係止爪部27,27が各端部部材14,14の下係止部17,17に同時に強く接触するように寸法設定することが好ましい。
次に、前記笠木部材5と巾木部材7とを連結する構造を図1、図4、図5〜図8に基づいて簡単に説明する。前記笠木部材5、笠木カバー6及び巾木部材7は、アルミ押出し型材から作製されており、前記単位パネル1の横幅に応じて適宜長さに切断される。前記笠木部材5の下部の嵌合部38の形状は、前記単位パネル1の下嵌合部10の形状と一致し、また前記巾木部材7の上部の嵌合部39の形状は、前記単位パネル1の上嵌合部11の形状と一致している。
前記笠木部材5を最上段の単位パネル1の上端に取付けるには、該笠木部材5の底面を貫通させたネジ40の下部に長方形の係止片41の中央部を螺合し、前記単位パネル1の上嵌合部11の両突片23,23の間から前記係止片41を内部に挿入し、前記ネジ40を締め付けることにより、該係止片41が約80度回転して該突片23,23の下部に係止され、更に締め付けることにより笠木部材5の嵌合部38と単位パネル1の上嵌合部11が強固に嵌合する。そして、前記笠木部材5の上部には両側縁を除いて凹陥部42が形成されているので、該凹陥部42内に複数の保持具43を回転係止し、該保持具43,…に前記笠木カバー6を嵌着して凹陥部42を塞いでいる。
前記巾木部材7は、両端部に前記単位パネル1の凹溝13と同様な凹溝44を形成し、該凹溝44に上段の単位パネル1の端部部材14の下方延長部を嵌合し、前記同様にネジ止めするとともに、上部の嵌合部39を単位パネル1の下嵌合部10に凹凸嵌合する。尚、前記巾木部材7には適宜アジャスター45を設けている。
ここで、本発明に係る間仕切装置は、現場で順次積上げて構築することが特徴であるが、下部は最小限の高さが必要であるので、当該巾木部材7と1枚〜4枚の単位パネル1,…を予め工場出荷時点で連結しておくことも好ましい。その場合には、長尺の前記端部部材14,14を用いて巾木部材7と単位パネル1,…を上下に連結する。あるいは、取り扱いができる程度に、複数の単位パネル1,…を上下に凹凸嵌合するとともに、両端の各凹溝13,…に亘って長尺の端部部材14,14の凹溝部16を嵌合し、タッピンねじ20で強固に連結して一体物の複合パネルを形成し、これを単位パネル1と同様に扱って前述のように上下左右に連結することも可能である。そして、この複合パネルを左右に連結するには、上下高さに応じた長尺の連結軸35を用意するだけで良く、その他の下連結具2や上連結具3は共通のものを使用できる。
前記笠木部材5の端部には、合成樹脂製の笠木キャップ46を嵌着して端部を閉塞している。尚、前記笠木キャップ46のフランジ部47の厚さは、前記端部部材14の鍔部15の厚さと一致させ、また内部には前記上連結具3を収容する凹部48を設けている。
このように複数の単位パネル1,…を上下左右に連結した状態は、図8に主要部分を示している。この場合、上下の単位パネル1,1間に形成したハンギング溝26は左右に連続して目地部を兼ねている。また、左右の単位パネル1,1間には端部部材14,14の鍔部15,15が重なって存在している以外に何もなく、すっきりとした外観となっている。同様に、最上段の単位パネル1と笠木部材5との間にも前記同様なハンギング溝26が設けられている。また、最下段の単位パネル1と前記巾木部材7との間にも前記同様なハンギング溝26が設けられている。前記単位パネル1の表面板8と裏面板9、笠木部材5及び巾木部材7の側面は、横方向に延び、上下方向に繰り返しの波形面となっており、全体として統一的な意匠を構成している。
図9は、左右方向に連結した単位パネル1,1で笠木部材5を装着する前の状態を示している。図10は、終端部に位置する単位パネル1の端部に平面視コ字形の端部カバー49を連結部材50を介して取付けた状態を示している。図11は、二つの単位パネル1,1をコーナーポスト51とスペーサー52を介してL字状に連結するとともに、コーナーポスト51を平面視L字形のポストカバー53で覆ったL字状連結状態を示している。図12は、三つの単位パネル1,…をコーナーポスト51と二つのスペーサー52を介してT字状に連結するとともに、コーナーポスト51を平面視直線状のポストカバー54で覆ったT字状連結状態を示している。そして、図13は、四つの単位パネル1,…をコーナーポスト51と三つのスペーサー52を介して十字状に連結した十字状連結状態を示している。これらの連結状態において全てコーナーポスト51とスペーサー52は共通部材である。
先ず、図14及び図17に基づいて、終端部の処理を説明する。前記平面視コ字形の端部カバー49は、前記単位パネル1の表面と同じ波形面を形成したアルミ押し出し型材を加工して形成したものである。前記端部カバー49の内側の少なくとも上部に係止部55を形成し、上下縁には前記単位パネル1の係止縁24と同様な端縁56,56を形成している。前記連結部材50は、前記端部部材14と略同じ断面を持つアルミ押し出し型材から作製し、凹溝部57と両側に鍔部58,58を有している。この連結部材50の鍔部58,58と単位パネル1の端部部材14の鍔部15,15を接合した際に、前記同様にパネル面外方向へズレないように凹凸嵌合するようにしている。そして、前記連結部材50の凹溝部57の内部の下端部に前記同様な下係止部59を形成し、上端部に上係止部60を形成し、前記下連結具2、上連結具3及び締結具4を用いて端部部材14に連結部材50を連結できるようにしている。前記連結部材50の凹溝部57の上端部の底部に係止具61を取付け、該係止具61に前記端部カバー49の係止部55を係止するとともに、該端部カバー49の下端49Aを下段の端部カバー49の上端49Bに凹凸嵌合して保持する。ここで、上下の端部カバー49,49の端縁56,56の間には、図17に示すように、前記ハンギング溝26に連続する横溝62が形成される。また、最上段の端部カバー49の上端と前記笠木部材5の端部の空間部には、上端キャップ63を取付け、該上端キャップ63と最上段の端部カバー49の間にも前記同様な横溝62が形成されるようになっている。尚、上下の端部カバー49,49同士は凹凸嵌合させなくも良く、その場合には上下縁に単に端縁56,56のみを形成する。また、前記単位パネル1を左右で高さを段違いに連結する場合もある。その場合には、高い方の単位パネル1の側端には前記端部部材14を連結して端部を隠蔽する。
次に、図15、図16及び図18に基づいて、L字状連結部の構造を説明する。前述のように、コーナーポスト51とスペーサー52を用いて連結し、該コーナーポスト51の外面に平面視L字形のポストカバー53を取付けるようになっている。前記コーナーポスト51は、アルミ押し出し型材から作製し、中央部に四角形の筒部64を有し、その四隅から放射状に鉤片65,…が延び、一対の鉤片65,65で前記連結部材50の凹溝部57と同様な凹溝部66を形成するとともに、その両端部に鍔部67,67を一体形成した概略形状である。そして、前記コーナーポスト51の凹溝部66内の下端部と上端部にそれぞれ下係止部68と上係止部69を形成し、前記同様に下連結具2、上連結具3及び締結具4を用いて単位パネル1の端部部材14に連結できるようになっている。前記コーナーポスト51のその他の三方面は、前記凹溝部66が途中で切断された形状であり、この部分に前記スペーサー52を接合できるようになっているとともに、前記係止具61を取付けることができるように対向する両鉤片65,65の内向きリブ70,70に切欠部71を形成するとともに、下端部に下係止部72と上端部に上係止部73を形成している。前記スペーサー52は、アルミ押し出し型材から作製し、中央部に溝形状の接合部74を有し、その両側に前記端部部材14の鍔部15,15と同様な鍔部75,75を形成している。尚、前記スペーサー52の接合部74の上下端部は、前記端部部材14の下連結部17と上係止部18と同じ位置に切欠部76,76を設け、前記下連結具2と上連結具3を受け入れることができるようになっている。前記ポストカバー53は、前記端部カバー49と同一断面形状の型材を加工して、平面視L字形に成形したものであり、内面の上部に係止部77を有するとともに、下端53Aと上端53Bとは互いに凹凸嵌合する形状となっている。尚、上下のポストカバー53,53同士は凹凸嵌合させなくも良く、その場合には上下縁に前記単位パネル1の係止縁24と同様な端縁のみを形成する。
そして、前記コーナーポスト51の鍔部67,67を有する側に単位パネル1の端部部材14を接合して前記同様に下連結具2、上連結具3及び締結具4にて連結するとともに、その片隣りの面の両鉤片65,65に前記スペーサー52の接合部74を当接し、該スペーサー52の鍔部75,75に他の単位パネル1の端部部材14の鍔部15,15を接合した状態で、前記同様に下連結具2、上連結具3及び締結具4にて連結する。前記コーナーポスト51の残りの二面の切欠部71,71にそれぞれ前記係止具61,61を取付け、前記ポストカバー53の係止部77を係止し、下端53Aを下段のポストカバー53の上端53Bに凹凸嵌合して保持する。前記同様に、上下のポストカバー53,53の間には、前記ハンギング溝26に連続する横溝78が形成され、上端キャップ79と最上段のポストカバー53の間にも横溝78が形成されている。
また、図19に示すように、T字状連結部においては、前述のL字状連結部と略同じであるが、ポストカバー54が直線状の平面視形状を有している。前記コーナーポスト51の鍔部67,67を有する側に単位パネル1の端部部材14を接合して前記同様に下連結具2、上連結具3及び締結具4にて連結するとともに、その両隣りの面の両鉤片65,65にそれぞれ前記スペーサー52の接合部74を当接し、該スペーサー52の鍔部75,75に他の単位パネル1の端部部材14の鍔部15,15を接合した状態で、前記同様に下連結具2、上連結具3及び締結具4にて連結する。前記コーナーポスト51の残りの一面には、前記切欠部71に前記係止具61を取付け、前記ポストカバー54を係止するとともに、下段のポストカバー54と嵌合する。そして、前記同様に上下のポストカバー54,54の間には、前記ハンギング溝26に連続する横溝80が形成され、上端キャップ81と最上段のポストカバー54の間にも横溝80が形成されている。
そして、十字状連結部の連結構造は図示しないが、この場合には前記コーナーポスト51の4面に単位パネル1,…を連結するので、前述のような端部カバーは不要である。つまり、前記コーナーポスト51の鍔部67,67を有する側に単位パネル1の端部部材14を接合して前記同様に下連結具2、上連結具3及び締結具4にて連結するとともに、残りの三面の両鉤片65,65に前記スペーサー52の接合部74を当接し、該スペーサー52の鍔部75,75に他の単位パネル1の端部部材14の鍔部15,15を接合した状態で、前記同様に締結具4にて連結する。
また、前記コーナーポスト51の両側で単位パネル1の高さが異なる段違いの態様もある。その場合には、前記コーナーポスト51の露出面もポストカバーで覆う必要がある。L字状連結の場合に必用なコーナーポストは平面視コ字形となり、T字状連結の場合に必用なコーナーポストは平面視L字形と平面視コ字形となる。更に、十字状連結の場合には、段違いの可能性が多く、平面視直線形、L字形及びコ字形の全てのポストカバーを用いる可能性がある。
図20は、前記連結手段の他の実施形態である。本実施形態の連結手段は、下連結具2、上連結具3及び締結具4とから構成され、下連結具2には係止爪部27,27と第1係合部30を有し、上連結具3には係止爪部31,31と第2係合部34を有する点は共通である。前述の実施形態と異なる点は、前記下連結具2の中央上部に筒部82を突設し、内部に螺孔83を形成し、前記上連結具3の中央部に通孔84を形成し、締結具4は長尺のボルト85からなり、前記上連結具3の通孔84に上方から貫通したボルト85の下端部を前記下連結具2の螺孔83に直接螺合する構造である。その他の構成は前記同様であるから、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。
図21は、一部の前記単位パネル1の代わりにガラスパネル86を連結し、窓付きの間仕切装置を構成するものである。このガラスパネル86は、上横枠87と下横枠88を両側枠89,89で連結した四角形のフレームの表裏両面にガラス板90,90を貼着した構造である。前記下横枠88の下面側は、前記単位パネル1の下嵌合部10と同じ構造の嵌合部91を形成し、前記上横枠87の上面側は、前記単位パネル1の上嵌合部11と同じ構造の嵌合部92を形成し、それぞれ上下部に単位パネル1を連結できるようになっている。また、前記側枠89には、前記端部部材14を取付け、側方に単位パネル1を前記同様に連結できるようになっている。
最後に、前記ハンギング溝26を利用してオプションを取付ける使用例を、図22〜図24に基づいて簡単に説明する。図22は、前記単位パネル1の表面に沿って化粧パネル93を係止部材94,…を用いて取付けた例を示している。前記係止部材94は、円柱状の本体部95の一端部に前記ハンギング溝26の内部に係止する係止片96をL字状に形成するとともに、他端部に縮径した嵌合軸97を形成し、該嵌合軸97には内部に螺孔98を形成している。そして、上方のハンギング溝26に前記係止部材94の係止片96を上向きにして係止し、下方のハンギング溝26に前記係止部材94の係止片96を下向きにして係止した状態で、各係止部材94の嵌合軸97に前記化粧パネル93の貫通孔99を密嵌し、表側から止めネジ100を前記嵌合軸97の螺孔98に螺合して保持する。
また、図23は、前記単位パネル1の表面に沿って黒板やホワイトボード等のボード101を取付ける例を示している。前記ボード101の背面上下縁部に同一形状の支持枠102,102を互いに上下反転させて取付け、該支持枠102の背面に横長の係合溝103が形成されている。そして、上部の支持枠102の係合溝103を利用して上部係止部材104を取付け、下部の支持枠102の係合溝103を利用して下部係止部材105を取付ける。上部係止部材104は、ブロック状の本体部106の一側面に前記ハンギング溝26に係止する係止片107を形成するとともに、他側面に前記係合溝103に回転係合する小判状の係止板108を形成している。前記係合溝103は、開口部よりも内部が上下に広がった形状となっているため、前記係止板108を横向きにした状態で開口部から挿入し、90度回転させて係合溝103の上下縁に圧接状態で係止する。一方、前記下部係止部材105は、ブロック状の本体部109の下縁に前記ハンギング溝26の上側の係止縁24に弾性的に係合する係止爪110を形成するとともに、前面に前記同様の小判状の係止板111を形成し、前記同様にして下部の支持枠102の係合溝103に係止する。その状態で、上方のハンギング溝26に上部係止部材104の上向き係止片107を係止した後、下部係止部材105の係止爪110を下方のハンギング溝26の上側係止縁24に弾性的に係止する。この状態のまま、ハンギング溝26に沿ってボード101を横方向に移動させることも可能であるが、ボード101の下端を手前に引いて係止爪110をハンギング溝26から外せば、簡単に上部係止部材104の係止片107もハンギング溝26から外すことができ、所望位置まで移動させた後、同様に取付けることができる。
図24は、棚板112を一つのハンギング溝26を利用して保持する使用例を示している。前記棚板112は、複数のアルミ押し出し型材を組み合わせて構成したものであり、基端部上縁に沿って上向き係止爪113を設けるとともに、その下方に単位パネル1の表面に当止する当止部114を形成している。この場合、前記棚板112の手前を持ち上げた傾斜状態で、前記係止爪113をハンギング溝26の上部に係止した後、水平に戻すことで係止爪113の下端がハンギング溝26の下側の係止縁24に当止するとともに、当止部114が下方位置の単位パネル1の表面に当止して保持される。また、前記棚板112の下面基部には前記当止部114まで延びた傾斜面115を有し、該傾斜面115に設けた開口部に照明器具116を取付けている。
次に、図25〜図32に基づき、本発明の第2実施形態を説明する。本実施形態も基本的には前述の第1実施形態と同じであるが、単位パネル201の上下嵌合部の形状と、下連結具として凸型連結具202、上連結具として凹型連結具203を用い、締結具204を下方の凸型連結具202に固定した構造とし、更に笠木を笠木ベース205と笠木カバー206で構成し、コーナーポストをL字状、T字状、十字状の連結にそれぞれ専用のものを用いたところに違いがある。図中符号201は単位パネル、202は凸型連結具(下連結具)、203は凹型連結具(上連結具)、204は締結具をそれぞれ示している。
本実施形態の積上げ式間仕切装置も、アルミ押出し型材からなる複数の単位パネル201,…を凸型連結具202、凹型連結具203及び締結具204とからなる連結手段にて上下左右に連結して所望の高さ及び長さの間仕切装置を構成する点は同じである。そして、同じくアルミ押出し型材からなる笠木ベース205、笠木カバー206及び巾木部材207が、直線状に連結して間仕切装置を構築するための最小構成となる。それ以外に、パネル終端面の処理のための端部カバーやL字状、T字状あるいは十字状に連結するための専用コーナーポスト及びポストカバー等が必要であるが、これらの構成については後述する。尚、アルミ押出し型材の代わりに、合成樹脂製の押出し型材を用いることも可能である。
先ず、図25〜図32に示すように、前記単位パネル1は、表面板208と裏面板209とが下嵌合部210と上嵌合部211及び単又は複数の連結部212,…で連結された中空形状であり、両側切断面において中央部に凹溝213を形成し、両側に切断面を覆う鍔部215と中央部に凹溝部216を設けた端部部材214を、該凹溝部216を凹溝213に嵌合するとともに、前記連結部212,…にネジ止めし、該端部部材214の凹溝部216内に下係止部217と上係止部218を形成したものである。
実際には、前記凹溝213は、下嵌合部210と上嵌合部211及び単又は複数の連結部212,…の中央部を切り欠いて形成する。そして、前記連結部212の中央部に一体形成された断面C字形の下穴219に前記端部部材214の凹溝部216の底部から貫通させたタッピンねじ220を螺合して取付ける。また、前記端部部材214は、図28に示すように、前記凹溝213に嵌合する部分は筒状になっており、複数の単位パネル201,…に跨って取付ける場合に長尺になっても十分な剛性を確保しているため、前記凹溝部216は浅くなっている。前記前記凹溝部216の底面部221の下端部を切り欠いて前記下係止部217を形成するとともに、該底面部221の上端部を切り欠いて前記上係止部218を形成している。
そして、前記単位パネル1の下嵌合部210と上嵌合部211は、互いに凹凸嵌合してパネル面外方向の変位を規制する構造となっている。具体的には、前記下嵌合部210には下方へ開放した係合溝222,222を形成し、前記上嵌合部211には前記下嵌合部210の係合溝222に係入する上方へ突設した突部223,223を突設している。そして、前記上嵌合部211の突部223,223の間には、開口縁よりも内部が広がった嵌合溝224を形成している。更に、前記単位パネル201の表面板208と裏面板209の上下縁に沿って係止縁225,…を形成し、上下に位置する単位パネル201,201の係止縁225,225を対向させ且つその間に開口部226を設けて上下の単位パネル間に沿ってハンギング溝227を形成するようになっている。尚、前記ハンギング溝227は、前記係止縁225の他に前記下嵌合部210と上嵌合部211の一部も使用して構成され、上下の単位パネル201,201の接合線が該ハンギング溝227の開口部226の上縁に一致するように設定し、接合線が見立たないようにしている。同様に、前記笠木カバー206と単位パネル201間、前記巾木部材207と単位パネル201間にもハンギング溝227が形成される。
次に、前記単位パネル201,201を上下左右に連結する連結構造について、図25〜図27に基づいて具体的に説明する。本発明の場合、連結部には支柱を介在させず、共通の連結手段で上下方向の連結と左右方向(横方向)の連結を同時に実現することが特徴である。前記凸型連結具202は、ブロック状の金属部材であり、両側に前記下係止部217に下方から係止する係止爪部228,228を上部に有するとともに、上部中央部に筒部を突設して角孔229を形成し、更に下部に第1係合部230を形成している。
一方、前記凹型連結具203は、ブロック状の金属部材であり、両側に前記上係止部218に上方から係止する係止爪部231,231を下部に有するとともに、下部中央部に筒部を突設して角孔232を形成し、該角孔232の内部に上下貫通した通孔233を形成し、更に上部に第2係合部234を形成している。ここで、前記凸型連結具202の第1係合部230が側面視略T字形の係合凸部であり、前記凹型連結具203の第2係合部234が内部よりも開口部が狭い係合凹部であり、パネル面内方向にスライド係合してそれぞれ互いに上下変位不能に係合する構造である。ここで、前記単位パネル201の上嵌合部211の嵌合溝224と凹型連結具203の第2係合部234とは断面形状が略一致させている。
そして、前記締結具204は、前記凸型連結具202の角孔229と前記凹型連結具203の角孔232に上下摺動可能に嵌入する断面正方形の連結軸235と締結ネジ236,236とからなっている。前記連結軸235の下端部は、凸型連結具202の角孔229に嵌合し、側方からC字形のバネピン237を筒部と連結軸235に密嵌して固定する。前記連結軸235の上端部には、軸方向に螺孔238を形成してあり、上端部を前記凹型連結具203の角孔232に嵌合し、締結ネジ236を上方から通孔233に通して螺孔238に螺合する。ここで、前記締結具204は、全て両端部部材214,214の凹溝部216,216内に収容されるようになっている。
そして、前記単位パネル201,…を上下左右に連結するには、下段から上段へ順次、凸型連結具202、凹型連結具203及び締結具204を用いて行う。先ず、前記連結軸235の下端部に取付けた凸型連結具202の両係止爪部228,228を、左右の単位パネル201,201の端部同士、具体的にはそれぞれの端部部材214,214の鍔部215,215同士を接合し、各端部部材214,214の下係止部217,217に係止する。この際に、前記連結軸235は凹溝部216,216で形成される縦孔内に立起状態で位置する。それから、上方から前記凹型連結具203の角孔232内に連結軸235の上端部を嵌合するとともに、両係止爪部231,231を各端部部材214,214の上係止部218,218に係止し、上方から締結ネジ236を通孔233を通して挿入し、前記連結軸235の螺孔238に螺合する。この締結ネジ236を締め付けることにより、凸型連結具202と凹型連結具203を引き付けるとともに、前記係止爪部228,228及び係止爪部231,231の傾斜を利用して左右の単位パネル201,201を引き寄せて連結するのである。
ここで、前記端部部材214の一方の鍔部215には、凹溝部216の開口部に沿って突条215Aを形成するととともに、他方の鍔部215には、凹溝部216の開口部に沿って条溝215Bを形成している。そして、左右の単位パネル201,201を連結する際に、各端部部材214,214の鍔部215,215を接合すると、前記突条215Aと条溝215Bが係合し、パネル面外方向への変位を規制し、正確な位置で連結することができるようになっている。
そして、既に左右に連結した単位パネル201,…の上段に単位パネル201,201を連結するには、図25に示すように、下段の単位パネル201,201の連結に用いた凹型連結具203を利用する。具体的には、前記連結軸235の下端部に取付けた凸型連結具202の第1係合部230を、下段の連結に用いた凹型連結具203の第2係合部234にパネル面内方向からスライド係合させて立起状態に維持し、その状態で両単位パネル201,201の下嵌合部210を、下段の単位パネル201,201の上嵌合部211に載置して凹凸嵌合するとともに、各端部部材214,214の下係止部217,217を凸型連結具202の両係止爪部228,228に係合させる。その後は、前記同様に上方から前記凹型連結具203の角孔232内に連結軸235の上端部を嵌合するとともに、両係止爪部231,231を各端部部材214,214の上係止部218,218に係止し、上方から締結ネジ236を通孔233を通して挿入し、前記連結軸235の螺孔238に螺合する。すると、前記凸型連結具202が引き上げられ、該第1係合部230が下方の凹型連結具203の第2係合部234に強く係合する。この際、前記凸型連結具202の両係止爪部228,228が各端部部材214,214の下係止部217,217に同時に強く接触するように寸法設定することが好ましい。
次に、前記笠木ベース205及び笠木カバー206を最上段の単位パネル201の上端、巾木部材207を最下段の単位パネル201の下端にそれぞれ連結する構造を図25、図27〜図32に基づいて簡単に説明する。前記笠木ベース205、笠木カバー206及び巾木部材207は、アルミ押出し型材から作製されており、前記単位パネル201の横幅に応じて適宜長さに切断される。前記笠木ベース205の下部の嵌合部239の形状は、前記単位パネル201の下嵌合部210の形状と類似し、また前記巾木部材207の上部の嵌合部240の形状は、前記単位パネル201の上嵌合部211の形状と一致している。前記笠木カバー206は、笠木ベース205を完全に覆うように上方から外嵌する。
前記笠木ベース205を最上段の単位パネル201の上端に取付けるには、該笠木ベース205の底面を貫通させたネジ241を前記単位パネル201の上嵌合部211に形成した嵌合溝224内に側端から挿入した係止部材242に螺合して締め付ける。具体的には、前記笠木ベース205の底面に、前記ネジ241を挿通する通孔243とその両側に角穴244,244を形成する。そして、前記係止部材242は、前記嵌合溝224に上方への抜止め状態でスライド係合する長方形の板片の中央部に螺孔245を形成するとともに、その両側に前記嵌合溝224から上方へ突出し、前記笠木ベース205の角穴244,244に嵌入する突起246,246を上方へ向けて形成している。そして、前記係止部材242を単位パネル201の嵌合溝224に係合した状態で、前記笠木ベース205の嵌合部239を単位パネル201の上嵌合部211に嵌合するとともに、前記係止部材242の突起246,246を笠木ベース205の角穴244,244に嵌合し、上方から通孔243にネジ241を通して係止部材242の螺孔245に螺合して取付ける。
また、隣接する単位パネル201,201の連結部においては、両側の笠木ベース205,205にわたる長さの連結板247を用いて強固に連結する。前記連結板247の両端部には、前記笠木ベース205の通孔243と角穴244,244とに対応させて通孔248と角穴249,249をそれぞれ形成している。そして、前記笠木ベース205の角穴244,244から上方へ突出した前記係止部材242の突起246,246に、前記連結板247の角穴249,249を嵌合した状態で、該連結板247の通孔248と笠木ベース205の通孔243を通したネジ241を係止部材242の螺孔245に螺合して取付ける。前記連結板247の両側がそれぞれ隣接する笠木ベース205,205を介して単位パネル201,201に連結される。
そして、前記笠木カバー206は、断面略コ字形であり、その凹溝内上面には断面L字形の一対の係止片250,250が平行に対向形成され、合成樹脂製の嵌合部材251の上部の係止板252を回転係合できるようになっている。前記笠木カバー206には、所定数の嵌合部材251,…を装着した状態で、前記笠木ベース205に上方から嵌合すると、前記嵌合部材251の下部に形成した脚片253,253が笠木ベース205の内部に弾性的に係合する。
前記巾木部材207は、両端部に前記単位パネル201の凹溝213と同様な凹溝254を形成し、該凹溝254に上段の単位パネル201の端部部材214の下方延長部を嵌合し、前記同様にネジ止めするとともに、上部の嵌合部240を単位パネル201の下嵌合部210に凹凸嵌合する。尚、前記巾木部材207には適宜アジャスター255を設けている。
ここで、本発明に係る間仕切装置は、現場で順次積上げて構築することが特徴であるが、下部は最小限の高さが必要であるので、当該巾木部材207と1枚〜4枚の単位パネル201,…を予め工場出荷時点で連結しておくことも好ましい。その場合には、長尺の前記端部部材214,214を用いて巾木部材207と単位パネル201,…を上下に連結する。あるいは、取り扱いができる程度に、複数の単位パネル201,…を上下に凹凸嵌合するとともに、両端の各凹溝213,…に亘って長尺の端部部材214,214の凹溝部216を嵌合し、タッピンねじ220で強固に連結して一体物の複合パネルを形成し、これを単位パネル201と同様に扱って前述のように上下左右に連結することも可能である。そして、この複合パネルを左右に連結するには、上下高さに応じた長尺の連結軸235を用意するだけで良く、その他の凸型連結具202や凹型連結具203は共通のものを使用できる。
前記笠木ベース205と笠木カバー206の端部には、合成樹脂製の笠木キャップ256を嵌着して端部を閉塞している。尚、前記笠木キャップ256のフランジ部257の厚さは、前記端部部材214の鍔部215の厚さの2倍とし、左右の連結部において一方の側の笠木ベース205と笠木カバー206の端部にのみ笠木キャップ256を嵌着し、他方の側の笠木ベース205と笠木カバー206の端面はフランジ部257を当接するようになっている。前記笠木キャップ256のフランジ部257から前記笠木ベース205に上方から嵌着する装着部258を延設し、またフランジ部257の下部には前記凹型連結具203を収容する凹部259を設けている。
このように複数の単位パネル201,…を上下左右に連結した状態は、図32に主要部分を示している。この場合、上下の単位パネル201,201間に形成したハンギング溝227は左右に連続して目地部を兼ねている。また、左右の単位パネル201,201間には端部部材214,214の鍔部215,215が重なって存在している以外に何もなく、すっきりとした外観となっている。同様に、最上段の単位パネル201と笠木カバー206との間にも前記同様なハンギング溝227が設けられている。また、最下段の単位パネル201と前記巾木部材207との間にも前記同様なハンギング溝227が設けられている。そして、前記単位パネル201の表面板208と裏面板209、笠木カバー206及び巾木部材207の側面は、横方向に延び、上下方向に繰り返しの波形面となっており、全体として統一的な意匠を構成している。
図33(a)は、左右方向に連結した単位パネル201,201で笠木ベース205を装着する前の状態を示し、図33(b)は、笠木ベース205を装着するとともに、連結板247で連結した状態を示している。図34は、終端部に位置する単位パネル201の端部に平面視コ字形の端部カバー260を連結部材261を介して取付けた状態を示している。図35は、直線状に連結する中間ポスト262を介して二つの単位パネル201,201を直線状に連結するとともに、段位違いで低い単位パネル201を中間ポスト262を介してT字状に連結した状態を示している。図36は、二つの単位パネル201,201をコーナーポスト263を介してL字状に連結するとともに、コーナーポスト263を平面視L字形のポストカバー264で覆ったL字状連結状態を示している。図37は、三つの単位パネル201,…をコーナーポスト265を介してT字状に連結するとともに、コーナーポスト265を平面視直線状のポストカバー266で覆ったT字状連結状態を示している。そして、図38は、四つの単位パネル201,…をコーナーポスト267を介して十字状に連結した十字状連結状態を示している。
先ず、図39及び図42に基づいて、終端部の処理を説明する。前記平面視コ字形の端部カバー260は、前記単位パネル201の表面と同じ波形面を形成したアルミ押し出し型材を加工して形成したものである。前記端部カバー260の内側の上端部と下部とに下向きの係止部268,268を形成し、上下縁には前記単位パネル201の係止縁225と同様な端縁269,269を形成している。更に、前記端部カバー260の内側の上部と下端部に上向きの係止部270,270を形成し、90度に折曲したコーナー部に係止部270を利用して合成樹脂製のL字形保形部材271を嵌合している。
前記連結部材261は、前記端部部材214と類似した断面形状を持つアルミ押し出し型材から作製し、凹溝部272と両側に鍔部273,273を有している。この連結部材261の鍔部273,273と単位パネル201の端部部材214の鍔部215,215を接合した際に、前記同様にパネル面外方向へズレないように凹凸嵌合するようにしている。そして、前記連結部材261の凹溝部272の内部の下端部に前記下係止部59と同様な下係止部274を形成し、上端部に前記上係止部60と同様な上係止部275を形成し、前記凸型連結具202、凹型連結具203及び締結具204を用いて端部部材214に連結部材261を連結できるようにしている。前記連結部材261の凹溝部272の上下部の底部に開口276,276を形成し、該開口276,276に係止具277を取付け、該係止具277の上向き係止片278に前記端部カバー260の係止部268,268を係止する。ここで、上下の端部カバー260,260の端縁269,269の間には、図42に示すように、前記ハンギング溝227に連続する横溝279が形成される。
また、最上段の端部カバー260の上端と前記笠木カバー206の端部の空間部には、合成樹脂製の上端キャップ280を取付け、該上端キャップ280と最上段の端部カバー260の間にも前記同様な横溝279が形成されるようになっている。前記上端キャップ280の下部には前記連結部材261の上端部に嵌合する嵌合突起281を形成するとともに、連結側の一側面には爪片282を突設している。そして、前記上端キャップ280の嵌合突起281を連結部材261の上端部に嵌合した後、前記笠木ベース205の端部に上方から嵌合した前記笠木キャップ256の凹部259で爪片282を上方から当止し、更に笠木キャップ256の上方から笠木カバー206を嵌着することにより、該笠木カバー206の端部で笠木キャップ256の装着部258を上方から当止することから、当該笠木キャップ256が上方へ抜けることを防止している。また、前記単位パネル201を左右で高さを段違いに連結する場合もあるが、その場合には、高い方の単位パネル201の側端には前記連結部材261と端部カバー260を連結して端部を隠蔽する。
次に、図40、図41及び図43に基づいて、L字状連結部の構造を説明する。前述のように、コーナーポスト263の隣接した二面に前述のようにそれぞれ単位パネル201,201を連結し、残りの2面の外側面に外面に平面視L字形のポストカバー264を取付けるようになっている。前記コーナーポスト263は、アルミ押し出し型材から作製し、中央部に四角形の筒部283を有し、その一つのコーナー部から矢印形断面のエッジ部284を形成し、該エッジ部284に対向する二つのコーナー部に断面略L字状の延長部285,285をそれぞれ形成し、エッジ部284と延長部285とで前記連結部材261の凹溝部272と同様な凹溝部286を形成するとともに、延長部285の端縁に一体形成した外側へ延びた鍔部287とエッジ部284の一面とで前記単位パネル201の端部部材214の鍔部215,215に接合するようになっている。そして、前記コーナーポスト263の外側二面の上下部に前記係止具277を嵌着する開口288,288を形成している。そして、前記コーナーポスト263の凹溝部286内の下端部と上端部にそれぞれ下係止部289と上係止部290を形成し、前記同様に凸型連結具202、凹型連結具203及び締結具204を用いて単位パネル201の端部部材214に連結できるようになっている。前記ポストカバー264は、前記端部カバー260と同一断面形状の型材を加工して、平面視L字形に成形したものであり、内面の上下部に係止部268,268を有する。また、前記同様に内側コーナー部に係止部270を利用して合成樹脂製のL字形保形部材271を嵌合して形状を維持している。
そして、前記コーナーポスト263の二対あるエッジ部284と鍔部287を有する側に単位パネル201の端部部材214を接合して前記同様に凸型連結具202、凹型連結具203及び締結具204にて連結する。前記コーナーポスト263の残りの二面の開口288,…にそれぞれ前記係止具277,…を取付け、前記ポストカバー264の係止部268を係止する。前記同様に、上下のポストカバー264,264の間には、前記ハンギング溝227に連続する横溝291が形成され、合成樹脂製の上端キャップ292と最上段のポストカバー264の間にも横溝291が形成されている。この場合も、前記上端キャップ292の下部に前記コーナーポスト263の上端部に嵌合する嵌合突起293を突設するとともに、連結側の一側面に爪片294を突設し、前記笠木キャップ256の凹部259で該爪片294を上方から当止し、抜止めを図っている。
また、図44に示すように、T字状連結部においては、前述のL字状連結部と略同じであるが、コーナーポスト265は隣接する二つのコーナー部にエッジ部284,284を有し、各エッジ部284に隣接するコーナー部にそれぞれ前記同様の延長部285を形成し、またポストカバー266が直線状の平面視形状を有している。前記コーナーポスト265の二つのエッジ部284,284を有する一面と、各エッジ部284と隣接するコーナー部の鍔部287を有する二面に、それぞれ単位パネル201の端部部材214を接合して前記同様に凸型連結具202、凹型連結具203及び締結具204にて連結する。そして、コーナーポスト265の外側一面に前記同様に形成した開口288,288に係止具277,277を嵌着し、直線状のポストカバー266の係止部268,268を係止して保持する。そして、前記同様に上下のポストカバー266,266の間には、前記ハンギング溝227に連続する横溝295が形成され、上端キャップ292と最上段のポストカバー266の間にも横溝295が形成されている。また、前記上端キャップ292の連結側三面には、それぞれ笠木ベース205に嵌着した笠木キャップ256のフランジ部257が当接している。
そして、十字状連結部の連結構造は図示しないが、この場合には前記コーナーポスト267の4つのコーナー部にエッジ部284,…を形成した構造とし、各面に単位パネル201,…を連結するので、前述のような端部カバーは不要である。つまり、前記コーナーポスト267の各エッジ部284,284に単位パネル201の端部部材214を接合して前記同様に凸型連結具202、凹型連結具203及び締結具204にて連結する。
図45は、一部の前記単位パネル201の代わりにガラスパネル296を連結し、窓付きの間仕切装置を構成するものである。このガラスパネル296は、上横枠297と下横枠298を両側枠299,299で連結した四角形のフレームの表裏両面にガラス板300,300を貼着した構造である。前記下横枠298の下面側は、前記単位パネル201の下嵌合部210と同じ構造の嵌合部301を形成し、前記上横枠297の上面側は、前記単位パネル201の上嵌合部211と同じ構造の嵌合部302を形成し、それぞれ上下部に単位パネル201を連結できるようになっている。また、前記側枠299には、前記端部部材214を取付け、側方に単位パネル201を前記同様に連結できるようになっている。
そして、前記ガラスパネル296が端部やコーナー部に位置する場合には、ホストカバーや端部カバーも外観性の統一を図るため、表面を透明又は半透明のガラス板又は合成樹脂板で外装する。図46及び図47には、L字状連結部に使用するポストカバー303を示している。前記ポストカバー303は、スチール板を断面L字状に折曲したカバー基材304の二つの保持板305,305の内部に向けて下向きフック片306,…を切起し形成するとともに、各保持板305,305の外面にそれぞれ透明又は半透明のガラス板又は合成樹脂板からなる化粧板307,307を貼着し、更に上下端部に合成樹脂製の平面視L字形の保護キャップ308,308を嵌合し、貼着している。前記保護キャップ308によって、前記カバー基材304の保持板305,305と化粧板307,307の端部が隠れるとともに、前記上横枠297と下横枠298のガラス板保持部309の上下幅に保護キャップ308の鍔部310の上下幅を一致させているので、外観性の統一が図られる。このポストカバー303は、前記コーナーポスト263に前記係止具277,…を取付け、前記カバー基材304の下向きフック片306,…を該係止具277,…に係止して保持する。
図48は、カバーの他の態様であり、図48(a)は端部処理に用いる連結部材261に端部カバー311を装着した状態を示し、図48(b)は端部処理に用いる端部ポスト312に平面視コ字形のポストカバー313を装着した状態を示し、図48(c)はT字状連結部に用いるコーナーポスト265に直線状のポストカバー313を装着した状態を示し、図48(d)は直線状連結部又は段違いT字状連結部に用いる中間ポスト314の一対の対向面に直線状のポストカバー313を装着した状態を示している。これらのポストカバーは、基本的な構造は、図46及び図47に示したポストカバー303と同様であるので、同一構成には同一符号を付してその説明は省略する。
本実施形態の積上げ式間仕切装置において、前記ハンギング溝227を利用してオプションを取付ける使用例を、図49〜図52に基づいて簡単に説明する。図49は、前記単位パネル201の表面に沿って化粧パネル315を係止部材316,…を用いて取付けた例を示している。前記係止部材316は、円柱状の本体部317の一端部に前記ハンギング溝227の内部に係止する係止片318をL字状に形成するとともに、他端部に縮径した嵌合軸319を形成し、該嵌合軸嵌合軸319には内部に螺孔320を形成している。そして、上方のハンギング溝227に前記係止部材316の係止片318を上向きにして係止し、下方のハンギング溝227に前記係止部材316の係止片318を下向きにして係止した状態で、各係止部材316の嵌合軸319に前記化粧パネル315の貫通孔321を密嵌し、表側から止めネジ322を前記嵌合軸319の螺孔320に螺合して保持する。
また、図50は、前記単位パネル201の表面に沿って黒板やホワイトボード等のボード323を取付ける例を示している。前記ボード323の背面周縁部にそれぞれアルミ型材から作製した上枠324、下枠325、両側枠326をコーナー金具327,…で連結して構成した支持枠を取付け、前記上枠324の背面上部に突設した上向きフック片328を前記ハンギング溝227の上縁に係止するとともに、該上向きフック片328の基部下方に形成した係止部329を該ハンギング溝227の下縁に係止し、更に前記下枠325の背面下部に形成した突台330を単位パネル201の表面に当止して保持している。
図51は、図50に示したものの変形例であり、透明又は半透明のガラス板又は合成樹脂板からなる薄い表示板331を前記単位パネル201の表面に沿って保持するものである。この場合、前記表示板331の厚みが前記ボード323よりも薄いので、該表示板331の背面周縁又は背面上下縁にスチール板を折曲形成した保高部材332を貼着し、該保高部材332を、上枠333、下枠334、両側枠335をコーナー金具336,…で連結して構成した支持枠に前面側から嵌合し、背面からネジ止めする。そして、前記同様に前記上枠333の背面上部に突設した上向きフック片337を前記ハンギング溝227の上縁に係止するとともに、該上向きフック片337の基部下方に形成した係止部338を該ハンギング溝227の下縁に係止し、更に前記下枠334の背面下部に形成した下向きフック339を下方のハンギング溝227の下縁に係止して保持している。
図52は、棚板340を一つのハンギング溝227を利用して保持する使用例を示している。前記棚板340は、前記棚板112と基本的には同じ構造であるが、意匠上の変更を加えたものである。本実施形態の棚板340は、複数のアルミ押し出し型材を組み合わせて構成したものであり、基端部上縁に沿って上向き係止爪341を設けるとともに、その下方に単位パネル201の表面に当止する側面視三角形状の当止部342を形成している。この場合、前記棚板340の手前を持ち上げた傾斜状態で、前記係止爪341をハンギング溝227の上部に係止した後、水平に戻すことで係止爪341の下端がハンギング溝227の下側の係止縁225に当止するとともに、当止部342が下方位置の単位パネル201の表面に当止して保持される。また、前記棚板340の下面基部には前記当止部342まで延びた傾斜面343を有し、該傾斜面343に設けた開口部に照明器具344を取付けている。