JP2010036052A - 産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置 - Google Patents

産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来に比べて、より清澄な処理水を常に安定して得られ、かつ高価な砂ろ過機を使用する場合の水質に匹敵する排水水質を確保することが可能な産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置を提供する。
【解決手段】 産業廃水の処理方法は、重金属を含有する廃水にアルカリ剤を添加して中和殿物を生成して貯留槽3内で殿物層4を形成する行程と、貯留槽の底部近傍に位置するように設けた供給口2aから殿物層4内を通過させて廃水中の不溶性物質を殿物層4によってろ過除去し、それによって廃水中に含まれる重金属濃度を低下させることを特徴とし、産業廃水の処理装置は、廃水を貯える貯留槽3と、廃水を供給するための供給口2aが貯留槽3の底部近傍に位置するようにして設けられた導水管2とを備えてなることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は鉱工業廃水などの重金属含有廃水や上下水道あるいは河川浚渫工事、土建工事現場での汚濁水中の懸濁浮遊物質(SS)の処理を行うための産業排水の処理方法及び産業排水の処理装置に関し、さらに詳しくは、処理水の水質低下を招く微粒子の除去を小規模の設備で、凝集剤を極力使用することなく従来法と同様あるいはそれ以上に清澄な処理水を得ることを可能とする産業廃水の処理方法及び産業排水の処理装置に関する。
酸性鉱山廃水やメッキ廃水等の酸性電解廃液などの鉱工業の各分野においては、As,Pb,Cd、Zn,Cu,Feなどの重金属を含有する各種の酸性廃水が発生する。この重金属含有廃水を処理する方法として従来から、種々の方法によって処理が行われている。例えば、特許文献1に開示されているように、石灰等のアルカリを廃水に添加し、重金属を酸化物、水酸化物あるいは塩などの不溶性物質に転化して沈殿させ、さらには、砂ろ過する固液分離法がある。また、上下水道の処理分野についても処理の最終工程で、不溶性物質を沈殿させ、さらには砂ろ過し、固液分離する方法がある。
不溶性物質を固液分離する方法として、粒子径が1μm以上の比較的大きい不溶性物質を対象とする場合は、沈殿槽(シックナー、沈殿池)での処理でも十分であるが、粒子径が1μm以下の比較的小さい不溶性物質を対象とする場合は、凝集沈殿法だけでは処理が不十分となり、砂ろ過等のろ過処理を行う必要がある。なお、粒子径の小さい不溶性物質に対しては、通常凝集剤を添加し、粒子径を見かけ上大きくして凝集沈殿法で処理しているが、それでもなお除去し難い不溶性物質は懸濁浮遊物質(SS)として排水中に残留し、そのまま排出される。
一方、特許文献2に開示されているように、廃水中の重金属イオンを吸着する生物の繁殖を水路において促しながら、水路に廃水を通過させ、それによって廃水中の重金属イオンを生物に吸着させて除去する方法も提案されている。
ところで、近年では排水中の重金属排出基準が強化される傾向にあり、不溶性物質を十分に除去しないと、不溶性物質中に含有する重金属分の影響によりAs,Pb,Zn等は排出基準を遵守できない状況にある。そのため、廃水中の固液分離技術の向上が急務である。
例えば、Znについては、排水基準値が従来5mg/Lであったのが2mg/Lに強化された。これに対処するためには排水中に含有する不溶性物質(Znを含有する)を極力低下させる必要がある。鉛山鉱山については、Zn新基準値対応のためには排水中に含有する不溶性物質の量(SS濃度)を常に少なくとも3mg/L以下とする必要がある。
この基準を達成するために砂ろ過機を用いて廃水のろ過を行うことにより処理水中のSSを0mg/L〜1mg/Lに低減できる可能性があり、砂ろ過は有効な手段といえる。しかしながら、砂ろ過機は非常に高価であり、処理費も嵩み、また運転技術を必要とすることから砂ろ過機の使用はできるだけ避けたい。そこで、沈殿槽内で砂ろ過と同じ効果を果たす、「殿物層ろ過法」(「殿物層通過法」ともいう)の適用を検討した(非特許文献1)。
しかしながら、従来の殿物層ろ過法では、SS濃度は4〜8mg/L程度までしか低減できずZnの排水新基準値2mg/Lを満足するために必要なSS濃度を常に安定して3mg/L以下とするためには、砂ろ過法を採用するか、あるいは殿物層ろ過法のよりいっそうの技術改善が必要となる。
また、Feについては10mg/Lの排水基準値を十分満足していても、残留Fe濃度がわずか1mg/L程度あると、それが河床に付着し、赤色化による環境問題を引き起こすことになるので排水中の固液分離技術の格段の向上が重要となる。
特開2006−116468号公報 特開平11−33587号公報 「平成8年度エネルギー使用合理化抗廃水処理技術開発報告書」金属鉱業事業団
上述のように、従来の殿物層ろ過法では、ろ過する殿物層の厚さが足りず、その効果が十分に発揮されないという問題がある。また、装置の不備により時折、殿物層ろ過がまったく行われなくなるという課題もある。さらには、沈殿槽内の殿物を浚渫した後は、殿物層がろ過に要する層の厚みが十分保持できないため、坑廃水処理再開の初期段階に排水水質が排水基準値を満足できないという課題もあった。
ここで、従来の殿物層ろ過法を図1及び図2を参照しつつ説明する。図1は従来の処理装置の側面断面図であり、図2は図1の処理装置のそれぞれの高さ位置を示す説明図である。従来の処理装置は、廃水を貯える沈殿槽110内に隔壁としてのビニロンシート120をロープ121でフロート123に縛着し、ビニロンシート120の下端部に錘丸鋼125を取り付け、それによってビニロンシート120を沈殿槽110内で垂直に吊り下げ配置して構成されている。そして、固液分離前の産業廃水を供給部100から供給することによってビニロンシート120の下端の錘丸鋼125の下の殿物層130を通過させ、殿物層130の中で不溶性物質をろ過除去し、殿物層130でろ過された廃水を排水部101から排水するというものである。
しかし、上述した従来の処理装置は錘丸鋼125と沈殿槽110の底部との距離は約50cmと離れ過ぎているため、使用開始時あるいは浚渫後の処理再開時には殿物層135が錘丸鋼125の下まで十分に溜まっていないことから不溶性物質のろ過効果が十分に発揮されないことになる。それとは逆に、殿物層130が堆積し過ぎると今度は錘丸鋼125の上に殿物が乗ってしまい、殿物の荷重をフロート123が支えきれなくなってビニロンシート120全体を沈殿槽110の水面以下に引き下げ埋没させてしまうことがあった。そうなると固液分離前の廃水はビニロンシート110の上端部を乗り越えて排出部101側に流れてしまい殿物層130を通過することはないので、殿物層ろ過効果は全く発揮されなくなる。
また、従来の処理装置は隔壁の素材がビニロンシート120であるため容易に変形し、また、水平方向にも垂直方向にも確実には固定されていないので水平方向にも垂直方向にも容易に移動する場合があった。そのため、沈殿槽110内における廃水の流れに沿ってビニロンシート120の裾が沈殿槽110の排出部に広がってしまうとビニロンシート120全体が傾斜してビニロンシート120の下端と殿物層130との間には隙間ができ、排水はその隙間を通過し、ろ過効果が全く発揮されなくなる。
図3はシックナー型沈殿槽を利用した従来の処理装置であるが、図1の沈殿槽の構造と同様に、フィードウエルをビニロンシート120と錘丸鋼125及びフロート123で構成しているため、フロート123が水面下に埋没し、廃水がビニロンシート120の上端を通過する問題や、ビニロンシート120全体が外側に偏芯し、ビニロンシート120下端部と殿物層130との間に隙間ができて、殿物層ろ過効果が十分に発揮されないという同様の問題があった。
そこで、本発明は、従来の殿物層ろ過法における上記の課題を解決したもので、従来法に比べて、より清澄な処理水を常に、安定して得られ、かつ高価な砂ろ過機を使用する場合の水質に匹敵する排水水質を確保することが可能な産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、重金属を含有する廃水にアルカリ剤を添加して中和殿物を生成し、中和殿物を貯留槽の底部に堆積させて殿物層を形成する工程と、貯留槽の底部近傍に位置するように設けた廃液供給口から殿物層内を通過させるようにして重金属を含有する廃液を供給することにより、廃水中の不溶性物質を殿物層によってろ過除去し、それによって廃水中に含まれる重金属濃度を低下させる工程とを含み構成されてなることを特徴とする産業廃水の処理方法を提供する。
廃水中の不溶性物質を固液分離する工程において、従来のように処理廃水を沈殿池の表面で、すなわち水面で開放するのではなく、また隔壁の材質がビニロンシートのような変形する材質ではなく、円形ないし矩形の鋼管、ドラム缶、塩ビ管、ポリナイト管のような変形しない材質で、沈殿槽の底付近まで常に確実に導水・開放する。そして、廃水を導水管の出口となる供給口の周囲の殿物層を通過させることにより廃水中の不溶性物質をろ過除去し、処理水の不溶性物質含有量すなわちSS濃度(濁度)を低下させる。これに伴い重金属濃度も著しく低下することになる。
上記課題を解決するために請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の産業廃水の処理方法において、殿物層を浚渫する際には少なくとも廃液供給口付近の貯留槽底部の殿物層を常に残しておくことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の産業廃水の処理方法において、重金属を含む廃水は重金属イオン又は重金属キレート錯体を含有する酸性の廃水であることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、廃水中に含まれる重金属の濃度を低下させるための産業廃水の処理装置において、廃水を貯える貯留槽と、廃水を供給するための供給口が貯留槽の底部近傍に位置するようにして設けられた導水管とを備えてなることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の産業廃水の処理装置において、殿物層を浚渫する際に供給口付近の殿物層が除去されることを防止するために導水管の供給口付近の貯留槽底部に障壁を形成したことを特徴とする。
本発明に係る産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置によれば、As,Pb,Cd,Zn,Cu,Feを少なくとも1種以上含む廃液を処理した処理水中の重金属の濃度を排水基準値よりもはるかに低減することができる。
また、従来の殿物層ろ過技術では懸濁浮遊物質(SS)を8〜4mg/L程度に低減することが限界であったのが、本発明によれば排水中のSSをほぼゼロ近くになるように容易に低減することができる。
さらに、処理後の排水の透視度を極めて高くすることができる。
また、本発明に係る産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置によれば、複雑な設備を必要としないので実施し易く、高度な運転技術を必要とすることもない。さらに、特別な薬剤や電力も不要であり処理コストはゼロに近い。
また、本発明に係る産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置によれば、高価な砂ろ過装置が不要となる。
また、本発明に係る産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置によれば、凝集沈殿法ではないので、沈殿槽の大きさ・面積は、沈降分離に必要な水面積ほど大きくは必要としない。そのため、沈殿槽を新たに設置する場合にも沈殿槽の規模(大きさ)を従来よりもはるかに小さくできる。
また、本発明に係る産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置によれば、殿物は導水管の供給口付近に集中的に堆積するので沈殿槽内の殿物浚渫が容易に効率良くできる。
また、本発明に係る産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置によれば、従来よりも少ない凝集剤の使用量で清澄な廃水処理が可能となる。
以下、本発明に係る産業廃水の処理方法及び産業廃水の処理装置について好ましい実施形態を参照しつつ説明する。図4は本発明に係る産業廃水の処理装置の一実施形態を示す概略図である。図4に示すように、処理装置1は、廃水を貯えて固液分離を行う貯留槽3と、固液分離前の廃水を貯留槽3の底部に供給するための導水管2を有して構成されている。また、導水管2の供給口2a付近の貯留槽3の底部には障壁5が立設形成されている。そして、貯留槽3の底部には殿物層4が堆積する。
貯留槽3は、内部に廃水を貯えるようにされたシックナーあるいは沈殿槽である。内部に廃水を貯えることが出来る構造を備えていれば直方体形状や円筒形状などその外形形状は特に問わない。
導水管2は、廃水を貯留槽3に導くためのパイプであり、貯留槽3の一方側の端部近傍に配置されており、貯留槽3の上方側から底部に向かって延伸して形成され、その下端部は廃水を供給するための供給口2aとなっている。供給口2aの高さ位置は、貯留槽3の底部から50cm以下、好ましくは10cm〜20cmとされている。これは、殿物層ろ過効果を処理の初期段階から発揮させるためと、殿物層の厚みを厚くすることにより、殿物層ろ過効果をさらに増大させるためである。
また、導水管2は、廃水中の重金属やその他の物質による影響を受けにくい材質で形成することが好ましく、例えば、鋼管、塩ビ管、ドラム缶、木製などがある。そして、導水管2は貯留槽3内で水平方向及び垂直方向のどちらにも動かないようにしっかりと固定されている。
一方、導水管2が配置された側とは反対側の貯留槽3の端部側には清澄となった排水を排出するための排出部6が設けられている。
障壁5は、導水管2の供給口2a付近の貯留槽3の底部に立設されおり、殿物層4を浚渫する際に供給口2a付近の殿物層4が除去されることを防止している。すなわち、廃水の供給により成長した殿物層4はその上部位置が上昇すると殿物は障壁5の頂部を乗り越えて障壁5の反対側(図4における障壁5の右側)に堆積することになる。そして、浚渫の際には障壁5の反対側に堆積した殿物層4を取り除くことで供給口2a付近の殿物層4はそのままの状態で保持される。そのため、供給口2aの付近には常に殿物層4が存在することになり殿物層4によるろ過効果が維持されることになる。障壁5は、好ましい一例としては、導水管2から約0.4m離れた位置に高さ約30cmとなるように鉄板、木板、土嚢などによって形成することができる。この障壁5と導水管2の間では浚渫の際にも殿物層4が常に保持されているので、浚渫後の処理再開時にもこの殿物層4がろ過層として機能し排水の水質が確保される。
処理の対象となる重金属を含有する廃水としては、重金属イオンや重金属キレート錯体等を含有する酸性の廃水が対象となり、例えば、酸性鉱山排水、酸性抽出液、メッキ廃水等の酸性電解廃液、酸性液等が挙げられる。また、重金属の例としては、As,Pb,Cd、Zn,Cu,Fe等が挙げられる。尚、酸性度は特に制限されることはない。
次に、上述した処理装置1の動作について本発明に係る産業廃水の処理方法の一実施形態と共に説明する。
図5は、本発明に係る産業廃水の処理方法の一実施形態のフローチャートである。
はじめに、産業廃水として、As,Pb,Cd、Zn,Cu,Feの少なくとも1種以上を含む鉱山廃水の処理を例に説明すると、前記した重金属を含む鉱山廃水にアルカリ剤を添加することにより重金属を不溶性物質に転化させた状態の固液分離前廃水とする(ステップS1)。そして、固液分離前廃水を導水管2の供給口2aから貯留槽3の底部付近に順次供給する(ステップS2)。供給された固液分離前廃水は、導水管2の供給口2a近傍に堆積した殿物層4内を通過し、水面付近の清澄な水が排出部6から排水される。この際、殿物層4によって固液分離前廃水に含まれる不溶性物質のろ過が行われる(ステップS3)。
殿物層4によってろ過・捕捉された固液分離前廃水に含まれる不溶性物質は、殿物層4内に次々と蓄積して重なるように堆積し、殿物層4は次第に成長する(ステップS4)。殿物層4が成長することによって殿物層4のろ過効果はさらに高まる。
導水管2から次々と供給される固液分離前廃水によって殿物層4は障壁5を乗り越えて堆積していく。そして、貯留槽3に溜まった殿物層4は定期的に浚渫を行って取り除くが、障壁5を乗り越えて堆積した殿物層4を取り除くことでろ過に必要な供給口2a近傍の殿物層4が消滅することが防止され、浚渫後の処理再開時にも直ちに作業を開始することができる。
ところで、導水管2の中と、導水管2の外とでは、導水管2中の比重は、導水管2の上から常に新たな固液分離前廃水の給液があるので、導水管2の外よりもわずかに高い。従って、導水管2の中の固液分離前廃水に含まれる不溶性物質は導水管2の出口である供給口2aから緩やかに外に押し出される。給液の流入する勢いは導水管2内の表面で、導水管2内の水の抵抗により緩衝されるので、殿物層4内の水みちが阻害されるほど、殿物層4が成長しないうちは、給液が流入する勢いにより殿物層4が攪乱され、殿物層ろ過効果がなくなることはない。
以上のように、シックナー、あるいは沈殿槽などの貯留槽3の底部であって、殿物層4より下側になるような位置に廃液の供給口2aを設け、殿物層4の最高位置を少なくとも供給口2aの高さ位置よりも高く保持しするようにして固液分離前廃水を供給することで殿物層4によって廃水のろ過を行うと共に、供給口2a近傍の殿物層4は取り除かないようにして貯留槽3から抜き出すことにより、産業廃水中のAs,Pb,Cd,Zn,Cu,Feの少なくとも1種以上を低減することができる。
図6に示すような貯留槽3を有する処理装置を用い、表1に示すような水質の鉱山廃水について固液分離前廃水の供給量を0.6m3/分として処理を行った。処理装置の具体的な大きさは以下の通りである。
貯留槽(シックナー)の大きさ
シックナー深さ:4.23m 直径:18m 体積:600m
廃液供給口位置(本願) 下部より23cm
(従来) 下部より50cm
殿物(層厚) 0.2m以上
その結果、表1の中に示すように本発明方法における処理排水の水質はSS濃度が0.4mg/L、ヒ素濃度が0.005mg/Lが得られた。比較として挙げた従来の処理方法における水質であるSS濃度が4mg/L、ヒ素濃度が0.05mg/Lよりも格段に低い濃度である。すなわち、ヒ素の排出基準値の0.1mg/Lの1/10である環境基準値0.01mg/Lをさらに下回る0.005mg/Lを達成することができた。また、SS濃度も0.4mg/Lで、透視度は沈殿槽の泥面2.5m位置が明確に確認できる清澄度になっている。
尚、凝集剤0.1mg/L(従来の約20%)、アルカリ剤は石灰である。
Figure 2010036052
次に、図7に示すような貯留槽3を有する処理装置を用い、表2に示すような水質の鉱山廃水について固液分離前廃水の供給量を0.05m3/分として処理を行った。処理装置の具体的な大きさは以下の通りである。
沈殿槽の大きさ
沈殿槽 深さ:2.7m 長さ:25.5m 巾:6.5m
体積:450m
廃液供給口位置(本願) 下部より20cm
(従来) ―(設備なし)
殿物(層厚) 0.2m以上
その結果、処理廃水のSS濃度は0.1mg/Lで、透視度は2.5m以上で極めて良好であり、砂ろ過法とほぼ同じ効果が認められた。凝集剤は使用せず。アルカリ剤はカセイソーダである。
Figure 2010036052
次に、図8に示すような貯留槽3を有する処理装置を用い、表3に示すような水質のシックナーによる1次処理後水について処理を行った。処理装置の具体的な大きさは以下の通りである。
貯留槽の大きさ
深さ:2.1m 長さ:29m 巾:7m 体積:420m
廃液供給口位置(本願) 下部より10cm
(従来) ―(設備なし)
殿物(層厚) 0.2m以上
その結果、処理廃水のSS濃度は0.7mg/Lで、透視度は極めて良好であった。
Figure 2010036052
従来の廃水処理装置の側面断面図である。 図1の廃水処理装置のそれぞれの高さ位置を示す説明図である。 シックナー型沈殿槽を利用した従来の処理装置を示す側面である。 本発明に係る産業廃水の処理装置の一実施形態を示す概略図である。 本発明に係る産業廃水の処理方法の一実施形態のフローチャートである。 第一の実施例におけるシックナー型の処理装置の概略図である。 第二の実施例における処理装置の概略図である。 第三の実施例における処理装置の概略図である。
符号の説明
1 処理装置
2 導水管
2a 供給口
3 貯留槽
4 殿物層
5 障壁
6 排出部

Claims (5)

  1. 重金属を含有する廃水にアルカリ剤を添加して中和殿物を生成し、当該中和殿物を貯留槽の底部に堆積させて殿物層を形成する工程と、
    前記貯留槽の底部近傍に位置するように設けた廃液供給口から前記殿物層内を通過させるようにして重金属を含有する廃液を供給することにより、当該廃水中の不溶性物質を前記殿物層によってろ過除去し、それによって廃水中に含まれる重金属濃度を低下させる工程と、
    を含み構成されてなることを特徴とする産業廃水の処理方法。
  2. 請求項1に記載の産業廃水の処理方法において、
    前記殿物層を浚渫する際には少なくとも前記廃液供給口付近の貯留槽底部の殿物層を常に残しておくことを特徴とする産業廃水の処理方法。
  3. 請求項1又は2に記載の産業廃水の処理方法において、
    重金属を含む前記廃水は重金属イオン又は重金属キレート錯体を含有する酸性の廃水であることを特徴とする産業廃水の処理方法。
  4. 廃水中に含まれる重金属の濃度を低下させるための産業廃水の処理装置において、
    廃水を貯える貯留槽と、
    廃水を供給するための供給口が当該貯留槽の底部近傍に位置するようにして設けられた導水管と、
    を備えてなることを特徴とする産業廃水の処理装置。
  5. 請求項4に記載の産業廃水の処理装置において、
    殿物層を浚渫する際に前記供給口付近の殿物層が除去されることを防止するために前記導水管の供給口付近の貯留槽底部に障壁を形成したことを特徴とする産業廃水の処理装置。
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