JP2010035830A - 付け爪チップ - Google Patents

Abstract

【課題】衝撃吸収性が高く、装着感に優れた付け爪チップを提供する。
【解決手段】長手方向断面及びそれに直交する幅方向断面の何れもが凸状に湾曲した形状を備えるプラスチック製の薄板からなる付け爪チップであって、先端寄りの領域１３の厚さが、該領域１３の周縁から該領域１３の中央区域１４に向けて連続的に増大していることを特徴とする付け爪チップ。先端１１からチップの長さＬの３分の１Ｌ／３±２．５ｍｍだけ離れた中央区域１４に最大厚さを有することが好ましく、長さＬの幅Ｗに対する比は２〜３倍であることが好ましい。
【選択図】図１

Description

本発明は、衝撃吸収性が高く、装着感に優れた付け爪チップの構造、すなわち、ショックアブソーバシステム―ネールチップに関するものであって、特に、長さが長い付け爪チップに好適な構造に関する。

近年のネイルアートの流行に伴い、ネイルサロンでオーダーメイドせずに、自分で爪に装着して簡単にネイルアートを楽しめるように、各種デザインの付け爪が販売されるようになった。

この種の付け爪は、長手方向断面及びそれに直交する幅方向断面の何れもが凸状に湾曲した形状を備えるプラスチック製の薄板からなり、装着時に自然爪の上に貼り付けられる基部と自然爪の先端すなわち指の先端から突出する先端部とからなる。このプラスチック製の薄板は、通常、同一の厚さを備えており、また、基端から先端に向けて連続的に厚さを増大させたもの（特許文献１参照）、基部よりも先端部を厚手に形成したもの（特許文献２参照）などが知られている。

しかし、このような構造を備える従来の付け爪は、装着時、チップの先端に衝撃が加わると基部に衝撃が伝わり易く、指や自然爪に痛みを生じさせるという欠点があった。人によっては、自然爪の元の部分は、痛みに対して極めて敏感であり、付け爪の装着感を損なう大きな原因となっていた。

また、従来の付け爪は、幅に対して長さが最大でも２倍に満たない程度の寸法であったが、消費者の高級品志向や商品のプレミアム化に伴い、従来よりも長さが長く、かつ高級感のある輪郭を備えた付け爪が求められるようになっているが、その場合、装着時、チップの先端に衝撃が加わり易くなるため、上記のような欠点を解消することが一層求められている。

特表２００８−５０９７９６号公報 実開平５−５６００７号公報

本発明は、上述した要求及び課題に鑑み、衝撃吸収性が高く、装着感に優れた付け爪チップを提供することを目的とする。

本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、付け爪チップの先端寄りの領域の断面形状を工夫することにより、本発明の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。

かくして、本発明によれば、下記（１）〜（８）の発明が提供される。
（１）長手方向断面及びそれに直交する幅方向断面の何れもが凸状に湾曲した形状を備えるプラスチック製の薄板からなる付け爪チップであって、先端寄りの領域（１３）の厚さが、該領域（１３）の周縁から該領域（１３）の中央区域（１４）に向けて連続的に増大していることを特徴とする付け爪チップ。

（２）最大厚さを示す前記中央区域（１４）が、先端（１１）からチップの長さ（Ｌ）の３分の１（Ｌ／３）±２．５ｍｍだけ離れたところに位置する、上記（１）に記載の付け爪チップ。
（３）前記先端寄りの領域（１３）が、基端（１２）方向に向けてＵ字状に屈曲した境界（１３ａ）で基端寄りの領域（１５）と区画されている上記（２）に記載の付け爪チップ。
（４）前記先端寄りの領域（１３）が、略楕円形の形状を備える上記（３）に記載の付け爪チップ。

（５）基端（１２）の厚さ（ｄ_１２）が０．１５〜０．４ｍｍの範囲内にあり、先端（１１）の厚さ（ｄ_１１）が０．４〜０．７ｍｍの範囲にあり、前記先端寄りの領域（１３）の中央区域（１４）で示される最大厚さ（ｄ_１４）が０．６〜０．８ｍｍの範囲内にある上記（１）乃至（４）の何れか１項に記載の付け爪チップ。
（６）長さ（Ｌ）の幅（Ｗ）に対する比が２〜３倍である上記（１）乃至（５）の何れか１項に記載の付け爪チップ。

（７）表面及び／又は裏面に装飾が施されている上記（１）乃至（６）の何れか１項に記載の付け爪チップ。
（８）基端寄りの領域（１５）の裏面に接着剤が塗布されている上記（１）乃至（７）の何れか１項に記載の付け爪チップ。

本発明によれば、付け爪チップの先端寄りの領域の厚さを、該領域の周縁から中央に向けて連続的に増大させたので、装着時、該チップの先端に衝撃が加わった場合でも、厚さが増大した前記領域で衝撃が吸収され、基端に衝撃が加わるのが緩和されるので、装着感に優れた付け爪が得られ、特に、痛みに対して敏感な爪を持つ使用者に好適な付け爪が得られる。

以下、本発明の具体例について、図面を参照しつつ、さらに詳細に説明する。
図１は、本発明の付け爪チップの具体例を示す概略図であり、数字１０は付け爪チップ全体を示す。該チップ１０は、プラスチックを成形して得られた薄板からなる。図１（Ａ）に示されるように、本発明の付け爪チップ１０は、長手方向中心軸線に対して略対称の形状を備え、図１（Ｂ）及び図１（Ｃ）に示されるように、幅方向すなわち長手方向中心軸線に対して直交する方向の断面が、概略凸状すなわち概略弓形に滑らかに隆起した湾曲形状を備え、図１（Ｄ）に示されるように、長手方向すなわち基端１２から先端１１に向かう方向の断面も、これら両端１１及び１２のそれぞれから中央部に向けて概略凸状すなわち概略弓形に隆起した湾曲形状を備えている。

本発明の付け爪チップ１０は、先端寄りの領域１３が基端寄りの領域１５よりも厚くされている点に特徴を有し、特に、先端寄りの領域１３の厚さが、該領域１３の周縁から該領域１３の中央区域１４に向けて連続的に増大していることを特徴とする。先端寄りの領域１３と基端寄りの領域１５は、基端１２方向に向けてＵ字状に屈曲する境界１３ａ、すなわち、図１（Ａ）の例では、先端寄りの領域１３を表わす点線で示される楕円の円弧の下半部を境界１３ａとすることが好ましい。したがって、チップの厚さは、基端寄りの領域１５ではほぼ一定であるが、境界１３ａから中央区域１４に向けて連続的に増大し、中央区域１４から先端１１側の周縁に向けて連続的に減少する。図１（Ａ）の例では、先端寄りの領域１３は、点線で示す楕円内の領域に一致する。したがって、該領域１３の厚さは、該楕円内に多数の小さな矢印で示すように、該楕円の周縁からその中央区域１４に向けて、連続的に増加する。なお、付け爪チップ１０が透明な場合は、付け爪チップ１０を透過させて直線を肉眼で観察すると、境界１３ａに沿って直線が屈折して湾曲して見えるので、本発明による先端寄りの領域１３の存在を容易に判別できる。

本発明の付け爪チップ１０は、前記領域１３の中央区域１４で最大厚さを備えるが、図１（Ｄ）に示されるように、該中央区域１４は、付け爪チップ１０の長さ（Ｌ）の３分の１（Ｌ／３）±２．５ｍｍだけ先端１１から離れた位置にあることが好ましく、（Ｌ／３）±１．５ｍｍだけ先端１１から離れた位置にあることがより好ましく、（Ｌ／３）±１ｍｍだけ先端１１から離れた位置にあることが特に好ましい。この場合、装着時に先端部に加わった衝撃が厚手の中央区域１４で吸収され、基端１２を介して自然爪に伝達される衝撃を緩和する効果が得られるので、装着感に優れた付け爪が得られる。また、先端寄りの領域１３と基端寄りの領域１５との境界１３ａは、装着時、自然爪の先端と重なるように配置されることが好ましい。この場合、厚さの薄い基端寄りの領域１５だけでなく、先端寄りの領域１３の厚みを増した境界１３ａ付近の部分も自然爪と重なるので、先端部に加わった衝撃や振動の自然爪への伝達が有効に緩和される。

近年、デザインの観点から、従来よりも長い付け爪が好まれるようになっているが、付け爪が長くなればなるほど、装着時に先端に衝撃が加わる機会が増えるので、本発明の付け爪チップ１０の構造は、長めの付け爪の構造として好適であり、特に、長さ（Ｌ）の幅（Ｗ）に対する比が２〜３倍の付け爪に用いることが好適である。

本発明の付け爪チップは、ＡＢＳ樹脂、ポリプロピレン樹脂等のプラスチック材料、好ましくは耐衝撃性のプラスチック材料を射出成形等の成形方法で成形することによって製造することができる。付け爪チップの厚さは、基端１２の厚さｄ_１２が０．１５〜０．４ｍｍの範囲内にあり、先端１１の厚さｄ_１１が０．４〜０．７ｍｍの範囲にあり、前記先端寄りの領域１３の中央区域１４で示されるチップの最大厚さｄ_１４が０．６〜０．８ｍｍの範囲内にあることが好ましい。

本発明の付け爪チップは、いわゆるモールドと呼ばれる無色透明の状態で供給してもよく、または、該モールドの表面及び／又は裏面に装飾を施した状態で供給することもできる。本発明の付け爪チップの基端寄りの領域１５の裏面には、ワンタッチで自然爪に装着できるように、予め接着剤や両面テープを塗布または貼付しておいてもよい。接着剤としては、シアノアクリレート系接着剤、酢酸ビニルアクリル酸エステル系接着剤などを使用することができる。また、付け爪と接着剤とを同梱してセットとして供給してもよい。

次に、本発明の具体例について説明するが、本発明は、当該具体例のみに限定されるものではない。

ＡＢＳ樹脂を用いて常法に従って射出成形することにより、表１に示される４種類の異なる寸法の付け爪チップを作製した。なお、長さ（Ｌ）及び幅（Ｗ）は、付け爪チップを平坦な面に静置してノギスで測定した。

表１に示すように、何れの付け爪も、先端１１からチップの長さ（Ｌ）の３分の１（Ｌ／３）±１ｍｍだけ離れた位置に最大厚さを有し、また、図１に示すように、先端寄りの領域１３の厚さが、該領域１３の周縁から中央区域１４に向けて連続的に増大しているものであった。また、何れの付け爪も、長さ（Ｌ）の幅（Ｗ）に対する比が２〜３倍であり、比較的長尺の付け爪であった。これらの付け爪は、均一な厚さの付け爪よりも、先端に加わる衝撃や振動が基端に伝達されにくく、装着感に優れていた。

本発明の付け爪は、個人でネイルアートを楽しむ場合のみならず、ネイルサロンでのメイクアップにも使用することができ、美容、化粧品等の分野において利用できる。

（Ａ）は本発明の付け爪を示す平面図、（Ｂ）は（Ａ）のＢ−Ｂ線に沿った幅方向断面図、（Ｃ）は（Ａ）のＣ−Ｃ線に沿った幅方向断面図、（Ｄ）は（Ａ）のＤ−Ｄ線に沿った長手方向断面図。

符号の説明

１０…付け爪チップ、１１…先端、１２…基端、１３…先端寄りの領域、１３ａ…境界、１４…中央区域、１５…基端寄りの領域。

Claims (8)

1. 長手方向断面及びそれに直交する幅方向断面の何れもが凸状に湾曲した形状を備えるプラスチック製の薄板からなる付け爪チップであって、先端寄りの領域（１３）の厚さが、該領域（１３）の周縁から該領域（１３）の中央区域（１４）に向けて連続的に増大していることを特徴とする付け爪チップ。
2. 最大厚さを示す前記中央区域（１４）が、先端（１１）からチップの長さ（Ｌ）の３分の１（Ｌ／３）±２．５ｍｍだけ離れたところに位置する、請求項１に記載の付け爪チップ。
3. 前記先端寄りの領域（１３）が、基端（１２）方向に向けてＵ字状に屈曲した境界（１３ａ）で基端寄りの領域（１５）と区画されている請求項２に記載の付け爪チップ。
4. 前記先端寄りの領域（１３）が、略楕円形の形状を備える請求項３に記載の付け爪チップ。
5. 基端（１２）の厚さ（ｄ_１２）が０．１５〜０．４ｍｍの範囲内にあり、先端（１１）の厚さ（ｄ_１１）が０．４〜０．７ｍｍの範囲にあり、前記先端寄りの領域（１３）の中央区域（１４）で示される最大厚さ（ｄ_１４）が０．６〜０．８ｍｍの範囲内にある請求項１乃至４の何れか１項に記載の付け爪チップ。
6. 長さ（Ｌ）の幅（Ｗ）に対する比が２〜３倍である請求項１乃至５の何れか１項に記載の付け爪チップ。
7. 表面及び／又は裏面に装飾が施されている請求項１乃至６の何れか１項に記載の付け爪チップ。
8. 基端寄りの領域（１５）の裏面に接着剤が塗布されている請求項１乃至７の何れか１項に記載の付け爪チップ。

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