JP2010032500A - 測光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】広いダイナミックレンジを有する測光装置を提供する。
【解決手段】測光装置は、定電流生成回路、周波数が一定の固定クロック信号を生成する固定クロック信号生成回路、光電変換素子、可変クロック信号生成回路、およびデジタル信号生成回路を含む。固定クロック信号生成回路は、定電流から一定の周期で発振する固定クロック信号を生成する。可変クロック信号生成回路は、光電変換素子で発生した光電流から、光電流の大きさに比例する周波数で発振する可変クロック信号を生成する。デジタル信号生成回路は、固定クロック信号を用いて測定期間を設定し、その測定期間に発振する可変クロック信号のパルス数をカウントし、カウント値をデータとするデジタル信号を生成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光の照度または光量を検出する測光装置に関する。
フォトダイオードなどの光電変換素子は、照明された光の照度に応じた光電流を発生するため、この光電流の大きさを検知することで、光の照度を測定することができる。このことを利用して、フォトダイオードで発生した光電流を増幅して電流信号(アナログ信号)として出力する光センサが実用化されている。
また、光センサを内蔵したテレビ、携帯電話などの電子機器が製品化されている。これらの製品は、光センサで使用環境の照度を検出することで、表示画面の輝度を調節する機能を備えている。そこで、デジタル信号により制御、動作する電子機器は、光センサの出力もデジタル信号であることが求められている。
例えば、特許文献1には、光電流によってコンデンサに蓄積された電荷を一定電流で放電させ、その放電時間によって、フォトダイオードで発生した電荷量を計測する光センサが記載されている。特許文献1の光センサは、放電時間の測定をクロック信号のパルス数をカウントすることで行い、このカウント値をデータとするデジタル信号を生成している。
特開平6−313840号公報
特許文献1の光センサは、デジタル信号を出力することができるが、コンデンサの静電容量値によって、ダイナミックレンジが制約されてしまう。そこで、本発明の一態様は、ダイナミックレンジの制約が少ない光の照度(または光量)を検出する装置を提供することを課題の1つとする。
本発明の一態様に係る測光装置は、定電流を出力する定電流生成回路と、定電流に比例する周波数で発振する第1のクロック信号を生成する第1のクロック信号生成回路と、受光することで光電流を発生する光電変換素子と、光電流に比例する周波数で発振する第2のクロック信号を生成する第2のクロック信号生成回路と、第2のクロック信号のパルス数を一定期間カウントし、当該パルス数のカウント値をデータとするデジタル信号を出力するデジタル信号生成回路とを有し、同態様にデジタル信号生成回路において、第1のクロック信号をもとに、第2のクロック信号のパルス数のカウントを開始するタイミング、および当該カウントを終了するタイミングが設定される。
上記態様の測光装置において、第1のクロック信号生成回路は、カレントミラー回路などでなる定電流を増幅する増幅回路を含んでいてもよい。また、第2のクロック信号生成回路は、カレントミラー回路などでなる光電流を増幅する増幅回路を含んでいてもよい。また、第1のクロック信号生成回路は第2のクロック信号生成回路と同じ構成の回路とすることができる。
また、本発明の他の一態様に係る測光装置は、定電流を出力する定電流生成回路と、定電流に比例する周波数で発振する第1のクロック信号を生成する第1のクロック信号生成回路と、受光することで光電流を発生する光電変換素子と、光電流に比例する周波数で発振する第2のクロック信号を生成する第2のクロック信号生成回路と、第2のクロック信号のパルス数を一定期間カウントし、当該パルス数のカウント値をデータとするデジタル信号を出力するデジタル信号生成回路とを有する。このデジタル信号生成回路において、第1のクロック信号をもとに、第2のクロック信号のパルス数のカウントを開始するタイミング、および当該カウントを終了するタイミングが設定される。また、第2のクロック信号生成回路は、光電流を増幅する第1の増幅回路と、第1の増幅回路と増幅率の異なる第2の増幅回路とを含み、第1の増幅回路で増幅された第1増幅光電流、および第2の増幅回路で増幅された第2増幅光電流を出力する光電流増幅回路と、第1の増幅光電流、および第2の増幅光電流が入力され、一方を出力するゲイン切替回路と、ゲイン切替回路から出力される電流から、第2のクロック信号を生成するクロック信号生成回路とを有する。
上記態様の測光装置において、第1のクロック信号生成回路は、カレントミラー回路などでなる定電流を増幅する増幅回路を含んでいてもよい。また、第1のクロック信号生成回路は第2のクロック信号生成回路と同じ構成の回路とすることができる。
本発明の一態様により、照度(または光量)の測定範囲に制約が少ない測光装置を提供することができる。
測光装置の構成の一例を示すブロック図。 図1の測光装置で生成される信号のタイミングチャート。 図1の測光装置に含まれる可変クロック信号生成回路の構成の一例を示す回路図。 図3の可変クロック信号生成回路で生成される信号のタイミングチャート。 A:照度に対する図3の可変クロック信号生成回路で生成されるクロック信号の周波数のグラフ。B:図3の回路を可変クロック信号生成回路に適用した場合の、照度に対するカウント値(デジタル信号生成回路で生成されるデジタル信号のデータ)のグラフ。 図1の測光装置に含まれる固定クロック信号生成回路の構成の一例を示す回路図。 ゲイン切替機能付きの測光装置の構成の一例を示すブロック図。 図1の測光装置の積層構造の一例を説明する断面図。 A−E:図1の測光装置の作製方法の一例を説明する断面図。 A−D:図9Eの工程以降の工程の一例を説明する断面図。 A−C:図10Dの工程以降の工程の一例を説明する断面図。 A、B:図11Cの工程以降の工程の一例を説明する断面図。 A、B:図12Bの工程以降の工程の一例を説明する断面図。 図13Bの工程以降の工程の一例を説明する断面図。 A−G:SOI基板の作製方法の一例を説明する断面図。 A、B:測光装置を備える携帯電話の構成例を示す外観図。C:測光装置を備えるコンピュータの構成例を示す外観図。D:測光装置を備える表示装置の構成例を示す外観図。E、F:測光装置を備えるデジタルカメラの構成例を示す外観図。
図面を用いて、本明細書で開示される発明の実施形態を説明する。ただし、本明細書で開示される発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本明細書で開示される発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなく、その形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本明細書で開示される発明は実施形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、異なる図面間で同じ参照番号を付した要素は、同様の要素を示している。そのため、このような要素について、重複する説明を省略している。
(実施形態1)
図1を用いて、本実施形態の測光装置の構成を説明する。図1は、本実施形態の測光装置の構成を説明するブロック図である。
測光装置10は、光電変換素子で受光した光の照度をデータとするデジタル信号を生成する装置である。本実施形態において、光電変換素子は、受光した光を光電流(電流信号)に変換する素子であればよい。図1の測光装置10では、光電変換素子としてフォトダイオードを用いることにする。光電変換素子として、フォトダイオードの他、フォトトランジスタなども用いることができる。
図1に示すように、本実施形態の測光装置10は、フォトダイオード100、可変クロック信号生成回路101、デジタル信号生成回路103、定電流生成回路104、および固定クロック信号生成回路105を含む。また、測光装置10には、図示のように、電源電位として、高電源電位VDD(以下、電源電位VDDという)、および低電源電位VSS(以下、電源電位VSSという。)が供給される。なお、電源電位VSSは接地電位とすることができる。
固定クロック信号生成回路105は、定電流生成回路104で生成される定電流Iから、定電流Iの大きさに比例する周波数で発振する固定クロック信号を生成する。以下、固定クロック信号生成回路105で生成される周波数が一定のクロック信号を「クロック信号CLK1」と呼ぶことにする。クロック信号CLK1の周波数をfとすると、fは下記式(1)を満たす。
=Z×I (Zは比例定数) ・・・(1)
他方、可変クロック信号生成回路101は、フォトダイオード100で生成される光電流Ipdから、光電流Ipdに比例する周波数で発振するクロック信号を生成する。以下、可変クロック信号生成回路101で生成されるクロック信号を「クロック信号CLK2」と呼ぶことにする。クロック信号CLK2の周波数をfとすると、fは下記式(2)を満たす。
=Z×Ipd (Zは比例定数) ・・・(2)
また、可変クロック信号生成回路101には、フォトダイオード100で発生した光電流Ipdをx倍(x≧1)に増幅する増幅回路、または1/x倍(x>1)に減衰する減衰回路を設けることができる。本実施形態では、図1には、増幅回路を設けた可変クロック信号生成回路101の構成例を示している。図1に示すように、可変クロック信号生成回路101は、光電流増幅回路110と、光電流増幅回路110で増幅された電流信号から、光電流Ipdに比例する周波数で発振するクロック信号CLK2を生成するクロック信号生成回路120とを含む。
本実施形態では、光電流Ipdを1倍に増幅するため、光電流増幅回路110をカレントミラー回路で構成することにする。図1では、光電流Ipdを1倍に増幅するため、この光電流増幅回路110として、参照用の1つのトランジスタ111と、増幅用の1つのトランジスタ112なるカレントミラー回路を適用している。もちろん、トランジスタ112を複数並列に接続して設けることで、光電流増幅回路110の増幅率を1倍より大きくすることもできる。本実施形態では、1つのトランジスタ111に対して、1乃至10個のトランジスタ112を並列に接続することが好ましく、トランジスタ112の数は1乃至5個がより好ましい。また、図1では、カレントミラー回路のトランジスタ111、112にnチャネル型トランジスタを適用したため、フォトダイオード100のカソードに電源電位VDDが供給され、アノードが可変クロック信号生成回路101に接続されている。
フォトダイオード100に光が照射されると、フォトダイオード100の抵抗値が低下し、フォトダイオード100の抵抗値に相当する電流(光電流Ipd)が流れる。トランジスタ111は、ゲートとドレインが接続されているため、トランジスタ111に光電流Ipdが流れると、トランジスタ111のゲートに、そのチャネル抵抗に相当する電圧が発生し、そして、トランジスタ112のゲートにこの電圧が印加される。トランジスタ111のドレインに電源電位VDDを印加し、ソースに電源電位VSSを印加することで、トランジスタ112に電流が流れ、フォトダイオード100を流れる電流が増幅される。つまり、光電流増幅回路110から出力される増幅電流Iaの値は、フォトダイオード100に入射した光の照度(または光量)を反映する。
クロック信号生成回路120は、この電流Ipdの大きさに対応する周波数をもつクロック信号を生成する。光電流Ipdと、増幅電流Iaは比例するため、クロック信号生成回路120で生成されるクロック信号は光電流Ipdで比例した周波数で発振するクロック信号であり、これがクロック信号CLK2である。
デジタル信号生成回路103は、クロック信号CLK2のパルス数を一定期間カウントし、そのカウント値をデータとするデジタル信号を出力する回路である。デジタル信号生成回路103には、固定クロック信号生成回路105で生成されたクロック信号CLK1が入力される。デジタル信号生成回路103は、クロック信号CLK1を基準に、クロック信号CLK2のパルス数のカウントの開始から終了までの期間を設定している。
例えば、デジタル信号生成回路103は、複数の機能回路で構成することができる。図1に示すように、デジタル信号生成回路103は、クロック信号CLK2のパルス数をカウントするカウント回路131と、カウント回路131で得られたカウント値(CNT)を保持するラッチ回路132と、クロック信号CLK2のパルス数をカウントする期間を設定する計数期間設定回路133とを含む。カウント回路131とラッチ回路132は、カウント値のビット数に応じた本数のバス線により電気的に接続されている。
カウント回路131には、クロック信号生成回路120からフォトダイオード100を照射する光の照度を表すクロック信号CLK2が入力され、かつ計数期間設定回路133からリセット信号CNT_RSTが入力される。カウント回路131はリセット信号CNT_RSTにしたがって、クロック信号CLK2のパルス数のカウント値をリセットする(0にする。)。
リセット信号CNT_RSTは、計数期間設定回路133で生成される信号である。計数期間設定回路133では、クロック信号CLK1からラッチ回路132を制御するリセット信号CNT_RSTを生成する。リセット信号CNT_RSTはカウント回路131およびラッチ回路132へ出力される。
図2を用いて、測光装置10の動作を説明する。図2は、測光装置10で生成される信号のタイミングチャートである。また、この説明において、デジタル信号生成回路103は8ビットのデジタル信号を生成する回路とし、また、図2のタイミングチャートにおいて、クロック信号CLK2の周波数fは変化しないこととする。また、図2において、DATA_LATは、ラッチ回路132で保持されているデータの書き換えのタイミングを表している。
図2に示すように、固定クロック信号生成回路105では、一定周波数fのクロック信号CLK1が生成され、可変クロック信号生成回路101では、光電流Ipdに比例する周波数fで発振するクロック信号CLK2が生成される。また、リセット信号CNT_RSTの周期はクロック信号CLK1の周期に比例し、かつそのパルス幅は、クロック信号CLK1の周期に比例する。ここでは、リセット信号CNT_RSTのパルス幅はクロック信号CLK1の周期の3倍に設定している。
また、ここでは、カウント値CNTは8ビットのデジタル値で表されるため、光の照度を測定している測定期間Tは、クロック信号CLK1の周期の8倍に設定されている。図2に示すように、測定期間Tはリセット信号CNT_RSTにより規定される。
時間t0から時間t1までの期間は、リセット信号CNT_RSTで規定されるリセット期間TRSTである。このリセット期間TRST(t0−t1)に、カウント回路131は、リセット信号CNT_RSTにしたがって、カウント値CNTを0にリセットする。時間t1で、カウント回路131は、クロック信号CLK2のパルス数のカウントを開始し、カウント値CNTを0から1ずつカウントアップする。
時間t2で、リセット信号CNT_RSTにしたがって、カウント回路131はラッチ回路132が保持しているデータを書き換える。つまり、ラッチ回路132には期間(t1−t2)にカウント回路131でカウントアップされたカウント値CNTが書き込まれる。ここでは、2進法のカウント値CNT=0001000がラッチ回路132に書き込まれる。このカウント値CNTは、クロック信号CLK2の周波数に比例するため、フォトダイオード100で発生する光電流Ipdの大きさを反映している。
期間(t3−t4)で、カウント回路131のカウント値CNTが再び0にリセットされる。そして、期間(t4−t5)で、カウント回路131は、クロック信号CLK2のパルス数をカウントする。時間t5において、ラッチ回路132には、期間(t4−t5)で得られたカウント値CNTが書き込まれる。
カウント期間TCNT(t1−t2)で得られたカウント値CNT=0001000は、期間(t2−t5)の間、ラッチ回路132に保持される。つまり、期間(t2−t5)は、前のカウント期間TCNT(t1−t2)で得られたカウント値CNTをラッチ回路132が保持するラッチ期間TLATである。ラッチ期間TLAT(t2−t5)に、ラッチ回路132は、保持しているカウント値CNTをデータとするデジタル信号を出力する。
以上の通り、測光装置10により、フォトダイオード100で発生した光電流Ipdをデジタル信号に変換することができる。つまり、測光装置10により、フォトダイオード100で受光した光の照度に対応するデジタル値を得ることができる。
また、本実施形態の測光装置10は、光電変換素子で発生した光電流の大きさに応じた周波数をもつクロック信号CLK2を生成し、このクロック信号CLK2のパルス数を一定期間カウントするようにしているため、光電流の検出範囲の制約が少ない。よって、本実施形態により、ダイナミックレンジの広い測光装置を提供することが容易になる。
本実施形態において、可変クロック信号生成回路101と固定クロック信号生成回路105は、同じ構成の回路にすることができる。この場合、可変クロック信号生成回路101と固定クロック信号生成回路105は、その動作特性が等しくなるようにすることが好ましい。つまり、可変クロック信号生成回路101と固定クロック信号生成回路105とを同じ構成にし、かつ回路を構成する素子に同じ電気特性を示す素子を用いることで、各回路を構成する素子の電気動作のバラツキによる誤差を相殺することができるため、好ましい。
(実施形態2)
本実施形態では、可変クロック信号生成回路101、および固定クロック信号生成回路105の具体的な構成について説明する。まず、図3を用いて、可変クロック信号生成回路101の構成を説明する。図3は、可変クロック信号生成回路101の回路図である。
実施形態1で説明したように、可変クロック信号生成回路101は光電流増幅回路110と、クロック信号生成回路120とを含む。そして、クロック信号生成回路120は複数の機能回路で構成することができる。本実施形態では、クロック信号生成回路120を3つの機能回路で構成している。クロック信号生成回路120は、ランプ波形信号生成回路121、ヒステリシスコンパレータ回路122、バッファー回路123でなる。光電流増幅回路110は、図1と同様に2つのトランジスタ111、112でなるカレントミラー回路で構成している。
ランプ波形信号生成回路121は、図3に示すように接続された4つのnチャネル型トランジスタ141−144、4つのpチャネル型トランジスタ145−148、およびコンデンサ149で構成される。電流Ir2によりコンデンサ149が充電と放電を繰り返すことにより、ランプ波形信号生成回路121からランプ波形信号がヒステリシスコンパレータ回路122に出力される。
ヒステリシスコンパレータ回路122は、図3に示すように接続された2つのコンパレータ151、152、2つのインバータ回路153、154、2つのNOR回路155、156とでなる。ランプ波形信号生成回路121の出力信号は、コンパレータ151の反転入力端子(−)、およびコンパレータ152の非反転入力端子(+)に入力される。コンパレータ151の非反転入力端子(+)には低電位側の基準電位VREFLが入力され、コンパレータ152の反転入力端子(−)には高電位側の基準電位VREFHが入力される。
バッファー回路123は、図3に示すように接続された5つのインバータ回路161−165で構成される。インバータ回路165の出力信号がクロック信号CLK2である。インバータ回路162の出力は、ランプ波形信号生成回路121のノードQB(nチャネル型トランジスタ141のゲート)に接続されている。インバータ回路164の出力は、ランプ波形信号生成回路121のノードQ(nチャネル型トランジスタ142のゲート)に接続されている。
ヒステリシスコンパレータ回路122およびバッファー回路123を構成する各論理回路の論理をとることで、ランプ波形信号生成回路121で生成されたランプ波形信号はクロック信号CLK2に変換され、クロック信号生成回路120から出力される。
図4を用いて、クロック信号生成回路120の機能を説明する。図4は、ノードVin、Q、QB、S、Rの電位の変化、およびコンデンサ149の充放電のタイミングを示すタイミングチャートである。
電流Ir2によりコンデンサ149が充電と放電を繰り返すことにより、ノードVinの電位はランプ波状に変動する。つまり、ノードVinにはランプ波形信号RMPが入力される。図4のノードVinの電位の変化がランプ波形信号RMPの信号波形である。このランプ波形信号RMPがヒステリシスコンパレータ回路122に入力される。ランプ波形信号RMPの周波数fr2は、電流Ir2、およびコンデンサ149の静電容量値C、基準電位VREFL、VREFHを用いて、下記式(3)で表される。
また、電流Ir2はフォトダイオード100で発生した光電流Ipdに比例するため、ランプ波形信号RMPの周波数fr2は、光電流Ipdに比例することになる。よって、周波数fr2と光電流Ipdの関係は、下記式(4)で表すことができる。式(4)において、Zは比例定数であり、光電流増幅回路110の増幅率、およびランプ波形信号生成回路121を構成するトランジスタ141−148の電気的特性などにより決定される定数である。
そして、コンパレータ151により、ランプ波形信号RMPと同じ周期の四角波信号が生成される(ノードSの電位を参照)。他方、コンパレータ152は、ランプ波形信号から、ランプ波形信号RMPと同じ周期の四角波信号が生成される(ノードRの電位を参照)。
各論理回路(153−156、161−165)によって、コンパレータ151の出力信号、およびコンパレータ152の出力信号から、クロック信号CLK2が生成される。図4に示すように、クロック信号CLK2の周波数fとランプ波形信号RMPの周波数fr2は等しい。つまり、式(2)で示したように、光電流Ipdに比例する周波数fで発振するクロック信号CLK2がバッファー回路123から出力される。
本実施形態の測光装置10の出力データを計算した。ここでは、測光装置10の可変クロック信号生成回路101に図3の回路を適用した場合に、フォトダイオード100を照明する光の照度に対するクロック信号CLK2の周波数fの変化、および同照度に対するカウント期間TCNTにカウント回路131でカウントされるクロック信号CLK2のパルス数(カウント値CNT)の変化を計算した。ここでは、デジタル信号生成回路103は16ビットのデジタル信号を出力する場合を想定した。この計算結果を図5A、および図5Bに示す。図5Aは照度に対するクロック信号CLK2の周波数fのグラフである。また、図5Bは、照度に対する、カウント値CNTのグラフである。実施形態1で述べたように、カウント値CNTは、デジタル信号生成回路103から出力されるデジタル信号のデータに対応する。図5A、および図5Bのグラフが示すように、照度が増加することで、クロック信号CLK2の周波数fが増加し、かつカウント値CNTも増加する。
また、図5A、図5Bのグラフは、本実施形態により、6桁(十進法)のダイナミックレンジをもつ測光装置を提供することが可能なことを示している。
次に、固定クロック信号生成回路105の構成を説明する。固定クロック信号生成回路105は図3に示す可変クロック信号生成回路101と同じ構成の回路を適用することができる。また、可変クロック信号生成回路101と固定クロック信号生成回路105とを同じ構成にすることで、各回路を構成する素子の電気的特性のバラツキによる誤差を相殺することができるため、好ましい。図6に、このような場合の固定クロック信号生成回路105の回路図を示す。固定クロック信号生成回路105は、定電流生成回路104から出力される定電流Iを増幅する定電流増幅回路210と、定電流増幅回路210で増幅された電流に比例する周波数で発振するクロック信号を生成するクロック信号生成回路220とを含む。
ここでは、定電流増幅回路210には、トランジスタ211とトランジスタ212でなるカレントミラーが適用されている。クロック信号生成回路220は、クロック信号生成回路120と同様に、ランプ波形信号生成回路221、ヒステリシスコンパレータ回路222、バッファー回路223でなる。
ランプ波形信号生成回路221は、ランプ波形信号生成回路121と同じく、4つのnチャネル型トランジスタ241−244、4つのpチャネル型トランジスタ245−248、およびコンデンサ249で構成される。また、ヒステリシスコンパレータ回路222は、ヒステリシスコンパレータ回路122と同じく、2つのコンパレータ251、252、2つのインバータ回路253、254、および2つのNOR回路255、256とでなる。また、バッファー回路223は、バッファー回路123と同じく、5つのインバータ回路261−265で構成される。インバータ回路265の出力がクロック信号CLK1である。
図3の可変クロック信号生成回路101同様に、図6の固定クロック信号生成回路105も、定電流生成回路104で生成される定電流Iに比例した周波数fで発振するクロック信号CLK1を生成することができる。
本実施形態は、他の実施形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態3)
本実施形態では、実施形態1と異なる構成の測光装置について説明する。本実施形態では、測光装置10よりも、低照度の光の分解能を向上するための構成について説明する。図7に、本実施形態の測光装置20のブロック図を示す。本実施形態の測光装置20には、可変クロック信号生成回路101と異なる構成の可変クロック信号生成回路301が適用される。
可変クロック信号生成回路301は、光電流Ipdを増幅するための光電流増幅回路310と、入力される電流の大きさに比例する周波数で発振するクロック信号を生成するクロック信号生成回路320を含む。
光電流増幅回路310は、光電流Ipdを増幅するための回路であり、増幅率が異なる複数の増幅回路を含む。そのため、可変クロック信号生成回路301は、光電流増幅回路310で発生する複数の増幅電流の1つを選択的にクロック信号生成回路320に入力するためのゲイン切替回路330を含む。
ここでは、光電流増幅回路310は2つの増幅回路311、312を含む。増幅回路311は、高照度(または高光量)の光を検出するために用いられる回路であり、その増幅率は1倍以上であればよい。他方、増幅回路312は低照度(または低光量)の光を検出するための回路であり、増幅回路311よりも増幅率が大きく、その増幅率は2倍以上が好ましい。本実施形態では、増幅回路311、312双方にカレントミラー回路を適用している。増幅回路311は、参照用の1つのトランジスタ314と増幅用の1つのトランジスタ315でなるカレントミラー回路である。また、増幅回路312は、参照用の1つのトランジスタ316と増幅用の3つのトランジスタ317でなるカレントミラー回路である。カレントミラー回路を適用する場合、高照度用の増幅回路311のトランジスタ315の数は1乃至5個程度とすることができる。また低照度用の増幅回路312のトランジスタ317の数は、2乃至50個程度とすることができ、その数は2乃至10個程度が好ましい。
ゲイン切替回路330には、光電流増幅回路310の各増幅回路の数に対応して、各増幅回路の出力とクロック信号生成回路320の入力との電気的な接続状態(導通/非導通)を切り替える複数のスイッチ回路が設けられている。ゲイン切替回路330はゲイン切替信号GAINにしたがって、1つのスイッチ回路を導通状態にし、他のスイッチ回路を非導通状態にすることで、光電流増幅回路310で発生する1つの増幅電流をクロック信号生成回路320に入力する。
本実施形態では、増幅回路311、312に対応して2つのスイッチ回路331、332がゲイン切替回路330に設けられている。ゲイン切替回路330によって、増幅回路311で増幅された電流Ia1、または増幅回路312で増幅された電流Ia2の一方がクロック信号生成回路320に入力される。
例えば、ゲイン切替信号GAINは、光電流Ipdまたは電流Ia1の大きさを検知することで生成することができる。光電流Ipd(または電流Ia1)がしきい値よりも大きい場合、スイッチ回路331を導通状態とし、スイッチ回路332を非導通状態にするためのゲイン切替信号GAINが生成される。他方、光電流Ipd(または電流Ia1)がしきい値以下の場合、スイッチ回路331を非導通状態とし、スイッチ回路332を導通状態にするためのゲイン切替信号GAINが生成される。このようにゲイン切替回路330を制御することで、フォトダイオード100を照明する光の照度が小さいとき(またはその光量が少ないとき)、クロック信号生成回路320では、クロック信号CLK2の周波数は、増幅率の高い増幅回路312で増幅された増幅電流Ia2に比例するクロック信号CLK2を生成する。そのため、測光装置20の低照度(低光量)側の分解能を向上させることができる。
本実施形態において、クロック信号生成回路320には、図3と同様の構成を有するクロック信号生成回路120を適用することができる。
また、本実施形態において、固定クロック信号生成回路105には、図6と同様の構成を有する固定クロック信号生成回路105を適用することができる。なお、定電流増幅回路210としては、光電流増幅回路110に含まれる1つの増幅回路と同じ構成の増幅回路を適用すればよい。例えば、高照度用の増幅回路311を定電流増幅回路210に適用する。
(実施形態4)
本実施形態では、図1に示す測光装置10の作製方法の一例を説明する。もちろん、本実施形態の作製方法は、測光装置20の作製方法にも適用することができる。図8は、測光装置10の積層構造を説明する断面図である。本実施形態では、電源電位VDD用の端子と電源電位VSS用の端子との間に、PINダイオード106を挿入し、測光装置10の静電気放電に対する耐性を向上させている。
なお、図8は、測光装置10を構成する膜の積層構造、および異なる層に形成された各導電膜の電気的な接続を説明するための断面図であり、測光装置10を特定の切断線で切断した断面図ではないことを断っておく。測光装置10において、a−b間には、第2層目、第3層目の導電膜と電源電位VSS用の電源端子との電気的の接続構造を主として図示している。b−c間には、測光装置10の機能回路の断面として、代表的にnチャネル型トランジスタ108を図示している。c−d間には、第2層目、第3層目の導電膜と電源電位VDD用の端子との電気的な接続構造、ならびに、可変クロック信号生成回路101および、保護回路用のPINダイオード106の断面構造を主として図示している。
PINダイオード106は、電源電位VSS用の端子581と、電源電位VDD用の端子582の間に挿入され、PINダイオード106のカソードが端子581に電気的に接続され、そのアノードが端子582に電気的に接続されている。ESDなどにより、端子581および/または端子582に過剰な電圧が印加された場合、PINダイオード106により端子581と端子582が短絡され、フォトダイオード100、および機能回路に過剰な電圧が印加されることを防ぐ。
次に、測光装置10の作製方法、およびその断面構造を説明する。まず、測光装置10の作製方法を説明するが、図9A−図10Dの断面図には、PINダイオード106、および機能回路を構成するnチャネル型トランジスタ108だけが図示されている。
まず、ガラス基板500を用意する。ガラス基板500は無アルカリガラス基板が好ましい。無アルカリガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス基板、アルミノホウケイ酸ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラス基板などがある。ガラス基板500の代わりに、石英基板を用いることができる。
次に、ガラス基板500上に、厚さ50−300nmの下地絶縁膜を形成する。ここでは、図9Aに示すように、下地絶縁膜として窒化酸化シリコン膜501および酸化窒化シリコン膜502でなる2層構造の絶縁膜を形成する。次に、PINダイオード106、トランジスタ108の半導体膜を形成するために、厚さ20−100nmの半導体膜を下地絶縁膜上に形成する。
下地絶縁膜は、ガラス基板500に含まれるアルカリ金属(代表的にはNa)やアルカリ土類金属が拡散して、トランジスタなどの半導体素子の電気的特性に悪影響を及ぼすのを防ぐために設ける。下地絶縁膜は、単層構造でも積層構造でもよいが、少なくとも1層アルカリ金属およびアルカリ土類金属の拡散を防止するためのバリア膜を設けることが望ましい。本実施形態では、バリア膜として窒化酸化シリコン膜501を設けている。バリア膜としては、窒化酸化シリコン膜などの窒化酸化物膜、および、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜などの窒化物膜が好適である。トランジスタ108を構成する半導体膜と下地絶縁膜との界面準位密度を低減するために、酸化窒化シリコン膜502が形成されている。
本実施形態では、厚さ140nmの窒化酸化シリコン膜501、厚さ100nmの酸化窒化シリコン膜502および厚さ50nmの非晶質シリコン膜503を、1台のPECVD装置で連続して形成する。窒化酸化シリコン膜501のソースガスはSiH、NO、NHおよびHである。酸化窒化シリコン膜502のソースガスはSiHおよびNOである。非晶質シリコン膜503のソースガスはSiHおよびHである。ソースガスを変えることで、1つのチャンバー内で3つの膜を連続して形成することができる。
本実施形態では、PINダイオード106およびトランジスタ108を結晶性半導体膜で形成する。そのため、非晶質半導体膜を結晶化し、結晶性半導体膜を形成する。半導体膜の結晶化方法には、ランプアニール装置や炉を用いた固相成長方法、レーザ光を照射して半導体膜を溶融させて結晶化させるレーザ結晶化方法などを用いることができる。
ここでは、下地絶縁膜上に非晶質シリコン膜503を形成し、この非晶質シリコン膜503を固相成長させて結晶化して、結晶性シリコン膜504を形成する(図9A、図9B参照)。ここでは、600℃以下の加熱温度で、短時間で非晶質シリコン膜503を固相成長させるため、非晶質シリコン膜503に金属元素を添加している。以下に、非晶質シリコン膜503の結晶化方法について具体的に説明する。
まず、非晶質シリコン膜503の表面をオゾン水で処理して、極薄い(数nm程度)の酸化膜を形成し、非晶質シリコン膜503表面の濡れ性を向上させる。次で、重量換算で10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル溶液を、スピナーで非晶質シリコン膜503の表面に塗布する。
次に、炉において、非晶質シリコン膜503を加熱して、結晶性シリコン膜504を形成する。例えば、この非晶質シリコン膜503を結晶化させるには、例えば、500℃、1時間の加熱し、引き続き550℃、4時間の加熱処理を行えばよい。ニッケルの触媒的な作用により、短時間、かつ低温で結晶性シリコン膜504を形成することができる。また、ニッケルの触媒的な作用により、結晶粒界に不対結合が少ない結晶性シリコン膜504を形成することができる。シリコンの結晶化を助長する金族元素としては、Niの他、Fe、Co、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Ptなどがある。
これらの金属元素を非晶質シリコン膜503に導入する方法には、これらの金属元素の溶液を塗布する方法の他に、金属元素を主成分とする膜を非晶質シリコン膜503表面に形成する、プラズマドーピング法などにより金属元素を非晶質シリコン膜503に添加する方法などがある。
次に、結晶性シリコン膜504の結晶欠陥を修復する、結晶化率を向上させるため、レーザ光を照射する。レーザ光は波長400nm以下のビームが好ましい。このようなレーザ光には、例えば、XeClエキシマレーザ光(XeCl:波長308nm)、YAGレーザの第2高調波又は第3高調波などがある。レーザ光を照射する前に、結晶性シリコン膜504の表面に形成されている酸化膜を希フッ酸などで除去することが好ましい。
本実施形態では、結晶化のために導入したニッケルを結晶性シリコン膜504からゲッタリングする処理を行う。ニッケルは非晶質シリコン膜503の結晶化には有用であるが、ニッケルが結晶性シリコン膜504に高濃度に存在していると、トランジスタ108のリーク電流を増加させるなど、トランジスタ108の電気的特性を低下させる要因になるからである。以下、ゲッタリング処理の一例を説明する。
まず、オゾン水で結晶性シリコン膜504の表面を120秒程度処理して、結晶性シリコン膜504表面に厚さ1−10nm程度の酸化膜を形成する。オゾン水の処理の代わりに、UV光を照射してもよい。次に、酸化膜を介して、結晶性シリコン膜504表面にArを含む非晶質シリコン膜を厚さ10−400nm程度形成する。この非晶質シリコン膜中のArの濃度は、1×1018atoms/cm以上1×1022atoms/cm以下が好ましい。また、Arの代わりに、他の第18族元素を非晶質シリコン膜に添加してもよい。
第18族元素を非晶質シリコン膜に添加する目的は、非晶質シリコン膜に歪みを与えて、非晶質シリコン膜中にゲッタリングサイトを形成することである。第18族元素の添加により歪みが生じる原因は2種類ある。1つは、第18族元素の添加により結晶にダングリングボンドが形成されることによるものであり、もう1つは、結晶格子間に第18族元素が添加されることによるものである。
例えば、PECVD法で、Arを含む非晶質シリコン膜(以下、「Ar:a−Si膜」と呼ぶ。)を形成するには、SiH、HおよびArをソースガスに用いればよい。Arに対するSiHの流量比(SiH/Ar)が1/999以上1/9以下とすることが好ましい。また、プロセス温度は300−500℃が好ましい。ソースガスを励起させるためのRFパワー密度は、0.0017W/cm以上0.48W/cm以下とすることが好ましい。プロセス圧力は、1.333Pa以上66.65Pa以下が好ましい。
例えば、スパッタリング法で、Ar:a−Si膜を形成するには、ターゲットに単結晶シリコンを用い、スパッタ用ガスにArを用いればよい。Arガスをグロー放電させ、Arイオンで単結晶シリコンターゲットをスパッタリングすることで、Arを含んだ非晶質シリコン膜を形成することができる。非晶質シリコン膜中のArの濃度は、グロー放電させるためのパワー、圧力、温度などにより調節することができる。プロセス圧力は、0.1Pa以上5Pa以下とすればよい。圧力は低いほど、非晶質シリコン膜中のArの濃度を高くすることができ、1.5Pa以下が好ましい。プロセス中にガラス基板500を特段加熱する必要はなく、プロセス温度を300℃以下とすることが好ましい。
Ar:a−Si膜を形成した後、ゲッタリングのために、炉において、650℃、3分の加熱処理を行う。この加熱処理により、結晶性シリコン膜504に含まれているNiはAr:a−Si膜に析出し、捕獲される。この結果、結晶性シリコン膜504のNiの濃度を低下させることができる。加熱処理の完了後、エッチング処理によりAr:a−Si膜を除去する。このエッチング処理では、酸化膜がエッチングストッパとして機能する。Ar:a−Si膜を除去した後、結晶性シリコン膜504の表面の酸化膜を希フッ酸などで除去する。以上により、Niが低減された結晶性シリコン膜504が形成される。
次に、結晶性シリコン膜504にアクセプタ元素を添加する。これは、トランジスタ108のしきい値電圧を制御するためである。例えば、アクセプタ元素としてボロンを用い、結晶性シリコン膜504に、1×1016−5×1017atoms/cmの濃度でボロンが含まれるよう添加する。
次いで、結晶性シリコン膜504上にレジストマスクを形成し、レジストマスクを用いて、結晶性シリコン膜504をエッチングして、図9Cに示すように、トランジスタ108を構成する半導体膜511、およびPINダイオード106を構成する半導体膜512を形成する。また、図示していないが、pチャネル型トランジスタを構成する半導体膜、およびコンデンサを構成する半導体膜も形成される。本実施形態では、半導体膜511、512をシリコン膜で形成したが、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコンなど他の第14族元素でなる半導体膜で形成することができる。また、GaAs、InP、SiC、ZnSe、GaN、SiGeなどの化合物半導体膜、酸化亜鉛、酸化スズなどの酸化物半導体膜で形成することもできる。
次に、図9Cに示すように、半導体膜511、512上にゲート絶縁膜を形成する。ここでは、ゲート絶縁膜として、厚さ30nmの酸化窒化シリコン膜521を形成する。この酸化窒化シリコン膜521は、PECVD法で、ソースガスにSiHおよびNOを用いて形成される。
さらに、酸化窒化シリコン膜521上に導電膜520を構成する導電膜として、厚さ30nmの窒化タンタル膜505と、厚さ170nmのタングステン膜506でなる2層構造の導電膜を形成する。窒化タンタル膜505とタングステン膜506はスパッタ法で形成される。窒化タンタル膜505とタングステン膜506の積層膜の代わりに、例えば、窒化タングステン膜とタングステン膜の積層膜、または窒化モリブデン膜とモリブデン膜の積層膜を形成することができる。本実施形態では、導電膜520を用いて、半導体膜511に自己整合的にソース領域、ドレイン領域および低濃度不純物領域を形成するため、上面から見た大きさが上層の導電膜の方が下層の導電膜よりも小さくなるようにする。そのため、下層の導電膜よりも上層の導電膜のエッチング選択比が大きいことが望ましい。この点で、窒化タンタル膜505とタングステン膜506の積層膜は好ましい。
次に、タングステン膜506上に、レジストマスク507を形成する。このレジストマスク507を用いて、2回のエッチング処理を行う。まず、図9Dに示すように、レジストマスク507を用いて窒化タンタル膜505およびタングステン膜506をエッチングする。この1回目のエッチングで、窒化タンタル膜505およびタングステン膜506でなる積層膜の断面の形状は、テーパー状に加工される。このエッチング処理は、例えば、エッチング用ガスにCF、ClおよびOの混合ガスを用い、ICP(誘導結合型プラズマ)エッチング装置で行うことができる。
さらに、レジストマスク507を用い、図9Eに示すように、上層のタングステン膜506を選択的にエッチングする。このエッチング処理は異方性エッチング処理であり、例えば、エッチング用ガスにCl、SFおよびOの混合ガスを用い、ICPエッチング装置で行うことができる。この2回のエッチング処理により、第1層目の導電膜520が形成される。導電膜520において、タングステン膜506の端部は、窒化タンタル膜505上面にあり、上面から見た場合、タングステン膜506の形状は、窒化タンタル膜505よりも小さい。
レジストマスク507を除去した後、半導体膜512の高抵抗領域およびP型不純物領域となる領域を覆って、レジストマスク508を形成する。次いで、半導体膜511、512にドナー元素を添加し、N型の不純物領域を形成する。ここでは、ドナー元素としてリンを添加する。まず、半導体膜511にN型の低濃度不純物領域を形成するため、低ドーズ量、高加速電圧の条件下で、半導体膜511、512にリンを添加する。リンのソースガスにはPHを用いることができる。この条件下では、導電膜520の窒化タンタル膜505およびタングステン膜506が積層している部分のみがマスクとして機能し、導電膜520の窒化タンタル膜505のみで構成されている部分はリンが通過し、半導体膜511に低濃度不純物領域560および低濃度不純物領域561が形成される。さらに、半導体膜512にも低濃度不純物領域562が形成される。
次に、ソース領域およびドレイン領域を形成するため、高ドーズ量、低加速電圧の条件下でリンを添加する。この条件下では、導電膜520全体がマスクとして機能し、図10Bに示すように、半導体膜511にドレイン領域563、およびソース領域564が自己整合的に形成される。さらに、半導体膜511には、低濃度不純物領域565、低濃度不純物領域566およびチャネル形成領域567も自己整合的に形成される。他方、半導体膜512にはN型不純物領域568が形成される。
レジストマスク508を除去した後、半導体膜511全体、ならびに半導体膜512の高抵抗領域およびN型不純物領域となる領域を覆って、レジストマスク509を形成する。次いで、半導体膜512にアクセプタ元素を添加し、P型の不純物領域を形成する。ここでは、アクセプタ元素としてボロンを添加する。ボロンのソースガスにはBを用いることができる。高ドーズ量、低加速電圧の条件下でボロンを添加することで、半導体膜512にP型不純物領域569が形成される。また、図10A−図10Cの不純物元素の添加工程で、ドナー元素およびアクセプタ元素を添加しなかった領域は、高抵抗領域570となる。また、この工程で、pチャネル型トランジスタの半導体膜に、ソース領域およびドレイン領域も形成される。
レジストマスク509を除去した後、導電膜520を覆ってガラス基板500上に第1層目の層間絶縁膜を形成する。本実施形態では、この層間絶縁膜を3層構造としている。1層目は、厚さ30nmの酸化窒化シリコン膜522であり、2層目は厚さ165nmの窒化酸化シリコン膜523であり、3層目は厚さ600nmの酸化窒化シリコン膜524である。これらの膜522−524は、PECVD装置で形成される。
まず、SiHおよびNOをソースガスに用いて、酸化窒化シリコン膜522を形成する。そして、加熱処理を行い、半導体膜511、512に添加したリンおよびボロンを活性化する。この加熱処理の完了後、PECVD装置で窒化酸化シリコン膜523、および酸化窒化シリコン膜524を形成する。窒化酸化シリコン膜523のソースガスには、SiH、NO、NHおよびHを用い、窒化酸化シリコン膜523中の水素濃度が高くなるようにする。酸化窒化シリコン膜524のソースガスにはSiHおよびNOが用いられる。酸化窒化シリコン膜524の形成後、加熱処理を行い、窒化酸化シリコン膜523の水素を拡散させ、半導体膜511、512の不対結合手を水素により終端させる。この加熱処理は、300−550℃の温度で行うことができる。
以降の工程は、図11A−図14の断面図を用いて説明する。なお、図11A−図14の断面構造の図示の方法は、図8と同様である。
レジストのマスクを用いて、酸化窒化シリコン膜521、酸化窒化シリコン膜522、窒化酸化シリコン膜523および酸化窒化シリコン膜524でなる積層膜をエッチングして複数の開口を形成する。この開口は、素子を構成する半導体膜と第2層目の導電膜との電気的な接続部、および第1層目の導電膜と第2層目の導電膜との電気的な接続部を形成する。例えば、開口を形成する部分は、導電膜531と半導体膜511のドレイン領域563との接続部、導電膜532と半導体膜511のソース領域564との接続部、導電膜533と導電膜520の接続部、導電膜534と導電膜520との接続部、導電膜531と半導体膜512のN型不純物領域568との接続部、導電膜532と半導体膜512のP型不純物領域569との接続部である。
次に、酸化窒化シリコン膜524上に、第2層目の導電膜を構成する導電膜を形成する。ここでは、スパッタ法で厚さ400nmのチタン膜を形成する。このチタン膜上にレジストのマスクを形成し、このマスクを用いてチタン膜をエッチングして、2層目の導電膜を構成する。図11Aには、導電膜531−534を図示する。ここでは、導電膜532は、電源電位VSS用の端子と、測光装置10の機能回路とを電気的に接続するための配線を構成する。また、導電膜534は、フォトダイオード100と可変クロック信号生成回路101とを電気的に接続するための配線(または電極)を構成する。
なお、2層目の導電膜531−534、および3層目の導電膜551、552は、チタン、チタン合金、チタン化合物、モリブデン、モリブデン合金、またはモリブデン化合物でなる膜が好ましい。これらの導電性材料でなる膜は耐熱性が高いこと、シリコン膜との接触によって電蝕されにくいこと、マイグレーションが起こりにくいことなどの長所があるからである。
次に、図11Aに示すように、酸化窒化シリコン膜524上に、フォトダイオード100を構成する光電変換層540を形成する。ここでは、光電変換層540として、PECVD装置を用いて非晶質シリコン膜を形成する。また、光電変換層540にPIN接合を設けるため、光電変換層540をP型の導電性を示す層、I型の導電性を示す層、およびN型の導電性を示す層でなる3層構造とする。なお、光電変換層540は、非晶質シリコン膜に限定されるものではなく、例えば、微結晶シリコン膜でもよいし、単結晶シリコン膜でもよい。
まず、導電膜531−534を覆って、PECVD装置により厚さ60nmのP型非晶質シリコン膜541、厚さ400nmのI型非晶質シリコン膜542、および厚さ80nmのN型非晶質シリコン膜543を連続して形成する。P型非晶質シリコン膜541のソースガスにSiH、HおよびBを用いて、ボロンを添加する。また、I型非晶質シリコン膜542のソースガスにSiHおよびHを用い、ドナーおよびアクセプタとなる不純物元素を意図的に添加しない非晶質シリコン膜を形成する。N型非晶質シリコン膜543のソースガスにSiH、HおよびPHを用いて、リンを添加する。次いで、レジストのマスクを用いて、非晶質シリコン膜541−543でなる積層膜をエッチングして、光電変換層540を形成する。
ここでは、1枚のガラス基板500上には、複数の測光装置10が同時に作製される。測光装置10が完成した後は、測光装置10のサイズに合わせてガラス基板500を切断し、1つずつの装置に分割する。ここでは、分割した後の測光装置10の側面を良好にパッシベーションするため、図11Bに示すように、測光装置10の周囲545(点線で示す部分)の酸化窒化シリコン膜524を除去する。この工程は、エッチング処理で行うことができる。
次に、窒化酸化シリコン膜523、酸化窒化シリコン膜524、導電膜531−534および光電変換層540を覆って、第2層目の層間絶縁膜を形成する。ここでは、図11Cに示すように、厚さ100nmの窒化酸化シリコン膜525および厚さ800nmの酸化シリコン膜526でなる2層の絶縁膜を形成する。
窒化酸化シリコン膜525は、PECVD装置でソースガスにSiH、NO、NHおよびHを用いて形成する。窒化酸化シリコン膜525はパッシベーション膜として機能する。窒化酸化シリコン膜525の代わりに窒化シリコン膜を形成してもよい。窒化シリコン膜はPECVD装置でソースガスにSiH、NHおよびHを用いて形成することができる。また、酸化シリコン膜526は、ソースガスに、O、およびテトラエトキシシラン(略称TEOS、化学式Si(OC)を用いて、PECVD装置で形成する。酸化シリコン膜526の代わりに、PECVD装置で酸化窒化シリコン膜を形成してもよい。
次に、レジストのマスクを用いて、窒化酸化シリコン膜525および酸化シリコン膜526でなる積層膜をエッチングして、コンタクトホールとなる開口を形成する。
次に、酸化シリコン膜526上に、第3層目の導電膜を構成する導電膜を形成する。ここでは、スパッタ法で厚さ200nmのチタン膜を形成する。このチタン膜上にレジストのマスクを形成し、このマスクを用いてチタン膜をエッチングして、3層目の導電膜を形成する。図12Aには、導電膜551、552を図示する。
次に、図12Bに示すように、窒化酸化シリコン膜501を残して、測光装置10の周囲546(点線で示す部分)から、絶縁膜(502、521−526)を除去する。この工程は、エッチング処理で行うことができる。このように、測光装置10の周囲から絶縁膜を除去するのは、図11Bの工程で、酸化窒化シリコン膜524を除去したのと同様に、分割した後の測光装置10の側面を良好にパッシベーションするためである。
次に、図13Aに示すように、厚さ100nmの窒化酸化シリコン膜527を形成する。窒化酸化シリコン膜527は、PECVD装置でソースガスにSiH、NO、NHおよびHを用いて形成する。窒化酸化シリコン膜527はパッシベーション膜として機能する。窒化酸化シリコン膜527によって、3層目の導電膜551、552、および全ての絶縁膜(501、503、521−526)の露出している面が覆われる。したがって、測光装置10のフォトダイオード100、各機能回路は、ガラス基板500側はバリア層である窒化酸化シリコン膜501でパッシベーションされ、かつ、電源端子581、582が形成される側は窒化酸化シリコン膜527でパッシベーションされている。このような構造により、測光装置10に水分または有機物などの不純物が侵入することを防ぐことができる。
次に、図13Bに示すように、封止膜528を形成する。封止膜528により、集積回路部の上面および側面が封止される。封止膜528の厚さは1μm以上が好ましく、1−30μm程度とする。このように厚く形成するため、封止膜528は樹脂膜で形成することが好ましい。ここでは、印刷法により、感光性のエポキシ−フェノール系樹脂膜を形成することで、測光装置10の入力端子および/または出力端子との接続部となる部分に開口を有する封止膜528を形成する。図13Bに図示されている開口529、および開口530は、それぞれ、電源電位VSS用端子との接続部、電源電位VDD用端子との接続部を構成する。
次に、レジストのマスクを用いて窒化酸化シリコン膜527をエッチングし、封止膜528に形成されている開口内部の窒化酸化シリコン膜527を除去する(図14参照)。
次に、封止膜528上に、測光装置10の入力および/または出力端子を形成する。ここでは、電源電位VSS用の端子581、および電源電位VSS用の端子582の作製方法を説明するが、他の端子も同様に形成される。本実施形態では、端子581、582を4層構造の導電膜で形成する。まず、1層目の導電膜591、592をスクリーン印刷法などの印刷法で形成する。本実施形態では、ニッケル粒子を含む導電性ペーストを用いて、スクリーン印刷法により導電膜591、592をそれぞれ厚さ15μm程度に形成する。
導電性ペーストは、樹脂でなるバインダーに金属粒子、または金属の粉体が分散している材料である。このような導電性ペーストを固化することで、導電性樹脂膜が形成される。よって、導電膜591は導電性樹脂膜で構成されているため、ハンダとの密着性に乏しい。そこで、電源端子581、582のハンダとの密着性を高めるため、導電膜591の上面にメタルマスクを用いたスパッタ法で、所定の形状の導電膜を形成する。ここでは、図8に示すように、導電膜591上に、それぞれ、3層構造の導電膜を形成する。1層目の導電膜は厚さ150nmのチタン膜592であり、2層目の導電膜は厚さ750nmのニッケル膜593であり、3層目の導電膜は厚さ50nmのAu膜594である。以上の工程で、4層構造の端子581、582が完成する。
次に、測光装置10の周囲546(図12Bの点線で示す部分)で、ガラス基板500を切断し、1つずつの測光装置10に分割する。ガラス基板500の切断は、ダイシング法、レーザカット法などで行うことができる。ガラス基板500を分断する前に、ガラス基板500の裏面を研磨または研削して、ガラス基板500を薄くすることもできる。この工程は、スパッタ法で導電膜(593−598)を形成する前に行うことが好ましい。ガラス基板500を薄くしておくことで、ガラス基板500を切断するために用いる切削工具の消耗を低減することができる。また、ガラス基板500を薄くすることで、測光装置10を薄くすることができる。例えば、0.5mm程度の厚さのガラス基板500を0.25mm程度に薄くすることができる。ガラス基板500を薄くした場合、ガラス基板500の裏面および側面を樹脂膜で覆い、ガラス基板500を保護することが好ましい。
以上の工程で、測光装置10が完成する。なお、本実施形態では、機能回路をSOI構造のトランジスタで作製する方法を説明したが、単結晶シリコン基板などのバルク状半導体基板から測光装置10を作製することもできる。
(実施形態5)
実施形態4では、非晶質半導体膜を結晶化して形成した結晶性半導体膜を用いて、各機能回路を作製する方法を説明した。ガラス基板に単結晶半導体膜を形成し、この単結晶半導体膜を用いて機能回路を作製することができる。本実施形態では、単結晶半導体膜が固定されているSOI構造の半導体基板を形成する方法を説明する。
図15Aに示すように、ガラス基板800を用意する。ガラス基板800は、単結晶半導体基板から分割された単結晶半導体層を支持する支持基板である。ガラス基板800には、熱膨張係数が25×10−7/℃以上50×10−7/℃以下(好ましくは、30×10−7/℃以上40×10−7/℃以下)であり、歪み点が580℃以上680℃以下(好ましくは、600℃以上680℃以下)である基板を用いることが好ましい。また、機能回路の汚染を抑えるため、ガラス基板は無アルカリガラス基板が好ましい。無アルカリガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス基板、アルミノホウケイ酸ガラス基板、バリウムホウケイ酸ガラス基板などがある。
また、ガラス基板800の代わりに、セラミック基板、石英基板やサファイア基板などの絶縁体でなる絶縁性基板、金属やステンレスなどの導電体でなる導電性基板、シリコンやガリウムヒ素など半導体でなる半導体基板などを用いることができる。
図15Bに示すように、単結晶半導体基板801を用意する。単結晶半導体基板801から分離された半導体層をガラス基板800に貼り合わせることで、SOI基板が作製される。単結晶半導体基板801には、シリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、炭化シリコンなどの第14族元素でなる単結晶半導体基板を用いることができる。また、本実施形態では、ガラス基板800には、単結晶半導体基板801よりも大きいサイズの基板が用いられている。
図15Cに示すように、単結晶半導体基板801上に絶縁膜802を形成する。絶縁膜802は単層構造、積層構造とすることができる。その厚さは5nm以上400nm以下とすることができる。絶縁膜802を構成する膜には、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化ゲルマニウム、窒化ゲルマニウム、酸化窒化ゲルマニウム、窒化酸化ゲルマニウムなどのシリコンまたはゲルマニウムを組成に含む絶縁材料でなる膜を用いることができる。また、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化ハフニウムなどの金属酸化物でなる絶縁膜、窒化アルミニウムなどの金属窒化物でなる絶縁膜、酸化窒化アルミニウムなどの金属の酸化窒化物でなる絶縁膜、窒化酸化アルミニウムなどの金属の窒化酸化物でなる絶縁膜を用いることもできる。絶縁膜802を構成する絶縁膜は、CVD法、スパッタ法、単結晶半導体基板801を酸化するまたは窒化するなどの方法により形成することができる。
また、絶縁膜802には、不純物がガラス基板800から、単結晶半導体膜に拡散することを防止できるような膜を少なくとも1層設けることが好ましい。このような膜には、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、および窒化酸化アルミニウム膜などがある。このような膜を含ませることで、絶縁膜802をバリア層として機能させることができる。
例えば、絶縁膜802を単層構造のバリア層として形成する場合、厚さ5nm以上200nm以下の窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜で、絶縁膜802を形成することができる。
絶縁膜802を、バリア層として機能する2層構造の膜とする場合は、上層は、バリア機能の高い絶縁膜で構成する。このような膜は、厚さ5nm乃至200nmの窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、または窒化酸化アルミニウム膜などで形成することができる。これらの膜は、不純物の拡散を防止するブロッキング効果が高いが、内部応力が高い。そのため、単結晶半導体基板801と接する下層の絶縁膜には、上層の絶縁膜の応力を緩和する効果のある膜を選択することが好ましい。このような絶縁膜には、酸化シリコン膜および酸化窒化シリコン膜、および単結晶半導体基板801を熱酸化して形成した熱酸化膜などがある。これらの絶縁膜の厚さは5nm以上300nm以下とすることができる。
本実施形態では、絶縁膜802を絶縁膜802aと絶縁膜802bでなる2層構造とする。絶縁膜802aとして、ソースガスにSiHおよびNOを用いてPECVD法により厚さ100nmの酸化窒化シリコン膜を形成し、絶縁膜802bとして、ソースガスにSiH、NOおよびNHを用いてPECVD法により厚さ50nmの窒化酸化シリコン膜を形成する。
次に、図15Dに示すように、絶縁膜802を介して、電界で加速されたイオンでなるイオンビーム805を単結晶半導体基板801に照射して、単結晶半導体基板801の表面から所定の深さの領域に脆化層803を形成する。このイオン照射工程は、加速されたイオン種でなるイオンビーム805を単結晶半導体基板801に照射することで、イオン種を構成する元素を単結晶半導体基板801に添加する工程である。イオンビーム805を単結晶半導体基板801に照射すると、加速されたイオン種の衝撃により、単結晶半導体基板801の所定の深さに結晶構造が脆くなっている層が形成され、この層が脆化層803である。脆化層803が形成される領域の深さは、イオンビーム805の加速エネルギーとイオンビーム805の侵入角度によって調節することができる。加速エネルギーは加速電圧、ドーズ量などにより調節できる。イオンの平均侵入深さとほぼ同じ深さの領域に脆化層803が形成される。つまり、イオンが侵入する深さで、単結晶半導体基板801から分離される半導体層の厚さが決定される。脆化層803が形成される深さは50nm以上500nm以下であり、50nm以上200nm以下が好ましい。
イオンビーム805を単結晶半導体基板801に照射するには、質量分離を伴うイオン注入法だけでなく、質量分離を伴わないイオンドーピング法で行うことができる。
ソースガスに水素(H)を用いる場合、水素ガスを励起してH、H 、H を生成することができる。ソースガスから生成されるイオン種およびその割合は、プラズマの励起方法、プラズマを発生させる雰囲気の圧力、ソースガスの供給量などを調節することで、変化させることができる。イオンドーピング法で脆化層803の形成を行う場合、H、H 、H の総量に対してH が、70%以上イオンビーム805に含まれるようにすることが好ましく、H の割合は80%以上がより好ましい。それは脆化層803を浅い領域に形成するためには、イオンの加速電圧を低くする必要があるが、また、水素ガスを励起することで生成されたプラズマ中のH イオンの割合を高くすることで、原子状水素を効率よく、単結晶半導体基板801に添加することができるからである。
水素ガスを用いて、イオンドーピング法でイオン照射を行う場合、加速電圧10kV以上200kV以下、ドーズ量1×1016ions/cm以上6×1016ions/cm以下とすることができる。この条件で水素イオンを照射することで、イオンビーム805に含まれるイオン種、およびその割合にもよるが、脆化層803を単結晶半導体基板801の深さ50nm以上500nm以下の領域に形成することができる。
例えば、単結晶半導体基板801が単結晶シリコン基板であり、絶縁膜802aが厚さ50nmの酸化窒化シリコン膜であり、絶縁膜802bが厚さ50nmの窒化酸化シリコン膜の場合、ソースガスが水素であり、加速電圧40kV、ドーズ量2×1016ions/cmの条件では、単結晶半導体基板801から厚さ120nm程度の半導体層を分離することができる。また、絶縁膜802aを厚さ100nmの酸化窒化シリコン膜とし、他は同じ条件で水素イオンを照射することで、単結晶半導体基板801から厚さ70nm程度の半導体層を分離することができる。
イオン照射工程のソースガスには、水素の他に、ヘリウム(He)や、塩素ガス(Clガス)およびフッ素ガス(Fガス)などのハロゲンガスを用いることもできる。
脆化層803を形成した後、絶縁膜802の上面に、図15Eに示すように、絶縁膜804を形成する。絶縁膜804を形成する工程では、単結晶半導体基板801の加熱温度は、脆化層803に添加した元素または分子が析出しない温度とし、その加熱温度は350℃以下が好ましい。言い換えると、この加熱処理は脆化層803からガスが抜けない温度で行う。なお、絶縁膜804は、イオン照射工程を行う前に形成することもできる。この場合は、絶縁膜804を形成するときのプロセス温度を350℃以上にすることができる。
絶縁膜804は、平滑で親水性の接合面を単結晶半導体基板801の表面に形成するための膜である。絶縁膜804の厚さは5nm以上500nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましい。絶縁膜804として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜を形成することができる。ここでは、ソースガスにTEOSおよびOを用いて、PECVD法で厚さ50nmの酸化シリコン膜を形成する。
なお、絶縁膜802または絶縁膜804の一方を形成しなくてもよい。また、ガラス基板800に単層構造または積層構造の絶縁膜を形成してもよい。この絶縁膜は絶縁膜802と同様に形成することができ、積層構造とする場合は、バリア層となる絶縁膜は、ガラス基板800に接して形成することが好ましい。また、ガラス基板800に絶縁膜を形成した場合、絶縁膜802、および絶縁膜804は形成しなくてもよい。
図15Fは接合工程を説明する断面図であり、ガラス基板800と単結晶半導体基板801とを貼り合わせた状態を示している。接合工程を行うには、まず、ガラス基板800、ならびに、絶縁膜804、502が形成された単結晶半導体基板801を超音波洗浄する。超音波洗浄はメガヘルツ超音波洗浄(メガソニック洗浄)が好ましい。メガヘルツ超音波洗浄の後、ガラス基板800および単結晶半導体基板801の双方、または一方をオゾン水で洗浄することもできる。オゾン水で洗浄することで、有機物の除去と、表面の親水性を向上させることができる。
洗浄工程の後、絶縁膜804を介して、ガラス基板800と単結晶半導体基板801を貼り合わせる。ガラス基板800の表面と絶縁膜804の表面とを密着させると、ガラス基板800と絶縁膜804との界面に化学結合が形成され、ガラス基板800と絶縁膜804が接合する。接合工程は加熱処理を伴わずに常温で行うことができるため、単結晶半導体基板801を貼り付ける基板にガラス基板800のような耐熱性の低い基板を用いることが可能である。
ガラス基板800と単結晶半導体基板801を密着させた後、ガラス基板800と絶縁膜804との界面での結合力を増加させるための加熱処理を行うことが好ましい。この処理温度は、脆化層803に亀裂を生じさせない温度であり、例えば、70℃以上300℃以下とすることができる。
次いで、400℃以上の加熱処理を行い、脆化層803において単結晶半導体基板801を分割し、単結晶半導体基板801から単結晶半導体膜806を分離する。図15Gは、単結晶半導体基板801から単結晶半導体膜806を分離する分離工程を説明する図である。図15Gに示すように、分離工程により、ガラス基板800上に単結晶半導体膜806が形成される。801Aを付した要素は、単結晶半導体膜806が分離された後の単結晶半導体基板801を示している。
400℃以上の加熱処理を行うことで、ガラス基板800と絶縁膜804との接合界面に形成された水素結合から共有結合に変化するため、結合力が増加する。また、温度上昇によって、脆化層803に形成されている微小な孔には、イオン照射工程で添加した元素が析出し、内部の圧力が上昇する。圧力の上昇により、脆化層803の微小な孔に体積変化が起こり、脆化層803に亀裂が生じるので、脆化層803に沿って単結晶半導体基板801が分割される。絶縁膜804はガラス基板800に接合しているので、ガラス基板800上には単結晶半導体基板801から分離された単結晶半導体膜806が固定されることになる。単結晶半導体膜806を単結晶半導体基板801から分離するための加熱処理の温度は、ガラス基板800の歪み点を越えない温度とし、400℃以上700℃以下で行うことができる。
図15Gに示す分離工程を完了することで、ガラス基板800に単結晶半導体膜806が貼り合わされたSOI基板810が作製される。SOI基板810は、ガラス基板800上に絶縁膜804、絶縁膜802、単結晶半導体膜806の順に層が積層された多層構造を有し、SOI基板810は絶縁膜804と単結晶半導体膜806が接合されている基板となる。
なお、単結晶半導体基板801から単結晶半導体膜806を分離するための加熱処理は、結合力を強化するための加熱処理と同じ装置で連続して行うことができる。また、2つの加熱処理を異なる装置で行うこともできる。例えば、同じ炉で行う場合は、まず、処理温度200℃、処理時間2時間の加熱処理を行い。次いで、加熱温度を600℃に上昇させ、600℃、2時間の加熱処理を行う。そして、400℃以下から室温程度の温度に冷却して、炉から、単結晶半導体基板801AおよびSOI基板810を取り出す。
異なる装置で加熱処理を行う場合は、例えば、炉において、処理温度200℃、処理時間2時間の加熱処理を行った後、貼り合わされたガラス基板800と単結晶半導体基板801を炉から搬出する。次いで、ランプアニール装置で処理温度600℃以上700℃以下、処理時間1分以上30分以下の加熱処理を行い、単結晶半導体基板801を脆化層803で分割する。
SOI基板810の単結晶半導体膜806は、脆化層803の形成、分離工程などによって、結晶欠陥が形成され、また、その表面は平坦性が損なわれている。そこで、結晶欠陥の低減、平坦化のために、単結晶半導体膜806にレーザ光を照射して、溶融させることで再結晶化させることが好ましい。あるいは、単結晶半導体膜806の表面の損傷を除去し、その表面を平坦にするため、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置などで、単結晶半導体膜806の表面を研磨する工程を行うことが好ましい。
本実施形態のSOI基板810を用いて、SOI構造の測光装置を作製することができる。
(実施形態6)
実施形態1−3の測光装置を電子機器に取り付けることで、測光装置のデジタル信号に基づいて電子機器の動作を制御することができる。例えば、表示パネルを備えた電子機器に測光装置を内蔵することで、測光装置により使用環境の照度を測定することができ、測光装置でえられたデジタル信号を用いて、表示パネルの輝度調節を行うことが可能になる。本実施形態では、図16A−図16Fを用いて、このような電子機器のいくつかの例を説明する。
図16A、および図16Bは、本実施形態の携帯電話の外観図である。図16A、および図16Bの携帯電話は、それぞれ、本体1101、表示パネル1102、操作キー1103、音声出力部1104および音声入力部1105を有する。さらに、本体1101には測光装置1106が設けられている。図16A、および図16Bの携帯電話は、測光装置1106が検出した電気信号をもとに表示パネル1102の輝度を調節する機能を有する。さらに、図16Bの携帯電話は、表示パネル1102のバックライトの輝度を検出する測光装置1107が本体1101に内蔵されている。
図16Cは、本実施形態のコンピュータの外観図である。コンピュータは、本体1111、表示パネル1112、キーボード1113、外部接続ポート1114、ポインティングデバイス1115などを有する。さらに、表示パネル1112のバックライトの輝度を検出する測光装置(図示せず)が本体1111に内蔵されている。
図16Dは、本実施形態の表示装置の外観図である。テレビ受像器、コンピュータのモニタなどが表示装置に該当する。本表示装置は、筐体1121、支持台1122、表示パネル1123などによって構成されている。筐体1121には、表示パネル1123のバックライトの輝度を検出する測光装置(図示せず)が内蔵されている。
図16Eは、正面方向から見た、本実施形態のデジタルカメラの外観図であり、図16Fは背面方向から見た同デジタルカメラの外観図である。デジタルカメラは、リリースボタン1131、メインスイッチ1132、ファインダ窓1133、フラッシュライト1134、レンズ1135、鏡胴1136、筺体1137、ファインダ接眼窓1138、表示パネル1139、および操作ボタン1140などを有する。測光装置をデジタルカメラに組み込むことにより、測光装置によって撮影環境の輝度を感知することができる。測光装置で検出された電気信号をもとに、露出調整、シャッタースピード調節などを行うことができる。
本実施例では、測光装置の可変クロック信号生成回路、および固定クロック信号生成回路を同じ構造の回路にすることで、これら2つのクロック信号生成回路を構成する半導体素子の電気的な特性値、基準電位などが設計値から異なっていても、これら値の設計値からの差異よりも、測光装置で生成されるデジタル信号のカウント値の誤差を小さくできることを説明する。このことを明らかにするため、回路シミュレーションを行った。
回路シミュレーションを行った測光装置は図1の測光装置10であり、可変クロック信号生成回路101には図3の発振回路を適用し、固定クロック信号生成回路105には、図6の発振回路を適用した。実施形態2で述べたように、図6の固定クロック信号生成回路105で生成されるクロック信号CLK1の周波数fは下記式(5)で表すことができ、図3の可変クロック信号生成回路101で生成されるクロック信号CLK2の周波数fは、下記式(6)で表すことができる。
式(5)において、Cはコンデンサ249の静電容量値であり、Z11は式(4)のZと同様の比例定数であり、光電流増幅回路210の増幅率、およびランプ波形信号生成回路221を構成するトランジスタ241−248の電気的特性などにより決定される定数である。また、式(6)において、Cはコンデンサ149の静電容量値であり、Z12はZと同様の比例定数である。
本実施例の回路シミュレーションでは、可変クロック信号生成回路101のコンデンサ149の静電容量値C、およびコンデンサ249の静電容量値Cが設計値からずれることで、測光装置10から出力されるデジタル信号のカウント値CNTの誤差がどの程度になるかを計算した。回路シミュレーションでは、式(5)、および式(6)において、Z11=Z12=1とし、周波数f、fの算出に、静電容量値C、C以外の各回路101、105の電気的な特性値(例えば、トランジスタのしきい値電圧など)を無視した。表1に回路シミュレーション結果を示す。回路シミュレータには、SmartSpiceを用いた。
表1の各数値は、測定装置10に電源電位VDD=2.5V、および電源電位VSS=接地電位を供給し、照度100ルクスの光を検出するという条件下で計算された値である。表1には、デジタル信号のデータ値であるカウント値CNT、可変クロック信号生成回路101で生成されるクロック信号CLK2の周波数f、および光の照度を測定している測定期間Tが示されている。測定期間Tは、固定クロック信号生成回路105のクロック信号CLK1の周波数fにカウント値CNTを乗じた値である。
また、この回路シミュレーションでは、C=Cである条件下で、C、Cが設計値の場合、設計値から−20%変動した場合、および設計値から+20%変動した場合において、各数値(CNT、T、f)、およびそれらの設計値からの変動率が計算された。静電容量値C、Cに関してこのような条件を設定したのは、1つの測光装置10を構成する半導体素子は同じ作製工程を経て形成されるため、この測光装置10の同じ構造の半導体素子は電気的特性値の設計値からの変動は同程度になることを想定したためである。
表1に示すように、容量値C、Cが設計値から±20%異なっているにも関わらず、カウント値CNTの変動率は±1%程度と、非常に小さい。他方、クロック信号CLK2の周波数f、および測定期間Tの設計値からの変動率は、容量値C、Cの変動率と同程度の±20%程度である。
カウント値CNTの設計値からの変動率が容量値C、Cの変動率よりも小さいのは、測定期間Tが短くなっても(固定クロック信号生成回路105のクロック信号CLK1が速くなっても)、同程度に、可変クロック信号生成回路101のクロック信号CLK2が速くなるためであり、かつ、測定期間Tが長くなっても(固定クロック信号生成回路105のクロック信号CLK1が遅くなっても)、同程度に、可変クロック信号生成回路101のクロック信号CLK2が遅くなるためである。そして、このように測定期間T(周波数f)に周波数fが連動するのは、可変クロック信号生成回路101が固定クロック信号生成回路105と同じ構造の回路であるからである。
例えば、コンデンサ149(図3参照)とコンデンサ249(図6参照)が同じ工程で形成されることで、各静電容量値C、Cが設計値と異なったとしても、これらの設計値からの変動は同じ傾向を示すことが多い。そのため、表1の計算結果が示すように、静電容量値Cと静電容量Cの設計値からの変動は、固定クロック信号生成回路105のクロック信号CLK1と可変クロック信号生成回路101のクロック信号CLK2とで相殺され、カウント値CNTへの影響は軽減される。
以上述べたように、本実施例の回路シミュレーションにより、測光装置の可変クロック信号生成回路が固定クロック信号生成回路と同じ構造の回路であることで、カウント値CNT(デジタル信号のデータ)の誤差、つまり光量の測定誤差が抑制されることが示された。
10、20 測光装置
100 フォトダイオード
101 可変クロック信号生成回路
103 デジタル信号生成回路
104 定電流生成回路
105 固定クロック信号生成回路
110 光電流増幅回路
120 クロック信号生成回路
121 ランプ波形信号生成回路
122 ヒステリシスコンパレータ回路
123 バッファー回路
131 カウント回路
132 ラッチ回路
133 計数期間設定回路
210 定電流増幅回路
220 クロック信号生成回路
221 ランプ波形信号生成回路
222 ヒステリシスコンパレータ回路
223 バッファー回路
301 可変クロック信号生成回路
310 光電流増幅回路
311 増幅回路
312 増幅回路
320 クロック信号生成回路
330 ゲイン切替回路
331 スイッチ回路
332 スイッチ回路

Claims (12)

  1. 定電流を出力する定電流生成回路と、
    前記定電流に比例する周波数で発振する第1のクロック信号を生成する第1のクロック信号生成回路と、
    受光することで光電流を発生する光電変換素子と、
    前記光電流に比例する周波数で発振する第2のクロック信号を生成する第2のクロック信号生成回路と、
    前記第2のクロック信号のパルス数を一定期間カウントし、当該パルス数のカウント値をデータとするデジタル信号を出力し、前記第1のクロック信号をもとに、前記第2のクロック信号のパルス数のカウントを開始するタイミング、および当該カウントを終了するタイミングを設定するデジタル信号生成回路と、
    を有することを特徴とする測光装置。
  2. 請求項1において、
    前記第2のクロック信号生成回路は、前記光電流をx倍(x≧1)以上に増幅する光電流増幅回路を含み、
    前記第2のクロック信号生成回路は、前記光電流増幅回路から出力される増幅電流から、前記第2のクロック信号を生成することを特徴とする測光装置。
  3. 請求項1において、
    前記第1のクロック信号生成回路は、前記定電流をy倍(y≧1)以上に増幅する定電流増幅回路を含み、前記定電流増幅回路から出力される増幅電流から、前記第1のクロック信号を生成し、
    前記第2のクロック信号生成回路は、前記光電流をx倍(x≧1)以上に増幅する光電流増幅回路を含み、前記光電流増幅回路から出力される増幅電流から、前記第2のクロック信号を生成することを特徴とする測光装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、
    前記光電流増幅回路は、カレントミラー回路であることを特徴とする測光装置。
  5. 請求項3において、
    前記光電流増幅回路および前記定電流増幅回路は、カレントミラー回路であることを特徴とする測光装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、
    前記第2のクロック信号生成回路は、前記第1のクロック信号生成回路と同じ構成の回路であることを特徴とする測光装置。
  7. 定電流を出力する定電流生成回路と、
    前記定電流に比例する周波数で発振する第1のクロック信号を生成する第1のクロック信号生成回路と、
    受光することで光電流を発生する光電変換素子と、
    前記光電流を増幅する第1の増幅回路と、前記第1の増幅回路と増幅率の異なる第2の増幅回路とを含み、前記第1の増幅回路で増幅された第1増幅光電流、および第2の増幅回路で増幅された第2増幅光電流を出力する光電流増幅回路と、
    前記第1の増幅光電流、および前記第2の増幅光電流が入力され、一方を出力するゲイン切替回路と、前記ゲイン切替回路から出力される電流から、前記光電流に比例する周波数で発振する第2のクロック信号を生成するクロック信号生成回路とを含む第2のクロック信号生成回路と、
    前記第2のクロック信号のパルス数を一定期間カウントし、当該パルス数のカウント値をデータとするデジタル信号を出力し、前記第1のクロック信号をもとに、前記第2のクロック信号のパルス数のカウントを開始するタイミング、および当該カウントを終了するタイミングを設定するデジタル信号生成回路と、
    を有することを特徴とする測光装置。
  8. 請求項7において、
    前記第1のクロック信号生成回路は、前記定電流をy倍(y≧1)以上に増幅する第3の増幅回路を含み、前記第3の増幅回路で増幅された定電流をもとに、前記第1のクロック信号を生成することを特徴とする測光装置。
  9. 請求項8において、
    前記第3の増幅回路は、カレントミラー回路であることを特徴とする測光装置。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項において、
    前記第2のクロック信号生成回路の前記第1の増幅回路および前記第2の増幅回路は、カレントミラー回路であることを特徴とする測光装置。
  11. 請求項7乃至10のいずれか1項において、
    前記第1のクロック信号生成回路は、前記第2のクロック信号生成回路と同じ構成の回路であることを特徴とする測光装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれか1項に記載の測光装置と、前記測光装置から出力される前記デジタル信号をもとに表示輝度が調節される表示パネルとを含む電子機器。
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