JP2010031975A - 緩衝器 - Google Patents

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Abstract

【課題】低周波数帯域の振動の入力のみならず高周波数帯域の振動の入力に対しても充分に振動を抑制することができる緩衝器を提供することである。
【解決手段】本発明の緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を2つの作動室に区画する隔壁部材2と、二つの作動室R1,R2を連通するとともに通過流体に抵抗を与える減衰通路3と、減衰通路3を迂回して二つの作動室R1,R2を連通するバイパス路5と、バイパス路5の途中に設けた圧力室R3と、圧力室R3内に摺動自在に挿入されて圧力室R3を一方の作動室R2に連通される一方室6と他方の作動室R1に連通される他方室7とに区画するフリーピストン8と、フリーピストン8を中立位置に位置決める附勢手段9を備え、所定周波数以上の周波数で振動すると減衰通路3における通過流体における抵抗を大きくする弁手段10を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝器の改良に関する。
従来から緩衝器は、車両の車体と車軸との間に介装され、車両の振動を減衰させる用途に使用され、車両における乗り心地の向上と操縦性を向上させる役割を担っている。
他方、車両は、一般的に、車軸と車体との間にバネ要素を介装させて走行中に路面から車軸へ入力される振動が車体に伝播することを抑制している。さらに、車軸は、タイヤを介して接地しており、タイヤがバネ要素として振舞うことから路面から車体へ振動が伝達される経路には二つのバネ要素が介在することになり、車両における上下方向の振動系には二つの共振点を持つ。そして、車体重量は車軸重量より重いため、車体が共振する共振周波数(バネ上共振周波数)は車軸が共振する共振周波数(バネ下共振周波数)より低くなるのが一般的である。
したがって、二つの共振周波数の振動入力時に緩衝器が大きな減衰力を出力することができれば、車両の振動を効果的に減衰して、車両における乗り心地の向上と操縦性を向上させることに繋がるのであるが、これら共振周波数およびこの近傍以外の振動に対して大きな減衰力を発揮することになるとバネ要素による振動の絶縁を妨げて、却って乗り心地を損ねることがあるので、可能であれば緩衝器に周波数に依存した減衰力を発生させたい。
しかしながら、車両の乗り心地に大きな影響を与えるのは、バネ下共振周波数の振動よりもバネ上共振周波数の振動であり、また、バネ上共振周波数とバネ下共振周波数の間の減衰力を小さくした方が乗り心地を向上できることが経験的に知られており、また、緩衝器の作動油の圧縮性から振動が高周波になればなるほど減衰力発生に応答遅れが生じてゲインが低下することから、従来の周波数感応の減衰力を発生する緩衝器(たとえば、特許文献1参照)では、バネ上共振周波数の振動の抑制を重視したものとなっており、バネ上共振周波数の振動に対しては大きな減衰力を発揮させ、周波数が高くなると徐々に減衰力が小さくなるようになっている。
具体的には、この緩衝器は、シリンダと、シリンダとシリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を上室と下室に区画するピストンと、ピストンに設けられた上室と下室を連通して通過流体の流れに抵抗を与える減衰通路と、ピストンロッドの先端から側部に開通し減衰通路を迂回して上室と下室を連通するバイパス路と、バイパス路の途中に接続される圧力室を備えてピストンロッドの先端に取付けられたハウジングと、圧力室内に摺動自在に挿入され圧力室を一方室と他方室とに区画するフリーピストンと、フリーピストンを附勢するコイルバネとを備えて構成されている。
ここで、緩衝器の伸縮時における上室と下室との差圧をPとし、上室から流出する液体の流量をQとし、上記差圧Pと第一通路を通過する液体の流量Q1との関係である係数をC1とし、他方室内の圧力をP1とし、この圧力P1と上室から他方室に流入する液体の流量Q2との関係である係数をC2とし、一方室内の圧力をP2とし、この圧力P2と一方室から下室内に流出する液体の流量Q2との関係である係数をC3とし、フリーピストンの受圧面積である断面積をAとし、フリーピストンの圧力室に対する変位をXとし、コイルバネのバネ定数をKとして、流量Qに対する差圧Pの伝達関数を求めると、式(1)が得られる。なお、式(1)中、sはラプラス演算子を示している。
Figure 2010031975
さらに、上記式(1)で示された伝達関数中のラプラス演算子sにjωを代入して、周波数伝達関数G(jω)の絶対値を求めると、以下の式(2)が得られる。
Figure 2010031975
上記各式から理解できるように、この緩衝器における流量Qに対する差圧Pの伝達関数の周波数特性は、図4のボード線図に示したように、Fa=K/{2・π・A・(C1+C2+C3)}とFb=K/{2・π・A・(C2+C3)}の2つの折れ点周波数を持ち、また、F<Faの領域においては、伝達ゲインは略C1となり、Fa≦F≦Fbの領域においてはC1からC1・(C2+C3)/(C1+C2+C3)まで漸減するように変化し、F>Fbの領域においてはC1・(C2+C3)/(C1+C2+C3)となる。すなわち、流量Qに対する差圧Pの伝達関数の周波数特性は、低周波数域では伝達ゲインが大きくなり、高周波数域では伝達ゲインが小さくなる。
したがって、この緩衝器では、図5に示したように、低周波数帯域の振動の入力に対しては減衰係数を大きくして減衰力を発生し、他方、周波数が高くなっていくにつれて、減衰係数を小さくして減衰力を発揮する。
特開2006−336816号公報(図2)
上述した緩衝器では、高周波数帯域に存在するバネ下共振周波数の振動を抑制するために必要最低限の減衰力を発揮するように設計され、これを下限として低周波数帯域に存在するバネ上共振周波数の振動に対して発生する減衰力をチューニングして、車両における乗り心地を向上するようにしているが、結局のところ、振動周波数が大きくなると発生減衰力が小さくなってしまうため、乗り心地への影響はバネ上共振周波数の振動に比較すれば小さいとは言え、バネ下共振周波数の振動の抑制が不十分となり、乗り心地と操縦性の点で更なる向上が求められている。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、低周波数帯域の振動の入力のみならず高周波数帯域の振動の入力に対しても充分に振動を抑制することができる緩衝器を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を2つの作動室に区画する隔壁部材と、二つの作動室を連通する減衰通路と、減衰通路を迂回して二つの作動室を連通するバイパス路と、バイパス路の途中に設けた圧力室と、圧力室内に摺動自在に挿入されて圧力室を一方の作動室に連通される一方室と他方の作動室に連通される他方室とに区画するフリーピストンとを備え、フリーピストンを中立位置に位置決める附勢手段とを備えた緩衝器において、所定周波数以上の周波数で振動すると減衰通路における通過流体における抵抗を大きくする弁手段を設けたことを特徴とする。
本発明の緩衝器によれば、低周波振動に対して従来の緩衝器と同様に大きな減衰係数にて減衰力を発揮し、高周波振動に対しては減衰通路における通過流体の流れに与える抵抗が大きくなり、減衰係数を大きくして減衰力を発揮するようになる。
したがって、この緩衝器にあっては、低周波数帯域の振動の入力のみならず高周波数帯域の振動の入力に対しても充分に振動を抑制することができ、車両における乗り心地と操縦性を向上させることができるのである。
以下、本発明の緩衝器を各図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器の概略図である。図2は、一実施の形態の緩衝器における弁手段の一構成例の縦断面図である。図3は、一実施の形態の緩衝器における弁手段の他の構成例の縦断面図である。
一実施の形態における緩衝器Dは、基本的には、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を2つの作動室である上室R1および下室R2に区画する隔壁部材たるピストン2と、一端がピストン2に連結されるピストンロッド15と、ピストン2に形成された上室R1および下室R2を連通する減衰通路3と、減衰通路3を迂回して上室R1と下室R2とを連通するバイパス路5と、バイパス路5の途中に圧力室R3を形成するハウジング4と、上記ハウジング4内に摺動自在に挿入されて圧力室R3を一方の作動室たる下室R2に連通される一方室6と他方の作動室たる上室R1に連通される他方室7とに区画するフリーピストン8と、フリーピストン8を圧力室R3内で中立位置に位置決める附勢手段9とを備えるとともに、緩衝器Dが所定周波数以上の周波数で伸縮振動すると減衰通路3における通過流体に与える抵抗を大きくする弁手段10を備えて構成されている。
また、この緩衝器Dにあっては、上室R1および下室R2さらには圧力室R3内には流体として、たとえば、作動油が充満され、この緩衝器Dの場合、シリンダ1内の図中下方には、シリンダ1の内周に摺接して下室R2と気体室Gとを区画する摺動隔壁11が設けられている。緩衝器D内に充填する流体は、この場合、液体とされているが、気体であってもよく、流体が気体である場合には気体室Gやリザーバといったシリンダ1にピストンロッド15が出入りすることによるシリンダ1内の容積変化を補償する機構を設けなくともよい。
なお、シリンダ1の上下端は閉塞されており、当該上端をピストンロッド15が摺動自在に貫いて、ピストンロッド15のシリンダ1内への出入りを許容している。
そして、この実施の形態の場合、シリンダ1の外方に圧力室R3を形成するハウジング4が配置されており、ハウジング4はシリンダ1に並列されて、それぞれ上室R1と下室R2に連通されている。減衰通路3は、ピストン2に設けられて上室R1と下室R2とを連通するとともに緩衝器Dが伸縮する際に通過する流体の流れに抵抗を与えて上室R1と下室R2に差圧を生じせしめて緩衝器Dに減衰力を発揮させるようになっている。
そして、圧力室R3内には、フリーピストン8が摺動自在に挿入されており、圧力室R3は、当該フリーピストン8によって上室R1に連通される他方室7と下室R2に連通される一方室6に仕切られている。また、ハウジング4内のフリーピストン8の可動域外には、一方室6と下室R2との間に配置される仕切部材4aが固定されて設けられており、この仕切部材4aには、一方室6と下室R2とを連通する通路4bが設けられ、当該通路4bは、通過流体の流れに抵抗を与えるようになっている。なお、仕切部材4aは、他方室7と上室R1との間に設置されてもよい。
さらに、フリーピストン8は、附勢手段9によって、圧力室R3内に中立位置に位置決められ、この附勢手段9は、この場合、一対のバネで構成されてフリーピストン8を挟持しており、フリーピストン8の中立位置からの図1中上下へ変位することを抑制するようになっている。特に、緩衝器Dの振動周波数が低く、上室R1内の圧力が伝播する他方室7と下室R2内の圧力が伝播する一方室6の圧力交番における周波数も低い場合には、ピストン2の動きによってフリーピストン8も可動するが、附勢手段9で両側から押圧されているため、附勢手段9の附勢力によってフリーピストン8の速度が小さく抑えられ、バイパス路5を介して上室R1から下室R2へ或いは下室R2から上室R1への流体の見かけ上の流量は少なくなり、その分、流体が減衰通路3を通過して緩衝器Dの減衰係数が大きくして減衰力を発揮する。また、この実施の形態の場合、低周波数振動時におけるバイパス路5による流体の上室R1と下室R2との行き来をより抑制するべく、流体流れに抵抗を与える通路4bを設けており、これによってバイパス路5の減衰通路3の迂回作用の発現を阻止して、より確実に緩衝器Dの減衰係数を大きくすることに貢献している。
なお、附勢手段9は、一対のバネによって構成されているが、バネ以外の弾性体で構成されてもよく、また、単一の弾性体やバネによって構成されてもよい。なお、単一の弾性体やバネで附勢手段9を構成する場合には、一端をフリーピストン8に固定し他端をハウジング4あるいは仕切部材4aに固定するようにし、フリーピストン8を中立位置に位置決めできるようにすればよい。また、中立位置は、必ずしもフリーピストン8の圧力室3内でのストローク中心に設定されずともよく、一方室6と他方室7が等圧におかれた状態で附勢手段9で位置決めしたフリーピストン8のハウジング4に対する位置である。
ここで、バイパス路5を介しての上室R1と下室R2との流体の流量を、見かけ上と表現しているのは、バイパス路5の途中に設けた圧力室R3内はフリーピストン8によって区画されており、厳密には上室R1と下室R2はバイパス路5によって通じていないが、フリーピストン8は、圧力室R3の一方室6と他方室7との圧力バランスによって変位して一方室6と他方室7の容積を変化させ、流体は、バイパス路5を通じて上室R1と下室R2とを行き来する振る舞いを呈するためである。
すなわち、低周波振動に対して緩衝器Dは、従来の緩衝器と同様に大きな減衰係数にて減衰力を発揮し、車両のバネ上共振周波数を緩衝器Dが減衰係数を大きく維持する低周波数帯域の範囲に収めるように設定しておくことで、バネ上共振周波数の振動入力に対して減衰力が充分に発揮されて、車両の乗り心地と操縦性を向上させることができる。
そして、この緩衝器Dにあっては、振動周波数が低周波数帯域を越えると、上室R1と下室R2のバイパス路5を介しての見かけ上の流体の交流量も多くなり、減衰通路3を迂回する流量が増加するので、減衰通路3を流れる流量を減少させて緩衝器Dの減衰係数を低下させる。そして、減衰通路3の通過流体に与える抵抗が大きくなる高周波数帯域を越えない状態では、緩衝器Dの減衰係数は周波数の上昇に伴って徐々に低下させる傾向となり、この低周波数帯域と高周波数帯域の間の振動に対しては、緩衝器Dは減衰係数を低くして減衰力を発生する。
他方、弁手段10は、緩衝器Dに入力される振動周波数が所定周波数以上となる場合、具体的には振動周波数が高周波数帯域にある場合に、減衰通路3における通過流体に与える抵抗を大きくするようになっている。
弁手段10は、減衰通路3の途中に配置されており、図示しない弁体で減衰通路3を開閉するようになっており、緩衝器Dの伸縮周波数、緩衝器Dの伸縮周波数が現れる緩衝器Dの伸縮の際の上室R1と下室R2或いはこれらの圧力が伝播される一方室6、他方室7の圧力交番の周波数を検知するなどし、当該周波数が高いと弁体で減衰通路3の流路面積を小さくするか開弁圧を高くするようになっている。なお、周波数の検知は周知の緩衝器Dの伸縮ストロークを検知するセンサや圧力を検知するセンサによって行って、弁手段10における弁体をソレノイド等の周知の駆動手段によって駆動して減衰通路3における抵抗を制御するようにすればよい。
そして、緩衝器Dの振動周波数が高周波数帯域に達すると、減衰通路3における通過流体に与える抵抗が大きくなる。減衰通路3とは独立しているバイパス路5にあっては、フリーピストン8の変位量が大きくなるので、当該バイパス路5を介しての上室R1と下室R2とを交流する流量は多くなるが、減衰通路3における通過流体に与える抵抗が大きくなる分、上室R1と下室R2の差圧が大きくなり、緩衝器Dは減衰係数を大きくして減衰力を発揮するようになり、弁手段10で減衰通路3における抵抗を大きくする所定周波数以上の周波数帯域の範囲に、バネ下共振周波数が入るように設定しておくことで、バネ下共振周波数の振動入力に対して減衰力が充分に発揮されて、車両の乗り心地と操縦性を向上させることができる。
したがって、この緩衝器Dにあっては、低周波数帯域の振動の入力のみならず高周波数帯域の振動の入力に対しても充分に振動を抑制することができ、車両における乗り心地と操縦性を向上させることができるのである。なお、本実施の形態においては、緩衝器Dの減衰特性、具体的には減衰係数の変化、を説明するために、緩衝器Dの振動周波数に低周波数帯域、高周波数帯域およびこれらの中間でなる区分を設けているが、これらの区分の境界の周波数はそれぞれ任意に設定することができ、緩衝器Dが用いられる車両の振動の抑制に適するように設定されればよい。
また、減衰通路3は、単一の通路とされるだけでなく、上室R1と下室R2とを連通する複数の通路を並列させておき、この複数の通路うち任意の通路における通過流体に与える抵抗を調節する構成としてもよく、また、弁手段10が高周波数振動入力時に通路を閉塞する構成とされる場合には、弁手段10を設けない通路を一つ以上設けて上室R1と下室R2を連通できるようにしておけばよい。
なお、弁手段10が減衰通路3を閉塞する場合、弁手段10は、たとえば、図2に示すように、減衰通路3に並列させて設けた減衰通路20の途中に設けることができる。
減衰通路3は、二つの通路3a,3bで構成されてピストン2に設けられており、一方の通路3aはピストン2の上方に積層されるリーフバルブV1によって、他方の通路3bはピストン2の下方に積層されるリーフバルブV2によって、それぞれ開閉されるようになっている。
リーフバルブV1は、緩衝器Dの収縮時に下室R2と上室R1の差圧によって撓んで開弁し一方の通路3aを開放して下室R2から上室R1へ移動する液体の流れに抵抗を与えるとともに、緩衝器Dの伸長時には通路3aを閉塞するようになっており、他方のリーフバルブV2は、リーフバルブV1とは反対に緩衝器Dの伸長時に通路3bを開放し、収縮時には通路3bを閉塞する。すなわち、減衰通路3は、リーフバルブV1,V2によって通過する流体の流れに抵抗を与えて、緩衝器Dに減衰力を発生させるようになっている。なお、減衰通路3にて流体の流れに抵抗を与えるには、リーフバルブV1,V2以外にも、絞り弁等の他の弁を採用するようにしてもよい。また、リーフバルブV1,V2は、図示したところでは、単一の環状板で構成されているが、環状板の枚数は任意であり、緩衝器Dにて発生する減衰力に応じて決定すればよい。
そして、減衰通路20は、この場合、ピストンロッド15に並列して設けられた二つの通路20a,20bとを備えて構成され、これら通路20a,20bは、ともに上室R1と下室R2とを連通している。
弁手段10は、通路20a,20bのそれぞれに設けられた開閉弁21,21とされ、ともに上流側の圧力をパイロット圧として通路20a,20bを開閉するようになっている。なお、通路20aに設けた開閉弁21は、下室R2から上室R1へ向かう流体の流れのみを許容し上流を下室R2側としており、反対に、通路20bに設けた開閉弁21は、上室R1から下室R2へ向かう流体の流れのみを許容し上流を上室R1側としている。
また、開閉弁21,21は、ともに、通路20a,20bの途中に設けた弁本体21a,21aと、弁本体21a,21aより上流側に設けたオリフィス21b,21bを備えており、当該オリフィス21b,21bを通過した流体の圧力をパイロット圧として弁本体21a,21aの一端に導くパイロッド通路21c,21cと、パイロット圧の作用方向に対向して弁本体21a,21aの他端に附勢力を作用させるバネ21d,21dとを備えて構成されている。
したがって、弁本体21a,21aは、パイロット圧が弁本体21a,21aを附勢する附勢力がバネ21d,21dの附勢力を下回る場合には、バネ21d,21dによって附勢されて、通路20a,20bを閉塞するポジションを採り、パイロット圧が弁本体21a,21aを附勢する附勢力がバネ21d,21dの附勢力を上回るようになると弁本体21a,21aが駆動されて通路20a,20bを開放するポジションを採るようになる。
また、パイロット圧は、オリフィス21b,21bを通過した流体の圧力とされているので、緩衝器Dの振動周波数が低い場合には、パイロット圧が上室R1あるいは下室R2の圧力上昇に伴って高まり、弁本体21a,21aを駆動して通路20a,20bを開放する。これに対して、緩衝器Dの振動周波数が高くなり、上室R1と下室R2の圧力の交番における周波数が高くなると、パイロット圧の上昇に遅れが生じてパイロット圧による附勢力がバネ21d,21dの附勢力に打ち勝てなくなり、弁本体21a,21aが通路20a,20bを閉塞したままとなる。
このように、上記した弁手段10は、緩衝器Dの振動周波数が高周波数帯域にあると、減衰通路20を遮断状態に維持するように機能し、上室R1および下室R2の圧力をパイロット圧として弁本体21a,21aに作用させて弁本体21a,21aを駆動するので、ソレノイド等の駆動手段を設けずして減衰通路20を開閉でき、電力等のエネルギを消費しないので経済的となる。
なお、図3に示すように、単一の減衰通路3における抵抗を変化させる場合には、弁手段10を、減衰通路3のほかに用意されるパイロット圧導入用の通路30,30と、これら通路30,30の途中に設けた図2と同じタイプの開閉弁31,31と、減衰通路3の途中に設けた双方向通行を許容するとともに流れの上流の圧力をパイロット圧とし当該パイロット圧の作用で開弁動作する開閉弁32と、開閉弁31,31における弁本体31a,31aとこれに通路30中に直列させたオリフィス31b,31bとの間の圧力をパイロット圧として開閉弁32の弁本体32a,32aに作用させるパイロット通路31c,31cと、パイロット圧に対向する附勢力を作用させるバネ32bとを設けた構成とすることもできる。
このように構成された弁手段10にあっては、開閉弁32によって通過流体の流れに抵抗を与えて減衰力を発生するが、低周波振動時には、パイロット圧が上昇するので、開閉弁32の開弁圧が低くなり、高周波振動時にはパイロット圧の上昇が抑制され、開閉弁32における開弁圧が高くなる。
したがって、この弁手段10にあっては、緩衝器Dの振動周波数が高周波数帯域にあると、減衰通路3における流体流れに与える抵抗を大きくし、上室R1および下室R2の圧力をパイロット圧として弁本体32a,32aに作用させて弁本体32a,32aを駆動するので、ソレノイド等の駆動手段を設けずして減衰通路3における抵抗を調節することができ、電力等のエネルギを消費しないので経済的となる。
なお、本実施の形態における緩衝器Dは、いわゆる単筒型の緩衝器として構成されているが、これをシリンダ1の外方にシリンダ1を覆うように形成される環状のリザーバを備えた複筒型の緩衝器として構成されてもよいし、また、シリンダ1の外方に全く別体のリザーバタンクを備えた緩衝器として構成とされてもよい。加えて、圧力室R3をシリンダ1内に設けることも可能である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における緩衝器の概略図である。 一実施の形態の緩衝器における弁手段の一構成例の縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器における弁手段の他の構成例の縦断面図である。 従来の緩衝器の流量に対する圧力の周波数伝達関数のゲイン特性を示したボード線図である。 従来の緩衝器の振動周波数に対する減衰特性を示した図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ピストン
3,20a,20b 減衰通路
2c ピストンにおけるポート
4 ハウジング
5 バイパス路
6 一方室
7 他方室
8 フリーピストン
9 附勢手段
10 弁手段
11 摺動隔壁
15 ピストンロッド
21,31,32 開閉弁
21a,31a,32a 開閉弁における弁本体
21b,31b 開閉弁におけるオリフィス
21c,31c 開閉弁におけるパイロット通路
21d,32b 開閉弁におけるバネ
30 通路
D 緩衝器
G 気体室
R1 他方の作動室たる上室
R2 一方の作動室たる下室
R3 圧力室
V1,V2 リーフバルブ

Claims (3)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を2つの作動室に区画する隔壁部材と、二つの作動室を連通する減衰通路と、減衰通路を迂回して二つの作動室を連通するバイパス路と、バイパス路の途中に設けた圧力室と、圧力室内に摺動自在に挿入されて圧力室を一方の作動室に連通される一方室と他方の作動室に連通される他方室とに区画するフリーピストンとを備え、フリーピストンを中立位置に位置決める附勢手段とを備えた緩衝器において、所定周波数以上の周波数で振動すると減衰通路における通過流体における抵抗を大きくする弁手段を設けたことを特徴とする緩衝器。
  2. 弁手段は、減衰通路の途中に設けられた開閉弁を備え、減衰通路の途中であって開閉弁とこれより上流に設けたオリフィスとの間の圧力をパイロット圧として減衰通路を開閉することを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 弁手段は、減衰通路の途中に設けた開閉弁と、二つの作動室を連通するパイロット圧導入用の通路と、当該通路の途中に設けたオリフィスおよび開閉弁とを備え、減衰通路に設けた開閉弁は、通路の途中であってオリフィスと開閉弁との途中の圧力をパイロット圧として減衰通路を開閉することを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
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