JP2010030218A - ヘッドおよび吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズル開口の径が大きい場合でも液体を真っすぐに吐出できるノズルヘッドを提供する。
【解決手段】ノズルヘッド10aは、内側にノズル開口19の一部およびノズル開口19に至る第1の溝32を含む第1の凹み形状31を備えた基体30と、基体30と内面同士が貼り合わされる薄板20であって、当該薄板の外側に設けられるアクチュエータ40により変形可能な部分を含む薄板20とを有する。薄板20は、内側にノズル開口19の一部および第2の溝22を含む第2の凹み形状21を備えており、第1の溝32と第2の溝22とにより、圧力室15bからノズル開口19に至る部分を含む流路15が形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、液体、液体および粒子を含む物質などを吐出する装置に好適なヘッドに関するものである。
ピエゾやヒータをアクチュエータとして、複数のノズルからインクを吐出することにより印刷用紙に文字や画像を印刷するインクジェット方式の印刷装置が知られている。この印刷装置では、複数のノズルを備えた印刷ヘッドを動かしながら、文字や画像を印刷するために染料インクや、粒子径が1ミクロン以下でかつその密度が2g/cm3以下程度の有機顔料やカーボンブラックを含有したインクをノズルから吐出して用紙に微小なドットを形成する。そして、ドットの集合として文字や画像を用紙に記録する。
特許文献1に、インクジェットヘッドが開示されている。このインクジェットヘッドは、液体試料が流通する液体流路を表面に形成した基体と、基体の表面へ積層されて少なくとも流路を被覆する振動板と、振動板へ積層されて振動板を変形させるシート状の圧電アクチュエータとを備えている。
特開2008−96371号公報
印刷装置として開発されたインクジェット技術を用い、印刷用紙に代わるものにインク以外のものを吐出することが検討されている。特に、ピエゾアクチュエータを採用することにより、流体を加熱しないで吐出することができるので、応用範囲が広いと予想されている。さらに、液体に限らず、液体と微粒子との混合物を流体(液状物質)としてノズルから吐出することも検討されている。
例えば、液晶表示パネルにおいて、対向する基板の間隔を調整するためのスペーサをインクジェット技術を用いて吐出ヘッドから吐出してパターニングすることが考えられる。さらには、印刷用としては用いられていない金、銀、アルミ、その他の金属やガラスおよびそれらの酸化物や化合物などの比重の大きな金属微粒子が分散した液(吐出物または混合液)を陶磁器などに吐出して絵付けすることが考えられる。また、粒子径や密度が通常のインクよりも高い、無機顔料が含有された無機顔料インクを吐出物として噴出することも考えられている。
図9は、上記の用途などに用いられている従来のノズル構造を備えたヘッドの一例の概略構成を縦断面図により示している。図10は、図9のノズル開口をヘッドの先端から見た図により示している。
このヘッド90は、典型的には特許文献1に記載のインクジェットヘッドである。ヘッド90は、液体が流通する液体流路95を形成するために内側(表面)に溝92aが形成された基体92と、基体92よりも薄く、内面同士が接合面93となるように基体92に張り合わされて流路95を被覆する振動板(薄板)91と、振動板91の外側に積層されて振動板91を変形させる圧電アクチュエータ100とを有している。図10に示すように、ヘッド90の先端にはノズル開口99が現れており、ノズル開口99は、略半円状あるいは楕円を長軸に沿って半分に切断した形状となっている。このヘッド90は、圧電アクチュエータ100を駆動させ、振動板91を振動させることにより、流路95内の液体をノズル開口99から吐出させる。なお、図中符号95bはキャビティ(圧力室またはインク室)であり、符号95cは液体の供給部であり、符号95dは圧力室95bからノズル開口99に至る連絡路である。ノズル開口99、キャビティ95b、供給部95cおよび連絡路95dは、流路95に含まれる。
ところで、基板の間隔を調整するためのスペーサを吐出する場合や、金属微粒子が分散した液を吐出する場合、インクよりも分散媒が大きくなることがある。したがって、溶媒(液体)に、このような粒子あるいは分散媒を含む液状物質をノズルから吐出させる場合、インクを吐出する場合よりもノズル開口の径を大きくする必要がある。また、インクを吐出する場合でも、段ボールに印刷したり、コンテナに印刷するなどの目的によっては、ノズル開口の径を大きくし、大きなドットを形成したい場合もある。
本願の発明者らの実験によると、図9のようなノズルヘッド90を用いた場合、ノズル開口99の径を大きくすると、吐出させた液滴がまっすぐに飛ばず、一方に曲がってしまうことが見出された。例えば、図9のようなノズルヘッド90を用いてエタノール(表面張力25mN/m)を吐出する場合、ノズル開口99の径が30μm近傍またはそれを超えると、吐出させた液滴110が振動板91の方向に曲がってしまうことがある。したがって、ノズル開口の径を大きくしても、液滴をまっすぐに飛ばすことができるヘッドが求められている。
振動板に沿って流路を延ばしたノズル構造は、圧力室を振動板に沿って延びた状態で配置できる。このため、振動板の変位による圧力室の体積変動も大きくなり、飛ばしにくい液状物質、たとえば、粘度が高い液状物質や、比較的大きな粒子を含む液状物質を飛ばすことができる。ノズル開口における液体のメニスカスの表面圧力(間隙圧)はノズル開口の半径に反比例して低下し、メニスカスの強度は低下する。このため、ノズル開口を大きくするほどノズル開口の対称性が向上しないと吐出された液滴は曲がりやすい。基体に円形の孔を開けてノズル開口とすることは可能であるが、振動板に対して流路を曲げれば圧力損失が発生し、圧力室との応答性も悪くなり、圧力室も含めて振動板に対して直交する流路配置だと圧力室の圧力変動を大きくし難い。
本発明の一態様は、液状物質を吐出するためのノズル開口を有するヘッドであって、第1の側(内側)にノズル開口の一部およびノズル開口に至る第1の溝を含む第1の凹み形状を備えた基体と、基体の第1の側の面に内面が貼り合わされる薄板であって、薄板の外側に設けられるアクチュエータにより変形可能な部分を含む薄板とを有する。薄板は、内側にノズル開口の一部およびノズル開口に至る第2の溝を含む第2の凹み形状を備えている。このヘッドでは、第1の溝と第2の溝とにより、アクチュエータにより圧力を変動できる圧力室からノズル開口に至る経路を含む流路が形成され、圧電アクチュエータを駆動させることにより流路内の液状物質をノズル開口から吐出させることができる。
このヘッドでは、振動板となる薄板の側にも凹み形状を設け、振動板に沿って流路を延ばしたノズル構造を保った状態で、対称性の高いノズル開口を形成できる。すなわち、ノズル開口の対称性を改善できる。したがって、ノズル開口を大きくしても対称性の高いメニスカスを形成でき、ノズル開口の向いた方向に、直進性の高い液滴を吐出し易いヘッドを提供できる。
第1の凹み形状および第2の凹み形状はそれぞれ、ノズル開口に対応する部分が、基体と薄板とが貼り合わされた接合面を中心に対称となるように形成されていることが望ましい。ヘッドから吐出された液滴が曲がる要因は、ノズルの流路、特に、ノズル開口付近の流路の対称性の不足であると考えられる。第1の溝および第2の溝を作ることにより、ノズル開口付近の流路の対称性が向上する。さらにノズル開口の形状を対称にすることにより、ノズル開口付近の流路の対称性が向上する。第1の凹み形状および第2の凹み形状を同じ方法で形成することにより、第1の凹み形状および第2の凹み形状の内面の面粗さを共通にしやすいので対称性が増す。同一の製造方法でなくても面粗さを同じにすることは対称性を向上するために有効である。第1の凹み形状および第2の凹み形状の面粗さの共通性は、たとえば、接触角で規定することができ、第1の凹み形状の内面の吐出する液での測定による接触角および第2の凹み形状の内面の接触角の差は、15度以内が好ましく、10度以内がさらに好ましい。
第1の凹み形状および第2の凹み形状はそれぞれ、流路のうちの少なくとも圧力室からノズル開口に至る部分(連絡路)およびノズル開口に対応する部分が、基体と薄板とが貼り合わされた接合面を中心に対称となるように形成されていることが望ましい。引き打ちの場合、メニスカスは、ノズル開口に形成されるだけではなく、ノズル開口に繋がる連絡路に引き込まれる。したがって、連絡路も含めて対称性を向上することにより、ノズル開口に至る段差などの形状による対称性、エッチング、サンドブラスト、型転写、成型、異方性シリコンエッチングなどにより形成される溝表面(面粗さ)も含めて対称性を向上できる。したがって、ノズル開口を大きくしても、対称性の高いメニスカスを形成でき、吐出される液滴の直進性を向上できる。特に、ノズル開口から内部へノズル開口の30倍程度以内の距離の対称性を向上することが望ましい。したがって、ノズル開口から少なくともノズル開口の径の30倍、好ましくは50倍の距離の範囲の第1の凹み形状および第2の凹み形状は対称であることが望ましい。ノズル開口の径が30μmであれば、少なくともノズル開口から1.5mmの距離の範囲は第1の凹み形状および第2の凹み形状は対称であることが望ましい。
さらに、第1の凹み形状および第2の凹み形状はそれぞれ、流路のうちの圧力室、圧力室からノズル開口に至る部分(連絡路)およびノズル開口に対応する部分が接合面を中心に対称となるように形成されていることが望ましい。圧力室も含めて対称な形状にすることにより、さらに、対称な形状のメニスカスを形成し易い。また、薄板の側にも圧力室を形成することにより、アクチュエータの変位による圧力室の圧力変動も増大させ易い。
発明者らの実験によると、このノズルヘッドは、ノズル開口の径が30μm以上の場合に特に有効であり、アクチュエータが駆動されることにより直進性の高い液滴を吐出し易い。ノズルヘッドに設けられるアクチュエータは、典型的にはピエゾ(圧電)アクチュエータである。
本発明の他の態様は、上述したヘッド(ノズル装置、ノズルヘッド)と、アクチュエータを駆動させる駆動装置とを有する吐出装置である。この吐出装置は、さらに、液状物質を貯蔵する容器を装着可能な装着部と、装着部に装着された容器から液状物質をノズルの流路に供給するための供給路とを有していてもよい。
この吐出装置によれば、ノズル開口の径を大きくしても、液滴をまっすぐに飛ばすことができる。この吐出装置は、インクよりも分散媒が大きい液体を吐出する場合、例えば、基板の間隔を調整するためのスペーサを吐出する場合や、金属微粒子が分散した液を吐出する場合に、特に好適であり、液滴をまっすぐに飛ばし、正確な位置に着弾させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。図1は、吐出装置の一例を示している。図2は、本発明の第1の実施形態にかかるノズルの概略構成を縦断面図により示している。図3は、図2のノズル開口をノズル先端より示している。
図1に示すように、本例の吐出装置1は、圧電アクチュエータ(ピエゾアクチュエータ、ピエゾ素子)40を備えるノズルヘッド10aと、ノズルヘッド10aの圧電アクチュエータ40を駆動させる駆動装置(ドライバ)2と、吐出する液状物質(以降においては液体)を貯蔵する容器50を装着可能な装着部3と、装着部3に装着された容器50から液体をノズルヘッド10aの流路に供給するための供給路4とを有している。装着部3には、容器50が装着されている。本例の吐出装置1は、インクジェット方式のノズルヘッドにより、例えば、金属微粒子、セラミック微粒子、試薬、その他の分散媒を含む液状物質を吐出する装置であり、液状物質を塗布したり、分注する際などに好適に使用できる。分散媒の典型的な径は1ミクロンを超えるものであり、または密度が1.2g/cm3(比重が1.2)を超えるものである。
図2および図3に示すように、この吐出装置1が備える液体を吐出するためのノズルヘッド10aは、内側(第1の側、内面35の側)に第1の凹み形状31が形成された基体(厚板)30と、基体30より薄く、アクチュエータ40により振動または変形(変位)できる程度に薄い薄板(振動板)20であって内側(内面25の側)に第2の凹み形状21が形成された薄板20と、薄板20の外側26に設けられ、薄板20を変形させる圧電アクチュエータ40とを有している。なお、図示していないが、薄板20の外側26にはアクチュエータ40を駆動するための電極(ITO、金属などの薄膜)が形成されている。
このノズルヘッド10aは、基体30の内面35と、薄板20の内面25とが貼り合わされることにより構成されており、内面同士が接合面13となっている。ノズルヘッド10aは、内部に、基体30の第1の凹み形状31と、薄板20の第2の凹み形状21により形成された流路15を含む。流路15は、ノズルヘッド10aの先端側から、液滴を吐出するノズル開口19、連絡路15d、圧力室(キャビティ)15b、および供給部15cを含む。ノズル開口19は円形であり、本例では、直径は、40μmとなっている。このノズルヘッド10aは、圧電アクチュエータ40を駆動させ、薄板20を振動させることにより、流路15内の液体を液滴としてノズル開口19から吐出させる。
キャビティ15bは、ノズル開口19に対して十分に大きな容量を備えた部屋(空間)であり、薄板20の外側26のキャビティ15bに対応する部分にアクチュエータ40が取り付けられている。したがって、アクチュエータ40により薄板20が伸び縮みすることにより、キャビティ15bの容量が変動し、キャビティ15bの内圧が変化する。キャビティ15bと供給路4とを繋ぐ供給部(供給経路)15cは、キャビティ15bに対して開口面積が狭くなった部分15eを介して接続されており、キャビティ15bの圧力変動がノズル開口19の側へ効率良く伝達されるようになっている。キャビティ15bとノズル開口19とは連絡路15dにより接続されている。
薄板20および基体30は、それぞれ、ガラス製の基板である。なお、薄板20および基体30は、ガラス製基板に限定されるものではなく、樹脂製基板、セラミック基板、感光性ガラス基板、金属基板、シリコン基板などであってもよい。
基体30の内側(第1の側、内面35の側)には、第1の凹み形状31が、例えば、エッチングにより形成されている。第1の凹み形状31は、サンドブラスト、型転写、成型、異方性シリコンエッチングなどにより形成することが可能である。第1の凹み形状31は、先端側よりノズル開口19の一部となる部分39と、ノズル開口19に至る第1の溝32とを含む。第1の溝32は、流路15の連絡路15dを構成する部分32dと、キャビティ15bを構成する部分32bと、供給部15cを構成する部分32cとを含む。
薄板20の内側(内面25の側)には、第2の凹み形状21が、例えば、エッチングにより形成されている。第2の凹み形状21は、サンドブラスト、型転写、成型、異方性シリコンエッチングなどにより形成することが可能である。第2の凹み形状21は、先端側よりノズル開口19の一部となる部分29と、ノズル開口19に至る第2の溝22とを含む。第2の溝22は、流路15の連絡路15dを構成する部分22dと、キャビティ15bを構成する部分22bとを含む。
第1の凹み形状31の内の、ノズル開口19の一部となる部分39、連絡路15dを構成する部分32dと、キャビティ15bを構成する部分32bと、第2の凹み形状21(ノズル開口19の一部となる部分29、流路15の連絡路15dを構成する部分22d、キャビティ15bを構成する部分22bを含む)は、接合面13、すなわち、内面25および35を中心に対称な形状(面対称な形状、180度回転対称)を備えている。
図4は、図2のノズルヘッド10aと同じ構成でノズル径が異なるノズルヘッド(実施例のノズル)と、図9のノズルヘッド90と同じ構成でノズル径が異なるノズルヘッド(比較例のノズル)とを用いて液滴を吐出したときの液滴の曲がりの有無を測定した結果を示している。実施例のノズルでは、ノズル開口19の直径を15〜100μmの間で変化させたサンプルから吐出された液滴の軌道を測定している。比較例のノズルでは、図9のノズル開口99の最小径、すなわち、ノズル開口99に入る(内接する)円の直径を15〜100μmの間で変化させたサンプルから吐出された液滴の軌道を測定している。図4では、吐出液滴がまっすぐ飛んだ場合を○、吐出液滴が曲がった場合を×として示している。
比較例のノズルでは、溶媒の表面張力が70mN/mの液体(例えば水)を用いた場合、ノズル開口99の径が35μm以下であれば、液滴がまっすぐ飛ぶが、35μmを超えると、吐出させた液滴が曲がることがわかった。さらに、溶媒の表面張力が25mN/mの液体(例えばエタノール)を用いた場合、ノズル開口99の径が30μmを超えると、吐出させた液滴が曲がることがわかった。表面張力が小さい液体ほど、メニスカス(液体の表面が表面張力などの力により凹むこと)を形成する力が弱くなり、ノズル径が大きくなるとまっすぐに飛ばすことが難しくなることが分かる。さらに、ノズル開口の最小径が35μmを超えると、表面張力の大きな水であってもまっすぐに飛ばすことが難しくなる。
これに対し、実施例のノズルでは、溶媒の表面張力が小さい25mN/mの液体(例えばエタノール)であって、ノズル開口19の径が30μmを越えても吐出させた液体がまっすぐ飛ぶことがわかった。本実験においては、実施例のノズルで表面張力が25mN/m程度であれば、ノズル開口径が100μmであっても、まっすぐに飛び、曲がりがほとんどないことが確認されている。インクジェット用のインクの表面張力が25〜60mN/mであるとの報告があることに鑑みる(たとえば、特開2002−067473)と、実施例のノズルは、比較例のノズルに対して、ノズル開口径(直径)が少なくとも30μmあるいは少なくとも30μmを超えるノズルヘッドにおいて特に有効である。
以上のように、本例の吐出装置1およびノズルヘッド10aによれば、ノズル開口19、連絡路15dおよびキャビティ15bに対応する部分が接合面13を中心に対称な凹み形状21および31で構成されている。このため、ノズル開口19の径を大きくしても、液滴が曲がりにくく、液滴をまっすぐに飛ばすことができる。メニスカスの強さ(表面圧力、間隙圧力)は、表面張力に比例し、開口径の半径に反比例する。このため、表面張力の小さな液体を吐出する場合、また、ノズル開口の径が大きくなった場合には、メニスカスの強度は低下し、何らかの要因により偏りが発生し易い。実施例のノズルでは、ノズル開口19およびその近傍の流路を、ノズル開口19の中心あるいは流路15の中心軸に対して回転対称な形状にすることにより、メニスカスに偏りが発生する要因を排除または少なくできる。このため、メニスカスを形成する力が弱くなっても、液滴を吐出する際に、より対称(回転対称)な形状のメニスカスを構成できる。したがって、ノズル開口19から液滴をまっすぐに吐出できると考えられる。
すなわち、比較例のノズルは、ノズル開口を大きくすると、ノズル開口およびその近傍が非対称になるのでメニスカスに偏りが発生し、液滴が一方に曲がって吐出されたり、吐出された後に曲がることがある。メニスカスの偏りは、ノズル開口の形状だけではなく、メニスカスが引き込まれたときの連絡路の形状、液滴が吐出されるときの液と連絡路の壁面との摩擦、キャビティからのノズル開口への圧力の伝播などの影響も考えられる。したがって、本例では、ノズル開口19およびその近傍だけではなく、連絡路15dも含めて回転対称な形状となるように第1の凹み形状31および第2の凹み形状21を形成し、メニスカスに偏りが発生することを抑制している。
さらに、キャビティ15bも流路15の中心軸の回りに対称(回転対称)な形状となるように第1の凹み形状31および第2の凹み形状21を形成し、さらに、メニスカスが安定して形成されるようにしている。また、キャビティ15bを回転対称な形状とすることにより、アクチュエータ40により振動あるいは変位される薄板(振動板)20の壁体部分を薄くできるという効果がある。したがって、キャビティ(圧力室)15bの圧力変動を大きくすることができ、粘度が高い液状物質や、粒子を比較的多く含むような液状物質であって吐出しにくい液状物質であっても、安定して吐出できるノズルヘッド10aを提供できる。
また、基体30と薄板20とに第1の凹み形状31と第2の凹み形状21とを形成することにより、板材そのものを使用するときよりも流路15を構成する内面の状態は均一化され、その点でもメニスカスが安定する。これらの凹み形状31および21を同じ方法、たとえば、エッチングにより形成することにより、さらに流路15の内面の面粗さなどの条件が均一化され、いっそう安定したメニスカスを形成し易い。他の工法、例えば、サンドブラスト、型転写、成型、異方性シリコンエッチングなどにより凹み形状21および31を形成する場合も同様であり、基体30側の表面と、振動板20側の表面粗さに差ができることを抑制でき、吐出された液滴が曲がる要因を少なくできる。
第1の凹み形状31および第2の凹み形状21を同じ方法で形成することにより、それらの凹み形状の内面の面粗さを共通にしやすい。異なる製造方法でなくても凹み形状31および21の内面の面粗さを同じにすることは対称性を向上するために有効である。第1の凹み形状31および第2の凹み形状21の面粗さの共通性は、たとえば、吐出する液状物質または液体(たとえば、エタノール、水など)の接触角で規定することができる。これらの内面の接触角の差は、15度以内が好ましく、10度以内がさらに好ましい。
第1の凹み形状31および第2の凹み形状21のうち、特に、キャビティ15bからノズル開口19の流路の断面が対称であることは液滴を真っ直ぐに吐出するために重要である。たとえば、ノズル開口19が対称な形状であることも重要であるが、さらに、ノズル開口19からノズル開口19の直径(開口径)の50倍程度、具体的には1.5mm程度は、少なくとも対称な断面形状であることは、液滴の吐出方向を改善する上で重要である。
このように、本例の吐出装置1およびノズルヘッド10aによれば、ノズル開口19を拡大でき、さらに、表面張力の小さな液体(液状物資)でもまっすぐに吐出できるので、インクも含めた様々な液状物質により、比較的大きなドットを、正確な位置に着弾させることができる。
また、本例の吐出装置1およびノズルヘッド10aによれば、インクよりも分散媒が大きい液体を吐出する場合、例えば、基板の間隔を調整するためのスペーサを吐出する場合や、金属微粒子が分散した液を吐出する場合であっても、液滴をまっすぐに飛ばし、正確な位置に着弾させることができる。
図5は、本発明の第2の実施形態にかかるノズルヘッドの概略構成を縦断面図により示している。このノズルヘッド10bは、ノズル開口19および流路15のうち、ノズル開口19、連絡路15d、キャビティ15b、および供給部15cに対応する部分が第1の凹み形状31および第2の凹み形状21により、接合面13を中心に対称となるように形成されている。すなわち、第2の凹み形状21は、供給部15cを構成する溝22cをさらに備えている。他の構成は、第1の実施形態と同様の構成であるため、重複する説明は、図面に同符号を付して省略する。供給部15cはノズル開口19から離れており、また、圧力変動をするキャビティ15bを介してノズル開口19と接続されているのでメニスカスを安定して形成するという点では接合面13を中心に対称であっても、非対称であってもよい。しかしながら、長距離の対称性という点では、対称性が増し、より安定したメニスカスを形成できる可能性がある。このノズルヘッド10bは、第1の実施形態にかかるノズルヘッド10aと置換して、図1に示す吐出装置1に用いることができる。
図6〜図8は、本発明の第3の実施形態にかかるノズルヘッドの概略構成を縦断面図により示している。このノズルヘッド10cは、ノズル開口19および流路15のうち、ノズル開口19、連絡路15d、キャビティ15b、および供給部15cに対応する部分が第1の凹み形状31および第2の凹み形状21により、接合面13を中心に対称となるように形成されている。さらに、第1の凹み形状31に含まれる溝32および第2の凹み形状21に含まれる溝22の深さは一定であり、溝32および22の幅方向の変化によりキャビティ15bなどの機能を実現している。
このノズルヘッド10cも、第1の実施形態にかかるノズルヘッド10aと置換して、図1に示す吐出装置1に用いることができる。第1、第2および第3の実施形態にかかるノズルヘッド10a、10bおよび10cは、いずれも、直進性の高い液滴を吐出することができる。また、これらの実施形態に開示されたノズルヘッドの形状は本発明のいくつかの例に過ぎない。
吐出装置の一例を示す図。 本発明の第1の実施形態にかかるノズルヘッドの概略構成を示す縦断面図。 図2のノズルヘッドの先端を示す図。 実施例のノズルヘッドと、比較例のノズルヘッドとを用いて液滴を吐出したときの液滴の曲がりの有無の測定結果を示す図。 本発明の第2の実施形態にかかるノズルヘッドの概略構成を示す縦断面図。 本発明の第3の実施形態にかかるノズルヘッドの概略構成を示す平面図。 図6に示すノズルヘッドの概略構成を示す縦断面図。 図6のノズルヘッドの先端を示す図。 従来のノズルヘッドの概略構成を示す縦断面図。 図9のノズルヘッドの先端を示す図。
符号の説明
1 吐出装置、 2 駆動装置
3 装着部、 4 供給路
10a、10b、10c ノズルヘッド
20 薄板、 21 第2の凹み形状
30 基体、 31 第1の凹み形状
13 接合面、 15 流路
19 ノズル開口、 15b キャビティ(圧力室)

Claims (8)

  1. 液状物質を吐出するためのノズル開口を有するヘッドであって、
    第1の側に前記ノズル開口の一部および前記ノズル開口に至る第1の溝を含む第1の凹み形状を備えた基体と、
    前記基体の前記第1の側の面に内面が貼り合わされる薄板であって、当該薄板の外側に設けられるアクチュエータにより変形可能な部分を含む薄板とを有し、
    前記薄板は、内側に前記ノズル開口の一部および前記ノズル開口に至る第2の溝を含む第2の凹み形状を備えており、
    前記第1の溝と前記第2の溝とにより、前記アクチュエータにより圧力を変動できる圧力室から前記ノズル開口に至る部分を含む流路が形成され、前記アクチュエータを駆動させることにより前記流路内の液状物質を前記ノズル開口から吐出させる、ヘッド。
  2. 請求項1において、
    前記第1の凹み形状および前記第2の凹み形状はそれぞれ、前記ノズル開口に対応する部分が、前記基体と前記薄板とが貼り合わされた接合面を中心に対称となるように形成されている、ヘッド。
  3. 請求項2において、
    前記第1の凹み形状および前記第2の凹み形状はそれぞれ、前記流路のうちの少なくとも前記圧力室から前記ノズル開口に至る部分および前記ノズル開口に対応する部分が、前記基体と前記薄板とが貼り合わされた接合面を中心に対称となるように形成されている、ヘッド。
  4. 請求項3において、
    前記第1の凹み形状および前記第2の凹み形状はそれぞれ、前記流路のうちの少なくとも前記圧力室、前記圧力室から前記ノズル開口に至る部分および前記ノズル開口に対応する部分が前記接合面を中心に対称となるように形成されている、ヘッド。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記ノズル開口の径は、少なくとも30μmである、ヘッド。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、前記アクチュエータをさらに有するヘッド。
  7. 請求項6に記載のヘッドと、
    前記アクチュエータを駆動させる駆動装置とを有する、吐出装置。
  8. 請求項7において、
    液状物質を貯蔵する容器を装着可能な装着部と、
    前記装着部に装着された前記容器から液状物質を前記流路に供給するための供給路とをさらに有する、吐出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102452227A (zh) * 2010-10-22 2012-05-16 研能科技股份有限公司 多色喷印墨头模块

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