JP2010029211A - 新規なステロイド活性化核受容体とその利用法 - Google Patents

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Bruce Blumberg
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Abstract

【課題】ステロイド生体異物受容体(SXR)と名付けた新しい核受容体、すなわち核受容体大グループの新しい枝グループである特異性の広いセンシング受容体が発見された。
【解決手段】SXRはRXRと共にヘテロダイマーを形成し、治療用のステロイドや食事中のステロイドおよび脂質を含めた生物学的活性を有する何百種類もの天然型および合成型の物質に反応して、ステロイドにより誘導されるチトクロームP450遺伝子中に存在する反応因子と結合しその転写を誘導する。発明のSXR受容体は、何百種類もの受容体ではなく誘導する物質それぞれについて、誘導物質の全体的な量を監視し、調節された代謝経路における代謝酵素の産生の引き金を引く。SXRの作動薬および拮抗薬を患者に投与することにより、1種類以上の内因性ステロイドあるいは生体異物の代謝調節に応じてホメオスタシスを確立し、治療上の各種の目的を達成することが可能である。患者に対して治療用量を投与した場合に薬物相互作用を起こす可能性のあるステロイド剤を特定するためのアッセイを提供する。
【選択図】なし

Description

この発明は、細胞内受容体、それをコードする核酸、およびその利用法に関するものである。特に、この発明はステロイドおよび/または生体異物性物質の量の上昇に対する生理学的な反応を調節するための方法に関するものである。
核の受容体は、リガンド依存性、および配列特異的な転写因子の大スーパーファミリーを構成している。このグループに属する因子は、標的遺伝子のプロモーターへの特異的な結合を通じて直接(Evans、Science 240:889−895(1988年)参照)、あるいは他の転写因子との蛋白質−蛋白質相互作用を通じて間接的に(例えば、Jonatら、Cell 62:1189−1204(1990年)、Schueleら、Cell 62:1217−1226(1990年)、およびYang-Yenら、Cell 62:1205−1215(1990年)を参照)、のどちらかによって転写に影響を及ぼす。核受容体のスーパーファミリー(本分野では「ステロイド/甲状腺ホルモン受容体スーパーファミリー」としても知られている)には、コルチゾル、アルドステロン、エストロゲン、プロゲステロン、テストステロン、ビタミンD3、甲状腺ホルモンおよびレチン酸を含む各種の疎水性リガンドの受容体、さらにリガンドが不明である「オーファン受容体」と名付けられたいくつかの受容体様分子が含まれる(上記Evans、1988年、参照)。これらの受容体はすべて、祖先の1つの原型から分岐したことを示唆する共通の構造をもっている。
ステロイド類、レチン酸、甲状腺ホルモン、およびビタミンD3のような脂肪親和性ホルモンは、広い意味での動物の成長、発達、および成体臓器の生理をコントロールする。これらのホルモンの作用は、リガンド依存性および配列特異的な転写因子として機能する細胞内受容体の大スーパーファミリーにより媒介される。甲状腺ホルモン(TR)、ビタミンD3(VDR)、オールトランスレチン酸(RAR)、および脂肪酸とエイコサノイド(PPAR)の非ステロイド核受容体は、AGTTCA配列に関連する直接反復半分部位から構成される2つの部分に分かれたホルモン反応因子(HRE)に結合する9−シスレチン酸受容体(RXR)と共にヘテロダイマーを形成する(Mangelsdorf および Evans、Cell 83:841−850、1995年を参照)。これに対して、ステロイド受容体はホモダイマーとして機能し、3個のヌクレオチドによって区切られるパリンドローム標的配列に結合する(Beatoら、Cell 83:851−857、1995年)。既知の受容体に加えて、明白なDNAおよびリガンド結合領域をもつが特定のリガンドをもたない、構造的に関連した「オーファン」核受容体の大グループがあることも報告されている(Mangelsdorfら、Cell 83:835−839、1995年;Enmark および Gustafsson、Mol. Endocrinol. 10:1293(1996年);およびO’Malley および Conneely、Mol. Endocrinol. 6:1359(1992年)を参照)。それぞれが、別個の内分泌シグナル伝達経路を制御する可能性をもっている。
ホルモンの反応は、内分泌腺からリガンドが遊離され、それが血液中を循環し、特異的な核受容体を通じて作用することにより標的組織中での反応を調和的に制御する結果である、と一般に考えられている。ホルモン反応性は、刺激が不在となった状態で標的組織が平常状態に戻れるよう、リガンドを血中および体内からいかに迅速に排泄し得るかどうかによって決まる。このように、ホルモンのホメオスタシスが維持されるためには、生物学的活性を有するホルモン類の調和のとれた遊離と分解が必要である。ステロイドホルモン類とその多くの代謝産物は、主に肝臓における還元と酸化によって不活化される。副腎ステロイドとして何百種類もが特定されている(例えば、性ステロイド(アンドロゲン、エストロゲンおよびプロゲスチン)それぞれが数十種類ずつ、ビタミンD代謝産物が25〜35種類、そして脂肪酸、エイコサノイド、ヒドロキシ脂肪および生物学的活性を有する関連脂質がおそらく数百種類)ため、生理学的なホメオスタシスのためにはリガンドの効率の良い消失という問題が非常に重要である。莫大な数存在する内因性のホルモンだけでなく、摂取した植物および動物由来のステロイドや生物学的活性を有する生体異物性物質も分解される必要がある。
Selyeは、外因性のステロイドおよび薬理活性を有する物質は以後の有毒な生体異物性物質への曝露を防ぐことになる酵素の発現を調節することによって機能するのではないか、との概念を最初に導入した(H.Selye、J.Pharm.Sci. 60:1−28、1971年)。Selyeが「カタトキシックステロイド」と呼んだこれらの物質の代表的なものは、合成グルココルチコイド拮抗薬、プレグネノロン−16−カルボニトリル(PCN)である。PCN、および各種の生体異物ステロイド類は、肝臓の小胞体の増殖とチトクロームP450遺伝子の発現とを誘発する(Burgerら、Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)89:2145−2149、1992年;Gonzalezら、Mol. Cell. Biol.6:2969−2976、1986年;およびSchuetz およびGuzelian、J. Biol. Chem. 259:2007−2012、1984年)。PCNを投与することによって起こる1つの結果は、ジゴキシン−インドメタシン、バルビツレート、およびステロイドのような各種生体異物への以後の曝露に対する非特異的な「防御」が誘発されることである(上記Selye、1971年)。
さらに、このような各種の物質は、自身の解毒または分解を担うP450遺伝子を活性化し得ることが知られている(Fernandez-Salguero および Gonzalez、Pharmacogenetics 5:S123−128、1995年;Denison および Whitlock、J.Biol.Chem. 270:18175−18178、1995年;O.Hankinson、Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 35:307−340、1995年; Rendic and Di Carlo、Drug Metab. Rev. 29:413−580、1997年)。
これらのカタトキシックな物質はチトクロームP450およびその他の解毒酵素の発現を調節すると考えられるが、このような調節は古典的なステロイド受容体に依存しないことを示す2つの証拠が得られている。第1の証拠は、最も作用の強力な物質の多く(例えば、PCN、スピロノラクトン、および酢酸シプロテロン)がステロイド受容体拮抗薬であることが示されている一方、他の物質(例えば、デキサメタゾン)はステロイド受容体作動薬である、という点である(上記Burger、1992年)。第2の証拠は、両側の副腎を摘出した後にも(そしておそらく副腎ステロイド不在下でも)非特異的な防御反応は残存するが、肝臓の部分摘出を行った後には残存しない、という点である(上記Selye、1971年)。
PCNがP450グループのモノオキシゲナーゼの中の密接に関連する2つの酵素であるCYP3A1とCYP3A2の発現を誘導することが確認されたことにより、PCNがそのカタトキシック作用を発揮する機序について解明することができる(例えば、Elshourbagy および Guzelian、J. Biol. Chem. 255:1279(1980年);Heumanら、Mol. Pharmacol. 21:753(1982年);Hardwickら、J. Biol. Chem. 258:10182(1983年);Scheutz and Guzelian、J. Biol. Chem. 259:2007(1984年);Scheutzら、J. Biol. Chem. 259:1999(1984年);Gonzalezら、J. Biol. Chem. 260:7435(1985年)を参照)。CYP3A血液蛋白は幅広い基質特異性を示し、種々の生体異物(例えばシクロスポリン、ワーファリンおよびエリスロマイシン)や内因性のステロイド類(例えば、コルチゾル、プロゲステロン、テストステロンおよびDHEA−硫酸塩。例としてNebert および Gonzalez、Ann. Rev. Biochem. 56:945(1987年)およびJuchau、Life Sci. 47:2385(1990年)を参照)を水酸化する。クローニングしたCYP3A1遺伝子プロモーターにおける以後の研究から、PCN反応因子(CYP3A2遺伝子プロモーター中に高率で保存されている)が特定された(Miyataら、Archives Biochem. Biophysics 318:71(1995年)およびQuattrochiら、J.Biol. Chem. 270:28917(1995年)を参照)。この反応因子は核受容体の半分部位一致配列AGTTCAの2つのコピーの直接反復を含有する。
PCNは、CYP3A遺伝子の発現を誘導するだけでなく、肝臓コレステロールのホメオスタシスに対して顕著な影響を及ぼすことも示されている。このような影響の中には、HMG−CoA還元酵素およびコレステロール7a−水酸化酵素の遺伝子発現のレベルを顕著に低下させる作用が含まれ、それに関連してステロールの生合成および胆汁酸も低下する。PCNはまた、コレステロールエステルの生成と胆汁中へのコレステロールの過剰分泌を促進することが報告されている。このように、PCNはコレステロールの生合成、貯蔵および分泌を含めたその代謝の重要な局面に影響を及ぼす。
カタトキシックステロイドによってオーファン核受容体が活性化されることから、既知のステロイド受容体を活性化しない物質によって生体異物代謝酵素が誘導される機序に関する仮説が得られる。これらの酵素は(薬理学的に)高い用量の生体異物および天然型のステロイドによって活性化されるため、このような「センサー」が特異性が広く、親和性の低い受容体となると推測される。このような受容体は、内因性のステロイド類および代謝産物だけでなくフィトステロイド、生体異物および薬理学的インデューサーのような外因性の物質によっても活性化される。事実、これらの物質の多くが、その解毒あるいは分解を担うP450遺伝子を活性化し得ることが知られている(例として、Fernandez-Salguero および Gonzalez、Pharmacogenetics 5:S123(1995年);Denison および Whitlock, Jr. J. Biol. Chem. 270:18175(1995年);Hankinson、Ann. Rev. Pharmacol. Toxicol. 35:307(1995年);Rendic および Di Carlo、Drug Metab. Rev. 29:413(1997年)を参照)。
正常な個体においてはステロイドのレベルが厳密に制御されており、内因性ステロイドの異化作用が上昇すると、下垂体がACTHを遊離して増加させ、ステロイドの生合成を促進し血漿中ステロイド濃度を維持することによってそれを相殺する。異化作用の上昇は、ステロイド代謝産物の尿中排泄量の増加により反映される。事実、リファンピシンを投与することによって6β−ヒドロキシコルチゾル(Ohnhausら、Eur. J. Clin. Pharmacol. 36:39−46、1989年;およびWatkinsら、J. Clin, Invest.、83:688−697、1989年)のような尿中代謝産物や、6β−ヒドロキシヒオコール酸および6α−ヒオデオキシコール酸(Wietholtzら、J. Hepatol.、24:713−718、1996年)のような胆汁酸中代謝産物が増加するが、多くの循環ステロイドの血漿中濃度は合成の増加によって若干上昇することが既に知られている(Lonningら、J. Steroid. Biochem. 33:631−635、1989年;Bammelら、Eur. J. Clin. Pharmacol.、42:641−644、1992年; Edwardsら、Lancet 2:548−551、1974年)。
プレドニゾロン(McAllisterら、Br. Med. J. 286:923−925、1983年;Leeら、Eur. J. Clin. Pharmaco.、45:287−289、1993年)あるいは17α−エチニルエストラジオール(F.P.Guengerich、Life Sci.、47:1981−1988、1990年)のような合成ステロイド剤をリファンピシンと同時に投与すると、尿中排泄が促進されるため、血漿中量が速やかに低下する。結核のためにリファンピシン療法を受けている患者の中には、尿中のステロイド量が増加するためクッシング症候群と誤診される者もいる(Kyriazopoulou および Vagenakis、J. Clin. Endocrinol. Metab.、75:315−317、1992年;Zawawiら、Ir. J. Med. Sci.、165:300−302、1996年; Terzoloら、Horm. Metab. Res.、27:148−150、1995年)。このような患者では、リファンピシンを中止することによってステロイドの産生量およびクリアランスが正常化した。アジソン病の患者は副腎ステロイドを合成する能力をほとんど持っておらず、リファンピシンを投与することによって内因生および投与したステロイド剤が急速に消失する。このような臨床状態に関する証拠から、CYP3A4を誘導することによりステロイドの異化作用が増加することが確認される(Kyriazopoulouら、J. Clin. Endocrinol. Metab. 59:1204−1206、1984年;上記Edwards、1974年)。しかし、体内でステロイドの代謝が調節される機序に関しては、まだ不明である。
治療のために投与するステロイド剤は、治療上の目的を達成する上で有益であるが、これらの物質は場合によってはそれを投与した被験者におけるステロイドおよび生体異物の全身レベルを生理学的に適正なレベル以上に上昇させることがある。言い換えると、ステロイドおよび/または生体異物が治療上必要とされる以上に体内に残留する可能性がある、ということである。また、被験者によっては、異なる病状を治療するためにステロイド剤と生体異物とを別々に同時投与される場合があるが、併用することによって薬物相互作用として知られる相加作用、あるいは相乗作用さえもが出現する。このような場合、ステロイド剤および生体異物が生理学的に不適正なレベルに到達しても、あるいは別々に投与した薬剤の相互作用のために通常なら治療上有益な量であるステロイドが危険性を有することになってしまっても、患者は気が付かない可能性がある。
したがって、本分野において、特にステロイド剤と生体異物を同時投与することによってホメオスタシスが崩壊したり薬物相互作用を引き起こしたりする場合には、このような物質の生理学的作用の媒介に関与する、特異性が広く親和性の低い受容体を特定し特徴解析する必要がある。
この発明に基づき、我々はステロイドおよび生体異物受容体(SXR)と名付けた新しい種類のヒトオーファン核受容体の例を分離し、特徴解析を行った。SXRはほとんど、生体異物およびステロイドの異化が行われる主要部位である肝臓においてのみ発現されている。古典的なステロイド受容体とは異なり、SXRはRXRとヘテロダイマーを形成し、半分部位に関連する直接反復配列AGTTCAに結合する。SXRは、PCNのような拮抗薬や生体異物性薬剤、およびフィトエストロゲンのような生物学的活性を有する健康食品を含めた各種多数の天然型および合成型のステロイドホルモンに反応して、ステロイド誘導性P450遺伝子のいくつかにおいて見られる反応因子を通じて転写を促進する作用をもつ。SXRがこのように様々なステロイドおよび/または生体異物性物質に反応して異化酵素の発現を制御し得ることから、このようなステロイドおよび/または生体異物性物質に関する生理学的ホメオスタシスを達成するために代謝を直接制御する新しい機序が考えられる。すなわち、ホルモンの生理学的な作用を媒介する「ステロイドセンシング受容体」としての理想的な特性である。SXRは、10年前に鉱質コルチコイド受容体が特定されて以来、最初の新しいクラスのステロイド受容体として報告されたものである。
この発明の個々の局面に基づき、上述のように特定された受容体をコードする核酸配列、それと同等のものを含有する構築物および細胞、そしてそれから産生されるプローブも提供される。さらに、発明の受容体の転写促進作用を調節する様々な基質も発見された。
生理学的なホメオスタシスを維持するために重要な必要条件は、各種の内因性ホルモンおよび生物学的活性を有する生体異物の除去と解毒である。解毒の多くはチトクロームP450酵素によって行われる。これらの酵素の多くは広い基質特異性をもち、ステロイドを含めた非常に多くの物質によって誘導される。食事からステロイドおよび脂質を摂取しても同じ酵素が誘導されるため、調和のとれた代謝経路に組み込まれる必要がある。何百もの受容体を持つ代わりに、それぞれの誘導物質のために1つの受容体しか持たない、特異性の幅が広く親和性の低い核受容体のグループは、全身のステロイドレベルを監視し、生体異物代謝酵素をコードする遺伝子の発現を誘発することが発見された。新しい核受容体大グループの1つであるSXRは、核受容体の新しい大グループの1つである特異性が広く親和性の低い受容体を通じて、レベルの上昇したステロイドおよび/または生体異物を循環から除去するためのステロイドセンサー機序の一端を担っている。
図1は、SXRが新しいオーファン各受容体であることを例証するものである。 最長のSXR cDNAクローン(配列番号1)とそれによってコードされる蛋白質(配列番号2のアミノ酸41〜434番)である。DNA結合領域(アミノ酸41番〜107番)を太字で示してあり、推定上のイニシエーター、ロイシンを含む枠の中の上流終結コドンに星印を付けてある。このLeuがイニシエーターとして機能し得ることは、in vitroで転写され翻訳されたcDNAから産生された蛋白質をラベルしSDS-PAGEを行うことによって証明した。修飾していないcDNAから得られた翻訳産物は、ロイシンをメチオニンに変更した場合に産生される産物と比較して、効率は落ちるものの、サイズの面ではほとんど区別のつかないものであった。 図1は、SXRが新しいオーファン各受容体であることを例証するものである。 最長のSXR cDNAクローン(配列番号1)とそれによってコードされる蛋白質(配列番号2のアミノ酸41〜434番)である。DNA結合領域(アミノ酸41番〜107番)を太字で示してあり、推定上のイニシエーター、ロイシンを含む枠の中の上流終結コドンに星印を付けてある。このLeuがイニシエーターとして機能し得ることは、in vitroで転写され翻訳されたcDNAから産生された蛋白質をラベルしSDS-PAGEを行うことによって証明した。修飾していないcDNAから得られた翻訳産物は、ロイシンをメチオニンに変更した場合に産生される産物と比較して、効率は落ちるものの、サイズの面ではほとんど区別のつかないものであった。 図1は、SXRが新しいオーファン各受容体であることを例証するものである。SXRと他のRXR(例えば、Xenopus安息香酸X受容体(xBXR)、ヒトビタミンD3受容体(hVDR)、ヒト活性受容体α(hCARα)、ラットfamesoidX受容体(rFXR)、ヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(hPPARα)、ヒト肝臓由来受容体X(LXRα)、ヒトレチン酸受容体α−1(hRARα-1)、ヒト甲状腺ホルモン受容体β(hTRβ)、ヒトレチノイドX受容体α(RXRα)およびヒトグルココルチコイド受容体α(hGRα))との比較の概略図である。正規の核受容体リガンド結合領域の境界の後に、リガンド結合領域の境界が続いている(Wurtzら、Nature Struct.Biol. 3:87−94、1996年)。RXRと他の受容体との間の相同性を、アミノ酸相同性百分率で表す(各クローンの上にアラビア数字で表示)。プログラムGAP(Devereauxら、Nucl.Acids Res. 12:387−395、1984年)を利用して、配列中のアミノ酸残基を一列に並べた。DNA=DNA結合領域、およびLIGAND=リガンド結合領域。 SXRが多くのステロイドによって活性化されることを示したものである。リポーター遺伝子tk(MH100)4-lucにより、GAL4 DNA結合領域とSXRリガンド結合領域から構成されるキメラ受容体をCV-1細胞中に同時にトランスフェクトした(Formanら、Cell 81:541−550、1995年)。結果は50μMのステロイドの場合の溶媒(DMSO)対照に対する誘導倍率として示し、トリプリケートでのアッセイから得られた平均値と標準誤差を表す。リポーター単独、あるいはリポーター+GAL4-DBDのどちらの場合も、これらの物質のいずれによっても活性化されなかった。カラム1=溶媒;カラム2=コルチコステロン;カラム3=プレグネノロン;カラム4=ジヒドロテストステロン(DHT);カラム5=デヒドロエピアンドロステロン;カラム6=プロゲステロン;カラム7=デキサメタゾン;カラム7=エストラジオール;カラム8=コルチゾル;およびカラム9=コルチゾン。 ステロイド活性化物質が相加的に作用し得るかどうかを示すものである。すなわち、完全長のSXRとリポーターtk(LXRE)3-lucを用いて、ステロイド活性化物質が相加的に作用し得るかどうか試験した(Willyら、Genes Dev. 9:1033(1995年)参照)。混合液中には、各ステロイド10 mMずつを添加し、ステロイドの総濃度が100 mMとなるようにした。混合液とその各成分について、100、10および1mMの濃度で試験を行った;100 mMの混合液と10 mMステロイド成分による結果を図に示す。 SXRの幅広い活性化物質特異性および反応因子特異性について示すものである。同時トランスフェクション実験において、完全長のSXRが50 mMの各種ステロイドに反応して図3と同様の因子を活性化することができるかどうか検討した。DR-1、2と、TREPがごくわずかに活性化されただけであったため、結果はコルチコステロンとPCNに関してのみ示す。示したデータは、トリプリケートアッセイから得られた溶媒対照+/−標準誤差に対する平均誘導倍率として表す。 さらに、SXRの幅広いリガンド特異性について示す。すなわち、4−5の二重結合が還元されてもコルチコステロンは不活化しないことが明らかである。コルチコステロンの6β水酸化型、非還元型、5αおよび5β還元型について、50 mMの濃度でtk(MH100)4-luc上のGAL-SXRおよびMTV-luc上のhGRaを活性化し得るかどうか試験した。完全長SXRを使用して、同様の結果が得られた。 SXRが各種のステロイドおよび生体異物により誘導されるP450酵素中に見られる反応因子を活性化し得ることを示す一連の図である。 誘導されるチトクロームP450酵素中に見られる反応因子をコードするヌクレオチドを比較した略図である。配列RGKTCAの反復に関するデータベース検索を行った結果、肝臓でのステロイド水酸化に関与する酵素に関してある程度の対応性があることが示される。P450酵素については、標準的な命名法を用いている。P450Rは、ステロイドの水酸化のために必要な単一のP450オキシドリダクターゼである。UGT1A6は、グルクロン酸と水酸化されたステロイドとを抱合させるラットのウリジン二リン酸(UDP)−グルクロノシルトランスフェラーゼである。 SXRが各種のステロイドおよび生体異物により誘導されるP450酵素中に見られる反応因子を活性化し得ることを示す一連の図である。 ヒトCYP3遺伝子中に見られる保存されたグルココルチコイド反応因子を比較した略図である。ここに示すヒトCYP3A4の領域は、グルココルチコイドおよびリファンピシンが完全長のプロモーターを誘導するのに必要かつ十分な領域である。CYP3A5およびCYP3A7の対応領域も示す(Barwickら、Mol.Pharmacol. 50:10−16、1996年)。 SXRが各種のステロイドおよび生体異物により誘導されるP450酵素中に見られる反応因子を活性化し得ることを示す一連の図である。 SXRが誘導可能な、そして誘導不能ではないCYP3プロモーター因子を通じて活性化し得ることを示す棒グラフである。SXRが各種誘導物質に反応してtk-CYP3-luc反応因子を活性化し得るかどうか、試験した。結果は物質が50μMである場合を示し、トリプリケートによる測定の平均値を表す。 □=リファンピシン;および■=コルチコステロン A−Cは、一連の物質が核受容体大グループの代表的な3種類の受容体であるヒトSXR(A);マウスPXR(B);およびヒトエストロゲン受容体α(hERα)を活性化する能力について示した棒グラフである。結果は、タモキシフェンの濃度が5μMであった以外は、試験に使用した物質の50μMの濃度の場合を示す;デキサメタゾン(DEX)の濃度は、AおよびBにおいて50μM、そしてCにおいては5μMであった。カラム1=溶媒;カラム2=リファンピシン;カラム3=ニフェジピン;カラム4=タモキシフェン;カラム5=スピロノラクトン;カラム6=PCN;カラム7=DEX;カラム8=コルチコステロン;カラム9=コルチゾン;カラム10=DHT;カラム11=エストラジオール;カラム12=DES;およびカラム13=クメストロール。 4−5の二重結合が還元されてもコルチコステロンはhSXRの作動薬として物質を不活化しないことを示す棒グラフである。コルチコステロンの6β水酸化型、非還元型、5αおよび5β還元型について、50 mMの濃度でtk(MH100)4-luc上のGAL-SXR(5個のカラムの左側)およびMTV-luc上のhGRα(5個のカラムの右側)を活性化し得るかどうか試験した。完全長SXRを使用して、同様の結果が得られた。各カラムとも:カラム1=溶媒;カラム2=コルチコステロン;カラム3=5α−テトラヒドロコルチコステロン;カラム4=5β−テトラヒドロコルチコステロン;およびカラム5=6β−OH−コルチコステロン。
この発明に基づき、ステロイド/甲状腺ホルモン受容体スーパーファミリーの一部である新しい種類の受容体が特定され、その代表的な受容体をSXR(あるいは「ステロイドX受容体」)と命名した。発明の受容体の特徴は次のとおりである:
レチノイドX受容体(RXR)と共にヘテロダイマーを形成する、
半分部位AGTTCAに基づく(直接あるいは反転した)反復反応因子モチーフに結合する、
各種の天然型および合成型ステロイドホルモンに反応し、ステロイド誘導性P450遺伝子中で見られる反応因子を通じて転写を促進する、そして
主に肝臓および腸で発現する。
発明の受容体は、約464個のアミノ酸から成る蛋白質(配列番号2を参照)を含有しており、ゼノパス(Xenopus)の安息香酸X受容体(BXR)、ビタミンD3受容体(VDR)および構造活性化受容体(CAR)に相同性は低いがもっとも密接に関連している。また、発明の受容体の例(配列番号1および図1Aを参照)をコードする2068 bpのcDNAもここに提供する。
この発明に基づき、ステロイドおよび/または生体異物を必要とする被験者において、それら1種類以上の代謝を調節するための方法も提供され、ステロイドおよび生体異物受容体X(SXR)反応因子と機能的に関連する内因性遺伝子の転写を促進するSXRポリペプチドの調節物質の有効量を被験者に投与するというものである。
この発明の1つの具体的な局面として、病的状態の治療のために1種類以上のステロイド剤の投与を受けている被験者においてステロイド中毒を予防するための方法が提供される。この態様において、発明の方法はこのような患者に対して発明のSXRポリペプチドの作動薬を有効量で1種類以上投与し、発明のSXR反応因子のうちの1つと機能的に関連する内因性遺伝子の転写を促進することにより、ステロイドおよび生体異物の全身レベルが生理学的に容認されるレベル以上に上昇するのを防止する、という手段から構成される。ステロイド中毒の原因となる可能性があるのは、食事による蓄積(例えばエストロゲンの)、過剰投与(例えば疾患の状態の誤診によって起こる)、あるいは治療のために投与した物質の間、もしくは1種類以上の内因性ステロイドと1種類以上の食事により摂取した、および/または治療のために投与した物質との間での薬物相互作用である。
一般に投与される治療薬の中で、ある種の個体において蓄積したり薬物相互作用を誘発したりしてステロイドおよび生体異物の全身レベルを生理学的に適正なレベル以上に上昇させる傾向があるのは、タモキシフェン、ラロジフェン(例えば乳癌の治療において)、ビタミンK(例えば骨粗しょう症の治療において)、およびニフェジピンのようなカルシウムチャンネル拮抗薬などである。
さらに別の局面として、この発明はヒトあるいはその他の哺乳類などの被験体からの治療用ステロイドあるいは生体異物のクリアランスを遅くするための方法も提供するもので、 SXR反応因子と機能的に関連する内因性遺伝子の転写を促進するSXRポリペプチドの拮抗薬を有効量で被験者に投与する、という手段から構成される。発明の方法のこの局面は、1種類以上の治療用ステロイドかつ/または生体異物のクリアランスがこれらの物質の間での薬物相互作用によって急速になりすぎるのをコントロールする上で有用である。
例えば、リファンピン(すなわちリファンピシン)、あるいはその活性誘導体もしくは類似体は、結核を治療するために広く使用されている。しかし、リファンピンは他の治療薬の肝クリアランスを促進する傾向にあり、例えば経口避妊薬(希望しない妊娠につながる)、ワーファリン(プロトロンビン時間の低下につながる)、シクロスポリンおよびプレドニゾン(臓器拒絶反応あるいは潜在する炎症状態の悪化につながる)、そしてベラパミルおよびジルチアゼム(用量を増量する必要性が生じる)に対して影響を及ぼす。治療用ステロイド、ビタミンKによって骨粗しょう症を治療する場合にも、同様の状況が発生する。このような問題を解決するために、この発明に基づき、治療用ステロイドの被験者からのクリアランスを遅らせるために有効量のSXRポリペプチド拮抗薬を患者に対して投与する。
さらに別の局面として、この発明は被験物質、あるいはその組み合わせが発明のSXRポリペプチドを活性化し得るかどうか検討するためのスクリーニングアッセイも提供する。このアッセイは、適切な培地中のSXR受容体ポリペプチドを含有する宿主細胞株(望ましくはヒトまたはウサギの細胞株)と1種類以上の被験物質から構成され、宿主細胞株にはさらに、SXRの活性化のために発明のSXR反応因子に機能的に結合した、細胞株中で機能し得るプロモーターを含有するリポーターベクターと、DNAの転写のためのプロモーターに機能的に結合したリポーター蛋白質をコードするDNAが含まれる。発明のアッセイはさらに、リポーター蛋白質が存在するかどうか決定する方法を含み、リポーターが存在するという結果が得られれば被験物質がSXRポリペプチドを活性化することが示され(すなわち作動薬)、アッセイ中にリポーターが存在しないという結果が得られた場合には被験物質は発明のSXRポリペプチドを活性化しないことが予想される(すなわち、作動薬ではない)。
上述のリポーターベクター中に含まれるDNAの転写を促進する物質は、発明のSXR受容体の強力な作動薬であり、ここで使用する「ステロイドおよび/または生体異物」の範疇に属する、ということが明らかになった。
さらに、上記のアッセイにより上述のリポーターベクター中に含まれるDNAの転写を促進することが確認された物質は、治療のための用量で被験者に投与した場合に薬物相互作用の影響を受ける可能性があることも明らかになった。より具体的には、このような物質の治療用量が他のステロイド剤および/または生体異物と共にここに記載するような薬物相互作用を起こす可能性は30%以上、例えば約45%から約90%の可能性、あるいは約50%から約70%の可能性である。そのようなステロイド剤および/または生体異物は、内因的に産生されたもの、食事中から摂取したもの、あるいは特定の疾患状態の治療のために被験者に対して投与されたもののいずれかを問わない。このように、1つの特定の局面において、この発明のアッセイは、物質、特に治療用に使用する可能性のある物質を治療のための用量で被験者に投与した場合に不都合な薬物相互作用に関与する可能性が少なくとも30%あるかどうかスクリーニングするための方法となる。このようなスクリーニングアッセイにより、その安全性について検討するためにin vivoで徹底的なスクリーニング試験を実施する必要のある候補薬剤を特定することができ、それによって薬剤開発のコスト全体が軽減され、候補薬剤が「薬物相互作用」のためにステロイドを健康上有害なレベルまで上昇させてしまったり治療用に投与した別の物質のクリアランスを早め過ぎてしまったりする作用を有することにより危険であることが判明するのを防ぐことができるので、あらゆる薬剤開発プログラムの補助的手段として有用である。
発明の方法は、ステロイド/甲状腺ホルモン受容体スーパーファミリーの一部として分類される新しい種類の受容体が発見されたことに基づくものである。発明の受容体は「ステロイドおよび生体異物受容体」(SXR)と命名され、ゼノパス安息香酸‘X’受容体、BXRのヒトでの相同体である可能性があるとして特定された。SXRクラスに属する1つの受容体をコードするcDNA(配列番号1)から、434個のアミノ酸から成る蛋白質(配列番号2)(図1A)が予想され、BXRとの相同性はDNA結合領域(DBD)で73%、リガンド結合領域(LBD)で43%である(図1B)。SXRは、最近報告されたプレグナン‘X’受容体(Kliewerら、Cell 92:73−82、1998年)と最もよく類似している(DNA結合領域(DBD)での相同性は95%、リガンド結合領域(LBD)での相同性は73%)。これより相同性は低いが、SXRはビタミンD3受容体およびオーファン受容体CARにも類似している(Baesら、Mol. Cell. Biol. 14:544−1551、1994年)(図1B)。これらの受容体以外には、SXRはサブグループ内の各受容体が互いに示す相同性を除いて、他の核受容体と相同性を示さない(図1B)。核受容体の中の真の相同体同士は、特にDBDにおいて一般にかなりの相同性を示すものであることが知られている。
SXRにはさらに、9個のCys残基を含む約67個のアミノ酸から成るDNA結合領域(すなわち、アミノ酸残基41番〜107番、配列番号2に記載)をもつという特徴があり、SXRのDNA結合領域はゼノパスの安息香酸X受容体のDNA結合領域と約73%のアミノ酸相同性を有する。これとは別に、あるいはさらに、SXRには少なくとも約294個のアミノ酸から成るリガンド結合領域(すなわち、少なくともアミノ酸残基141番〜434番、配列番号2に記載)をもつという特徴があり、当該リガンド結合領域はゼノパスの安息香酸X受容体のリガンド結合領域と約43%のアミノ酸相同性を有する(図1B)。
この発明に基づき、現時点で望ましいSXRポリペプチドは、配列番号2に示すアミノ酸配列と本質的に同一の配列をもつポリペプチドである。ここで使用する「本質的に同一」という語は、DNAのヌクレオチド配列に関して使用する場合にも、RNAのリボヌクレオチド配列に関して使用する場合にも、あるいは蛋白質のアミノ酸配列に関して使用する場合にも、ここに開示する実際の配列との違いがわずかでかつ重大でない配列のことを意味する。本質的に同一である亜種は開示した配列と同等であると判断し、添付した請求項の範囲内であると考える。この点に関して、「わずかでかつ重大でない配列の違い」とは、ここで開示し、および/または請求したDNA、RNA、あるいは蛋白質と本質的に同一の配列が、ここで開示し、および/または請求した配列と機能的に同等であることを意味する。機能的に同等な配列は、本質的に同一の様式で機能し、ここで開示し請求した核酸およびアミノ酸の組成と本質的に同一の組成を産生する。特に、機能的に同等なDNAとは、ここで開示したのと同一の蛋白質、あるいは非極性の残基が別の非極性残基に置換されているとか荷電した残基が同様に荷電した残基に置換されているといった重大でないアミノ酸変異のある蛋白質をコードするものである。このような変化の中には、本分野の技術に熟達した者によって蛋白質の三次構造を大きく変化させていないと認識される変化も含まれる。
発明の方法に基づき、特に望ましいSXRポリペプチドは、配列番号2に示したのと同一のアミノ酸を有するポリペプチドである。
したがって、ここでは「SXR受容体」と「SXRポリペプチド」という語を互換性のある語として使用し、発明のSXRポリペプチドの中の機能を有する断片も含めることを意図する。このような断片として、SXRのDNA結合および/またはリガンド結合特性を有するペプチドが含まれ、例えばそのDNA結合領域(例、配列番号2に示すアミノ酸残基71番〜107番)、そのリガンド結合領域(例、配列番号2に示すアミノ酸残基141番〜434番)が挙げられる。
この発明の方法を実施する上で有用な調節物質には、SXRポリペプチドの作動薬および拮抗薬の両方が含まれる。調節物質が作動薬である場合、調節物質の特徴は治療のために投与したステロイド、内因性のステロイド、あるいは食事中に含まれるステロイド、もしくは食事中に含まれるある種の脂質の異化作用において活性を有する物質をコードする遺伝子の転写を促進するという点であり、その遺伝子の特徴はSXR反応因子と関連していて反応因子の活性化により遺伝子の転写が起こるという点である。一般に、この遺伝子は1種類以上のステロイドまたは食事中の脂質やフィトエストロゲンのような生体異物の代謝において有効な酵素をコードしており、SXR反応因子をコードするヌクレオチド配列も含有する。例えば、3、4、あるいは5個のヌクレオチドによって隔てられたAGGTCA半分部位(DR半分部位)の直接反復、または3、4、あるいは5個のヌクレオチドによって隔てられたAGTTCA半分部位(βDR半分部位)の直接反復のようなヌクレオチド1個だけが異なるその変種の配列をもつヌクレオチドである。また反応因子は、ヌクレオチド6個のスペーサーによって隔てられた半分部位AGGTCAの逆反復、あるいは6個のヌクレオチドスペーサーによって隔てられたヌクレオチド1個だけが異なるその変種の逆反復を含有する場合もある。発明の方法の実施における使用に適した反応因子の例は、次の中から選択することができる:
DR-3,4,5=AGGTCANnAGGTCA、ただし、nは3、4、または5(配列番号15、16および17);
βDR-3,4,5=AGTTCANnTGAACT、ただし、nは3、4または5(配列番号22);
そして
IR-6=TGAACTNnAGGTCA、ただし、nは6(配列番号23)、など。
本分野の技術に熟達した者であれば、反復半分部位の間の3、4、5、または6個のヌクレオチドから成るヌクレオチドスペーサーを構成するために、どのような組み合わせのヌクレオチドを使用してもよいことが理解できる(すなわち、配列番号15、16、17、22または23のNn)。
このような反応因子は一般に、CYP2A1、CYP2A2、CYP2C1、CYP3A1、CYP3A2、P450オキシドリダクターゼ、ウリジンジホスフェートグルクロノシルトランスフェラーゼ、あるいはグルクロノシルトランスフェラーゼのような異化酵素をコードする遺伝子中に見られ、この発明の方法を実施することによりこれらの遺伝子の転写を促進したり抑制したりすることが可能である。
このような異化酵素の転写を促進することのできる作動薬の代表的な例として、プロゲステロン、テストステロン、エストロゲンおよびコルチコステロンのような高親和性受容体をもつ分子や、高親和性受容体上でほとんど活性をもたないその還元型異化産物が挙げられる。SXRは、天然型ステロイドだけでなく、PCNおよびデキサメタゾンを含む合成ステロイドや、生体異物性薬剤、フィトステロイドなどによっても活性化される。現時点で望ましい作動薬として、コルチコステロン、リファンピシン、ニフェジピン、コルチコステロン、DES、エストラジオール、ジヒドロテストステロン、プレグネノロン、プロゲステロン、およびPCNが挙げられ、知られている中で最も強力な活性化物質はコルチコステロンである。
調節物質がSXRの拮抗薬である場合、調節物質は以下の1つ以上の様式で機能する:(1)ポリペプチドがSXR反応因子に結合するのを阻害する、(2)ポリペプチドとレチノイドX受容体とがヘテロダイマーを形成するのを阻害する、あるいは(3)リガンドがSXRまたは発明のSXRポリペプチドのリガンド結合領域に結合するのを阻害する。例えば、拮抗薬はレチノイドX受容体SXRまたは発明のSXRポリペプチドの間のドッキング部位を阻害することによって、これらの分子間でヘテロダイマーが形成されるのを阻害する。これとは別に、拮抗薬はリガンドの活性部位(すなわち、リガンド結合領域に結合するリガンドの部位)に結合することによって、リガンドがSXRまたは発明のSXRポリペプチドのリガンド結合領域に結合するのを阻害する。これらの目標の1つ以上を達成し得る物質であればどんな種類であっても、発明の方法における拮抗薬として使用可能である。例えば、SXRまたはRXRに結合しSXR:RXRヘテロダイマーの形成を阻害する抗体は、今回の発明の実施において拮抗薬として使用することができる。同様に、標的遺伝子の転写を促進することなくSXR受容体のリガンド結合領域を阻害しリガンドがリガンド結合領域に結合するのを阻害する抗体は、発明の方法において拮抗薬として機能すると考えられる。
本分野の技術に熟達した者であれば、この発明の方法において遺伝子転写の拮抗薬として作用する他のポリペプチドあるいはヌクレオチドについて理解することができ、また容易に案出することができるはずである。
この発明の別の態様に基づき、上述の受容体ポリペプチドとRXRまたはその他のサイレントパートナーから構成されるヘテロダイマー複合体が提供される。
この発明のさらに別の態様に基づき、上述の受容体ポリペプチドをコードする分離核酸が提供される。ここで使用する「分離核酸」という語は、自然には発生しない形の核酸のことを意味する。ポリペプチドをコードする核酸を分離するための1つの方法は、本分野でよく知られた方法を用いて、天然型あるいは人工的に設計したDNAプローブにより哺乳類ゲノムライブラリーの検索を行うことである。この目的のために特に有用なのは、SXR遺伝子に由来するDNAプローブである。SXRポリペプチドをコードするDNAおよびcDNA分子を利用して、ヒト、哺乳類(例えばマウス、ラット、ウサギ、ブタなど)もしくは他の動物種から相補的なゲノムDNA、cDNAあるいはRNAを得たり、以下に詳細を記載する方法を用いてcDNAあるいはゲノムライブラリーのスクリーニングにより関連するcDNAあるいはゲノムクローンを分離したりすることが可能である。核酸の例として、RNA、cDNA、あるいはSXRをコードするゲノムDNAが挙げられる。
代表的なDNAは、配列番号2に記載したのとほぼ同一のアミノ酸(例えば、配列番号1に記載したヌクレオチド583番〜1884番とほぼ同一の隣接ヌクレオチド配列)である。現時点で望ましいDNAは、配列番号2に記載したのと同一のアミノ酸配列をコードするDNA(例えば、配列番号1に記載したヌクレオチド583番〜1884番と同一の隣接ヌクレオチド)である。
ここで使用するほぼ同一のヌクレオチド配列とは少なくとも約90%の相同性をもつ配列であり、ほぼ同一のアミノ酸配列とは通常95%以上のアミノ酸相同性をもつ配列のことである。しかし、スプライス変種として生じる、あるいは保守的なアミノ酸置換(または変性コドンの置換)によって修飾された蛋白質(およびこのような蛋白質をコードするDNAまたはmRNA)で、相同性が上述のレベルに達しないものも、この発明の範囲内に含まれるとみなす。本分野の技術に熟達した者であれば容易に認識できるように、比較のための配列を整列させるための各種の方法が考案されている(例えば、Blosum 62 スコアリングマトリックス、Henikoff および Henikoff、Proc. Natl.Acad.Sci. USA 89:10915(1992年))。この目的のために便利に使用することのできるアルゴリズムは、各種入手可能である(例えば、Needleman および Wunsch、J.Mol.Biol.48:443(1970年)を参照)。
この発明のさらに別の態様に基づき、動物の培養細胞において核酸の転写およびポリペプチドの発現を調節する制御因子に機能的に結合した上述の核酸を含有する核酸構築物が提供される。また、次のものから構成されるリポーターベクターを任意に含有する、このような構築物を含む細胞も提供される:
(a)当該細胞中で機能し得るプロモーター
(b)SXR反応因子、および
(c)リポーター蛋白質をコードするDNA
ただし、リポーター蛋白質をコードするDNAは、DNAの転写のためにプロモーターに機能的に結合している、および
プロモーターはSXR反応因子の活性化のためにSXR反応因子に機能的に結合している。
この発明のさらに別の態様に基づき、発明の受容体ポリペプチドを作成するための方法が提供される。その方法とは、当該ポリペプチドをコードするDNA配列を発現させるために、当該細胞中で機能する発現ベクターを含有する細胞を培養するというものである。
この発明のさらに別の態様に基づき、配列番号1に記載したDNA、またはその相補体の1番〜2068番までの塩基から選択したいずれか20個以上の隣接塩基とほぼ同一の配列をもつ最低20個の隣接塩基から構成されるラベルした一本鎖核酸を含むプローブが提供される。発明のプローブとして特に望ましいのは、配列番号1に記載したDNA、またはその相補体の583番〜1884番までの塩基から選択したいずれか20個以上の隣接塩基とほぼ同一の配列をもつ最低20個の隣接塩基から構成されるプローブである。
本分野の技術に熟達した者であれば、ここに記載するプローブは例えば放射性ラベル、酵素活性ラベル、蛍光ラベルなどのような各種のラベルによって標識し得ることが認識できる。これらのプローブをラベルするための方法として現時点で望ましいのは、32Pによるラベルである。このようなプローブは、例えば1種類以上のステロイドかつ/または生体異物の存在に反応して関連遺伝子の転写を制御することを特徴とする受容体ポリペプチドを特定するために有用である。当該方法は、緊縮性の高い条件下で被験DNAをここに記載したプローブと共にハイブリッド形成させ(例えば、0.5 M NaPO4、pH7.3、7%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)および5%硫酸デキストラン中でプローブと被験DNAとを65℃において12〜24時間接触させた後、60℃において0.1×SSC、0.1%SDS中で30分間ずつ3回洗浄する(各洗浄の開始時に新しい緩衝液を使用))、その後当該プローブとハイブリッド形成する配列を選択する、というものである。
この発明の別の局面において、上述のプローブは、発明の受容体ポリペプチド、あるいは機能を有するその断片を特定するために利用することができる。当該方法は、緊縮性の高い条件下で被験DNAをここに記載したプローブと共にハイブリッド形成させ、その後当該プローブとハイブリッド形成する配列を選択する、というものである。
この発明のさらに別の局面において、上述のプローブは、特定の組織標本中のSXRのmRNAの量を測定することにより、ステロイドおよびステロイド様物質への曝露に対する個体の組織感受性を評価するために利用することができる。SXRのmRNA(または蛋白質)を多量に有する個体は、多くの食物中に含まれていたり、ステロイドの過剰産生および/またはステロイド分解能の低下の結果として起きたり、クッシング症候群、女性における男性化および多毛症、多嚢胞性卵巣症候群などの疾患において見られたりするように、多量のステロイドおよび生体異物の存在に対して感受性が高いと予想される。
この発明のさらに別の態様に基づき、上述の受容体ポリペプチドに特異的に結合する抗体が提供される。このような抗体は、モノクローナル抗体であることが望ましい。本分野の技術に熟達した者であれば、発明の受容体に関してここに提供する配列情報を得て、このような抗体を容易に作成することができるはずである。
このように、抗体産生のための抗原として発明の受容体蛋白質またはその一部を使用し、本分野の技術に熟達した者によく知られている標準的な手法を用いることによって、上述の抗体を作成することができる。抗ペプチド抗体と抗融合蛋白質抗体のどちらを使用してもよい(例えば、Bahouthら、Trends Pharmacol Sci. 12:338−343(1991年);「分子生物学における最新のプロトコール」(Ausubelら編)John Wiley and Sons、New York(1989年)を参照)。イムノゲンとして(合成ペプチドあるいは組み換えにより産生した細菌由来融合蛋白質のどちらかとして)使用するために発明の受容体の一部を選択する際に考慮すべき要因は、抗原性、特定のサブタイプに対する独自性などである。
このような抗体を作成することができると、発明の受容体の分布および発現密度を監視するために免疫組織化学の手法を応用することが可能になる。このような抗体はまた、診断および治療上の応用分野でも利用することができる。
この発明のさらに別の態様に基づき、どの物質(例えば、作動薬および拮抗薬)が発明の受容体に結合し得るかどうか検討するため多数の物質を迅速にスクリーニングする上で有用な、SXRを用いた結合アッセイが提供される。その後、そのような物質が発明の受容体の作動薬として作用するのかあるいは拮抗薬として作用するのかさらに検討するため、最初に特定された物質を用いてより詳細なアッセイを実施することが可能である。
発明の結合アッセイは、新しいSXR様リガンドを特定するためにも利用することができる。被験標本(例えば、体液)を用いて発明の結合アッセイを行い、SXRまたはSXRリガンドの有無を検出することも可能である。
発明の結合アッセイの別の応用例は、SXRの有無を検出するための被験標本(例えば、体液)のアッセイである。したがって、例えばステロイドの過剰産生または過少産生に起因すると考えられる症状を呈している患者からの組織ホモジネートをアッセイに供し、観察された症状がSXRの存在に関連するものであるかどうか検討することが可能である。
この発明により意図される結合アッセイは、本分野の技術に熟達した者であれば容易に理解できるように、様々な方法で実施することができる。例えば、競合的結合アッセイ、ラジオイムノアッセイ、ELISA、ERMAなどを用いることが可能である。
この発明のさらに別の態様に基づき、ある物質が発明の受容体ポリペプチドの転写促進作用を調節し得るかどうか検討するための方法が提供される。当該方法とは、当該受容体ポリペプチドおよびリポーターベクターを含有する細胞と当該物質とを接触させることによりリポーター蛋白質の有無を検討するための方法である;
ただし、当該リポーターベクターは次のものから構成される:
(a)当該細胞中で機能し得るプロモーター
(b)ホルモン反応因子、および
(c)リポーター蛋白質をコードするDNA
ただし、リポーター蛋白質をコードする当該DNAは、当該DNAの転写のために当該プロモーターに機能的に結合している、そして
当該プロモーターは当該ホルモン反応因子の活性化のためにホルモン反応因子に機能的に結合している。
上述のアッセイ方法における使用に適したホルモン反応因子は、少なくとも2箇所の半分部位(それぞれがここで定義する配列RGBNNMをもつ)の直接あるいは反転反復から構成される。それぞれの半分部位におけるRGBNNMは次のとおりである:
RはAまたはGから選択する;
BはG、C、またはTから選択する;
それぞれのNはA、T、C、またはGから別個に選択する;そして
MはAまたはCから選択する;
ただし、当該RGBNNM配列のうち少なくとも4個のヌクレオチドは、配列AGTTCAの対応部位のヌクレオチドと同一でなければならない。
本分野の技術に熟達した者であれば、半分部位の間のスペーシングは相当広い範囲で変動することが理解できる。一般的には約0から15個までのヌクレオチドである。半分部位が直接反復として配置されている場合、半分部位が3、4または5個のヌクレオチドから成るスペーサーによって分離されるのが現時点では望ましい。本分野の技術に熟達した者であれば、3、4または5個のヌクレオチドの中のいかなる組み合わせであってもスペーサーとして使用可能であることが理解できる。現時点では、4個のヌクレオチドから成るスペーサーをもつ直接反復反応因子(例えば、配列番号6、7または16)が望ましい。半分部位が反転反復として配置されている場合、半分部位が4、5または6個のヌクレオチドから成るスペーサーによって分離されるのが現時点では望ましい。本分野の技術に熟達した者であれば、4、5または6個のヌクレオチドの中のいかなる組み合わせであってもスペーサーとして使用可能であることが理解できる。
また、発明の受容体のリガンドがさらに存在する条件下で上述の検査方法を実施し、発明の受容体の拮抗薬を特定することが可能である。本分野の技術に熟達した者であれば、本分野においてよく知られた方法を用いて拮抗薬のスクリーニングを容易に実施することができるはずである。一般に、拮抗薬のスクリーニングは、一定量の作動薬を用いて実施し、拮抗薬と推定される物質の量を増量してゆく(すなわち競合アッセイ)。または、受容体を構造的に活性を有する状態にし(例えば、強力で構造的に活性を有する活性化物質を受容体に添加することによって)、その結果得られる構造的に活性を有する受容体を阻害する物質をスクリーニングすることによって、拮抗薬を特定することも可能である。
この発明の別の局面に基づき、ステロイドX受容体(SXR)の作動薬であるが他のステロイド受容体に対しては作動薬としても拮抗薬としても作用しない物質を特定するための方法が提供される。当該方法は、次の段階から構成される;
第1のアッセイ系においてSXRおよびリポーターベクターを含有する細胞と当該物質とを接触させることにより、リポーター蛋白質の有無を検出する;
ただし、当該リポーターベクターは次のものから構成される:
(a)当該細胞中で機能し得るプロモーター
(b)SXR反応因子、および
(c)リポーター蛋白質をコードするDNA
ただし、リポーター蛋白質をコードする当該DNAは、当該DNAの転写のために当該プロモーターに機能的に結合している、そして
当該プロモーターは当該SXR反応因子の活性化のためにSXR反応因子に機能的に結合している;
第2のアッセイ系においてSXR以外のステロイドホルモン受容体およびリポーターベクターを含有する細胞と当該物質とを接触させることにより、リポーター蛋白質の有無を検出する;
ただし、当該リポーターベクターは次のものから構成される:
(a)当該細胞中で機能し得るプロモーター
(b)SXR以外の当該受容体び反応因子、および
(c)リポーター蛋白質をコードするDNA、
ただし、リポーター蛋白質をコードする当該DNAは、当該DNAの転写のために当該プロモーターに機能的に結合している、そして
当該プロモーターはSXR以外の当該受容体の反応因子の活性化のためにSXR以外の受容体の反応因子に機能的に結合している;そして
当該第1アッセイでリポーターの産生を誘導するが当該第2アッセイでは誘導しない物質を、ステロイドX受容体(SXR)の作動薬であるが他のステロイド受容体の作動薬でも拮抗薬でもない物質として特定する。
このように、発明の方法は治療上有用な各種の物質を特定するために使用できる、ということが容易に理解できる。ここで特定された物質は、例えば次のような幅広い適用疾患の治療のために使用することが可能である:
a)クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)、コルチゾルレベルの上昇として発現し、肥満、疲労、高血圧、浮腫および骨粗しょう症を含めた様々な障害につながる;
b)テストステロンの過剰産生に起因する女性の男性化および多毛症;
c)多嚢胞性卵巣症候群に起因するアンドロゲン過剰、デヒドロエピアンドロステロンの循環量の劇的な上昇として発現する;
d)特定のステロイドの蓄積につながる酵素欠損症、例えば:
1)17−ヒドロキシ−プロゲステロンおよびアンドロゲンの合成量増加につながる21−ヒドロキシラーゼ欠損症;
2)デオキシコルチゾルおよびデオキシコルチコステロンの蓄積と付随高血圧症につながる11β−ヒドロキシラーゼ欠損症;
3)プレグネノロンおよびデヒドロエピアンドロステロンの蓄積を起こし男女共における両性併存につながる3β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ欠損症;
4)17−ヒドロキシラーゼ欠損症、コルチゾル合成を阻害するがコルチコステロンおよびデオキシコルチコステロンを蓄積させるため、高血圧および男女共における第二次性徴の発達異常につながる;
f)食事中かつ/または環境中に存在し内分泌かく乱物質として作用する物質、例えば乳癌、結腸直腸癌および前立腺癌に関与する可能性のあるエストロゲン(Adlercreutz および Mazur、Ann. Med.29:95−120(1997年))の作用を増強する;など。
SXRの特異的な作動薬であって他のステロイド受容体に対しては作動薬としても拮抗薬としても作用しない物質は、他のステロイド剤をそのカタトキシック特性のために使用し、このような治療薬の負の陰性作用(おそらく前述したステロイド受容体、例えばグルココルチコイド受容体が不適切に活性化されることに起因する)に耐えなければならない場合に、特に有用であろう。 SXRの特異的な作動薬であって他のステロイド受容体に対しては作動薬としても拮抗薬としても作用しない物質は、他のステロイド剤をそのカタトキシック特性のために使用し、このような治療薬の負の陰性作用(おそらく前述したステロイド受容体、例えばグルココルチコイド受容体が不適切に活性化されることに起因する)に耐えなければならない場合に、特に有用であろう。
この発明のさらに別の態様に基づき、発明の受容体ポリペプチドにより媒介される過程を調節するための方法が提供される。当該方法とは、少なくとも1種類の作動薬、拮抗薬あるいは発明の受容体に対して作成した抗体の存在下で当該過程を実施する、というものである。
この発明のさらに別の態様に基づき、ステロイド分解酵素の発現を融合するための方法が提供される。当該方法とは、SXRを活性化するものである。ここでの発現のために意図されるステロイド分解酵素の代表例として、ステロイドヒドロキシラーゼなどが挙げられる。
この発明に基づき、薬理学的な量のステロイドによるある種の生体異物代謝酵素の誘導は、特異性の幅が広く親和性の低い核ホルモン受容体であるSXRによって制御されることがさらに発見された。このような受容体を基盤とする系の1つの利点は、活性化物質のレベルが正常な内分泌機能を阻害するほど十分に高い場合にのみ生体異物代謝酵素の発現を誘導するという点である。また、様々な種類の活性化物質(そのうちのいくつかは誘導された酵素の基質となり得る)に対して反応性を有する受容体によってチトクロームP450類のように基質特異性の広い酵素の発現が誘導される、という点も生物学的に理にかなっている。
SXRの活性がリガンド依存性であるかどうか検討するために、トランスフェクションアッセイにおいて天然型および合成型の物質の混合物がSXRを活性化する作用をもつかどうか試験した(例3参照)。デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)およびプレグネノロンを含有する混合物が活性を有することが確認され、SXRが新しいステロイド受容体であることが示唆された。その反応特性について分析するため、既知のステロイド生合成経路の中間産物および主要産物を含めた各種のステロイドについて試験を実施した。驚くべきことに、これらの物質のほとんどは活性を示したが、その力価には明白な差があった(図2参照)。実際、試験に使用した70種類以上のステロイドのほとんどが、高用量において何らかの活性を示した。完全長の受容体とGAL4−受容体リガンド結合領域キメラとがどちらも同様の活性を示したが、リポーター単独、あるいはリポーター+GAL4 DNA結合領域を用いて行った実験においてはリポーター遺伝子の発現が活性化されなかったことから、活性化はSXRのリガンド結合領域に依存していた。
試験に使用した多数のステロイドの中で、最も強力かつ有効な活性化物質はコルチコステロンである。エストラジオールおよびジヒドロテストステロンもまた顕著に有効な活性化物質であるが、アルドステロンおよび1,25ジヒドロキシビタミンD3は、50 mMにおいてさえも活性を示さない。古典的なステロイド受容体のためのリガンドは受容体特異性に関してある程度の重複を示すが、このように多くの種類のステロイドによって活性化される各受容体の例は今までにない。SXRのリガンド特異性がこのように広いのは、非常に多くの種類の食品中脂肪酸によってマイクロモルのレベルで活性化されるPPARαと類似している(例えば、Formanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94:4312(1997年)およびGottlicherら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:4653(1992年)を参照)。
SXRに対して活性を示すステロイドが非常に多いことから、この新しいクラスの受容体は累積した、および個々のステロイド量を検知できることが示唆され、活性化物質を併用することによって個々の成分よりも活性が強くなると予想される。図3に示すように、それぞれ10 mMの濃度の10種類のステロイドを含有する混合製剤(すなわち、ステロイドの総濃度は100 mM)は、個別ではほとんどが不活性であった10 mMの濃度において個々の成分よりもはるかに強い活性を示した。これらの結果から、SXRは特異性が広く親和性の低いステロイド活性化受容体であることが確認される。
生理学的なホメオスタシスを維持するために重要な必要条件は、各種の内因性ホルモンおよび生物学的活性を有する生体異物の除去と解毒である。解毒の多くはチトクロームP450酵素によって行われる。これらの酵素の多くは広い基質特異性をもち、ステロイドを含めた非常に多くの物質によって誘導される。食事からステロイドおよび脂質を摂取しても同じ酵素が誘導されるため、調和のとれた代謝経路に組み込まれる必要がある。何百もの受容体を持つ代わりに、それぞれの誘導物質のために1つの受容体しか持たないここに記載した受容体のクラスがあることから、全身のステロイドレベルを監視し、生体異物代謝酵素をコードする遺伝子の発現を誘発する、特異性の幅が広く親和性の低い核受容体クラスの存在が示される。これらの結果から、核受容体の新しい大スーパーファミリーの1つである特異性が広く親和性の低い受容体を通じて、レベルの上昇したステロイド(またはステロイド様物質)を循環から除去するためのステロイドセンサー機序が存在することが示される。
実際、GENBANKデータベースを利用して推定上のSXR反応因子を含有する遺伝子を検索した結果、標的遺伝子の候補としていくつかのステロイドヒドロキシラーゼ、例えばCYP2A1、CYP2A2、CYP2C1、CYP2C6、CYP3A1、CYP3A2、P450オキシドリダクターゼおよびUDPグルクロノシルトランスフェラーゼが特定された。これらの配列の中の該当部分は次のとおりである:
DR-3
rCYP3A1 tagac AGTTCA tga AGTTCA tctac(配列番号3)
rCYP3A2 taagc AGTTCA taa AGTTCA tctac(配列番号4)
rUGT1A6 actgt AGTTCA taa AGTTCA catgg(配列番号5)
DR-4
rbCYP2C1 caatc AGTTCA acag GGTTCA ccaat(配列番号6)
rP450R cac AGGTGA gctg AGGCCA gcagc AGGTCG aaa(配列番号7)
DR-5
rCYP2A1 gtgca GGTTCA actgg AGGTCA acatg(配列番号8)
rCYP2A2 gtgct GGTTCA actgg AGGTCA gtatg(配列番号9)
rCYP2C6 agtct AGTTCA gtggg GGTTCA gtctt(配列番号10)
hCYP2E1 gagat GGTTCA aggaa GGGTCA ttaac(配列番号11)
図4に示したデータから、SXRはこれらの遺伝子の中に存在するDR-3、DR-4およびDR-5因子を活性化し得ることが証明される。例3に記載した一連のトランスフェクション実験において、コルチコステロンはプレグネノロン、プロゲステロン、DHT、エストラジオールおよびPCNと共に、一貫してもっとも強力な活性化物質である。デキサメタゾン、コルチゾンおよびDHEAは中等度のグループであり、アルドステロンあるいはコルチゾルはどちらもほとんど反応を示さない(図4参照)。DNA結合データと一致して、βDR-3、βDR-4およびβDR-5因子により最大の活性が見られる。
このように、SXR反応因子は、ステロイドヒドロキシラーゼ、P450オキシドリダクターゼ、およびグルクロノシルトランスフェラーゼをコードする遺伝子中に存在する。これらの酵素は、内因性および生体異物性の物質を代謝することができ、薬理学的な量のステロイドによって活性化される受容体の正当な標的である。SXRは生体異物代謝酵素の主要発現部位である肝臓において高レベルで発現されていることから、ステロイドセンサー機序が適切な組織において機能していることが示唆される。また、腸においても顕著な発現が認められる。ステロイドあるいは生体異物の代謝におけるこの組織の役割に関してはあまり知られていないが、食事から摂取したステロイドの代謝、そしておそらくは内因性のステロイドの代謝も制御する上で、腸が役割を果たすのは間違いないであろう。以上を合わせて考慮すると、これらのデータから細胞内「ステロイドセンサー」として機能するSXRのような親和性が低く特異性の広い核ホルモン受容体のクラスが存在することが強く示唆される。
ステロイドヒドロキシラーゼをコードする遺伝子の中でのSXR反応因子の見かけ上の位置から、還元された、あるいは水酸化されたコルチコステロン誘導体のようなステロイド異化作用の産物もまたSXRを活性化することができるのかどうか、という疑問が生じる。図5から、コルチコステロンの還元型である5αおよび5βは共にSXR活性化物質として有効であるが、GR上では5αはわずかに活性を示し5βは完全に不活性であることが示される。5α還元型ステロイドのいくつかは活性を示すが(例えば、ジヒドロテストステロン)、5β還元型ステロイドの方は、ほとんどの物質が古典的なステロイド受容体を活性化することができない(Russell および Wilson、Ann.Rev.Biochem.63:25(1994年)を参照)。したがって、5β還元型ステロイドによってSXRが活性化されることから、これらの物質は遺伝子制御においてこれまでに特定されていない役割を有することが明らかになる。
6β−ヒドロキシコルチコステロンは、SXRに対して実質上不活性であり、GRに対してはわずかな活性を示す(図5参照)。SXRを活性化することのできる反応因子を含有するCYP3A遺伝子は、多くのステロイドの6位における水酸化を触媒する。したがって、6β−ヒドロキシコルチコステロンがSXRを活性化する作用を持たないことから、6位水酸化はSXRシグナル伝達経路における制御段階である可能性が示唆される。
このように、ここで提案した核受容体のSXRクラスに属する受容体の役割を裏付ける証拠として、SXRはプロゲステロン、テストステロン、エストロゲンおよびコルチコステロンのように親和性の高い受容体を持つ分子と、親和性の高い受容体上でほとんどが不活性であるその還元型異化産物を含めた非常に様々なステロイドおよびその代謝産物によって活性化されることがここで証明された。SXRは、天然型ステロイドだけでなく、PCNやデキサメタゾンを含めた合成ステロイドによっても活性化される。これらのデータから、CYP3A遺伝子(a.k.a.P450PCN)がグルココルチコイド受容体の作動薬および拮抗薬の両方によって誘導されるという矛盾する事実の分子レベルでの説明が得られる。何故なら、cyp3A遺伝子は、PCNおよびグルココルチコイドの誘導を担うことが示されているプロモーター領域中にSXRを活性化し得る反応因子を持っているからである(上記Burgerら、および上記Gonzalezら、参照)。このような結果は、親和性の高い伝統的なステロイド受容体の制御によっては説明できないが、この挙動は新たに特徴解析されたステロイドX受容体に関して観察される特性と一致する。
PCNおよび他のステロイドによって誘導可能であることが知られているP450がSXRの標的となり得るかどうかについて検討するため、さらなる試験を実施した。ヒトにおいてステロイドにより誘導される主なP450は、CYP3A4遺伝子である(Molowaら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)83:5311−5315、1986年、Beauneら、Proc.Natl.Acad.Sci(USA)83:8064−8068、1986年)。ラットおよびマウスのCYP3A遺伝子のすべてに、SXRが活性化し得るDR-3反応因子が含まれる(図4)のに対して、ヒトおよびウサギのプロモーターは子のような因子を含まない。ステロイドおよび生体異物によるCYP3A4の誘導能は、一時トランスフェクションアッセイにおいて機能を有する19個の塩基対から成る因子に局在している(Barwickら、Mol.Pharmacol. 50:10−16、1996年)。この因子は、IR-6モチーフ(TGAACTcaaaggAGGTCA)(配列番号24)を含有する。ヒトのCYP3A5およびCYP3A7、そしてウサギのCYP3A6遺伝子中で、同様の因子が特定されている(図6B)(上記Barwick、1996年)。SXRが0〜6個のヌクレオチドのスペーシングをもつ一連の反転反復因子に結合する能力について検討するために試験を実施した結果、IR-6反応因子のみが有意な結合を示した。直接反復の場合と同様、これらの結果から結合はRXR:SXRヘテロダイマーの形成に依存していたことが示される。また、競合結合実験から、SXR:RXRヘテロダイマーのβDR-4およびCYP3A4 IR-6の反応因子に対する見かけ上の親和性にはほとんど差がないことも実証された。親プロモーターの既知の誘導能に一致して、SXRはCYP3A4を含有するリポーター構築物を活性化するがCYP3A5あるいはCYP3A7のモチーフは活性化しないことが示された。
CYP3A4を誘導することが知られている物質もまた、発明のSXRを活性化することが示された。試験に使用した物質は、リファンピシンおよびニフェジピンのような薬剤;タモキシフェン、スピロノラクトンおよびPCNのようなステロイド拮抗薬;デキサメタゾン、ジエチルスチルベストロール、エストラジオール、ジヒドロテストステロン、コルチコステロンおよびコルチゾンのような天然型および合成型のステロイド;およびクメストロール、イクオールおよびゲニステインのようなフィトエストロゲンであった。これらの物質のうち、リファンピシン、ニフェジピン、コルチコステロン、エストラジオール、DES、およびクメストロールが最も強力な活性化物質であった(図7−1A)。マウスの受容体PXRは、これらの誘導物質に対してあまり反応しなかったが、SXRの弱い活性化物質であるPCNによって選択的に活性化された(図7−1B)。PXRは、プレグナン類(デキサメタゾン(DEX)およびプレグネノロンのような21炭素ステロイド)によって選択的に活性化されることが報告されている(上記Kliewer、1998年)が、我々の試験の結果からはPXRはテストステロンのような19炭素アンドロスタンによってもエストラジオールのような18炭素エストランによっても同様に活性化されることが示された(図7−1B)。プロゲステロン、プレグネノロンおよびジヒドロ酢酸(DHEA)を含む他の天然型ステロイドによっても同様の結果が得られた。
高濃度のステロイドによってSXRおよびPXRが活性化されることがすべてのステロイド受容体の一般的な特性ではないことを実証するために、同一グループの物質によるヒトエストロゲン受容体(ER)の活性化について検討した。試験に使用した内因性ステロイドの中で、ERを活性化したのはDHTとエストラジオールだけであった。合成ER作動薬、DES、およびクメストロールを含むフィトエストロゲン類(図7−1C)もまた、ヒトエストロゲン受容体を活性化した。
発明のSXR反応因子は、ステロイドヒドロキシラーゼをコードする遺伝子の中に局在しているため、還元型あるいは水酸化型のコルチコステロン誘導体など、ステロイドの異化産物がSXRを活性化し得るかどうか試験した。これらの試験の結果は図7−2に示すとおりで、コルチコステロンの5αおよび5βの還元型はどちらも有効なSXR活性化物質である;しかし、GRに対しては5αはわずかに活性を示し、5βは完全に不活性である。いくつかの5α還元型ステロイドは活性を有するが(例えばジヒドロテストステロン)、5β還元型のステロイドは古典的なステロイド受容体を活性化することができない(Russell および Wilson、Ann.Rev.Biochem. 63:25−61、1994年)。このように、5β還元型ステロイドによるSXRの活性化は、これまでに発見されていないこれらの物質のための調節経路を反映している可能性がある。また、6β−ヒドロキシコルチコステロンがSXRに対してほとんど活性を示さないことから(図7−2)、CYP3A4が触媒する水酸化はステロイド代謝における決定的な制御段階である可能性が示唆される。
このような結果から、薬理学的なレベルのステロイド、薬物、および生体異物によるある種の生体異物代謝酵素の誘導は、多数の特異的な受容体ではなく特異性の広いセンサーによって制御されている、ということが示される。SXRは、各種のステロイドおよびその代謝産物によって活性化される核受容体大グループの新しい一員である。発明のSXRのように、特異性の広い1つのセンサーによって直接制御されるということは、生物学的にみて無駄のないことである。何故ならば、これらの物質の解毒および異化作用の多くはCYP3Aグループの一員であるチトクロームP450によって媒介されるが、この酵素はステロイドを含めた広範囲の物質を代謝し、またそれによって誘導されるからである。
上述の研究に基づき、標的遺伝子、SXR、およびその活性化物質の間でいくつかの関連が発見され、SXRがステロイドおよび生体異物の累積量調節を担う感受性の広いセンサーとしての役割を果たすことが裏付けられた。第1に、SXRはステロイドおよび生体異物を異化する組織中、特にステロイドおよび生体異物代謝酵素の主要発現部位である肝臓や腸において発現されている。ステロイド代謝における腸の組織の役割についてはあまり知られていないが、腸は食事から摂取した物質、および経口投与した物質の初回通過効果による代謝において重要な役割を果たすことが知られている(Holtbeckerら、Drug Metab.Dispos. 24:1121−1123、1996年;およびKolarsら、Lancet 338:1488−1490、1991年)。例えば、CYP3A4は腸細胞中に多量に発現されている(Kolarsら、J.Clin,Invest.90:1871−1878、1992年)。このように、SXRはステロイドおよび生体異物の異化作用に関して非常に重要な2種類の組織中で多量に発現されている。第2に、発明のSXRによって、SXRを発現する組織中で発現している異化酵素が誘導される。SXR反応因子は、十分な特徴解析が行われているCYP3A4プロモーター中だけでなく、P450オキシドリダクターゼ、CYP2A、CYP2C、CYP2Eおよびグルクロノシルトランスフェラーゼのプロモーター中でも発見された。これらの酵素はすべて、ステロイドおよび生体異物の異化に関与することがよく知られている(F.J.Gonzalez、Trends Pharmacol.Sci. 13:346−352、1992年)。第3に、薬物(リファンピシンおよびニフェジピンなど)、ステロイド受容体作動薬および拮抗薬(エストロゲンおよびタモキシフェンなど);食事中に含まれる生物学的活性を有する物質(フィトエストロゲンなど)など、異化酵素を誘導することで知られる物質が発明のSXRを活性化する。特に、CYP3A4は、申請者がSXR活性化物質であるとして特定したほぼすべての物質によって誘導されることが知られている(Rendic および Di Carlo、1997年)。最後に、還元型ステロイドのように異化の初期の段階における産物がSXRを活性化し、それらの完全な不活化および消失を保証している。以上を合わせて判断すると、このような関連があることから、ステロイドおよび生体異物のホメオスタシスを調節するために機能する特異性の広いセンサーとしてのSXRの役割が裏付けられる。
SXRが活性化されるということから、CYP3A遺伝子(a.k.a.P450PCN)がグルココルチコイド受容体の作動薬および拮抗薬の両方によって誘導されるという矛盾する事実、および異なる種においてオルトロガスな酵素がそれぞれ異なる反応を示すという事実の分子レベルでの説明が提供される。誘導可能なCYP3A遺伝子は、 PCNおよびグルココルチコイドの誘導を担うことが示されているプロモーター領域中に反応因子を持っている(上記Barwick、1996年;上記Burger、1992年;上記Gonzalez、1986年;上記Schuetz および Guzelian、1984年;上記Kliewer、1998年)。出願人は、これらの反応因子が発明のSXRによって活性化されることを発見した(図6Aおよび6C)。異なる種に由来するCYP3A2遺伝子、そして特にグルココルチコイド反応性プロモーター因子は、ステロイドおよび生体異物の異化作用において共通の役割をもっているにもかかわらず、その誘導物質の薬理学的特性は顕著に異なっている(上記Barwick、1996年)。例えば、PCNはラットのCYP3A2およびCYP3A3の強力な誘導物質であるが、ヒトのCYP3A4およびウサギのCYP3A6に対しては弱い誘導物質でしかない。一方、リファンピシンはこのような酵素をコードするヒトおよびウサギの遺伝子の強力な誘導物質であるが、ラットの遺伝子に対しては作用しない(上記Barwick、1996年)。
しかし、ラットあるいはウサギからの一次培養肝細胞中に一時トランスフェクションを行うことによりこのような遺伝子からの反応因子の試験を行うと、反応性は宿主のタイプの反応性に変化する。例えば、ラットのCYP3A2およびCYP3A3プロモーターからのグルココルチコイド反応因子は、DEXによりラットおよびウサギの両肝細胞において誘導されたが、PCNによって誘導されたのはラットの肝細胞においてのみであり、リファンピシンによって誘導されたのはウサギの肝細胞においてのみであった(上記Barwick、1996年)。同様に、ヒトCYP3A4プロモーターからのグルココルチコイド反応因子は、DEXによりラットおよびウサギの両肝細胞において誘導されたが、PCNによって誘導されたのはラットの肝細胞においてのみであり、リファンピシンによって誘導されたのはウサギの肝細胞においてのみであった(上記Barwick、1996年)。ラットの細胞における活性化特性は、PXRの誘導物質に対する反応性に相応している(図6C);一方、ウサギの細胞における反応性はSXRの反応性に相応する。ウサギの3A6プロモーターにはげっ歯類のDR-3因子が欠如しているが、ヒトのIR-6因子が存在する(上記Barwick、1996年)ため、ウサギの肝臓はPXRよりもSXRに密接に関連した受容体をもつであろうことが推測される。このように、SXRとPXRの活性化の薬理学的特性により、チトクロームP4503Aグループの中のラット、ウサギおよびヒトの酵素の誘導性が異なることが説明される。この発見から、ウサギの肝細胞はげっ歯類の肝細胞よりもヒトの肝細胞に近い挙動を示すこと、そしてヒトにおける薬物相互作用の試験を行うためにはげっ歯類よりもウサギの方が適していると思われることが示唆される。
マウスの組織中で、ステロイド生体異物受容体と呼ばれる核受容体スーパーファミリーの新しい枝グループに属する1つの受容体が発見された。緊縮性の低い条件下でマウス肝臓のcDNAライブラリーをスクリーニングした結果、39種類のcDNAが特定され、これらすべてがPXRをコードしていた。げっ歯類とヒトとの受容体を比較した場合、オルトロガスな核受容体は一般に、リガンド結合領域のアミノ酸の相同性が90%以上である(例えば、RARα−98%ヒト/マウス(h/m)、PPARγ−98%h/m、GR−95%h/m、TRβ−98%h/ラット、ERα−89%h/m)。このように、PXRとSXRは、ステロイドおよび生体異物核受容体グループのαとβのサブタイプであるのかもしれない。この結論は、ここに記載する例で示すように、受容体の明白に異なる薬理学的特性によって裏付けられる。マウスおよびヒトの肝臓のcDNAをさらにスクリーニングしたが、他のグループに属する受容体は特定できなかった。PXRとSXRが非常に異なるオルトロガス遺伝子を代表しているのかもしれない。もしこれが真実であれば、差異は、げっ歯類と霊長類との食餌における差への受容体の適応、および受容体が食餌に由来する該当物質に反応する必要性を反映していると考えられる。
発明の受容体を得るために、ここに記載する例1で示したように、完全長のSXR cDNA(配列番号1)をプローブとして各種ヒト組織について市販のノーザンブロットを行った。結果から、SXRのmRNAはヒト肝臓において多量に発現されており、ヒト腸においてはそれよりもやや少ない量で発現されていることが示された。ノーザンブロットを24時間以上曝露させても、他の組織における発現は認められなかった。3500 ntから9000 nt以上のものまで、数多くのmRNAが検出された。得られた4種類のcDNAの配列を比較した結果、蛋白質のコードと5’未翻訳配列は共通であったが、3’末端は4種類すべて異なっていた。このような配列の差は、別経路によるポリアデニル化に起因するものと考えられる。
SXRがRXRと共にヘテロダイマーを形成し得るかどうか検討するため、そしてここに記載する例4で示すようにSXRのDNA結合の選択性および特異性について分析するために、電気泳動移動シフトアッセイを実施した。RXRと共にヘテロダイマーを形成する受容体は一般に、AGGTCAの直接反復あるいは密接に関連する配列に結合する(上記Mangelsdorf および Evans、1995年)。半分部位の間のスペーシングが0個〜15個のヌクレオチドである種々の反応因子に対して、SXRを単独で、およびRXRと共に試験した。古典的なステロイド反応因子上では、結合は見られなかった。これに対して、DR-4モチーフに選択的な強い結合が認められ、DR-3およびDR-5に対してはわずかな結合、そして他のスペーシングの場合には結合は認められなかった。変種であるAGTTCA(βDR)の半分部位を使用した場合、βDR-4およびβDR-5上で強い結合が見られ、βDR-3に対する結合は顕著であったが若干弱かった。これらの結果から、SXRは、古典的なステロイド受容体のようにホモダイマーとしてではなく、RXRとのヘテロダイマーとしてDNAに結合することが実証される(上記Beato、1995年)。
SXRの活性がリガンドに依存するのかどうか検討するために、トランスフェクションに基づくアッセイにおいて天然型および合成型の物質の混合物がSXRを活性化し得るかどうかの試験を実施した。DHEAおよびプレグネノロンを含有する混合物が活性を示したことから、SXRは新しいステロイド受容体であることが示唆される。受容体の反応特性についてさらに詳細に特徴解析するために、既知のステロイド生合成経路の中間代謝産物および主要代謝産物を含めた様々な種類のステロイドについて、発明のSXRを活性化し得るかどうか試験した。図2に示す結果から明らかなように、これらの物質のほとんどは活性を有していたが、力価には明白な差があった。試験に使用した70種類以上のステロイドのうち、ほとんどが高用量において何らかの活性を示した。また、完全長の受容体とGAL4受容体リガンド結合領域キメラとはどちらも同様の活性を示すことも発見された;しかしリポーター単独、あるいはリポーターとGAL4のDNA結合領域とで行った実験においては、リポーター遺伝子発現の活性化は認められなかった(図2)。これらの結果から、活性化はSXRのリガンド結合領域に依存することが示される。
試験に使用した各種ステロイドの中で、最も強力かつ有効な活性化物質はコルチコステロンであった(図2)。エストラジオールおよびジヒドロテストステロンもまた顕著に有効な活性化物質であったが、アルドステロンおよび1,25ジヒドロキシビタミンD3は、50 μMの濃度においてさえも不活性であった(図2)。古典的なステロイド受容体のためのリガンドは受容体特異性に関してある程度の重複を示すが、このように多くの種類のステロイドによって活性化される核受容体の例は今までにない。SXRのリガンド特異性がこのように広いのは、非常に多くの種類の食品中脂肪酸によってマイクロモルのレベルで活性化されるPPARαと類似している(Formanら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、94:4312−4317、1997年;Gottlicherら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:4653−4657、1992年;Kliewerら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)94:4318−4323、1997年)。
GENBANKデータベースを利用して推定上のSXR反応因子を含有する遺伝子を検索した結果、標的遺伝子の候補としてステロイドヒドロキシラーゼCYP2A1、CYP2A2、CYP2C1、CYP2C6、CYP3A1、CYP3A2、P450オキシドリダクターゼ、およびUDPグルクロノシルトランスフェラーゼが特定された(図6A)。この検索によって、これらの遺伝子中に存在するDR−3、DR−4およびDR-5因子が特定されたことから、このような物質が発明のSXRを活性化することが示された。同様に、ステロイドおよび生体異物がSXR反応因子を活性化し得るかどうか検討するために実施した例4に記載のトランスフェクションアッセイからも、コルチコステロンやプレグネノロン、プロゲステロン、ジヒドロテストステロン(DHT)、エストラジオール、およびPCNは一貫して最強の活性化物質であることが示された。デキサメタゾン、コルチゾン、およびDHEAは中等度の強さの活性化物質であり、アルドステロンあるいはコルチゾルはどちらもほとんど反応を示さない(図4)。DNA結合データに一致して、これらの活性化物質により誘導される活性が最大になるのは、βDR-3、βDR-4、およびβDR-5反応因子を含有するステロイド誘導可能なP450遺伝子の場合であった(図4)。
発明のSXRポリペプチド作動薬または拮抗薬に関して使用する「有効量」という語は、1種類以上のステロイドおよび/または生体異物の代謝を望ましいレベルに調節するために必要な量のことである。例えば、治療用の物質を投与することになった疾患を治療、治癒、あるいはその症状を軽減したり、ホメオスタシスを確立したりする上で有効な量という意味である。あるいは、疾患の治療のために1種類以上の治療用ステロイドおよび/または生体異物を投与した患者においてステロイド毒性を防止する目的で発明の作動薬を使用する場合には、「有効量」という語はステロイドおよび生体異物の全身量(例えば、治療中の患者のステロイド毒性の影響について調べるための血液検査によって測定される)を安全なレベルに調節するため、あるいは医師により判定されるステロイド毒性の症状を軽減するために必要な量のことを意味する。同様に、治療用のステロイドあるいは生体異物のクリアランスを遅くするために使用する発明のSXRポリペプチド拮抗薬の量とは、特定の治療用物質の血中濃度を治療上有効なレベルまで上昇させ、それによって治療用のステロイドあるいは生体異物を投与することになった疾患を治療、またはその症状を軽減するために必要な量のことである。症状の重症度は個々の、患者によって大きく異なると思われ、それぞれの薬物や活性物質も独自の治療特性を持つことから、各患者に対する正確な投与方法、用いる用量および治療計画は医師の判断に委ねられることになる。
特定の治療目標を達成するために有効な量は、当然、投与を受ける病状の重症度、および患者の体重や全身状態に応じて変わってくる。「有効量」を決定する上で考慮すべき様々な一般要因は、本分野の技術に熟達した者によく知られており、例えばGilmanら編、Goodman And Gilman’s:「治療法の薬理学的根拠」第8版、Pergamon Press、1990年;および「Remingtonの薬剤学」第17版、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.、1990年がある。これらはいずれもここに参考文献として引用している。
発明のSXRポリペプチド作動薬あるいは拮抗薬の製剤は、固体、溶液、乳濁液、分散剤、ミセル、リポソームなどの剤形で使用することができる。ただし、作成した製剤中は、経腸的あるいは非経口的に投与するのに適した有機もしくは無機の担体または賦形剤と混合して、この発明の実施において使用することを目的とした作動薬あるいは拮抗薬を1種類以上含むものとする。例えば、有効成分を、錠剤、丸剤、カプセル、座薬、溶液、乳濁液、懸濁液、および使用に適したその他のあらゆる剤形にするために、製剤学上容認される一般的な毒性のない担体と共に製剤化することができる。使用可能な担体として、グルコース、ラクトース、アカシアゴム、ゼラチン、マンニトール、スターチ糊、三ケイ酸マグネシウム、タルク、コーンスターチ、ケラチン、コロイド状シリカ、ポテトスターチ、尿素、中鎖トリグリセリド、デキストラン、およびその他製剤化のための使用に適した固体、半固体、あるいは液体状の担体が挙げられる。また、補助剤、安定化剤、増粘剤および着色剤、ならびに香料も使用可能である。製剤中には、有効成分(すなわち1種類以上のSXRポリペプチド作動薬または拮抗薬)が、標的とする過程、病状あるいは疾患に対して望ましい作用を発揮するのに十分な量で含まれるものとする。
ここで意図する有効成分を含有する製剤は、例えば錠剤、トローチ、口内錠、水性または油性の懸濁液、分散粉末または顆粒、乳濁液、硬カプセルまたは軟カプセル、もしくはシロップまたはエリキシル剤として、経口投与に適した剤形にすることもできる。経口投与を目的とする製剤は、製剤製造の分野において知られているいかなる方法に従って作成してもよい。また、このような製剤には、製剤学上洗練された服用しやすい製剤とするために、甘味料(スクロース、ラクトース、あるいはサッカリンなど)、香味料(ペパーミント、冬緑油またはチェリー油など)、着色料および保存料などの中から1種類以上を選択して含めることができる。既知の方法により、製剤学的に容認される毒性のない賦形剤を混合して、有効成分を含有する錠剤も製造することが可能である。使用可能な賦形剤の例として、(1)炭酸カルシウム、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなどのような不活性の希釈物質;(2)コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸などのような顆粒化剤および崩壊剤;(3)トラガントガム、コーンスターチ、ゼラチン、アカシアなどの結合剤;そして(4)ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルクなどの潤滑剤が挙げられる。錠剤はコーティングなしでも、また胃腸管での分解および吸収を遅らせ、それによって長時間にわたり作用を持続させるために既知の技術を用いてコーティングしてもよい。例えば、グリセリルモノステアリン酸またはグリセリルジステアリン酸のような徐放補助剤を使用することが可能である。また、放出をコントロールするための浸透圧性治療用錠剤を作成するために、アメリカ合衆国特許第4,256,108号;および第4,265,874号に記載の技術によってコーティングすることもできる。
場合によっては、経口投与用の製剤を、有効成分を例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、カオリンなどのような不活性の固体希釈剤と共に混合した硬質ゼラチンカプセルの形で製剤化することも可能である。また、有効成分を水や例えばピーナツ油、液体パラフィン、あるいはオリーブ油のような油性媒体と共に混合した軟質ゼラチンカプセルの形で製剤化することも可能である。
また、製剤は滅菌した注射用溶液または懸濁液の形で製剤化することもできる。この懸濁液は、適切な分散剤あるいは湿潤剤と懸濁剤とを使用して既知の方法に基づき作成することができる。滅菌した注射用製剤はまた、例えば1,4−ブタンジオールのような非経口投与用として容認される無毒の希釈剤あるいは溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液の形で作成することが可能である。滅菌した不揮発性油は、溶媒あるいは懸濁用媒体として便利に使用することができる。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリド、脂肪酸(オレイン酸を含む)、ごま油、ココナツ油、ピーナツ油、綿実油のような天然型の野菜油、あるいはオレイン酸エチルのような合成脂肪酸などを含めたあらゆる銘柄の不揮発性油を使用することができる。必要に応じて、緩衝液、保存料、抗酸化剤などを添加しても良い。
この発明の実施における使用を目的とする製剤は、有効成分を経直腸投与するための座薬の形で投与することもできる。このような製剤は、カカオ油脂、ポリエチレングリコールの合成グリセリドエステル(常温で固体であるが直腸内で液化および/または溶解して有効成分を放出するもの)などのような刺激性のない適切な賦形剤を有効成分と混合することによって作成する。
次に、以下に示す例(これに限定されるわけではない)を引用して、この発明についてのさらに詳細な説明を記載する。
(cDNAの特定)
SXRは、緊縮性の低い条件下(0.5 MNa PO4 pH 7.0、7%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)、5%硫酸デキストラン中で65℃において一晩ハイブリダイゼーションさせ、2倍の標準クエン酸生理食塩水溶液(0.015 Mクエン酸ナトリウムを含有する0.15 M生理食塩水pH7)(SSC)、0.1%SDS中で37℃において20分間、3回洗浄する)で、ヒトゲノムライブラリー(Clontech)をゼノパス BXRをコードする完全長cDNA(Blumbergら、1998年a)と共にハイブリダイズさせることによって特定した。制限酵素マッピングおよびSouthernブロット分析から、9kbのEcoRIハイブリダイジング断片内に3個のエクソンが含まれていることが明らかになった。この断片をプローブとして使用して、緊縮性の高い条件下(上述のようにしてハイブリッド形成し、0.1倍SSC、0.1%SDS中で50℃において20分間、2回洗浄する)で各種のヒト組織(Clontech)のノーザンブロットを行い、肝臓においてハイブリダイゼーションを検出した。その後、同一条件を用いてヒト肝臓cDNAライブラリー(Stratagene、La Jolla、CA)の検索を行い、4種類の別個のクローンを特定した。これらのクローンのそれぞれについて、蛋白質コード領域内で両方の鎖の配列決定を行った。DNA配列を収集し、Stadenのプログラム(R.Staden、Nucl.Acids Res.14:217−231、1986年)、ウイスコンシン大学遺伝学コンピュータグループ(Devereauxら、Nucl.Acids Res. 12:387−395、1984年)により比較した。データベースの検索は、国立バイオテクノロジー情報センターのBLASTネットワークサーバーを用いて行った(Altschulら、J.Mol.Biol. 215:403−410、1990年)。PXRは、緊縮性の低い条件下(5倍SSC、43%ホルムアミド、5倍Denhardts、0.1% SDS、0.1 mg/ml超音波処理変性サケ精子DNA、37℃)においてSXR蛋白質をコードする領域を用いてスクリーニングすることにより、マウス肝臓cDNAライブラリー(Stratagene)から分離した。0.5倍SSC、0.1%SDS中で50℃において20分間の洗浄を3回行った。
(SXRがRXRとヘテロダイマーを形成する能力)
SXRの蛋白質コード領域をPCRにより増幅し、ExoIII媒介連結非依存性クローニング(Li and Evans、Nucl.Acids Res. 25、4165−4166、1997年)を用いてベクターpCDG1(上記Blumberg、1998年a)のNcoIおよびBamHI部位中にサブクローニングした。この過程の間に、推定上のイニシエーターLeuをKozakの共通配列CCATGGによってMetに変換した。実際の反応因子およびコピーの数は次のとおりである:どの場合も、基本ベクターはtk−lucである(Hollenbergら、Nature 318:635−641、1985年):
DR-1、tk(ApoAI)4(Ladias および Karathanasis、Science 251:561−565、1991年);
DR-2、tk(Hox-B1-RARE)2(Ogura および Evans、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)92:387−391、1995年);
βDR-3、tk(CYP3A2)3(Kliewerら、Cell 92:73−82、1998年);
DR-4、tk(MLV-TRE)2(Umesonoら、Cell 65:1255−1266、1991年);
βDR-4、tk(LXRE)3(Willyら、Genes Dev. 9:1033−1045、1995年);
βDR-5、tk(βRARE)3(Sucovら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)87:5392−5396、1990年);
TREp、tk(TREp)2(上記Umesonoら、1991年)。
ここで使用した直接反復0−15(DR-0からDR-15まで)のオリゴヌクレオチドの配列は以下のとおりであった:
DR-0: catagtcAGGTCA AGGTCA gatcaac(配列番号12);
DR-1: catagtcAGGTCA t AGGTCA gatcaac(配列番号13);
DR-2: catagtcAGGTCA at AGGTCA gatcaac(配列番号14);
DR-3: catagtcAGGTCA tat AGGTCA gatcaac(配列番号15);
DR-4: catagtcAGGTCA tata AGGTCA gatcaac(配列番号16);
DR-5: catagtcAGGTCA tatat AGGTCA gatcaac(配列番号17);
DR-6: catagtcAGGTCA tatata AGGTCA agatcaac(配列番号18);
DR-7: catagtcAGGTCA tatatat AGGTCA gatcaac(配列番号19);
DR-10:catagtcAGGTCA tatatatata AGGTCA gatcaac(配列番号20);
DR-15:catagtcAGGTCA tagtagtagtagtag AGGTCA gatcaac(配列番号21)。
GAL4-SXRは、配列番号2の107〜434番をpCMX−GAL4中にサブクローニングすることによって構築した(上記Perlmann、1993年)。
同様に、PXR.1蛋白質コード領域をPCRにより増幅してpCDG1中のNcoI−BamHI切断部位にサブクローニングし、104〜431番のアミノ酸をCMX-GAL4中にサブクローニングした。リポータープラスミドは、反応因子の3個のコピーを合成し、pTK-luc中のHindIII−BamHI切断部位にサブクローニングすることによって構築した(Hollenbergら、Cell 49:39−46、1987年)。
レジン−活性炭で不要物を除去した10%ウシ血清(CBS)を含有するDulbeccoの改良イーグル培地中で、CV-1細胞を維持した。(Blumbergら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)93:4873−4878、1996年)の記載に従い、Beckman Biomek 1000 laboratory workstationを利用して、96穴プレートに入れたレジン−活性炭で不要物を除去した10%ウシ胎児血清を含有するDMEM中の5μg/mlの濃度の1,2−ビス(オレオイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン(DOTAP)試薬(Boehringer Manheim)を使用し、リポソームによる一時トランスフェクションを実施した。翌日、脂質除去した10%ウシ胎児血清(FBS)を含有するDMEM中に被験リガンド添加した。18〜24時間インキュベートした後、細胞を溶解し、(上記Blumberg、1996年)の記載に従ってルシフェラーゼリポーター遺伝子アッセイおよびβ−ガラクトシダーゼトランスフェクション対照アッセイを実施した。リポーター遺伝子の発現をβ−ガラクトシダーゼトランスフェクション対照に対して正規化し、β−ガラクトシダーゼ活性の1分間当たりの吸光度単位当たり相対的光学単位、あるいは溶媒対照に対する誘導倍率として表した。各データ点はトリプリケート実験の平均値+/−標準誤差を表し、独立した実験において反復した。
(細胞培養およびトランスフェクション試験)
SXRの活性がリガンド依存性であるかどうか検討するために、トランスフェクションアッセイにおいて天然型および合成型の物質の混合物がSXRを活性化する作用をもつかどうか試験した。すなわち、SXRの蛋白質コード領域をPCRにより増幅し、ベクターpCDG1のNcoIおよびBamHI部位中にサブクローニングした(上記Blumbergら、)。この過程の間に、推定上のイニシエーターLeuをKozakの共通配列CCATGGによってMetに変換した。
GAL4-SXRは、SXRの134〜446番のアミノ酸残基をpCMX−GAL4中にサブクローニングすることによって構築した(上記Perlmann、を参照)。レジン−活性炭で不要物を除去した10%ウシ血清を含有するDMEM中で、CV-1細胞を維持した。Blumbergら、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)93:4873(1996年)の記載に従い、Beckman Biomek 1000 laboratory workstationを利用して、96穴プレートに入れたレジン−活性炭で不要物を除去した10%ウシ胎児血清を含有するDMEM中の5mg/mlの濃度のDOTAP試薬(Boehringer Manheim)を使用し、リポソームによる一時トランスフェクションを実施した。
翌日、脂質除去した10%FBSを含有するDMEM中に、リガンドを添加した。18〜24時間インキュベートした後、細胞を溶解し、上記Blumberg(1996年)の記載に従ってルシフェラーゼリポーター遺伝子アッセイおよびβ−ガラクトシダーゼトランスフェクション対照アッセイを実施した。リポーター遺伝子の発現をβ−ガラクトシダーゼトランスフェクション対照に対して正規化し、β−ガラクトシダーゼ活性の1分間当たりのO.D.当たり相対的光学単位、あるいは溶媒対照に対する誘導倍率として表した。各データ点(図2参照)はトリプリケート実験の平均値+/−標準誤差を表し、独立した実験において反復した。
(DNA結合分析)
in vitroで転写され翻訳された蛋白質(TNT、Promega)を用いて、電気泳動移動シフトアッセイを実施した。蛋白質(各1μl)を10 mM Tris pH8、100 mM KCl、6%グリセロール、0.05%NP-40、1mMジチオスレイトール(DTT)、100 ng/μlポリdI:dC(Pharmacia、Piscataway、NJ)中で室温において100,000 cpmのクレノーラベルしたプローブと共に20分間インキュベートした後、0.5倍のTBE(45 mM Tris塩基、45 mMホウ酸、1mMエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)中5%ポリアクリルアミドゲルを用いて室温で電気泳動した。競合結合のために、蛋白質と5倍あるいは50倍過剰なモル数のラベルしていないオリゴヌクレオチドとを10分間氷上でプレインキュベートした後、ラベルしたプローブを添加し、室温で20分間インキュベートした。電気泳動は、上述の方法で行った。試験に使用したIRシリーズのオリゴヌクレオチドの配列は次のとおりであった:
IR-0、agcttAGGTCATGACCTa(配列番号25);
IR-1、agcttAGGTCAgTGACCTa(配列番号26);
IR-2、agcttAGGTCAcgTGACCTa(配列番号27);
IR-3、agcttAGGTCAcagTGACCTa(配列番号28);
IR-4、agcttAGGTCAcatgTGACCTa(配列番号29);
IR-5、agcttAGGTCAcactgTGACCTa(配列番号30);
IR-6、agcttTGAACTcaaaggAGGTCA(配列番号31);および
IR-M、agcttACGTCATGACGTa(配列番号32)。
IR-Mヌクレオチド配列中には変異があるため、ヘテロダイマーの反応因子への結合が阻害された。
試験に使用したCYP3Aオリゴヌクレオチドの配列は次のとおりであった:
CYP3A4、tagaataTGAACTcaaaggAGGTCAgtgagtgg(配列番号33);
CYP3A5、tagaataTGAACTcaaaggAGGTAAgcaaaggg(配列番号34);および
CYP3A7、tagaataTTAACTcaatggAGGCAgtgagtgg(配列番号35)。
本分野の技術に熟達した者にとって、この発明の意図や範囲から逸脱することなくこの発明に様々な変更を加えることができ、添付の請求項の中で示した形態のみとして明細書の中で個々に開示した態様に加えてこの発明は種種の態様を包含することが明白に理解できるであろう。

Claims (51)

  1. 受容体のポリペプチド、または機能を有するその断片であって、
    レチノイドX受容体(RXR)と共にヘテロダイマーを形成すること、
    半分の部位のAGTTCAに基づく直接の、あるいは反転した反復反応因子モチーフに結合すること、
    各種の天然型および合成型ステロイドホルモンに反応してステロイド誘導性P450遺伝子中に見られる反応因子を通じて転写を活性化すること、および
    主に肝臓および腸において発現されること、
    を特徴とする上記ポリペプチド。
  2. 当該ポリペプチドがさらに9個のCys残基を含む約67個のアミノ酸から成るDNA結合領域を有するという特徴をもつ請求項1に記載のポリペプチドであって、当該DNA結合領域はゼノパス(Xenopus)の安息香酸X受容体のDNA結合領域と約73%のアミノ酸相同性をもつ上記ペプチド。
  3. 当該ポリペプチドがさらに約198個のアミノ酸から成るリガンド結合領域を有するという特徴をもつ請求項2に記載のポリペプチドであって、当該リガンド結合部位はゼノパス(Xenopus)の安息香酸X受容体のリガンド結合領域と約52%のアミノ酸相同性をもつ上記ペプチド。
  4. 当該ポリペプチドが配列番号2に記載したアミノ酸配列とほぼ同一の配列を有する請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 当該ポリペプチドが配列番号2に記載したアミノ酸配列と同一の配列を有する請求項1に記載のポリペプチド。
  6. RXRおよびSXRから成るヘテロダイマー複合体。
  7. 請求項1に記載のポリペプチドをコードする分離核酸。
  8. 当該核酸が配列番号2に記載したアミノ酸配列とほぼ同一の配列をコードする請求項7に記載の核酸。
  9. 当該核酸が配列番号2に記載したアミノ酸配列と同一の配列をコードする請求項7に記載の核酸。
  10. 配列番号1に記載したヌクレオチド583番から1884番とほぼ同一の隣接したヌクレオチド配列をもつ画分を含む請求項7に記載の核酸。
  11. 配列番号1に記載したヌクレオチド583番〜1884番と同一の隣接したヌクレオチド配列をもつ画分を含む請求項7に記載の核酸。
  12. 配列番号1に記載したDNAまたはその相補配列のうち1番〜2068番までから任意に選択した20個以上の隣接塩基とほぼ同一の配列をもつ最低20個の隣接塩基から構成される、ラベルした一本鎖核酸。
  13. 32Pでラベルした請求項12に記載の核酸。
  14. 配列番号1に記載したDNAまたはその相補配列のうち583番〜1884番までから任意に選択した20個以上の隣接塩基とほぼ同一の配列をもつ最低20個の隣接塩基から構成される、請求項12に記載の核酸。
  15. (i)機能的に結合した請求項7に記載の核酸
    (ii)動物の培養細胞において当該核酸配列の転写および当該ポリペプチドの発現に作用する調節因子
    からなる分離核酸構築物。
  16. 請求項15に記載の核酸構築物によって形質転換される動物の培養細胞。
  17. 当該細胞がさらに
    (a)当該細胞中で作用するプロモーター
    (b)ホルモン反応因子、および
    (c)リポーター蛋白質をコードするDNA
    を含有するリポーターベクターによって形質転換される請求項16に記載の細胞であって、当該リポーター蛋白質をコードするDNAは、当該DNAの転写のために当該プロモーターに機能的に結合しており、
    当該プロモーターは当該ホルモン反応因子の活性化のために当該ホルモン反応因子に機能的に結合している上記細胞。
  18. 請求項1に記載の受容体ポリペプチドに特異的に結合する抗体。
  19. 当該抗体がモノクローナル抗体である請求項18に記載の抗体。
  20. 請求項1に記載の受容体ポリペプチドを作成するための方法であって、当該ポリペプチドをコードするDNA配列を発現させるために当該細胞中で作用する発現ベクターを含有する細胞を培養することからなる上記方法。
  21. 受容体ポリペプチドまたは機能を有するその断片を特定するための方法であって、当該ポリペプチドが
    レチノイドX受容体(RXR)と共にヘテロダイマーを形成すること、
    半分の部位のAGTTCAに基づく直接の、あるいは反転した反復反応因子モチーフに結合すること、
    各種の天然型および合成型ステロイドホルモンに反応してステロイド誘導性P450遺伝子中に見られる反応因子を通じて転写を活性化すること、および
    主に肝臓および腸において発現されること、
    を特徴とする方法であって、
    緊縮性の高い条件下でDNA検体を請求項14に記載のプローブとハイブリダイズさせ、当該プローブとハイブリダイズする配列を選択することからなる上記方法。
  22. SXRに結合する物質を特定するために一連の物質をスクリーニングするための方法であって、当該方法が結合アッセイの中で請求項1に記載の受容体を使用することからなる上記方法。
  23. ある物質が請求項1に記載の受容体ポリペプチドの転写促進作用を調節し得るかどうか判定するための方法であって、当該方法は当該受容体ポリペプチドおよびリポーターベクターを含有する細胞と当該物質とを接触させることによりリポーター蛋白質の有無を調べることからなり、
    当該リポーターベクターは
    (a)当該細胞中で作用するプロモーター
    (b)ホルモン反応因子、および
    (c)リポーター蛋白質をコードするDNA、
    からなることを特徴とし、
    当該リポーター蛋白質をコードするDNAは、当該DNAの転写のために当該プロモーターに機能的に結合しており、
    当該プロモーターは当該ホルモン反応因子の活性化のために当該ホルモン反応因子に機能的に結合していることを特徴とする上記方法。
  24. ステロイドX受容体(SXR)の作動薬であるが他のステロイド受容体を促進したり拮抗したりすることのない物質を特定するための方法であって、
    第1のアッセイ系においてSXRおよびリポーターベクターを含有する細胞を当該物質と接触させることによりリポーター蛋白質の有無を検出すること、
    ただし、当該リポーターベクターは
    (a)当該細胞中で作用するプロモーター
    (b)SXR反応因子、および
    (c)リポーター蛋白質をコードするDNA
    からなることを特徴とし、
    当該リポーター蛋白質をコードするDNAは、当該DNAの転写のために当該プロモーターに機能的に結合しており、
    当該プロモーターは当該SXR反応因子の活性化のために当該SXR反応因子に機能的に結合しており、
    第2のアッセイ系においてSXR以外のステロイドホルモン受容体およびリポーターベクターを含有する細胞を当該物質と接触させることによりリポーター蛋白質の有無を検出すること、
    ただし、当該リポーターベクターは
    (a)当該細胞中で作用するプロモーター
    (b)SXR以外の当該受容体のための反応因子、および
    (c)リポーター蛋白質をコードするDNA
    からなることを特徴とし、
    当該リポーター蛋白質をコードするDNAは、当該DNAの転写のために当該プロモーターに機能的に結合しており、
    当該プロモーターはSXR以外の当該受容体のための反応因子の活性化のために当該反応因子に機能的に結合しており、
    当該第1アッセイにおいてリポーターの産生を誘導するが当該第2アッセイにおいては誘導しない物質を、ステロイドX受容体(SXR)の作動薬であるが他のステロイド受容体の作動薬でも拮抗薬でもない物質として特定すること、
    からなる上記方法。
  25. 請求項1に記載の受容体ポリペプチドにより媒介される過程を調節するための方法であって、当該方法が少なくとも1種類の作動薬、拮抗薬あるいは当該ポリペプチドに対して作成した抗体の存在下で当該過程を実施することからなる上記方法。
  26. ステロイド分解酵素の発現を誘導するための方法であって、SXRの活性化を含む上記方法。
  27. ステロイドを必要としている被験者において1種類以上の生体異物性ステロイドおよび/または生体異物性物質の代謝を調節するための方法であって、ステロイドの調節物質の有効量と、ステロイドおよび生体異物受容体(SXR)反応因子に機能的に関連している内因性遺伝子の転写を促進する生体異物受容体(SXR)ポリペプチドとを被験者に投与することからなる上記方法。
  28. 調節物質が作動薬である請求項27に記載の方法。
  29. 調節物質が拮抗薬である請求項27に記載の方法。
  30. 遺伝子がチトクロームP450グループのうちの1つをコードする請求項27に記載の方法。
  31. ステロイドおよび/または生体異物性物質を植物性エストロゲンおよびカルシウムチャンネル拮抗薬から成るグループから選択する請求項27に記載の方法。
  32. 疾患のために1種類以上の治療用ステロイドおよび/または生体異物性物質の投与を受けている被験者におけるステロイド中毒を防止するための方法であって、SXR反応因子と機能的に関連する内因性遺伝子の転写を促進するために被験者の全身ステロイド量を生理学的に許容し得る値まで低下させるのに有効な量のSXRポリペプチド作動薬を被験者に投与することからなる上記方法。
  33. 遺伝子がチトクロームP450グループのうちの1つをコードする請求項32に記載の方法。
  34. 治療用の物質がステロイドである請求項32に記載の方法。
  35. 疾患が結核である請求項34に記載の方法。
  36. 治療用の物質がリファンピン、またはその活性誘導体あるいは類似体である請求項35に記載の方法。
  37. 疾患が乳癌である請求項34に記載の方法。
  38. 治療用の物質がタモキシフェン、ラロキシフェン、またはその誘導体あるいは類似体である請求項37に記載の方法。
  39. 疾患が骨粗しょう症である請求項34に記載の方法。
  40. 治療用の物質がビタミンKである請求項39に記載の方法。
  41. 治療用の物質がプロプラノロールである請求項41に記載の方法。
  42. 治療用の物質がカルシウムチャンネル拮抗薬である請求項32に記載の方法。
  43. カルシウムチャンネル拮抗薬がニフェジピンである請求項42に記載の方法。
  44. 治療用のステロイドまたは生体異物性物質を必要とする被験者からのそれらのクリアランスを遅くするための方法であって、SXR反応因子に機能的に関連している内因性遺伝子の転写を促進するSXR受容体ポリペプチドの拮抗薬の有効量を被験者に投与することからなる上記方法。
  45. 被験物質またはその併用によってステロイドおよび生体異物の受容体(SXR)ポリペプチドが活性化されるかどうか検討するためのスクリーニングアッセイ方法であって、
    (a)適切な培地中で、SXRポリペプチドおよびリポーターベクターを含有する宿主細胞系と1種類以上の被験物質とを接触させること、
    ただし、リポーターベクターは
    1)細胞中で機能し得るプロモーター
    2)SXR反応因子、および
    3)DNAの転写のためのプロモーターに機能的に結合したリポーター蛋白質をコードするDNA
    からなることを特徴とし、
    プロモーターはその活性化のためのSXR反応因子に機能的に結合しており、
    (b)リポーター蛋白質の有無について調べること、
    からなり、
    リポーター蛋白質が存在するということは被験物質がSXR受容体ポリペプチドを活性化することを意味し、リポーター蛋白質が存在しないということは被験物質がSXR受容体ポリペプチドを活性化しないことを意味することを特徴とする上記アッセイ方法。
  46. アッセイ方法においてリポーター物質が発現されるということから、被験者に対して被験物質を治療用量で投与することにより被験者の体内で被験物質と他のステロイドおよび/または生態異物性物質との間の薬物相互作用が起こるということが30%以上の可能性をもって示されることを特徴とする請求項45に記載のアッセイ方法。
  47. 被験物質が治療用ステロイドの組み合わせであり、リポーター物質の発現レベルがこの組み合わせを被験者に対して同時投与した場合に予想される治療用物質間の薬物相互作用のレベルを表すものであることを特徴とする請求項45に記載のアッセイ方法。
  48. 疾患の治療が必要な被験者において疾患を治療するための方法であって、被験者の体内で内因性SXRポリペプチドの転写を調節するステロイドおよび/または生体異物性物質の有効量を被験者に投与することからなる上記方法。
  49. 物質がSXRポリペプチドの作動薬であり、内因性ステロイドの量がホメオスタシスの状態よりも高いのが疾患の特徴である請求項48に記載の方法。
  50. 疾患がクッシング症候群、女性における男性化および多毛症、多嚢胞性卵巣症候群、21−ヒドロキシラーゼ欠乏症、11β−ヒドロキシラーゼ欠乏症、3β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ欠乏症、17−ヒドロキシラーゼ欠乏症、そして乳癌、結腸直腸癌および前立腺癌から成るグループから選択される請求項49に記載の方法。
  51. 物質がSXRポリペプチドの拮抗薬であり、内因性ステロイドの量がホメオスタシスの状態よりも低いのが疾患の特徴である請求項48に記載の方法。
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