JP2010029107A - 眼疾患改善用食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生活習慣や加齢等が一因と考えられているが、正確な原因が不明で、治療や予防法も決定的なものがない白内障、緑内障、飛蚊症、加齢黄斑変性等の眼疾患の症状を改善させ予防も可能な眼疾患改善用食品を提供する。
【解決手段】本発明は、イワシ,マグロ,サバ,ブリ,サンマ,アジ,キビナゴ,ニシン,カツオ,トビウオ,コノシロ,アユ,ニジマス等の青身の魚のいずれか1種以上の生肉が酢に浸漬された浸漬魚肉と、食酢と、を含有し、エイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の他、カルシウム、ビタミンB,ビタミンD等のビタミン類、酸化還元酵素、鉄分、良質の核酸やタンパク質等を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、白内障,緑内障,飛蚊症,加齢黄斑変性等の眼疾患の症状の改善や予防に好適な眼疾患改善用食品及びその製造方法に関するものである。
近年、魚油に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)等の高度不飽和脂肪酸の生理活性が注目されている。
この高度不飽和脂肪酸の生理活性を利用した食品として、(特許文献1)には「牛,豚,鶏のうちのいずれか1種の可食部に、高度不飽和脂肪酸を含有する魚油等の脂質が注入された改善食肉」が開示されている。(特許文献1)の段落0004には、DHAが脳の発達や機能の維持に不可欠な成分であり、その他の生理活性として、網膜反射向上作用(視力低下抑制)を示すことが記載されている。
(特許文献2)には、「カツオ,マグロ,カジキマグロ,サバ,イワシ,ニシン,ブリ等の回遊魚の身の煮汁からの抽出物や、回遊魚の節類を熱水抽出して得られる抽出物を有効成分として含有する抗ストレス作用を有する食品組成物」が開示されている。
特開平7−274898号公報 WO2005/087022再公表公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、魚油を用いているので、魚油に含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)等の高度不飽和脂肪酸を利用することができる。しかし、魚肉には、高度不飽和脂肪酸以外に、ビタミンA,B等のビタミン類、カルシウム、酸化還元酵素、核酸、タウリン等のアミノ酸、鉄分等が含まれているが、これらは魚油にはほとんど含まれないため、魚肉が有する高度不飽和脂肪酸以外の有効成分を活用できないという課題を有していた。
(2)(特許文献2)に開示の技術は、回遊魚の身の煮汁からの抽出物や、回遊魚の節類を熱水抽出して得られる抽出物を用いているが、抽出物に含まれる核酸やタンパク質は変性しており核酸等の生理活性の低下や失活が起こるため、食品組成物に高活性の有効成分を含有させることができないという課題を有していた。このように(特許文献1)及び(特許文献2)に開示の技術は、魚の様々な有効成分の内、高度不飽和脂肪酸等のごく限られたものしか利用することができなかった。
(3)眼疾患のうち、白内障は水晶体のタンパク質が白く濁る症状が現れ、緑内障は眼球内の圧力が高くなり視神経が障害を受け視野が欠けてくる症状が現れ、飛蚊症は目の前を虫や糸くずのような浮遊物が飛んでいるように見える症状が現れる。また、加齢黄斑変性は黄斑が変性を起こし、物がゆがんで見える変視症や中心部が見え難いという症状が現れ、失明に至ることもある疾患である。いずれも生活習慣や加齢等が一因と考えられているが、正確な原因はわからないことが多く、治療や予防法も決定的なものがないのが現状である。(特許文献1)には、DHAが網膜反射向上作用(視力低下抑制)を示すことが記載されており、(特許文献2)には眼精疲労を軽減する等の抗疲労作用が認められたことが記載されているが、白内障、緑内障、飛蚊症、加齢黄斑変性等の眼疾患の症状の改善効果や予防効果については全く検討されておらず、どこにも示唆されていない。また、白内障、緑内障、飛蚊症、加齢黄斑変性等の眼疾患の症状を、1〜2ヶ月程度の短期間で改善できる食品は見出されていなかった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、白内障、緑内障、飛蚊症、加齢黄斑変性等の眼疾患の症状を1〜2ヶ月程度の短期間で改善でき、予防もできる眼疾患改善用食品を提供することを目的とする。
また、本発明は、鮮度が低下するのを防ぎ保存性を高めることができるとともに、調味され歯切れが良くなるため摂取し易くすることができ、呈味に優れ保存性に優れた眼疾患改善用食品の製造方法を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために本発明の眼疾患改善用食品及びその製造方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載の眼疾患改善用食品は、青身の魚のいずれか1種以上の生肉が酢に浸漬された浸漬魚肉と、食酢と、を含有した構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)本発明者は、イワシ等の青身の魚の生肉を、抽出操作等を行うことなくそのまま用い、酢に浸漬した浸漬魚肉を食酢と一緒に摂取することで、白内障、緑内障、飛蚊症、加齢黄斑変性等の眼疾患の症状を改善できることを見出した。イワシ等の青身の魚の生肉には、DHA、EPAの他、良質のタンパク質、カルシウム、ビタミンA,B,D等のビタミン類、酸化還元酵素、核酸、鉄分等が含まれており、抽出操作等を行わないため、核酸等の生理活性を維持させることができたものと推察している。白内障、緑内障、飛蚊症の正確な原因は明らかになっていないが、生肉に含まれる良質のタンパク質、カルシウム、ビタミンA,B,D等のビタミン類、酸化還元酵素、核酸、鉄分等の摂取が、代謝を活発化させ、白内障、緑内障、飛蚊症、加齢黄斑変性等の眼疾患の症状を改善させるのではないかと推察している。
(2)生肉を酢に浸漬することにより、鮮度が低下するのを防ぎ保存性を高めることができるとともに、生肉が調味されるため摂取し易くすることができる。
(3)食酢が含有されているため、食酢の抗酸化力によって老化を抑制し代謝を活発化させ、魚肉のビタミン類、酸化還元酵素、核酸、タンパク質等による改善効果を高めることができる。また、食酢が血液の血小板の凝集や白血球の粘着を抑制するため、眼の毛細血管の血流が良くなり、眼の組織に魚肉の有効成分を供給することができる。また、摂取者がアレルギー体質の場合に、蕁麻疹が出るのを抑制することができる。
ここで、青身の魚としては、イワシ,マグロ,サバ,ブリ,サンマ,アジ,キビナゴ,ニシン,カツオ,トビウオ,コノシロ等の回遊魚、アユ,ニジマス等の淡水魚を挙げることができる。青身の魚は、頭、内臓を取り除いて水洗いした後、骨を取り除き、皮を剥がしたものが用いられる。なお、ブリは、大きさや地方によって呼び名が変わるが、その全ての魚種を含み、また養殖ハマチも含む。
酢としては、酢酸濃度が4〜7%程度の醸造酢や酢酸液を用いることができる。醸造酢としては、米酢等の穀物酢、りんご酢,ぶどう酢等の果実酢、アルコール酢等を用いることができる。
食酢としては、醸造酢や加工酢を用いることができる。醸造酢としては、米酢等の穀物酢、りんご酢,ぶどう酢等の果実酢、アルコール酢等を用いることができる。生肉を浸漬した酢(生肉を浸漬することによって魚のエキスが溶出した酢)を用いることができる。また、生肉を浸漬した酢ではなく、新しい醸造酢や加工酢を用いることもできる。加工酢としては、酢に塩,砂糖,醤油等の調味料や材料を混ぜ合わせたものが用いられ、例えば、黒酢,二杯酢,三杯酢,甘酢等を挙げることができる。
大根おろし、キュウリ等の薄切り、シソの葉、生姜、ニンニク、ウコン、ブルーベリー等の植物類を加えて和えることもできる。
浸漬魚肉と一緒に1日に摂取する食酢の量としては、酢酸濃度が約4%の醸造酢を用いる場合、1〜10mL好ましくは2〜5mLが好適である。また、酢酸濃度が約7%の果実酢を食酢として用いる場合、酢酸濃度を考慮して食酢の量を加減する。
酢酸濃度約4%換算の食酢を1日に摂取する量が2mLより少なくなるにつれ、個人差もあるが、眼疾患の改善効果が低下する傾向がみられ、5mLより多くなるにつれ、胃が荒れたりして体調を崩すことが多くなる傾向がみられる。特に、1mLより少なくなるか10mLより多くなると、これらの傾向が著しくなるため、いずれも好ましくない。
浸漬魚肉を、1日に50〜100g程度(体長25cm程度のイワシの場合は、三枚下しにした1尾分の約1/4)を摂取し、これを1〜2ヶ月間毎日摂取し続けることで、眼疾患の改善効果が現れてくる。
眼疾患改善用食品の浸漬魚肉は、食べ易い大きさに切り分けることができる。細切りにすることもできる。また、細かく叩いたり、食酢と一緒にミキサーにかけたりして、ミンチ状やペースト状、流動状(ミキサー食)にすることもできる。ミキサー食とすることにより、摂取し易くすることができ、固形食と同じ栄養量を供給することができるため好ましい。
眼疾患改善用食品は、レトルトパウチ食品とすることができる。加熱殺菌時間が短く品質の劣化が生じ難く、さらに保存性が高まり流通性が向上するため好ましい。また、流通性を向上させるため、冷凍食品とすることもできる。
また、ミキサーにかけて流動状(ミキサー食)とし、一人前、一回分の摂取量の食品を包装したポーションパックとすることもできる。これにより、病院等の給食の補助食品として提供し易くなり、流動状なので容易に摂取することができる。ポーションパックのレトルトパウチ食品や冷凍食品とすることもできる。
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の眼疾患改善用食品であって、前記生肉が、血合肉を含有した構成を有している。
この構成により、請求項1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)血合肉は、普通肉に比べてビタミンB群、酸化還元酵素、脂質、タウリン等のアミノ酸、鉄分に富むため、普通肉に比べて有効成分を多く摂取させることができる。
ここで、血合肉は、体側に沿って分布する暗赤色を帯びた肉が用いられる。マグロ,カツオの場合は、血合肉は魚体表層(表層血合肉)だけでなく内部にも分布(深部血合肉)しており、いずれも用いることができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の眼疾患改善用食品であって、前記生肉が、イワシの魚肉である構成を有している。
この構成により、請求項1又は2で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)イワシの魚肉は、EPA及びDHAを豊富に含み、特にEPAは魚類の中ではトップクラスの含有量である。また、カルシウムも多量に含み、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富であり、ビタミンA,B、核酸、鉄分も豊富に含んでいる。さらに、血合肉の割合が可食部の18%を占めているため、有効成分の含有率が高く、体長25cm程度のイワシの場合、個人差はあるが、三枚下しにした1尾分の約1/4を毎日摂取するだけで、白内障、緑内障、飛蚊症、加齢黄斑変性等の眼疾患の症状を改善させることができる。
ここで、イワシとしては、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシ等を特に制限されずに用いることができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の眼疾患改善用食品であって、眼疾患が、飛蚊症である構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)飛蚊症の原因は明らかになっておらず、効果的な治療法や予防法も見つかっていない。本発明者は、イワシ,マグロ,サバ,ブリ,サンマ,アジ,キビナゴ,ニシン,カツオ,トビウオ,コノシロ,アユ,ニジマス等の青身の魚のいずれか1種以上の生肉が酢に浸漬された浸漬魚肉と、食酢と、を摂取することで、飛蚊症の症状を改善できることを見出した。イワシ等の生肉に含まれる良質のタンパク質、カルシウム、ビタミンA,B,D等のビタミン類、酸化還元酵素、核酸、鉄分等の摂取が、代謝を活発化させ、飛蚊症の症状を改善させるのではないかと推察している。
本発明の請求項5に記載の眼疾患改善用食品の製造方法は、青身の魚のいずれか1種以上の頭,内蔵,骨,皮を除いた生肉を、酢に浸漬して浸漬魚肉を得る浸漬工程を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)鮮度が低下するのを防ぎ保存性を高めることができるとともに、生肉が調味され歯切れが良くなるため摂取し易くすることができる。
青身の魚、生肉や酢、食酢は請求項1で説明しているので、説明を省略する。
生肉は、適当な大きさに切り分けて酢に浸漬することができる。生肉を酢に浸漬する期間としては、0.5〜7日程度、好ましくは1〜3日が用いられる。浸漬期間が1日より短くなると呈味や歯切れの向上が乏しくなる傾向がみられ、3日より長くなるにつれ浸漬魚肉の品質が低下する傾向がみられる。特に、0.5日より短くなるか7日より長くなると、これらの傾向が著しいため、いずれも好ましくない。
浸漬時の温度は、−2〜15℃、好ましくは−2〜5℃が用いられる。−2℃より低くなると生肉の組織が破壊され呈味の低下やエキスが流出する傾向がみられ、5℃より高くなると生肉の品質が低下する傾向がみられる。特に15℃より高くなると、この傾向が著しくなるため好ましくない。
浸漬工程の後、酢から浸漬魚肉を取り出し、食酢を加えて眼疾患改善用食品を製造することができる。好みに応じて、塩,砂糖,醤油等の調味料を加えたり、大根おろし、キュウリ等の薄切り、シソの葉、生姜、ニンニク等の植物類を加えたりすることができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の眼疾患改善用食品の製造方法であって、前記生肉を、塩じめすることなく前記酢に浸漬する構成を有している。
この構成により、請求項5で得られる作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)塩じめにより脱水が生じ、脱水ともに水溶性タンパク質,遊離アミノ酸,塩可溶タンパク質等の可溶性成分が流出し、タンパク質の一部は変性するが、塩じめすることなく酢に生肉を浸漬するので、水溶性タンパク質,遊離アミノ酸,塩可溶タンパク質等の可溶性成分の生肉からの流出を抑制することができ、浸漬魚肉に含まれるタンパク質、アミノ酸等の有効成分の含有量を維持することができる。
ここで、塩じめとしては、生肉を塩水に漬ける塩水法、食塩を直接生肉に撒く撒塩法のいずれも挙げることができる。
以上のように、本発明の眼疾患改善用食品及びその製造方法によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)白内障、緑内障、飛蚊症、加齢黄斑変性等の眼疾患の症状を1〜2ヶ月程度の短期間で改善でき、予防もできる眼疾患改善用食品を提供できる。
(2)酢に浸漬することにより、生肉の鮮度が低下するのを防ぎ保存性を高めることができるとともに、調味されるため摂取し易くすることができ、呈味に優れ保存性に優れた眼疾患改善用食品を提供できる。
(3)魚肉と一緒に食酢も含有しているため、食酢の抗酸化力によって老化を抑制し、代謝を活発化させ魚肉のビタミン類、酸化還元酵素、核酸、タンパク質等による改善効果を高めることができ、また、眼の毛細血管の血流が良くなり、眼の組織に魚肉の有効成分を供給することができ、さらに摂取者がアレルギー体質の場合に、蕁麻疹が出るのを抑制することができる眼疾患改善用食品を提供できる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)血合肉は、普通肉に比べてビタミン、酸化還元酵素、脂質、タウリン等のアミノ酸、鉄分に富むため、普通肉に比べて有効成分を多く摂取させることができ、少ない摂取量で改善効果の大きな眼疾患改善用食品を提供できる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)イワシの魚肉は、EPA及びDHAを豊富に含み、特にEPAは魚類の中ではトップクラスの含有量であり、またカルシウムも多量に含み、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも豊富であり、ビタミンA,B、核酸、鉄分も豊富に含んでおり、さらに血合肉の割合が可食部の18%を占めているため、有効成分の含有率が高く、体長25cm程度のイワシの場合、個人差はあるが、三枚下しにした1尾分の約1/4を毎日摂取するだけで十分な眼疾患改善用食品を提供できる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)原因が明らかになっておらず、効果的な治療法や予防法も見つかっていない飛蚊症の症状を改善できる眼疾患改善用食品を提供できる。
請求項5に記載の発明によれば、
(1)鮮度が低下するのを防ぎ保存性を高めることができるとともに、生肉が調味されるため摂取し易くすることができ、呈味に優れ保存性に優れた眼疾患改善用食品の製造方法を提供できる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の効果に加え、
(1)水溶性タンパク質,遊離アミノ酸,塩可溶タンパク質等の可溶性成分の生肉からの流出を抑制することができ、浸漬魚肉に含まれるタンパク質、アミノ酸等の有効成分の含有量を維持することができる眼疾患改善用食品の製造方法を提供できる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
体長約25cmのウルメイワシの頭,内蔵を取り除き水洗いした後、三枚下しにして腹骨部分を取り除き、皮を剥がした生肉の上身と下身を各々半分に切り、穀物酢に浸漬し、5℃の冷蔵庫で3日間保管した(浸漬工程)。
酢に3日間浸漬して得られた浸漬魚肉(上身又は下身の半分)を、酢(穀物酢)から取り出し、大根おろしに醤油、砂糖を混ぜ合わせたものを添え、新しい穀物酢10mLを加え、実施例1の眼疾患改善用食品を得た。眼疾患改善用食品を飛蚊症の症状がみられる被験者Aに、1日1回摂取させた。これを2ヶ月間続けた。なお、朝食、昼食、夕食は、これまでと同様に摂取させた。
摂取を開始してから1ヶ月程度が経過した後、被験者Aから、飛蚊症の症状に少し変化がみられるとの報告を受けた。具体的には、浮遊物のように見えていた黒い筋が、多数の胞子が付着したように膨れてきたとのことであった。さらに経過するにつれ、胞子のように見えていた部分が膨れた後、破裂したように消失し、2ヶ月後には黒い筋が完全に消失するか、細くうっすらと残る程度になったとのことであった。現在、被験者Aは眼疾患改善用食品の摂取を止めたが、飛蚊症の症状は現れていない。
また、被験者Aは、実施例1の試験を開始した当時は老視であり、当時は新聞を眼からかなり離して読んでいたが、眼疾患改善用食品を摂取して2ヶ月経過後には、老視も改善され、以前よりも近距離で新聞を読むことができるようになった。老視は水晶体の弾性が失われて起こる障害であるが、本実施例の眼疾患改善用食品を摂取することにより、水晶体のタンパク質が再生されて弾性を取り戻し、その結果、老視が改善されたのではないかと推察している。
(実施例2)
体長約25cmのマイワシの頭,内蔵を取り除き水洗いした後、を三枚下しにして腹骨部分を取り除き、皮を剥がした生肉の上身と下身を各々半分に切り、穀物酢に浸漬し、5℃の冷蔵庫で3日間保管した(浸漬工程)。
酢に3日間浸漬して得られた浸漬魚肉(上身又は下身の半分)を、酢(穀物酢)から取り出し、大根おろしに醤油、砂糖を混ぜ合わせたものを添え、新しい穀物酢20mLを加え、実施例2の眼疾患改善用食品を得た。眼疾患改善用食品を白内障の症状がみられる被験者Bに、1日1回摂取させた。これを2ヶ月間続けた。朝食、昼食、夕食は、これまでと同様に摂取させた。
摂取を開始してから1ヶ月程度が経過した後、被験者Bから、視力が少し向上したような感じがするとの報告を受けた。その後は少しずつ症状が軽減され、2ヶ月後には、さらに新聞等の活字が良く見えるようになったという報告を受けた。被験者Bは、現在も、眼疾患改善用食品の摂取を続けている。
(実施例3)
養殖ハマチの可食部の切り身を薄切りにしたものを、穀物酢に浸漬し、5℃の冷蔵庫で2日間保管した(浸漬工程)。
酢に2日間浸漬して得られた浸漬魚肉(切り身の薄切り)を、酢(穀物酢)から取り出し、大根おろしに醤油、砂糖を混ぜ合わせたものを添え、新しい穀物酢20mLを加え、実施例3の眼疾患改善用食品を得た。眼疾患改善用食品を飛蚊症の症状がみられる被験者Cに、1日1回摂取させた。これを3ヶ月間続けた。朝食、昼食、夕食は、これまでと同様に摂取させた。なお、1回の浸漬魚肉の摂取量は、実施例1及び2の浸漬魚肉の摂取量と同様になるようにした。
摂取を開始してから1ヶ月半程度が経過した後、被験者Cから、飛蚊症の症状に少し変化がみられるとの報告を受けた。被験者Aと同様に、浮遊物のように見えていた黒い筋が、多数の胞子が付着したように膨れてきたとのことであった。その後、胞子のように膨れた部分が破裂したように消失し、少しずつ症状が軽減され、3ヶ月後には、ほとんど飛蚊症の症状はみられなくなったという報告を受けた。
(比較例1)
前述の実施例1の試験を行う前に、被験者Aに、魚油を主成分とするカプセル(サプリメント)を1日4個摂取させた。なお、魚油を主成分とするカプセルは、1個あたりEPA及びDHAを300mg含んでいるものを使用した。
これを3ヶ月間続けたが、飛蚊症の症状に変化はみられなかった。
なお、実施例1の試験は、魚油を主成分とするカプセルを摂取する比較例1の試験を終えた後、1ヶ月の期間をあけて行った。魚油の影響が実施例1の試験に及ぶのを防ぐためである。
比較例1の試験結果から、魚油を摂取しただけでは、飛蚊症の症状を改善できないことがわかった。
以上の実施例と比較例によれば、EPA及びDHAに加え、イワシ等の生肉に含まれる良質のタンパク質、カルシウム、ビタミンA,B,D等のビタミン類、酸化還元酵素、核酸、鉄分等により、代謝が活発化され、白内障、飛蚊症の症状が改善されたのではないかと推察される。
DHAが脳の発達や機能の維持に不可欠な成分であり、その他の生理活性として、網膜反射向上作用(視力低下抑制)を示すことは、(特許文献1)に記載されているように知られている。しかし、本発明の眼疾患改善用食品の機能は、EPA及びDHAが生理活性に影響を及ぼし網膜反射を改善するのとは異なり、水晶体等のタンパク質を再生させることにより、白内障や飛蚊症の症状を改善できたのではないかと推察している。
なお、白内障や飛蚊症と同様に、緑内障や加齢黄斑変性も生活習慣や加齢等が一因と考えられている。本発明の眼疾患改善用食品が白内障や飛蚊症を改善でき、老視の改善もできたことからすれば、緑内障や加齢黄斑変性についても、同様に障害の改善効果があるものと推察される。
本発明は、白内障,緑内障,飛蚊症,加齢黄斑変性等の眼疾患の症状の改善や予防に好適な眼疾患改善用食品及びその製造方法に関し、イワシ,マグロ,サバ,ブリ,サンマ,アジ,キビナゴ,ニシン,カツオ,トビウオ,コノシロ,アユ,ニジマス等の青身の魚のいずれか1種以上の生肉が酢に浸漬された浸漬魚肉と、食酢と、を含有することにより、DHA、EPAの他、良質のタンパク質、カルシウム、ビタミンA,B,D等のビタミン類、酸化還元酵素、核酸、鉄分等により、老化現象を抑制し代謝を活発化させ、白内障、緑内障、飛蚊症、加齢黄斑変性等の眼疾患の症状の改善及び予防が可能な眼疾患改善用食品を提供でき、また鮮度が低下するのを防ぎ保存性を高めることができるとともに、生肉が調味されるため摂取し易くすることができ、呈味に優れ保存性に優れた眼疾患改善用食品の製造方法を提供できる。

Claims (6)

  1. 青身の魚のいずれか1種以上の生肉が酢に浸漬された浸漬魚肉と、食酢と、を含有していることを特徴とする眼疾患改善用食品。
  2. 前記生肉が、血合肉を含有していることを特徴とする請求項1に記載の眼疾患改善用食品。
  3. 前記生肉が、イワシの魚肉であることを特徴とする請求項1又は2に記載の眼疾患改善用食品。
  4. 眼疾患が、飛蚊症であることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載の眼疾患改善用食品。
  5. 青身の魚のいずれか1種以上の頭,内蔵,骨,皮を除いた生肉を、酢に浸漬して浸漬魚肉を得る浸漬工程を備えていることを特徴とする眼疾患改善用食品の製造方法。
  6. 前記生肉を、塩じめすることなく前記酢に浸漬することを特徴とする請求項5に記載の眼疾患改善用食品の製造方法。
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