JP2010028443A - ケーブルモデム - Google Patents

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Abstract

【課題】過大なレベルの信号が入力されても,適正なレベルの信号を受入れ,正常に動作できるようにする。

【解決手段】入力端とチューナとの間には減衰量が加減できる減衰手段を介在させ,常時は減衰させて次段へ送り出す。チューナには,入力信号レベルを測定し出力する電界強度測定手段を備える。減衰量をスルーにしてチューナが正しく復調できるかを判定し,復調できなければ,測定した信号レベル情報を受入れて総和を計算し,この総和と第1閾値とを比較するステップと,信号レベル情報の内の任意の一波について,先に記憶されているレベル値と現在入来したレベル値とを比較するステップと,現在入来したレベル値と第2閾値とを比較するステップとを行い,共に第1閾値,レベル差が所定値,第2閾値以下のとき,アッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える切替制御信号を出力し,更にチューナが正しく復調できるかを判定する制御手段を備えた。

【選択図】 図1

Description

本発明は,CATV網に接続して,データ通信の信号を供給する為のケーブルモデムに関する。
従来のケーブルモデムは,内部にチューナ,QAM(Quadrature Amplitude Modulation)復調器を備えさせ,入力端から入力されるCATV信号(下り信号:ダウンストリーム)を上記チューナにより,周波数変換した後,QAM復調器で復調を行っている。
また,入力端から入力される信号のレベルが内部のチューナ,QAM復調器の正常な動作を妨げるような異常値になった場合を想定し,それを正常なレベルに調整する為にチューナ内にAGC機能を持たせるようにしてある。
ところが,従来のケーブルモデムでは,チューナが正常に動作できる範囲の入力信号レベル(以下「実用入力レベル」ともいう。)に対して,入力される信号に妨害波が混信するなど種々の原因で入力される信号のレベルが異常に高くなる場合があり,AGC範囲が狭いAGC機能を有するチューナでは,歪みが発生して,正常に対応ができない場合があった。また,このように過大なレベルの信号が入力されると,チューナにおいて反射があり,その反射によってチューナが検出しようとする信号が妨害され,チューナが正常に動作できない問題点があった。さらに,ケーブルモデムのチューナ以外に複数のチューナ(例えば,ケーブルモデム内蔵のセットトップボックス内のQAMチューナ)が隣接している場合には,上記チューナからの反射により,他のチューナにも影響を与え,他のチューナの動作までも妨害してしまうという問題点もあった。
そこで出願人においては,ケーブルモデムの入力端とチューナとの間の信号経路に,減衰量が加減できるアッテネータ要素を備える減衰手段を介在させ,上記減衰手段は,入力された信号を上記アッテネータ要素を介して常時は減衰させて次段へ送り出すように構成し,上記チューナには,入力された信号のレベルを測定し,その信号レベル情報を出力するようにした電界強度測定手段を備えさせ,さらに,上記電界強度測定手段によって得られた受信レベル情報を基に,所定の処理手順を行うことによって,入力端に入力されている信号のレベルが小さい(過大なレベルが入力されていない)ことを判断し,その判断に基づき減衰手段におけるアッテネータ要素の減衰量が減少するように切替える処理をする制御手段を備え,これによってチューナには適正なレベルの信号が入力され,正常に動作できるように構成されたケーブルモデムが提案されている。
(例えば,特許文献1参照)
特開2007−243252公報
しかし従来のケーブルモデムでは,上記減衰手段は,入力された信号を,上記アッテネータ要素を介して常時は減衰させて次段へ送り出すように構成しておくと共に,上記電界強度測定手段によって得られた受信レベル情報を基に所定の処理手順で状況を判断し,その結果に基づいて上記減衰手段の減衰量を加減して,入力レベルを適正に制御することで,異常にレベルの高い信号が入力された場合であっても適正レベルで受け入れ,正常に動作させる構成であるが故に,初めからケーブルモデムの入力レベルに異常がなく,実用入力レベルであったとしても,上記電界強度測定手段によって得られた受信レベル情報を基に,必ず所定の処理手順で一度状況を判断してから,その結果に基づいて上記減衰手段の減衰量を加減する工程を行う必要があったので,ケーブルモデムは必ず正常に動作するものの,その起動に要する時間が長くなるといった問題があった。
一方,チューナが正常に動作できる範囲の実用入力レベルに対して,入力される信号に妨害波が混信するなど種々の原因で入力される信号のレベルが異常に高くなるといった特異な条件の出現率は,このケーブルモデムを設置する場所や地域によるシステムの違いにもよるがあまり多くなく,一般的には,実用入力レベルの信号が入力される場合が多いことがわかった。つまり,従来技術のケーブルモデムでは,信号のレベルが異常に高くなるといった特異な条件の出現に備えるために,入来する信号に対する汎用性を高くしたものであったばかりに,正常なシステムに使用する場合におけるケーブルモデムの起動時間が長くなると言った課題が生じることになった。
そこで,本件出願の目的は,入力端に向けて入った信号を,チューナに受入れて周波数変換し,QAM復調器で復調して正常に出力できるケーブルモデムを提供しようとするものである。
他の目的は,入力端に過大なレベルの信号が入力される場合においても,チューナは適正なレベルの信号を受入れ,正常に動作できるようにしたケーブルモデムを提供しようとするものである。
他の目的は,ケーブルモデム起動後の入力レベルを継続的に監視し受信異常があっても,あらためてケーブルモデムの起動処理を自動的に行い,安定した受信を継続的に行えるケーブルモデムを提供しようとするものである。
他の目的は,上記特徴を有しつつ,しかもケーブルモデムの起動処理をできる限り短時間で行うことができるケーブルモデムを提供しようとするものである。
他の目的及び利点は図面及びそれに関連した以下の説明により容易に明らかになるであろう。
上記課題を解決するために,請求項1の発明は,入力端から入力される信号を周波数変換して出力するチューナと,その出力された信号を受入れて,QAM復調して出力するQAM復調器とを備えるケーブルモデムにおいて,
上記入力端と上記チューナとの間には減衰量が加減できるアッテネータ要素を備える減衰手段を介在させ,上記減衰手段は,入力された信号を上記アッテネータ要素を介して常時は減衰させて次段へ送り出すように構成し,上記チューナには,入力された信号のレベルを測定し,その信号レベル情報を出力するようにした電界強度測定手段を備えさせ,さらに,上記減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号を出力し,上記QAM復調器がQAM信号を復調しているかいないかを判定する判定ステップを行う第1の処理を行うと共に,上記判定ステップにおいて,QAM復調器がQAM信号を復調していないと判定されたなら,さらに,上記測定した信号レベル情報を受入れて,その信号レベル情報の総和を計算して,信号レベル情報の総和と第1閾値とを比較する比較ステップと,信号レベル情報の内の任意の一波の上記現在入来したレベル値と第2閾値とを比較する比較ステップとを行い,上記両方の比較ステップの比較において,信号レベル情報の総和が第1閾値以下で,信号レベル情報の内の任意の一波の現在入来したレベル値が第2閾値以下の場合は,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号を出力する制御を行う第3の処理をするようにした制御手段を備えさせた。
請求項2の発明は,請求項1に記載のケーブルモデムにおいて,上記制御手段において,さらに,上記信号レベル情報の内の任意の一波について,先に対象にされて記憶されているレベル値と現在入来したレベル値とを比較する比較ステップを行い,両者の差が所定値を超えた場合は,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号を出力することなく,再び上記信号レベル情報を受入れて,上記三つの比較する比較ステップを行い,
信号レベル情報の総和が第1閾値以下で,
信号レベル情報の内の一波の現在入来したレベル値が第2閾値以下で,
現在入来したレベル値と先に対象にされて記憶されているレベル値との差が所定値以下の場合は,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替えるための切替え制御信号を出力する制御を行う第4の処理をするようにした。
請求項3の発明は,請求項1または請求項2の何れか一項に記載のケーブルモデムにおいて,さらに,入力された信号受信レベル情報に対する処理手順を設定する処理手順設定手段を備えさせ,上記第1の処理を行い,しかも,上記QAM復調器がQAM信号を復調していないと判定された場合に上記第3の処理を行う上記処理手順に加え,上記第1の処理を行い,しかも,上記QAM復調器がQAM信号を復調していないと判定された場合であってもさらに上記第1の処理を行う処理手順,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号を出力することなく,上記QAM復調器がQAM信号を復調しているかいないかを判定する判定ステップを行う第2の処理を行い,しかも,上記QAM復調器がQAM信号を復調していないと判定された場合にさらに上記第2の処理を行う処理手順,上記3つの処理手順の代わりに,直接上記第3の処理もしくは第4の処理から行う処理手順,の何れかを選択的に設定可能に構成し,上記制御手段は,上記処理手順設定手段に対する設定に基づいて,上記処理手順のうちの何れか1つの処理手順を行うよう制御するようにした。
請求項1および請求項2の発明によれば,上記減衰手段は,チューナに過大なレベルの信号を入力しないように,入来した信号を上記アッテネータ要素を介して常時は減衰させて次段へ送り出すように構成されていても,制御手段は,初期化が終わったら,まず,減衰手段の減衰量0dB(スルー)に減少するように制御し,入力端に入来する信号レベルが実用入力レベルであれば,チューナには減衰のない適正レベルの信号が入力されるように制御すると共に,直ちに下り信号の周波数帯域内全ての周波数に対してチューナが正しく復調できるかどうかの判定を行う処理(第1の処理)を行うことができることから,ケーブルモデムの起動処理のスピードアップが図られ,従来技術に比べ,極めて短時間で行うことが可能になる。
また,入力端に過大なレベルの信号が入力され,上記処理(第1の処理)の過程においてチューナが正常に動作しなかった場合であっても,更に用意された所定の処理手順(第3の処理または第4の処理)に基づいて,上記制御手段は,上記減衰手段によって入力信号を常時は減衰させ,適性レベルの信号がチューナに入力するように制御するので,チューナは適正なレベルの信号を受入れることができ,従来の問題点が生じることなく,チューナを正常に動作できる効果がある。
更に本願の請求項3の発明によれば,入力された信号や信号受信レベル情報に対する処理手順を設定する処理手順設定手段を備えさせ,上記制御手段は,上記処理手順設定手段に対する設定に基づいて,標準処理手順である「デフォルト」を含む,複数の処理手順の内の何れか1つの処理手順を行うよう制御するように構成したことによって,「デフォルト」である,入来する信号のレベルが適切か,もしくは,高いかの何れの状態にも対応可能な,上記標準処理手順における上述の効果に加え,予め入力信号レベルの状態が分かっていて,適正レベルの信号が入来している状況,もしくは,強いレベルの信号が存在している状況がはっきりしておれば,状況に応じて適宜に標準処理手順とは異なるモードの処理手順(第1の処理だけの手順または第2の処理だけの手順)を選択することによって,上記標準処理手順を構成するサーチの一部を実行する手間が省けるので,ケーブルモデムの起動処理のスピードアップが可能になる。
さらに,入来する信号のレベルが適切か,もしくは,高いかの何れの状態であっても,上記第1の処理または第2の処理等の制御を行うことなく,直接に第3の処理もしくは第4の処理を行う制御のモードを選択すれば,上記第1の処理または第2の処理を行うことなく,減衰手段が入来した信号を上記アッテネータ要素を介して常時は減衰させて次段へ送り出すように構成されていても,入来する信号レベルに係わらず,減衰手段の減衰量を適宜に加減してチューナに入力するので,チューナは適正なレベルの信号を受入れることができ,従来の問題点が生じることなく,しかも,より短い時間でチューナを正常に動作できる効果がある。
以下本願発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1乃至図4において,1はCATV網に接続してデータ通信の信号を供給する周知のケーブルモデムの存在を示す。
尚,図中,減衰手段10,チューナ5,QAM復調器8等は,ケーブルモデム1において下り信号用に用いられるものを示した。一方,この種のケーブルモデム1において周知のように備えさせる上り信号用の関係部材については,実質的には存在させるものであるが,周知事項のため図示及び説明は省略する。
上記ケーブルモデム1において,2は周知のCATV信号を入力する為の入力端,3はPC等の端末装置へのデータ信号を出力する為の出力端を示す。
次に,5は周知のチューナを示し,広く知られているように,入力端2から入力されるCATV信号(下り信号)の周波数帯域内の所定の周波数(一波ともいう)にチューニングし,その周波数(一波)の信号を周波数変換して出力するように構成されている。
6はチューナ5に内蔵された電界強度測定手段(RSSI:Received Signal Strength Indicator)の存在を示し,チューナ5に入力される信号の内の任意所定周波数(一波)のレベルを測定するようにしてある。さらに,チューナ5に内蔵された電界強度測定手段6で測定した信号レベル情報は,後述する制御手段16に向けて出力するように構成してある。
8はチューナ5から出力された信号5bを受入れて,QAM復調して出力する為の周知のQAM復調器を示す。
10は入力端2とチューナ5との間に介在させた減衰手段を示し,相互に減衰量が異なる第1アッテネータ要素11,第2アッテネータ要素12,第3アッテネータ要素13を備えている。第1〜第3アッテネータ要素11,12,13は,後述の制御手段16からの切替制御信号18によって選択的に切替利用可能に構成してある。第1〜第3アッテネータ要素11,12,13の減衰量は,相互に選択的に切替利用して,入力端2に入力される信号のレベルを,チューナ5の実用入力レベルに調整して,チューナ5の入力点5aに対して信号を送出するようにしてあればよく,例えば,夫々0dB,10dB,20dBとしてもよい。
なお,アッテネータ要素の数は,必要に応じて増減させればよく,例えば第1アッテネータ要素11,第2アッテネータ要素12の2段階に構成し,切替利用してもよい。
次に,15はCPU(Central Processing Unit 以下,CPU と記載する。)を示し,通常知られているようにケーブルモデムを動作させる為の各種アプリケーションを実行するようにしてある。
16は制御手段の存在を示し,電界強度測定手段6から出力された信号レベル情報17を読み取り,その信号レベル情報17に基づいて,減衰手段10に対して,第1〜第3アッテネータ要素11,12,13を選択的に切替える切替制御信号18を出力するように構成してあると共に,後述するステップや処理の制御を行うように構成されている。
なお,第1〜第3アッテネータ要素11,12,13を切替える手段としては,通常知られているPINダイオードを用いての切替回路を用いて,複数のアッテネータ要素を選択的に切替え利用できるようにしておけばよい。
次に,20はケーブルモデムを動作させる為のプログラムやデータを格納するフラッシュメモリを示し,21はCPU15及び制御手段16等の動作時にデータの一時的な保存に使われるRAMを示す。
19は,入力された信号や受信レベル情報に対する処理手順を設定する処理手順設定手段であり,制御手段16は,この処理手順設定手段19の設定に基づいて,予め設定された複数の処理手順(本発明の実施形態においては「デフォルト」である標準処理手順に加え,他に3つの処理手順を備える。)の内の何れか1つの処理手順の制御を行うように構成されている。尚,本発明においては,処理手順の実施形態として4モードを備えさせており,それぞれのパラメータおよびコマンドは以下の通りである。
「デフォルト」の場合=「SearchMode」(処理手順のパラメータ)は「0」
「モード1」の場合=「SearchMode」(処理手順のパラメータ)は「1」
「モード2」の場合=「SearchMode」(処理手順のパラメータ)は「2」
「モード3」の場合=「SearchMode」(処理手順のパラメータ)は「3」
である。
尚,それぞれの処理手順の詳細は後に詳述する。また,ここに示す4つの内から選択する例は一例であり,処理手順の方法および種類は実施例に限定されるものではない。
以下の説明では,特に明示しない限り,上記4つの処理手順から,主として処理手順設定手段19によって「デフォルト」を選択した場合における標準処理手順について説明する。この標準処理手順は,入力レベルの状況に合わせて自在に対応できる汎用性の高い手順である。
上記構成のものにおいて,制御手段16の動作について図2から図4を用いて詳しく説明する。なお,減衰手段10においては,説明を簡単にするために,第1アッテネータ要素11及び第2アッテネータ要素12の2つが用いられている場合について説明する。
まず,入力端2に入力される信号が適正レベルが入力されている場合について説明する。
まず,減衰手段10の第2アッテネータ要素12(例えば減衰量:10dB)を介在させるよう切替制御信号18を出力する(S10)と共に,ケーブルモデムの初期化を行う(S11)。入力端2に入力される信号は減衰手段10により減衰され,入力点5aへ向けて送り出されるのであるが,本発明の実施例では,ケーブルモデムの初期化にあわせて,この入力された信号の処理手順について,上述したコマンドを上記処理手順設定手段19でもって設定する(S12)。以下の説明では,主として「デフォルト」である「SearchMode」(処理手順のパラメータ)を「0」(標準処理手順)にセットしたときの処理手順について詳しく示す。
コマンド設定が「SearchMode」が「3」であるがどうかを判定(S13)して,「SearchMode」が「0」であるので(S13でNoの場合),次の処理(S14)へ移行する。次処理ではまた「SearchMode」の判定を行い,「SearchMode」が「0」であるので(S14でYesの場合),さらに次の処理(S15)へ移行する。そして,この処理では減衰手段10の第2アッテネータ要素12に代わって第1アッテネータ要素11(例えば減衰量:0dB(スルーともいう))を介在させるように切替制御信号18を出力する(S15)。
次に下り信号の周波数帯域内の任意の周波数(任意の一波)を読出し(S16),それぞれの周波数の信号に対して,制御手段16は,ケーブルモデムにおいて通常行われるように,下り信号として検出できる信号か否か(即ち,QAM信号か否か)を判断し(S19),検出できた場合(S19でYesの場合)は上り信号の処理を行い(S20)処理が完了する。一方,下り信号として検出できない場合(S19でNoの場合)は,下り信号の周波数帯域内全ての周波数に対しサーチ(QAM信号か否か)を1回以上行ったか否かを判断する(S21)。行っていない場合(S21でNoの場合)は,所定のチャンネルプランに基づき,次の周波数のサーチを行うようS16に移行し(S22),S16以降の処理を続ける。
一方,全ての周波数に対しサーチを1回以上行った場合(S21でYesの場合)は,「SearchMode」が「1」か「2」の判断をして(S25),「SearchMode」が「0」であるので(S25がNoの場合),次の処理(S101)に移行する。
尚,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号18を出力し(S15),上記QAM復調器がQAM信号を復調しているかいないかを判定する判定ステップを行う(S19)の一連の処理が請求項に記載の第1の処理である。
ここで,上述のような標準処理手順である「デフォルト」の設定に変わって,上記処理手順設定手段19でもって「モード1」もしくは「モード2」を設定(S12)した場合について説明する。まず,「モード1」つまり「SearchMode」(処理手順のパラメータ)は「1」が設定されると,コマンド設定が「SearchMode」が「3」であるがどうかを判定(S13)して,「SearchMode」が「1」であるので(S13でNoの場合),次の処理(S14)へ移行する。次処理ではまた「SearchMode」が「0」か「1」かの判定を行い,「SearchMode」が「1」であるので(S14でYesの場合),さらに次の処理(S15)へ移行する。そして,この処理では減衰手段10の第2アッテネータ要素12に代わって第1アッテネータ要素11(例えば減衰量:0dB(スルーとも言う))を介在させるように切替制御信号18を出力する(S15)。そして下り信号として検出できる信号か否か(即ち,QAM信号か否か)を判断する(S19)。ここまでの処理は,上記第1の処理と同じ手順であるが,全ての周波数に対しサーチを1回以上行った場合(S21でYesの場合)以降の処理が「デフォルト」とは異なる。つまり,次の処理において「SearchMode」が「1」か「2」かどうかの判断をして(S25),「SearchMode」が「1」であるので(S25がYesの場合),「モード1」では再び次の処理(S14)に移行して,第1アッテネータ要素11(例えば減衰量:0dB)を介在させた状態で以降の処理を行うことになる。
次に,S12において「モード2」つまり「SearchMode」(処理手順のパラメータ)は「2」が設定されると,コマンド設定が「SearchMode」が「3」であるがどうかを判定(S13)して,「SearchMode」が「2」であるので(S13でNoの場合),次の処理(S14)へ移行する。次処理ではまた「SearchMode」が「0」か「1」の判定を行い,「SearchMode」が「2」であるので(S14でNoの場合),減衰手段10の第2アッテネータ要素12(例えば減衰量:10dB)を介在させた状態を維持するように構成されており,「モード2」は「デフォルト」および「モード1」とは,介在するATTの減衰量が異なる手順で行うように構成されている点において異なる。さらに,全ての周波数に対しサーチを1回以上行った場合(S21でYesの場合)以降の処理についても「デフォルト」とは異なる。つまり,次の処理において「SearchMode」が「1」か「2」かどうかの判断をして(S25),「SearchMode」が「2」であるので(S25がYesの場合),「モード2」では再び次の処理(S14)に移行して,減衰手段10の第2アッテネータ要素12(例えば減衰量:10dB)を介在させたまま以降の処理を行うことになる。
尚,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号18を出力せずに(つまり,第2アッテネータ要素12を介在させた状態のままで),上記QAM復調器がQAM信号を復調しているかいないかを判定する判定ステップを行う(S19)の一連の処理が請求項に記載の第2の処理である。
「デフォルト」,「モード1」および「モード2」の何れもが,下り信号の周波数帯域内全ての周波数に対しサーチ(QAM信号か否か)を1回以上行って,QAM信号が検出されたなら(S19のYesの場合),次に上り信号の処理を行い(S20),ケーブルモデムの起動処理は完了する。また,所定時間経過後に,QAM信号が検出されない状態が続いたとすると,ケーブルモデムは初期化を行うことになるのであるが,再起動後は,再起動前の設定が「モード1」もしくは「モード2」の何れであっても,「デフォルト」に設定されるようしておけば,制御手段16は,所定時間経過後の信号レベルの高い,低いに係わらず,アッテネータ要素を適宜に加減してチューナ5に適切なレベルの信号が入力されるように制御できる。
以上のように,ケーブルモデム1を起動後,チューナ5に過大なレベルの信号を入力しないように常時は減衰手段10によって入力信号のレベルを減少させるように制御していても(S10),上記処理手順設定手段19でもって「デフォルト」(本発明の実施形態では標準処理手順)の設定がなされておれば,制御手段16は,S14〜S19等のステップにより,減衰手段10の減衰量を0dBにすることによって入力信号のレベルを増加させるように制御するので,入来する信号のレベルが実用入力レベルであれば,入来したそのままの適正レベルの信号がチューナ5に入力される。それと共に,制御手段16は,直ちに下り信号の周波数帯域内全ての周波数に対しサーチ(QAM信号が検出されるか)の制御を行うことで下り信号処理が迅速に行え,ケーブルモデムの起動処理のスピードアップが可能になる。また,予め入力信号レベルの状態が分かっていて,適正レベルの信号が入力されている状況であれば「モード1」を,強いレベルの信号が存在している状況であれば「モード2」を選択すれば,ケーブルモデムの起動処理のスピードアップが可能になる。
引き続き標準処理手順である「デフォルト」の処理手順におけるS101以降の説明の続きを行う。まず,S19のステップにおいてQAM信号が検出されず,S21において,下り信号の周波数帯域内全ての周波数に対してのサーチが済んだとき(S21のYesの場合)の状態について説明する。このような場合は,入力端2に入力される信号が過大なレベル(例えば,34dBmV:ディジタル信号1波が+5dBmV,アナログ信号76波が夫々+15dBmV)が入力されていると考えられるときである。そして,次の処理において「SearchMode」が「1」か「2」かどうかの判断をして(S25),「SearchMode」が「0」であるので(S25がNoの場合),次の処理(S101)に移行する。
上記第1の処理においては,減衰手段10の第1アッテネータ要素11(例えば減衰量:0dB)であったので(S15),ここでは再びこの第1アッテネータ要素11に代わって,第2アッテネータ要素(例えば減衰量:10dB)を介在させるように切替制御信号18を出力する(S101)。入力端2に入力される信号は減衰手段10により減衰され,入力点5aへ向けて送り出される。そこで「weak signal」(弱い信号か否かのパラメータ)を「1」(弱い信号)にセットする(S102)。
次に,チューナ5に入力される,所定地域におけるチャンネルプランに基づく,下り信号の周波数帯域内の全周波数(例えば,日本においては最大117波)をスキャンする(S103,S104)。電界強度測定手段6は,全周波数夫々についてレベル(L1)を測定し,それらの信号レベル情報17を出力する。制御手段16はそれら信号レベル情報17を読み取り(S105),夫々RAM21に格納する(S106)。
次に,格納した信号レベル情報17の全てが所定値P1(例えば−7.8dBmV)より大きいか否か判断する(S107)。ここでは所定値P1より大きいと判断され(S107でYesの場合),パラメータ「weak signal」は「0」(弱い信号ではない)にセットし(S108),引き続き次の処理(S109)へ移行する。
次に,下り周波数が所定地域におけるチャンネルプラン(例えば,日本等)におけるものか否かの判断(S109),入力レベルの単位変換(S110),入力レベルの積算(S111)の処理を行った後,次の処理(S112)へ移行する。所定地域でなければ(S109がNoの場合),入力レベルの単位変換(S110),入力レベルの積算(S111)の処理を飛ばして,次の処理(S112)へ移行する。尚,S109におけるチャンネルプラン(チャンネル配列)の判定は,下り周波数のチャンネルプランが,国によって異なる(日本では90〜770MHz,北米では88〜860MHz)ため,使用する下り周波数に応じて,全周波数帯をカバーできるようにするための処理である。チャンネルプランの判定は実施例のように備えさせてもよいし,仕様によっては備えなくてもよい。
次に全周波数に関する信号レベル情報17の読み取りが完了したか否か判断し(S112),完了していない場合(S112でNoの場合)はS104へ戻り,S104以降の処理を繰り返す。
次に,S112において「完了」と判断された場合(S112でYesの場合)は,全周波数に関する信号レベル情報17の総和を計算し単位変換する(S113)。
次に,信号レベル情報17の総和と第1閾値T1(例えば,31.0dBmV)とを比較する(S114)。ここでは信号レベル情報17の総和が第1閾値T1より大きいと判断され(S114でYesの場合),「Multi−channel」(信号レベルの総和が高いか低いかのパラメータ)は初期値「1」(入力レベルが高い環境)にセットし(S115),S201へ移行して引き続き次の処理へ移行する。
尚,電界強度測定手段6において測定した信号レベル情報を受入れ,その信号レベル情報の総和を計算して,信号レベル情報の総和と第1閾値T1を比較する処理が請求項に記載の3つの比較ステップの内の第1の比較ステップである。
次に下り信号の周波数帯域内の任意の周波数(任意の一波)を読出し(S201),減衰手段10に対して第2アッテネータ要素12が継続して介在するように切替制御信号18を出力する(S202)。次に,読出した任意の一波について電界強度測定手段6が測定したレベルL2を読み取る(S203)。そのレベル値L2(現在入来したレベル値ともいう)と,S106において格納した先に対象にされている同一の周波数のレベル値L1とを比較し,その差を算出する(S204)。その差が所定値G(例えば4dB)より大きいか否か判断する(S205)。ここでは差が所定値Gを越えないと判断され(S205でNo),次の処理(S206)へ移行する。
次にS203において読み取ったレベル値L2が所定値P2(例えば−2.8dBmV)より大きく,かつ,「weak signal」が「1」(弱い信号)かどうかを判断する(S206)。「weak signal」が「0」(弱い信号ではない)であるから(S206でNoの場合)と判断され,次の処理(S207)へ移行する。
尚,上記受信レベル信号の内の任意の一波について,先に対象にされて記憶されているレベル値L1と現在入来したレベル値L2とを比較する処理が請求項に記載の3つの比較ステップの内の第2の比較ステップである。
次に,現在入来した任意の一波のレベル値L2(S203で読み取ったレベル値)と,第2閾値T2(例えば−1.8dBmV)とを比較する。そして,第2閾値T2以下で,かつ,信号レベル情報17の総和が第1閾値T1以下(「Multi−channel」が「0」,つまりレベルが低い)かどうかを判断する(S207)。「Multi−channel」が「1」であるから,両方の比較において共に第1閾値T1,第2閾値T2以下ではないと判断され(S207でNoの場合),制御手段16は,減衰手段10に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように,第1アッテネータ要素11(例えば減衰量:0dB(スルーともいう))へ切替える為の切替制御信号18を出力することなく,S209へ移行する。入力端2に入力される信号は,減衰手段10により減衰されたままのレベルで入力点5aへ向けて送り出される。
尚,現在入来した任意の一波のレベル値L2と第2閾値T2とを比較する処理が請求項に記載の3つの比較ステップの第3の比較ステップである。
次に,制御手段16は,ケーブルモデムにおいて通常行われるように,下り信号として検出できる信号か否か(QAM信号か否か)を判断し(S209),検出できた場合(S 209でYesの場合)は上り信号の処理を行う(S210)。一方,下り信号として検出できない場合(S209でNoの場合)は,下り信号の周波数帯域内全ての周波数に対しサーチ(L2のレベルの測定)を1回以上行ったか否かを判断する(S211)。行っていない場合(S211でNoの場合)は,所定のチャンネルプランに基づき,次の周波数のサーチを行うようS201に移行し(S212),S201以降の処理を続ける。
一方,全ての周波数に対しサーチを1回以上行った場合(S211でYesの場合)はS101に移行し,再びS101以降の処理を行う。
以上のように,処理手順が標準である「デフォルト」に設定されていて,入来する信号のレベルが適切であれば,上記第1の処理を行うだけでよいことから,下り信号処理が迅速に行え,上り信号の処理とあわせて,ケーブルモデムの起動処理のスピードアップが可能になる。また,信号のレベルが異常に高くて,ケーブルモデム1を起動した後の上記第1の処理において,QAM信号が検出されない場合であっても,S101において減衰手段10のアッテネータ要素をセットし,入力端2からの信号のレベルを減衰させてチューナ5へ送出するので,チューナ5には過大なレベルの信号が入力されず,従来の問題点が生じることなく,チューナを正常に動作できる。つまり,入来する信号のレベルに影響されない極めて汎用性の高く利便性の良いケーブルモデムを提供できる。
次に,本発明の実施形態にかかる4つの処理手順の内の「モード3」の説明をしつつ,S101以降の処理手順についてさらに説明する。本発明の実施形態にかかる「モード3」は,「デフォルト」,「モード1」,「モード2」とは違って,上記第1の処理もしくは上記第2の処理を経ずに,直接第3の処理もしくは第4の処理を行うものである。「デフォルト」に設定されている場合と比較して,この「モード3」が設定されている場合,入来する信号レベルが高い場合であれば,上記第1の処理を行うことがないので,ケーブルモデムの起動処理時間が短くてすむといったメリットがある。さらに「デフォルト」に備えられた,入来する信号のレベルが適切レベルでも高いレベルでも,チューナ5には適切なレベルの信号が入力されて,チューナ5は正常に動作させることができるといった本来機能を有することで,「デフォルト」と同様の汎用性を有している。
この「モード3」において,入来する電波が異常に高い場合の動作説明は,すでに詳述した「デフォルト」における処理手順と同じであるので省略するが,ここでは,入力端2に入力される信号が適正レベル(チューナ5の実用入力レベル,例えば,24dBmV)が入力されている場合について説明する。
まず,減衰手段10の第2アッテネータ要素12(例えば減衰量:10dB)を介在させるよう切替制御信号18を出力する(S10)と共に,ケーブルモデムの初期化を行う(S11)。入力端2に入力される信号は減衰手段10により減衰され,入力点5aへ向けて送り出されるのであるが,ここでは,ケーブルモデムの初期化にあわせて,信号の処理手順について,上記処理手順設定手段19でもって「モード3」である「SearchMode」(処理手順のパラメータ)を「3」に設定する(S12)。「SearchMode」が「3」であるがどうかを判定(S13)して,「SearchMode」が「3」であるので(S13でYesの場合),次の処理(S101)へ移行する。減衰手段10は第2アッテネータ要素12(例えば減衰量:10dB)を介在させるように切替制御信号18が出力されている(S101)ので,入力端2に入力される信号は減衰手段10により減衰され,入力点5aへ向けて送り出される。そして「weak signal」(弱い信号か否かのパラメータ)を「1」(弱い信号)にセットする(S102)。次に103へ移行し,引き続きS103〜S106の処理を行う。
次に,格納した信号レベル情報17の全てが所定値P1(例えば−7.8dBmV)より大きいか否か判断する(S107)。ここでは所定値P1以下と判断され(S107でNo),パラメータ「weak signal」は「1」のまま次の処理(S109)へ移行する。
次に,下り信号が日本等におけるものか否かの判断(S109),入力レベルの単位変換(S110),入力レベルの積算(S111)の処理を行った後,次の処理へ移行する。
次に全周波数に関する信号レベル情報17の読み取りが完了したか否か判断し(S112),完了していない場合(S112でNoの場合)はS104へ戻り,S104以降の処理を繰り返す。
次に,S112において「完了」と判断された場合(S112でYesの場合)は,全周波数に関する信号レベル情報17の総和を計算し単位変換する(S113)。
次に,信号レベル情報17の総和と第1閾値T1(例えば,31.0dBmV)とを比較する(S114)。入力端2に入力される信号は減衰手段10により減衰され,入力点 5aへ向けて送り出されているので,信号レベル情報17の総和が第1閾値T1以下と判断され(S114でNoの場合),「Multi−channel」(信号レベルの総和が高いか低いかのパラメータ)は初期値「0」(レベルが低い)のまま次の処理へ移行する(S114のNoの場合)。さらにS201へ移行して引き続きS201からS204の処理を行う
次に,S204で求めた,現在入来したレベル値L2と,S106において格納した先に対象にされている同一の周波数のレベル値L1との差が所定値G(例えば4dB)より大きいか否か判断する(S205)。差が所定値Gを越えないと判断され(S205でNo),次の処理(S206)へ移行する。
次にS203において読み取ったレベル値L2が所定値P2(例えば−2.8dBmV)より大きく,かつ,「weak signal」が「1」(弱い信号)かどうかを判断する(S206)。入力端2に入力される信号にはレベルの変動がない(S206でNoの場合)と判断され,次の処理(S207)へ移行する。
次に,現在入来した任意の一波のレベル値L2(S203で読み取ったレベル値)と,第2閾値T2(例えば−1.8dBmV)とを比較する。そして,第2閾値T2以下で,かつ,信号レベル情報17の総和が第1閾値T1以下(「Multi−channel」が「0」)かどうかを判断する(S207)。両方の比較において共に第1閾値T1,第2閾値T2以下(S207でYes)と判断され,制御手段16は,減衰手段10に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように,第1アッテネータ要素11(例えば減衰量:0dB(スルーともいう))へ切替える為の切替制御信号18を出力し,切替える(S208)。入力端2に入力される信号は,減衰手段10により減衰されることなく,そのままのレベルで入力点5aへ向けて送り出される。
尚,上記第1および第3の2つの比較ステップで得られた結果(信号レベル情報の総和が第1閾値以下で,信号レベル情報の内の任意の一波の現在入来したレベル値が第2閾値以下の場合)に基づいて,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号18を出力する処理が請求項に記載の第3の処理である。
また,上記第1から第3の3つの比較ステップで得られた結果(信号レベル情報の総和が第1閾値以下で,現在入来したレベル値と先に対象にされて記憶されているレベル値との差が所定値以下で,信号レベル情報の内の任意の一波の現在入来したレベル値が第2閾値以下の場合)に基づいて,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号を出力する処理が請求項に記載の第4の処理である。
以上のように,処理手順が標準である「モード3」に設定されておれば,入来する信号のレベルが適切にも係わらず,チューナ5に過大なレベルの信号を入力しないように常時は減衰手段10によって入力信号のレベルを減少させるようにしていても(S101),制御手段16は,S114,S207等のステップにより,入力端2に入力されている信号のレベルが小さい(過大なレベルが入力されていない)ことを判断することができ,それに基づきS208のステップで減衰手段10におけるアッテネータ要素の減衰量が減少するように切替える指示をするので,チューナ5には適正なレベルの信号が入力され,正常に動作できる。
次に,入力端2に入力される信号のレベルが,ケーブルモデム起動時は小さいレベルだったが,その後過大なレベルになった場合(入力レベルに変動がある場合)の制御手段16の動作についてである。なお,この処理手順は「デフォルト」であっても「モード3」であっても同じ処理であるので,S101〜S106,S109〜S113,S201〜S204の処理については上述した入力端2に入力される信号が過大なレベルの場合と同様の処理であることから,重複する説明を一部省力した。
まず,減衰手段10の第2アッテネータ要素12(例えば減衰量:10dB)を介在させるようにセットする(S101)。入力端2に入力される信号は減衰手段10により減衰され,入力点5aへ向けて送り出される。「weak signal」(弱い信号か否かのパラメータ)を「1」(弱い信号)にセットする(S102)。次に,ステップS103へ移行し,引き続きS103〜S106の処理を行う。
次に,格納した信号レベル情報17の全てが所定値P1(例えば-7.8dBmV)より大きいか否か判断する(S107)。ここでは所定値P1以下と判断され(S107でNoの場合),パラメータ「weak signal」は「1」のまま次の処理へ移行する。次に,ステップS109へ移行し,引き続きS109〜S113の処理を行う。
次に,信号レベル情報17の総和と第1閾値T1(例えば,第1閾値T1:31.0dBmV)とを比較する(S114)。ここでは信号レベル情報17の総和が第1閾値T1以下と判断され(S114でNo),「Multi−channel」(信号レベルの総和が高いか低いかのパラメータ)は初期値「0」(レベルが低い)のまま次の処理(S201)へ移行する(S114)。引き続きS201〜S204の処理を行う。
次に,S205において,S204の処理において算出した差が所定値G(例えば4dB)より大きいか否か判断する。信号レベル情報17の内の任意の一波について,S106において記憶されているレベル値L1と,現在入来したレベル値L2(S203の値)とにギャップが所定値Gより大きい(S205でYes)ときは,S101へ移行し,再びS101以降の処理を繰り返す。
一方,S204,S205において差が所定値G以下の場合は,次の処理(S206)へ移行する。
S203において読み取ったレベル値が所定値P2(例えば−2.8dBmV)より大きく,かつ,「weak signal」が「1」かどうかを判断する。共に条件を満たす場合(S206でYesの場合:「S107の時点では信号レベルが弱い」と判断され,かつ,「現在入来したS203の信号レベルは高い」と判断された場合)は,S101へ移行し,再びS101以降の処理を繰り返す。
以上のように,もし仮に信号レベル情報17の総和を計算する間,例えば,10秒〜20秒の間にチューナ5に入力される信号のレベルが変動した場合(例えば,使用者がケーブルモデムにRFコネクタを接続せずにケーブルモデム1を起動し,その後接続した場合や,RFコネクタの接触不良により変動する場合等)でも,S205において変動があったことを検出して,減衰手段10に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるような切替制御信号18を出力することなく,S101へ移行して三つの比較するステップ(S114,S205,S207)を行うようにしたので,過大なレベルの信号がチューナ5に入力されるのを防止することができ,チューナを正常に動作できる。
さらに,S206においても変動の有無を判断するので,より精度高く変動の有無を検出してチューナを正常に動作させることができる。
また,所定時間経過後に,QAM信号が検出されない状態が続いたとすると,ケーブルモデムは初期化を行うことになるのであるが,再起動後は,再起動前の設定が「モード3」であっても,「デフォルト」に設定されるようしておけば,信号レベル変動の状態に係わらず,アッテネータ要素を適宜に加減してチューナ5に適切なレベルの信号が入力されるようになる。
次に,図1とは複数のアッテネータ要素の切替手段の点において異なる例を示す図5について説明する。
25,26,27は夫々上記と同様の減衰手段,第1アッテネータ要素,第2アッテネータ要素を示す。28は入力端2からの入力点,29はチューナ5への出力点,30は接点を示し,上記制御手段16からの制御信号18によって,周知の同軸リレー31を介して第1アッテネータ要素26,第2アッテネータ要素27の2点において選択的に切替え利用できるようにしてある。
なお,図5ではアッテネータ要素の両側に接点30,30を設けたが,一方を短絡させ,一方の接点30のみを切替えるようにしてもよい。
さらに,周知のFET(電界効果型トランジスタ)で構成された切替回路を使用して第1アッテネータ要素26,第2アッテネータ要素27の2点において選択的に切替え利用するようにしてもよい。
ケーブルモデムを説明するための概略ブロック図を示す。 制御手段の動作を説明するためのフローチャートを示す。 制御手段の動作を説明するためのフローチャートを示す。 制御手段の動作を説明するためのフローチャートを示す。 図1の減衰手段とは異なる例を説明する為の概略ブロック図を示す。
符号の説明
1…ケーブルモデム,2…入力端,3…出力端,5…チューナ,5a…入力点,5b…出力信号,6…電界強度測定手段(RSSI),8…QAM復調器,10…減衰手段,11…第1アッテネータ要素,12…第2アッテネータ要素,13…第3アッテネータ要素,15…CPU,16…制御手段,17…信号レベル情報,18…切替制御信号,19…処理手順設定手段,20…フラッシュメモリ,21…RAM

Claims (3)

  1. 入力端から入力される信号を周波数変換して出力するチューナと,
    その出力された信号を受入れて,QAM復調して出力するQAM復調器とを備えるケーブルモデムにおいて,
    上記入力端と上記チューナとの間には減衰量が加減できるアッテネータ要素を備える減衰手段を介在させ,上記減衰手段は,入力された信号を上記アッテネータ要素を介して常時は減衰させて次段へ送り出すように構成し,
    上記チューナには,入力された信号のレベルを測定し,その信号レベル情報を出力するようにした電界強度測定手段を備えさせ,
    さらに,上記減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号を出力し,上記QAM復調器がQAM信号を復調しているかいないかを判定する判定ステップを行う第1の処理を行うと共に,
    上記判定ステップにおいて,QAM復調器がQAM信号を復調していないと判定されたなら,さらに,上記測定した信号レベル情報を受入れて,その信号レベル情報の総和を計算して,信号レベル情報の総和と第1閾値とを比較する比較ステップと,
    信号レベル情報の内の任意の一波の上記現在入来したレベル値と第2閾値とを比較する比較ステップとを行い,
    上記両方の比較ステップの比較において,信号レベル情報の総和が第1閾値以下で,信号レベル情報の内の任意の一波の現在入来したレベル値が第2閾値以下の場合は,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号を出力する制御を行う第3の処理をするようにした制御手段を備えさせことを特徴とする請求項1に記載のケーブルモデム。
  2. 上記制御手段において,さらに,上記信号レベル情報の内の任意の一波について,先に対象にされて記憶されているレベル値と現在入来したレベル値とを比較する比較ステップを行い,両者の差が所定値を超えた場合は,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号を出力することなく,再び上記信号レベル情報を受入れて,上記三つの比較する比較ステップを行い,
    信号レベル情報の総和が第1閾値以下で,
    信号レベル情報の内の一波の現在入来したレベル値が第2閾値以下で,
    現在入来したレベル値と先に対象にされて記憶されているレベル値との差が所定値以下の場合は,減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替えるための切替え制御信号を出力する制御を行う第4の処理をするようにしたことを特徴とする請求項1記載のケーブルモデム。
  3. さらに,入力された信号受信レベル情報に対する処理手順を設定する処理手順設定手段を備えさせ,
    上記第1の処理を行い,しかも,上記QAM復調器がQAM信号を復調していないと判定された場合に上記第3の処理を行う上記処理手順に加え,
    上記第1の処理を行い,しかも,上記QAM復調器がQAM信号を復調していないと判定された場合であってもさらに上記第1の処理を行う処理手順,
    減衰手段に向けてアッテネータ要素の減衰量を減少させるように切替える為の切替制御信号を出力することなく,上記QAM復調器がQAM信号を復調しているかいないかを判定する判定ステップを行う第2の処理を行い,しかも,上記QAM復調器がQAM信号を復調していないと判定された場合にさらに上記第2の処理を行う処理手順,
    上記3つの処理手順の代わりに,直接上記第3の処理もしくは第4の処理から行う処理手順,の何れかを選択的に設定可能に構成し,
    上記制御手段は,上記処理手順設定手段に対する設定に基づいて,上記処理手順のうちの何れか1つの処理手順を行うよう制御することを特徴とした請求項1または請求項2の何れか一項に記載のケーブルモデム。
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