JP2010028138A - 光起電力素子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】安全に大掛かりな設備を必要とせずに低コストで光起電力素子を作製できるようにすると共に、大面積にも対応可能とする。
【解決手段】バインダー樹脂、電子受容性無機物及び溶剤を含むn型半導体塗布液と、バインダー樹脂、電子供与性有機物及び溶剤を含むp型半導体塗布液とを、大気圧及び常温の環境下において、一方の電極の上に、順次それぞれ、塗布、乾燥させることによって、n型半導体層及びp型半導体層を形成する。次に、樹脂中に導電性物質を分散させた導電性ペーストを、大気圧及び常温の環境下において、前記n型半導体層及び前記p型半導体層の上に塗布、乾燥させることによって、一方の前記電極に対向する他方の電極を形成する。
【選択図】図1
【解決手段】バインダー樹脂、電子受容性無機物及び溶剤を含むn型半導体塗布液と、バインダー樹脂、電子供与性有機物及び溶剤を含むp型半導体塗布液とを、大気圧及び常温の環境下において、一方の電極の上に、順次それぞれ、塗布、乾燥させることによって、n型半導体層及びp型半導体層を形成する。次に、樹脂中に導電性物質を分散させた導電性ペーストを、大気圧及び常温の環境下において、前記n型半導体層及び前記p型半導体層の上に塗布、乾燥させることによって、一方の前記電極に対向する他方の電極を形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、太陽電池,光センサ,フォトダイオードなどに有用な光起電力素子の製造方法に関し、更に詳しくは、ヘテロpn接合による内部電界を利用したヘテロ接合型光起電力素子の製造方法に関する。
近年、環境に優しいエネルギーとして、太陽エネルギーの利用研究が活発に行なわれており、中でも、燃料が不要でかつ無尽蔵なクリーンエネルギーとして、太陽電池(光起電力素子)の本格的な実用化が大いに期待されている。この太陽電池のタイプとしては、単結晶、多結晶あるいはアモルファスのSiを用いたシリコン系太陽電池、GaAs,CdS等を用いた化合物半導体系太陽電池、有機色素や導電性高分子を用いた有機半導体系太陽電池、あるいは金属酸化物系(色素増感型)太陽電池等が知られている。
ところで、現在最も普及しているシリコン系太陽電池や化合物半導体系太陽電池は、光電変換効率が高いという特徴を有するが、その反面、材料・製造コストが高く、作製に際して大規模な製造設備と多くのエネルギーを要することや、有毒な原料ガスを用いる等の問題も指摘されている。
一方、有機半導体を用いた光起電力素子は、材料が比較的安価で、大規模な設備や有毒な原料を必要とせず、大量生産によるコストダウンが期待できるため、その光電変換効率の向上を狙った研究開発が行なわれており、例えば、ペリレン誘導体からなる電子受容性(n型)有機物層と塩化インジウムフタロシアニンからなる電子供与性(p型)有機物層とを積層して形成した有機光起電力素子(特許文献1)、バインダー樹脂中に電子供与性有機顔料を分散させたp型半導体層と電子受容性有機顔料の蒸着膜からなるn型半導体層とを積層して形成した有機太陽電池(特許文献2)や、p型有機半導体層の一方の表面上にn型無機半導体粉末を分散・沈降させて形成した光電変換層を有する太陽電池(特許文献3)等の提案がなされている。
しかしながら、n型有機半導体は、空気中で不安定であり、酸素と結合するとその性質が変化してp型に反転してしまうだけでなく、電荷移動度も低いという問題がある。そのため、特許文献1,2のようなp型有機半導体/n型有機半導体からなるヘテロ接合光起電力素子は、大面積化及び光電変換効率の向上が難しく、また製造に際し、脱酸素環境を構築するための大掛かりな設備が必要となる場合がある。
また、特許文献3のように、n型無機半導体粉末をp型有機半導体層に分散・沈降させて光電変換層を形成する方法は、粉末の沈降状態のコントロールが難しく、均質な光電変換層を形成することが困難であると考えられるため、製品歩留まりの低下が懸念される。
また、特許文献3では、p型有機半導体層を形成するに当たって、ポリフェニレンビニレンのクロロホルム溶液を塗布した後に、窒素雰囲気の下において約100℃で約10分間ベークする必要がある。このように、特許文献1〜3の技術にしたがって光起電力素子を製造する場合、安全上問題のあるガスを用いる必要がある点、大面積化が困難である点、及び、脱酸素環境を形成するための大掛かりな設備が必要となる点に不利益がある。
本発明は、上記する課題に対処するためになされたものであり、安全に大掛かりな設備を必要とせずに低コストで作製でき、大面積にも対応可能なヘテロpn接合型の光起電力素子の製造方法を提供することを目的としている。
安価でかつ大面積化にも対応できる光起電力素子を考えた場合、n型半導体層とp型半導体層とを、複雑な製造設備を必要としない塗布製法により積層して形成できれば、そのメリットは極めて大きい。
本発明に係るヘテロ接合型光起電力素子の製造方法は、少なくとも一方が透光性を有する2つの電極の間に、主成分としての電子受容性無機物をバインダー樹脂に分散してなるn型半導体層と、主成分としての電子供与性有機物をバインダー樹脂に分散してなるp型半導体層とが配置されたヘテロ接合型光起電力素子の製造方法であって、前記バインダー樹脂、前記電子受容性無機物及び溶剤を含むn型半導体塗布液と、前記バインダー樹脂、前記電子供与性有機物及び溶剤を含むp型半導体塗布液とを、大気圧及び常温の環境下において、前記2つの電極のうちの一方の前記電極の上に、順次それぞれ、塗布、乾燥させることによって、前記n型半導体層及び前記p型半導体層を形成する工程と、この工程後、樹脂中に導電性物質を分散させた導電性ペーストを、大気圧及び常温の環境下において、前記n型半導体層及び前記p型半導体層の上に塗布、乾燥させることによって、一方の前記電極に対向する他方の前記電極を形成する工程とを有してなる。
以上の方法により、一方の電極を除くすべての構造(半導体層および他方の電極)を、大気圧及び常温の環境下において塗布のみで形成することができる。従って、本発明の製造方法によれば、安全上問題のあるガスを用いる必要がなく且つ従来のような大規模な設備を用いる必要がないため、光起電力素子を安全かつ低コストで製造することが可能になるとともに、連続生産設備が容易に構築できることから、光起電力素子の大面積化への対応も容易になる。
前記一方の電極が透光性を有していてもよい。
前記電子受容性無機物が酸化亜鉛顔料であり、前記電子供与性有機物がフタロシアニン系顔料であってもよい。
本発明のヘテロ接合型光起電力素子の製造方法によれば、光起電力素子を大規模な設備を用いずに安全且つ低コストで作製することが可能になるとともに、この光起電力素子の大面積化も、比較的容易に行なうことができる。
以下、図面を参照しつつこの発明を実施するための形態について説明する。
図1および図2は、本発明の実施形態における光起電力素子の概略構成図である。
図1および図2は、本発明の実施形態における光起電力素子の概略構成図である。
本実施形態における光起電力素子は、図1のように、透明な絶縁性基板1と、表面電極となる透明電極2と、n型半導体層3と、p型半導体層4と、背面(裏面)電極層5とから構成されている。なお、電極に取り付けられるリード(電線)や光起電力素子への水分の浸入を防止する防護樹脂等は、図示を省略している。
透明絶縁性基板1は、可視光領域の波長を広く透過するものが好ましく、例えばガラス,プラスチックフィルム等を、シート状あるいはプレート状など、適宜の形で用いることができる。また、透明電極2は、透明絶縁性基板1と同様、可視光領域の波長を広く透過するものが好ましく、酸化スズインジウム(ITO),酸化スズ(NESA),酸化インジウム等が用いられる。
本実施形態における光起電力素子の特徴は、電子受容性無機物と塩基性染料およびバインダー樹脂からなるn型半導体層3と、電子供与性有機物と電子受容性化合物およびバインダー樹脂からなるp型半導体層4とによるヘテロpn接合型半導体膜が形成されている点である。
本実施形態においてn型半導体層3に用いることのできる電子受容性無機物としては、酸化亜鉛(ZnO),二酸化チタン(TiO2)等の金属酸化物半導体が挙げられるが、特に好ましくは、酸化亜鉛顔料が使用される。なお、この酸化亜鉛顔料は、粉末の平均粒径が数nm〜数十nm程度のものを使用することができる。しかしながら、光電変換効率の観点からすると、平均粒径が20〜30nmであるものを用いることが望ましい。
また、本実施形態においてn型半導体層3に用いる塩基性染料としては、ローダミンB,ローダミン6G等のキサンテン染料、メチレンブルー,メチレンバイオレット等のチアジン染料などを挙げることができる。前記電子受容性無機物に酸化亜鉛顔料を用いる場合は、ローダミンBが好適である。
更にまた、本実施形態においてn型半導体層3に用いるバインダー樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂,ポリビニルホルマール樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリエステル樹脂,セルロース系樹脂等の広範囲な絶縁性樹脂から選択することができる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上を混合して使用しても良い。なお、本実施形態においては、ポリビニルブチラール樹脂を好適に採用した。また、前記電子受容性無機物とバインダー樹脂との好ましい配合比(重量)は40:1〜1:1、更に好ましくは20:1〜5:1の範囲である。
次に、本実施形態においてp型半導体層4に用いることのできる電子供与性有機物としては、フタロシアニン系顔料,キナクリドン系顔料,インジゴあるいはチオインジゴ系顔料(染料)等が挙げられるが、特に好ましくは、フタロシアニン系顔料が使用される。なお、ここで用いるフタロシアニン系顔料とは、例えば、無金属フタロシアニンおよび金属フタロシアニン,並びにこれらの環の一部を適当な置換基によって置換したものである。また、金属フタロシアニンの中心金属としては、マグネシウム(Mg),亜鉛(Zn),銅(Cu),銀(Ag),アルミニウム(Al),チタン(Ti),鉄(Fe),コバルト(Co),スズ(Sn)などが挙げられる。なお、フタロシアニン系顔料は、粉末の平均粒径が数μm〜数十μm程度のものが好ましく、光電変換効率の観点からすると、平均粒径が0.1〜10μmであるものを用いることが望ましい。
また、本実施形態においてp型半導体層4に用いる電子受容性化合物としては、p−ベンゾキノン,クロラニル,アントラキノン等のキノン系化合物、2,4,7−トリニトロフルオレノン,2,4,7,9−テトラニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物などを挙げることができる。前記電子供与性有機物にフタロシアニン系顔料を用いる場合は、2,4,7−トリニトロフルオレノンが好適である。
また、p型半導体層4に用いるバインダー樹脂も、前記n型半導体層3における例と同様、ポリビニルブチラール樹脂,ポリビニルホルマール樹脂,ポリスチレン樹脂,ポリエステル樹脂,セルロース系樹脂等の広範囲な絶縁性樹脂から選択することができる。これらのバインダー樹脂は、単独または2種以上を混合して使用しても良い。なお、p型半導体層4においても、ポリビニルブチラール樹脂を好適に採用した。また、p型半導体4における電子供与性有機物とバインダー樹脂との好ましい配合比(重量)は10:1〜1:1、更に好ましくは6:1〜2:1の範囲である。
以上の構成により、本実施形態における光起電力素子は、従来の有機光起電力素子に比べ、その光電変換効率を大幅に向上させることができた。
なお、この光起電力素子が光起電力を有する理由は、n型半導体とp型半導体との界面で、両層のフェルミレベルの違いによって生じる界面近傍の内部電界に起因していると考えられる。すなわち、この内部電界が働く領域に光が吸収されることによりキャリアが発生し、内部電界によって電子と正孔に分離され、最終的に外部に電流として取り出されるものと思われる。
また、本実施形態の特徴であるn型半導体に塩基性染料を添加すること、および、p型半導体に電子受容性化合物を添加すること、による光電変換効率の向上(増感)のメカニズムは、各層での電子的相互作用による電子濃度や正孔濃度の増大、あるいは、キャリアの解離効率の促進または再結合が抑制されることにより、キャリアの生成・移動が有利に行なわれている、などが考えられる。
次に、本実施形態における光起電力素子を製造する方法について説明する。この光起電力素子は、電子受容性無機物(酸化亜鉛顔料)に所定量の塩基性染料(ローダミンB)とバインダー樹脂(ポリビニルブチラール樹脂)と溶剤を添加したn型半導体塗布液と、電子供与性有機物(フタロシアニン系顔料)に所定量の電子受容性化合物(2,4,7−トリニトロフルオレノン)とバインダー樹脂(ポリビニルブチラール樹脂)と溶剤を添加したp型半導体塗布液とを、透明電極2の上に順次塗布して積層させた後、これら半導体層の上に、樹脂中に導電性物質を分散させた導電性ペーストを塗布し、前記透明電極2に対向する背面電極層5を形成する方法により形成されている。
半導体塗布液の作製は、これら所定の原料を溶媒(有機溶剤)により分散させることにより行なわれる。有機溶剤としては、メタノール,エタノール,n−プロパノール,i−プロパノール等のアルコール類、メチルエチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン類、テトラヒドロフラン,ジオキサン,ジメチルセロソルブ等の環状または鎖状のエーテル類、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素類などを、単独または2種以上混合して用いることができる。
なお、半導体塗布液は、これらを構成する材料を全体に均一に分散・溶解させる必要がある。従って、材料を混合した後は、ホモジナイザー,超音波,ボールミル,サンドミル,アトライター等を用いた従来公知の方法により、微粒子状に分散させることが重要である。
半導体層の作製は、透明絶縁性基板1の上に透明電極2を載置した後、前述の半導体塗布液を用いて、例えば、ディップコート法,エアナイフコート法,ローラーコート法,ワイヤーバーコート法,スピンコート法等により、n型半導体層3とp型半導体4とを順次積層した。膜厚は、それぞれ一般的には0.01〜3.0μm程度が好ましく、更に好ましくは0.1〜2.0μmである。
積層された半導体層を十分乾燥させた後、この半導体層の上に、背面電極層5を形成する。この背面電極層5を形成するのに用いられる導電性ペーストには、導電性のカーボンブラックを樹脂中に分散させたカーボンペーストや金属微粒子を樹脂中に分散させた金属ペースト等が用いられる。この背面電極層5の膜厚は、1〜50μm程度が好ましい。
以上の製造方法により、本実施形態における光起電力素子は、従来の製造方法で必須であった蒸着等の真空プロセスや高温プロセス、あるいは安全上問題のあるガスや脱酸素環境を用いることなく、透明絶縁性基板1および透明電極2を除く半導体層および他方側の電極(背面電極層5)を、通常の大気圧(常温)環境下で形成することが可能となる。また、この製造方法は、従来の光起電力素子で用いられているようなバッチ式生産設備だけではなく、長尺・大面積の光起電力素子を製造することのできる連続生産設備の構築も容易となる。
なお、本発明における背面(裏面)電極の構成は本実施形態における例に限られるものではなく、半導体層とオーミックに接合させることのできるその他の導電性膜でも良い。
また、光起電力素子の構成も、前述の実施形態における例に限られるものではなく、素子の必要特性や設置環境に合わせ、適宜変更することができる。また、例えば図2のように、n型半導体層3とp型半導体層4とを更に多層に積層させ、デュアルヘテロpn接合としても良い。
次に、参考として、塩基性染料を添加したn型半導体層および電子受容性化合物を添加したp型半導体層を有する実施例1〜3と、塩基性染料を添加しないn型半導体層および電子受容性化合物を添加しないp型半導体層を有する実施例4を用いて、実際に光電変換特性を測定した実験結果について述べる。
[実施例1]
試験に用いた素子は、前記実施形態で説明したシングル構成のヘテロpn接合型半導体層を有する光起電力素子である。先ず、素子の作製に先立ち、半導体塗布液の調整を行なった。
試験に用いた素子は、前記実施形態で説明したシングル構成のヘテロpn接合型半導体層を有する光起電力素子である。先ず、素子の作製に先立ち、半導体塗布液の調整を行なった。
n型半導体塗布液は、バインダー樹脂としてのポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製:エスレックBM−1)1重量部に対して、酸化亜鉛粉末(テイカ社製:MZ−500,平均粒径20〜30nm)を12重量部、ローダミンB(東京化成工業社製)を0.3重量部と、溶剤としてのイソプロピルアルコールを20重量部とを、1mmφのジルコニウムボールとともに容器に入れ、遊星型ボールミルを用いて1時間かく拌し、スラリー状のn型半導体分散液を得た。
また、p型半導体塗布液は、バインダー樹脂としてのポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製:エスレックBX−1)1重量部に対して、無金属フタロシアニン粉末(東京化成工業社製,平均粒径2〜10μm)を4重量部、2,4,7−トリニトロフルオレノン(東京化成工業社製)を1重量部と、溶剤としてのジメチルセロソルブを20重量部とを、1mmφのジルコニウムボールとともに容器に入れ、遊星型ボールミルを用いて2時間かく拌し、スラリー状のp型半導体分散液を得た。
供試体の作製は、先ず、ガラスからなる透明絶縁性基板の上にインジウム・スズの酸化物からなる透明電極を設けたITOガラスを水平に載置し、このITOガラス上に、前記n型半導体塗布液をローラーコート法により塗布して、膜厚1.0μmのn型半導体層を形成した。このn型半導体層を室温下で十分に乾燥させた後、このn型半導体層の上に、前記p型半導体塗布液を同じくローラーコート法により塗布して、膜厚1.0μmのp型半導体層を形成した。
得られたpn接合半導体層を十分乾燥させた後、この半導体層の上に、導電性カーボンペースト(ライオン株式会社製:W−310A)6重量部と、ポリビニルアセタール樹脂(積水化学社製:エスレックKW−1)4重量部とを混合かく拌した導電性ペースト液をローラーコート法により塗布し、膜厚10μmの背面電極層を形成することにより、供試体となる実施例1の光起電力素子を得た。
[実施例2]
無金属フタロシアニン粉末に代わり、p型半導体層を構成する電子供与性有機物としてオキシチタニウムフタロシアニン結晶(山陽色素社製)を用いた他は、実施例1と同様にして、実施例2の光起電力素子を作製した。
無金属フタロシアニン粉末に代わり、p型半導体層を構成する電子供与性有機物としてオキシチタニウムフタロシアニン結晶(山陽色素社製)を用いた他は、実施例1と同様にして、実施例2の光起電力素子を作製した。
[実施例3]
無金属フタロシアニン粉末に代わり、p型半導体層を構成する電子供与性有機物として銅フタロシアニン結晶(アクロス社製)を用いた他は、実施例1と同様にして、実施例3の光起電力素子を作製した。
無金属フタロシアニン粉末に代わり、p型半導体層を構成する電子供与性有機物として銅フタロシアニン結晶(アクロス社製)を用いた他は、実施例1と同様にして、実施例3の光起電力素子を作製した。
[実施例4]
ローダミンBを含有しないn型半導体塗布液および2,4,7−トリニトロフルオレノンを含有しないp型半導体塗布液を作製し、その他の条件を実施例1と同様にして、実施例4の光起電力素子を作製した。
ローダミンBを含有しないn型半導体塗布液および2,4,7−トリニトロフルオレノンを含有しないp型半導体塗布液を作製し、その他の条件を実施例1と同様にして、実施例4の光起電力素子を作製した。
これら得られた光起電力素子の光電変換特性の測定は、供試体の各電極にリード線を取り付け、ソーラーシミュレータ(山下電装株式会社製:YSS−E40)を用いて、素子の透明電極側から100mW/cm2(AM−1.5)の擬似太陽光を照射しながら、太陽電池評価装置(英弘精機株式会社製:MP−160)により光起電力素子の特性の測定を行なった。
以下の「表1」に、実験より得られた各光起電力素子の光電変換特性を示す。
以下の「表1」に、実験より得られた各光起電力素子の光電変換特性を示す。
この表から、増感剤となるローダミンB(塩基性染料)および2,4,7−トリニトロフルオレノン(電子供与性化合物)を添加した実施例1〜3は、これらを添加しない実施例4に比べ、光電変換特性が大幅に向上していることが見てとれる。
また特に、実施例1の光起電力素子は、Voc=0.64V,Isc=0.25mA/cm2,FF(フィルファクター)=0.34となり、変換効率0.05%が得られた。これらの値は、従来の有機起電力素子に比べ大きなものである。
1透明絶縁性基板
2透明電極
3n型半導体層
4p型半導体層
5背面電極層
2透明電極
3n型半導体層
4p型半導体層
5背面電極層
Claims (3)
- 少なくとも一方が透光性を有する2つの電極の間に、主成分としての電子受容性無機物をバインダー樹脂に分散してなるn型半導体層と、主成分としての電子供与性有機物をバインダー樹脂に分散してなるp型半導体層とが配置されたヘテロ接合型光起電力素子の製造方法であって、
前記バインダー樹脂、前記電子受容性無機物及び溶剤を含むn型半導体塗布液と、前記バインダー樹脂、前記電子供与性有機物及び溶剤を含むp型半導体塗布液とを、大気圧及び常温の環境下において、前記2つの電極のうちの一方の前記電極の上に、順次それぞれ、塗布、乾燥させることによって、前記n型半導体層及び前記p型半導体層を形成する工程と、
この工程後、樹脂中に導電性物質を分散させた導電性ペーストを、大気圧及び常温の環境下において、前記n型半導体層及び前記p型半導体層の上に塗布、乾燥させることによって、一方の前記電極に対向する他方の前記電極を形成する工程とを有してなることを特徴とするヘテロ接合型光起電力素子の製造方法。 - 前記一方の電極が透光性を有することを特徴とする請求項1に記載のヘテロ接合型光起電力素子の製造方法。
- 前記電子受容性無機物が酸化亜鉛顔料であり、前記電子供与性有機物がフタロシアニン系顔料であることを特徴とする請求項1又は2に記載のヘテロ接合型光起電力素子の製造方法。
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