JP2010026230A - カラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010026230A
JP2010026230A JP2008187088A JP2008187088A JP2010026230A JP 2010026230 A JP2010026230 A JP 2010026230A JP 2008187088 A JP2008187088 A JP 2008187088A JP 2008187088 A JP2008187088 A JP 2008187088A JP 2010026230 A JP2010026230 A JP 2010026230A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
drying
color filter
substrate
colored layer
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008187088A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5292966B2 (ja
Inventor
Masashi Kamata
正史 鎌田
Shunsuke Matsuoka
俊介 松岡
Manabu Yamamoto
学 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2008187088A priority Critical patent/JP5292966B2/ja
Publication of JP2010026230A publication Critical patent/JP2010026230A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5292966B2 publication Critical patent/JP5292966B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、着色層の平坦性に優れ、混色欠点が少ないカラーフィルタの製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】本発明は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するカラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥する乾燥工程と、上記乾燥工程後のカラーフィルタ用基板を取り出した後の加熱減圧乾燥装置を、減圧下定常圧力となるまで減圧乾燥する結露防止工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供することにより上記課題を解決するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、着色層の平坦性に優れ、混色欠点が少ないカラーフィルタの製造方法に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴って、液晶ディスプレイの需要が増加している。また、最近においては家庭用の液晶テレビの普及率も高まっており、益々液晶ディスプレイの市場は拡大する状況にある。さらに近年普及している液晶ディスプレイは大画面化の傾向があり、特に家庭用の液晶テレビに関してはその傾向が強くなってきている。
このような状況において、液晶ディスプレイを構成する部材については、より低コストで高品質なものを製造することが望まれている。特に液晶ディスプレイをカラー表示化させる機能を有するカラーフィルタは、従来高コストであったことからこのような要望が高まっている。
ここで、一般的な液晶ディスプレイに用いられるカラーフィルタは、通常、基板と、上記基板上に形成され、複数の開口部を備える遮光部と、上記開口部内に形成された赤色(R)、緑色(G)、青色(B)各色の着色層とを有するものである。
そして、このようなカラーフィルタのR、G、Bの各色に対応する電極をON、OFFさせることで液晶がバックライトのシャッタとして作動し、R、G、Bのそれぞれの画素を光が通過してカラー表示が行われるものである。
このような、カラーフィルタを製造する方法としては、従来、染色法や顔料分散法等のR、G、Bの3色を着色するために同一の工程を3回繰り返す方法が用いられてきた。しかしながら、このような製造方法は、高精度なR、G、Bパターンが形成されたカラーフィルタを形成できるという点においては有用であったが、必ずしも生産性の高いものではなかった。この点、特許文献1にはインクジェット法を用いたカラーフィルタの製造方法が開示されている。インクジェット法は、大面積のカラーフィルタを高生産性で製造できる点において有効であり、低コストでカラーフィルタを製造できる方法として着目されている。
このようなインクジェット法を用いた着色層の形成方法としては、基板上の開口部に溶媒を含む着色層形成用塗工液を塗布することにより、乾燥前着色層が形成される。その後、上記乾燥前着色層に含まれる溶媒を乾燥除去することにより着色層が形成される。
ここで、着色層形成用塗工液のインクジェットノズルからの吐出安定性を高めるため、通常、上記着色層形成用塗工液の溶媒として高沸点の溶媒が主溶媒として用いられる。また、このようなことから、一般的な加熱乾燥では、乾燥に長時間要するといった問題があった。
このような問題に対して、近年、カラーフィルタの製造用として減圧環境下で乾燥する減圧乾燥装置が用いられている(特許文献2〜6)。ここで、減圧乾燥装置とは、インクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層を有するカラーフィルタ用基板を減圧状態のチャンバ内に置くことにより被乾燥体を乾燥させるものであり、溶剤等の蒸発速度を飛躍的に高めることができるものである。
しかしながら、このような減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥を行なう場合、蒸発した溶媒が、減圧乾燥装置の内面と接触した際に、上記溶媒が装置の内面に結露しやすいといった現象があった。このように減圧乾燥装置内に結露が存在することにより乾燥速度に変化が生ずると乾燥条件を精度良く制御することが困難となり、着色層の平坦性が低下するといった問題があった。
また、減圧乾燥装置内に結露した溶媒が、被乾燥体であるカラーフィルタ用基板上に落下して、混色欠点となるといった問題があった。
特開2000−187111号公報 特開2000−111252号公報 特開平10−2665号公報 特開平9−320949号公報 特開平7−8704号公報 特開平6−97061号公報
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、着色層の平坦性に優れ、混色欠点が少ないカラーフィルタの製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するカラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥する乾燥工程と、上記乾燥工程後のカラーフィルタ用基板を取り出した後の加熱減圧乾燥装置を、減圧下定常圧力となるまで減圧乾燥する結露防止工程と、を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、上記結露防止工程が、上記乾燥工程後のカラーフィルタ用基板を取り出した後の加熱減圧乾燥装置を、減圧下定常圧力となるまで減圧乾燥するものであるため、上記結露防止工程後の加熱減圧乾燥装置のチャンバー内に残存する溶媒がほとんど無い状態とすることができる。したがって、その後再度乾燥工程を行なった場合に、上記チャンバー内に結露した溶媒がほぼ無い状態で乾燥を開始できる。
その結果、上記加熱減圧乾燥装置を用いてカラーフィルタ用基板の乾燥を複数回重ねた場合であっても、上記加熱減圧乾燥装置内に溶媒が結露している場合に生じる乾燥速度等の乾燥条件の変動への影響をほとんど無いものとすることができる。したがって、乾燥条件を精度良く制御することができ、着色層を平坦性に優れたものとすることができる。
また、結露した溶媒が上記カラーフィルタ用基板上に滴下することにより生じる混色欠点をほとんど無いものとすることができる。
本発明においては、上記乾燥工程後、毎回、上記結露防止工程を行なうことが好ましい。上記乾燥工程後、毎回、上記結露防止工程を行なうことにより、次の乾燥工程を開始する際におけるチャンバー内の結露量をより少ないものとすることができ、さらに上記乾燥工程を開始する際の上記チャンバー内の結露量をより一定なものとすることができる。このため、着色層の平坦性の制御をより確実に行なうことができるからである。
本発明は、着色層の平坦性に優れ、混色欠点が少ないカラーフィルタの製造方法を提供することができるという効果を奏する。
以下、本発明のカラーフィルタの製造方法について詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するカラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥する乾燥工程と、上記乾燥工程後のカラーフィルタ用基板を取り出した後の加熱減圧乾燥装置を、減圧下定常圧力となるまで減圧乾燥する結露防止工程と、を有することを特徴とするものである。
一般に、インクジェット法により塗布される着色層形成用塗工液に含まれる溶媒は、インクジェット装置のノズルの詰まりを防止する等の理由から比較的沸点が高いものが用いられる。このため、上記着色層形成用塗工液が塗布されて形成される乾燥前着色層の乾燥方法としては、一般的な加熱乾燥方法では乾燥に長時間要することから、減圧環境下で上記乾燥前着色層を加熱し乾燥する加熱減圧乾燥方法が用いられる。
また、このような乾燥前着色層を有するカラーフィルタ用基板を、減圧乾燥装置を用いて一定の運転条件下で運転し減圧乾燥した場合には、時間経過により、チャンバー内の圧力が変動する。このようなチャンバー内の圧力変動は、具体的には、図1に例示するように、横軸を乾燥時間、縦軸をチャンバー内の圧力とした場合、減圧開始時から徐々に圧力の低下が観察され、やがて、圧力の変動が少ない状態(第1平衡圧力、図1中のt〜t)となる。その後、圧力が下がりはじめ、再度圧力の変動が少ない状態(第2平衡圧力、図1中のt以降)となり、以後、圧力一定の状態が維持される。
ここで、上記第1平衡圧力時は、上記乾燥前着色層や上記加熱減圧乾燥装置のチャンバー内に結露により付着した溶媒から揮発する溶媒量が一定となっている状態であり、上記チャンバー内には結露および揮発している溶媒が多量に存在していると考えられる。また、このような第1平衡圧力時にチャンバー内の圧力を大気圧まで復圧した場合には、チャンバー内に揮発していた溶媒が結露する。このようなことから、上記第1平衡圧力時に減圧乾燥を終了した場合には、次に上記カラーフィルタ用基板を減圧乾燥する乾燥工程を開始する際のチャンバー内の結露量が多いものとなるのである。
ここで、従来の乾燥前着色層の乾燥方法が用いられているカラーフィルタの製造方法においては、生産性の観点から、乾燥が終了したカラーフィルタ用基板は、乾燥終了後すぐに乾燥装置から取り出され、次工程に送られる。この場合の乾燥前着色層における乾燥の終了とは、上記乾燥前着色層に含まれる溶媒を除去し所定の硬度を有する乾燥後着色層となるまで乾燥を行なうことである。したがって、乾燥終了後すぐに取り出した場合、乾燥終了時におけるチャンバー内の圧力は、通常、上記第1平衡圧力の状態となっている。
したがって、従来のインクジェット法により形成された着色層の乾燥方法が用いられるカラーフィルタの製造方法においては、このように上記第1平衡圧力中に減圧乾燥が終了されることから、上述したように上記乾燥装置内に結露が多い状態で、再度乾燥工程が行なわれることとなる。このため、着色層の平坦化には乾燥速度の高精度な制御が要求されるところ、従来のカラーフィルタの製造方法では、上述した乾燥装置内の結露による影響により乾燥速度の高精度な制御が難しく、着色層の平坦化が困難となるといった問題等があった。
一方、本発明においては、上記結露防止工程が、上記乾燥工程後のカラーフィルタ用基板を取り出した後の加熱減圧乾燥装置を、減圧下定常圧力となるまで減圧乾燥するものであるため、上記結露防止工程後の加熱減圧乾燥装置のチャンバー内に残存する溶媒がほとんど無い状態とすることができる。したがって、その後再度乾燥工程を行なった場合に、上記チャンバー内に結露した溶媒がほぼ無い状態で乾燥を開始できる。
その結果、上記加熱減圧乾燥装置を用いてカラーフィルタ用基板の乾燥を複数回重ねた場合であっても、上記加熱減圧乾燥装置内に溶媒が結露している場合に生じる乾燥速度等の乾燥条件の変動への影響をほとんど無いものとすることができる。したがって、乾燥条件を精度良く制御することができ、着色層を平坦性に優れたものとすることができるのである。
また、結露した溶媒が上記カラーフィルタ用基板上に滴下することにより生じる混色欠点をほとんど無いものとすることができるのである。
なお、このような現象は、インクジェット法により形成された乾燥前着色層を乾燥する際に特有の現象であり、さらに具体的には加熱減圧乾燥装置を用いて、インクジェット法により形成された乾燥前着色層を減圧乾燥する際に特有の現象であるといえる。本発明は、このような特有の課題を、乾燥が終了したカラーフィルタ用基板を取り出した後の加熱減圧乾燥装置を減圧下定常圧力となるまで減圧乾燥を行なうことにより解決したものである。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、少なくとも、乾燥工程と、結露防止工程と、を有するものである。以下、本発明のカラーフィルタの製造方法に用いられる各工程について詳細に説明する。
1.乾燥工程
本発明のカラーフィルタの製造方法における乾燥工程は、カラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥する工程である。
このような減圧乾燥方法としては、上記カラーフィルタ用基板の乾燥前着色層に含まれる溶媒を除去し所望の硬度を有する乾燥後着色層とすることができる方法であれば良く、カラーフィルタの製造において一般的に設定される乾燥完了期間減圧乾燥する方法とすることができる。
上記乾燥完了期間の決定方法としては、具体的には、上記カラーフィルタ用基板と同形状のカラーフィルタ用基板をテスト用基板として用いて、上記加熱減圧乾燥装置による乾燥テストを行い、所望の硬度を有する乾燥後着色層を得ることができる乾燥期間を調査し決定する方法を用いることができる。
(1)加熱減圧乾燥装置
本工程に用いられる加熱減圧乾燥装置としては、上記乾燥前着色層に含まれる溶媒を所望量以下まで除去し、所望の硬度を有する乾燥後着色層とすることができるものであれば良く、カラーフィルタの製造に一般的に用いられるものを使用することができる。
具体的には、上記カラーフィルタを加熱する加熱手段と、上記加熱手段を収納するチャンバーと、上記チャンバー内を所望の圧力まで減圧する減圧手段とを有するものを挙げることができる。
上記加熱手段としては、上記カラーフィルタ用基板を所望の温度に加熱することができるものであれば良い。
このような加熱手段としては、ホットプレート、電熱線、ランプ、赤外線放射装置等を挙げることができる。本工程においては、なかでも、ホットプレートであることが好ましい。上記カラーフィルタ用基板を平面視上均一に加熱することが容易であるからである。このため、上記乾燥前着色層を乾燥することにより形成される着色層を平坦性に優れたものとすることができるからである。
本工程に用いられる加熱手段の加熱能力としては、上記カラーフィルタ用基板を所望の温度に加熱することができるものであれば良い。具体的には、上記カラーフィルタ用基板を、35℃〜80℃の範囲内、なかでも40℃〜50℃の範囲内に加熱することができるものであることが好ましい。上記範囲内であることにより、上記溶媒を効率よく除去することができるからである。
また、上記加熱手段の上記カラーフィルタ用基板に対する配置としては、上記カラーフィルタ用基板を下方から加熱するように、上記加熱手段が上記カラーフィルタ用基板の下方に配置されるものであっても良く、上記カラーフィルタ用基板を上方から加熱するように、上記加熱手段が上記カラーフィルタ用基板の上方に配置されるものであっても良い。本発明においては、なかでも、上記カラーフィルタ用基板を上下の両面から加熱するように、上記カラーフィルタ用基板の下方と上方とに配置されるものであることが好ましい。上記カラーフィルタ用基板を平面視上均一に加熱することができることにより、着色層を平坦性に優れたものとすることができるからである。
上記加熱手段の形状およびサイズとしては、乾燥するカラーフィルタ用基板のサイズ等に応じて適宜設定するものである。
本工程においては、上記加熱手段の配置数としては、1つ配置されるものであっても良く、複数配置されるものであっても良い。
(b)チャンバー
本工程におけるチャンバーとしては、その内部に、上記加熱手段を収容することができ、乾燥時に密閉性が高いものとすることができるものであれば良い。
本工程においては、なかでも、上記チャンバーを加熱するチャンバー加熱手段を有するものであることが好ましい。このようなチャンバー加熱手段により加熱されるものとすることにより、上記乾燥前着色層から蒸発した溶媒が、上記チャンバーに接触した場合であっても温度が低下することを抑え、結露することを抑制することができるからである。したがって、本工程後のチャンバー内の上記溶媒の結露が少ないものとすることができ、後述する結露防止工程における減圧乾燥期間を短縮することができるからである。
上記チャンバーの形状およびサイズとしては、乾燥するカラーフィルタ用基板のサイズ等に応じて適宜設定するものである。
(c)減圧手段
本工程における減圧手段は、上記チャンバー内を減圧するものである。このような減圧手段としては、真空ポンプ等の一般的な減圧装置を用いることができる。
本工程に用いられる減圧手段の減圧能力としては、上記チャンバー内を、上記カラーフィルタ用基板を所望の速度で乾燥することができる圧力とすることができるものであれば良い。具体的には、上記チャンバー内の減圧下定常圧力を、4Pa未満の範囲とすることができるものであることが好ましく、なかでも1Pa未満の範囲とすることができるものであることが好ましい。上記範囲であることにより、上記溶媒を容易に除去することができるからである。
なお、減圧下定常圧力は、上記加熱減圧乾燥装置のチャンバー内を空にした状態、すなわち、カラーフィルタ用基板や、結露した溶剤が全くない状態で、減圧乾燥した際に到達する平衡圧力をいうものである。また、平衡圧力とは、一定状態となった圧力であり、より具体的には、90秒間の圧力が、90秒間の平均圧力を基準として、上記平均圧力の上下10%以内に含まれる状態における上記平均圧力をいうものである。
(2)カラーフィルタ用基板
本工程におけるカラーフィルタ用基板は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、上記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するものである。
(a)乾燥前着色層
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板の乾燥前着色層は、基板と、上記基板上に形成され、開口部を備える遮光部とを有するカラーフィルタ形成用基板の開口部に、インクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなるものである。
本工程における着色層形成用塗工液は溶媒を含むものであり、インクジェット法により、着色層を形成する際に、一般的に用いられるものと同様とすることができる。このような着色層形成用塗工液としては、通常、少なくとも赤(R)、緑(G)、青(B)の3色を含む、3色以上の着色層形成用塗工液が用いられる。
上記着色層形成用塗工液に含まれ、上記加熱減圧乾燥装置により、上記乾燥前着色層から除去される溶媒としては、単一溶媒であっても良く、2種以上の溶媒を混合した混合溶媒であっても良い。
上記溶媒としては、インクに含有されている着色剤と硬化剤を所望の濃度で溶解できるものであれば特に限定されるものではない。このような溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール類のケトン類、またはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜4個の炭素を含有するアルキレングリコール類;グリセリン類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテルアセテート等のジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル等の他のエーテル類;シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸n−アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等の他のエステル類;γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。なかでも本工程においては、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、マロン酸ジメチルなどが好適に用いられる。
また、このような着色層形成用塗工液は、上記溶媒以外に、通常、各色の顔料、熱硬化性樹脂等が含まれる。
本工程における乾燥前着色層の厚みとしては、上記着色層形成用塗工液等により異なるものであるが、インクジェット法により形成された着色層を有するカラーフィルタにおいて一般的に形成される乾燥前着色層と同様とすることができる。
本工程における乾燥前着色層の形成方法としては、上記カラーフィルタ形成用基板の開口部に、インクジェット法により上記溶媒を含む着色層形成用塗工液を塗布する方法であれば良く、カラーフィルタの製造に一般的に用いられる方法を用いることができる。
具体的には、上記カラーフィルタ形成用基板と、ノズルを複数備えるインクジェットヘッドとを相対的に移動させながら、上記ノズルから上記着色層形成用塗工液を塗布する方法を挙げることができる。
このようなインクジェットヘッドとしては、上記乾燥前着色層が形成されるカラーフィルタ形成用基板の面積や開口部等に応じて、所望のノズル数、ノズル間隔および吐出方式等を有するものであれば特に限定されず、一般的にインクジェット法に用いられるインクジェットヘッドを用いることができる。
(b)遮光部
本工程に用いられるカラーフィルタ用基板の遮光部としては、通常、開口部が等間隔で規則的に形成されたものが用いられる。ここで、上記開口部の具体的な大きさや配置態様は特に限定されるものではなく、上記カラーフィルタ用基板の用途等に応じて適宜決定することができる。
このような上記遮光部としては、所望の遮光性を有することができる材料からなるものであれば特に限定されるものではないが、通常、遮光性材料および樹脂から構成されるものが用いられる。
上記遮光部が遮光性材料および樹脂から構成されるものである場合、上記遮光性材料としては、一般的なカラーフィルタの樹脂製遮光部に用いられる材料を用いることができる。このような遮光性材料としては、例えば、カーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子等を挙げることができる。
また、上記樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−ビニル共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ABS樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、エチレン−メタクリル酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等を用いることができる。
上記遮光部を形成する方法としては、上記開口部が所望の態様で配置された遮光部を形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、例えば、遮光性粒子を含有させた樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィー法、および、上記樹脂組成物を用いた熱転写法等を挙げることができる。このような遮光部を形成する具体的な方法としては、一般的にカラーフィルタに用いられる遮光部を形成する方法と同様の方法を用いることができるため、ここでの詳しい説明は省略する。
また、本工程における遮光部は、撥液性を有するものであることが好ましい。インクジェット法により塗布される着色層形成用塗工液を、上記開口部内に安定的に塗布することができ、着色層を混色の無いものとすることができるからである。
上記遮光部が撥液性を有するものとする方法としては、所望の撥液性を付与することができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば、上記遮光部を構成する材料として、上記基板表面よりも撥液性の高い材料を用い、上述した方法により遮光部を形成する方法(以下、第1態様)や、上述した方法によって基板上に遮光部を形成した後、事後的に上記遮光部を上記基板表面よりも撥液性とする方法(以下、第2態様)等を挙げることができる。
上記第1態様としては、具体的には、上記遮光部を、樹脂および遮光材料を含むものとして形成し、上記樹脂に撥液化剤を含有させる方法を挙げることができる。
また、上記第2態様としては、具体的には、後述する基板として無機材料からなる基板を用い、かつ、上記遮光部として樹脂および遮光性材料から構成されるものを用い、上述した方法によって基板上に遮光部を形成した後、フッ素ガスを導入ガスとしたプラズマ処理を行なう方法が挙げられる。
また、上記導入ガスに用いられるフッ素化合物としては、例えば、CF、SF、CHF、C、C、C等を挙げることができる。また、上記導入ガスとしては、上記フッ素ガスと他のガスとが混合されたものであってもよい。上記他のガスとしては、例えば、窒素、酸素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができるが、なかでも窒素を用いることが好ましい。さらに上記他のガスとして窒素を用いる場合、窒素の混合比率は50%以上であることが好ましい。
また、上記プラズマ照射を実施する方法としては、上記遮光部の撥液性を向上できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、減圧下でプラズマ照射してもよく、または、大気圧下でプラズマ照射してもよい。なかでも、本工程においては特に大気圧下でプラズマ照射が行うことが好ましい。これにより、減圧用の装置等が必要なく、コストや製造効率等の面おいて有利になるからである。
なお、上記プラズマ照射を行った後の、上記遮光部におけるフッ素の存在は、X線光電子分光分析装置(XPS:ESCALAB 220i−XL)による分析において、遮光部の表面より検出される全元素中のフッ素元素の割合を測定することにより確認することができる。
なお、上記「撥液性」とは、上記着色層形成用塗工液との接触角が大きいことを意味するものである。
具体的には、上記遮光部表面の上記着色層形成用塗工液との接触角が、上記基板表面の上記着色層形成用塗工液との接触角よりも大きいものとすることができるものであれば良い。なかでも本工程においては、上記遮光部表面の、表面張力40mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましく、特に表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましく、さらには表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上となる程度であることが好ましい。また、純水との接触角が11°以上となる程度であることが好ましい。
(c)基板
本工程における基板としては、上記遮光部および着色層を形成できるものであれば特に限定されるものではなく、従来よりカラーフィルタに用いられているものを用いることができる。このような基板としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明な無機基板、および、透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明な樹脂基板等を挙げることができる。なかでも、上記遮光部の撥液化を第2態様で行う場合、本工程においては、無機基板を用いることが好ましい。上記基板として無機材料を用いることにより、本工程により、上記遮光部のみを撥液化することが容易となるからである。
本工程において、基板としてはガラス基板を用いることが好ましく、上記ガラス基板のなかでも無アルカリタイプのガラス基板を用いることが好ましい。上記無アルカリタイプのガラス基板は寸度安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、かつ、ガラス中にアルカリ成分を含まないことから、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに好適に用いることができるからである。
上記基板は、透明な基板であってもよく、または、反射性の基板や白色に着色したものであってもよいが、本工程においては通常透明なものが用いられる。
また、上記基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与、その他の目的の表面処理を施されたものであってもよい。このような表面処理としては、例えば表面を親液性とするために、酸素ガスを導入ガスとしたプラズマ等を照射する処理を挙げることができる。
ここで、親液性とは、上記着色層形成用塗工液との接触角が小さいことを意味するものである。
具体的には、上記基板表面の上記着色層形成用塗工液との接触角が、上記遮光部表面の上記着色層形成用塗工液との接触角よりも小さいものとすることができるものであれば良い。なかでも本工程においては、上記基板表面の表面張力40mN/mの液体との接触角が9°未満となる程度であることが好ましく、特に表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下となる程度であることが好ましく、さらには表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となる程度であることが好ましい。
(3)乾燥工程
本工程は、上記カラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥することにより、上記カラーフィルタ用基板に含まれる乾燥前着色層を乾燥後着色層とする工程である。
このような乾燥工程を行うことにより形成される乾燥後着色層に含まれる溶媒の含有量としては、上記乾燥後着色層が所望の硬度を発揮するものであれば良く、一般的なカラーフィルタの製造における乾燥後着色層と同様とすることができる。
2.結露防止工程
本発明のカラーフィルタの製造方法における結露防止工程は、上記乾燥工程後のカラーフィルタ用基板を取り出した後の加熱減圧乾燥装置を、減圧下定常圧力となるまで減圧乾燥する工程である。
より具体的には、上記乾燥工程後の加熱減圧乾燥装置内を大気圧まで復圧し、上記乾燥工程後のカラーフィルタ用基板を取り出し、上記カラーフィルタ用基板が取り出された後の加熱減圧乾燥装置を、上記減圧下定常圧力となるまで減圧乾燥する工程である。
なお、本工程における減圧下定常圧力については、上記「1.乾燥工程」の「(2)加熱減圧乾燥装置」の項に記載した内容と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては上記結露防止工程を有することにより、上記結露防止工程後の加熱減圧乾燥装置のチャンバー内に残存する溶媒がほとんど無い状態とすることができる。したがって、その後再度乾燥工程を行なった場合に、上記チャンバー内に結露した溶媒がほぼ無い状態で乾燥を開始できる。
その結果、上記加熱減圧乾燥装置を用いてカラーフィルタ用基板の乾燥を複数回重ねた場合であっても、上記加熱減圧乾燥装置内に溶媒が結露している場合に生じる乾燥速度等の乾燥条件の変動への影響をほとんど無いものとすることができる。したがって、乾燥条件を精度良く制御することができ、着色層を平坦性に優れたものとすることができる。
また、結露した溶媒が上記カラーフィルタ用基板上に滴下することにより生じる混色欠点をほとんど無いものとすることができる。
このような減圧乾燥方法において、上記減圧下定常圧力に到達したか否かの判断は、上記加熱減圧乾燥装置のチャンバー内の圧力を常時モニタリングし、上記減圧下定常圧力到達を確認するものであっても良く、減圧乾燥開始からの経過時間により減圧下定常圧力到達を決定するものであっても良い。
ここで、経過時間により減圧下定常圧力到達を決定する方法としては、具体的には、上記乾燥工程で減圧乾燥されるカラーフィルタ用基板と同形状のカラーフィルタ用基板をテスト用基板として用い、上記加熱減圧乾燥装置により上記乾燥工程における減圧乾燥条件と同一条件で減圧乾燥する。次いで、大気圧まで復圧し、上記カラーフィルタ用基板を取り出した後、再度、上記乾燥工程と同条件で減圧乾燥を行ない、チャンバー内の圧力が減圧下定常圧力に到達する時間を得る。そしてその結果得られた到達時間により、減圧下定常圧力到達を決定する方法を挙げることができる。
本工程においては、なかでも、経過時間により決定するものであることが好ましい。管理が容易だからである。
本工程における、上記加熱減圧乾燥装置のチャンバーおよび加熱手段の温度としては、上記乾燥工程後に上記加熱減圧乾燥装置のチャンバー内に結露している溶媒を除去することができる温度であれば良く、上記乾燥工程における温度と同程度とすることができる。
3.カラーフィルタの製造方法
本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記乾燥工程後に、上記結露防止工程を行なうものであれば良く、上記結露防止工程が上記乾燥工程後に毎回行なわれるものであっても良く、上記乾燥工程が複数回連続して行なわれた後に、上記結露防止工程が行なわれるものであっても良い。
本発明においては、なかでも、上記乾燥工程後、毎回、上記結露防止工程を行なうものであることが好ましい。上記乾燥工程後、毎回、上記結露防止工程を行なうことにより、次の乾燥工程を開始する際におけるチャンバー内の結露量をより少ないものとすることができ、さらに上記乾燥工程を開始する際の上記チャンバー内の結露量をより一定なものとすることができる。このため、着色層の平坦性の制御をより確実に行なうことができるからである。
また、本発明においては、上記乾燥工程および結露防止工程を少なくとも有するものであれば良く、その他の工程を有するものであっても良い。
このようなその他の工程としては、上記開口部にインクジェット法により着色層形成用塗工液を塗布して乾燥前着色層を形成するインクジェット工程、上記乾燥工程後のカラーフィルタの着色層を加熱し硬化させるプリベイク工程およびポストベイク工程、上記着色層上にオーバーコート層を形成するオーバーコート層形成工程、上記着色層上にITO,IZO等の透明電極を形成する透明電極形成工程、対向基板とのセルギャップを均一にするためのスペーサー材を所定の位置に形成するスペーサー形成工程、ならびに、液晶の配向を制御するための構造物を形成する配向制御構造物形成工程等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
1.カラーフィルタ形成用基板の調整工程
カラーフィルタ用ガラス基板として、厚み0.7mm、縦1850mm、横1500mmの旭ガラス社製AN100を準備し、このガラス基板上にフォトリソグラフィ法にて樹脂製の遮光部を形成した。
上記遮光部は、開口部が100μm×300μm、遮光部分の線幅が20μmとなるように形成し、横方向に120μmピッチ(短辺方向に隣接する開口部の中心間の距離)、縦方向320μmピッチ(長辺方向に隣接する開口部の中心間の距離)にて配置されているものとした。この際、遮光部分の膜厚は平均2.3μmとした。
上記遮光部付ガラス基板に対して、フッ素化合物を導入ガスとしたプラズマ処理を加えることにより、遮光部の表面を撥液性に、それ以外の領域(着色層形成領域)すなわち開口部を親液性とした。このようにしてカラーフィルタ形成用基板を作製した。
2.着色層形成用塗工液塗布工程
着色層形成用塗工液には、カラーフィルタ用顔料と熱硬化型樹脂等とからなるRGB各色の顔料分散型インクを用いて、1つの開口部(着色層形成領域)あたり1000plにて所望のカラーフィルタの色が表現できるように濃度を設計したものを用いた。
上記カラーフィルタ形成用基板に対して、インクジェットヘッドを用いて着色層形成用塗工液を塗布し、乾燥前着色層を形成した。このようにして、カラーフィルタ用基板を作製した。
3.加熱減圧乾燥の処理時間設定工程
上記乾燥前着色層が形成されたカラーフィルタ用基板を収容した状態で加熱減圧乾燥装置の処理を以下の条件で開始し、第2平衡圧力に達するまで処理し、その圧力プロファイルを取得した。得られた圧力プロファイルから、既に説明した図1に示されるように、上記第1平衡圧力となる時間(t)、上記第1平衡圧力が終了する時間(t)、第2平衡圧力となる時間(t)を得た。また、上記第1平衡圧力の中間となる時間(t=t+(t2-t1)/2)および、上記第1平衡圧力と第2平衡圧力の中間となる時間(t5=t2+(t3-t2)/2)を得た。
なお、本工程は、上記カラーフィルタ用基板を連続して加熱減圧乾燥する場合においては、最初の一回にのみ行なった。
4.加熱減圧乾燥工程
上記着色形成用インクを着弾させた基板を、加熱減圧乾燥装置内に配置し、加熱減圧乾燥した。上記加熱減圧乾燥における加熱温度は40℃とし、処理時間は第1平衡圧力と第2平衡圧力との中間となる圧力に達する時間(=t)とした。
5.結露防止工程
上記加熱減圧工程を行なった後の基板を取り出し、上記加熱減圧乾燥装置内が空の状態とした後、第2平衡圧力に達するまで減圧乾燥を行なった。
6.プリベイクおよびポストベイク
上記加熱減圧乾燥した基板を、150℃のホットプレート(HP)で4minのプリベイクを実施した。その後240℃のオーブンで40minのポストベイクを実施し、カラーフィルタを作製した。
[実施例2]
上記加熱減圧乾燥工程における加熱温度を45℃とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[実施例3]
上記加熱減圧乾燥工程における加熱温度を50℃とした以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例1]
上記結露防止工程を行なわなかった以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例2]
上記結露防止工程を行なわなかった以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例3]
上記結露防止工程を行なわなかった以外は、実施例3と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例4]
上記加熱減圧乾燥工程における処理時間を、第1平衡圧力に達する時間(t)とし、さらに上記結露防止工程を行なわなかった以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例5]
上記加熱減圧乾燥工程における処理時間を、第1平衡圧力に達する時間(t)とし、さらに上記結露防止工程を行なわなかった以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例6]
上記加熱減圧乾燥工程における処理時間を、第1平衡圧力に達する時間(t)とし、さらに上記結露防止工程を行なわなかった以外は、実施例3と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例7]
上記結露防止工程において、第1平衡圧力に達するまで減圧乾燥を行なった以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例8]
上記結露防止工程において、第1平衡圧力に達するまで減圧乾燥を行なった以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例9]
上記結露防止工程において、第1平衡圧力に達するまで減圧乾燥を行なった以外は、実施例3と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例10]
上記結露防止工程において、第1平衡圧力と第2平衡圧力との中間の圧力に達するまで減圧乾燥を行なった以外は、実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例11]
上記結露防止工程において、第1平衡圧力と第2平衡圧力との中間の圧力に達するまで減圧乾燥を行なった以外は、実施例2と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[比較例12]
上記結露防止工程において、第1平衡圧力と第2平衡圧力との中間の圧力に達するまで減圧乾燥を行なった以外は、実施例3と同様にしてカラーフィルタを作製した。
[評価]
実施例および比較例に記載の方法にてカラーフィルタを10枚連続で作製した。その後、各実施例および比較例で作製された10枚カラーフィルタを用いて液晶表示装置を作製し、点灯試験を行った。その結果、実施例では、混色決壊が無いカラーフィルタを安定的に製造することができた。一方、比較例1〜6では、カラーフィルタ基板上に液滴落下に起因する混色箇所が発生していた。また、比較例7〜比較例12では、比較例1〜6と比較して混色箇所の発生量の低下が見られたが、混色箇所の発生を完全に抑制することはできなかった。
また、実施例および比較例において、上記方法にてカラーフィルタを10枚連続乾燥処理した後の上記加熱減圧乾燥装置内の内部の結露状態を目視により観察した。その結果、実施例では装置内に結露が生じていなかった。一方、比較例1〜6では、加熱減圧乾燥装置上蓋および外周に結露した溶媒が液滴状に付着していた。また、比較例7〜比較例12では、比較例1〜6と比較して結露量の低減が見られたが、結露を完全に抑制することはできなかった。
さらに、上記方法にてカラーフィルタを10枚連続乾燥処理した場合における乾燥状態を観察した。その結果、実施例では、同一乾燥時間で、同程度に乾燥したカラーフィルタを得ることができた。一方、比較例1〜6では、上記基板を処理する毎に乾燥具合が悪くなり、乾燥ムラが生じた。また、比較例7〜比較例12では、比較例1〜6と比較して程度は小さいが乾燥具合の悪化が生じ、乾燥ムラを完全に抑制することはできなかった。
カラーフィルタ用基板を減圧乾燥した際の時間−圧力変化を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 基板と、前記基板上に形成され、開口部を備える遮光部と、前記開口部にインクジェット法により塗布された着色層形成用塗工液からなる乾燥前着色層と、を有するカラーフィルタ用基板を、加熱減圧乾燥装置を用いて減圧乾燥する乾燥工程と、
    前記乾燥工程後のカラーフィルタ用基板を取り出した後の加熱減圧乾燥装置を、減圧下定常圧力となるまで減圧乾燥する結露防止工程と、
    を有することを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記乾燥工程後、毎回、前記結露防止工程を行なうことを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
JP2008187088A 2008-07-18 2008-07-18 カラーフィルタの製造方法 Expired - Fee Related JP5292966B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008187088A JP5292966B2 (ja) 2008-07-18 2008-07-18 カラーフィルタの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008187088A JP5292966B2 (ja) 2008-07-18 2008-07-18 カラーフィルタの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010026230A true JP2010026230A (ja) 2010-02-04
JP5292966B2 JP5292966B2 (ja) 2013-09-18

Family

ID=41732126

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008187088A Expired - Fee Related JP5292966B2 (ja) 2008-07-18 2008-07-18 カラーフィルタの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5292966B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002110043A (ja) * 2000-10-02 2002-04-12 Taniguchi Consulting Engineers Co Ltd プラズマディスプレイ基板の乾燥方法及び装置
JP2002182028A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Canon Inc カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いてなる液晶素子
JP2002239441A (ja) * 2001-02-14 2002-08-27 Tokyo Electron Ltd 減圧乾燥方法及び塗布膜形成装置
JP2005329303A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Mitsubishi Chemicals Corp 枚葉塗布部材の製造方法、減圧乾燥処理方法、および減圧乾燥処理装置
JP2007069098A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Toray Ind Inc 塗膜の減圧乾燥方法
JP2008089760A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタ製造装置、カラーフィルタ製造方法、乾燥装置、乾燥方法、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002110043A (ja) * 2000-10-02 2002-04-12 Taniguchi Consulting Engineers Co Ltd プラズマディスプレイ基板の乾燥方法及び装置
JP2002182028A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Canon Inc カラーフィルタとその製造方法、該カラーフィルタを用いてなる液晶素子
JP2002239441A (ja) * 2001-02-14 2002-08-27 Tokyo Electron Ltd 減圧乾燥方法及び塗布膜形成装置
JP2005329303A (ja) * 2004-05-19 2005-12-02 Mitsubishi Chemicals Corp 枚葉塗布部材の製造方法、減圧乾燥処理方法、および減圧乾燥処理装置
JP2007069098A (ja) * 2005-09-06 2007-03-22 Toray Ind Inc 塗膜の減圧乾燥方法
JP2008089760A (ja) * 2006-09-29 2008-04-17 Dainippon Printing Co Ltd カラーフィルタ製造装置、カラーフィルタ製造方法、乾燥装置、乾燥方法、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5292966B2 (ja) 2013-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20130196059A1 (en) Method for producing color filter
JP5292966B2 (ja) カラーフィルタの製造方法
US9042044B2 (en) Color filter substrate and method of manufacturing the same
JP5381605B2 (ja) カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ
JP5002936B2 (ja) カラーフィルタおよび液晶表示装置
JP2010026229A (ja) カラーフィルタの製造方法
JP5045346B2 (ja) カラーフィルタ製造装置、カラーフィルタ製造方法、減圧加熱装置、減圧加熱方法、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法
JP2006098555A (ja) カラーフィルタおよびその製造方法
JP2008225082A (ja) カラーフィルタ用基板、およびその製造方法
CN112599711B (zh) Oled器件的制备方法及oled器件
JP2007219482A (ja) カラーフィルターの製造方法
JP2010025436A (ja) 加熱減圧乾燥装置
JP5205733B2 (ja) カラーフィルタの製造方法
JP5245236B2 (ja) カラーフィルタ製造装置、カラーフィルタ製造方法、乾燥装置、乾燥方法、表示装置の製造装置、表示装置の製造方法
Park et al. Control of inkjet printed profiles by solvent-vapor annealing
US20090042113A1 (en) Manufacturing method of filter and color filter
JP2007272181A (ja) カラーフィルターの製造方法
US20060153968A1 (en) Method of liquid-drop jet coating and method of producing display devices
JP2010102226A (ja) カラーフィルタの製造方法およびカラーフィルタ
JP2013205732A (ja) 液晶表示装置用カラーフィルタ基板の製造方法
JP2007271811A (ja) カラーフィルターの製造方法
JP2013164457A (ja) 遮光層形成用樹脂組成物、遮光層形成用樹脂組成物から構成される遮光層を備えたカラーフィルタおよびカラーフィルタを備えた表示装置
JP2009025764A (ja) カラーフィルタ用基板の製造方法、カラーフィルタの製造方法
JP2003057427A (ja) カラーフィルタ及びその製造方法、該カラーフィルタを用いた液晶素子
JP2009169058A (ja) カラーフィルタ、カラーフィルタ基板ならびに液晶表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110520

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120612

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130319

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130514

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130527

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees