JP2010025859A - 磁気センサおよびこの磁気センサを用いたアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁芯2が挿入された励磁コイルL1と検知コイルL2を具備する磁気センサ1であって、励磁コイルL1には低周波が印加され、検知コイルL2には高周波が印加され、検知コイルL2の磁芯2に鎖交する励磁コイルL1の磁束と外部磁界(永久磁石4)の磁束により、検知コイルL2の磁芯2が周期的に磁気飽和状態と磁気不飽和状態を繰り返すことによって変調された検知コイルL2の両端電圧3に基づいて、外部磁界(永久磁石4)の磁束を検出する。
【選択図】 図3
Description
このため、外部磁界の極性を判別することは比較的容易にできるが、外部磁界が無い場合も含めて、外部磁界の強度までを判別するためには、検知すべき外部磁界の強度に応じてバイアス電源の出力電流値を最適な値に設定する必要あり、センサとして汎用性に欠ける問題があった。
「前記検知コイルの両端電圧の振幅の変調率に基づいて、前記外部磁界の磁束を検出すること」、
「前記検知コイルの両端電圧の振幅の変調波と前記励磁コイルに印加される低周波の位相差を検出する手段を有すること」、
「前記励磁コイルの磁芯は軟鉄で、前記検知コイルの磁芯は可飽和磁芯であること」、
を含むものである。
「電源がオンされた時、前記制御部は、前記モータを駆動して前記出力軸を所定方向に回転させ、前記磁気センサが前記外部磁界を検知すると、前記出力軸の回転位置を初期位置に設定すること」、
を含むものである。
このため、変調率を検出することにより外部磁界からの磁束の強度を検出できると共に、外部磁界の極性によって180度位相が異なる出力信号が得られるため、外部磁界の極性を検出することもできる。
一方、検知コイルL2には、発振器F2から高周波が印加され、好ましくは図2(a)2のような100kHz以上1MHz以下の高周波が印加される。
なお図2は、横軸が一目盛り0.05secの時間、縦軸は低周波については一目盛り1.0V、高周波については一目盛り0.05Vの電圧を示している。
発振器F1と発振器F2を発振すると、検知コイルL2の出力電圧3は、発振器F2の信号と同様に現れる(図2(a)2参照)。これは、励磁コイルL1と検知コイルL2の磁気結合が低く、励磁コイルL1の誘導電圧が検知コイルL2にほとんど現れないためである。
また、このとき検知コイルL2の磁芯2は磁気不飽和状態となっている。
永久磁石4のS極を徐々に磁気センサに近づけていくと、前述のN極を近づけていった場合と反対方向の磁束が徐々に増大する。一方、励磁コイルL1には低周波の正弦波が入力され、磁界が周期的に変動している。ある瞬間における励磁コイルL1の磁界が永久磁石側でS極の磁界になると、永久磁石4の磁束と励磁コイルの磁束は反対向きとなり、磁束が検知コイル内で打ち消しあい、検知コイルの磁芯は磁気飽和せず、検知コイルL2のインダクタンスは変化しないため、検知コイルL2の出力電圧3は永久磁石4が無い場合と同様である。
(実施例1)
本実施例は、図1の構成を有する磁気センサ1を構成し、永久磁石4の磁気を検出した例である。本実施例の磁気センサ1は、図示しないコイルボビンに線経Φ0.11の線材を励磁コイルL1には100回、検知コイルL2には30回、ソレノイド状に巻回して同軸上に並べ、巻き方向を同じにしている。
よって相互インダクタンスMは、
M=(L0−(L1+L2))/2
=2.1
となる。
また、結合係数kは、
k=M/√(L1・L2)
≒0.067
となる。
図5における変調率m(%)は、検知コイルL2の出力信号に現れる最大振幅をA、最小振幅をBとしたとき、
m=((A−B)/(A+B))×100
としている。
変調波を復調して有用な信号を得るためには、なるべく変調率が大きいことが要求され、本実施例の磁気センサでは、変調率10%以上のときに有用な信号を得ることができた。
すなわち、本実施例の磁気センサ1は、永久磁石4との距離r=20mm〜15mmのとき、永久磁石4の有無と強度と極性を検出することができる。
励磁コイルL2と検知コイルL1の磁芯2として一体型のフェライトを挿入した以外は、実施例1と同様に磁気センサ1を構成し、永久磁石4の磁気を検出した(図6参照)。
磁芯2を挿入したときのインダクタンスは励磁コイルL1が269.3μH、検知コイルL2が25.5μH、合成インダクタンスL0が358.7μHとなっている。
よって相互インダクタンスMは、
M=(L0−(L1+L2))/2
=31.95
となる。
また、結合係数kは、
k=M/√(L1・L2)
≒0.39
となる。
図7において、磁極センサ1と永久磁石4との距離r=20mmになると、振幅変調が始まり、距離r=16mmまで変調率が大きくなっている。その後、距離r=15mmになると変調率が38.3%と高くなるが波形が歪んでいる。これは励磁コイルL1の磁束が弱く検知コイルL2で正弦波を忠実に再現できないためと考えられる。よって、本実施例では、距離r=16mm〜17mmのときに永久磁石4の有無と強度と極性を検出することができる。
図8は、磁気センサ1を用いた実施例1のブロック図である。
図8において、60は、検知コイルL2で発生した振幅変調波を復調する包絡線検波回路である。61は、発振器F1の正弦波と包絡線検波回路60の出力の正弦波との位相比較器である。62はA−D変換器であり、包絡線検波回路60の出力の振幅をデジタル信号に変換して変調率の信号を後述の制御部に出力している。63は制御部であり、A−D変換器62および位相比較器61の情報をもとに、永久磁石4に関する情報を検出する。
図9は、実施例3を組み込んだアクチュエータ55の内部構造図である。
図9において、50は、回転軸50aを有するモータであり、51は、複数のギヤを介して伝達されるモータ50の駆動力を出力する出力軸であり、この出力軸51は出力ギヤ52と一体に回転する。永久磁石4は、出力軸51と一体に回転する出力ギヤ52に設けられ、磁気センサ1は、出力ギヤ52の回転時に永久磁石4に対向する位置に図示しない基板上に設けられている。アクチュエータが電源オンされた時、制御部63は、モータ50を駆動して出力軸51を所定の一方向に回転させ、磁気センサ1が出力ギヤ52に取り付けられた永久磁石4の磁界を検出すると、A−D変換器62および位相比較器61の情報をもとに、出力軸51の回転位置を初期位置に設定する。
一般に車両用の空気調整装置の気流調整弁は、電源オフ時にそのままの位置で停止する。このため、電源オン時に気流調整弁を初期位置に設定し直さないと、所定の開度に調整することができない。
本例のアクチュエータ55をこのような車両用の空気調整装置の気流調整弁の駆動源として用いることにより、電源オン時に上述のように出力軸51を初期位置に正確に設定して、出力軸51で操作される気流調節弁の初期設定を正確に行うことができる。
2 磁芯
3 出力電圧
4 永久磁石
L1 励磁コイル
L2 検知コイル
r 距離
50 モータ
50a 回転軸
51 出力軸
52 出力ギヤ
55 アクチュエータ
60 包絡線検波回路
61 位相比較器
62 A−D変換器
63 制御部
Claims (6)
- 磁芯が挿入された励磁コイルと検知コイルを具備する磁気センサであって、
前記励磁コイルには低周波が印加され、前記検知コイルには高周波が印加され、
前記検知コイルの磁芯に鎖交する前記励磁コイルの磁束と外部磁界の磁束により、前記検知コイルの磁芯が周期的に磁気飽和状態と磁気不飽和状態を繰り返すことによって変調された前記検知コイルの両端電圧に基づいて、前記外部磁界の磁束を検出することを特徴とする磁気センサ。 - 前記検知コイルの両端電圧の振幅の変調率に基づいて、前記外部磁界の磁束を検出することを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
- 前記検知コイルの両端電圧の振幅の変調波と前記励磁コイルに印加される低周波の位相差を検出する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
- 前記励磁コイルの磁芯は軟鉄で、前記検知コイルの磁芯は可飽和磁芯であることを特徴とする請求項1に記載の磁気センサ。
- 前記請求項1ないし4のいずれか1項に記載の磁気センサを用いたアクチュエータであって、
回転軸を有するモータと、複数のギヤを介して伝達される前記モータの駆動力を出力する出力軸と、前記モータの制御を行う制御部とを有し、前記外部磁界は前記出力軸と一体に回転する出力ギヤに設けられ、前記磁気センサは、前記出力ギヤ回転時に前記外部磁界に対向する位置に設けられている、ことを特徴とするアクチュエータ。 - 電源がオンされた時、前記制御部は、前記モータを駆動して前記出力軸を所定方向に回転させ、前記磁気センサが前記外部磁界を検知すると、前記出力軸の回転位置を初期位置に設定する、ことを特徴とする請求項5に記載のアクチュエータ。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2789987A3 (en) * | 2013-04-10 | 2015-02-18 | Tyco Electronics AMP GmbH | Magnetic sensor, magnetic field sensor, contactless position sensor, and contactless position sensor system |
JP2019211422A (ja) * | 2018-06-08 | 2019-12-12 | 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター | 磁界検出コイルおよびemiアンテナ |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02311776A (ja) * | 1989-05-29 | 1990-12-27 | Nkk Corp | 鋼材の磁気特性測定装置及び方法 |
-
2008
- 2008-07-23 JP JP2008189950A patent/JP5241002B2/ja not_active Expired - Fee Related
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