JP2010025798A - 形状測定装置および形状測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定精度を向上させる。
【解決手段】形状測定装置11は、被検物13を撮像するCCDセンサ31と、CCDセンサ31の1画素に対応する被検物13の表面内に第1の周期で明部と暗部とが繰り返す投影パタンを、被検物13に投影する投影パタン24と、CCDセンサ31の直前または共役面に配置され、被検物13において反射または拡散した光を、第1の周期に対応した第2の周期で明部と暗部とが繰り返す像面パタンに応じて透過させ、CCDセンサ31に入射させる像面パタン30とを備える。また、コントローラ16は、像面パタンの位相を、投影パタンの位相に対して相対的にシフトさせ、位相がシフトされるごとにCCDセンサ31により画像を撮像させ、それらの画像の輝度情報に基づいて被検物13の形状を算出する。本発明は、例えば、被検物の形状を測定する形状測定装置に適用できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、形状測定装置および形状測定方法に関し、特に、測定精度を向上させることができるようにした形状測定装置および形状測定方法に関する。
従来、工業製品等の3次元形状を測定する方法として、合焦点法が広く採用されている。
合焦点法による測定に関する技術としては、例えば、特許文献1が知られている。特許文献1に開示されている装置においては、合焦点法による測定を行う際に、被検物にパタン光を投光し、このパタンを撮像系により撮像し観察して合焦位置を計測することで、かかる被検物の形状を測定している。
このような装置では、一般的に、合焦位置を検出する際に、撮像素子により撮像された画像のコントラスト値が利用される。そして、合焦位置を高精度で検出するために必要なコントラスト値を得るためには、光学系が十分に高いNA(Numerical Aperture:開口数)であるとともに、そのNAに見合った微細なパタン(望ましくは、解像度の限界に近い周期のパタン)を投影することが必要である。
図1を参照して、投影パタンの細かさと、合焦位置の測定精度との関係について説明する。
図1において、横軸は、測定面が光学系の合焦位置による光軸方向にずれている距離を示すデフォーカス量を示しており、デフォーカスが0である位置において、測定面が合焦位置に一致していることを示している。縦軸は、画像のコントラスト値を示している。
図1に示されている曲線L1乃至L6は、6種類の細かさの異なる投影パタンを用いて撮像したときに得られる値を、それぞれの投影パタンごとに繋いだものであり、曲線L1は、最も粗い投影パタンを用いたときに得られた値であり、曲線L2から曲線L6に従って微細な投影パタンが用いられ、曲線L6は、最も微細な投影パタンを用いたときに得られた値である。
図1に示すように、より微細な投影パタンを用いて得られた曲線の方が、ピークが鋭いものとなっており、最も微細な投影パタンを用いて得られた曲線L6のピークが最も鋭くなっている。このように、ピークの鋭い曲線のようなコントラスト値を得ることができれば、測定面にフォーカスが合っているか否か、もしくはデフォーカス具合を詳細に判定することができる。従って、微細な投影パタンを用いることで、測定精度を向上させることができる。
また、測定精度を向上させるために微細な投影パタンを用いる場合、投影パタンに見合った分解能の撮像素子を用いて撮像しなければならないという条件を満たす必要がある。
特許2928548号
上述したように、微細な投影パタンを用いて測定精度を向上させるためには、投影パタンに見合った分解能の撮像素子を用いなければならない。しかしながら、一般的に入手可能な所定の画素数の撮像素子を用いる場合、高精度で観察を行うときには視野が狭くなり、広い視野で観察を行うときには測定精度が低下するという制限がある。従って、所定の画素数の撮像素子を用いた観察において、視野を狭くすることなく、測定精度を向上させることが求められている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、測定精度を向上させることができるようにするものである。
本発明の形状測定装置は、前記被検物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の1画素に対応する前記被検物の表面内に第1の周期で明部と暗部とが繰り返す投影パタンを、前記被検物に投影する投影手段と、前記撮像手段の直前または共役面に配置され、前記被検物において反射または拡散した光を、前記第1の周期に対応した第2の周期で明部と暗部とが繰り返す像面パタンに応じて透過させ、前記撮像手段に入射させる透過手段と、前記投影手段による投影パタン、または前記透過手段による像面パタンのうちの、少なくとも一方のパタンの位相を、他方のパタンの位相に対して相対的にシフトさせた複数の状態の前記被検物を撮像するように前記撮像手段を制御する撮像制御手段と、前記撮像手段により撮像された画像の輝度情報に基づいて前記被検物の形状を算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
本発明の形状測定方法は、被検物の形状を測定する形状測定装置の形状測定方法であって、前記形状測定装置は、前記被検物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段の1画素に対応する前記被検物の表面内に第1の周期で明部と暗部とが繰り返す投影パタンを、前記被検物に投影する投影手段と、前記撮像手段の直前または共役面に配置され、前記被検物において反射または拡散した光を、前記第1の周期に対応した第2の周期で明部と暗部とが繰り返す像面パタンに応じて透過させ、前記撮像手段に入射させる透過手段とを有し、前記投影手段による投影パタン、または前記透過手段による像面パタンのうちの、少なくとも一方のパタンの位相を、他方のパタンの位相に対して相対的にシフトさせるように、前記投影手段または前記透過手段を制御し、前記位相がシフトされるごとに前記被検物を撮像するように前記撮像手段を制御し、前記撮像手段により撮像された画像の輝度情報に基づいて前記被検物の形状を算出するステップを含むことを特徴とする。
本発明の形状測定装置および形状測定方法において、形状測定装置は、被検物を撮像する撮像手段と、撮像手段の1画素に対応する被検物の表面内に第1の周期で明部と暗部とが繰り返す投影パタンを、被検物に投影する投影手段と、撮像手段の直前または共役面に配置され、被検物において反射または拡散した光を、第1の周期に対応した第2の周期で明部と暗部とが繰り返す像面パタンに応じて透過させ、撮像手段に入射させる透過手段とを有する。そして、投影手段による投影パタン、または透過手段による像面パタンのうちの、少なくとも一方のパタンの位相を、他方のパタンの位相に対して相対的にシフトさせるように、投影手段または透過手段が制御され、位相がシフトされるごとに被検物を撮像するように撮像手段が制御され、撮像手段により撮像された画像の輝度情報に基づいて被検物の形状が算出される。
本発明の形状測定装置および形状測定方法によれば、測定精度を向上させることができる。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明を適用した形状測定装置の一実施の形態の構成例を示す図である。
形状測定装置11では、被測定対象である被検物13がステージ12に載置され、測定部14が、被検物13にパタンを投影するとともに、パタンが投影された被検物13を撮像し、画像処理部15が、測定部14から出力される画像データに対して画像処理を施し、コントローラ16が、その画像データから被検物13の形状を求めるとともに、ステージ12および測定部14を制御する。
ステージ12は、図示しない駆動部により図2の上下方向(以下、適宜、Z方向と称する)に駆動可能とされており、コントローラ16の制御に従って駆動することで、光学系の焦点面Sに対する被検物13の相対位置(焦点位置)を変化させる。
測定部14は、被検物13にパタンを投影するための光源21を有しており、光源21から出射された光は、コンデンサレンズ22を介してリレーレンズ23に入射し、リレーレンズ23により、被検物13に投光(照射)される光の焦点面Sと像面共役な面に集光され、投影パタン24に入射する。
投影パタン24は、例えば、透過型の液晶素子により構成され、所定のピッチ(周期)で正弦波状に明部と暗部が形成された正弦波パタン(図3A)が被検物13に投影されるように、光の透過を制御する。
そして、光源21からの光は、投影パタン24を通過することにより正弦波パタンを有するパタン光となり、リレーレンズ25を介してハーフプリズム26に入射する。ハーフプリズム26は、リレーレンズ25からの正弦波パタン光を反射して対物レンズ27に入射させる。対物レンズ27は、ハーフプリズム26からのパタン光を所定の焦点面Sに集光して、正弦波パタンの像を被検物13に投影する。即ち、投影パタン24を経てパタン光となった光源21からの光は、リレーレンズ25、ハーフプリズム26、および対物レンズ27によって、被検物13の焦点面Sに正弦波パタンの像を結ぶことになる。
被検物13に投影された正弦波パタンの像は、被検物13の表面において反射(拡散反射または鏡面反射)して、対物レンズ27を介してハーフプリズム26に入射する。つまり、焦点面Sにできる正弦波パタンの実像が、被検物13で折り返して、対物レンズ27を介してハーフプリズム26に入射する。
ハーフプリズム26は、被検物13において反射され、対物レンズ27から入射した光の一部を透過させ、その光は、リレーレンズ28および結像レンズ29を介して、CCD(Charge Coupled Device)センサ31の受光面に結像される。
CCDセンサ31の直前には像面パタン30が設けられている。像面パタン30は、例えば、エッチング処理などで所定のピッチ(周期)の明部と暗部が形成されたスリットパタンを有する薄いガラスプレートを用いることができる。この像面パタン30により所定のピッチのスリットパタンの光がCCDセンサ31に入射する。また、像面パタン30は、不図示の駆動装置によって精密に駆動可能に構成され、コントローラ16の制御によりCCDセンサ31とスリットパタンの光との関係が、0,120,240degとなるように制御される。これにより位相がシフトされた3通りのスリットパタン(図3B乃至D)の光をCCDセンサ31に入射させることができる。なお、CCDセンサ31の撮像画素が比較的大きい場合は、像面パタン30として液晶素子を用いることができる。
CCDセンサ31は、像面パタン30を介して、0,120,240degで位相がシフトされた3パタンで、正弦波パタンが投影された被検物13を撮像し、その結果得られる画像データを画像処理部15に供給する。
画像処理部15は、CCDセンサ31から供給される画像データに対して、例えば、ノイズ成分を除去する処理等の所定の画像処理を施し、コントローラ16を介して図示しないモニタなどに画像を出力する。
コントローラ16は、画像処理部15から出力される、0,120,240degで位相がシフトされた3パタンの画像データから求められる輝度情報(コントラスト)に基づいて、被検物13の形状を算出する。また、コントローラ16は、後述する図5に示すように、光学系のNA、投影パタン24により投影される正弦波パタンのピッチ(以下、適宜、投影ピッチと称する)、および、ステージ12をZ方向に移動させるピッチ(以下、適宜、Zピッチと称する)が対応付けられて登録されているテーブルを記憶しており、光学系のNAおよび投影ピッチに基づいてZピッチを決定し、そのZピッチでステージ12を移動させる。
次に、図3を参照して、投影パタン24および像面パタン30によるパタンについて説明する。
図3A乃至図3Dは、それぞれCCDセンサ31の1画素に対応する大きさのパタンを示している。
図3Aには、投影パタン24による正弦波パタンが示されている。この正弦波パタンの周期としては、対物レンズ27の解像限界に近いものが望ましく、例えば、光学系のNAが0.1であるとしたとき、解像限界は、λ/2NA=2.75μmとなるので、被検物13上で数μmのピッチとなるような正弦波パタンが好ましい。
図3B乃至図3Dは、像面パタン30によるスリットパタンが示されている。図3Bには、基準となるスリットパタン(0deg)が示されており、図3Cには、スリットパタン(0deg)に対して位相が2π/3シフトされたスリットパタン(+120deg)が示されており、図3Dには、スリットパタン(+120deg)に対して位相が2π/3シフトされた、即ち、スリットパタン(0deg)に対して位相が4π/3シフトされたスリットパタン(+240deg)が示されている。
図3に示すように、投影パタン24による正弦波パタンのピッチと、像面パタン30によるスリットパタンのピッチとは、ほぼ同一とされている。
ここで、例えば、投影パタン24による正弦波パタンのピッチが、6μmである場合、像面パタン30によりスリットパタンを2π/3シフトさせるためには、スリットパタン(0deg)に対して、スリットパタン(+120deg)は2μm移動させ、スリットパタン(+240deg)は2μm移動させればよい。
このように、像面パタン30は、スリットパタンの位相を2π/3ずつシフトさせ、CCDセンサ31が、それぞれの位相において被検物13を撮像することで、3枚1組の画像データが得られる。そして、コントローラ16は、それらの画像データから、各画素での輝度値(各画素が受光した光の光量)を算出する。
即ち、スリットパタン(0deg)で撮像された画像データの点(x,y)での輝度値をI1(x,y)とし、スリットパタン(+120deg)で撮像された画像データの点(x,y)での輝度値をI2(x,y)とし、スリットパタン(+240deg)で撮像された画像データの点(x,y)での輝度値をI3(x,y)とすると、輝度値I1(x,y)乃至I3(x,y)は、次の式(1)で表される。
Figure 2010025798
但し、式(1)において、a(x,y)は、画像データの点(x,y)での環境光(例えば、投影パタン24を介した光源21からの光以外の迷光)を示しており、b(x,y)は、画像データの点(x,y)に対応する被検物13からの戻り光の振幅率を示している。ここで、振幅率とは、完全に合焦しており表面反射率100%の時の振幅を1として規格化した値である。また、φ(x,y)は、投影パタン24における正弦波パタンの初期位相を示している。なお、輝度値には、スリットパタンのピッチも影響を与えるが、3つのスリットパタンは、それぞれピッチが一致しているため、式(1)において、スリットパタンのピッチは省略することができる。
そして、環境光a(x,y)および初期位相φ(x,y)は、輝度値I1(x,y)乃至I3(x,y)において同一であるため、環境光a(x,y)および初期位相φ(x,y)によらず、振幅率b(x,y)を求めることができる。従って、式(1)より、各点での振幅率bは、次の式(2)で表される。
Figure 2010025798
コントローラ16は、この式(2)を演算することにより、画像処理部15から出力される、0,120,240degで位相がシフトされた3パタンの画像データの各点における振幅率bを算出し、振幅率bを画像のコントラスト値とすることができる。
ここで、焦点面Sに一致する被検物13の表面に対応する画像上の点が、コントラスト値が最大となる。従って、コントローラ16は、各Zピッチにおけるコントラスト値が最大となる画像上の点の座標を求めることで、その焦点面Sでの被検物13の形状を求めることができる。
そして、コントローラ16は、所定のZピッチでステージ12を移動させつつ、画像データを取得することで、Z方向の各高さでの被検物13の形状を求め、これにより、被検物13の立体的な形状を求めることができる。
このように、Z方向の測定精度はZピッチによって決まり、Zピッチは、光学系のNAと、投影パタン24による正弦波パタンのピッチとに従って決定される。
次に、図4を参照して、投影パタン24による正弦波パタンのピッチと、Zピッチとの関係について説明する。
図4Aおよび図4Bには、光学系のNAが所定の値であるときに、それぞれ異なるピッチの正弦波パタンを用い、所定の測定面をZ方向に移動させたときに得られるコントラスト値の変化が示されている。
図4Aの正弦波パタンは、例えば、撮像素子の1画素あたり5周期の正弦波のパタンが投影されるピッチとされ、図4Bの正弦波パタンは、例えば、撮像素子の1画素あたり3周期の正弦波のパタンが投影されるピッチとされている。即ち、図4Aの正弦波パタンのピッチの方が、図4Bの正弦波パタンのピッチよりも狭くなっている。
図4では、測定面にピントが合っているZ方向の位置がP0とされ、位置P0から離れるに従い低減していく曲線を示すコントラスト値が示されている。即ち、測定面が位置P0から離れるに従い、コントラストが低下し、撮像素子により撮像される投影パタンのボケが大きくなる。なお、図4には、位置P-2乃至P2において投影パタンを撮像して得られる画像がそれぞれ示されており、位置P0から離れるに従い画像のボケが大きくなっている。
ここで、コントラスト値が、ピークの値から半減した値になるまでのZ方向の距離をZピッチとすると、図4Aに示されているZピッチの方が、図4Bに示されているZピッチより狭くなっている。具体的には、図4AのZピッチは、図4BのZピッチの1/5となっている。このように、正弦波パタンのピッチに従って、Zピッチが決定される。なお、コントラスト値の曲線は、光学系のNAによっても形状が変わるため、光学系のNAおよび正弦波パタンのピッチに従って、Zピッチが決定される。
そして、コントローラ16には、光学系のNAと、正弦波パタンのピッチとを替えながら求められたZピッチが登録されたテーブルが記憶されている。
図5は、光学系のNA、投影ピッチ、およびZピッチが対応付けられて登録されているテーブルを示す図である。
図5には、光学系のNAが0.5であり、投影ピッチがa1乃至anであるであるときに求められたZピッチb1乃至bnと、光学系のNAが0.4であり、投影ピッチがc1およびc2であるときに求められたZピッチd1およびd2とが登録されたテーブルの例が示されている。
例えば、ユーザが、光学系のNAが0.5となるように測定部14のレンズを設定(切り替える)するとともに、投影パタン24による投影ピッチをa2(μm)と指定すると、コントローラ16は、テーブルを参照し、Zピッチをb2(μm)に決定する。そして、コントローラ16は、決定したZピッチごとに画像データを取得するように、ステージ12の移動を制御する。
次に、図6は、図2の形状測定装置11が被検物13の形状を測定する処理を説明するフローチャートである。
例えば、ユーザが、ステージ12に被検物13をセットすると処理が開始され、ステップS11において、図示しない入力装置を操作して、ステージ12をZ方向に移動させる際の開始位置および終了位置を入力すると、コントローラ16は、その開始位置にステージ12を移動させる。
ステップS11の処理後、処理はステップS12に進み、ユーザが、測定部14の各レンズを切り替えると、コントローラ16は、それらのレンズの情報に基づいて光学系のNAを求め、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、ユーザが、図示しない入力装置を操作して、投影パタン24により被検物13に投影させる正弦波パタンの投影ピッチを指定すると、コントローラ16は、ユーザにより指定された投影ピッチの正弦波パタンとなるように、投影パタン24に正弦波パタンをセットする。そして、コントローラ16は、図示しない電源を制御して光源21への電力の供給を開始させ、その投影ピッチに従った正弦波パタンを被検物13に投影させ、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、コントローラ16は、ステップS12で求めたNAと、ステップS13でユーザにより指定された投影ピッチに基づいて、図5に示したテーブルを参照し、Zピッチを決定する。
ステップS14の処理後、処理はステップS15に進み、コントローラ16は、像面パタン30を制御して、基準となる位相のスリットパタン(例えば、図3Bのスリットパタン(0deg))をセットし、処理はステップS16に進む。
ステップS16において、CCDセンサ31は、投影パタン24を介して正弦波パタンが投影されている被検物13の像を、像面パタン30を介して撮像する。
ステップS16の処理後、処理はステップS17に進み、コントローラ16は、コントラストの算出に必要な一組の画像データが得られたか否かを判定する。例えば、図3を参照して説明したように、像面パタン30によるスリットパタンの位相を2π/3ずつシフトさせて3枚の画像データを取得する場合には、3枚1組の画像データが得られたか否かを判定する。
ステップS17において、コントローラ16が、一組の画像データが得られていないと判定した場合、処理はステップS18に進み、コントローラ16は、像面パタン30を制御して、スリットパタンの位相をシフトさせる。ステップS18の処理後、処理はステップS16に戻り、以下、ステップS17で一組の画像データが得られたと判定されるまで同様の処理が繰り返される。
一方、ステップS17において、コントローラ16が、一組の画像データが得られたと判定した場合、処理はステップS19に進み、コントローラ16は、画像処理部15を介して供給される3枚の画像データから、現在のZ方向の位置において撮像された画像のコントラスト値を算出する。
ステップS19の処理後、処理はステップS20に進み、コントローラ16は、ステージ12がステップS11でユーザにより入力された終了位置まで移動されているか否かを判定する。
ステップS20において、コントローラ16が、ステージ12が終了位置まで移動されていないと判定した場合、処理はステップS21に進み、コントローラ16は、ステップS14で決定したZピッチでステージ12を移動させ、処理はステップS15に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
一方、ステップS20において、コントローラ16が、ステージ12が終了位置まで移動されていると判定した場合、処理はステップS22に進む。
ステップS22において、コントローラ16は、ユーザにより入力されたZ方向の範囲における、Zステップごとに得られた被検物13のコントラスト値に基づいて、被検物13の形状データを算出し、処理は終了する。
次に、図7を参照して、本発明を適用した形状測定装置の変形例について説明する。図7の形状測定装置11’では、図2の形状測定装置11と共通する構成について同一の符号を付し、詳細な説明は適宜省略する。
図7の形状測定装置11’においては、投影パタン24により正弦波パタンが投影された被検物13からの光がビームスプリッタ32aおよび32bにより3つの光束に分割され、それぞれの光束を結像させて得られる3つの被検物13の像が、予め位相を2π/3ずらした像面パタン30a乃至30cが固定的に配置されたCCDセンサ31a乃至31cにより取得される。
即ち、形状測定装置11’では、図2の形状測定装置11と同様に、投影パタン24を介した光源21からの光により被検物13に正弦波パタンの像が照射される。そして、被検物13の表面において反射した光は、ハーフプリズム26を通過して、ハーフプリズム26とリレーレンズ28aとの間に配置されたビームスプリッタ32aにより分離される。ビームスプリッタ32aは、入射する光束の1/3を透過してリレーレンズ28aに入射させ、残りの2/3を反射して、ビームスプリッタ32bに入射させる。
ビームスプリッタ32bは、ハーフプリズムであり、入射する光束の1/2を反射してリレーレンズ28bに入射させ、残りの1/2を透過させてミラー33に向かわせる。ミラー33は、全反射ミラーであり、入射する光束の全てを反射し、リレーレンズ28cに入射させる。なお、ミラー33を用いずに、リレーレンズ28c以降の光学系を、ビームスプリッタ32bを透過する光の光軸に沿った方向に配置(即ち、紙面で90度時計方向に回転させて配置)してもよい。
ビームスプリッタ32aを透過した光束は、リレーレンズ28aおよび結像レンズ29aを介して、CCDセンサ31aの受光面に結像される。このとき、CCDセンサ31aの直前には像面パタン30aが、CCDセンサ31aに対して固定的に配置されており、像面パタン30aを通過することでスリットパタンとされた光束による像がCCDセンサ31aにより撮像される。
また、ビームスプリッタ32bにより反射された光束は、リレーレンズ28bおよび結像レンズ29bを介し、像面パタン30bを通過することでスリットパタンとされてCCDセンサ31bの受光面に結像される。また、ミラー33により反射された光束は、リレーレンズ28cおよび結像レンズ29cを介して、像面パタン30cを通過することでスリットパタンとされてCCDセンサ31cの受光面に結像される。
ここで、図3を参照して説明したように、像面パタン30a乃至30cは、CCDセンサ31a乃至31cに対して、互いに位相が2π/3ずらされている。つまり、CCDセンサ31aの撮像範囲に対する像面パタン30aによるスリットパタンの位相を基準(0deg)とすると、CCDセンサ31bの撮像範囲に対する像面パタン30bによるスリットパタンの位相が基準から2π/3ずれる(+120deg)ように、像面パタン30bがCCDセンサ31bに対して固定されている。また、CCDセンサ31cの撮像範囲に対する像面パタン30cによるスリットパタンの位相が基準から4π/3ずれる(+240deg)ように、像面パタン30cがCCDセンサ31cに対して固定されている。
そして、CCDセンサ31a乃至31cは撮像の結果得られる画像データを、画像処理部15にそれぞれ供給し、図2の形状測定装置11と同様に、画像処理部15を介して、コントローラ16に、スリットパタンの位相が相対的にずらされた3枚一組の画像データが供給される。コントローラ16は、それらの画像データから求められる輝度情報に基づいて、被検物13の形状を算出する。
このように構成されている形状測定装置11’では、被検物13の形状の測定を高速化することができる。即ち、図2の形状測定装置11では、被検物13をZ方向に位置決めした状態で像面パタン30をシフトさせ、それぞれの状態で被検物13を順次撮像して輝度情報を取得する必要があった。これに対し、形状測定装置11’は、像面パタン30をシフトさせる必要がなく、ビームスプリッタ32aおよび32bにより光束を分割することで、3枚一組の画像データをほぼ同時に取得し、画像データから輝度情報を一括で取得することができるので、被検物13の形状の測定を高速で行うことができる。
また、形状測定装置11’は、図2の形状測定装置11のように高精度で像面パタン30をシフトさせる必要がなく、像面パタン30をシフトさせる機構が不要であるので、低コストで製造することができる。
以上のように、投影パタン24により正弦波パタンが投影された被検物13を、像面パタン30におけるスリットパタンを介して、そのスリットパタンの位相を相対的にシフトさせた状態で所定枚数の一組の画像データを得ることで、被検物13の形状を測定する測定精度を向上させることができる。
即ち、従来の形状測定方法において、高精度で測定するには微細な投影パタンに見合った分解能の撮像素子を用いる必要があったが、形状測定装置11では、一般的に入手可能な所定の画素数のCCDセンサ31を用いて、例えば、スリットパタンの位相を2π/3シフトさせて3枚の画像を撮像することで、それらの画像データから、被検物13の形状を高精度に測定することができる。
また、被検物13の形状を測定する精度を下げることにより、より広い視野で被検物13の形状を測定することができる。
また、Z方向の測定精度を決めるZピッチは、光学系のNAおよび正弦波パタンの投影ピッチに従って決定することができ、Zピッチを調整することで、任意の測定精度で被検物13を測定することができる。
なお、像面パタン30においてスリットパタンの位相をシフトさせる例について説明したが、例えば、像面パタン30のスリットパタンを固定して、投影パタン24において正弦波パタンの位相をシフトさせて、各位相ごとの画像を撮像するようにしてもよい。
また、投影パタン24または像面パタン30として液晶パネルを用い、その表示を変更させることで正弦波パタンまたはスリットパタンの位相をシフトさせる他、投影パタン24または像面パタン30そのものを駆動部(例えば、ピエゾ素子)などによりシフトさせるようにしてもよい。
なお、像面パタン30によるパタンはスリットパタンに限られるものではなく、投影パタン24との位相差に応じた強度の光を得ることができれば、像面パタン30を正弦波パタンとしてもよい。さらに、測定部14は、像面パタン30がCCDセンサ31の直前に配置されるように構成されているが、例えば、像面パタン30は、共役面に配置することができる。また、センサとしては、CMOSなどの固体増幅型画像センサを用いることができる。
また、上述のフローチャートを参照して説明した各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
投影パタンの細かさと、合焦位置の測定精度との関係を示す図である。 本発明を適用した形状測定装置の一実施の形態の構成例を示す図である。 投影パタン24および像面パタン30によるパタンを説明する図である。 投影ピッチとZピッチとの関係を説明する図である。 光学系のNA、投影ピッチ、およびZピッチが対応付けられて登録されているテーブルを示す図である。 形状測定装置11が被検物13の形状を測定する処理を説明するフローチャートである。 形状測定装置11の他の実施の形態の構成例を示す図である。
符号の説明
11 形状測定装置, 12 ステージ, 13 被検物, 14 測定部, 15 画像処理部, 16 コントローラ, 21 光源, 22 コンデンサレンズ, 23 リレーレンズ, 24 投影パタン, 25 リレーレンズ, 26 ハーフプリズム, 27 対物レンズ, 28 リレーレンズ, 29 結像レンズ, 30 像面パタン, 31 CCDセンサ

Claims (5)

  1. 被検物の形状を測定する形状測定装置において、
    前記被検物を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段の1画素に対応する前記被検物の表面内に第1の周期で明部と暗部とが繰り返す投影パタンを、前記被検物に投影する投影手段と、
    前記撮像手段の直前または共役面に配置され、前記被検物において反射または拡散した光を、前記第1の周期に対応した第2の周期で明部と暗部とが繰り返す像面パタンに応じて透過させ、前記撮像手段に入射させる透過手段と、
    前記投影手段による投影パタン、または前記透過手段による像面パタンのうちの、少なくとも一方のパタンの位相を、他方のパタンの位相に対して相対的にシフトさせた複数の状態の前記被検物を撮像するように前記撮像手段を制御する撮像制御手段と、
    前記撮像手段により撮像された画像の輝度情報に基づいて前記被検物の形状を算出する算出手段と
    を備えることを特徴とする形状測定装置。
  2. 前記投影手段と前記透過手段との少なくとも一方の位置を制御するパタン制御手段
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  3. 前記被検物に前記投影パタンが投影される光軸に沿って、前記投影パタンの前記第1の周期に基づいた移動量ごとに、前記被検物を移動させる移動手段
    をさらに備え、
    前記パタン制御手段は、前記移動手段により前記被検物が前記移動量ごとに移動される所定位置において前記位相をシフトさせ、
    前記撮像制御手段は、前記所定位置において前記パタン制御手段により前記位相がシフトされた回数に応じた枚数の画像が得られるように前記撮像手段を制御する
    ことを特徴とする請求項2に記載の形状測定装置。
  4. 前記投影パタンにおける前記第1の周期と、前記像面パタンにおける前記第2の周期とが略同一である
    ことを特徴とする請求項1に記載の形状測定装置。
  5. 被検物の形状を測定する形状測定装置の形状測定方法において、
    前記形状測定装置は、
    前記被検物を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段の1画素に対応する前記被検物の表面内に第1の周期で明部と暗部とが繰り返す投影パタンを、前記被検物に投影する投影手段と、
    前記撮像手段の直前または共役面に配置され、前記被検物において反射または拡散した光を、前記第1の周期に対応した第2の周期で明部と暗部とが繰り返す像面パタンに応じて透過させ、前記撮像手段に入射させる透過手段と
    を有し、
    前記投影手段による投影パタン、または前記透過手段による像面パタンのうちの、少なくとも一方のパタンの位相を、他方のパタンの位相に対して相対的にシフトさせるように、前記投影手段または前記透過手段を制御し、
    前記位相がシフトされるごとに前記被検物を撮像するように前記撮像手段を制御し、
    前記撮像手段により撮像された画像の輝度情報に基づいて前記被検物の形状を算出する
    ステップを含むことを特徴とする形状測定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114440787A (zh) * 2020-10-30 2022-05-06 株式会社三丰 用于离焦点型工艺的具有投影图案的计量系统

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