JP2010025573A - 曲げ破壊試験方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】断面形状が非対称な試験体であっても、曲げ破壊強度の最小値を容易に取得できること。
【解決手段】一対の支持部材11に支持された試験体1に、負荷部材から支持部材間に荷重Fを作用して試験体を曲げ変形させ、この試験体の曲げ破壊強度を取得する曲げ破壊試験方法において、試験体に荷重を作用させた状態でこの試験体を軸回りに回転させ、試験体に発生した最大撓み方向4を荷重の作用軸3と一致させた状態で荷重を増大させ、試験体が破壊したときの荷重から、この試験体の曲げ破壊強度の最小値を取得するものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、試験体について曲げ破壊強度を取得可能な曲げ破壊試験方法及び装置に関する。
現在、沸騰水型原子炉における配管などの構造体に応力腐食割れや疲労等によるき裂が発生し、進展した場合に、最終的な破壊強度を推定して構造体の健全性を評価する構造体健全性評価法が開発され、その高精度化が進められている。この場合、特許文献1に記載のように、破壊強度を評価するために模擬き裂を導入した試験体の曲げ破壊試験が実施され、破壊強度の評価方法が整備されつつあるが、これまでに使用されてきた試験体は理想的にモデル化されたものであり、荷重の作用軸に対して断面形状が対称な場合についてのみ実施されている。
特開昭58−54545号公報
上述のように、配管に応力腐食割れや疲労等によりき裂状の欠陥が発生した場合を想定して、破壊強度を評価するために曲げ破壊試験が実施されている。しかしながら、実機配管にき裂が発生した場合、き裂を考慮した実機配管の断面形状は必ずしも対称性を有さず、従って、この実機配管を模擬した断面非対称の試験体を用いて曲げ破壊試験を実施した場合、この試験体のいずれの方向に曲げ荷重を負荷すれば曲げ破壊強度の最小値が得られるかを予め予測する必要がある。
いずれの方向に曲げ荷重を作用させた場合に曲げ破壊強度が最小値を示すかを把握せずに曲げ破壊試験を実施し、得られた強度値を用いて実機配管の曲げ破壊強度としたときには、実機配管の曲げ破壊強度を適正に評価できない場合があり、非安全側の評価となってしまう。
即ち、き裂が発生して断面形状が非対称となった実機配管について、曲げ破壊試験により得られた強度データに基づいて保守的な評価(安全側の評価)を実施するためには、断面形状が非対称な試験体を用いた曲げ破壊試験によって、曲げ破壊強度の最小値を得なければならない。
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、断面形状が非対称な試験体であっても、曲げ破壊強度の最小値を容易に取得できる曲げ破壊試験方法及び装置を提供することにある。
本発明に係る曲げ破壊試験方法は、一対の支持部材に支持された試験体に、負荷部材から前記支持部材間に荷重を作用させて前記試験体を曲げ変形させ、この試験体の曲げ破壊強度を取得する曲げ破壊試験方法において、前記試験体に前記荷重を作用させた状態でこの試験体を軸回りに回転させ、前記試験体に発生した最大撓みの方向を前記荷重の作用軸と一致させた状態で前記荷重を増大させ、前記試験体が破壊したときの前記荷重から、この試験体の曲げ破壊強度の最小値を取得することを特徴とするものである。
また、本発明に係る曲げ破壊試験装置は、一対の支持部材に支持された試験体に、負荷部材から前記支持部材間に荷重を作用させて前記試験体を曲げ変形させ、この試験体の曲げ破壊強度を取得する曲げ破壊試験装置において、前記支持部材がリング形状に形成され内周面にて前記試験体を支持し、この支持部材が回転機構により軸回りに回転可能に設けられ、前記試験体に作用する荷重の作用軸に対称な位置で、この試験体の撓み量または前記荷重に基づく力を測定する測定手段を備え、前記試験体に前記荷重を作用させた状態で前記測定手段により測定された前記両対称位置での前記撓み量または前記力が一致する方向に、前記回転機構により前記支持部材を介して前記試験体を軸回りに回転させ、この試験体に発生した最大撓みの方向を前記荷重の作用軸と一致させた状態で前記負荷部材により前記荷重を増大させ、前記試験体が破壊したときの前記荷重から、この試験体の曲げ破壊強度の最小値を取得するよう構成されたことを特徴とするものである。
本発明に係る曲げ破壊試験方法及び装置によれば、試験体に荷重が作用した状態でこの試験体を軸回りに回転させ、試験体に発生した最大撓みの方向、つまり試験体における曲げ破壊強度が最小値を示す方向を荷重の作用軸と一致させた状態で、荷重を増大させて曲げ破壊強度の最小値を取得するので、断面形状が非対称な試験体であっても曲げ破壊強度の最小値を容易に取得できる。従って、この曲げ破壊強度の試験結果に基づいて、断面形状が非対称な構造物の破壊強度を安全側で好適に評価することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づき説明する。
[A]第1の実施の形態(図1〜図5)
図1は、本発明に係る曲げ破壊試験装置の第1の実施の形態を示す全体側面図である。図2は、図1の支持部材及び回転機構を示す断面図である。図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。
図1に示す曲げ破壊試験装置10は、一対の支持部材11に支持された試験体1に、2つの荷重部15を具備する負荷部材12から支持部材11間に荷重Fが作用して、この試験体1を曲げ変形させ、この試験体1が破壊したときの荷重Fから試験体1の曲げ破壊強度を取得するものである。この曲げ破壊試験装置10は、前記支持部材11、前記負荷部材12のほか、回転機構13、及び測定手段としての非接触変位計14を有して構成される。
前記試験体1は、円柱形状の梁または円筒形状の配管などを模擬したものであるが、図4及び図5に示すように、実際の梁や配管に発生するき裂を模擬した模擬き裂2が形成されている。図4に示す試験体1は、外周の一部に模擬き裂2が形成された梁を模擬した試験体である。また、図5(A)に示す試験体1Aは、外周に大きさの異なる模擬き裂2が周方向に2個形成された梁を模擬した試験体である。更に、図5(B)に示す試験体1Bは、内周に大きさの異なる模擬き裂2が周方向に3個形成された配管を模擬した試験体である。
これらの試験体1、1A及び1Bは、上述のように模擬き裂2が形成されているために、断面形状が非対称になっており、き裂が発生した実際の梁や配管などの構造物を正確に模擬したものとなっている。このような試験体1、1A、1Bでは、上述のような模擬き裂2が存在するために、負荷部材12から荷重Fが作用したときに、この荷重Fの作用軸3と、試験体1、1A、1Bに発生した最大撓みの方向(最大撓み方向4)が一致しない場合がある。
この最大撓み方向4は、荷重Fの作用時に試験体1、1A、1Bの曲げ破壊強度が最小値を示す方向である。本来、この最大撓み方向4に荷重Fを作用して得た曲げ破壊強度をこの試験体1、1A、1Bの曲げ破壊強度とすることで、き裂が生じた実際の構造物(梁や配管など)の破壊強度を安全側で評価することが可能となる。尚、以下の説明では、試験体として試験体1を代表して用いる。
図2及び図3に示すように、支持部材11は、内周面16を備えるリング形状に形成され、この内周面16は、軸方向中央部分が内側に凸に湾曲して形成される。そして、この内周面16に試験体1が接することで、この試験体1が支持部材11により支持される。また、支持部材11の外周面17に複数の回転機構13の駆動ローラ18が接することで、支持部材11が回転機構13により支持される。更に、回転機構13の駆動ローラ18が図示しないモータなどにより回転駆動されることで、支持部材11が軸回りに回転可能に設けられる。
図1に示す負荷部材12は、荷重部15を試験体1に圧接することで、試験体1に対して上方から下方へ向かって荷重Fを作用する。非接触変位計14は、図1及び図3に示すように、試験体1が最も撓む試験体1の軸方向中央位置であって、上記荷重Fが作用する作用軸3に対して図3の左右に対称な2箇所の位置A及びBにおいて、試験体1の撓み量を測定する。ここで、非接触変位計14としては、例えばレーザー変位計等が好適である。
上述のように構成された曲げ破壊試験装置10では、負荷部材12が試験体1に荷重Fを作用させ、この状態で非接触変位計14により測定された両位置A、Bでの試験体1の撓み量が一致する方向に、回転機構13により支持部材11を軸回りに回転させ、この支持部材11に支持された試験体1を軸回りに回転させる。
つまり、非接触変位計14により測定された、荷重Fの作用軸3に対称な位置A、Bでの試験体1の撓み量が異なっている場合に、回転機構13は、撓み量が大きい側の位置(例えば位置B)から小さい側の位置(例えば位置A)へ向かって支持部材11を軸回りに回転させ、従って試験体1を軸回りに回転させ、これにより両位置A、Bで測定される試験体1の撓み量を一致させる。
具体的には、図3の右側の位置Bの非接触変位計14により測定された試験体1の撓み量が、図3の左側の位置Aの非接触変位計14により測定された試験体1の撓み量よりも大きかった場合には、図4に示すように、最大撓み方向4は荷重Fの作用軸3上ではなく、荷重Fの作用軸3よりも図4の右側に発生していることになる。そこで、この場合には回転機構13により支持部材11を図3の時計回りに回転させる。この支持部材11の時計回りの回転によって、試験体1も時計回りに回転し、最大撓みの方向(最大撓み方向4)を荷重Fの作用軸3に一致させることが可能となる。
尚、図3の左側の位置Aの非接触変位計14により測定された試験体1の撓み量が、右側の位置Bの非接触変位計14により測定された試験体1の撓み量よりも大きい場合には、回転機構13により支持部材11を図3の反時計回りに回転させればよい。
この試験体1に発生した最大撓みの方向(最大撓み方向4)を荷重Fの作用軸3と一致させた状態で、負荷部材12により試験体1へ作用する荷重Fを増大させていき、試験体1が破壊したときの荷重Fから、この試験体1の曲げ破壊強度の最小値を取得する。
従って、本実施の形態によれば、次の効果を奏する。
負荷部材12が試験体1に荷重Fを作用した状態で、回転機構13により支持部材11を介して試験体1を軸回りに回転させ、この試験体1に発生した最大撓みの方向(最大撓み方向4)、つまり試験体1における曲げ破壊強度が最小値を示す方向を荷重Fの作用軸3と一致させた状態で、荷重Fを増大させて曲げ破壊強度の最小値を取得する。従って、模擬き裂2によって断面形状が非対称となった試験体1であっても、曲げ破壊強度の最小値を容易に取得できる。このため、この曲げ破壊強度の試験結果に基づいて、断面形状が非対称な梁や配管などの実際の構造物の破壊強度を安全側で好適に評価することができる。
[B]第2の実施の形態(図6)
図6は、本発明に係る曲げ破壊試験装置の第2の実施の形態を示す図3に対応する断面図である。この第2の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の曲げ破壊試験装置20が前記実施の形態の曲げ破壊試験装置10と異なる点は、支持部材11を支持し回転させる回転機構13が荷重Fの作用軸3に対して対称な2箇所の位置C及びDに設置され、これらの回転機構13に測定手段としてのロードセル21(荷重計)が取り付けられた点である。
これらのロードセル21は、試験体1に荷重Fが作用したときに回転機構13に作用する荷重Fに基づく力、即ち荷重Fが試験体1に作用したとき、この試験体1から支持部材11を介して回転機構13へ作用する押付力を測定する。試験体1に荷重Fが作用したとき試験体1の強度が低い箇所ほど撓み変形が大きくなり、回転機構13への押付力が大きくなる。従って、荷重Fの作用軸3に対して対称な位置C、Dにおける回転機構13に作用する押付力が均一となったときに、最大撓み方向4が荷重Fの作用軸3と一致することになる。
従って、例えば、図6の右側の位置Dのロードセル21により測定された押付力が、左側の位置Cのロードセル19により測定された押付力よりも大きかった場合には、試験体1の最大撓み量は荷重Fの作用軸3上ではなく、この作用軸3よりも図6の右側に発生していることになる。試験体1の強度が低い箇所ほど大きく撓み、大きな押付力が発生するからである。そこで、この場合には、回転機構13により支持部材11を図6の時計回りに回転させる。これにより、試験体1も時計回りに回転し、最大撓みの発生する方向(最大撓み方法4)を荷重Fの作用軸3に一致させることが可能となる。
尚、図6の左側の位置Cのロードセル21により測定された押付力が、右側の位置Dのロードセル21により測定された押付力よりも大きい場合には、支持部材11を図6の反時計回りに回転させればよい。
試験体1の最大撓み方向4を荷重Fの作用軸3に一致させた状態で、負荷部材12により荷重Fを増大させ、試験体1が破壊したときの荷重Fから、この試験体1の曲げ破壊強度の最小値を取得することが可能となる。従って、本実施の形態においても、前記第1の実施の形態の効果と同様な効果を奏する。
[C]第3の実施の形態(図7〜図10)
図7は、本発明に係る曲げ破壊試験装置の第3の実施の形態を、一部を断面状態で示す全体側面図である。この第3の実施の形態において、前記第1の実施の形態と同様な部分については、同一の符号を付して説明を簡略化し、または省略する。
本実施の形態の曲げ破壊試験装置30が前記第1の実施の形態の曲げ破壊試験装置10と異なる点は、試験体1を支持する支持部材31が、断面円形のリング形状に形成されて回転自在に設けられると共に、内周面にて試験体1を支持し、また、試験体1に荷重Fを作用する負荷部材32の荷重部33が、断面円形のリング形状に形成されて回転自在に設けられると共に、内周面が試験体1に接してこの試験体1に荷重Fを作用するよう設けられた点である。
つまり、支持部材31を備えた支持ユニット34は、図8に示すように、試験体1を挿通可能な開口35が形成された一対のフレーム36間に、開口35の周方向に沿って複数のローラ37が配置され、リング形状の支持部材31は、外周面がローラ37に接して、これらのローラ37により軸回りに回転自在にフレーム36に支持される。
また、図9(A)および(B)に示すように、荷重部33を備えた負荷部材32の荷重ユニット38は、試験体1を挿通可能な開口39が形成された一対のフレーム40間に、開口39の周方向に沿って複数のローラ41が配置され、リング形状の荷重部33は、外周面がローラ41に接し、これらのローラ41により軸回りに回転自在にフレーム40に支持される。負荷部材32から試験体1へ作用される荷重Fは、試験体1の外周面に接する荷重ユニット38の荷重部33から試験体1へ直接作用される。
上述のように構成された曲げ破壊試験装置30では、荷重ユニット38の荷重部33から試験体1に荷重Fが作用したとき、この荷重Fに基づき試験体1が支持ユニット34の支持部材31へ作用する押付力R0(図10)の接線方向の分力T1(図10;共に後述)によって、支持部材31及び荷重部33が軸回りに自動的に回転し、これにより試験体1が軸回りに回転する。この支持部材31及び荷重部33の回転の原理を図10を用いて説明する。
図10の上方より荷重Fが作用したときに、試験体1に最大撓みが発生する方向(最大撓み方向4)が荷重Fの作用軸3と一致せず、図10のように右側に偏って撓もうとしたときには、支持ユニット34の支持部材31は試験体1から、図10の右下方向(最大撓み方向4と同一方向)の押付力R0を受けることになる。この押付力R0は、垂直方向の力Fと水平方向の力T0とに分解でき、垂直方向の力Fは更に、支持部材31と試験体1との接点において、接線方向の力T1と、この力T1に垂直な方向の力R1(R0と同一方向)とに分解できる。この接線方向の力T1の発生により、支持部材31は、荷重ユニット38の荷重部33(図9)と共に、図10の時計回りに回転し、従って試験体1も時計回りに回転する。
上述のようにして試験体1が軸回りに回転することで、試験体1は、最大撓み方向4が荷重Fの作用軸3と一致した状態となり、この状態で負荷部材32により試験体1へ作用する荷重Fを増大させる。そして、試験体1が破壊したときの荷重Fから、この試験体1の曲げ破壊強度の最小値を取得することが可能となる。
従って、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の効果と同様な効果を奏するほか、回転機構13及び測定手段(非接触変位計14、ロードセル21)が削除されることで、コストを低減できる。
以上、本発明を上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上述の各実施の形態では、支持部材11、31が試験体1を2箇所で支持し、負荷部材12、32が試験体1の2箇所に荷重Fを作用する4点曲げ破壊試験装置の場合を述べたが、負荷部材が試験体1の1箇所に荷重Fを作用する3点曲げ破壊試験装置であってもよい。
本発明に係る曲げ破壊試験装置の第1の実施の形態を示す全体側面図。 図1の支持部材及び回転機構を示す断面図。 図2のIII−III線に沿う断面図。 試験体に発生した最大撓み方向と試験体に作用する荷重の作用軸との関係を示す試験体の断面図。 図4の試験体の他の例を示し、(A)が外周面に2つのき裂が生じた円柱形状の試験体、(B)が内周面に3つのき裂が生じた円筒形状の試験体をそれぞれ示す断面図。 本発明に係る曲げ破壊試験装置の第2の実施の形態を示す図3に対応する断面図。 本発明に係る曲げ破壊試験装置の第3の実施の形態を、一部を断面状態で示す全体側面図。 図7の支持部材を備えた支持ユニットを示し、(A)が側断面図、(B)が図8(A)のVIII−VIII線に沿う断面図。 図7の負荷部材の荷重ユニットを示し、(A)が側断面図、(B)が図9(A)のIX−IX線に沿う断面図。 試験体に荷重が作用したときに支持部材が回転する原理を説明するための説明図。
符号の説明
1 試験体
2 模擬き裂
3 荷重の作用軸
4 最大撓み方向
10 曲げ破壊試験装置
11 支持部材
12 負荷部材
13 回転機構
14 非接触変位計(測定手段)
16 内周面
17 外周面
20 曲げ破壊試験装置
21 ロードセル(測定手段)
30 曲げ破壊試験装置
31 支持部材
32 負荷部材
33 荷重部
34 支持ユニット
38 荷重ユニット
A、B 位置
C、D 位置
F 荷重

Claims (9)

  1. 一対の支持部材に支持された試験体に、負荷部材から前記支持部材間に荷重を作用させて前記試験体を曲げ変形させ、この試験体の曲げ破壊強度を取得する曲げ破壊試験方法において、
    前記試験体に前記荷重を作用させた状態でこの試験体を軸回りに回転させ、
    前記試験体に発生した最大撓みの方向を前記荷重の作用軸と一致させた状態で前記荷重を増大させ、
    前記試験体が破壊したときの前記荷重から、この試験体の曲げ破壊強度の最小値を取得することを特徴とする曲げ破壊試験方法。
  2. 前記試験体の軸回りの回転は、前記試験体に作用する荷重の作用軸に対し対称な位置で、前記試験体の撓み量または前記荷重に基づく力を測定し、これらの両位置における撓み量または力が一致する方向に前記試験体を回転させることを特徴とする請求項1に記載の曲げ破壊試験方法。
  3. 前記試験体の軸回りの回転は、前記試験体に作用する荷重の作用軸に対し対称な位置で測定された前記試験体の撓み量または前記荷重に基づく力の大きい側の位置から小さい側の位置へ向かって前記試験体を回転させることを特徴とする請求項2に記載の曲げ破壊試験方法。
  4. 前記試験体の軸回りの回転は、前記試験体に作用する荷重に基づく力の接線方向の分力によって支持部材が軸回りに回転することで引き起こされることを特徴とする請求項1に記載の曲げ破壊試験方法。
  5. 前記試験体は、円柱形状または円筒形状に構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の曲げ破壊試験方法。
  6. 一対の支持部材に支持された試験体に、負荷部材から前記支持部材間に荷重を作用させて前記試験体を曲げ変形させ、この試験体の曲げ破壊強度を取得する曲げ破壊試験装置において、
    前記支持部材がリング形状に形成され内周面にて前記試験体を支持し、この支持部材が回転機構により軸回りに回転可能に設けられ、
    前記試験体に作用する荷重の作用軸に対称な位置で、この試験体の撓み量または前記荷重に基づく力を測定する測定手段を備え、
    前記試験体に前記荷重を作用させた状態で前記測定手段により測定された前記両対称位置での前記撓み量または前記力が一致する方向に、前記回転機構により前記支持部材を介して前記試験体を軸回りに回転させ、
    この試験体に発生した最大撓みの方向を前記荷重の作用軸と一致させた状態で前記負荷部材により前記荷重を増大させ、
    前記試験体が破壊したときの前記荷重から、この試験体の曲げ破壊強度の最小値を取得するよう構成されたことを特徴とする曲げ破壊試験装置。
  7. 前記回転機構による支持部材を介しての試験体を軸回りの回転は、測定手段により測定された荷重の作用軸に対称な位置での前記試験体の撓み量または前記荷重に基づく力の大きい側の位置から小さい側の位置へ向かって前記試験体を回転させ、これにより前記両位置での撓み量または力を一致させるよう構成されたことを特徴とする請求項6に記載の曲げ破壊試験装置。
  8. 前記回転機構は、試験体に作用する荷重の作用軸に対称な位置に設置され、測定手段は、前記試験体に荷重が作用した状態で前記回転機構に作用する、前記荷重に基づく力を測定することを特徴とする請求項6に記載の曲げ破壊試験装置。
  9. 一対の支持部材に支持された試験体に、負荷部材の荷重部から前記支持部材間に荷重を作用させて前記試験体を曲げ変形させ、この試験体の曲げ破壊強度を取得する曲げ破壊試験装置において、
    前記支持部材がリング形状に形成されて回転自在に設けられると共に、内周面にて前記試験体を支持し、
    前記負荷部材の前記荷重部がリング形状に形成されて回転自在に設けられると共に、内周面が前記試験体に接してこの試験体に荷重を作用するよう設けられ、
    前記試験体に前記荷重を作用させたときに生ずる前記支持部材及び前記負荷部材の回転により前記試験体を軸回りに回転させ、
    この試験体に発生した最大撓みの方向を前記荷重の作用軸と一致させた状態で前記負荷部材により前記荷重を増大させ、
    前記試験体が破壊したときの前記荷重から、この試験体の曲げ破壊強度の最小値を取得するよう構成されたことを特徴とする曲げ破壊試験装置。
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