JP2010025342A6 - 永久磁石励磁式ラジアル磁気軸受並びにそのラジアル磁気軸受を備えた磁気軸受装置 - Google Patents

永久磁石励磁式ラジアル磁気軸受並びにそのラジアル磁気軸受を備えた磁気軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明はロータ軸(2)を非接触式に軸受けするための簡単な構造のラジアル磁気軸受(1)を提供することを目的とする。このラジアル磁気軸受(1)は円周方向に分布して配置されたn個の固定子スロット(4)とそれらの固定子スロット(4)間に位置する同じn個の固定子巻歯(5)とを備えた回転磁界形電機固定子(3)を有している。それらの固定子スロット(4)は回転磁界を発生するために多相固定子巻線(6)で巻線されている。
【解決手段】本発明に基づいて、各固定子巻歯(5)の半径方向内側端にそれぞれ軸方向に延びる帯状あるいは板状の永久磁石(7)が配置され、これらの永久磁石(7)は円周方向に互い違いのラジアル磁化方向(M)を有している。
【選択図】図3

Description

本発明は、円周方向に分布して配置されたn個の固定子スロットとそれらの固定子スロット間に位置する同じn個の固定子巻歯とを備えた回転磁界形電機固定子を有する、ロータ軸を非接触式に軸受けするためのラジアル磁気軸受に関する。それらの固定子スロットは回転磁界を発生するために多相固定子巻線で巻線されている。かかる軸受は能動型磁気軸受あるいは能動型永久磁石軸受とも呼ばれる。
本発明はまた、かかるラジアル磁気軸受並びに回転磁界励起用の多相交流調整器を有する磁気軸受装置に関する。その交流調整器は好適にはインバータである。
少なくとも1個のラジアル軸受、少なくとも1つの制御装置並びに半径方向力を発生するための固定子要素と回転子要素から成る磁気軸受装置は、特許文献1で知られている。磁束を発生し磁束を案内する固定子要素と回転子要素は、強磁性部品、コイル(巻線)および永久磁石で構成されている。ラジアル軸受の固定子において、少なくとも1個のコイルを備えた電磁極間にそれぞれ、磁極として形成された1個あるいは複数個の永久磁石が設けられている。それらの磁極は、電磁極の角度範囲における空隙に永久磁石で発生された磁束による磁気電位降下が生ずるように形成されている。
能動型磁気軸受は回転機のロータ軸を非接触式で摩耗無しに軸受するために設計されている。対象機械は1トン以上の質量と500kW以上特に数MWの定格電力を有する。かかる機械は例えば電動機、発電機、タービン機械、圧縮機、ポンプなどである。これらは最高で4000rpm以上の回転数を有する。その運転中において、ラジアル磁気軸受と被軸受けロータ軸との間の空隙は、好適には、特に0.3mm〜0.5mmの範囲に保たれる。
国際公開第01/48389号パンフレット
本発明の課題は、上述した従来技術から出発して、特に簡単な構造をしたラジアル磁気軸受を提供することにある。
さらに本発明の課題は、かかるラジアル磁気軸受を備えた磁気軸受装置を提供することにある。
本発明の課題は特許請求の範囲の請求項1の特徴を有するラジアル磁気軸受によって解決される。その有利な実施態様は従属請求項2〜7に記載されている。また請求項8に、本発明に基づくラジアル磁気軸受を備えた磁気軸受装置が記載されている。
本発明に基づいて、各固定子巻歯の半径方向内側端にそれぞれ軸方向に延びる帯状あるいは板状の永久磁石が配置され、これらの永久磁石は円周方向に互い違いのラジアル磁化極性を有している。ここで「半径方向」とは軸受けされたロータ軸の回転軸線に向いた方向であってそこから離れる方向を意味する。「軸方向」とは回転軸線に対して平行な方向を意味し、「円周方向」とはロータ軸の回転軸線を中心とする接線方向を意味する。ロータ軸の運転軸受中において、ロータ軸の回転軸線は実際には構造的回転軸線ないしラジアル磁気軸受の回転対称軸線に相当する。
本発明に基づくラジアル磁気軸受の大きな利点は、永久磁石で励磁される磁気バイアス形ラジアル磁気軸受の簡単な構造にある。円周方向に分布して配置された複数の永久磁石に沿って半径方向に向いた磁極が生じ、これらの磁極はその極性が互い違いとなり、即ち、N極とS極が互い違いとなっている。その永久磁石磁界は多相固定子巻線の同じ半径方向に重畳して作用する電磁的な回転磁界によって強められるか弱められる。これによって、その回転電磁界によって、軸受けすべき強磁性ロータ軸に的確な半径方向磁力が発生される。
最も単純な場合には、帯状あるいは板状の永久磁石が固定子巻歯の半径方向内側端に接着されている。また、固定子巻歯の半径方向内側端にそれぞれ軸方向に延び接線方向に対向して位置する2つの溝が存在し、これらの溝に永久磁石が軸方向にはめ込まれ、場合によって磁化されることも考えられる。
このラジアル磁気軸受の実施態様において、永久磁石が横断面矩形あるいはリングセグメント形を有している。その後者の場合、永久磁石はその湾曲した外周面に基づいて固定子巻歯の半径方向内側端にぴったり着けられる。
永久磁石の最大半径方向距離が固定子スロットの最小半径方向距離より小さいことによって、本発明に基づくラジアル軸受の構造は一層簡単となる。
好適には、永久磁石の半径方向厚さは固定子スロットの半径方向深さの0.1〜0.5倍である。その代表的な値は0.3倍の範囲にある。
他の有利な実施態様において、永久磁石磁界の磁極対数pVと多相回転磁界の磁極対数pDが値1だけ異なっている。これによって、印加される回転磁界の設定可能な相位置において、有利に、ロータ軸の位置調整のために円周方向に作用する二極の磁界波が発生できる。永久磁石磁界の磁極対数pVは固定子の内周面に設けられた永久磁石の数によって直接設定されている。多相回転磁界の磁極対数pDは回転磁界型電機固定子の相応した多相巻線によって設定される。
好適には、固定子多相巻線は穴数(Lochzahl)q=2/5の三相交流巻線である。その穴数は、固定子スロット数を相数並びに回転磁界により発生された電磁石極の数で割り算した商である。
回転磁界形電機固定子が12個の固定子スロット並びに12個の永久磁石を有していることが特に有利である。その永久磁石磁界は6の磁極対数pVを有し、三相回転磁界は三相交流調整器による励磁時に5の磁極対数pDを有する。かかるラジアル磁気軸受は、有利に、構造的に非常に簡単で最もコンパクトな構造を有する。
さらに、ラジアル磁気軸受の内径とその軸長の比は、好適には、0.3〜2であり、特に0.8〜1.25である。特別な用途において、その比は例えば0.2のようなそれ以下の値あるいは例えば5のようなそれ以上の値にもできる。
また本発明の課題は、本発明に基づくラジアル磁気軸受と回転磁界励磁用の多相交流調整器とを備えた磁気軸受装置によって解決される。
以下図を参照して本発明並びにその有利な実施例を詳細に説明する。
ロータ軸を非接触式に軸受けするためのラジアル磁気軸受を備えた回転機の部分断面図。 インバータの形態の三相交流調整器と後置接続されたラジアル磁気軸受を備えた磁気軸受装置の電気回路図。 本発明に基づくラジアル磁気軸受の軸断面図の例。 図3に示された本発明に基づくラジアル磁気軸受の上部の拡大詳細図。
図1はロータ軸2を非接触的に軸受けするためのラジアル磁気軸受1を備えた回転機20を示している。符号Aはロータ軸2の回転軸線、ALはラジアル磁気軸受1の軸長、IDはラジアル軸受1の内径である。図示された回転機20は好例として、回転子部21と符号3が付された回転磁界型電機固定子を備えた電動機である。またその回転機20はポンプ、圧縮機、スピンドルあるいは他の回転機械でもある。さらにその回転機20は、好適には、タービン機械である。符号22はラジアル磁気軸受1のエネルギ供給の喪失時にロータ軸2を受けるためのいわゆる控え軸受である。
図2は、インバータとして形成された三相交流調整器11と出力側に接続されたラジアル磁気軸受1を備えた磁気軸受装置10を示し、その結線技術的な観点において、ラジアル磁気軸受1の固定子巻線6の例として3つのコイルLU、LV、LWだけが示されている。符号U、V、Wは交流調整器11の相であり、iU、iV、iWはそれらの回転磁界励磁用の相電流である。
図3は本発明に基づくラジアル磁気軸受1を軸断面図で示している。符号3が付された回転磁界型電機固定子は、好適には、磁気軸受1の運転中に生ずるうず電流損を減少するために軸方向に連続配置された多数のダイナモ鋼板(けい素鋼板)から成る積層鋼板セットである。図示されたラジアル磁気軸受1は好例として12個の固定子スロット4を有し、これらの固定子スロット4にそれぞれ、三相コイルLU、LV、LWから成る1つの好例としての三相固定子巻線6がはめ込まれている。そのスロットの巻線は、磁極対数pDを形成するために短節巻で行われている。「短節巻」形の固定子巻線ないし交流電流巻線とは、コイルLU、LV、LWの2つあるいはそれ以上の相線が他の相線と一緒に共通スロットに入れられていることを意味する。符号5は固定子スロット4間に位置する固定子巻歯である。
本発明に基づいていまや、固定子巻歯5の各半径方向内側端に、軸方向に延びる帯状あるいは板状の永久磁石7が配置されている。これらの永久磁石7は円周方向において互い違いのラジアル磁化方向Mを有している。これはそれぞれの永久磁石7のN磁極からS磁極への記入された矢印で示されている。図示されたラジアル磁気軸受1の中央に、回転軸線Aを中心として回転する支持されたロータ軸2が横断面で示されている。ロータ軸2とラジアル磁気軸受1の内周面との間に空隙LSが存在している。この空隙LSは正常な磁気軸受中において約0.3mm〜0.5mmである。図3の実施例にさらに示されているように、永久軸受7の最大半径方向間隔RPは固定子スロット4の最小半径方向間隔RSより小さい。
図4は図3に示された回転磁界型電機固定子3の上部を拡大して示している。この図において、永久磁石7の断面リングセグメント形が理解できる。これによって、永久磁石7の外周側輪郭は固定子巻歯5の内周側輪郭と一致している。その場合、図示された永久磁石7の半径方向厚さRDは、固定子スロット4の半径方向深さRTの0.1〜0.5倍である。この実施例においてその半径方向厚さRDはRTの約0.3倍である。磁界案内を向上するために、固定子巻歯5は半径方向において回転軸線Aに対して接線方向に拡大されている。固定子巻歯5は永久磁石7に隣り合うこの部位が脚部Fを形成している。隣り合う永久磁石7間ないし固定子巻歯5間にそれぞれ軸方向に延びる溝あるいは隙間8が存在している。これらの溝8には場合によっては好適に例えばプラスチックのような非磁性材料が封入される。これによって、回転磁界型電機固定子3の内周面への永久磁石7の機械的固定が高められる。
本発明に基づくラジアル磁気軸受1は穴数(Lochzahl)q=2/5の三相交流巻線6である。これは、6の磁極対数pVの永久磁石磁界を発生するn=12個の永久磁石と、それぞれの相線LU、LV、LWを5の磁極対数pDで短節巻分布した三相交流巻線6から結果として生ずる。換言すれば、三相交流調整器11による交流巻線6の三相励磁時に、回転軸線Aを中心とした回転方向に形成される10極の調節可能な磁界が発生される。
1 ラジアル磁気軸受
2 ロータ軸
3 回転磁界型電機固定子
4 固定子スロット
5 固定子巻歯
6 固定子巻線
7 永久磁石
11 三相交流調整器

Claims (8)

  1. 円周方向に分布して配置されたn個の固定子スロット(4)とそれらの固定子スロット(4)間に位置する同じn個の固定子巻歯(5)とを備えた回転磁界形電機固定子(3)を有し、それらの固定子スロット(4)が回転磁界を発生するために多相固定子巻線(6)で巻線されている、ロータ軸(2)を非接触式に軸受けするためのラジアル磁気軸受であって、
    各固定子巻歯(5)の半径方向内側端にそれぞれ軸方向に延びる帯状あるいは板状の永久磁石(7)が配置され、これらの永久磁石(7)が円周方向に互い違いのラジアル磁化方向(M)を有していることを特徴とするロータ軸を非接触式に軸受けするためのラジアル磁気軸受。
  2. 永久磁石(7)が横断面矩形あるいはリングセグメント形を有していることを特徴とする請求項1に記載のラジアル磁気軸受。
  3. 永久磁石(7)の最大半径方向距離(RP)が固定子スロット(4)の最小半径方向距離(RS)より小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のラジアル磁気軸受。
  4. 永久磁石(7)の半径方向厚さ(RD)が固定子スロット(4)の半径方向深さ(RT)の0.1〜0.5倍であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のラジアル磁気軸受。
  5. 永久磁石磁界の磁極対数pVと多相回転磁界の磁極対数pDが値1だけ異なっていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のラジアル磁気軸受。
  6. 多相固定子巻線(6)が穴数(Lochzahl)q=2/5の三相交流巻線であることを特徴とする請求項5に記載のラジアル磁気軸受。
  7. 回転磁界形電機固定子(3)が12個の固定子スロット(4)並びに12個の永久磁石(7)を有し、永久磁石磁界が6の磁極対数pVを有し、三相回転磁界が三相交流調整器(11)による励磁時に5の磁極対数pDを有することを特徴とする請求項6に記載のラジアル磁気軸受。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1つに記載のラジアル磁気軸受(1)と回転磁界励磁用の多相交流調整器(11)を備えていることを特徴とする磁気軸受装置。
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