JP2010024334A - ポリグリセリンの製造方法およびポリグリセリン製造用の触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、環状生成物が少ない上に、生産性に優れたポリグリセリンの製造方法を提供することを目的とする。また、ポリグリセリンを製造するのに適したポリグリセリン製造用触媒を提供することを目的とする。
【解決手段】 触媒の存在下、グリセリンを重縮合させて得るポリグリセリンの製造方法であって、前記触媒が、下記の成分(A)および成分(B)を必須に含有する、ポリグリセリンの製造方法。
成分(A):アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M)を含有する、少なくとも1種の化合物
【選択図】なし
【解決手段】 触媒の存在下、グリセリンを重縮合させて得るポリグリセリンの製造方法であって、前記触媒が、下記の成分(A)および成分(B)を必須に含有する、ポリグリセリンの製造方法。
成分(A):アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M)を含有する、少なくとも1種の化合物
【選択図】なし
Description
本発明はポリグリセリンの製造方法とポリグリセリンの製造に使用される触媒に関するものである。詳細には、環状副生成物が少なく、生産性の高いポリグリセリンの製造方法とポリグリセリンの製造に使用される触媒に関するものである。
近年、界面活性剤は洗浄性と生分解性を求められ、天然物でありかつ植物性の原料が好まれている。イオン性の界面活性剤において、主にアルキル部分を直鎖にすることで生分解性が改善されてきている。石油由来のエチレンオキシドやプロピレンオキシドを用いる非イオン性界面活性剤においては、原料中にジエチレングリコールなど毒性を有する副生物を含有する可能性があると懸念されており、天然物由来の原料を使用することが望ましいとされている。
従来より、毒性の少ない非イオン部分の原料ソースとしてポリグリセリンが使用されている。界面活性剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルや加水分解性に優れているポリグリセリンアルキルエーテルが上市されているが、他の非イオン系界面活性剤に比較して占有比率は低くなっている。その理由の一つとして、グリセリンを重縮合させる際に直鎖のポリグリセリンと共に環状物が生成するため、目的とする性能が得られにくいという欠点があるからである。
これまでに、上記欠点を解消することを含めて、グリセリンを重縮合させる際に使用する触媒について検討されている。例えば、特許文献1や特許文献2のように酸触媒を用いると、反応速度が大きく反応温度も低いが、副反応も大きく、環状物の生成や黒色化が急激に進行し、また反応後の精製も非常に難しくなるという問題があった。更に重合を進めると、ゲル化がおきて系全体が固化してしまう問題があった。また酸性ゼオライトを使用すると環状物が優先して生成するという問題があった。
一方、アルカリ触媒を用いた場合は反応温度が高く、しかも長時間を必要とするため結果として副反応が生じて着色も進行する。更に分子内脱水縮合も進行するため、環状生成物は増加する傾向にある。また、脱水速度を早めるために減圧で反応する方法が報告されているが(例えば特許文献3、4、5)、環状生成物は単に系外に除かれているだけで、長時間の反応による環状生成物の多量生成は依然解消されていない。
副反応による環状物の生成を抑制するために、アルカリ触媒に酸化アルミニウム等を添加して併用した系が報告されている(例えば特許文献6、7)。確かにこの系では、環状生成物は少なくなるが、アルカリ触媒成分が酸化アルミニウムに阻害されるためか反応速度が極めて遅くなり、また実施例の条件では反応率は50〜60%であり、生産性が悪いという問題があった。
本発明は、環状生成物が少ない上に、生産性に優れたポリグリセリンの製造方法を提供することを目的とする。さらには、そのようなポリグリセリンを製造するのに適したポリグリセリン製造用触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、触媒の存在下でグリセリンを重縮合させるポリグリセリンの製造において、アルカリ触媒を単独で使用すると、多量の環状生成物が発生することをまず確認した。これは直鎖のポリグリセリン2量体がまず生成されるが、直鎖の縮合反応と同時に分子内での脱水縮合が優先して起き、その両者の反応には選択性がなく等価であるため、直鎖の重合と分子内の環化反応がほぼ等しい速度で進行し、多量の環状生成物が発生すると考えられる。そして、この環化反応を効率よく抑制し、さらには生産性を高める触媒について本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、主反応触媒が特定のアルカリ触媒である成分(A)を使用し、さらに触媒として成分(B)を併用することにより、環状生成物が少なく、かつ生産性の高いポリグリセリンが得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、触媒の存在下、グリセリンを重縮合させて得るポリグリセリンの製造方法であって、前記触媒が、下記の成分(A)および成分(B)を必須に含有する、ポリグリセリンの製造方法、である。
成分(A):アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M)を含有する、少なくとも1種の化合物
成分(A):アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M)を含有する、少なくとも1種の化合物
また、前記成分(B)が、前記金属(M)の酸化物および/または塩類であることが好ましい。
また、前記金属(M)が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、スカンジウム、イットリウム、セリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、コバルト、亜鉛、ホウ素およびスズからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。
また、前記金属(M)が、アルカリ土類金属、3族金属および4族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。
また、前記金属(M)が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。
また、前記成分(B)が、下記の成分(B1)および成分(B2)を必須に含有することが好ましい。
成分(B1):チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M1)を含有する、少なくとも1種の化合物
成分(B2):スカンジウムおよびイットリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M2)を含有する、少なくとも1種の化合物
また、前記金属(M)が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、スカンジウム、イットリウム、セリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、コバルト、亜鉛、ホウ素およびスズからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。
また、前記金属(M)が、アルカリ土類金属、3族金属および4族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。
また、前記金属(M)が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であることが好ましい。
また、前記成分(B)が、下記の成分(B1)および成分(B2)を必須に含有することが好ましい。
成分(B1):チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M1)を含有する、少なくとも1種の化合物
成分(B2):スカンジウムおよびイットリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M2)を含有する、少なくとも1種の化合物
また、前記成分(A)と前記成分(B)の重量比(A/B)が0.01〜100であることが好ましい。
また、グリセリンに対して、前記成分(A)の重量割合が0.1〜5重量%であり、前記成分(B)の重量割合が0.1〜5重量%であるあることが好ましい。
また、グリセリンに対して、前記成分(A)の重量割合が0.1〜5重量%であり、前記成分(B)の重量割合が0.1〜5重量%であるあることが好ましい。
また、本発明は、下記の成分(A)と成分(B)を必須に含有する、ポリグリセリン製造用の触媒に関する。
成分(A):アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M)を含有する、少なくとも1種の化合物
成分(A):アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M)を含有する、少なくとも1種の化合物
本発明のポリグリセリンの製造方法のように、特定の触媒を併用することによって、環状生成物が少なく、かつ生産性の高いポリグリセリンを得ることが可能である。また、このようなポリグリセリンに適したポリグリセリン製造用触媒を提供することが可能である。
本発明は、触媒の存在下、グリセリンを重縮合させて得るポリグリセリンの製造方法であって、前記触媒が後述の成分(A)と成分(B)を必須に含有するポリグリセリンの製造方法である。以下詳細に説明する。
(成分(A))
成分(A)はアルカリ触媒であり、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。従って、1種の化合物であってもよく、2種以上を併用してもよい。炭酸塩には炭酸水素塩が含まれ、リン酸塩には、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、ニリン酸塩、三リン酸塩等が含まれる。アルコキシドを構成するR1O−基のR1は、炭素数1〜12のアルキル基であり、炭素数は1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。これらの中でも、水分吸収率が低く、反応速度が大きくてポリマー転化率が高いことから、アルカリ金属の炭酸塩が好ましい。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられるが、これらのなかでも、反応速度が大きくてポリマー転化率が高いことから、ナトリウム、カリウムが好ましく、ナトリウムがさらに好ましい。
成分(A)はアルカリ触媒であり、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。従って、1種の化合物であってもよく、2種以上を併用してもよい。炭酸塩には炭酸水素塩が含まれ、リン酸塩には、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、ニリン酸塩、三リン酸塩等が含まれる。アルコキシドを構成するR1O−基のR1は、炭素数1〜12のアルキル基であり、炭素数は1〜4が好ましく、1〜2がより好ましい。これらの中でも、水分吸収率が低く、反応速度が大きくてポリマー転化率が高いことから、アルカリ金属の炭酸塩が好ましい。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられるが、これらのなかでも、反応速度が大きくてポリマー転化率が高いことから、ナトリウム、カリウムが好ましく、ナトリウムがさらに好ましい。
具体的な成分(A)としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸リチウム、3リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、3リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムブチラート等が挙げられる。これらの中でも、イオン性、塩基性が高いことから、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウムエチラート、ナトリウムブチラートが好ましく、さらには炭酸ナトリウムが好ましい。
ポリグリセリンを製造する際の触媒に含有される成分(A)は、出発原料のグリセリン100重量%に対して0.1〜5重量%の重量割合で使用するのが好ましく、0.3〜3重量%がより好ましく、0.5〜2重量%がさらに好ましく、0.75〜1.5重量%が特に好ましい。0.1重量%未満の場合、反応が完結せず未反応グリセリンが残留する場合がある。一方、5重量%超の場合、使用したアルカリ触媒が残留する場合がある。
(成分(B))
成分(B)は、金属(M)を含有する少なくとも1種の化合物である。従って、1種の化合物であってもよく、2種以上を併用してもよい。触媒として、成分(A)に加え、成分(B)を併用すると、酸素親和性が高い金属が多量にグリセリンに配位するため中央がブロックされた構造になることにより水素の引き抜きが起こりにくくなり、その結果、環状生成物や着色が少なく、生産性の高いポリグリセリンを得ることが可能になると推測される。
金属(M)は、アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である。遷移金属としては、3族金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属の金属をいう。
成分(B)は、金属(M)を含有する少なくとも1種の化合物である。従って、1種の化合物であってもよく、2種以上を併用してもよい。触媒として、成分(A)に加え、成分(B)を併用すると、酸素親和性が高い金属が多量にグリセリンに配位するため中央がブロックされた構造になることにより水素の引き抜きが起こりにくくなり、その結果、環状生成物や着色が少なく、生産性の高いポリグリセリンを得ることが可能になると推測される。
金属(M)は、アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である。遷移金属としては、3族金属、4族金属、5族金属、6族金属、7族金属、8族金属、9族金属、10族金属、11族金属の金属をいう。
金属(M)の具体例としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属;スカンジウム、イットリウム、セリウム等を含むランタノイド、アクチノイド等の3族金属;チタン、ジルコニウム、ハフニウム等の4族金属;バナジウム、ニオブ、タンタル等の5族金属;クロム、モリブテン、タングステン等の6族金属;マンガン、レニウム等の7族金属;鉄、ルテニウム、オスミウム等の8族金属;コバルト、ロジウム、イリジウム等の9族金属;ニッケル、パラジウム、白金等の10族金属;銅、銀、金等の11族金属;亜鉛、カドミウム等の12族金属;ホウ素;スズ等が挙げられる。
これらの中でも、酸性度があり酸素に配位しやすいことから、好ましい金属(M)としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、スカンジウム、イットリウム、セリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、コバルト、亜鉛、ホウ素およびスズからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。また、好ましい族の金属(M)としては、アルカリ土類金属、3族金属および4族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。さらに好ましい金属(M)としては、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。
これらの中でも、酸性度があり酸素に配位しやすいことから、好ましい金属(M)としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、スカンジウム、イットリウム、セリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、コバルト、亜鉛、ホウ素およびスズからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。また、好ましい族の金属(M)としては、アルカリ土類金属、3族金属および4族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。さらに好ましい金属(M)としては、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属が挙げられる。
成分(B)である金属(M)を含有する化合物としては、前記金属(M)の酸化物、塩類、アセチルアセトン型金属錯体等が挙げられ、前記金属(M)の酸化物および/または塩類であることが好ましい。
塩類としては、金属(M)の無機酸塩、有機酸塩が挙げられ、金属(M)が4族金属(チタン族金属)の場合には、チタニル基TiO2+、ジルコニル基ZrO2+、ハフニル基HfO2+等の塩を含む。無機酸塩としては炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、硫酸塩等が挙げられ、有機酸塩としては、カルボン酸塩が挙げられる。カルボン酸塩を構成するカルボン酸としては、酢酸、酪酸、吉草酸等のモノカルボン酸やフマル酸、マロン酸、酒石酸、フタル酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸等が挙げられる。
モノカルボン酸塩を構成するカルボン酸残基をR1COO−としたとき、R1は水素原子または飽和もしくは不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基の炭素数は1〜25が好ましく、1〜17がより好ましく、1〜7がさらに好ましい。炭化水素基は、脂肪族、脂環族、芳香族等であってもよい。好適なR1の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、イソプロピル、tert−ブチル、2−メチルプロピル、2,2’−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、2−エチルヘキシル、ビニル、アリル、2−ブテニル、6−メチル−4−ヘプテニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニル、フェニル、トリル、クメチル、ベンジル、ベンツヒドリル、フェネチル、トリチル、ナフチル等の炭化水素基が挙げられる。
塩類としては、金属(M)の無機酸塩、有機酸塩が挙げられ、金属(M)が4族金属(チタン族金属)の場合には、チタニル基TiO2+、ジルコニル基ZrO2+、ハフニル基HfO2+等の塩を含む。無機酸塩としては炭酸塩、硝酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、硫酸塩等が挙げられ、有機酸塩としては、カルボン酸塩が挙げられる。カルボン酸塩を構成するカルボン酸としては、酢酸、酪酸、吉草酸等のモノカルボン酸やフマル酸、マロン酸、酒石酸、フタル酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸等が挙げられる。
モノカルボン酸塩を構成するカルボン酸残基をR1COO−としたとき、R1は水素原子または飽和もしくは不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基の炭素数は1〜25が好ましく、1〜17がより好ましく、1〜7がさらに好ましい。炭化水素基は、脂肪族、脂環族、芳香族等であってもよい。好適なR1の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、イソプロピル、tert−ブチル、2−メチルプロピル、2,2’−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、2−エチルヘキシル、ビニル、アリル、2−ブテニル、6−メチル−4−ヘプテニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニル、フェニル、トリル、クメチル、ベンジル、ベンツヒドリル、フェネチル、トリチル、ナフチル等の炭化水素基が挙げられる。
アセチルアセトン型金属錯体としては、アセチルアセトンCH3COCH2COCH3を含むR2COCH2COR3で示される化合物(X)と金属(M)とで形成される金属錯体をいい、金属の原子価および配位数によって各種の形をとることができる。金属(M)が4族金属(チタン族金属)の場合には、チタニル基TiO2+、ジルコニル基ZrO2+、ハフニル基HfO2+等と化合物(X)とで形成される金属錯体を含む。R2およびR3は、それぞれ独立して、水素原子または飽和もしくは不飽和の炭化水素基であり、炭化水素基の炭素数は1〜25が好ましく、1〜17がより好ましく、1〜7がさらに好ましい。炭化水素基は、脂肪族、脂環族、芳香族等であってもよい。好適なR2およびR3の例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、トリコシル、テトラコシル、ペンタコシル、イソプロピル、tert−ブチル、2−メチルプロピル、2,2’−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、2−エチルヘキシル、ビニル、アリル、2−ブテニル、6−メチル−4−ヘプテニル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロヘキシル、シクロヘキセニル、1,3−シクロヘキサジエニル、フェニル、トリル、クメチル、ベンジル、ベンツヒドリル、フェネチル、トリチル、ナフチル等の炭化水素基が挙げられる。
成分(B)の具体例としては、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、オクチック酸レアアース、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、酸化チタニア、酸化ジルコニア、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オクチック酸ジルコニウム、炭酸チタン、炭酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、リン酸ジルコニウム、オクチック酸チタン、ジルコニウムアセチルアセトネート、チタンアセチルアセトネート、オクチック酸コバルト、オクチック酸スズ、オクチック酸セシウム等が挙げられる。これらのなかでも、オクチック酸レアアース、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、酸化チタニア、酸化ジルコニア、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、オクチック酸ジルコニウム、炭酸チタン、炭酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウムが好ましく、酸化イットリウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム、酸化スカンジウムがさらに好ましい。
ポリグリセリンを製造する際の触媒に含有される成分(B)の重量割合は、出発原料のグリセリン100重量%に対して0.1〜5重量%の割合で使用するのが好ましく、0.2〜1重量%がより好ましく、0.3〜0.5重量%が特に好ましい。0.1重量%未満の場合、環状物が多く生成する場合がある。一方、5重量%超の場合、使用した成分(B)を除去できず残留する場合がある。
また、成分(A)と成分(B)の重量比(A/B)は、0.01〜100であることが好ましく、0.1〜50がより好ましく、0.2〜10がさらに好ましい。重量比が0.01未満の場合、貴金属類である成分(B)が増え、コストが高く経済的に不利となる場合がある。一方、重量比が100超の場合、着色がやや増大する場合がある。
本発明において、より効果的に、環状生成物や着色が少なく、生産性の高いポリグリセリンを得るためには、成分(B)は次の成分(B1)および成分(B2)を必須に含有することが好ましい。成分(B1)としては、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M1)を含有する化合物であり、該化合物は1種または2種以上であってよい。成分(B2)としては、スカンジウムおよびイットリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M2)を含有する化合物であり、該化合物は1種または2種以上であってもよい。成分(B1)、(B2)は、各金属(M1)、(M2)の酸化物、塩類、アセチルアセトン型金属錯体等が挙げられ、各金属(M1)、(M2)の酸化物および/または塩類であることが好ましい。酸化物、塩類およびアセチルアセトン型金属錯体は前述と同意義である。
本発明の効果をより発揮させるためには、前記成分(B1)と前記成分(B2)の重量比(B1/B2)は、1〜100であることが好ましく、1〜50がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。
本発明の効果をより発揮させるためには、前記成分(B1)と前記成分(B2)の重量比(B1/B2)は、1〜100であることが好ましく、1〜50がより好ましく、1〜10がさらに好ましい。
また、本発明の効果を阻害しない範囲で、ポリグリセリンを製造する際の触媒に酸化アルミニウム系触媒を含有させてもよいが、反応速度、反応率(転化率)を向上させるためには、酸化アルミニウム系触媒は必須の成分(A)や成分(B)よりも少ないほうが好ましく、さらには実質的に含有しないほうが好ましい。詳細には、ポリグリセリンを製造する際の触媒に含有される酸化アルミニウム系触媒の重量割合は、ポリグリセリン100重量%に対して、0.1重量%未満が好ましく、0.05重量%未満がさらに好ましく、0重量%が特に好ましい。
酸化アルミニウム系触媒としては、例えば特許文献7に挙げられているものをいい、活性アルミナ、酸化アルミニウム試薬等の酸化アルミニウム自体の他、活性白土、ゼオライト等が挙げられる。
酸化アルミニウム系触媒としては、例えば特許文献7に挙げられているものをいい、活性アルミナ、酸化アルミニウム試薬等の酸化アルミニウム自体の他、活性白土、ゼオライト等が挙げられる。
(グリセリン)
本発明で使用するグリセリンとしては、特に限定はなく、バイオディーセル用の原料のけん化によって生じるグリセリンや、動植物由来のグリセリン等を原料として使用できる。
本発明で使用するグリセリンとしては、特に限定はなく、バイオディーセル用の原料のけん化によって生じるグリセリンや、動植物由来のグリセリン等を原料として使用できる。
(ポリグリセリンの製造方法)
本発明のグリセリンを重縮合させて得るポリグリセリンの製造方法として、前述以外の限定は特に無く、通常採用し得る反応条件等が可能である。例えば、以下のような製造方法の一例が挙げられる。
反応:温度計、窒素導入管、還流管を備えた500mlの4つ口フラスコにグリセリン300gを入れる。水分は0.5重量%以下であることを確認しておく。触媒を投入し、窒素で十分に置換し、温度を250℃に設定して約1時間で上昇させる。時間ごとに生成された水を抜き、反応進行の目安とする。時間ごとにサンプリングして後日GC分析を行い、反応の進行と生成物の比率を決定する。窒素流量はバブリングしながら0.2LPMの速度で行う。反応進行5時間後に0.5LPMに上昇させる。反応は7時間から9時間で留出物が急激に減少した時点を持って終点とする。生成物について、ガードナーテストで着色度を決定する。水酸基価を測定し見かけの重合度を決定する。
精製:反応母液を加圧ろ過して、不溶性の無機物を除去する。ろ液に等量の水を加えて、全量の1%の活性炭(微粉)を加える。加熱して90〜95℃で1時間攪拌する。ろ過後、イオン交換処理を行い、アルカリ分を除去後、減圧して水分を留去する。
本発明のグリセリンを重縮合させて得るポリグリセリンの製造方法として、前述以外の限定は特に無く、通常採用し得る反応条件等が可能である。例えば、以下のような製造方法の一例が挙げられる。
反応:温度計、窒素導入管、還流管を備えた500mlの4つ口フラスコにグリセリン300gを入れる。水分は0.5重量%以下であることを確認しておく。触媒を投入し、窒素で十分に置換し、温度を250℃に設定して約1時間で上昇させる。時間ごとに生成された水を抜き、反応進行の目安とする。時間ごとにサンプリングして後日GC分析を行い、反応の進行と生成物の比率を決定する。窒素流量はバブリングしながら0.2LPMの速度で行う。反応進行5時間後に0.5LPMに上昇させる。反応は7時間から9時間で留出物が急激に減少した時点を持って終点とする。生成物について、ガードナーテストで着色度を決定する。水酸基価を測定し見かけの重合度を決定する。
精製:反応母液を加圧ろ過して、不溶性の無機物を除去する。ろ液に等量の水を加えて、全量の1%の活性炭(微粉)を加える。加熱して90〜95℃で1時間攪拌する。ろ過後、イオン交換処理を行い、アルカリ分を除去後、減圧して水分を留去する。
本発明のポリグリセリンの製造方法は、環状生成物の少ないポリグリセリンを製造するのに好適である。また、直鎖状の高重合度領域のポリグリセリンを生成することに対しても効果があり、効率的である。ここでいう高重合度領域のポリグリセリンとは、7量体(ヘプタグリセリン)以上のポリグリセリンをいい、好適には7〜13量体のポリグリセリンをいう。
従来の方法では、加熱時間が長く、着色と同時に環状化が非常に速く進行する。そのため、全ポリグリセリン中の30重量%以上が環状生成物であり、直鎖状のグリセリンを得るには、減圧留去などの方法で環状生成物を除去する必要がある。その結果、収量が非常に少なくなり、また高価となる。本発明の製造方法は、長時間の反応にもかかわらず環状生成物は少なく、直鎖状の高重合度領域のポリグリセリンの生成にも適し、また収率が向上し、コストダウンとしても有効である。
従来の方法では、加熱時間が長く、着色と同時に環状化が非常に速く進行する。そのため、全ポリグリセリン中の30重量%以上が環状生成物であり、直鎖状のグリセリンを得るには、減圧留去などの方法で環状生成物を除去する必要がある。その結果、収量が非常に少なくなり、また高価となる。本発明の製造方法は、長時間の反応にもかかわらず環状生成物は少なく、直鎖状の高重合度領域のポリグリセリンの生成にも適し、また収率が向上し、コストダウンとしても有効である。
(ポリグリセリン)
本発明で使用しているポリグリセリンとは、グリセリンの2量体以上のものをさし、環状および直鎖状の重合物を含む概念である。
本発明の製造方法によれば、主生成物としてグリセリンの直鎖状2〜6量体が得られる。具体的には、好適な触媒を使用すれば、ポリグリセリン全体に占めるグリセリンの直鎖状2〜6量体の総量の含有比率が50〜70重量%のポリグリセリンを得ることが可能である。
さらに、本発明の製造方法によれば、環状生成物の少ないポリグリセリンが得られる。具体的には、好適な触媒を使用すれば、ポリグリセリン全体に占めるグリセリンの環状2〜4量体の総量の含有比率が25重量%以下、20重量%以下、さらには15重量%以下のポリグリセリンを得ることが可能である。
また、本発明の製造方法によれば、環状生成物が少ない上に、さらに直鎖状の高重合度領域のポリグセリンを多く含むポリグリセリンが得られる。具体的には、好適な触媒を使用すれば、ポリグリセリン全体に占めるグリセリンの直鎖状7量体以上の総量の含有比率が10重量%以上、15重量%以上、さらには20重量%以上のポリグリセリンを得ることが可能である。
本発明で使用しているポリグリセリンとは、グリセリンの2量体以上のものをさし、環状および直鎖状の重合物を含む概念である。
本発明の製造方法によれば、主生成物としてグリセリンの直鎖状2〜6量体が得られる。具体的には、好適な触媒を使用すれば、ポリグリセリン全体に占めるグリセリンの直鎖状2〜6量体の総量の含有比率が50〜70重量%のポリグリセリンを得ることが可能である。
さらに、本発明の製造方法によれば、環状生成物の少ないポリグリセリンが得られる。具体的には、好適な触媒を使用すれば、ポリグリセリン全体に占めるグリセリンの環状2〜4量体の総量の含有比率が25重量%以下、20重量%以下、さらには15重量%以下のポリグリセリンを得ることが可能である。
また、本発明の製造方法によれば、環状生成物が少ない上に、さらに直鎖状の高重合度領域のポリグセリンを多く含むポリグリセリンが得られる。具体的には、好適な触媒を使用すれば、ポリグリセリン全体に占めるグリセリンの直鎖状7量体以上の総量の含有比率が10重量%以上、15重量%以上、さらには20重量%以上のポリグリセリンを得ることが可能である。
また、本発明の製造方法によれば、脱水素の阻害により、着色の少ないポリグリセリンを得ることが可能である。
また、本発明の製造方法によれば、グリセリンのポリマーへの転化率が高く、生産性に非常に優れる。グリセリンのポリマーへの転化率は、87%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上が可能である。
また、本発明の製造方法によれば、グリセリンのポリマーへの転化率が高く、生産性に非常に優れる。グリセリンのポリマーへの転化率は、87%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上が可能である。
以下の実施例および比較例で本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、文中および表中の「%」は「重量%」を意味する。
(実施例1)
リービッヒ冷却管、温度計、N2導入管をセットした500mlの4つ口フラスコにグリセリン300g(3.26mol)を取り、触媒としてNa2CO33g(グリセリンに対して1.0重量%)、TiO21g(グリセリンに対して0.33重量%)を取り、グリセンリン液中に入れた。窒素を0.5LPMの速度で液中に吹き込みながら120℃で1時間加熱を続け、液中の酸素を十分に追い出した後に、N2吹き込み速度を0.2LPM、反応温度を250℃にセットした。約1時間かけて昇温すると、240℃付近から蒸気が上がり始め250℃で水の留出が始まり、250℃で7hr反応させると、着色の少ない淡黄白色の液体となった。生成物を下記の方法にて測定すると、表1のように環状生成物が少なく、ポリマー転化率の大きいポリグリセリンが観察された。
(実施例1)
リービッヒ冷却管、温度計、N2導入管をセットした500mlの4つ口フラスコにグリセリン300g(3.26mol)を取り、触媒としてNa2CO33g(グリセリンに対して1.0重量%)、TiO21g(グリセリンに対して0.33重量%)を取り、グリセンリン液中に入れた。窒素を0.5LPMの速度で液中に吹き込みながら120℃で1時間加熱を続け、液中の酸素を十分に追い出した後に、N2吹き込み速度を0.2LPM、反応温度を250℃にセットした。約1時間かけて昇温すると、240℃付近から蒸気が上がり始め250℃で水の留出が始まり、250℃で7hr反応させると、着色の少ない淡黄白色の液体となった。生成物を下記の方法にて測定すると、表1のように環状生成物が少なく、ポリマー転化率の大きいポリグリセリンが観察された。
(生成ポリグセリンの分析方法)
重合度の測定は、下記方法で試料を前処理して、下記の条件でスプリット法キャピラリカラムを用いGC分析を行った。各成分の出現ピークをGC−MASSにて分子量を決定し、発現したピークの重合度を決定した。全ピーク面積と各成分の面積の比より、各成分の生成比率を決定した。なお、表1では、(1)グリセリンの環状2〜4量体の総量、(2)グリセリンの直鎖状2〜6量体の総量、(3)グリセリンの7量体以上の総量について、ポリグリセリン全体に占める含有比率(重量比率)を記載している。
<試料の前処理>
試料0.1gにN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド1mlおよびアセトニトリル2mlを加え、加温しながら試料を溶解した後、70℃で30分間放置する。
<カラムクロマトグラフ条件>
装置:島津製作所製 GC−17A
カラム:J&W社製 DB−1HT(内径0.32mm、長さ15m、膜厚0.1μm)
カラム温度:80℃(HOLD=0)→(20℃/min.)→395℃(HOLD=4.5min.)
カラム流量:1.36ml/min.
注入方法:スプリット法(スプリット比1:20)
注入口温度:395℃
検出器:FID
検出器温度:398℃
重合度の測定は、下記方法で試料を前処理して、下記の条件でスプリット法キャピラリカラムを用いGC分析を行った。各成分の出現ピークをGC−MASSにて分子量を決定し、発現したピークの重合度を決定した。全ピーク面積と各成分の面積の比より、各成分の生成比率を決定した。なお、表1では、(1)グリセリンの環状2〜4量体の総量、(2)グリセリンの直鎖状2〜6量体の総量、(3)グリセリンの7量体以上の総量について、ポリグリセリン全体に占める含有比率(重量比率)を記載している。
<試料の前処理>
試料0.1gにN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド1mlおよびアセトニトリル2mlを加え、加温しながら試料を溶解した後、70℃で30分間放置する。
<カラムクロマトグラフ条件>
装置:島津製作所製 GC−17A
カラム:J&W社製 DB−1HT(内径0.32mm、長さ15m、膜厚0.1μm)
カラム温度:80℃(HOLD=0)→(20℃/min.)→395℃(HOLD=4.5min.)
カラム流量:1.36ml/min.
注入方法:スプリット法(スプリット比1:20)
注入口温度:395℃
検出器:FID
検出器温度:398℃
(グリセリンのポリマー転化率)
グリセリンのポリマーへの転化率は、生成ポリグリセリンについて上記と同様にGCによる分析を実施し、全ピーク面積に占めるグリセリンモノマー面積を引いた面積の比率(%)で算出した。なお、表1では転化率と表現している。
(着色の確認方法)
JIS K5600−2−1(色数:ガードナー法)に従い、生成ポリグリセリンを標準色溶液と比色し、近似の標準色溶液の番号(ガードナー標準色数:1〜18)をもって、着色の程度(数値が大きいほど着色大)を表した。なお、表1では着色と表現している。
グリセリンのポリマーへの転化率は、生成ポリグリセリンについて上記と同様にGCによる分析を実施し、全ピーク面積に占めるグリセリンモノマー面積を引いた面積の比率(%)で算出した。なお、表1では転化率と表現している。
(着色の確認方法)
JIS K5600−2−1(色数:ガードナー法)に従い、生成ポリグリセリンを標準色溶液と比色し、近似の標準色溶液の番号(ガードナー標準色数:1〜18)をもって、着色の程度(数値が大きいほど着色大)を表した。なお、表1では着色と表現している。
(実施例2〜19、比較例1〜2)
実施例2〜19、比較例1〜2について、触媒の種類、グリセリンに対する触媒の重量%、反応温度および反応時間を表1、2に記載のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリグリセリンを得た。得られたポリグリセリンの評価についても実施例1と同様に行った。その結果を表1、2に示す。実施例2〜19についても実施例1と同様に、環状生成物が少なく、ポリマー転化率の大きいポリグリセリンが観察された。また、全般的に着色の少ないポリグリセリンが観察された。
比較例1について、環状生成物が非常に多く、また着色の大きい(ガードナー16)ポリグリセリンが観察された。比較例2について、直鎖状で7量体以上のポリグセリンが非常に少なく、またポリマー転化率の小さいポリグセリンが観察された。
(比較例3)
市販のデカグリセリン(商品名:ポリグリセリン#750、会社名:阪本薬品工業)を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。市販のポリグリセリンでは、精製を行っているので着色は小さいが、環状2〜4量体が30%近い比率となっている。
実施例2〜19、比較例1〜2について、触媒の種類、グリセリンに対する触媒の重量%、反応温度および反応時間を表1、2に記載のものに変更する以外は、実施例1と同様にしてポリグリセリンを得た。得られたポリグリセリンの評価についても実施例1と同様に行った。その結果を表1、2に示す。実施例2〜19についても実施例1と同様に、環状生成物が少なく、ポリマー転化率の大きいポリグリセリンが観察された。また、全般的に着色の少ないポリグリセリンが観察された。
比較例1について、環状生成物が非常に多く、また着色の大きい(ガードナー16)ポリグリセリンが観察された。比較例2について、直鎖状で7量体以上のポリグセリンが非常に少なく、またポリマー転化率の小さいポリグセリンが観察された。
(比較例3)
市販のデカグリセリン(商品名:ポリグリセリン#750、会社名:阪本薬品工業)を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。市販のポリグリセリンでは、精製を行っているので着色は小さいが、環状2〜4量体が30%近い比率となっている。
Claims (9)
- 触媒の存在下、グリセリンを重縮合させて得るポリグリセリンの製造方法であって、前記触媒が、下記の成分(A)および成分(B)を必須に含有する、ポリグリセリンの製造方法。
成分(A):アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M)を含有する、少なくとも1種の化合物 - 前記成分(B)が、前記金属(M)の酸化物および/または塩類である、請求項1に記載のポリグリセリンの製造方法。
- 前記金属(M)が、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、スカンジウム、イットリウム、セリウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、鉄、コバルト、亜鉛、ホウ素およびスズからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、請求項1または2に記載のポリグリセリンの製造方法。
- 前記金属(M)が、アルカリ土類金属、3族金属および4族金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、請求項1または2に記載のポリグリセリンの製造方法。
- 前記金属(M)が、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属である、請求項1〜4のいずれかに記載のポリグリセリンの製造方法。
- 前記成分(B)が、下記の成分(B1)および成分(B2)を必須に含有する、請求項1または2に記載のポリグリセリンの製造方法。
成分(B1):チタン、ジルコニウムおよびハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M1)を含有する、少なくとも1種の化合物
成分(B2):スカンジウムおよびイットリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M2)を含有する、少なくとも1種の化合物 - 前記成分(A)と前記成分(B)の重量比(A/B)が0.01〜100である、請求項1〜6のいずれかに記載のポリグリセリンの製造方法。
- グリセリンに対して、前記成分(A)の重量割合が0.1〜5重量%であり、前記成分(B)の重量割合が0.1〜5重量%である、請求項1〜7のいずれかに記載のポリグリセリンの製造方法。
- 下記の成分(A)と成分(B)を必須に含有する、ポリグリセリン製造用の触媒。
成分(A):アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩およびアルコキシドからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物
成分(B):アルカリ土類金属、遷移金属、12族金属、スズおよびホウ素からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属(M)を含有する、少なくとも1種の化合物
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102532515A (zh) * | 2012-01-16 | 2012-07-04 | 梅州五指石科技有限公司 | 一种高聚合度聚甘油的制备方法 |
JP2013136521A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Kao Corp | ポリグリセリンの製造方法 |
CN110628010A (zh) * | 2019-10-18 | 2019-12-31 | 辽宁奥克医药辅料股份有限公司 | 一种催化剂组合物及其应用于制备中等分子量聚乙二醇的方法 |
-
2008
- 2008-07-18 JP JP2008186717A patent/JP2010024334A/ja active Pending
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CN110628010B (zh) * | 2019-10-18 | 2022-09-27 | 辽宁奥克医药辅料股份有限公司 | 一种催化剂组合物及其应用于制备中等分子量聚乙二醇的方法 |
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