JP2010023235A - 積層フィルムおよびその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、環状オレフィン系樹脂フィルムの有する優れた透明性などの特性を損なうことなく、高温における寸法安定性に優れ、表面材との剥離を生じない、積層フィルムおよびその用途を提供することを課題としている。
【解決手段】本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系重合体を有する層(I)の両面に、環状構造を有するシラン含有化合物を含む組成物から形成される層(II)を有し、層(I)の膜厚100に対して、層(II)の膜厚の合計が1〜45の範囲であることを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、積層フィルムおよびその用途に関する。詳しくは、本発明は、環状オレフィン系重合体を有するフィルムの両面に、シラン化合物を含む組成物から形成される層を有する積層フィルムおよびそれを用いた蒸着積層を付与した光学フィルター用フィルム、導電性積層を付与した導電性フィルム、フォトパターンを形成する基板フィルムに関する。
環状オレフィン系重合体からなるフィルムは、複屈折が低く、透明性に優れるとともに、比較的耐熱性に優れ、吸湿性が低いことから、各種光学用途に好適に用いられており、たとえば保護膜、位相差膜、表面に導電性層を形成した透明導電膜、特定波長をカットする蒸着層を形成した光学フィルターなどの用途に用いられている。
しかしながら、昨今の高温での使用においては、熱収縮などの寸法変化が生じる場合があり、さらに耐熱性に優れたフィルムの出現が求められていた。
一方、樹脂成形品の表面を保護する技術として、本願出願人らは、特定の粒子を含む樹脂組成物を、物品の表面に塗布し、硬化させ、複合体を形成することにより、硬度、耐傷つき性を向上させることを提案している(特許文献1参照)。
しかしながら、環状オレフィン系重合体からなるフィルムに、さらなる耐熱性を付与する方法については知られておらず、高温時の形状安定性により優れた環状オレフィン系重合体からなるフィルムの出現が望まれていた。
特開2000−273272号公報
本発明は、環状オレフィン系樹脂フィルムの有する優れた透明性などの特性を損なうことなく、高温における寸法安定性に優れ、表面材との剥離を生じない、耐熱性に優れた積層フィルムおよびその用途を提供することを課題としている。
本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系重合体を有する層(I)の両面に、
環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物から形成される層(II)を有し、
層(I)の膜厚100に対して、層(II)の膜厚の合計が1〜45の範囲であることを特徴としている。
このような本発明の積層フィルムでは、環状構造を有する基を有するシラン化合物が、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基または炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を有することが好ましい。
本発明の積層フィルムでは、環状オレフィン系重合体が下記式(1)で表わされる構造単位を有することが好ましい。
Figure 2010023235
(式(1)中、mは0以上の整数、pは0以上の整数であり、Xは独立に式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R4は各々独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ若しくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、R1
とR2および/またはR3とR4は一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R1またはR2と、R3またはR4とは相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよく、該炭
素環または複素環は、単環構造でも多環構造でもよい。)
本発明の積層フィルムの製造方法は、
環状オレフィン系重合体を有するフィルム(I)の両面に、環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物を塗布する工程と、
熱および/または放射線で処理して、環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物の処理物(II)を形成する工程とを有し、

環状オレフィン系重合体を有するフィルム(I)の膜厚100に対して、処理物(II)の厚さの合計が1〜45の範囲である積層フィルムを製造することを特徴としている。
本発明の積層フィルムは、前期本発明の積層フィルムの製造方法で得られることを特徴としている。
本発明の導電性フィルムは、上記本発明の積層フィルムの表面に、導電性層を有することを特徴としている。
本発明の光学フィルターフィルムは、上記本発明の積層フィルムの表面に、金属もしくは金属酸化物の蒸着層を有することを特徴としている。
本発明の基板フィルムは、上記本発明の積層フィルムの表面に、感光性樹脂組成物により形成されたパターニング層を有することを特徴としている。
本発明によれば、環状オレフィン系重合体フィルムの有する優れた透明性を損なうことなく、高温条件においても寸法変化が少なく、剥離や亀裂を生じない、高温耐熱性に優れた積層フィルムを提供することができる。また、本発明によれば、耐熱安定性に優れた、蒸着積層を付与した光学フィルター用フィルム、導電性積層を付与した導電性フィルム、フォトパターンを形成した基板フィルムを提供することができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系重合体を有する層(I)の両面に、環状構造を有するシラン含有化合物を含む組成物から形成される層(II)を有する。
環状オレフィン系重合体を有する層(I)
本発明の積層フィルムの基材層となる、環状オレフィン系重合体を有する層(I)は、環状オレフィン系重合体あるいは環状オレフィン系重合体を含む樹脂組成物から形成される層であれば特に制限はないが、環状オレフィン系重合体を主として含むものであることが好ましく、層(I)を構成する樹脂成分が環状オレフィン系重合体のみであることが特に好ましい。環状オレフィン系重合体を有する層(I)は、通常、環状オレフィン系重合体を含むフィルム(以下、フィルム(I)ともいう)から形成される。
本発明において、環状オレフィン系重合体とは、ノルボルネン骨格を有する環状オレフィン系単量体を重合あるいは共重合して得られる重合体であり、たとえば以下のものが挙げられる。
(1)環状オレフィン系単量体の開環重合体。
(2)環状オレフィン系単量体と共重合性単量体との開環共重合体。
(3)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体の水素添加(共)重合体。
(4)上記(1)又は(2)の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化したのち、水素添加した(共)重合体。
(5)環状オレフィン系単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体。
(6)環状オレフィン系単量体の付加型(共)重合体及びその水素添加(共)重合体。
(7)環状オレフィン系単量体とアクリレートとの交互共重合体。
本発明に係る環状オレフィン系重合体としては、このうち上記(1)、(2)、(3)が好ましく、上記(3)がより好ましい。
環状オレフィン系単量体としては、ノルボルネン骨格を有する化合物を特に制限なく用いることができ、たとえば、以下のような化合物を用いることができる。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−8−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン

8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン

8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−
3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3
−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラ
シクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテ
トラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ド
デセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.
7,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン。
これらは、単独で又は2種以上を併用することができる。
本発明に係る好ましい環状オレフィン系重合体としては、下記式(1)で表わされる構造単位(1)を有するものが挙げられる。
Figure 2010023235
(式(1)中、mは0以上の整数、pは0以上の整数であり、Xは独立に式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R4は各々独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ若しくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、R1
とR2および/またはR3とR4は一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R1またはR2と、R3またはR4とは相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよく、該炭
素環または複素環は、単環構造でも多環構造でもよい。)
このような構造単位(1)においては、上記式(1)中、R1 及びR3が水素原子又は
炭素数1〜10、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基であり、R2 及びR4 が水素原子又は一価の有機基であって、R2 及びR4の少なくとも一つは水
素原子及び炭化水素基以外の極性を有する極性基を示し、mは0〜3の整数、pは0〜3の整数であり、より好ましくはm+p=0〜4、さらに好ましくは0〜2、特に好ましくはm=0、p=0であるものである。このような構造単位(1)を有する環状オレフィン系重合体は、樹脂のガラス転移温度が高く、かつ機械的強度も優れたものとなる点で好ましい。
上記式(1)において、極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基が好ましい。
さらに、R2及びR4の少なくとも一つが式−(CH2nCOORで表される極性基である単量体は、得られる環状オレフィン系樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の極性基にかかる式に
おいて、Rは炭素原子数1〜12、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1〜2の炭化水素基、好ましくはアルキル基である。また、nは、通常、0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体はその合成が容易である点で好ましい。
また、上記式(1)においてはR1又はR3がアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、さらに好ましくは1〜2のアルキル基、特にメチル基であることが好ましく、特に、このアルキル基が上記の式−(CH2nCOORで表される特定の極性基が結合した炭素原子と同一の炭素原子に結合されていることが、得られる環状オレフィン系重合体の吸湿性を低くできる点で好ましい。
環状オレフィン系重合体が、環状オレフィン系単量体と共重合性単量体との共重合体またはその水素添加物である場合、共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。これらは、単独で又は2種以上を併用することができる。
環状オレフィン系単量体/共重合性単量体の好ましい使用範囲は、重量比で100/0〜50/50であり、さらに好ましくは100/0〜60/40である。
環状オレフィン系重合体が、環状オレフィン系単量体を含む単量体の開環(共)重合体である場合、開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。 このメタセシス触
媒は、(a)W、Mo及びReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、A
lなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
(a)成分として適当なW、MoあるいはReの化合物の代表例としては、WCl6
MoCl6 、ReOCl3 などの特開平1−132626号公報第8頁左下欄第6行〜第8頁右上欄第17行に記載の化合物を挙げることができる。(b)成分の具体例としては、n−C49Li、(C25)3 Al、(C25)2AlCl、(C25)1.5AlCl1.5、(C25)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1
:1,000〜1:10,000となる範囲とすることができる。(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とすることができる。
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体及び/又はメタセシス触媒の溶媒)としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリール;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量、好ましくは1:1〜5:1となる量とすることができる。
得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節することが好ましい。好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類及びスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。これらの分子量調節剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量は、開環(共)重合反応に供される環状オレフィン系単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとすることができる。
開環共重合体を得るには、開環重合工程において、環状オレフィン系単量体と共重合性単量体とを開環共重合させてもよいが、さらに、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエン化合物、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を2つ以上含む不飽和炭化水素系ポリマーなどの存在下に環状オレフィン系単量体を開環重合させてもよい。
以上のようにして得られる開環(共)重合体は、そのままでも用いることができるが、この(共)重合体の分子中のオレフィン性不飽和結合を水素添加して得られた水素添加(共)重合体は耐熱着色性や耐光性に優れ、基材となるフィルム(I)の耐久性を向上させることができるので好ましい。
水素添加反応は、通常のオレフィン性不飽和結合を水素添加する方法が適用できる。すなわち、開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させて行うことができる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒及び均一系触媒が挙げられる。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス
(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10-6〜1:2となる割合で使用することができる。
水素添加(共)重合体の水素添加率は、500MHz、1H−NMRで測定した値が5
0%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは98%以上、最も好ましくは99%以上であることが望ましい。水素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れたものとなり、得られるフィルムが長期にわたって安定した特性を示す。
なお、開環(共)重合体分子中に芳香族基を有する場合、係る芳香族基は耐熱着色性、耐光性を低下させることが少なく、逆に光学特性、例えば、屈折率、波長分散性等の光学的特性あるいは耐熱性に関して有利な効果をもたらすこともあり、必ずしも水素添加される必要はない。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体は、ゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下であることが特に好ましい。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体の好ましい分子量は、固有粘度〔η〕inh で0.2〜5dl/g、さらに好ましくは0.3〜3dl/g、特に好ましくは0.4〜1.5dl/gであり、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は8,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜80,000、特に好ましくは12,000〜50,000であり、重量平均分子量(Mw)は20,000〜300,000、さらに好ましくは30,000〜2
50,000、特に好ましくは40,000〜200,000の範囲のものが好適である。
固有粘度〔η〕inh、数平均分子量及び重量平均分子量が上記範囲にあることによって
、環状オレフィン系重合体の耐熱性、耐水性、耐薬品性、機械的特性と、フィルムとして使用したときの光学特性の安定性とのバランスが良好となる。
本発明において用いられる環状オレフィン系重合体のガラス転移温度(Tg)としては、通常、120℃以上、好ましくは120〜350℃、さらに好ましくは130〜250℃、特に好ましくは140〜200℃である。このような範囲であると、得られるフィルムの光学特性変化を安定にし、加工時などの熱劣化を防止することができる。
環状オレフィン系重合体を有する層(I)を形成する環状オレフィン系重合体あるいはこれを含む樹脂組成物には、公知の酸化防止剤、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]メタン;紫外線吸収剤、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンなどを添加することによって安定化することができる。また、加工性を向上させる目的で、滑剤などの添加剤を添加することもできる。
本発明に係る環状オレフィン系重合体を有する層(I)は、通常、環状オレフィン系重合体あるいはこれを含む樹脂組成物を、溶融成形法あるいは溶液流延法(溶剤キャスト法)などの公知の方法でフィルム状に成形して得ることができる。
環状オレフィン系重合体を有する層(I)の厚みは、用途によって適宜選択することができ特に限定されるものではないが、通常1〜500μm、好ましくは1〜300μm、
より好ましくは10〜200μm、さらに好ましくは50〜200μm程度であるのが望ましい。
本発明に係る環状オレフィン系重合体を有する層(I)が、環状オレフィン系重合体を含むフィルム(I)から形成されている場合、フィルム(I)は、厚みの分布が平均値に対して±20%以内、好ましくは±10%以内、さらに好ましくは±5%以内、特に好ましくは±3%以内であることが望ましい。また、1cmあたりの厚みの変動は、通常は10%以下、好ましくは5%以下、さらに好ましくは1%以下、特に好ましくは0.5%以下であることが望ましい。厚み分布がこのような範囲を満たす場合には、フィルム面内の光学特性のムラが少なく、光学用途に好適に使用できるため好ましい。
フィルム(I)としては、市販のものを用いてもよく、具体的には、JSR(株)製、商品名「アートン」等が挙げられる。
本発明の耐熱性フィルムの形成に用いるフィルム(I)は、製膜されたままの状態であってもよく、延伸加工されたものであってもよい。延伸加工法としては、公知の一軸延伸法あるいは二軸延伸法により製造することができる。すなわち、テンター法による横一軸延伸法、ロール間圧縮延伸法、周遠の異なるロールを利用する縦一軸延伸法などあるいは横一軸と縦一軸を組み合わせた二軸延伸法、インフレーション法による延伸法などを用いることができる。
環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物から形成される層(II)
本発明の積層フィルムを構成する層(II)は、環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物から形成される。
本発明に係る環状構造を有する基を有するシラン化合物は、環状構造を有する基とケイ素原子とを含む有機ケイ素化合物である。環状構造を有する基としては、3員環以上の環状有機基が特に限定されることなく挙げられ、環内にヘテロ原子を有していてもよく、環内に二重結合を有していてもよく、環を形成する原子が置換基を有していてもよい。このような環状構造を有する基としては、好ましくは、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基より選ばれる基、エポキシ環を有する基などが挙げられる。
このようなシラン含有化合物としては、たとえば、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジシクロペンチルジメトキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、トリフェニルシラノール、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルフェニルメトキシシロキサンなどが挙げられる。
これらのシラン含有化合物は、単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明において、層(II)を形成する環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物は、環状構造を有する基を有するシラン化合物のみから構成されていてもよく、それ以外の成分を含有していてもよい。組成物を構成する環状構造を有する基を有するシラン化合物以外の成分としては、溶剤、環状構造を有するシラン含有化合物以外のシラン含有化合物、樹脂成分、樹脂前駆体成分、触媒、各種添加剤などが挙げられる。
樹脂成分としては、たとえば、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリブタジエン、クロロプレン、ポリエーテル、ポリエステル、ペンタジエン誘導体、スチレン/ブタジエン/スチレンブロック共重合体、スチレン/エチレン/ブテン/スチレンブロック共重合体、スチレン/イソプレン/スチレンブロック共重合体、石油樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フッ素系オリゴマー、シリコーン系オリゴマー、アクリルオリゴマー、ポリスルフィド系オリゴマー等のポリマー又はオリゴマー等を挙げることができる。
樹脂前駆体成分としては、重合により樹脂を形成する成分が制限なく挙げられ、たとえば、(メタ)アクリルエステル類、ビニル化合物類を挙げることができる。この中では(メタ)アクリルエステル類が好ましい。
(メタ)アクリルエステル類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、エチレングルコールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、及びこれらの出
発アルコール類へのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、オリゴウレタン(メタ)アクリレート類、及びオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。この中では、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートが好ましい。
ビニル化合物類としては、ジビニルベンゼン、エチレングリコ−ルジビニルエ−テル、ジエチレングリコ−ルジビニルエ−テル、トリエチレングリコ−ルジビニルエ−テル等を挙げることができる。
このような樹脂前駆体成分の市販品としては、例えば、東亞合成(株)製 商品名:ア
ロニックス M−400、M−408、M−450、M−305、 M−309、 M−3
10、M−315、M−320、M−350、M−360、M−208、M−210、M−215、M−220、M−225、M−233、M−240、M−245、M−260、M−270、TO−924、TO−1270、TO−1231、TO−595、TO−756、TO−1231、TO−902、TO−904、TO−905、TO−1330、日本化薬(株)製 商品名:KAYARAD DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、SR−295、SR−355、SR−399E、SR−494、SR−9041、SR−368、SR−415、SR−444、SR−454、SR−492、SR−499、SR−502、SR−9020、SR−9035、SR−111、SR−212、SR−213、SR−230、SR−259、SR−268、SR−272、SR−344、SR−349、SR−601、SR−602、SR−610、SR−9003、PET−30、T−1420、GPO−303、HDDA、NPGDA、TPGDA、PEG400DA、MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−167、R−526、R−551、R−712、R−6
04、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、KS−HDDA、KS−TPGDA、KS−TMPTA、共栄社化学(株)製 商品名:ライトアクリレ
ート PE−4A、DPE−6A、DTMP−4A等を挙げることができる。
触媒としては、反応の条件にもよるが、カップリング助剤、放射線重合開始剤などを用いることができる。
放射線重合開始剤としては、例えば熱的に活性ラジカル種を発生させる化合物等及び放射線照射により活性ラジカル種を発生させる化合物等の、汎用されているものを挙げることができる。その中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類及びN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類の両方又はそのいずれかを含む放射線重合開始剤を用いることがさらに好ましい。1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類のみを添加した場合、着色の少ない硬化物を短時間で形成することができる。一方、N−モルフォリノ基を有するアリールケトン類のみを添加した場合、表面硬度の高い硬化物を短時間で形成することができる。両者を併用した場合、表面硬度が高く着色の少ない硬化物を短時間で形成することができる。
1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類としては特に制限はないが、例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルイソプロピルフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルドデシルフェニルケトン等
を挙げることができる。また、本発明に用いられるN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類としては特に制限はないが、例えば、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(メトキシ)フェニル]-2-モルフォ
リノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-モルフォリノプロパノン-1、2-メチル-1-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]-2-モルフォリノプ
ロパノン-1、2-メチル-1-[4-(ジフェニルアミノ)フェニル]-2-モルフォリノプロパ
ノン-1、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1
、3,6-ビス(2-メチル-2-モルフォリノプロピオニル)-9-N-オクチルカルバゾール等を挙げることができる。これらの放射線重合開始剤は1種単独で又は2種以上を組合わせて用いても良いが、硬化物としたときに、その表面部分及び内部の両方の硬化速度及び硬度を向上させるためには、1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類とN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類とを組合わせて用いることが好ましい。このような放射線重合開始剤の市販品としては、例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製 商品名:イルガキュア 184、907等を挙げることができる。
1−ヒドロキシシクロヘキシル基を有するアリールケトン類とN−モルフォリノ基を有するアリールケトン類を併用する場合の両者の配合比は、重量比で、10:90〜90:10が好ましく、40:60〜80:20がさらに好ましい。
環状構造を有するシラン含有化合物を含む組成物に必要に応じて含まれる、これらの重合開始剤は、溶剤を除く組成物の配合成分の合計を100重量%とした場合に、0.01〜20重量部配合することが好ましく、0.1〜10重量部がさらに好ましい。0.01重量部未満であると、反応が不十分となることがあり、20重量部を超えると内部(下層)まで硬化しないことがある。
本発明に係る環状構造を有するシラン含有化合物を含む組成物中に配合可能な増感剤としては、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等を挙げることができる。この増感剤の市販品としては、日本化薬(株)製 商品名:KAYACU
RE DMBI、EPA等を挙げることができる。
本発明に係る環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物には、塗工性の改良、粘度調整、固形分濃度の調整等のため、組成物を調製した後に、溶剤を添加することができる。溶剤としては、組成物を溶解あるいは分散できるものであれば限定されるものではないが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を挙げることができる。中でも、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレンが好ましい。更に好ましくは、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンである。
溶剤の配合量は、作業性の面から適度な粘度となる量であるのが好ましい。コーティングに用いる環状構造を有するシラン含有化合物を含む組成物の粘度は、たとえば、0.1〜50,000mPa・s/25℃であり、好ましくは0.5〜10,000mPa・s
/25℃である。
添加剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止剤、着色剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、無機系充填材、有機系充填材、フィラー、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を挙げることができる。
酸化防止剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名:イルガノックス1010、1035、1076、1222等を挙げることができ、紫外線吸収剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名:チヌビン P、23
4、320、326、327、328、213、400、住友化学工業(株)製 商品名
:スミソーブ110、130、140、220、250、300、320、340、350、400等を挙げることができ、光安定剤の市販品としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製商品名:チヌビン292、144、622LD、三共化成工業(株)製 商品名:サノールLS−770、765、292、2626、1114、744等を
挙げることができ、シランカップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシランを挙げることができ、これらの市販品としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製 商品名:SH6062、SZ6030、信越シリコーン(株)製 商品名:KBE903、KBM803等を挙げることができ、老化防止剤の市販品としては、住友化学工業(株)製 商品名:アンチゲン W、S、P、3C、6C、RD−G、FR、AW等を挙げることができる。
本発明に係る層(II)は、環状構造を有するシラン含有化合物を、環状オレフィン系重合体を有する層(I)(フィルム(I))の両面に塗布して塗膜を形成し、必要に応じて反応させて形成することができる。好ましくは、本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系重合体を有するフィルム(I)上に、環状構造を有するシラン含有化合物を含む組成物をコーティングし、乾燥し、硬化などの反応を行って層(II)を形成することにより製造することができる。
コーティングの方法としては、たとえば、ディッピングコ−ト、スプレーコート、フローコート、シャワーコート、ロールコート、スピンコート、グラビアコート、マイクログ
ラビアコート、コンマロールコート、メイヤーバーコート、スロットバイコート、エアーナイフコート、リップコート、キスコート、刷毛塗り等、一般に用いられるコート方法が使用できる。フィルム(I)へのコーティングは、両面同時に行ってもよく、片面ずつ逐次に行ってもよい。これらのコーティングにおける塗膜の厚さは、層(II)形成後の片面の厚さで、通常0.1〜400μmであり、好ましくは1〜200μmである。本発明では、形成後の層(II)の両面の膜厚の合計が、環状オレフィン系重合体を有する層(I)の膜厚100に対して1〜45、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜35であるのが望ましい。
コーティングした組成物の乾燥は、特に限定されるものではないが、好ましくは0〜200℃で揮発成分を除去することにより必要に応じて行うことができる。乾燥は、熱および/または放射線での処理に先立って行ってもよく、また、熱および/または放射線での処理と同時に行ってもよい。
硬化などの反応は、乾燥後の塗膜を、熱および/または放射線で処理することにより好適に行うことができる。
ここで、放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、電子線、α線、β線、γ線等を意味する。熱による場合、その熱源としては、例えば電気ヒーター、赤外線ランプ、熱風等を用いることができる。放射線による場合、その放射線の線源としては、組成物をコーティング後短時間で硬化させることができるものである限り特に制限はないが、赤外線の線源としては、例えば、ランプ、抵抗加熱板、レーザー等を、また可視光線の線源としては、例えば、日光、ランプ、蛍光灯、レーザー等を、また紫外線の線源としては、例えば、水銀ランプ、ハライドランプ、レーザー等を、また電子線の線源としては、例えば、市販されているタングステンフィラメントから発生する熱電子を利用する方式、金属に高電圧パルスを通じて発生させる冷陰極方式及びイオン化したガス状分子と金属電極との衝突により発生する2次電子を利用する2次電子方式を挙げることができる。アルファ線、ベータ線及びガンマ線の線源としては、例えば、Co60等の核分裂物質が挙げられ、ガンマ線については加速電子を陽極へ衝突させる真空管等を利用することができる。これら放射線は1種単独で又は2種以上を同時に照射してもよく、また1種以上の放射線を一定期間をおいて照射してもよい。
熱により処理を行う場合の好ましい条件は、20〜150℃であり、10秒〜24時間の範囲内で行われる。放射線により処理を行う場合、紫外線又は電子線を用いることが好ましい。そのような場合、好ましい紫外線の照射光量は0.01〜10J/cm2であり
、より好ましくは0.1〜2J/cm2である。また、好ましい電子線の照射条件は、加
圧電圧は10〜300KV、電子密度は0.02〜0.30mA/cm2であり、電子線
照射量は1〜10Mradである。
本発明では、このようにして、環状オレフィン系重合体を有する層(I)の両面に、環状構造を有するシラン含有化合物を含む組成物から形成される層(II)を有する積層フィルムを得ることができる。
積層フィルム
本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系重合体を有する層(I)の両面に、環状構造を有するシラン含有化合物を含む組成物から形成される層(II)を有する。
本発明の積層フィルムは、形成後の層(II)の両面の膜厚の合計が、環状オレフィン系重合体を有する層(I)の膜厚100に対して1〜45、好ましくは1〜40、より好ましくは1〜35の範囲であるのが望ましい。
本発明の積層フィルムは、環状オレフィン系重合体を有する層(I)の両面に、環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物から形成される層(II)を有することにより、硬度、耐擦傷性、及び透明性に優れるとともに、優れた耐熱安定性を示す。本発明の積層フィルムにおいては、層(I)の両面に形成された層(II)の厚み及び硬化程度が同等である場合には、高温での加工あるいは使用におけるフィルム寸法の変化やカールを特に好適に防止することができるため好ましい。このような本発明の積層フィルムでは、環状オレフィン系重合体を有する層(I)のみからなるフィルム(I)をそのまま高温条件下で用いた場合と比較して、寸法変化やカールを高度に抑制することができる。
本発明の積層フィルムは、光学部品、液晶素子などの用途に好適に用いることができる。また本発明の積層フィルムは、必要に応じて、さらに、塗装、めっき、物理蒸着、化学蒸着、プラズマ処理等の表面処理を施して用いることもでき、これにより、反射防止性、帯電防止性、汚染防止性、結露防止性、撥水性、撥油性、電磁波遮断性、紫外線遮蔽性、熱線吸収性、導電性、絶縁性、難燃性、抗菌性等の機能性を付与することができる。本発明の積層フィルムは、導電性フィルム、光学フィルターフィルム、基板フィルムなどの製造に好適に用いることができる。
導電性フィルム
本発明の導電性フィルムは、前述した本発明の積層フィルムに、さらに透明導電層が積層されてなる。透明導電層は、可視光領域において透過度を有し、かつ導電性を有する層である。
透明導電層の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの従来公知の技術をいずれも使用できるが、膜の均一性や透明基材への薄膜の密着性の観点から、スパッタリング法での薄膜形成が好ましい。また、用いる薄膜材料も特に制限されるものではなく、例えば、酸化錫を含有する酸化インジウム、アンチモンを含有する酸化錫などの金属酸化物のほか、金、銀、白金、パラジウム、銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、コバルト、錫またはこれらの合金などが好ましく用いられる。この導電性薄膜の厚さは、30オングストローム以上とすることが必要で、これより薄いと表面抵抗が、1000Ω/□以下となる良好な導電性を有する連続被膜となり難い。一方、厚くしすぎると透明性の低下などをきたすために、好適な厚さとしては、50〜2000オングストローム程度である。
光学フィルターフィルム
本発明の光学フィルターフィルムは、前述した本発明の積層フィルムに、さらに誘電体多層膜からなる所定波長帯反射膜などを積層されてなる。特に、近赤外(波長:800nm〜1000nm)を反射し、カットする近赤外カットフィルターは、誘電体層Aと、誘電体層Aが有する屈折率よりも高い屈折率を有する誘電体層Bとを交互に積層した誘電体多層膜からなる近赤外線反射膜を有することが好ましい。このような誘電体多層膜を少なくとも透明基板の一方の面に有することにより、近赤外線を反射する能力に優れた近赤外線カットフィルターとすることができる。
〈誘電体層A〉
誘電体層Aを構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を通常用いることができ、好ましくは、屈折率の範囲が1.2〜1.6の材料が選択される。これら材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、六フッ化アルミニウムナトリウムなどが挙げられる。
〈誘電体層B〉
誘電体層Bを構成する材料としては、屈折率が1.7以上の材料を用いることができ、
好ましくは、屈折率の範囲が1.7〜2.5の材料が選択される。これら材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、酸化インジウムを主成分とし酸化チタン、酸化錫、酸化セリウムなどを少量含有させたものなどが挙げられる。
誘電体層Aと誘電体層Bとを積層する方法については、これら材料層を積層した誘電体多層膜が形成される限り特に制限はないが、例えば、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法などにより、誘電体層Aと誘電体層Bとを交互に積層することにより誘電体多層膜を形成することができる。これら誘電体層Aおよび誘電体層Bの各層の厚みは、通常、遮断しようとする近赤外線波長λ(nm)の0.1λ〜0.5λの厚みである。厚みが上記範囲外になると、屈折率(n)と膜厚(d)との積(n×d)がλ/4で算出される光学的膜厚と大きく異なって、反射・屈折の光学的特性の関係が崩れてしまい、特定波長の遮断・透過をするコントロールができなくなってしまう傾向になる。前記誘電体多層膜の積層数は、透明基板の一方の面にのみ前記誘電体多層膜を有する場合は、通常10〜80層の範囲で、好ましくは25〜50層の範囲である。一方、透明基板の両面に前記誘電体層膜を有する場合は、前記誘電体層の積層数は、基板両面の積層数全体として、通常10〜80層の範囲で、好ましくは25〜50層の範囲である。また、近赤外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂を透明基板として用いる場合は、透明基板の一方の面にのみ前記誘電体多層膜を有する場合は、前記誘電体多層膜における積層数は、5〜40層、好ましくは10〜30層とすることができ、透明基板の両面に前記誘電体層膜を有する場合は、前記誘電体層の積層数は、基板両面の積層数全体として、5〜40層、好ましくは10〜30層とすることができる。近赤外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂を透明基板として用いる場合は、さらに生産性を高め、前記誘電体多層膜を割れにくくすることができる。本発明に係る近赤外線カットフィルターには、等価屈折率膜、反射防止膜、ハードコート膜から選ばれる少なくとも一種の機能膜が用いられる場合もある。
基板フィルム
本発明の基板フィルムは、前述した本発明の積層フィルムに、さらに感光性樹脂組成物により形成されたパターニング層を有する。すなわち本発明の基板フィルムは、感光性樹脂組成物の硬化物のパターンを有していてもよく、また、感光性組成物を用いて形成された無機(金属)薄膜のパターンを有していてもよい。このような基板フィルムでは、形成されたパターンが電極パターンであることが好ましい。
電極パターンの製造方法としては、前述した本発明の積層フィルムに、無機薄膜をスパッタや蒸着などで形成し、感光性樹脂組成物を塗布、露光、現像後にエッチング液により無機薄膜のパターンを形成するエッチング法、感光性の無機粉体含有樹脂組成物の膜を基板上に形成し、この膜にフォトマスクを介して紫外線を照射した上で現像することにより基板上にパターンを残存させ、これを焼成するフォトリソグラフィー法などが挙げられる。これらの方法はいずれもパターン形成時に加熱を伴うが、本発明の積層フィルムは耐熱性に優れるため、変形、収縮などを生じずに好適にパターン形成を行うことができ、得られた基板フィルムは精密用途にも好適に使用できる。
本発明の基板フィルムは、プラズマディスプレイパネル(PDP)の製造や液晶表示素子(LCD)、有機EL素子、プリント回路基板、多層回路基板、太陽電池基板、マルチチップモジュール、およびLSI等を構成する電極の製造などに好適に用いることができる。本発明の基板フィルムは柔軟性を有するため、ガラスやシリコーンウエハ等の剛直な無機素材状に電極が形成された従来の基板を用いる場合よりもフレキシブルなディスプレイが作製できる。
実施例
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下において、部、%は特に記載しない限り、それぞれ重量部、重量%を示す。また、本発明において「固形分」とは、組成物から溶剤等の揮発成分を除いた部分を意味し、具体的には、組成物を120℃のホットプレート上で1時間乾燥して得られる残渣物(不揮発成分)を意味する。
・評価方法
以下の実施例および比較例において、積層フィルムの性状は下記の方法により測定あるいは評価した。
(フィルム外観)
目視により、以下の基準で評価した。
○:フィルムに異物、ムラ、ハジキが無い。
×:フィルムに異物、ムラ、ハジキが有り。
フィルムに異物、ムラ、ハジキがないものを「○」、目視によりフィルムに異物、ムラ、ハジキが有るものを「×」と評価した。
(剥離)
JIS−K5600−5−6「塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第6節:付着性(クロスカット法)」に準拠し、コート層の剥離試験を行ない、以下の基準で評価した。
○:コート層の剥離無し。
×:コート層の剥離有り。
(亀裂)
ヤマト科学(株)製の定温乾燥器(型式:DV402)を用い、フィルム表面温度が140℃に達した後、2分間加熱した。これについて目視により以下の基準で評価した。
○:コート層の亀裂発生無し。
×:コート層の亀裂発生有り。
(加熱寸法変化)
250mm×250mmサイズのフィルムを用い、ヤマト科学(株)製の定温乾燥器(型式:DV402)を用い、フィルム表面温度が所定の温度(140℃および200℃)に達した後、30分間加熱し、加熱前と加熱後のフィルムの寸法変化RT(ppm)を測定し、変化率を算出した。フィルムの寸法測定は、フィルムのTD方向、MD方向のそれぞれをノギスを用いて測定を行なった。この結果について以下の基準で評価した。
○:未コートのフィルム(比較例1のフィルム)に対して、加熱前後の寸法変化率が10%以上低減している。
×:未コートのフィルムに対して、加熱前後の寸法変化率が10%未満の低減である。
[実施例1]
フェニルトリエトキシシラン(商品名:KBE−103、信越化学社製)を、メトルエチルケトンに、濃度12.5wt%となるよう溶解させて、環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物を得た。
得られた環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物を、厚さ100μmの環状オレフィン系樹脂フィルム(商品名:ARTON G7810、JSR(株)製)の
両面に、オートマチックフィルムアプリケーター(型番NO.542-AB、安田精機製作所製)
で、コーターバー#16を用いて、硬化後の膜厚が各面2μmずつとなるように塗布し、送風定温恒温器(型番DKN402、ヤマト科学(株)製)で、140℃、2分間乾燥、
硬化を行ない、積層フィルムを得た。これを25℃で24時間保管した後に各性状を評価した。結果を表1に示す。
[比較例1]
厚さ100μmの環状オレフィン系樹脂フィルム(商品名:ARTON G7810、
JSR(株)製)について、実施例1と同様に各性状を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2〜12、比較例2〜7]
フェニルトリエトキシシランに代えて、表1に示すシラン含有化合物を用い、硬化後の膜厚を表1に示す厚さとしたことの他は、実施例1と同様に積層フィルムを得た。これを25℃で24時間保管した後に、実施例1と同様にして各性状を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2010023235
本発明の積層フィルムは、光学部品、液晶素子などの用途に好適に用いることができる。また本発明の積層フィルムは、必要に応じて、反射防止性、帯電防止性、汚染防止性、結露防止性、撥水性、撥油性、電磁波遮断性、紫外線遮蔽性、熱線吸収性、導電性、絶縁性、難燃性、抗菌性等の機能性を付与したフィルムとして用いることもでき、蒸着積層光学フィルターフィルムなどの光学フィルターフィルム、導電性フィルム、フォトパターニング用基材などを好適に形成することができる。更には、半田付けなどの高温にさらされる製造工程を有する用途や、使用時の温度変化により寸法変化が問題となる用途で好適に用いることができる。本発明の導電性フィルムは、各種のディスプレイ、液層表示装置などにタッチパネルを組み合わせて使用する際の導電性透明フィルムとして好適に用いることができる。本発明の光学フィルターフィルムは、近赤外等所定の波長帯を反射カットする光学フィルターフィルムの基材として好適に用いることができる。また、本発明の基板フィルムは、プラズマディスプレイパネル(PDP)の製造や液晶表示素子(LCD)、有機EL素子、プリント回路基板、多層回路基板、太陽電池基板、マルチチップモジュール、およびLSI等を構成する電極の製造などに好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. 環状オレフィン系重合体を有する層(I)の両面に、
    環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物から形成される層(II)を有し、
    層(I)の膜厚100に対して、層(II)の膜厚の合計が1〜45の範囲であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 環状構造を有する基を有するシラン化合物が、炭素数6〜20の芳香族炭化水素基または炭素数3〜20の脂環式炭化水素基を有することを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 環状オレフィン系重合体が下記式(1)で表わされる構造単位を有することを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
    Figure 2010023235
    (式(1)中、mは0以上の整数、pは0以上の整数であり、Xは独立に式:−CH=CH−で表される基または式:−CH2CH2−で表される基であり、R1〜R4は各々独立に水素原子;ハロゲン原子;酸素、窒素、イオウ若しくはケイ素を含む連結基を有していてもよい置換または非置換の炭素原子数1〜30の炭化水素基;または極性基を表し、R1
    とR2および/またはR3とR4は一体化して2価の炭化水素基を形成してもよく、R1またはR2と、R3またはR4とは相互に結合して炭素環または複素環を形成してもよく、該炭
    素環または複素環は、単環構造でも多環構造でもよい。)
  4. 環状オレフィン系重合体を有するフィルム(I)の両面に、環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物を塗布する工程と、
    熱および/または放射線で処理して、環状構造を有する基を有するシラン化合物を含む組成物の処理物(II)を形成する工程とを有し、
    環状オレフィン系重合体を有するフィルム(I)の膜厚100に対して、処理物(II
    )の厚さの合計が1〜45の範囲である積層フィルムを製造することを特徴とする積層フィルムの製造方法。
  5. 請求項4に記載の積層フィルムの製造方法で得られることを特徴とする積層フィルム。
  6. 請求項1〜3または5に記載の積層フィルムの表面に、導電性層を有することを特徴とする導電性フィルム。
  7. 請求項1〜3または5に記載の積層フィルムの表面に、金属もしくは金属酸化物の蒸着層を有することを特徴とする光学フィルターフィルム。
  8. 請求項1〜3または5に記載の積層フィルムの表面に、感光性樹脂組成物により形成されたパターニング層を有することを特徴とする基板フィルム。
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