JP2010022701A - 血液浄化装置 - Google Patents

血液浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010022701A
JP2010022701A JP2008189817A JP2008189817A JP2010022701A JP 2010022701 A JP2010022701 A JP 2010022701A JP 2008189817 A JP2008189817 A JP 2008189817A JP 2008189817 A JP2008189817 A JP 2008189817A JP 2010022701 A JP2010022701 A JP 2010022701A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
sensor
change
blood circuit
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008189817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5237007B2 (ja
Inventor
Kunihiko Akita
邦彦 秋田
Masahiro Toyoda
将弘 豊田
Tomoya Murakami
智也 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikkiso Co Ltd filed Critical Nikkiso Co Ltd
Priority to JP2008189817A priority Critical patent/JP5237007B2/ja
Publication of JP2010022701A publication Critical patent/JP2010022701A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5237007B2 publication Critical patent/JP5237007B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】血液回路を体外循環する実血流量をより精度よく且つ容易に求めることができる血液浄化装置を提供する。
【解決手段】血液回路1と、血液回路1を流れる血液を浄化するダイアライザ2と、血液回路1で体外循環する患者の血液に対して人為的な変化(血液濃縮)を付与する変化付与手段と、その付与された血液濃縮を検出する第1センサ5a及び第2センサ5bから成る検出手段とを具備した血液浄化装置において、検出手段が寸法L離間しつつ設けられた一対のセンサから成るとともに、上流側の第1センサ5aで検出した血液指標値の変化が下流側の第2センサ5bで検出されるまでの時間を計測する計測手段15と、その計測した時間t、センサの離間寸法L及びその離間寸法内の前記血液回路の内径寸法Dをパラメータとした所定演算式により血液回路1を流れる血液の流量を演算する演算手段16とを備えたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、患者の血液を体外循環させつつ浄化する血液浄化装置に関するものである。
一般に、血液浄化療法、例えば透析治療においては、患者の血液を体外循環させるべく可撓性チューブから成る血液回路が使用されている。この血液回路は、患者から血液を採取する動脈側穿刺針が先端に取り付けられた動脈側血液回路と、患者に血液を戻す静脈側穿刺針が先端に取り付けられた静脈側血液回路とから主に成り、これら動脈側血液回路と静脈側血液回路との間にダイアライザを介在させ、血液ポンプを駆動させることにより体外循環する血液の浄化を行っている。
かかるダイアライザは、内部に複数の中空糸が配設されており、それぞれの中空糸の内部を血液が通過するとともに、その外側(中空糸の外周面と筐体の内周面との間)に透析液を流し得る構成とされている。中空糸は、その壁面に微小な孔(ポア)が形成されて血液浄化膜を成しており、中空糸内部を通過する血液の老廃物等が血液浄化膜を透過して透析液内に排出されるとともに、老廃物が排出されて浄化された血液が患者の体内に戻るようになっている。また、透析装置内には、患者の血液から水分を取り除くための除水ポンプが配設されており、透析治療時に除水が行われるように構成されている。
ところで、上記の如き透析装置で適用される血液ポンプは、通常、血液回路をしごいて一定の血液を患者から採取及び返血する所謂しごき型ポンプで構成されており、当該血液回路を体外循環する血液流量は、血液ポンプの1回転当たりの吐出量と時間当たりの回転数とによって求められる。
しかしながら、血液ポンプの吐出量は、所定条件(例えば、ヘマトクリット値が30%程度の牛血を用いた場合等)での流量と血液ポンプの回転数との関係で設定されているため、実際に体外循環される血液の性質とは必ずしも一致せず、設定流量と実血流量(血液回路を流れる実際の血流量)とにずれが生じてしまうことがあった。また、患者のシャント(外科手術により動脈と静脈とを連結させた部位)部位から脱血する際、穿刺針の穿刺不良や穿刺針近傍の血液回路を構成するチューブの折れ曲がり、或いは血管の狭窄により脱血不良が生じると、血液ポンプ上流側が陰圧となってしまい、その吐出量が規定値より少なくなることがあり、設定流量と実血流量とにずれが生じてしまうことがあった。
上記の如く設定流量と実血流量とにずれが生じてしまうと、所定の透析効率が得られないことから、所望の透析効率を得るため実血流量を精度よく検出するものが望まれているのが実情である。かかる事情により、従来より、血液ポンプの回転数とは異なるパラメータを用いて血液回路を流れる実際の血流量(実血流量)を求めることが種々提案されるに至っている。例えば、特許文献1で示すように、ダイアライザ入口圧(例えば、動脈側血液回路のドリップチャンバ内における液圧)の振幅に基づいて脱血圧(動脈側血液回路における動脈側穿刺針近傍の液圧)を求めるとともに、予め実験的に求めておいた当該脱血圧と実血流量との関係を示す特性曲線から血液回路を体外循環する血液の流量(実血流量)を求めるものが提案されている。
特開2006−304917号公報
しかしながら、上記従来の血液浄化装置においては、実血流量を求めるためには、予め実験的に求めておく特性関係(具体的には、ダイアライザ入口圧と脱血圧との関係、及び脱血圧と実血流量との関係)が2重に必要であり、患者個々の個人差に基づく測定誤差を生じ易いという問題があった。また、実血流量を求める毎にドリップチャンバ(動脈側ドリップチャンバ)の液面高さを調整する必要があり、極めて手間がかかってしまい作業性が悪化してしまうという問題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、血液回路を体外循環する実血流量をより精度よく且つ容易に求めることができる血液浄化装置を提供することにある。
請求項1記載の発明は、患者の血液を体外循環させるための動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成る血液回路と、前記動脈側血液回路と静脈側血液回路との間に接続され、当該血液回路を流れる血液を浄化する血液浄化手段と、該血液回路で体外循環する患者の血液に対して人為的な変化を付与する変化付与手段と、前記血液回路で体外循環する患者の血液における血液指標を経時的に検出するとともに、前記変化付与手段により付与された人為的変化に起因して生じる血液指標の変化を検出し得る検出手段とを具備した血液浄化装置において、前記検出手段は、前記血液回路における前記変化付与手段により人為的変化が付与される部位より下流側に所定寸法離間しつつ設けられた一対のセンサから成るとともに、当該検出手段を構成するセンサのうち上流側のセンサで検出した血液指標値の変化が下流側のセンサで検出されるまでの時間を計測する計測手段と、該計測手段で計測した時間、前記検出手段を構成する一対のセンサの離間寸法及びその離間寸法内の前記血液回路の内径寸法をパラメータとした所定演算式により前記血液回路を流れる血液の流量を演算する演算手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の血液浄化装置において、前記変化付与手段は、前記血液浄化手段で浄化される血液を急激且つ短時間で濃縮して血液濃度の変化に特有のピークを付与し得る血液濃縮手段から成るとともに、前記検出手段は、当該血液濃縮手段にて付与された特有のピークを検出するヘマトクリットセンサから成ることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置において、前記検出手段を構成する上流側のセンサと下流側のセンサとが設置されるべき所定位置を示す目印が前記血液回路に形成されたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置において、前記検出手段を構成する上流側のセンサと下流側のセンサとを前記血液回路の所定位置に設置可能な設置手段を具備したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載の血液浄化装置において、前記検出手段を構成する一対のセンサの離間寸法及びその離間寸法内の前記血液回路の内径寸法を入力する入力手段を具備したことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、検出手段を構成する上流側のセンサで検出した血液指標値の変化が下流側のセンサで検出されるまでの時間、当該検出手段を構成する一対のセンサの離間寸法及びその離間寸法内の血液回路の内径寸法をパラメータとした所定演算式により血液回路を流れる血液の流量を演算するので、血液回路を体外循環する実血流量をより精度よく且つ容易に求めることができる。
請求項2の発明によれば、変化付与手段は、血液浄化手段で浄化される血液を急激且つ短時間で濃縮して血液濃度の変化に特有のピークを付与し得る血液濃縮手段から成るとともに、検出手段は、当該血液濃縮手段にて付与された特有のピークを検出するヘマトクリットセンサから成るので、生理食塩水やインディケータとなる物質等を血液回路内に注入する必要がなく、より簡易に血液回路を体外循環する実血流量を求めることができる。
請求項3、4の発明によれば、検出手段を構成する上流側のセンサと下流側のセンサとが設置されるべき所定位置を示す目印が血液回路に形成され、或いは検出手段を構成する上流側のセンサと下流側のセンサとを血液回路の所定位置に設置可能な設置手段を具備したので、実血流量の演算の際、検出手段を構成する一対のセンサの離間寸法がずれてしまい誤差が生じてしまうのを防止することができる。
請求項5の発明によれば、前記検出手段を構成する一対のセンサの離間寸法及びその離間寸法内の前記血液回路の内径寸法を入力する入力手段を具備したので、一対のセンサの離間寸法及びその内径寸法に変更が生じた際も容易に対応して実血流量を求めることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る血液浄化装置は、患者の血液を体外循環させつつ浄化するためのもので、血液透析治療で使用される血液透析装置に適用されたものである。かかる血液透析装置は、図1に示すように、血液浄化手段としてのダイアライザ2が接続された血液回路1と、ダイアライザ2に透析液を供給しつつ除水する透析装置本体6とから主に構成されている。
血液回路1は、同図に示すように、可撓性チューブから成る動脈側血液回路1a及び静脈側血液回路1bから主に構成されており、これら動脈側血液回路1aと静脈側血液回路1bの間にダイアライザ2が接続されている。動脈側血液回路1aには、その先端に動脈側穿刺針aが接続されているとともに、途中にしごき型の血液ポンプ3、除泡用のドリップチャンバ4aが配設されている。一方、静脈側血液回路1bには、その先端に静脈側穿刺針bが接続されているとともに、途中に一対の検出手段(第1センサ5a及び第2センサ5b)及び除泡用のドリップチャンバ4bが接続されている。
そして、動脈側穿刺針a及び静脈側穿刺針bを患者に穿刺した状態で、血液ポンプ3を駆動させると、患者の血液は、ドリップチャンバ4aで除泡がなされつつ動脈側血液回路1aを通ってダイアライザ2に至り、該ダイアライザ2によって血液浄化が施され、ドリップチャンバ4bで除泡がなされつつ静脈側血液回路1bを通って患者の体内に戻る。即ち、患者の血液を血液回路1にて体外循環させつつダイアライザ2にて浄化するのである。
ダイアライザ2は、その筐体部に、血液導入ポート2a、血液導出ポート2b、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dが形成されており、このうち血液導入ポート2aには動脈側血液回路1aの基端が、血液導出ポート2bには静脈側血液回路1bの基端がそれぞれ接続されている。また、透析液導入ポート2c及び透析液導出ポート2dは、透析装置本体6から延設された透析液導入ライン7及び透析液排出ライン8とそれぞれ接続されている。
ダイアライザ2内には、複数の中空糸が収容されており、該中空糸内部が血液の流路とされるとともに、中空糸外周面と筐体部の内周面との間が透析液の流路とされている。中空糸には、その外周面と内周面とを貫通した微少な孔(ポア)が多数形成されて中空糸膜を形成しており、該膜を介して血液中の不純物等が透析液内に透過し得るよう構成されている。
一方、透析装置本体6は、複式ポンプP(透析液導入排出手段)と、透析液排出ライン8において複式ポンプPを迂回して接続されたバイパスライン9と、該バイパスライン9に接続された除水ポンプ10と、ダイアライザ2から複式ポンプPの排液側Pbへ透析液を流動させる加圧ポンプ11と、気泡分離チャンバ12と、大気開放ライン13と、電磁弁14とから主に構成されている。
複式ポンプPは、透析液導入ライン7及び透析液排出ライン8に跨って配設され、当該透析液導入ライン7からダイアライザ2(血液浄化手段)に対して透析液を導入させるとともに、当該ダイアライザ2に導入された透析液を透析液排出ライン8から排出させるためのものである。即ち、複式ポンプPは、供給側Paと排液側Pbとが略等量とされた定量型のポンプから成るものであり、当該供給側Paから排液側Pbまでの透析液の流路は、電磁弁14が閉じた状態で、密閉系(密閉が保たれた状態)とされている。
加圧ポンプ11は、透析液排出ライン8におけるダイアライザ2と複式ポンプPとの間に接続され、当該ダイアライザ2から複式ポンプPへ透析液を流動させるためのものであり、遠心型のように非容積型ポンプ(圧力制御型)から成るものである。尚、後述する除水ポンプ10は、定量型ポンプから成るものとされている。
そして、透析液導入ライン7の一端がダイアライザ2(透析液導入ポート2c)に接続されるとともに、他端が所定濃度の透析液を調製する透析液供給装置(不図示)に接続されている。また、透析液排出ライン8の一端は、ダイアライザ2(透析液導出ポート2d)に接続されるとともに、他端が図示しない排液手段と接続されており、透析液供給装置から供給された透析液が透析液導入ライン7を通ってダイアライザ2に至った後、透析液排出ライン8及びバイパスライン9を通って排液手段に送られるようになっている。
除水ポンプ10は、ダイアライザ2中を流れる患者の血液から水分を除去するためのものである。即ち、かかる除水ポンプ10を駆動させると、複式ポンプPが定量型であるため、透析液導入ライン7から導入される透析液量よりも透析液排出ライン8から排出される液体の容量が多くなり、その多い容量分だけ血液中から水分が除去されるのである。尚、かかる除水ポンプ10以外の手段(例えば所謂バランシングチャンバ等を利用するもの)にて患者の血液から水分を除去するようにしてもよい。
気泡分離チャンバ12は、所謂脱ガスチャンバと呼ばれるもので、透析液排出ライン8における加圧ポンプ11と複式ポンプPとの間に接続された所定容量のものから成り、透析液中の気泡を捕捉し得るよう構成されたものである。この気泡分離チャンバ12からは、既述したバイパスライン9が延設されているとともに、大気開放ライン13が延設されている。この大気開放ライン13は、先端が大気開放とされており、その途中には電磁弁14が接続されている。
電磁弁14は、大気開放ライン13を開放又は閉止すべく開閉可能とされたもので、開放状態で気泡分離チャンバ12が外気と連通し、閉止状態で当該気泡分離チャンバ12が外気と遮断するようになっている。而して、透析治療前又は透析治療後において、電磁弁14を操作して大気開放ライン13を開放させれば、気泡分離チャンバ12内に捕捉された気泡を大気に放出させることができる。
尚、本実施形態における大気開放ライン13と電磁弁14とは、本発明の血液濃縮手段(変化付与手段)を構成しており、当該電磁弁14を操作して大気開放ライン13を開放させることにより、ダイアライザ2を流れる血液に対し急激で且つ短時間の濃縮を行って当該血液の指標(血液指標)に対して特有のピークを付与し得るようになっている。即ち、透析治療中において、電磁弁14を操作して閉止状態の大気開放ライン13を開放すると、加圧ポンプ11の出口圧が大気圧と略等しくなることから、加圧ポンプ11の上流側では瞬間的に高い陰圧が発生し、ダイアライザ2(血液の流路)を流れる血液に対して、急激で且つ短時間の除水(血液濃縮)が行われるのである。
これにより、除水ポンプ10の駆動により発生する限外濾過圧よりも遙かに大きく、且つ短時間で血液に対して大量の除水を行うことができ、血液指標としての血液濃度(ヘマトクリット値)の変化に特有のピークを付与し得るようになっている。尚、電磁弁14による大気開放ライン13の開放は、短時間(本実施形態においては、大気開放ライン13の開放は、10秒以下の任意の時間を設定することができ、0.5秒或いはそれ以下でも十分な測定精度を有する)で行われ、すぐに電磁弁14を操作することにより大気開放ライン13が閉止されることとなる。
ここで、本発明における「急激且つ短時間」とは、回路を経た後において付与したパルスが確認できる程度の大きさ及び時間のことをいい、「特有」とは、ポンプの変動や患者の体動による他の要因による変動パターンと区別できるものをいう。尚、本実施形態による除水速度は、通常の除水の10倍以上となっている。
患者の血液濃度情報は、患者の血液濃度(ヘマトクリット値やヘモグロビン濃度等)そのものであってもよく、或いは静脈側血液回路1bを流れる血液の圧力である静脈圧(例えば、ドリップチャンバ4bの空気層の圧力から求められる静脈圧)又はダイアライザ2から導出した透析液の圧力である透析液圧(透析液排出ライン8におけるダイアライザ2直後の透析液の圧力)から導かれるものであってもよい。また、患者の血液濃度情報は、静脈側血液回路1bに配設されたヘマトクリットセンサと静脈側血液回路1bに流れる血液の圧力である静脈圧(例えば、ドリップチャンバ4bの空気層の圧力から求められる静脈圧)から導かれるものであってもよい。
然るに、電磁弁14による大気開放ライン13の開放時、加圧ポンプ11の回転数を任意変更可能とするのが好ましい。これにより、付与される陰圧の大きさを制御することができる。また、透析液圧警報、静脈圧警報又はダイアライザ入口圧警報などの警報装置を具備したものの場合、電磁弁14による大気開放ライン13の開放時点から一定時間だけ当該警報装置による警報幅(警報すべき範囲)を広げて誤警報を抑制するよう構成してもよい。尚、誤警報をより抑制すべく、電磁弁14による大気開放ライン13の開放時点から一定時間だけ当該警報装置による警報監視を緩和させるよう構成してもよい。
本発明の検出手段を構成する第1センサ5a及び第2センサ5bは、血液回路1で体外循環する患者の血液における血液指標(ヘマトクリット値)を経時的に検出するとともに、大気開放ライン13及び電磁弁14(本発明の血液濃縮手段(変化付与手段))により付与された人為的変化(急激且つ短時間な血液濃縮の変化)に起因して生じる血液指標の変化を検出し得るものである。
より具体的には、本発明の検出手段を構成する第1センサ5a及び第2センサ5bは、静脈側血液回路1bの静脈側ドリップチャンバ4bと静脈側穿刺針bとの間において配設された一対のセンサから成るものである。而して、かかる一対の第1センサ5a及び第2センサ5bは、血液回路1における変化付与手段により人為的変化が付与される部位(本実施形態においてはダイアライザ2)より下流側(本実施形態においては静脈側血液回路1b)に所定寸法Lだけ離間しつつ設けられている。
これら第1センサ5a及び第2センサ5bは、血液濃度を検出し得るヘマトクリットセンサから成るもので、当該ヘマトクリットセンサは、例えばLED等の発光素子及びフォトダイオード等の受光素子を備え、発光素子から血液に光を照射するとともに、その透過した光或いは反射した光を受光素子にて受光することにより、患者の血液濃度を示すヘマトクリット値を検出するものである。
具体的には、受光素子から出力された電気信号に基づき、血液の濃度を示すヘマトクリット値を求める。即ち、血液を構成する赤血球や血漿などの各成分は、それぞれ固有の吸光特性を持っており、この性質を利用してヘマトクリット値を測定するのに必要な赤血球を光学的に定量化することにより当該ヘマトクリット値を求めることができるのである。より具体的には、発光素子から照射された近赤外線は、血液に入射して吸収と散乱の影響を受け、受光素子にて受光される。その受光した光の強弱から光の吸収散乱率を解析し、ヘマトクリット値を算出するのである。
ここで、本実施形態においては、透析装置本体6内に計測手段15及び演算手段16が配設されている。計測手段15は、一対の第1センサ5a及び第2センサ5bとそれぞれ電気的に接続されており、当該センサのうち上流側の第1センサ5aで検出した血液指標値の変化(ヘマトクリット値の変化)が下流側の第2センサ5bで検出されるまでの時間(移動時間t)を計測するためのものである。
例えば、大気開放ライン13及び電磁弁14(本発明の血液濃縮手段(変化付与手段))により付与された人為的変化(急激且つ短時間な血液濃縮の変化)に起因して生じるヘマトクリット値の変化(特有のピーク)は、まず上流側の第1センサ5aで検出され、その後、下流側の第2センサ5bで検出されることとなる。然るに、第1センサ5aにおいて特有のピークの最大値Aが検出された時点から第2センサ5bにおいて特有のピークの最大値A’が検出された時点までの時間が移動時間tとされる。
尚、移動時間tの計測方法として、上記の方法の他、例えば第1センサ5aにおける特有のピークの一定以上の変化率が検出された時点から第2センサ5bにおける特有のピークの一定以上の変化率が検出された時点までの時間とする方法、或いは第1センサ5aにおいて検出された特有のピークの面積Sが検出された時点から第2センサ5bにおいて検出された特有のピークの面積S’(第1センサ5aにおける面積Sと同一)が検出された時点までの時間とする方法等が挙げられる。
演算手段16は、計測手段15で計測した時間(t)、検出手段を構成する一対のセンサ(第1センサ5a及び第2センサ5b)の離間寸法(L)及びその離間寸法内の血液回路(静脈側血液回路1b)の内径寸法(D)をパラメータとした所定演算式により血液回路1を流れる血液の流量(実血流量)を演算するものである。尚、離間寸法(L)とその内径寸法(D)は、予め設定された値であって時間(t)と共に既知のパラメータである。
かかる演算手段16によりなされる演算の演算式は、以下の通りである。但し、回路内容量(B)は、(D/2)×π×Lなる式で求められ、単位が(mL)とされるとともに、時間(t)は、単位が(s)とされる。
実血流量(mL/min)=回路内容量(B)×60/時間(t)…(演算式)
よって、本実施形態によれば、計測手段15で計測した時間(t)、検出手段を構成する一対のセンサ(第1センサ5a及び第2センサ5b)の離間寸法(L)及びその離間寸法内の血液回路(静脈側血液回路1b)の内径寸法(D)をパラメータとした上記の如き所定演算式により血液回路1を体外循環する血液の実血流量を求めることができるので、血液ポンプ3の吐出量と回転数との関係により実血流量を求めるもの、或いは2重の実験的関係等から実血流量を導き出すもの等に比べ、当該実血流量をより精度よく且つ容易に求めることができる。
また、本実施形態に係る変化付与手段は、血液浄化手段で浄化される血液を急激且つ短時間で濃縮して血液濃度の変化に特有のピークを付与し得る血液濃縮手段(大気開放ライン13及び電磁弁14)から成るとともに、検出手段(第1センサ5a及び第2センサ5b)は、当該血液濃縮手段にて付与された特有のピークを検出するヘマトクリットセンサから成るので、生理食塩水やインディケータとなる物質等を血液回路1内に注入する必要がなく、より簡易に血液回路を体外循環する実血流量を求めることができる。
尚、検出手段を構成する上流側のセンサ(第1センサ5a)と下流側のセンサ(5b)とが設置されるべき所定位置(離間寸法が正確にLとされる位置)を示す目印(例えば印刷や刻印等、視認可能な目印)が血液回路1に形成され、或いは検出手段を構成する上流側のセンサ(第1センサ5a)と下流側のセンサ(第2センサ5b)とを血液回路1の所定位置(離間寸法が正確にLとされる位置)に設置可能な設置手段(例えば第1センサ5a及び第2センサ5bを所定位置に装着可能なカセット式のもの等)を具備させてもよい。この場合、実血流量の演算の際、検出手段を構成する一対のセンサ(第1センサ5a及び第2センサ5b)の離間寸法がずれてしまい誤差が生じてしまうのを防止することができる。
以上、本発明に係る本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば生理食塩水やインディケータとなる物質等を血液回路1内に注入することにより血液回路1で体外循環する患者の血液に対して人為的な変化を付与する変化付与手段とし、且つ、検出手段(第1センサ5a及び第2センサ5b)は、血液回路1で体外循環する患者の血液における血液指標を経時的に検出するとともに、当該変化付与手段により付与された人為的変化に起因して生じる血液指標の変化を検出し得るものとしてもよい。この場合であっても、人為的変化に起因して生じる血液指標の変化が第1センサ5aから第2センサ5bに至る時間を計測手段15にて計測して移動時間(t)とすることができる。
尚、本実施形態における除水ポンプ10においても、短時間で急激に駆動させることにより、ダイアライザ2に流れる血液に対し急激で且つ短時間の濃縮を行って特有のピークを付与し得るようになっている。即ち、ダイアライザ2の血液流路を流れる血液は、その水分が血液浄化膜を介して透析液流路側へ短時間で急激に濾過させることにより濃縮され、それが特有のピークとなって現れるのである。
更に、上記実施形態においては、第1センサ5a及び第2センサ5bの離間寸法L及びその離間寸法L内の血液回路1の内径寸法Dは、固定(不変)且つ既知のパラメータとされているが、例えば検出手段を構成する一対のセンサ(第1センサ5a及び第2センサ5b)の離間寸法(L)及びその離間寸法(L)内の血液回路1の内径寸法(D)を入力する入力手段を具備するようにしてもよい。この場合、一対のセンサ(第1センサ5a及び第2センサ5b)の離間寸法(L)及びその内径寸法(D)に変更が生じた際も容易に対応(具体的には入力手段への入力により変更)して実血流量を求めることができる。
尚、本実施形態においては、透析装置本体6が透析液供給機構を内蔵しない透析監視装置から成るものであるが、透析液供給機構が内蔵された個人用透析装置に適用するようにしてもよい。更に、体外循環させつつ血液浄化を行う他の治療(血液濾過療法や血液濾過透析療法など)で使用されるもの或いは他の機能が付加されたものにも適用することができる。
血液回路における前記変化付与手段により人為的変化が付与される部位より下流側に所定寸法離間しつつ設けられた一対のセンサから成る検出手段を具備するとともに、当該検出手段を構成するセンサのうち上流側のセンサで検出した血液指標値の変化が下流側のセンサで検出されるまでの時間を計測する計測手段と、該計測手段で計測した時間、検出手段を構成する一対のセンサの離間寸法及びその離間寸法内の血液回路の内径寸法をパラメータとした所定演算式により血液回路を流れる血液の流量を演算する演算手段とを備えた血液浄化装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
本発明の実施形態に係る血液浄化装置を示す全体模式図 同血液浄化装置における検出手段を構成する第1センサ及び第2センサで検出されるヘマトクリット値の変化を示すグラフ
符号の説明
1…血液回路
1a…動脈側血液回路
1b…静脈側血液回路
2…ダイアライザ(血液浄化手段)
3…血液ポンプ
4a、4b…ドリップチャンバ
5a…第1センサ(検出手段)
5b…第2センサ(検出手段)
6…透析装置本体
7…透析液導入ライン
8…透析系排出ライン
9…バイパスライン
10…除水ポンプ
11…加圧ポンプ
12…気泡分離チャンバ
13…大気開放ライン
14 電磁弁
15 計測手段
16 演算手段
P 複式ポンプ

Claims (5)

  1. 患者の血液を体外循環させるための動脈側血液回路及び静脈側血液回路から成る血液回路と、
    前記動脈側血液回路と静脈側血液回路との間に接続され、当該血液回路を流れる血液を浄化する血液浄化手段と、
    該血液回路で体外循環する患者の血液に対して人為的な変化を付与する変化付与手段と、
    前記血液回路で体外循環する患者の血液における血液指標を経時的に検出するとともに、前記変化付与手段により付与された人為的変化に起因して生じる血液指標の変化を検出し得る検出手段と、
    を具備した血液浄化装置において、
    前記検出手段は、前記血液回路における前記変化付与手段により人為的変化が付与される部位より下流側に所定寸法離間しつつ設けられた一対のセンサから成るとともに、
    当該検出手段を構成するセンサのうち上流側のセンサで検出した血液指標値の変化が下流側のセンサで検出されるまでの時間を計測する計測手段と、
    該計測手段で計測した時間、前記検出手段を構成する一対のセンサの離間寸法及びその離間寸法内の前記血液回路の内径寸法をパラメータとした所定演算式により前記血液回路を流れる血液の流量を演算する演算手段と、
    を備えたことを特徴とする血液浄化装置。
  2. 前記変化付与手段は、前記血液浄化手段で浄化される血液を急激且つ短時間で濃縮して血液濃度の変化に特有のピークを付与し得る血液濃縮手段から成るとともに、前記検出手段は、当該血液濃縮手段にて付与された特有のピークを検出するヘマトクリットセンサから成ることを特徴とする請求項1記載の血液浄化装置。
  3. 前記検出手段を構成する上流側のセンサと下流側のセンサとが設置されるべき所定位置を示す目印が前記血液回路に形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置。
  4. 前記検出手段を構成する上流側のセンサと下流側のセンサとを前記血液回路の所定位置に設置可能な設置手段を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の血液浄化装置。
  5. 前記検出手段を構成する一対のセンサの離間寸法及びその離間寸法内の前記血液回路の内径寸法を入力する入力手段を具備したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載の血液浄化装置。
JP2008189817A 2008-07-23 2008-07-23 血液浄化装置 Active JP5237007B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008189817A JP5237007B2 (ja) 2008-07-23 2008-07-23 血液浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008189817A JP5237007B2 (ja) 2008-07-23 2008-07-23 血液浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010022701A true JP2010022701A (ja) 2010-02-04
JP5237007B2 JP5237007B2 (ja) 2013-07-17

Family

ID=41729100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008189817A Active JP5237007B2 (ja) 2008-07-23 2008-07-23 血液浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5237007B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09149935A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Nissho Corp 透析装置の除水量監視装置
JP2005261558A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Toray Medical Co Ltd 血液透析装置の脱血圧測定システム
WO2006022099A1 (ja) * 2004-08-24 2006-03-02 Nikkiso Company Limited 血液浄化装置
JP2006304917A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Toray Medical Co Ltd 実血流量測定システムおよび方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09149935A (ja) * 1995-11-30 1997-06-10 Nissho Corp 透析装置の除水量監視装置
JP2005261558A (ja) * 2004-03-17 2005-09-29 Toray Medical Co Ltd 血液透析装置の脱血圧測定システム
WO2006022099A1 (ja) * 2004-08-24 2006-03-02 Nikkiso Company Limited 血液浄化装置
JP2006304917A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Toray Medical Co Ltd 実血流量測定システムおよび方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN7013000848; 江口圭,小田順一,角田飛鳥,金子好恵,山田祐史,金子岩和,峰島三千男: '新しい実血流量測定法(CRIT-2点法)の考案' 透析会誌 41(2), 20080228, 127-131 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP5237007B2 (ja) 2013-07-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4573860B2 (ja) 血液浄化装置
JP4868772B2 (ja) 血液浄化装置
JP4925159B2 (ja) 血液浄化装置
KR102220982B1 (ko) 체외 혈액 치료 중 재순환을 검출하는 장치 및 방법
JP2004174235A (ja) 血液浄化装置
JP2006102237A (ja) 血液浄化装置
JP4290106B2 (ja) 血液浄化装置
US10940253B2 (en) Blood purification apparatus
JP4573231B2 (ja) 血液浄化装置
JP2010136841A (ja) 血液浄化装置
US10940252B2 (en) Blood purification apparatus
JP5222706B2 (ja) 血液浄化装置及びその血液流量演算方法
CN100548392C (zh) 血液净化装置
JP2008086581A (ja) 返血、輸血または輸液の監視装置および監視方法
JP5491844B2 (ja) 血液浄化装置
JP5736268B2 (ja) 血液浄化装置
JP2017012648A (ja) 血液浄化装置及びその血液浄化装置によるアクセス血管の流量算出方法
JP2010136745A (ja) 血液浄化装置
JP5237007B2 (ja) 血液浄化装置
JP5276909B2 (ja) 血液浄化装置
JP4442825B2 (ja) 血液浄化装置
JP6062580B2 (ja) 血液浄化装置
JP5041579B2 (ja) 血液浄化装置及びその血液濃度検出手段の装着位置判別方法
JP2016036534A (ja) 血液浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5237007

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250