JP2010021409A - 露光方法、露光装置および基板製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板上の隣接する2つの領域について、強度を切り換えてパターンニングする際に、境界部分のエッジを鋭利にするための技術を提供することを目的とする。
【解決手段】光ビームの照射強度を第1強度から第2強度へ切り換える際に、一旦、第1強度および第2強度よりも小さい第3強度のパルス光を出射させる期間T1を設ける。そのため、セレクタ回路421は、選択信号Vsの入力を受けない状態では、リボン変位電位Vrを補正リボン電位Vcとして可動リボン411bに供給する一方、選択信号Vsの入力を受ける間(期間T1)は、基準電位を可動リボン411bに供給する。なお、選択信号Vsは、光ビームの照射強度を変化させるべき時点で出力される変化点トリガ信号Vtと、オペレータにより設定された時間情報とに基づいて、選択信号生成部422により生成される。
【選択図】図8
【解決手段】光ビームの照射強度を第1強度から第2強度へ切り換える際に、一旦、第1強度および第2強度よりも小さい第3強度のパルス光を出射させる期間T1を設ける。そのため、セレクタ回路421は、選択信号Vsの入力を受けない状態では、リボン変位電位Vrを補正リボン電位Vcとして可動リボン411bに供給する一方、選択信号Vsの入力を受ける間(期間T1)は、基準電位を可動リボン411bに供給する。なお、選択信号Vsは、光ビームの照射強度を変化させるべき時点で出力される変化点トリガ信号Vtと、オペレータにより設定された時間情報とに基づいて、選択信号生成部422により生成される。
【選択図】図8
Description
本発明は、所定の感光材料が塗布された基板に向けてビームを照射して、所定のパターンを描画する技術に関し、特に、ハーフトーン露光におけるパターン描画の精度を向上させる技術に関する。
主に、半導体素子、プリント基板、印刷版、液晶ディスプレイパネル、プラズマディスプレイパネルなどの製造過程において、感光性の物質(感光剤、例えば、フォトレジスト)が塗布された基板の表面を、パターン状に露光することで、露光部分と非露光部分からなるパターンを生成する技術(フォトリソグラフィー)が用いられる。
従来より、例えば、1回の露光工程で「露光部分」「中間露光部分」および「未露光部分」といったように3段階の強度レベルにて露光し、現像後に2種類の厚さのレジスト層を形成する露光方法(ハーフトーン露光)が知られている(例えば、特許文献1)。このハーフトーン露光によれば、通常よりも少ない工程数でパターンを基板に形成することができるため、基板の生産効率の点で有利である。
このハーフトーン露光においては、一般にグレイトーンマスク(中間露光の部分にスリットを設けたマスク)やハーフトーンマスク(中間露光の部分に半透過性を有する膜を付着させたマスク)が用いられている。しかし、マスクを用いる場合には、マスク製造に多大な時間がかかったり、簡単なパターンの変更であっても新たにマスクを作製し直す必要があったりするなど、マスクそのものの生産コストが高いという欠点がある。
そこで、マスクを使用しないハーフトーン露光を行う露光方法(直描方式)が提案されている(例えば、特許文献2)。この方法では、光の強度(光量密度、単位面積当たりのエネルギー量)や照射時間を制御することにより、基板に対して光の照射量を階調的に制御して露光する。直描方式でハーフトーン露光を行う場合には、露光装置に空間光変調器(SLM)が備えられており、この空間変調器によって光を変調することで、照射する光量の調整が行われる。
ここで、空間変調器としては、例えば、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)や液晶ディスプレイ(LCD)などのほか、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの一種であるグレーティングライトバルブ(GLV)が知られている。GLVは、基板上に、光の反射面を有する固定リボンと可動リボンとが交互に形成されており、可動リボンの反射面の位置を固定リボンの反射面に対して相対的に変位させることにより、回折格子の深さを変更することができる回折格子型の光変調素子である。
このような回折格子では、溝の深さを変更することによって、反射光および回折光の強度が変化するため、光照射のオン・オフ制御におけるスイッチング素子として利用されている(例えば、特許文献3)。
ところが、GLVなどを使用してハーフトーン露光処理を行う際に、隣接する2領域を光の強度を切り換えて露光する場合に、当該2領域の境界部分の光量積算値が緩やかに変化するため、高精度なハーフトーン露光ができないという問題があった。この点について、図12を参照しつつ説明する。
図12は、従来のハーフトーン露光による基板上の各位置に照射される光量の積算を示す図である。なお、図12では、所定の方向に等速移動する基板に対して定位置に固定された露光ユニットから光を照射する露光装置を用いて、基板上の位置P0,P1間(第1領域)を第1強度のパルス光I101で露光し、位置P1,P2間(第2領域)を第1強度よりも弱い第2強度のパルス光I102で中間露光した場合について示している。
また、露光ユニットからは、基板に向けて、基板の移動方向(位置P0、P1、P2の順に、照射位置に到達する。)と平行な断面における強度分布がガウス分布であるガウシアンビームを断続的に出射している。そして、パルス光I101,I102での露光による光量の積算値の総量を太線で示している。
図12に示すように、照射するパルス光I101,I102は、主走査方向に所定サイズの幅W(ビーム幅)を有している。そのために、位置P1(第1強度の光から第2強度への照射強度の切り換え地点)付近において、第2強度による露光開始点付近の光量積算値(図12中、破線で示す。)が、第1強度による露光終了付近の光量積算値(図12中、実線で示す。)と重なってしまう。したがって、境界部分に相当する位置P1において、高精度に照射強度を切り換えたとしても、光量積算値の総量は、図12中、矢印で示すように、緩やかなカーブを描くようにして変化する。
すなわち、従来のハーフトーン露光では、現像処理後に基板上の位置P1におけるレジスト層のエッジ部分が斜面を形成するなど、鋭利なエッジを設けることが困難となっている。したがって、従来の露光方法では、基板の位置P1に形成される配線に断線が生じるおそれがあるなど、基板製造の歩留まりが低下するおそれがある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基板上の隣接する2つの領域について、強度を切り換えてパターンニングする際に、境界部分のエッジを鋭利にするための技術を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、デバイス形成のために、感光層を有する基板のハーフトーン露光を行う露光方法であって、第1強度の光ビームを感光体に対して相対移動させつつ前記感光体の第1領域に照射する第1露光工程と、前記第1強度と異なる第2強度の光ビームを、前記感光体に対して相対移動させつつ前記第1領域に隣接する第2領域に照射する第2露光工程とを含み、前記第1露光工程から前記第2露光工程に移行するときに、出射する前記光ビームの強度を前記第1強度および前記第2強度よりも小さい第3強度とする期間を設けることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る露光方法であって、前記第2強度が前記第1強度よりも小さいことを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の発明に係る露光方法であって、前記感光体に向けて出射する光ビームの、前記相対移動の方向と平行な断面における強度分布が、ガウス分布であることを特徴とする。
また、請求項4の発明は、デバイス形成のために、感光層を有する基板のハーフトーン露光を行う露光装置であって、感光層を有する基板を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板の感光層に向けて光ビームを出射して前記感光層を露光する露光手段と、前記保持手段を前記露光手段に対して相対移動させる移動手段とを備え、前記露光手段は、入射した光ビームを空間的に変調して出射する光変調手段と、基板上に形成すべき画像を表現する画像データに基づいて、前記光変調手段から所定方向に出射される光ビームの強度を制御する光変調制御手段とを含み、前記光変調制御手段は、前記感光層が形成された基板の第1領域を第1強度の光ビームで照射した後であって、前記第1領域に隣接する第2領域を前記第1強度とは異なる第2強度の光ビームで照射する前に、一旦、前記第1強度および前記第2強度よりも小さい第3強度の光ビームを出射する期間を設けるように前記光変調手段を制御することを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項4の発明に係る露光装置であって、前記第2強度が前記第1強度よりも小さいことを特徴とする。
また、請求項6の発明は、請求項4または5の発明に係る露光装置であって、前記露光手段が出射する前記光ビームの、前記相対移動の方向と平行な断面における強度分布が、ガウス分布であることを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項4ないし6のいずれかの発明に係る露光装置であって、前記光変調手段は、帯状の固定反射面と可動反射面とが交互に配列された回折格子型の光変調素子、を含み、前記制御手段は、前記光変調素子に供給する駆動電位を制御することによって、前記光変調手段から出射される光ビームの強度を制御することを特徴とする。
また、請求項8の発明は、請求項7の発明に係る露光装置であって、前記光変調制御手段は、前記照射期間の長さを設定する設定手段と、前記第1強度、第2強度および第3強度の光ビームを出射するために、前記光変調素子に供給する駆動電位を選択する選択手段とを含み、前記光変調制御手段は、前記設定手段により設定された期間の間、前記選択手段により前記第3強度の光の出射に対応する駆動電位を選択して、前記光変調素子に供給することを特徴とする。
また、請求項9の発明は、デバイス形成のために、感光層を有する基板のハーフトーン露光を行う基板製造方法であって、第1強度の光ビームを感光体に対して相対移動させつつ前記感光体の第1領域に照射する第1露光工程と、前記第1強度とは異なる第2強度の光ビームを、前記感光体に対して相対移動させつつ前記第1領域に隣接する第2領域に照射する第2露光工程とを含み、前記第1露光工程から前記第2露光工程に移行するときに、出射する前記光ビームの強度を前記第1強度および前記第2強度よりも小さい第3強度とする期間を設けることを特徴とする。
請求項1ないし9に記載の発明によれば、基板上の隣接する第1領域と第2領域について、それぞれ第1強度あるいは第2強度の光ビームで露光する場合に、光ビームの照射強度を第1強度から、一旦、第1・第2強度よりも小さい第3強度へ所定の時間の間切り換え、しかる後に、第2強度に移行させることで、境界領域における光量の積算量を、鋭利に変化させることができる。したがって、第1領域および第2領域の境界部分のパターン描画精度を向上させることができる。
また、請求項2および5に記載の発明によれば、第2強度が第1強度よりも小さい場合に、第2強度による露光開始時の光量に、第1強度による露光終了時の光量が加算されて、第1・第2領域の境界付近における光量積算値が大きくなりすぎることを防止できる。
また、請求項3および6に記載の発明によれば、感光体に照射する光ビームをガウシアンビームとすることで、光源として、例えば、一般的な固体レーザを用いることができる。
また、請求項7に記載の発明によれば、回折格子型の光変調素子によって、光を空間的に変調することで、光変調素子の格子要素に応じた解像度にて、感光体上に画像を記録することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付の図面を参照しつつ、詳細に説明する。
<1. 実施の形態>
<1.1. 構成および機能>
図1は、本発明に係る実施の形態における露光装置100を示す斜視図である。また、図2は、露光装置100を示す上面図である。
<1.1. 構成および機能>
図1は、本発明に係る実施の形態における露光装置100を示す斜視図である。また、図2は、露光装置100を示す上面図である。
なお、図1において、図示および説明の都合上、Z軸方向が鉛直方向を表し、XY平面が水平面を表すものとして定義するが、それらは位置関係を把握するために便宜上定義するものであって、以下に説明する各方向を限定するものではない。以下の各図についても同様である。また、図2においては、説明の都合上、架橋構造体11および露光ヘッド33を二点鎖線により示している。
露光装置100は、液晶表示装置用の基板を製造する工程において、ガラス基板(以下、単に「基板」という。)90の上面に形成された感光材料(レジスト)の層(感光体)にデバイス形成のためのパターンを描画する装置である。図1および図2に示すように、露光装置100は、主に架台1、移動プレート群2、露光部3、および制御部5を備える。
[架台1]
架台1は、略直方体状の外形を有しており、その上面の略水平な領域には、架橋構造体11や移動プレート群2が備えられる。架橋構造体11は、移動プレート群2の上方に略水平に掛け渡されるようにして架台1上に固定されている。図1に示すように、架台1は、移動プレート群2と架橋構造体11とを一体的に支持する機能を有する。
架台1は、略直方体状の外形を有しており、その上面の略水平な領域には、架橋構造体11や移動プレート群2が備えられる。架橋構造体11は、移動プレート群2の上方に略水平に掛け渡されるようにして架台1上に固定されている。図1に示すように、架台1は、移動プレート群2と架橋構造体11とを一体的に支持する機能を有する。
[移動プレート群2]
移動プレート群2は、主に、基板90をその上面の略水平な領域に保持する基板保持プレート21と、基板保持プレート21を下方から支持する支持プレート22と、支持プレート22を下方から支持するベースプレート23と、ベースプレート23を下方から支持する基台24と、基板保持プレート21をZ軸回りに回動させる回動機構211と、支持プレート22をX軸方向(副走査方向)に移動させるための副走査機構221と、ベースプレート23をY軸方向(主走査方向)に移動させるための主走査機構231とを備える。
移動プレート群2は、主に、基板90をその上面の略水平な領域に保持する基板保持プレート21と、基板保持プレート21を下方から支持する支持プレート22と、支持プレート22を下方から支持するベースプレート23と、ベースプレート23を下方から支持する基台24と、基板保持プレート21をZ軸回りに回動させる回動機構211と、支持プレート22をX軸方向(副走査方向)に移動させるための副走査機構221と、ベースプレート23をY軸方向(主走査方向)に移動させるための主走査機構231とを備える。
基板保持プレート21は、図示を省略しているが、その上面に格子状の吸着溝が設けられており、これらの吸着溝の内底部には複数の吸着孔が分散して設けられている。これらの吸着孔は、真空ポンプに接続されており、当該真空ポンプを動作することによって、吸着溝内の雰囲気を排気することができる。これにより、基板90を基板保持プレート21の上面に吸着保持することができる。
図2に示すように、回動機構211は、基板保持プレート21の(−Y)側端部に取り付けられた移動子と、支持プレート22の上面に設けられた固定子とにより構成されるリニアモータ211aを有する。また、回動機構211は、基板保持プレート21の中央部下面側と支持プレート22との間に、回動軸211bを有する。リニアモータ211aを動作させることによって、固定子に沿って移動子がX軸方向に移動し、基板保持プレート21が支持プレート22上の回動軸211bを中心として所定角度の領域内で回動する。
副走査機構221は、支持プレート22の下面に取り付けられた移動子と、ベースプレート23の上面に設けられた固定子とにより構成されるリニアモータ221aを有する。また、副走査機構221は、支持プレート22とベースプレート23との間に、副走査方向に延びる一対のガイド部221bを有する。リニアモータ221aを動作させることによって、支持プレート22がベースプレート23上のガイド部221bに沿って副走査方向に移動する。
主走査機構231は、ベースプレート23の下面に取り付けられた移動子と、基台24上に設けられた固定子とにより構成されるリニアモータ231aを有する。また、主走査機構231は、ベースプレート23と架台1との間に、主走査方向に延びる一対のガイド部231bを有する。リニアモータ231aを動作させることによって、ベースプレート23が基台24上のガイド部231bに沿って主走査方向に移動する。したがって、基板保持プレート21に基板90を保持した状態で主走査機構231を動作させることによって、基板90を主走査方向(Y方向)に沿って移動させることができる。なお、これら移動機構は、後述の制御部5により、その動作が制御される。
[露光部3]
再び図1に戻って、露光部3は、主にレーザ発振器31、照明光学系32、および露光ヘッド33を備える。レーザ発振器31は、制御部5から送られる所定の駆動信号に基づいて、例えば波長355ナノメートル(nm)のパルス光を出射する光源装置であり、一般的な固体レーザである。レーザ発振器31から出射されたパルス光は、照明光学系32を介して露光ヘッド33へと導かれる。なお、図示を省略しているが、本実施の形態では、複数の露光ヘッド33に対して、レーザ発振器31および照明光学系32が設けられている。
再び図1に戻って、露光部3は、主にレーザ発振器31、照明光学系32、および露光ヘッド33を備える。レーザ発振器31は、制御部5から送られる所定の駆動信号に基づいて、例えば波長355ナノメートル(nm)のパルス光を出射する光源装置であり、一般的な固体レーザである。レーザ発振器31から出射されたパルス光は、照明光学系32を介して露光ヘッド33へと導かれる。なお、図示を省略しているが、本実施の形態では、複数の露光ヘッド33に対して、レーザ発振器31および照明光学系32が設けられている。
複数(本実施の形態では8個)の露光ヘッド33は、照明光学系32から出射される光線を、基板90の上面に照射させるための光学ユニットであり、各露光ヘッド33は、副走査方向に沿って架橋構造体11の側面上部に等ピッチで配設されている(図1参照)。
図3は、露光部3の概略構成を示す図である。なお、図3に示す、ミラー331、投影光学系332および光変調部4は、各露光ヘッド33の内部の所定位置に配置されている。レーザ発振器31からは、ビーム断面の強度分布がガウシアン分布であるガウシアンビームのパルス光が出射され、照明光学系32にて当該ビームの形状が整えられる。そして、照明光学系32を通過したレーザ光は、ミラー331にて反射され、光変調部4へと導かれる。なお、照明光学系32を通過したレーザ光は、線状光(光束断面が線状の光)とされ、当該線状光がミラー331を介して光変調部4の変調動作の有効領域に照射される。
光変調部4へ照射された光ビームは、制御部5の制御に基づいて空間的に変調され、投影光学系332へと入射する。投影光学系332は、入射してきた光を所定の倍率(例えば、1/10倍)に変倍して、主走査方向へ移動する基板90上へ導く。したがって、露光ユニット33から出射される光ビーム(パルス光)の、基板の移動の方向と平行な断面における光の強度分布は、ガウス分布となっており、中心で最も強度が強く、外縁に向かうにつれて、徐々に強度が弱まる。
[光変調部4]
光変調部4は、光変調素子41と、光変調素子41を駆動するための駆動回路42とを備え、露光ヘッド33から光ビームを出射するために、照明光学系32から出射された光ビームを空間的に変調する機能を有する。
光変調部4は、光変調素子41と、光変調素子41を駆動するための駆動回路42とを備え、露光ヘッド33から光ビームを出射するために、照明光学系32から出射された光ビームを空間的に変調する機能を有する。
図4は、光変調素子41の一部を示す斜視図である。光変調素子41は、格子の深さを変更することが可能な回折格子となっている。具体的には、図4に示すように、光変調素子41では、その表面が光の反射面を形成する複数の固定リボン411aと可動リボン411bとが、その帯状の長手方向に垂直な方向において、交互に配列されている。
固定リボン411aおよび可動リボン411bの長手方向の両端部分は、それぞれ基準面412に固定されており、これらの反射面(腹部)は、基準面412に対して離間している。すなわち、配列方向から見た場合、固定リボン411aおよび可動リボン411bは、アーチ形状を有している。可動リボン411bは、その腹部が基準面412に対して上下に昇降移動可能であり(図4中、両矢印で示す。)、固定リボン411aは、基準面412に対して固定されている。すなわち、固定リボン411aが、帯状の固定反射面を形成しており、可動リボン411bが帯状の可動反射面を形成している。
図5は、光変調部4の概略を示す上面図である。図5に示すように、各可動リボン411bには、制御部5と接続された複数の駆動回路42がそれぞれ接続されている。駆動回路42を制御することによって、露光装置100は、複数の可動リボン411bの動作を個別に制御することができる。
本実施の形態における光変調素子41では、1つの固定リボン411aと、これに隣接する1つの可動リボン411bとのリボン対が1の格子要素を形成する。そして、連続する格子要素の集合(例えば、3つのリボン対)から出射される光ビームが、基板90上に形成すべきパターンの画像を表現する画像データ541の1画素幅分に相当する。従って、露光装置100では、格子要素の数により、パターン形成の解像度が決定される。
なお、1つの可動リボン411bと、この両側に隣接する2つの固定リボン411aの可動リボン411b側半分を1つの格子要素とみなしてもよい。この場合であっても、格子要素は、実質的に1つの固定リボン411aと1つの可動リボン411bを1セット有することとなる。
また、本実施の形態では、図5に示すように、1の可動リボン411bに対して1の駆動回路42を設けているが、例えば、画像データ541の1画素幅分に相当する格子要素の集合(例えば3つのリボン対)ごとに、駆動回路42を1つ設ける構成でもよい。
図6は、光変調素子41の断面を示す概略図である。本実施の形態における露光装置100では、光変調素子41に対してパルス光(入射光L1)が入射し、格子要素から正反射光(0次回折光)および干渉光(主に±1次回折光)が出射される。そして、非0次回折光については、所定の遮光機構(図示せず)によって遮光し、0次回折光のみを基板90上のレジストに照射するように構成されている。
なお、図6中、可動リボン411bが実線で示す位置にある状態、すなわち、固定リボン411aと可動リボン411bとの間の距離dが3λ/4(λは入射光L1の波長を示す。)である状態では、0次回折光(反射光L2)の強度がほぼ消滅し、非0次回折光(主に±1次回折光)が主に出射される。本実施の形態では、この状態を初期状態としており、この状態では、基板90に対して非露光状態(強度ゼロ)となっている。
この初期状態の可動リボン411bに駆動電位を供給し、当該可動リボン411bを撓ませることによって、固定リボン411aと可動リボン411bとの間の距離dを小さくしていくと、0次回折光は次第に大きくなる一方、非0次回折光は次第に小さくなる。そして、可動リボン411bが二点鎖線で示す位置にある状態、すなわち、距離dがλ/2となると0次回折光が強められ、非0次回折光がほぼ消滅する。すなわち、距離dの値がλ/2となるように可動リボン411bを変位させることで、最大強度の光ビームが格子要素から出射される。
また、光変調素子41では、距離dの値をλ/2〜3λ/4の間の所定値とする(図6中、破線にて示す位置に配置する)ことで、当該最大強度の半分程度の強度(中間強度)の光ビームが、格子要素から出射されることになる。なお以下においては、距離dのλ/2〜3λ/4の間の所定値を中間値と称することとするが、当該中間値は、λ/2と3λ/4との平均値とは限らず、個々の光変調素子41の特性などに応じて決定される値である。なお、可動リボン411bを駆動する駆動回路42の主な構成については後述する。
[制御部5]
図7は、露光装置100のバス配線図である。制御部5は、CPU51、読取専用のROM52、主にCPU51の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM53および不揮発性の記録媒体であるメモリ54を備えている。また、制御部5は、表示部56、操作部57、回動機構211、副走査機構221、主走査機構231、レーザ発振器31、照明光学系32、投影光学系332および駆動回路42といった露光装置100の各構成とバス配線により接続されており、これら各構成の動作の制御を行う。
図7は、露光装置100のバス配線図である。制御部5は、CPU51、読取専用のROM52、主にCPU51の一時的なワーキングエリアとして使用されるRAM53および不揮発性の記録媒体であるメモリ54を備えている。また、制御部5は、表示部56、操作部57、回動機構211、副走査機構221、主走査機構231、レーザ発振器31、照明光学系32、投影光学系332および駆動回路42といった露光装置100の各構成とバス配線により接続されており、これら各構成の動作の制御を行う。
CPU51は、ROM52内に格納されているプログラム55を読み取りつつ実行することにより、RAM53またはメモリ54に記憶されている各種データについての演算を行う。このように、露光装置100は、CPU51、ROM52、RAM53およびメモリ54を備えることにより、一般的なコンピュータとしての構成を備えている。
期間設定部511は、CPU51がプログラム55に従って動作することにより実現される機能ブロックの一つである。本実施の形態における露光装置100では、出射する光ビームの強度を多段階(少なくとも最大強度、中間強度、強度ゼロ(露光オフ)の3段階)に制御することによって、ハーフトーン露光を実現している。そして、露光装置100では、基板90上の主走査方向において隣接する2つの領域(第1領域と第2領域)について、第1領域を所定強度のパルス光で露光した後、第2領域を異なる強度のパルス光で露光する前に、一旦、小さい強度(例えば、強度ゼロ)のパルス光にて、所定の期間T1の間、基板90に照射するよう構成されている。
そこで、期間設定部511は、ユーザからの所定の操作入力に基づいて、当該期間T1に関する時間情報を設定する機能を有している。より具体的には、期間T1の長さは、期間設定部511が時間設定用画面(図示せず)を表示部56に表示し、オペレータがこれに従って所定の操作入力を行うことで決定される。すなわち、期間T1に関する時間情報の指定処理は、いわゆるGUI(Graphical User Interface)により実現される。なお、期間T1は、基板90の主走査方向についての移動速度などに応じて決定され、一般的に、基板90の移動速度が比較的速い場合には、短くなるように、また、比較的遅い場合には、長くなるように設定される。
メモリ54は、基板90上に描画すべきパターンについての画像データ541を記憶する。画像データ541は、例えば、CADソフトなどによって作成されたベクトル形式のデータを、ラスター形式のデータに展開したものである。また、画像データ541は、当該データが表現する画像の各画素ごとに、光ビームの照射強度についての情報(例えば、最大強度、中間強度およびゼロ強度などを示す多値の情報)を有する。本実施の形態では、制御部5は、このような多値情報に基づいて、光変調部4(具体的には、可動リボン411bに供給する駆動電位)を制御することによって、露光ヘッド33から出射する光ビームの強度を階調的に制御する。
また、露光装置100は、移動プレート群2の各移動機構に備えられたエンコーダ(図示せず)から、基板90の位置を割り出し、照射位置に対応した画像データ541の各画素が持つ多値情報に基づいて、照射のタイミング信号(換言すれば、可動リボン411bの制御信号)を光変調部4に出力する。
なお、本実施の形態では、画像データ541は、単一の画像(基板90全面に形成すべきパターンが表現された画像)についてのデータとしてもよいが、例えば、単一画像についての画像データ541から、露光ヘッド33のそれぞれが描画を担当する部分についての画像データを、各露光ヘッド33ごとに個別に生成する構成としてもよい。
表示部56は、一般的なCRTモニタや液晶ディスプレイなどが該当し、制御部5の制御によりオペレータに対して各種データを表示する。また、操作部57は、各種ボタンやキー、マウス、タッチパネル等から構成され、露光装置100に対して指示を入力するために、オペレータにより操作される。
ここで、露光装置100の露光処理時における動作について簡単に説明する。まず、露光装置100は、レジストが塗布されることにより、感光層がその表面に形成された基板90を基板保持プレート21に保持すると、所定のアライメント動作を行うことによって、基板90を露光開始位置に移動させる。そして、ベースプレート23を主走査方向に移動させることによって、基板90を主走査方向へ移動させつつ、露光ヘッド33からパルス光が出射する。これにより、基板90の上面には、主走査方向に向けて断続的に露光された所定幅のパターン群が複数本描画される。
露光装置100は、1回の主走査方向への描画が終了すると、基板保持プレート21を副走査方向に露光ヘッド33の照射幅分だけ移動させ、基板保持プレート21を再び主走査方向に移動させつつ、露光ヘッド33からパルス光を出射する。このように、露光装置100は、露光ヘッド33の照射幅分ずつ基板90を副走査方向へずらしながら、主走査方向へのパターン描画を所定回数(例えば、数十回程度)繰り返すことによって、基板90の全面に亘って、所定の液晶表示パネル用デバイス形成のためのパターン(例えば、TFTアレイなどの基板上に形成されるべきパターン)を形成する。
[駆動回路42]
図8は、駆動回路42の主な構成を示す図である。上述したように、駆動回路42は、可動リボン411bに接続されており、所定の駆動電位を選択的に供給することによって、可動リボン411bの撓みを調整する機能を有する。駆動回路42は、図8に示すように、セレクタ回路421および選択信号生成部422を主に備える。
図8は、駆動回路42の主な構成を示す図である。上述したように、駆動回路42は、可動リボン411bに接続されており、所定の駆動電位を選択的に供給することによって、可動リボン411bの撓みを調整する機能を有する。駆動回路42は、図8に示すように、セレクタ回路421および選択信号生成部422を主に備える。
セレクタ回路421は、3つの入力端子A,B,Sを備えている。入力端子Aは、接地(GND)されており、入力端子Bには、制御部5の照射タイミング信号に基づいて、駆動電位を発生させるための回路(図示せず)からリボン変位電位Vrが供給される。なお、この電位供給機構は、例えば特許文献3に記載された回路を適用することができるが、もちろんこれに限られるものではなく、その他の手法にて実現されていてもよい。
セレクタ回路421がリボン変位電位Vrを可動リボン411bに供給することで、可動リボン411bは、当該リボン変位電位Vrの大きさに応じて、その反射面の位置が変位する。
一方、入力端子Sには、選択信号生成部422にて生成される選択信号Vsが入力される。本実施の形態では、選択信号Vsが入力されている場合、セレクタ回路421は、入力端子Aからの入力(基準電位)を、補正リボン変位電位Vcとして可動リボン411bへ供給する。そして、選択信号Vsの入力がない場合には、セレクタ回路421は、入力端子Bからのリボン変位電位Vrを、補正リボン変位電位Vcとして可動リボン411bへ供給する。
選択信号生成部422は、制御部5より出力される変化点トリガ信号Vtの入力に応じて、上述の選択信号Vsを生成する機能を有する。変化点トリガ信号Vtは、画像データ541に基づいて生成される信号であり、露光ヘッド33から照射される光ビームの照射強度を変化させるタイミング(例えば、光ビームのオン・オフ切り換えのときや照射強度を変化させるときなど)に、制御部5から出力される。
選択信号生成部422は、変化点トリガ信号Vtの入力があった場合に、制御部5の期間設定部511により設定される期間T1の間、選択信号Vsをセレクタ回路421へ出力する。この選択信号Vsの出力の期間T1は、上述したように、オペレータからの所定の操作入力に基づいて指定される時間情報であり、選択信号生成部422に備えられたメモリ内に記憶される。
このように、本実施の形態における露光装置100は、画像データ541に基づくリボン変位電位Vrを出力したときに、当該電位をそのまま可動リボン411bに供給するのではなく、あらかじめ定められた期間、基準電位を選択して供給し、しかる後に、リボン変位電位Vrを補正リボン変位電位Vcとして可動リボン411bへ出力する。
<1.2. ハーフトーン露光>
次に、露光装置100のハーフトーン露光時の動作について説明する。
次に、露光装置100のハーフトーン露光時の動作について説明する。
図9は、ハーフトーン露光時における光変調素子41の動作の一例を説明するためのタイムチャートである。また、図10は、可動リボン411bの移動軌跡を説明するための図である。また、図11は、図9および図10に示すように可動リボン411bの動作を制御した場合の、基板90上の各位置における光量の積算を示す図である。なお、図9において、(a)は、リボン変位電位Vrを示し、(b)は、変化点トリガ信号Vtを示し、(c)は、選択信号Vsを示し、(d)は、補正リボン変位電位Vcを示す。
また、ここでは、図11に示すように、位置P0から位置P1までの間(第1領域)を最大強度(第1強度)のパルス光I1で露光し、位置P1から位置P2までの間(第2領域)を中間強度(第2強度)のパルス光で露光する場合について説明する。また、図9中の時間t1〜t6は、詳細は省略するが、移動する基板90の位置情報に基づいて適宜決定される値である。
まず時間t1において、セレクタ回路421の入力端子Bにリボン変位電位Vr(電位V1)が入力されるのに同期して、制御部5から変化点トリガ信号Vtが選択信号生成部422に入力される。なお、この電位V1は、距離d(固定リボン411aと可動リボン411bとの間の距離)がλ/2となるように、可動リボン411bを変位させる(図10中、実線で示す位置から二点鎖線で示す位置に変位させる)駆動電位である。この電位V1が可動リボン411bに供給されると、上述のように、当該可動リボン411bの格子要素から出射される0次回折光(反射光L2、図6参照)の強度が最大強度となる。
選択信号生成部422に変化点トリガ信号Vtが入力されると、選択信号生成部422は、期間T1の間、セレクタ回路421に向けて、選択信号Vsを出力する。セレクタ回路421は、選択信号Vsの入力を受けると、入力端子Aからの基準電位を補正リボン変位電位Vcとして可動リボン411bに供給する。すなわち、選択信号Vsの入力を受ける間は、可動リボン411bは、図10中、実線で示す位置(d=3λ/4となる位置)に留まる。
期間T1が経過し、セレクタ回路421へ入力される選択信号Vsが消失すると(時間t2)、セレクタ回路421は、出力する補正リボン変位電位Vcを、入力端子A側で受けている基準電位から、入力端子B側で受けている電位V1に切り換える。その結果、可動リボン411bは、距離dがλ/2となる位置(図10中、二点鎖線で示す位置)に変位する。
さらに所定の時間が経過して、セレクタ回路421に入力されるリボン変位電位Vrが電位V1から電位V2に切り換えられると(時間t3)、これに同期して、再び制御部5から変化点トリガ信号Vtが選択信号生成部422に入力される。なお、電位V2は、距離dが上述の中間値となるように可動リボン411bを変位(図10中、破線で示す位置に変位)させる電位である。この電位V2が可動リボン411bに供給されると、当該可動リボン411bの格子要素から出射される0次回折光の強度が中間強度となる。
時間t3において、変化点トリガ信号Vtが選択信号生成部422に入力されると、選択信号生成部422は、再び期間T1の間、選択信号Vsをセレクタ回路421に出力する。これに従って、セレクタ回路421は、入力端子Aからの基準電位を補正リボン変位電位Vcとして可動リボン411bに供給する。これにより、可動リボン411bは、距離dが3λ/4となる位置(図10中、実線で示す位置)へ変位する。
期間T1が経過し、セレクタ回路421へ入力される選択信号Vsがオフになると(時間t4)、セレクタ回路421は、出力する補正リボン変位電位Vcを、入力端子B側で受けているリボン変位電位Vr(電位V2)に切り換える。すると、可動リボン411bは、距離dが中間値となる位置(図10中、破線で示す位置)に変位する。
さらに時間が経過して、リボン変位電位Vrがオフになると(時間t5)、先ほどと同様に、選択信号生成部422に変化点トリガ信号Vtが入力され、これに応じて選択信号生成部422は、時間t5から時間t6(期間T1)の間、選択信号Vsをセレクタ回路421に出力する。なお、時間t5から時間t6の間は、入力端子Aからの基準電位が可動リボン411bに供給されるが、時間t6以降については、リボン変位電位Vrの信号がオフとなっている。したがって、時間t5以降は、可動リボン411bは、距離dが3λ/4となる位置(図10、実線で示す位置、初期状態)に変位する。
以上のように本実施の形態では、時間t3から所定の期間(期間T1)の間、セレクタ回路421の動作により、可動リボン411bの反射面の位置が、0次回折光が消失する位置(すなわち、距離dが3λ/4となる位置)に変位される。
換言すれば、光変調素子41から所定方向(0次回折方向)に出射する光ビームの強度を、時間的に連続して最大強度(第1強度)から中間強度(第2強度)に移行させる際に、中間強度よりも小さい第3強度(すなわち、第1強度および第2強度よりも小さい強度、ここでは強度ゼロ)とする期間T1を設けるように、光変調素子41が制御される。
以上のように光変調素子41を制御して基板90のレジストを露光した場合、図11に示すように、位置P0から位置P1までの第1領域は、最大強度(第1強度)のパルス光I1が照射される。そして、第1強度のパルス光I1から中間強度である第2強度のパルス光I2の照射に切り換えられる際に、第1,第2強度よりも小さいゼロ強度(第3強度)のパルス光を照射する期間T1が設けられ、その後、位置P1から位置P2までの第2領域について、第2強度のパルス光が照射される。
すなわち、従来のように、出射するパルス光の強度を第1強度から第2強度にそのまま変化させた場合には、図12に示すように、位置P1(第1領域と第2領域の境界)付近における光量積算値の総量は、第2強度による露光開始点付近の光量積算値と、第1強度による露光終了点付近の光量積算値とを加算したものとなる。したがって、総光量積算値は、緩やかなカーブを描くように変化するため、第2領域において理想よりも余分に露光された状態(露光過多状態)となってしまう。
一方、本実施の形態では、図11に示すように、位置P1付近において、第2強度による露光開始点付近の光量積算値(図11中、破線で示す。)と、第1強度による露光終了点付近の光量積算値(図11中、実線で示す。)との重なりを軽減できる。これにより、位置P1付近での光量の積算値を、段階的に変化させることができる。したがって、現像処理工程後の基板90では、位置P1において、より鋭利であるエッジを形成することができ、高精度なデバイス用パターンを形成することができる。
なお、本実施の形態では、期間T1の間に照射するパルス光の強度(第3強度)をゼロ(非露光状態)としているが、第3強度は、第1強度および第2強度よりも小さければよい。ただし、より鋭利なエッジ形成に有利であるという点で、期間T1を非露光状態とすることが好ましい。
<2. 変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、光変調器としてGLVを使用した場合について説明したが、本発明は、その他の光変調器(DMD、LCDなど)を使用した露光装置であっても有効である。例えば、一般的には、DMDを使用する場合には、ミラー傾斜角を調整することによって、また、LCDを使用する場合には、液晶の偏光角を調整することによって、出射する光ビームの階調的な強度の制御が実行される。そこで、これらのデバイスを光変調器として用いた場合であっても、ハーフトーン露光を実行するときに、小さい強度(第3強度、ゼロ強度を含む)の光を感光体に向けて出射する期間を設けることで、強度切り換え位置における光量の積算量を鋭利に変化させることができる。
また、上記実施の形態では、露光ヘッド33から出射する光の強度について、可動リボン411bと固定リボン411aとの間の距離dを3λ/4のときに、ゼロ強度とし、λ/2のときに、最大強度となるようにしていたが、これは一例である。すなわち、GLVでは、距離dをλ/2の整数倍ごとに、周期的に0次回折光、あるいは非0次回折光が強くなる。したがって、GLVを光変調器として使用する場合には、この条件似合うように、距離dを適宜設定すればよい。
また、上記実施の形態では、0次回折光を出射光として投影光学系332に導いていたが、これに限られるものではなく、非0次回折光(例えば1次回折光)を投影光学系332に導くように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、1のコンピュータからなる制御部5によって、全ての露光ユニット33からの光の出射を制御するものとして説明したが、もちろんこれに限られるものではなく、例えば、個々の露光ユニット33を、個別のコンピュータにより制御してもよい。これによれば、制御部5による情報処理速度を向上させることができるため、情報処理上のエラーの発生を効果的に抑制できる。
また、上記実施の形態では、セレクタ回路421および選択信号生成部422によって、いわばハードウェア的に駆動電圧の選択制御を行うものとして説明した。しかし、これに限られるものではなく、これらの機能の一部あるいは全部を、ソフトウェア的に実現していてもよい。
また、上記実施の形態では、第1強度が第2強度よりも大きい場合について、主に説明したが、これに限られるものではなく、第1強度が第2強度よりも小さい場合においても、本発明は有効である。
また、上記実施の形態では、液晶表示装置用の基板(例えば、いわゆるTFTアレイ基板など)を製造する場合について説明したが、本発明は、例えば、プリント基板や半導体基板などに所定のパターンを記録する場合にも適用することができることは言うまでもない。
また、上記実施形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
100 露光装置
2 移動プレート群
21 基板保持プレート
211 回動機構
221 副走査機構
231 主走査機構
3 露光部
31 レーザ発振器
4 光変調部
41 光変調素子
411a 固定リボン
411b 可動リボン
42 駆動回路
421 セレクタ回路
422 選択信号生成部
5 制御部
511 期間設定部
90 基板
Vc 補正リボン変位電位
Vr リボン変位電位
Vs 選択信号
Vt 変化点トリガ信号
d 距離
2 移動プレート群
21 基板保持プレート
211 回動機構
221 副走査機構
231 主走査機構
3 露光部
31 レーザ発振器
4 光変調部
41 光変調素子
411a 固定リボン
411b 可動リボン
42 駆動回路
421 セレクタ回路
422 選択信号生成部
5 制御部
511 期間設定部
90 基板
Vc 補正リボン変位電位
Vr リボン変位電位
Vs 選択信号
Vt 変化点トリガ信号
d 距離
Claims (9)
- デバイス形成のために、感光層を有する基板のハーフトーン露光を行う露光方法であって、
第1強度の光ビームを感光体に対して相対移動させつつ前記感光体の第1領域に照射する第1露光工程と、
前記第1強度と異なる第2強度の光ビームを、前記感光体に対して相対移動させつつ前記第1領域に隣接する第2領域に照射する第2露光工程と、
を含み、
前記第1露光工程から前記第2露光工程に移行するときに、出射する前記光ビームの強度を前記第1強度および前記第2強度よりも小さい第3強度とする期間を設けることを特徴とする露光方法。 - 請求項1に記載の露光方法であって、
前記第2強度が前記第1強度よりも小さいことを特徴とする露光方法。 - 請求項1または2に記載の露光方法であって、
前記感光体に向けて出射する光ビームの、前記相対移動の方向と平行な断面における強度分布が、ガウス分布であることを特徴とする露光方法。 - デバイス形成のために、感光層を有する基板のハーフトーン露光を行う露光装置であって、
感光層を有する基板を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された基板の感光層に向けて光ビームを出射して前記感光層を露光する露光手段と、
前記保持手段を前記露光手段に対して相対移動させる移動手段と、
を備え、
前記露光手段は、
入射した光ビームを空間的に変調して出射する光変調手段と、
基板上に形成すべき画像を表現する画像データに基づいて、前記光変調手段から所定方向に出射される光ビームの強度を制御する光変調制御手段と、
を含み、
前記光変調制御手段は、
前記感光層が形成された基板の第1領域を第1強度の光ビームで照射した後であって、前記第1領域に隣接する第2領域を前記第1強度とは異なる第2強度の光ビームで照射する前に、一旦、前記第1強度および前記第2強度よりも小さい第3強度の光ビームを出射する期間を設けるように前記光変調手段を制御することを特徴とする露光装置。 - 請求項4に記載の露光装置であって、
前記第2強度が前記第1強度よりも小さいことを特徴とする露光装置。 - 請求項4または5に記載の露光装置であって、
前記露光手段が出射する前記光ビームの、前記相対移動の方向と平行な断面における強度分布が、ガウス分布であることを特徴とする露光装置。 - 請求項4ないし6のいずれかに記載の露光装置であって、
前記光変調手段は、
帯状の固定反射面と可動反射面とが交互に配列された回折格子型の光変調素子、
を含み、
前記制御手段は、前記光変調素子に供給する駆動電位を制御することによって、前記光変調手段から出射される光ビームの強度を制御することを特徴とする露光装置。 - 請求項7に記載の露光装置であって、
前記光変調制御手段は、
前記照射期間の長さを設定する設定手段と、
前記第1強度、第2強度および第3強度の光ビームを出射するために、前記光変調素子に供給する駆動電位を選択する選択手段と、
を含み、
前記光変調制御手段は、前記設定手段により設定された期間の間、前記選択手段により前記第3強度の光の出射に対応する駆動電位を選択して、前記光変調素子に供給することを特徴とする露光装置。 - デバイス形成のために、感光層を有する基板のハーフトーン露光を行う基板製造方法であって、
第1強度の光ビームを感光体に対して相対移動させつつ前記感光体の第1領域に照射する第1露光工程と、
前記第1強度とは異なる第2強度の光ビームを、前記感光体に対して相対移動させつつ前記第1領域に隣接する第2領域に照射する第2露光工程と、
を含み、
前記第1露光工程から前記第2露光工程に移行するときに、出射する前記光ビームの強度を前記第1強度および前記第2強度よりも小さい第3強度とする期間を設けることを特徴とする基板製造方法。
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JP2008181340A JP2010021409A (ja) | 2008-07-11 | 2008-07-11 | 露光方法、露光装置および基板製造方法。 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014071415A (ja) * | 2012-10-01 | 2014-04-21 | Kuraray Co Ltd | 微細構造体の製造方法、および微細構造体 |
-
2008
- 2008-07-11 JP JP2008181340A patent/JP2010021409A/ja active Pending
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