JP2005010468A - パターン描画装置およびパターン描画方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】周期性を有するパターンを効率よく描画するパターン描画装置を提供する。
【解決手段】パターン描画装置では、光源ユニットから出射される複数の光ビームが、光学系により基板上においてX方向に関して一定の照射ピッチで配列される複数の照射領域61のそれぞれへと導かれる。照射領域群の大きさはズームレンズにより拡大または縮小され、照射ピッチが変更される。周期パターンの描画時には、パターンのX方向に関する周期に最も近くなる所定の基準ピッチの倍数を求めて周期をこの倍数で除することにより、基板上の描画単位領域62のX方向のピッチPよりも大きい指定ピッチが求められる。そして、照射領域群の照射ピッチを指定ピッチに変更し、照射領域群の主走査に同期して複数の光ビームのON/OFF制御を行うことにより、効率よく周期パターンが描画される。
【選択図】 図7
【解決手段】パターン描画装置では、光源ユニットから出射される複数の光ビームが、光学系により基板上においてX方向に関して一定の照射ピッチで配列される複数の照射領域61のそれぞれへと導かれる。照射領域群の大きさはズームレンズにより拡大または縮小され、照射ピッチが変更される。周期パターンの描画時には、パターンのX方向に関する周期に最も近くなる所定の基準ピッチの倍数を求めて周期をこの倍数で除することにより、基板上の描画単位領域62のX方向のピッチPよりも大きい指定ピッチが求められる。そして、照射領域群の照射ピッチを指定ピッチに変更し、照射領域群の主走査に同期して複数の光ビームのON/OFF制御を行うことにより、効率よく周期パターンが描画される。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画するパターン描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパターン描画装置では、基板上に設定される複数の描画単位領域(すなわち、描画されるパターンの寸法や位置を定める最小単位となる領域)のピッチにて光の照射領域を所定の副走査方向に配列して照射領域群を配列方向に垂直な主走査方向に走査し、各照射領域に光ビームをON/OFF制御しつつ照射することにより基板上にパターンが描画される。
【0003】
図1は従来のパターン描画装置において互いに異なる周期を有する複数のパターンをそれぞれ描画する様子を説明するための図である。なお、図1の上段では描画単位領域911をX方向に並ぶ1列分のみ示しており、前述のように照射領域群の副走査方向(X方向)に関するピッチは描画単位領域群のX方向のピッチ(以下、「単位ピッチ」という。)に等しい。従来のパターン描画装置では、例えば、図1の上段および中段に示すように連続する6つの照射領域への光ビームの照射をONとし、(+X)側に隣接する18の照射領域への光ビームの照射をOFFとするON/OFF周期を繰り返すことにより、単位ピッチの24倍の周期にて単位ピッチの6倍の線幅の線状パターン要素912が描画される。同様に、単位ピッチの25倍の周期を有するパターンを描画する際には、図1の下段に示すように互いに隣接する線状パターン要素913間に、光ビームの照射がOFFとされる19の照射領域が設けられる。
【0004】
このように、従来のパターン描画装置では、光ビームのアドレサビリティを単位ピッチに一致させることにより、パターンの描画毎にその周期が細かく変更される場合であっても、単位ピッチを変更の最小単位として互いに異なる周期を有する複数のパターンをそれぞれ描画することが実現される。
【0005】
なお、特許文献1では、プリズムを利用することにより光源からの複数の光ビームの照射領域群を傾斜して配列することなく主走査方向に垂直な方向に関して照射領域群のピッチを変更する手法が開示されている。また、特許文献2では、ズームレンズを有する光学系を介して複数の光ビーム群を変倍して感光材料上へと導き、感光材料上における一の光ビーム群の照射領域間を他の光ビーム群のそれぞれにより補間して高精度にパターンを描画する技術が開示されている。さらに、非特許文献1では、ガラス基板上に貼り付けられたドナーフィルムに赤外光ビームを照射することによりドナーフィルムをガラス基板上に転写し、液晶表示装置用のカラーフィルタを作製する技術が紹介されている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−226117号公報
【特許文献2】
特公平5−12898号公報
【非特許文献1】
エラン・エリツア(Eran Elizur)、外1名、「フラット・パネル・ディスプレイ製造におけるサーマル・リソグラフィ(Thermal Lithography for Flat Panel Display Manufacturing)」,2002SID国際シンポジウム技報ダイジェスト(2002 SID International Symposium DIGEST OF TECHNICAL PAPERS),[CD−ROM],(米国),SID(Society for Information Display),2002年5月,第33巻(Volume XXXIII),第2号(Number II),p.1055−1057
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、プラズマ表示装置、有機EL表示装置や液晶表示装置等の平面表示装置(フラットパネルディスプレイ)において画面サイズや解像度を多様に変更したものが生産されるため、平面表示装置製造用のガラス基板上に形成されるパターンの周期も細かくかつ多様に変更される。したがって、図1に示す手法により周期パターンを描画する場合に、周期の変更のための描画単位領域を小さくする必要が生じ、一度の主走査によりパターンを描画できる領域も小さくなって平面表示装置の生産性が低下してしまう。
【0008】
一方、パターン描画毎に描画単位領域の大きさが変更される場合には、ズームレンズを利用して照射領域群の大きさを変更し、そのピッチを変更後の描画単位領域のピッチに一致させる手法も考えられる。この場合、描画単位領域が比較的大きい(すなわち、粗く設計されたパターンである)ときには高速にパターンを描画することも可能であるが、描画単位領域が小さい(すなわち、細かく設計されたパターンである)ときには、やはり効率よく周期パターンを描画することができない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、周期性を有するパターンを効率よく描画することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画するパターン描画装置であって、個別にON/OFF制御が可能な複数の光ビームを出射する光源ユニットと、前記光源ユニットからの複数の光ビームを、感光材料上において第1の方向にに関して一定の照射ピッチで配列される複数の照射領域へとそれぞれ導く光学系と、前記複数の照射領域を前記感光材料に対して前記第1の方向に垂直な第2の方向に相対的に移動する移動機構と、描画されるパターンの前記第1の方向に関する周期に最も近くなる所定の基準ピッチの倍数を求めて前記周期を前記倍数で除することにより、前記感光材料上に設定されている描画単位領域群の前記第1の方向に関するピッチよりも大きい指定ピッチを求める演算部と、前記照射ピッチを前記指定ピッチへと変更するピッチ変更部とを備える。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン描画装置であって、前記第2の方向への前記複数の照射領域の移動が完了する毎に、前記指定ピッチに応じた距離だけ前記複数の照射領域を前記感光材料に対して前記第1の方向に相対的に移動するもう1つの移動機構をさらに備える。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のパターン描画装置であって、前記複数の光ビームを、前記第2の方向への前記複数の照射領域の移動に同期して個別にON/OFF制御する照射制御部をさらに備える。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン描画装置であって、前記ピッチ変更部が、前記光学系に含まれるレンズを移動して前記複数の照射領域を拡大または縮小する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン描画装置であって、前記複数の照射領域の前記第2の方向への移動により前記第2の方向へと伸びる複数の線状のパターン要素が描画され、前記複数の線状のパターン要素のそれぞれが、前記第1の方向に関して連続して並ぶ2以上の照射領域に照射される光ビームにより描画される。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン描画装置であって、前記感光材料が、平面表示装置製造用の基板に付与されたものである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画するパターン描画方法であって、描画されるパターンの第1の方向に関する周期に最も近くなる所定の基準ピッチの倍数を求めて前記周期を前記倍数で除することにより、感光材料上に設定されている描画単位領域群の前記第1の方向に関するピッチよりも大きい指定ピッチを求める工程と、前記感光材料上に配列される複数の照射領域の前記第1の方向に関する照射ピッチを前記指定ピッチに変更する工程と、前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記複数の照射領域を移動する工程と、前記複数の照射領域を移動する工程と並行して、前記複数の照射領域のうち選択されたものへと光ビームを照射する工程とを有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の一の実施の形態に係るパターン描画装置1の構成を示す図である。パターン描画装置1は、平面表示装置製造用のガラス基板(以下、「基板」という。)9上に付与された感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画する装置であり、例えば、基板9が液晶表示装置用のカラーフィルタのガラス基板である場合には、基板9上へのドナーフィルムの貼付(すなわち、感光材料の付与)および周期パターンの描画がドナーフィルムの色を変えつつ繰り返される。
【0018】
パターン描画装置1は、感光材料が付与された基板9が載置されるステージ2、ステージ2を図2中のX方向へと移動するステージ移動機構31、複数の光ビームを基板9に向けて出射するヘッド部4、ヘッド部4を図2中のY方向へと移動するヘッド移動機構32、並びに、入力部59が接続された制御ユニット5を備える。
【0019】
ヘッド部4は、後述する構成により独立変調可能な複数の光ビームを出射し、複数の光ビームはそれぞれ対応する基板9上の複数の照射領域に照射される。また、ヘッド部4はリニアモータであるヘッド移動機構32の移動体側に固定され、制御ユニット5がヘッド移動機構32を制御することにより照射領域群が感光材料上を主走査方向(図2中のY方向)へと連続的に移動する。
【0020】
ステージ2はステージ移動機構31の移動体側に固定されており、照射領域群の主走査方向に対して垂直な副走査方向(X方向)に間欠的に移動する。すなわち、ヘッド移動機構32による照射領域群の主走査が完了する毎に、ステージ移動機構31は基板9をX方向に移動し、照射領域群が基板9上における次の主走査の開始位置へと副走査する。
【0021】
図3は、ヘッド部4の構成、および、制御ユニット5の機能構成を示す図である。ヘッド部4は、図示省略の複数の半導体レーザにそれぞれカップリングされた複数の光ファイバが配列される(すなわち、マルチビーム光源である)光源ユニット41を有し、光源ユニット41により個別にON/OFF制御が可能な複数の光ビームが出射される。複数の光ビームは、レンズ群431およびレンズ432を有する光学系43により基板9へと導かれ、感光材料上に配列される複数の照射領域へとそれぞれ照射される。光学系43はズームレンズとなっており、レンズ群431やレンズ432、あるいは、レンズ群431の一部のレンズが所定の光軸に沿って移動することにより、感光材料上の照射領域群の大きさが拡大または縮小される。
【0022】
制御ユニット5は、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成される演算部51を有し、演算部51から後述するパターン描画時に利用される情報が制御部52に出力される。制御部52は、ヘッド移動機構32、光源ユニット41、光学系43の駆動部およびステージ移動機構31にそれぞれ接続された主走査制御部521、照射制御部522、倍率制御部523および副走査制御部524を有する。パターン描画装置1では、制御部52が演算部51からの入力情報に基づいてパターン描画装置1の各構成を制御することにより基板9の感光材料上に周期性を有するパターンが描画される。
【0023】
図4は、基板9上における照射領域群および描画単位領域群を重ねて示す図であり、図4では照射領域61を破線にて示し、基板9上の描画単位領域62を実線にて示している。前述のように、照射領域群はヘッド部4に対して固定された領域であり、描画単位領域群は基板9上に設定された描画の単位となる領域であり、ヘッド部4が基板9に対して相対的に移動することにより、照射領域群が描画単位領域群上を移動する。
【0024】
描画単位領域62はX方向(副走査方向)にピッチP(以下、「単位ピッチP」と呼ぶ。)、Y方向(主走査方向)にピッチRにて配列される。また、照射領域群は光学系43の倍率に応じた大きさとされ、副走査方向に関して一定の照射ピッチ(すなわち、互いに隣接する2つの照射領域61のX方向に関する中心間距離)にて配列される。なお、図4では照射領域群および描画単位領域群の一部のみが図示されている。
【0025】
図5は、パターン描画装置1による周期性を有するパターンを描画する動作の流れを示す図である。ここで、描画されるパターンは、主走査方向へと伸びる複数の線状パターン要素が主走査方向に垂直な副走査方向に一定間隔にて配列される周期パターンであるものとし、以下、副走査方向に関してある周期を有するパターンの描画動作について説明した後に、他の周期を有するパターンの描画動作について説明する。
【0026】
パターン描画装置1において周期パターンが描画される際には、まず、描画すべきパターンが複数の描画単位領域62に分割されて各描画単位領域62に対して「1」または「0」の画素値を対応付けた2値のビットマップデータ(以下、「描画データ」という。)が準備され、入力部59を介して演算部51へと入力される(ステップS11)。具体例として、Y方向に伸びるとともに描画単位領域62の単位ピッチPの6倍の幅(以下、「基準線幅」という。)を有する複数の線状パターン要素が単位ピッチPの24倍の周期にて配列されるパターンを示す描画データが準備されるものとする。
【0027】
演算部51は、まず、基準となる照射ピッチ(予め定められたデフォルトの照射ピッチであり、以下、「基準ピッチ」という。)の倍数であってパターン周期に最も近いものを求め、パターン周期をこの倍数で除することにより、パターン描画時における照射領域群の照射ピッチ(以下、「指定ピッチ」という。)を求める(ステップS12)。そして、指定ピッチが制御部52へと入力され、倍率制御部523により光学系43が制御されて照射領域群の照射ピッチが指定ピッチに変更される(ステップS13)。
【0028】
図6は、指定ピッチに変更後の照射領域群と描画単位領域群との関係を説明するための図であり、図6の上段では基板9上に配列された複数の照射領域61、および、複数の描画単位領域62(但し、X方向に並ぶ1列分のみ)を示している。図6の場合、ステップS12において基準ピッチの4倍がパターン周期(単位ピッチPの24倍)に最も近いと判定され、ステップS13により図6の上段に示すように、照射ピッチが単位ピッチPの6倍(すなわち、単位ピッチPの24倍を4で除した指定ピッチ)にされた照射領域群が基板9上に配列される。
【0029】
続いて、照射領域群の1回の主走査によりパターンが描画される基板9上の掃引領域(swath)における主走査開始位置に予め配置された照射領域群が、主走査制御部521の制御により主走査方向へと移動を開始する(ステップS14)。そして、照射領域群が主走査するのに並行して照射制御部522により光源ユニット41が制御され、基板9上の照射領域群のうち選択されたものへと光ビームが照射される(ステップS15)。
【0030】
具体的には、図6の上段に示す照射領域群のうちX方向に連続して並ぶ画素値が「1」とされた描画単位領域62の集合(すなわち、図6の上段において平行斜線を付して示す描画単位領域62の集合であり、以下、「対象描画領域群」と呼ぶ。)上を通過する照射領域61が、光ビームを照射すべき照射領域61として選択されて光ビームの照射が行われる。対象描画領域群はY方向に関して連続して並んでおり、照射領域群が主走査方向(Y方向)に連続して移動することにより基板9上にて光ビームが掃引され、図6の下段に示すようにY方向に伸びる複数の線状パターン要素91がX方向に関して単位ピッチPの24倍の周期(ピッチ)にて描画される。なお、線状パターン要素91の幅は基準線幅(すなわち、単位ピッチPの6倍の幅)に等しい。
【0031】
照射領域群が描画終了位置に到達すると、光源ユニット41からの光ビームの照射が停止され、その後照射領域群の主走査の停止位置にてヘッド部4の移動が停止する(ステップS16)。続いて、副走査制御部524によりステージ移動機構31が制御され、ステージ2が副走査方向へと移動して照射領域群が次の掃引領域の主走査開始位置へと移される(ステップS17,S18)。このとき、照射領域群の副走査方向への相対移動距離は、副走査方向に並ぶ照射領域61の数量と指定ピッチとを乗じた距離として求められる。なお、次の主走査は前回の主走査とは反対の方向に行われる。
【0032】
パターン描画装置1では、ステップS14〜S16が終了する毎に照射領域群を副走査方向へと移動し(ステップS17,S18)、これらの動作が繰り返されることにより、基板9上の広範囲に亘って単位ピッチPの24倍の周期で線状パターン要素91が描画される。
【0033】
次に、他の周期を有するパターンの描画動作について説明する。まず、前述の例と同様に、描画データが制御ユニット5へと入力される(ステップS11)。
ここでは、基準線幅の線状パターン要素が、単位ピッチPの25倍の周期にて配列されるパターンの描画データが準備されるものとする。
【0034】
続いて、演算部51により、基準ピッチの倍数であってパターン周期に最も近いものが求められる。ここで、図6の場合と同様に、基準ピッチの4倍がパターン周期に最も近いと判定されると、パターン周期をこの倍数で除することにより単位ピッチPの(25/4)倍のピッチが指定ピッチとして求められ(ステップS12)、指定ピッチに基づいて光学系43が制御されることにより、照射領域群の照射ピッチが指定ピッチに変更される(ステップS13)。
【0035】
図7は、指定ピッチに変更後の照射領域群と描画単位領域群との関係を説明するための図であり、図6に対応する図である。図7の上段に示すように、照射領域61はX方向の照射ピッチが単位ピッチPの(25/4)倍である指定ピッチにて配列される。
【0036】
パターン描画装置1では、前述のパターン描画動作と同様に、照射領域群の主走査に同期して光源ユニット41が制御されることにより、対象描画領域群(図7の上段において平行斜線を付して示す描画単位領域62の集合)上を通過する照射領域61に光ビームが照射され、図7の下段に示す複数の線状パターン要素91がX方向に関して単位ピッチPの25倍の周期にて描画される(ステップS14,S15)。このとき、図7の線状パターン要素91の幅は単位ピッチPの(25/4)倍となり、単位ピッチPの24倍の周期にて描画されたパターン(図7の下段において符号91aを付して示す複数の線状パターン要素により形成されるパターン)の基準線幅より(25/24)倍だけ僅かに太くなる。
【0037】
そして、照射領域群への光ビームの照射が終了して照射領域群の主走査方向への移動が停止すると(ステップS16)、照射領域群が指定ピッチに応じた距離だけ副走査して次の掃引領域の描画開始位置へと移動する(ステップS17,S18)。パターン描画装置1では、これらの動作が繰り返されることにより、基板9上に多数の線状パターン要素91が単位ピッチPの25倍の周期にて描画される。
【0038】
以上のように、図2のパターン描画装置1では、演算部51により副走査方向に関する周期に最も近くなる基準ピッチの倍数を求めて周期をこの倍数で除することにより照射領域群の指定ピッチが求められる。なお、指定ピッチは描画単位領域群の副走査方向に関する単位ピッチPよりも大きくされる。そして、基板9上の照射領域群が変倍されることにより照射領域群の副走査方向に関する照射ピッチが指定ピッチに変更され、主走査方向への照射領域群の走査に同期して照射制御部522により複数の光ビームが個別にON/OFF制御される。
【0039】
これにより、パターン描画装置1では1回の主走査にて描画される領域の幅を広くしつつ、基準線幅におよそ等しい線幅(または、許容範囲内と考えられる線幅)を有する線状パターン要素91を所望の周期にて描画することができる。その結果、周期性を有するパターンを効率よくかつ適切に描画することができ、平面表示装置の生産性を向上することが可能となる。なお、平面表示装置製造用の基板上に形成されるパターンでは、一般的に全線状パターン要素の幅が同一であってピッチが一定である限り、線状パターン要素の幅の精度は低くても実用上問題は生じない。
【0040】
次に、パターン描画装置1が周期性を有するパターンを描画する他の動作例について説明する。なお、パターン描画の他の動作例では、3つの照射領域により1つの線状パターン要素を描画するとともにX方向に隣接する線状パターン要素間を9つの照射領域で補間するように予め決定されているものとする。図5のステップS12では、基準ピッチの12倍が単位ピッチPの24倍であるパターン周期に最も近いと判定され、パターン周期を12で除して、単位ピッチPの2倍となる指定ピッチが求められる。そして、前述のパターン描画動作と同様に、求められた指定ピッチに基づいて光学系43が制御され、照射ピッチが指定ピッチに変更される(ステップS13)。
【0041】
図8は、パターン描画装置1による上記の他の動作例を説明するための図であり、図6および図7に対応する図である。図8の上段では、基板9上においてX方向に指定ピッチ(すなわち、単位ピッチPの2倍の照射ピッチ)にて配列された複数の照射領域61を複数の描画単位領域62に重ねて示している。
【0042】
パターン描画装置1では、照射領域群の主走査が開始され(ステップS14)、主走査制御部521に同期して照射制御部522により光源ユニット41が制御される。すなわち、対象描画領域群(図8の上段において平行斜線を付して示す描画単位領域62の集合)上を通過するとともに、副走査方向に関して連続して並ぶ3つの照射領域61の集合(図8の上段において、符号610を付して実線で囲む3つの照射領域61の集合であり、以下、「対象照射領域群610」と呼ぶ。)が選択されてそれぞれに光ビームが照射され、図8の下段に示すように複数の対象照射領域群610のそれぞれによりY方向に伸びる1つの線状パターン要素91が描画される(ステップS15)。このとき、各対象照射領域群610において3つの照射領域61のそれぞれに対する光ビームの照射のONまたはOFFが同時に行われるため、各線状パターン要素91の両端部が揃えられる。
【0043】
そして、照射領域群の主走査が完了する毎にステージ移動機構31により照射領域群が指定ピッチに応じた距離(すなわち、副走査方向に並ぶ照射領域61の数量と指定ピッチとを乗じた距離)だけ副走査方向に移動され、線状パターン要素91の描画が繰り返される(ステップS16〜S18)。このようにしてパターン描画装置1では、複数の線状パターン要素91が基板9上に単位ピッチPの24倍の周期にて描画される。
【0044】
ここで、図8に示す状態から基準線幅を変更せずに周期を変更したパターンを描画する様子について説明する。図9は、互いに異なる周期を有する複数のパターンをそれぞれ描画する際の描画単位領域群と照射領域群との関係を説明するための図である。図9の上段は図8の上段を拡大して示すものであり、単位ピッチPの24倍の周期を有するパターンを描画する際の照射領域群を示している。前述のように、照射領域61は描画領域群の単位ピッチPの2倍となる照射ピッチにて配列され、1つの対象照射領域群610のX方向に関する幅は単位ピッチPの6倍であり、描画される線状パターン要素91の幅は基準線幅となる(図8参照)。
【0045】
一方、図9の下段は、単位ピッチPの25倍の周期を有するパターンを描画する際の様子を示しており、演算部51では基準ピッチの12倍が単位ピッチPの24倍であるパターン周期に最も近いと判定され、パターン周期を12で除することにより指定ピッチが求められて照射領域群が単位ピッチPの(25/12)倍の照射ピッチにて配列される。このとき、1つの対象照射領域群610のX方向の幅がほぼ基準線幅(正確には、基準線幅の(25/24)倍)となる。
【0046】
以上のように、パターン描画装置1では、複数の照射領域で1つの線状パターン要素91が描画されてもよく、これにより、パターンの変更(例えば、周期や線幅の変更)に対して柔軟に対応することが実現される。
【0047】
次に、パターン描画装置の他の例について説明を行う。図10は、他の例に係るパターン描画装置による周期性を有するパターンの描画を説明するための図であり、図10の上段は基板9上の複数の照射領域61を示しており、図10の下段は描画される線状パターン要素91を示している。
【0048】
他の例に係るパターン描画装置では、基板9上に形成される照射領域群の配列のみが図2のパターン描画装置1と異なっている。パターン描画装置では、図10の上段に示すように複数の照射領域61が傾斜して1列に配置されて1つの照射領域群の列610a(以下、「照射領域列610a」という。)が形成され、複数の照射領域列610aがX方向に所定の間隔で並べられることにより、照射領域群は全体として副走査方向(X方向)に関して一定の照射ピッチにて配列される。
【0049】
他の例に係るパターン描画装置がパターンを描画する際には、図5のステップS15のみが図2のパターン描画装置1と異なる。具体的には、照射領域群が基板9に対して(−Y)方向へと相対的に移動を開始すると、図10の上段に示す各照射領域列610aにおいて(−Y)側に位置する照射領域611が最初に描画開始位置に到達し、符号611a,611bを付す照射領域への光ビームの照射が開始される。続いて、照射領域611から(+Y)側に隣接して配置された照射領域612が描画開始位置を通過する際に符号612aを付す照射領域への光ビームの照射が開始される。このように、描画開始位置に到達した照射領域61のうち対象描画領域群上を通過する照射領域61への光ビームの照射が順次開始され、これにより、線状パターン要素91の(+Y)側の端部が揃えられる。
【0050】
そして、光ビームが照射されている照射領域61が描画終了位置に到達すると、描画開始位置の場合と同様に、光ビームの照射が順次停止され、線状パターン要素91の(−Y)側の端部が揃えられる。このように、他の例に係るパターン描画装置では主走査方向への照射領域群の移動に同期して光源ユニット41が制御され、周期性を有するパターンが適切にかつ効率よく描画される。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0052】
パターン描画装置では、照射領域群の照射ピッチを描画単位領域群の単位ピッチPよりも大きい指定ピッチとすることにより、高速にパターンを描画することが実現されるが、効率的にパターンを描画するには指定ピッチは単位ピッチPの2倍以上とされることが好ましい。
【0053】
光源ユニット41は必ずしも複数の半導体レーザと複数の光ファイバとにより構成される必要はなく、例えば、半導体レーザと空間光変調デバイス(例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)や回折格子型ライトバルブ等)とを有する光源ユニットが設けられ、個別に変調可能な複数の光ビームが生成されてもよい。また、ビームスプリッタを有する光源ユニットが設けられ、導出された複数の光ビームが光変調素子によりそれぞれ変調され、個別にON/OFF制御が可能な複数の光ビームが出射されてもよい。もちろん、光ビームを出射する光源も半導体レーザに限定されない。
【0054】
照射領域群の照射ピッチは必ずしもズームレンズにより変更される必要はなく、例えば、図6や図8に示すように照射領域が1列に配列される場合は、配列方向を副走査方向に対して傾斜させる機構(例えば、光源ユニットをXY平面に垂直な軸を中心に回動する機構)が設けられてX方向に関する照射ピッチが変更されてもよい。なお、パターン描画装置では、互いに隣接する照射領域の一部が重なり合っていてもよい。
【0055】
照射領域群はステージ移動機構により基板9に対して主走査方向へと相対的に移動し、ヘッド移動機構により基板9に対して副走査方向へと相対的に移動してもよい。また、2軸のヘッド移動機構または2軸のステージ移動機構のいずれか一方のみが設けられて、照射領域群の主走査および副走査が実現されてもよい。
【0056】
パターン描画装置では、基板9上において複数の線状のパターン要素が一定間隔にて配列して描画される用途に特に適しているが、複数の光ビームを個別に変調することにより基板9上に複雑なパターンが描画されてもよい。
【0057】
基板9は必ずしも平面表示装置製造用のガラス基板である必要はなく、他の用途に用いられる他の種類の基板(例えば、樹脂基板、半導体基板等)であってもよい。また、感光材料は、フォトレジストや光硬化性樹脂等でもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、周期性を有するパターンを効率よく描画することができる。
【0059】
また、請求項2の発明では、広範囲に亘って周期性を有するパターンを描画することができる。
【0060】
また、請求項3の発明では、適切にパターンを描画することができる。
【0061】
また、請求項5の発明では、パターンの変更に対して柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の手法によりパターンを描画する様子を説明するための図である。
【図2】パターン描画装置の構成を示す図である。
【図3】ヘッド部の構成、および、制御ユニットの機能構成を示す図である。
【図4】基板上における照射領域群および描画単位領域群を示す図である。
【図5】周期性を有するパターンを描画する動作の流れを示す図である。
【図6】基板上の照射領域群と描画単位領域群との関係、および、線状パターン要素を示す図である。
【図7】基板上の照射領域群と描画単位領域群との関係、および、線状パターン要素を示す図である。
【図8】パターン描画の他の動作例における基板上の照射領域群と描画単位領域群との関係、および、線状パターン要素を示す図である。
【図9】基板上の照射領域群と描画単位領域群との関係を示す図である。
【図10】パターン描画装置の他の例における基板上の照射領域群および線状パターン要素を示す図である。
【符号の説明】
1 パターン描画装置
9 基板
31 ステージ移動機構
32 ヘッド移動機構
41 光源ユニット
43 光学系
51 演算部
61,611,611a,611b,612,612a 照射領域
62 描画単位領域
91,91a 線状パターン要素
522 照射制御部
610 対象照射領域群
P 単位ピッチ
S12〜S15 ステップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画するパターン描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のパターン描画装置では、基板上に設定される複数の描画単位領域(すなわち、描画されるパターンの寸法や位置を定める最小単位となる領域)のピッチにて光の照射領域を所定の副走査方向に配列して照射領域群を配列方向に垂直な主走査方向に走査し、各照射領域に光ビームをON/OFF制御しつつ照射することにより基板上にパターンが描画される。
【0003】
図1は従来のパターン描画装置において互いに異なる周期を有する複数のパターンをそれぞれ描画する様子を説明するための図である。なお、図1の上段では描画単位領域911をX方向に並ぶ1列分のみ示しており、前述のように照射領域群の副走査方向(X方向)に関するピッチは描画単位領域群のX方向のピッチ(以下、「単位ピッチ」という。)に等しい。従来のパターン描画装置では、例えば、図1の上段および中段に示すように連続する6つの照射領域への光ビームの照射をONとし、(+X)側に隣接する18の照射領域への光ビームの照射をOFFとするON/OFF周期を繰り返すことにより、単位ピッチの24倍の周期にて単位ピッチの6倍の線幅の線状パターン要素912が描画される。同様に、単位ピッチの25倍の周期を有するパターンを描画する際には、図1の下段に示すように互いに隣接する線状パターン要素913間に、光ビームの照射がOFFとされる19の照射領域が設けられる。
【0004】
このように、従来のパターン描画装置では、光ビームのアドレサビリティを単位ピッチに一致させることにより、パターンの描画毎にその周期が細かく変更される場合であっても、単位ピッチを変更の最小単位として互いに異なる周期を有する複数のパターンをそれぞれ描画することが実現される。
【0005】
なお、特許文献1では、プリズムを利用することにより光源からの複数の光ビームの照射領域群を傾斜して配列することなく主走査方向に垂直な方向に関して照射領域群のピッチを変更する手法が開示されている。また、特許文献2では、ズームレンズを有する光学系を介して複数の光ビーム群を変倍して感光材料上へと導き、感光材料上における一の光ビーム群の照射領域間を他の光ビーム群のそれぞれにより補間して高精度にパターンを描画する技術が開示されている。さらに、非特許文献1では、ガラス基板上に貼り付けられたドナーフィルムに赤外光ビームを照射することによりドナーフィルムをガラス基板上に転写し、液晶表示装置用のカラーフィルタを作製する技術が紹介されている。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−226117号公報
【特許文献2】
特公平5−12898号公報
【非特許文献1】
エラン・エリツア(Eran Elizur)、外1名、「フラット・パネル・ディスプレイ製造におけるサーマル・リソグラフィ(Thermal Lithography for Flat Panel Display Manufacturing)」,2002SID国際シンポジウム技報ダイジェスト(2002 SID International Symposium DIGEST OF TECHNICAL PAPERS),[CD−ROM],(米国),SID(Society for Information Display),2002年5月,第33巻(Volume XXXIII),第2号(Number II),p.1055−1057
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、プラズマ表示装置、有機EL表示装置や液晶表示装置等の平面表示装置(フラットパネルディスプレイ)において画面サイズや解像度を多様に変更したものが生産されるため、平面表示装置製造用のガラス基板上に形成されるパターンの周期も細かくかつ多様に変更される。したがって、図1に示す手法により周期パターンを描画する場合に、周期の変更のための描画単位領域を小さくする必要が生じ、一度の主走査によりパターンを描画できる領域も小さくなって平面表示装置の生産性が低下してしまう。
【0008】
一方、パターン描画毎に描画単位領域の大きさが変更される場合には、ズームレンズを利用して照射領域群の大きさを変更し、そのピッチを変更後の描画単位領域のピッチに一致させる手法も考えられる。この場合、描画単位領域が比較的大きい(すなわち、粗く設計されたパターンである)ときには高速にパターンを描画することも可能であるが、描画単位領域が小さい(すなわち、細かく設計されたパターンである)ときには、やはり効率よく周期パターンを描画することができない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、周期性を有するパターンを効率よく描画することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画するパターン描画装置であって、個別にON/OFF制御が可能な複数の光ビームを出射する光源ユニットと、前記光源ユニットからの複数の光ビームを、感光材料上において第1の方向にに関して一定の照射ピッチで配列される複数の照射領域へとそれぞれ導く光学系と、前記複数の照射領域を前記感光材料に対して前記第1の方向に垂直な第2の方向に相対的に移動する移動機構と、描画されるパターンの前記第1の方向に関する周期に最も近くなる所定の基準ピッチの倍数を求めて前記周期を前記倍数で除することにより、前記感光材料上に設定されている描画単位領域群の前記第1の方向に関するピッチよりも大きい指定ピッチを求める演算部と、前記照射ピッチを前記指定ピッチへと変更するピッチ変更部とを備える。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン描画装置であって、前記第2の方向への前記複数の照射領域の移動が完了する毎に、前記指定ピッチに応じた距離だけ前記複数の照射領域を前記感光材料に対して前記第1の方向に相対的に移動するもう1つの移動機構をさらに備える。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のパターン描画装置であって、前記複数の光ビームを、前記第2の方向への前記複数の照射領域の移動に同期して個別にON/OFF制御する照射制御部をさらに備える。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン描画装置であって、前記ピッチ変更部が、前記光学系に含まれるレンズを移動して前記複数の照射領域を拡大または縮小する。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン描画装置であって、前記複数の照射領域の前記第2の方向への移動により前記第2の方向へと伸びる複数の線状のパターン要素が描画され、前記複数の線状のパターン要素のそれぞれが、前記第1の方向に関して連続して並ぶ2以上の照射領域に照射される光ビームにより描画される。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン描画装置であって、前記感光材料が、平面表示装置製造用の基板に付与されたものである。
【0016】
請求項7に記載の発明は、感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画するパターン描画方法であって、描画されるパターンの第1の方向に関する周期に最も近くなる所定の基準ピッチの倍数を求めて前記周期を前記倍数で除することにより、感光材料上に設定されている描画単位領域群の前記第1の方向に関するピッチよりも大きい指定ピッチを求める工程と、前記感光材料上に配列される複数の照射領域の前記第1の方向に関する照射ピッチを前記指定ピッチに変更する工程と、前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記複数の照射領域を移動する工程と、前記複数の照射領域を移動する工程と並行して、前記複数の照射領域のうち選択されたものへと光ビームを照射する工程とを有する。
【0017】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の一の実施の形態に係るパターン描画装置1の構成を示す図である。パターン描画装置1は、平面表示装置製造用のガラス基板(以下、「基板」という。)9上に付与された感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画する装置であり、例えば、基板9が液晶表示装置用のカラーフィルタのガラス基板である場合には、基板9上へのドナーフィルムの貼付(すなわち、感光材料の付与)および周期パターンの描画がドナーフィルムの色を変えつつ繰り返される。
【0018】
パターン描画装置1は、感光材料が付与された基板9が載置されるステージ2、ステージ2を図2中のX方向へと移動するステージ移動機構31、複数の光ビームを基板9に向けて出射するヘッド部4、ヘッド部4を図2中のY方向へと移動するヘッド移動機構32、並びに、入力部59が接続された制御ユニット5を備える。
【0019】
ヘッド部4は、後述する構成により独立変調可能な複数の光ビームを出射し、複数の光ビームはそれぞれ対応する基板9上の複数の照射領域に照射される。また、ヘッド部4はリニアモータであるヘッド移動機構32の移動体側に固定され、制御ユニット5がヘッド移動機構32を制御することにより照射領域群が感光材料上を主走査方向(図2中のY方向)へと連続的に移動する。
【0020】
ステージ2はステージ移動機構31の移動体側に固定されており、照射領域群の主走査方向に対して垂直な副走査方向(X方向)に間欠的に移動する。すなわち、ヘッド移動機構32による照射領域群の主走査が完了する毎に、ステージ移動機構31は基板9をX方向に移動し、照射領域群が基板9上における次の主走査の開始位置へと副走査する。
【0021】
図3は、ヘッド部4の構成、および、制御ユニット5の機能構成を示す図である。ヘッド部4は、図示省略の複数の半導体レーザにそれぞれカップリングされた複数の光ファイバが配列される(すなわち、マルチビーム光源である)光源ユニット41を有し、光源ユニット41により個別にON/OFF制御が可能な複数の光ビームが出射される。複数の光ビームは、レンズ群431およびレンズ432を有する光学系43により基板9へと導かれ、感光材料上に配列される複数の照射領域へとそれぞれ照射される。光学系43はズームレンズとなっており、レンズ群431やレンズ432、あるいは、レンズ群431の一部のレンズが所定の光軸に沿って移動することにより、感光材料上の照射領域群の大きさが拡大または縮小される。
【0022】
制御ユニット5は、各種演算処理を行うCPUや各種情報を記憶するメモリ等により構成される演算部51を有し、演算部51から後述するパターン描画時に利用される情報が制御部52に出力される。制御部52は、ヘッド移動機構32、光源ユニット41、光学系43の駆動部およびステージ移動機構31にそれぞれ接続された主走査制御部521、照射制御部522、倍率制御部523および副走査制御部524を有する。パターン描画装置1では、制御部52が演算部51からの入力情報に基づいてパターン描画装置1の各構成を制御することにより基板9の感光材料上に周期性を有するパターンが描画される。
【0023】
図4は、基板9上における照射領域群および描画単位領域群を重ねて示す図であり、図4では照射領域61を破線にて示し、基板9上の描画単位領域62を実線にて示している。前述のように、照射領域群はヘッド部4に対して固定された領域であり、描画単位領域群は基板9上に設定された描画の単位となる領域であり、ヘッド部4が基板9に対して相対的に移動することにより、照射領域群が描画単位領域群上を移動する。
【0024】
描画単位領域62はX方向(副走査方向)にピッチP(以下、「単位ピッチP」と呼ぶ。)、Y方向(主走査方向)にピッチRにて配列される。また、照射領域群は光学系43の倍率に応じた大きさとされ、副走査方向に関して一定の照射ピッチ(すなわち、互いに隣接する2つの照射領域61のX方向に関する中心間距離)にて配列される。なお、図4では照射領域群および描画単位領域群の一部のみが図示されている。
【0025】
図5は、パターン描画装置1による周期性を有するパターンを描画する動作の流れを示す図である。ここで、描画されるパターンは、主走査方向へと伸びる複数の線状パターン要素が主走査方向に垂直な副走査方向に一定間隔にて配列される周期パターンであるものとし、以下、副走査方向に関してある周期を有するパターンの描画動作について説明した後に、他の周期を有するパターンの描画動作について説明する。
【0026】
パターン描画装置1において周期パターンが描画される際には、まず、描画すべきパターンが複数の描画単位領域62に分割されて各描画単位領域62に対して「1」または「0」の画素値を対応付けた2値のビットマップデータ(以下、「描画データ」という。)が準備され、入力部59を介して演算部51へと入力される(ステップS11)。具体例として、Y方向に伸びるとともに描画単位領域62の単位ピッチPの6倍の幅(以下、「基準線幅」という。)を有する複数の線状パターン要素が単位ピッチPの24倍の周期にて配列されるパターンを示す描画データが準備されるものとする。
【0027】
演算部51は、まず、基準となる照射ピッチ(予め定められたデフォルトの照射ピッチであり、以下、「基準ピッチ」という。)の倍数であってパターン周期に最も近いものを求め、パターン周期をこの倍数で除することにより、パターン描画時における照射領域群の照射ピッチ(以下、「指定ピッチ」という。)を求める(ステップS12)。そして、指定ピッチが制御部52へと入力され、倍率制御部523により光学系43が制御されて照射領域群の照射ピッチが指定ピッチに変更される(ステップS13)。
【0028】
図6は、指定ピッチに変更後の照射領域群と描画単位領域群との関係を説明するための図であり、図6の上段では基板9上に配列された複数の照射領域61、および、複数の描画単位領域62(但し、X方向に並ぶ1列分のみ)を示している。図6の場合、ステップS12において基準ピッチの4倍がパターン周期(単位ピッチPの24倍)に最も近いと判定され、ステップS13により図6の上段に示すように、照射ピッチが単位ピッチPの6倍(すなわち、単位ピッチPの24倍を4で除した指定ピッチ)にされた照射領域群が基板9上に配列される。
【0029】
続いて、照射領域群の1回の主走査によりパターンが描画される基板9上の掃引領域(swath)における主走査開始位置に予め配置された照射領域群が、主走査制御部521の制御により主走査方向へと移動を開始する(ステップS14)。そして、照射領域群が主走査するのに並行して照射制御部522により光源ユニット41が制御され、基板9上の照射領域群のうち選択されたものへと光ビームが照射される(ステップS15)。
【0030】
具体的には、図6の上段に示す照射領域群のうちX方向に連続して並ぶ画素値が「1」とされた描画単位領域62の集合(すなわち、図6の上段において平行斜線を付して示す描画単位領域62の集合であり、以下、「対象描画領域群」と呼ぶ。)上を通過する照射領域61が、光ビームを照射すべき照射領域61として選択されて光ビームの照射が行われる。対象描画領域群はY方向に関して連続して並んでおり、照射領域群が主走査方向(Y方向)に連続して移動することにより基板9上にて光ビームが掃引され、図6の下段に示すようにY方向に伸びる複数の線状パターン要素91がX方向に関して単位ピッチPの24倍の周期(ピッチ)にて描画される。なお、線状パターン要素91の幅は基準線幅(すなわち、単位ピッチPの6倍の幅)に等しい。
【0031】
照射領域群が描画終了位置に到達すると、光源ユニット41からの光ビームの照射が停止され、その後照射領域群の主走査の停止位置にてヘッド部4の移動が停止する(ステップS16)。続いて、副走査制御部524によりステージ移動機構31が制御され、ステージ2が副走査方向へと移動して照射領域群が次の掃引領域の主走査開始位置へと移される(ステップS17,S18)。このとき、照射領域群の副走査方向への相対移動距離は、副走査方向に並ぶ照射領域61の数量と指定ピッチとを乗じた距離として求められる。なお、次の主走査は前回の主走査とは反対の方向に行われる。
【0032】
パターン描画装置1では、ステップS14〜S16が終了する毎に照射領域群を副走査方向へと移動し(ステップS17,S18)、これらの動作が繰り返されることにより、基板9上の広範囲に亘って単位ピッチPの24倍の周期で線状パターン要素91が描画される。
【0033】
次に、他の周期を有するパターンの描画動作について説明する。まず、前述の例と同様に、描画データが制御ユニット5へと入力される(ステップS11)。
ここでは、基準線幅の線状パターン要素が、単位ピッチPの25倍の周期にて配列されるパターンの描画データが準備されるものとする。
【0034】
続いて、演算部51により、基準ピッチの倍数であってパターン周期に最も近いものが求められる。ここで、図6の場合と同様に、基準ピッチの4倍がパターン周期に最も近いと判定されると、パターン周期をこの倍数で除することにより単位ピッチPの(25/4)倍のピッチが指定ピッチとして求められ(ステップS12)、指定ピッチに基づいて光学系43が制御されることにより、照射領域群の照射ピッチが指定ピッチに変更される(ステップS13)。
【0035】
図7は、指定ピッチに変更後の照射領域群と描画単位領域群との関係を説明するための図であり、図6に対応する図である。図7の上段に示すように、照射領域61はX方向の照射ピッチが単位ピッチPの(25/4)倍である指定ピッチにて配列される。
【0036】
パターン描画装置1では、前述のパターン描画動作と同様に、照射領域群の主走査に同期して光源ユニット41が制御されることにより、対象描画領域群(図7の上段において平行斜線を付して示す描画単位領域62の集合)上を通過する照射領域61に光ビームが照射され、図7の下段に示す複数の線状パターン要素91がX方向に関して単位ピッチPの25倍の周期にて描画される(ステップS14,S15)。このとき、図7の線状パターン要素91の幅は単位ピッチPの(25/4)倍となり、単位ピッチPの24倍の周期にて描画されたパターン(図7の下段において符号91aを付して示す複数の線状パターン要素により形成されるパターン)の基準線幅より(25/24)倍だけ僅かに太くなる。
【0037】
そして、照射領域群への光ビームの照射が終了して照射領域群の主走査方向への移動が停止すると(ステップS16)、照射領域群が指定ピッチに応じた距離だけ副走査して次の掃引領域の描画開始位置へと移動する(ステップS17,S18)。パターン描画装置1では、これらの動作が繰り返されることにより、基板9上に多数の線状パターン要素91が単位ピッチPの25倍の周期にて描画される。
【0038】
以上のように、図2のパターン描画装置1では、演算部51により副走査方向に関する周期に最も近くなる基準ピッチの倍数を求めて周期をこの倍数で除することにより照射領域群の指定ピッチが求められる。なお、指定ピッチは描画単位領域群の副走査方向に関する単位ピッチPよりも大きくされる。そして、基板9上の照射領域群が変倍されることにより照射領域群の副走査方向に関する照射ピッチが指定ピッチに変更され、主走査方向への照射領域群の走査に同期して照射制御部522により複数の光ビームが個別にON/OFF制御される。
【0039】
これにより、パターン描画装置1では1回の主走査にて描画される領域の幅を広くしつつ、基準線幅におよそ等しい線幅(または、許容範囲内と考えられる線幅)を有する線状パターン要素91を所望の周期にて描画することができる。その結果、周期性を有するパターンを効率よくかつ適切に描画することができ、平面表示装置の生産性を向上することが可能となる。なお、平面表示装置製造用の基板上に形成されるパターンでは、一般的に全線状パターン要素の幅が同一であってピッチが一定である限り、線状パターン要素の幅の精度は低くても実用上問題は生じない。
【0040】
次に、パターン描画装置1が周期性を有するパターンを描画する他の動作例について説明する。なお、パターン描画の他の動作例では、3つの照射領域により1つの線状パターン要素を描画するとともにX方向に隣接する線状パターン要素間を9つの照射領域で補間するように予め決定されているものとする。図5のステップS12では、基準ピッチの12倍が単位ピッチPの24倍であるパターン周期に最も近いと判定され、パターン周期を12で除して、単位ピッチPの2倍となる指定ピッチが求められる。そして、前述のパターン描画動作と同様に、求められた指定ピッチに基づいて光学系43が制御され、照射ピッチが指定ピッチに変更される(ステップS13)。
【0041】
図8は、パターン描画装置1による上記の他の動作例を説明するための図であり、図6および図7に対応する図である。図8の上段では、基板9上においてX方向に指定ピッチ(すなわち、単位ピッチPの2倍の照射ピッチ)にて配列された複数の照射領域61を複数の描画単位領域62に重ねて示している。
【0042】
パターン描画装置1では、照射領域群の主走査が開始され(ステップS14)、主走査制御部521に同期して照射制御部522により光源ユニット41が制御される。すなわち、対象描画領域群(図8の上段において平行斜線を付して示す描画単位領域62の集合)上を通過するとともに、副走査方向に関して連続して並ぶ3つの照射領域61の集合(図8の上段において、符号610を付して実線で囲む3つの照射領域61の集合であり、以下、「対象照射領域群610」と呼ぶ。)が選択されてそれぞれに光ビームが照射され、図8の下段に示すように複数の対象照射領域群610のそれぞれによりY方向に伸びる1つの線状パターン要素91が描画される(ステップS15)。このとき、各対象照射領域群610において3つの照射領域61のそれぞれに対する光ビームの照射のONまたはOFFが同時に行われるため、各線状パターン要素91の両端部が揃えられる。
【0043】
そして、照射領域群の主走査が完了する毎にステージ移動機構31により照射領域群が指定ピッチに応じた距離(すなわち、副走査方向に並ぶ照射領域61の数量と指定ピッチとを乗じた距離)だけ副走査方向に移動され、線状パターン要素91の描画が繰り返される(ステップS16〜S18)。このようにしてパターン描画装置1では、複数の線状パターン要素91が基板9上に単位ピッチPの24倍の周期にて描画される。
【0044】
ここで、図8に示す状態から基準線幅を変更せずに周期を変更したパターンを描画する様子について説明する。図9は、互いに異なる周期を有する複数のパターンをそれぞれ描画する際の描画単位領域群と照射領域群との関係を説明するための図である。図9の上段は図8の上段を拡大して示すものであり、単位ピッチPの24倍の周期を有するパターンを描画する際の照射領域群を示している。前述のように、照射領域61は描画領域群の単位ピッチPの2倍となる照射ピッチにて配列され、1つの対象照射領域群610のX方向に関する幅は単位ピッチPの6倍であり、描画される線状パターン要素91の幅は基準線幅となる(図8参照)。
【0045】
一方、図9の下段は、単位ピッチPの25倍の周期を有するパターンを描画する際の様子を示しており、演算部51では基準ピッチの12倍が単位ピッチPの24倍であるパターン周期に最も近いと判定され、パターン周期を12で除することにより指定ピッチが求められて照射領域群が単位ピッチPの(25/12)倍の照射ピッチにて配列される。このとき、1つの対象照射領域群610のX方向の幅がほぼ基準線幅(正確には、基準線幅の(25/24)倍)となる。
【0046】
以上のように、パターン描画装置1では、複数の照射領域で1つの線状パターン要素91が描画されてもよく、これにより、パターンの変更(例えば、周期や線幅の変更)に対して柔軟に対応することが実現される。
【0047】
次に、パターン描画装置の他の例について説明を行う。図10は、他の例に係るパターン描画装置による周期性を有するパターンの描画を説明するための図であり、図10の上段は基板9上の複数の照射領域61を示しており、図10の下段は描画される線状パターン要素91を示している。
【0048】
他の例に係るパターン描画装置では、基板9上に形成される照射領域群の配列のみが図2のパターン描画装置1と異なっている。パターン描画装置では、図10の上段に示すように複数の照射領域61が傾斜して1列に配置されて1つの照射領域群の列610a(以下、「照射領域列610a」という。)が形成され、複数の照射領域列610aがX方向に所定の間隔で並べられることにより、照射領域群は全体として副走査方向(X方向)に関して一定の照射ピッチにて配列される。
【0049】
他の例に係るパターン描画装置がパターンを描画する際には、図5のステップS15のみが図2のパターン描画装置1と異なる。具体的には、照射領域群が基板9に対して(−Y)方向へと相対的に移動を開始すると、図10の上段に示す各照射領域列610aにおいて(−Y)側に位置する照射領域611が最初に描画開始位置に到達し、符号611a,611bを付す照射領域への光ビームの照射が開始される。続いて、照射領域611から(+Y)側に隣接して配置された照射領域612が描画開始位置を通過する際に符号612aを付す照射領域への光ビームの照射が開始される。このように、描画開始位置に到達した照射領域61のうち対象描画領域群上を通過する照射領域61への光ビームの照射が順次開始され、これにより、線状パターン要素91の(+Y)側の端部が揃えられる。
【0050】
そして、光ビームが照射されている照射領域61が描画終了位置に到達すると、描画開始位置の場合と同様に、光ビームの照射が順次停止され、線状パターン要素91の(−Y)側の端部が揃えられる。このように、他の例に係るパターン描画装置では主走査方向への照射領域群の移動に同期して光源ユニット41が制御され、周期性を有するパターンが適切にかつ効率よく描画される。
【0051】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0052】
パターン描画装置では、照射領域群の照射ピッチを描画単位領域群の単位ピッチPよりも大きい指定ピッチとすることにより、高速にパターンを描画することが実現されるが、効率的にパターンを描画するには指定ピッチは単位ピッチPの2倍以上とされることが好ましい。
【0053】
光源ユニット41は必ずしも複数の半導体レーザと複数の光ファイバとにより構成される必要はなく、例えば、半導体レーザと空間光変調デバイス(例えば、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)や回折格子型ライトバルブ等)とを有する光源ユニットが設けられ、個別に変調可能な複数の光ビームが生成されてもよい。また、ビームスプリッタを有する光源ユニットが設けられ、導出された複数の光ビームが光変調素子によりそれぞれ変調され、個別にON/OFF制御が可能な複数の光ビームが出射されてもよい。もちろん、光ビームを出射する光源も半導体レーザに限定されない。
【0054】
照射領域群の照射ピッチは必ずしもズームレンズにより変更される必要はなく、例えば、図6や図8に示すように照射領域が1列に配列される場合は、配列方向を副走査方向に対して傾斜させる機構(例えば、光源ユニットをXY平面に垂直な軸を中心に回動する機構)が設けられてX方向に関する照射ピッチが変更されてもよい。なお、パターン描画装置では、互いに隣接する照射領域の一部が重なり合っていてもよい。
【0055】
照射領域群はステージ移動機構により基板9に対して主走査方向へと相対的に移動し、ヘッド移動機構により基板9に対して副走査方向へと相対的に移動してもよい。また、2軸のヘッド移動機構または2軸のステージ移動機構のいずれか一方のみが設けられて、照射領域群の主走査および副走査が実現されてもよい。
【0056】
パターン描画装置では、基板9上において複数の線状のパターン要素が一定間隔にて配列して描画される用途に特に適しているが、複数の光ビームを個別に変調することにより基板9上に複雑なパターンが描画されてもよい。
【0057】
基板9は必ずしも平面表示装置製造用のガラス基板である必要はなく、他の用途に用いられる他の種類の基板(例えば、樹脂基板、半導体基板等)であってもよい。また、感光材料は、フォトレジストや光硬化性樹脂等でもよい。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、周期性を有するパターンを効率よく描画することができる。
【0059】
また、請求項2の発明では、広範囲に亘って周期性を有するパターンを描画することができる。
【0060】
また、請求項3の発明では、適切にパターンを描画することができる。
【0061】
また、請求項5の発明では、パターンの変更に対して柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の手法によりパターンを描画する様子を説明するための図である。
【図2】パターン描画装置の構成を示す図である。
【図3】ヘッド部の構成、および、制御ユニットの機能構成を示す図である。
【図4】基板上における照射領域群および描画単位領域群を示す図である。
【図5】周期性を有するパターンを描画する動作の流れを示す図である。
【図6】基板上の照射領域群と描画単位領域群との関係、および、線状パターン要素を示す図である。
【図7】基板上の照射領域群と描画単位領域群との関係、および、線状パターン要素を示す図である。
【図8】パターン描画の他の動作例における基板上の照射領域群と描画単位領域群との関係、および、線状パターン要素を示す図である。
【図9】基板上の照射領域群と描画単位領域群との関係を示す図である。
【図10】パターン描画装置の他の例における基板上の照射領域群および線状パターン要素を示す図である。
【符号の説明】
1 パターン描画装置
9 基板
31 ステージ移動機構
32 ヘッド移動機構
41 光源ユニット
43 光学系
51 演算部
61,611,611a,611b,612,612a 照射領域
62 描画単位領域
91,91a 線状パターン要素
522 照射制御部
610 対象照射領域群
P 単位ピッチ
S12〜S15 ステップ
Claims (7)
- 感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画するパターン描画装置であって、
個別にON/OFF制御が可能な複数の光ビームを出射する光源ユニットと、前記光源ユニットからの複数の光ビームを、感光材料上において第1の方向にに関して一定の照射ピッチで配列される複数の照射領域へとそれぞれ導く光学系と、
前記複数の照射領域を前記感光材料に対して前記第1の方向に垂直な第2の方向に相対的に移動する移動機構と、
描画されるパターンの前記第1の方向に関する周期に最も近くなる所定の基準ピッチの倍数を求めて前記周期を前記倍数で除することにより、前記感光材料上に設定されている描画単位領域群の前記第1の方向に関するピッチよりも大きい指定ピッチを求める演算部と、
前記照射ピッチを前記指定ピッチへと変更するピッチ変更部と、を備えることを特徴とするパターン描画装置。 - 請求項1に記載のパターン描画装置であって、
前記第2の方向への前記複数の照射領域の移動が完了する毎に、前記指定ピッチに応じた距離だけ前記複数の照射領域を前記感光材料に対して前記第1の方向に相対的に移動するもう1つの移動機構をさらに備えることを特徴とするパターン描画装置。 - 請求項1または2に記載のパターン描画装置であって、
前記複数の光ビームを、前記第2の方向への前記複数の照射領域の移動に同期して個別にON/OFF制御する照射制御部をさらに備えることを特徴とするパターン描画装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載のパターン描画装置であって、
前記ピッチ変更部が、前記光学系に含まれるレンズを移動して前記複数の照射領域を拡大または縮小することを特徴とするパターン描画装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のパターン描画装置であって、
前記複数の照射領域の前記第2の方向への移動により前記第2の方向へと伸びる複数の線状のパターン要素が描画され、前記複数の線状のパターン要素のそれぞれが、前記第1の方向に関して連続して並ぶ2以上の照射領域に照射される光ビームにより描画されることを特徴とするパターン描画装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載のパターン描画装置であって、
前記感光材料が、平面表示装置製造用の基板に付与されたものであることを特徴とするパターン描画装置。 - 感光材料に光を照射して周期性を有するパターンを描画するパターン描画方法であって、
描画されるパターンの第1の方向に関する周期に最も近くなる所定の基準ピッチの倍数を求めて前記周期を前記倍数で除することにより、感光材料上に設定されている描画単位領域群の前記第1の方向に関するピッチよりも大きい指定ピッチを求める工程と、
前記感光材料上に配列される複数の照射領域の前記第1の方向に関する照射ピッチを前記指定ピッチに変更する工程と、
前記第1の方向に垂直な第2の方向に前記複数の照射領域を移動する工程と、前記複数の照射領域を移動する工程と並行して、前記複数の照射領域のうち選択されたものへと光ビームを照射する工程と、を有することを特徴とするパターン描画方法。
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2003
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