JP2010021086A - コロナ放電型イオナイザ - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成としつつ、対向電極となるガス噴射部およびエミッタの先端部における異物の付着を抑制することにより、良好な放電特性の長期間の維持を実現するコロナ放電型イオナイザを提供する。
【解決手段】ガスが流れるガス流路11aを内部に有するガス供給部11と、ガスを噴射する噴射孔12aを有し、ガス供給部11と電気的に接続されるとともにガス流路11aと噴射孔12aとが連通するガス噴射部12と、先端部がガス噴射部12と対向するように配置されるエミッタ14と、を備え、エミッタ14と、このエミッタ14の対向電極として機能するガス噴射部12と、が高圧電界を形成してイオンを生成し、かつガス噴射部12からの噴射ガスによりエミッタ14の先端部の方向とは逆方向へイオンを噴射するコロナ放電型イオナイザ1とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、コロナ放電を行って生成したイオンを用いて除電を行うコロナ放電型イオナイザに関する。
コロナ放電型イオナイザの従来技術として、例えば、図7に記載したようなコロナ放電型イオナイザ100が知られている。このコロナ放電型イオナイザ100は、イオナイザ本体101、高圧電源線102、エミッタ103、噴射部104を備える。イオナイザ本体101の内部では高圧電源線102が配線され、この高圧電源線102にエミッタ103が電気的に接続されている。噴射部104はエミッタ103の先端部に向けてガスを噴射するようになされており、例えばエミッタ103の先端部に付着した異物105を吹き飛ばすようにしている。
また、コロナ放電型イオナイザの他の従来技術として、例えば図8に記載したようなコロナ放電型イオナイザ200が知られている。このコロナ放電型イオナイザ200は、イオナイザ本体201、高圧電源線202、エミッタ203、噴射部204を備える。イオナイザ本体201の内部では高圧電源線202が配線され、この高圧電源線202にエミッタ203が電気的に接続されている。噴射部204はエミッタ203の周囲を通過してガスを噴射するようになされており、例えばエミッタ203の先端部に付着した異物205を吹き飛ばすようにしている。
また、他の従来技術として、例えば、特許文献1(特開2003−217894号公報,発明の名称,コロナ放電型イオナイザ)に記載された発明が知られている。
特許文献1に記載の従来技術において、 下側のエミッタと上側の接地電極との間に高電圧を印加してコロナ放電により発生させたイオンを、送風源からの気流により下側の被除電物に到達させて被除電物を除電するコロナ放電型イオナイザとしている。
特開2003−217894号公報(段落番号[0011]〜[0016],図1)
コロナ放電型イオナイザでは、特にエミッタのように尖った先端部周囲に埃、ごみ、シロキサン等(以下、異物という)が付着し易いが、図7に示した従来技術では、噴射部からエミッタの先端部までの距離が長く、エミッタの先端部に到達するまでガスが分散して勢いが弱くなるため異物が除去できないこともあるという問題があった。
また、図8に示した従来技術では、噴射孔内にエミッタを配置するため、噴射孔の開口径は比較的大径になる、つまりガスの噴射の勢いが弱くなる傾向にあり、そしてエミッタの先端部でガスが分散して勢いがさらに弱くなり、異物が除去できないこともあるという問題があった。
特許文献1に記載の従来技術でも、エミッタの先端部周囲をエアが流れるようにしているが、流れる空間が広大であるため、エミッタの先端部ではエアの勢いが弱くなり、エミッタの先端部に異物が付着すれば、エアで除去することは容易ではなく、異物が除去できないこともあるという問題があった。
そしてシリコン樹脂製品に含まれる低分子シロキサンの揮発により発生するガス状のシロキサンが堆積して付着したシロキサンが異物である場合には、半導体用シリコンウェハーなどを製造しているクリーンルームにおいては電気回路の表面にこのシロキサンが付着すると接点障害が引き起こされるため特に問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、簡易な構成としつつ、対向電極となるガス噴射部およびエミッタの先端部における異物の付着を抑制することにより、良好な放電特性の長期間の維持を実現するコロナ放電型イオナイザを提供することにある。
本発明の請求項1に係るコロナ放電型イオナイザは、
コロナ放電により発生させたイオンを被除電物に到達させて被除電物を除電するコロナ放電型イオナイザにおいて、
電気的な導体で形成され、ガスが流れるガス流路を内部に有するガス供給部と、
電気的な導体で形成され、ガスを噴射する噴射孔を有し、ガス供給部と機械的に連結されることによりガス供給部と電気的に接続されるとともにガス流路と噴射孔とが連通するガス噴射部と、
電気的な導体で形成され、先端部がガス噴射部と対向するよう配置されるエミッタと、
を備え、
エミッタと、このエミッタの対向電極として機能するガス噴射部と、が高圧電界を形成してイオンを生成し、かつガス噴射部からの噴射ガスによりエミッタの先端部の方向とは逆方向へイオンを噴射することを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係るコロナ放電型イオナイザは、
請求項1に記載のコロナ放電型イオナイザにおいて、
前記ガス噴射部は、その外周面の曲率半径を前記エミッタの先端部の曲率半径よりも大きくすることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に係るコロナ放電型イオナイザは、
請求項1または請求項2に記載のコロナ放電型イオナイザにおいて、
前記ガス噴射部は、噴射孔の孔径が異なる複数のガス噴射部に交換可能であることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係るコロナ放電型イオナイザは、
請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のコロナ放電型イオナイザにおいて、
前記ガス噴射部の先端部と前記エミッタの先端部との間の距離を可変とすることを特徴とする。
以上のような本発明によれば、簡易な構成としつつ、対向電極となるガス噴射部およびエミッタの先端部における異物の付着を抑制することにより、良好な放電特性の長期間の維持を実現するコロナ放電型イオナイザを提供することができる。
続いて、本発明を実施するための最良の形態について図に基づいて説明する。図1は本形態のコロナ放電型イオナイザの説明図である。コロナ放電型イオナイザ1は、ガス供給部11、ガス噴射部12、接地部13、エミッタ14、高圧電源線15を備えている。なお、被除電物2は、除電が必要な半導体ウェハ等の部材であり、エミッタ14の下方に置かれる。
ガス供給部11は、電気的な導体で形成されており、さらにその内部にガス流路11aを有する。本形態ではガス供給部11は一定長さを有する円管体(図2(b)参照)として形成されており、円管体内部の中空内部がガス流路11aとなる。このガス供給部11は、図示しないガス供給源(高圧ボンベ、コンプレッサやファンによりガスを高圧にして供給する装置)から送られるガスが流れている。なお、本明細書中のガスとはエア(洗浄された空気)、窒素ガス等の非反応性ガス、希ガス等であり、少なくとも被除電物2に噴射可能な気体をいう。
ガス噴射部12は、電気的な導体で形成されており、さらにその内部に噴射孔12aを有する。ガス供給部11とガス噴射部12とは機械的に連結されるとともに電気的に接続され、さらにガス流路11aと噴射孔12aとが連通しており、噴射孔12aからガスが噴射される。
接地部13は、電気的な導体であり、ガス供給部11を基準電位点(例えば大地)に電気的に接続する。これにより、ガス供給部11およびガス噴射部12を基準電位点と同電位とする。なお、ガス供給部11と接地部13との接続に代えて、図示しないが、ガス噴射部12と接地部13を接続して基準電位点と同電位に設定しても良い。
エミッタ14は、その先端部がガス噴射部12の噴射孔12aに向けて立設されている。ガス噴射部12の先端部とエミッタ14の先端部とは対向していれば良いが、本形態では説明の具体化のため、ガス噴射部12の先端部が基準面(例えば地面)に対して垂直方向下側に向き、また、エミッタ14の先端部が基準面(例えば地面)に対して垂直方向上側に向いているものとする。
ガス噴射部12の先端部とエミッタ14の先端部との距離DEGは後述する昇降手段により調整可能となっている。
高圧電源線15は、エミッタ14および図示しない高圧電源に接続されており、エミッタ14に高圧電源を供給する。
コロナ放電型イオナイザ1はこのようなものである。
続いて、距離DEGを可変調整する昇降手段の一例について図を参照しつつ説明する。図2は昇降手段の一例を説明する説明図であり、図2(a)は昇降手段の正面図、図2(b)は昇降手段の側面図である。昇降手段は、下側支持部16、支柱部17、上側支持部18、ナット部19を備えている。下側支持部16に支柱部17が固定され、さらに支柱部17の上側のねじ部17aにはナット部19により昇降可能になされた上側支持部18が配置されている。
下側支持部16の上側では、高圧電源線15とともにエミッタ14が固定されている。上側支持部18の上側では、ガス供給部11が載置されている。
このような昇降手段ではナット部19を回転させれば、上側支持部18も上下方向(矢印a方向)に移動するため、上側支持部18とともにガス供給路11およびガス噴射部12も上下動するため、距離DEGの調整は容易である。昇降手段の一例の構成はこのようなものであるが、昇降手段の構成は各種採用することができる。
続いてコロナ放電型イオナイザ1による除電について図を参照しつつ説明する。図3はコロナ放電型イオナイザの動作を説明する説明図であり、図3(a)は電界の説明図、図3(b)はイオン生成の説明図である。まず距離DEGの調整を行う。なお、距離DEGが近すぎるとエミッタ14から発生するイオンが対向電極として機能するガス噴射部12に吸収される。また、距離DEGが遠すぎるとガス噴射部12からの噴射ガスによる噴射効果が低くなり、異物が付着し易くなる。そこで、発生するイオン量と洗浄能力とを勘案しつつ距離DEGが最適な位置となるように決定する。
本形態ではガス噴射部がガス噴射機能に加えて対向電極としての機能も有するため、図3(a)で示すように、エミッタとガス噴射部との間に電界が形成される。ここで仮にエミッタ14の先端部よりも尖った部分が、対向電極であるガス噴射部13に存在すると、そのガス噴射部13の尖った部分に電界が集中し、その尖った部分に異物が付着しやすい傾向を生じることとなる。しかしながら、本形態では対向電極側となるガス噴射部12はエミッタ14の先端部より尖っている箇所がない(最大でも直角程度の尖りである)ため、エミッタ14の先端部よりは電界が分散されており、ガス噴射部12に異物を付着しにくくすることができる。
続いてコロナ放電型イオナイザ1を稼働させるものとする。ここに上記構成において、エミッタ14に交流の高電圧を印加し、エミッタ14の周囲に正負のイオンを発生させたときの動作を以下に説明する。例えば、エミッタ14に正電圧が印加されている間は、エミッタ14からガス噴射部12に向かう方向に電界Eが発生する。このとき、エミッタ14の先端部付近に発生した正イオンは、電界Eに沿ってクーロン力により上方のガス噴射部12方向へ移動しようとするが、ガス噴射部12からの下方へ向かう噴射ガスにより押し戻されるため、模式的には矢印bに示すような経路を経て下方に移動し、更に下方の被除電物2に到達して除電を行う。
エミッタ14に負電圧が印加されている間は、エミッタ14とガス噴射部12との間の電界Eの方向が逆転する。そして、エミッタ14の先端部付近に発生した負イオンは、電界Eに沿ってクーロン力により前記同様に上方のガス噴射部12方向へ移動し、ガス噴射部12から噴射される、上方から下方へ向かう噴射ガスにより押し戻されて矢印bの経路をとって下方に移動し、更に下方の被除電物2に到達して除電を行う。
このように、本形態ではエミッタ14から発生する電界が被除電物2に直接作用することがなく、またエミッタ14が被除電物2とは逆方向に向いていて放電に伴う磁界の影響が被除電物2に及びにくいため、静電誘導や電磁誘導に起因するノイズ電圧やノイズ電流が被除電物2に発生するおそれがなく、被除電物2の内部に形成された回路を誤動作させたり破壊してしまう心配がない。なお、上記形態はエミッタ14に交流電圧を印加するAC型イオナイザに関するものであるが、直流電圧を印加するDC型イオナイザにも適用可能である。
また、ガス噴射部12からの下方に向かう噴射ガスを考慮せず、イオンを上方へ移動させる力を、エミッタ14による電界のクーロン力のみに依存する場合、ACタイプのイオナイザでは、所定サイクルで交互に発生する正イオンと負イオンとの位置が余り離れていないと両者が再結合して消失してしまい、これらのイオンが被除電物2まで到達しないことがある。このため、本形態では、例えばエミッタ14の周辺で負イオンが発生した時点において、前サイクルに発生した正イオンがエミッタ14から遠い位置に離れているように、ガス噴射部12からの下方に向かう噴射ガスをエミッタ14に向けて噴射することでイオンが矢印b方向の経路を経て下側へ高速に移動するため、正負イオンの再結合を防止する。
また、ガス噴射部12からガスがエミッタ14の先端部に直接噴射される。このガス噴射によりエミッタ14の先端部には異物、特にガス状のシロキサンは到達できなくなって絶縁性を有するシロキサン等の異物が付着しなくなり、エミッタ14の長期間にわたる良好な放電特性の維持が可能となり、加えてシロキサン等の異物を被除電物2に噴射するおそれもなくなり、被除電物2に対して除電のみを確実に行う。また、生成したイオンをガス噴射により下側へ搬送するため、イオンが被除電物2の表面へ確実に到達する。
本形態によれば、正負イオンの再結合を防止して除電効率を高め、除電時間を短縮することができる。
また、エミッタや被除電物に異物が付着しないようにして、不良品が発生しないようにする。
続いて、ガス噴射部12を変換可能に構成した点について説明する。
図1〜図3で示したガス噴射部12の外径はそのままに、ガス噴射孔12aの開口径を種々変化させた多数種類のガス噴射部12を用意して変換可能とする。変換可能とするためには、ガス噴射部12の外周に雄ねじを、ガス供給部11に雌ねじを形成することで変換可能となる。
このように所望のガス噴射部12を接続することで、ガス噴射量を増やして異物除去能力を高めたり、また、ガス噴射量を少なくしてガス供給源の稼働効率を高めてランニングコストを下げたりすることができる。
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図4は他のコロナ放電型イオナイザの動作を説明する説明図であり、図4(a)は電界の説明図、図4(b)はイオン生成の説明図である。
本形態では先に図1〜図3を用いて説明した形態と比較すると、ガス噴射部を変更した点が相違する。そこで、相違点以外は同じ符号を付して重複する説明を省略し、相違点のみ説明する。
ガス噴射部20は、噴射孔21を有し、その外周面の形状が球面22であって半球型となるように形成される。また、ガス噴射部20には雄ねじ部23が形成されており、雄ねじ部23と、ガス供給部11の雌ねじ部11bと、にOリングのようなシール材を挟持しつつ螺挿して機械的に連結すると、雄ねじ部23と雌ねじ部11bとで電気的に接続される。ガス噴射部20はこのようなものである。なお、このような雄ねじ部と雌ねじ部による連結構造を先に図1〜図3を用いて説明したコロナ放電型イオナイザ1のガス噴射部12の取付構造に適用しても良い。
ガス噴射部20を半球型とした理由について説明する。仮に対向電極としての機能を有するガス噴射部20に尖った部分があると、その尖った部分に電界が集中し、異物が付着しやすくなる。そこで、対向電極側となるガス噴射部20を凸型の半球型に形成し、このガス噴射部20の球面22の曲率半径をエミッタ14の先端部の曲率半径よりも大きくする。このように形成することで、ガス噴射部20の球面22では電界が分散されてガス噴射部20には異物を付着しにくくすることができる。また、電界が集中するエミッタ14の先端部にはガス噴射により異物が近づけないようにしており、やはり異物を付着しにくくすることができる。したがって、エミッタ14およびガス噴射部20共々異物の付着を抑制している。
続いてコロナ放電型イオナイザ1’による除電について説明する。このようなコロナ放電型イオナイザ1’では上記のような昇降手段や他の構成の昇降手段により距離DEGの調整可能に構成されており、距離DEGの調整を行う。発生するイオン量と洗浄能力とを勘案しつつ距離DEGが最適な位置となるように決定する。
本形態ではガス噴射部がガス噴射機能に加えて対向電極としての機能も有するため、図4(a)で示すように、エミッタ14とガス噴射部20との間に電界が形成される。本形態では対向電極側となるガス噴射部20は球面22として形成しているためエミッタ14の先端部より尖っている箇所がなく、エミッタ14の先端部よりは電界が分散されており、ガス噴射部20に異物を付着しにくくすることができる。
続いて図4(b)に示すように、コロナ放電型イオナイザ1’を稼働させるものとする。ここに上記構成において、エミッタ14に交流の高電圧を印加し、エミッタ14の周囲に正負のイオンを発生させたときの動作を以下に説明する。例えば、エミッタ14に正電圧が印加されている間は、エミッタ14からガス噴射部20に向かう方向に電界Eが発生する。このとき、エミッタ14の先端部付近に発生した正イオンは、電界Eに沿ってクーロン力により上方のガス噴射部20方向へ移動しようとするが、ガス噴射部20からの下方へ向かう噴射ガスにより押し戻されるため、模式的には矢印cに示すような経路を経て下方に移動し、更に下方の被除電物2に到達して除電を行う。
エミッタ14に負電圧が印加されている間は、エミッタ14とガス噴射部20との間の電界Eの方向が逆転する。そして、エミッタ14の先端部付近に発生した負イオンは、電界Eに沿ってクーロン力により前記同様に上方のガス噴射部20方向へ移動し、ガス噴射部20から噴射される、上方から下方へ向かう噴射ガスにより押し戻されて矢印cの経路をとって下方に移動し、更に下方の被除電物に到達して除電を行う。
このように、本形態ではエミッタ14から発生する電界が被除電物2に直接作用することがなく、またエミッタ14が被除電物2とは逆方向に向いていて放電に伴う磁界の影響が被除電物2に及びにくいため、静電誘導や電磁誘導に起因するノイズ電圧やノイズ電流が被除電物2に発生するおそれがなく、被除電物2の内部に形成された回路を誤動作させたり破壊してしまう心配がない。なお、上記形態はエミッタ14に交流電圧を印加するAC型イオナイザに関するものであるが、直流電圧を印加するDC型イオナイザにも適用可能である。
また、このガス噴射部20の球面形状はそのままに、噴射孔21の孔径を種々変化させたガス噴射部20を複数用意して変換可能とする。
このようにすることで、ガス噴射量を増やして異物除去能力を高めたり、また、ガス噴射量を少なくしてガス供給源の稼働効率を高めてランニングコストを下げたりすることができる。
続いて他の形態について図を参照しつつ説明する。図5は他のコロナ放電型イオナイザの動作を説明する説明図であり、図5(a)は電界の説明図、図5(b)はイオン生成の説明図である。
本形態では先に図1〜図3を用いて説明した形態と比較すると、ガス噴射部を変更した点が相違する。そこで、相違点以外は同じ符号を付して重複する説明を省略し、相違点のみ説明する。
ガス噴射部30は、噴射孔31を有し、その先端部に曲面状の端部32が形成される。また、ガス噴射部30には雄ねじ部33が形成されており、雄ねじ部33と、ガス供給部11の雌ねじ部11bと、にOリングのようなシール材を挟持しつつ螺挿して機械的に連結すると、雄ねじ部33と雌ねじ部11bとで電気的に接続される。ガス噴射部30はこのようなものである。
ガス噴射部30の外周面としてその先端部に曲面状の端部を形成した理由について説明する。仮に対向電極としての機能を有するガス噴射部30に尖った部分があると、その尖った部分に電界が集中し、異物が付着しやすくなる。そこで、対向電極側となるガス噴射部30を全体形状としては凹型であって特に先端部に曲面状の端部32を形成し、このガス噴射部30の端部32の曲率半径をエミッタ14の先端部の曲率半径よりも大きくする。このように形成することで、ガス噴射部30の端部32では電界が分散されてガス噴射部30には異物を付着しにくくすることができる。また、電界が集中するエミッタ14の先端部にはガス噴射により異物が近づけないようにしてあり、やはり異物を付着しにくくすることができる。したがって、エミッタ14およびガス噴射部30共々異物の付着を抑制している。
続いてコロナ放電型イオナイザ1”による除電について説明する。このようなコロナ放電型イオナイザ1”では上記のような昇降手段や他の構成の昇降手段により距離DEGの調整可能に構成されており、距離DEGの調整を行う。発生するイオン量と洗浄能力とを勘案しつつ距離DEGが最適な位置となるように決定する。
本形態ではガス噴射部30がガス噴射機能に加えて対向電極としての機能も有するため、図5(a)で示すように、エミッタ14とガス噴射部30との間に電界が形成される。本形態では対向電極側となるガス噴射部30は端部32を曲面状に形成しているためエミッタ14の先端部より尖っている箇所がなく、エミッタ14の先端部よりは電界が分散されており、ガス噴射部30に異物を付着しにくくすることができる。
続いて図5(b)に示すように、コロナ放電型イオナイザ1”を稼働させるものとする。ここに上記構成において、エミッタ14に交流の高電圧を印加し、エミッタ14の周囲に正負のイオンを発生させたときの動作を以下に説明する。例えば、エミッタ14に正電圧が印加されている間は、エミッタ14からガス噴射部30に向かう方向に電界Eが発生する。このとき、エミッタ14の先端部付近に発生した正イオンは、電界Eに沿ってクーロン力により上方のガス噴射部30方向へ移動しようとするが、ガス噴射部30からの下方へ向かう噴射ガスにより押し戻されるため、模式的には矢印dに示すような経路を経て下方に移動し、更に下方の被除電物2に到達して除電を行う。
エミッタ14に負電圧が印加されている間は、エミッタ14とガス噴射部30との間の電界Eの方向が逆転する。そして、エミッタ14の先端部付近に発生した負イオンは、電界Eに沿ってクーロン力により前記同様に上方のガス噴射部30方向へ移動し、ガス噴射部30から噴射される、上方から下方へ向かう噴射ガスにより押し戻されて矢印dの経路をとって下方に移動し、更に下方の被除電物2に到達して除電を行う。
このように、本形態ではエミッタ14から発生する電界が被除電物2に直接作用することがなく、またエミッタ14が被除電物2とは逆方向に向いていて放電に伴う磁界の影響が被除電物2に及びにくいため、静電誘導や電磁誘導に起因するノイズ電圧やノイズ電流が被除電物2に発生するおそれがなく、被除電物2の内部に形成された回路を誤動作させたり破壊してしまう心配がない。なお、上記形態はエミッタ14に交流電圧を印加するAC型イオナイザに関するものであるが、直流電圧を印加するDC型イオナイザにも適用可能である。
また、このガス噴射部30の形状はそのままに、噴射孔31の孔径を種々変化させたガス噴射部30を複数用意して変換可能とする。
このようにすることで、ガス噴射量を増やして異物除去能力を高めたり、また、ガス噴射量を少なくしてガス供給源の稼働効率を高めてランニングコストを下げたりすることができる。
続いて、本発明によるコロナ放電型イオナイザにおける効果について実験を行ったので説明する。図6はコロナ放電型イオナイザのエミッタにおける異物の付着具合を説明する写真であり、図6(a)は従来方式のエミッタの写真、図6(b)は本発明のエミッタの使用初期の写真、図6(c)は本発明のエミッタの所定期間経過後の写真である。図6(b),(c)は、図1で示したエミッタ14の先端部である。従来方式の放電電極では所定期間経過後に図6(a)で示すようにエミッタ14の先端部に異物(シロキサン)が付着するが、本発明の方式では図6(b)の使用の初期から図6(c)の所定期間経過後まで経過した後も初期と変わりなく、異物は付着しないことが確認された。
以上説明した本形態のコロナ放電型イオナイザ1,1’,1”は、エミッタ14やガス噴射部12,20,30に異物を付着しないようにしたため、良好な放電特性の維持を図り、また、異物を被除電物に照射しないようにして、被除電物の除電のみを確実に行うようにすることができる。
本発明を実施するための最良の形態のコロナ放電型イオナイザの構成図である。 昇降手段の一例を説明する説明図であり、図2(a)は昇降手段の正面図、図2(b)は昇降手段の側面図である。 コロナ放電型イオナイザの動作を説明する説明図であり、図3(a)は電界の説明図、図3(b)はイオン生成の説明図である。 他のコロナ放電型イオナイザの動作を説明する説明図であり、図4(a)は電界の説明図、図4(b)はイオン生成の説明図である。 他のコロナ放電型イオナイザの動作を説明する説明図であり、図5(a)は電界の説明図、図5(b)はイオン生成の説明図である。 コロナ放電型イオナイザのエミッタにおける異物の付着具合を説明する写真であり、図6(a)は従来方式のエミッタの写真、図6(b)は本発明のエミッタの使用初期の写真、図6(c)は本発明のエミッタの所定期間経過後の写真である。 従来技術のコロナ放電型イオナイザの説明図である。 従来技術のコロナ放電型イオナイザの説明図である。
符号の説明
1,1’,1”:コロナ放電型イオナイザ
11:ガス供給部
11a:ガス流路
11b:雌ねじ部
12:ガス噴射部
12a:噴射孔
13:接地部
14:エミッタ
15:高圧電源線
16:下側支持部
17:支柱部
17a:ねじ部
18:上側支持部
19:ナット部
20:ガス噴射部
21:噴射孔
22:球面
23:雄ねじ部
30:ガス噴射部
31:噴射孔
32:端部
33:雄ねじ部
2:被除電物

Claims (4)

  1. コロナ放電により発生させたイオンを被除電物に到達させて被除電物を除電するコロナ放電型イオナイザにおいて、
    電気的な導体で形成され、ガスが流れるガス流路を内部に有するガス供給部と、
    電気的な導体で形成され、ガスを噴射する噴射孔を有し、ガス供給部と機械的に連結されることによりガス供給部と電気的に接続されるとともにガス流路と噴射孔とが連通するガス噴射部と、
    電気的な導体で形成され、先端部がガス噴射部と対向するよう配置されるエミッタと、
    を備え、
    エミッタと、このエミッタの対向電極として機能するガス噴射部と、が高圧電界を形成してイオンを生成し、かつガス噴射部からの噴射ガスによりエミッタの先端部の方向とは逆方向へイオンを噴射することを特徴とするコロナ放電型イオナイザ。
  2. 請求項1に記載のコロナ放電型イオナイザにおいて、
    前記ガス噴射部は、その外周面の曲率半径を前記エミッタの先端部の曲率半径よりも大きくすることを特徴とするコロナ放電型イオナイザ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のコロナ放電型イオナイザにおいて、
    前記ガス噴射部は、噴射孔の孔径が異なる複数のガス噴射部に交換可能であることを特徴とするコロナ放電型イオナイザ。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のコロナ放電型イオナイザにおいて、
    前記ガス噴射部の先端部と前記エミッタの先端部との間の距離を可変とすることを特徴とするコロナ放電型イオナイザ。
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