JP2010019745A - 自動分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】試料を精度よく分注することができる自動分析装置を提供する。
【解決手段】試料容器17から検査項目の標準試料又は被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引して反応容器3に吐出する分注を行うサンプル分注ポンプ16aと、サンプル分注プローブ16内に吸引する標準試料のダミー量、並びに標準試料及び被検試料の分注量を設定するサンプル分注条件設定画面43とを備える。そして、サンプル分注ポンプ16aは、標準試料の分注では、所定量の空気、共通ダミー量、並びにサンプル分注条件設定画面43に設定されたダミー量及び分注量を総和した量の標準試料を吸引した後、吸引した分注量の標準試料を吐出する。また、被検試料の分注では、共通ダミー量及びサンプル分注条件設定画面43に設定された分注量を総和した量の被検試料を吸引した後、吸引した分注量の被検試料を吐出する。
【選択図】図3
【解決手段】試料容器17から検査項目の標準試料又は被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引して反応容器3に吐出する分注を行うサンプル分注ポンプ16aと、サンプル分注プローブ16内に吸引する標準試料のダミー量、並びに標準試料及び被検試料の分注量を設定するサンプル分注条件設定画面43とを備える。そして、サンプル分注ポンプ16aは、標準試料の分注では、所定量の空気、共通ダミー量、並びにサンプル分注条件設定画面43に設定されたダミー量及び分注量を総和した量の標準試料を吸引した後、吸引した分注量の標準試料を吐出する。また、被検試料の分注では、共通ダミー量及びサンプル分注条件設定画面43に設定された分注量を総和した量の被検試料を吸引した後、吸引した分注量の被検試料を吐出する。
【選択図】図3
Description
本発明は、液体に含まれている成分を分析する自動分析装置に係り、特に、ヒトから採取した血清などの試料を分注して、その試料に含まれる成分を分析する自動分析装置に関する。
自動分析装置は生化学検査項目や免疫検査項目等を対象とし、血清等の被検体から採取された被検試料及び各検査項目に該当する試薬の混合液の反応によって生ずる色調や濁りの変化を、分光光度計や比濁計等の光分析器を用いて光学的に測定することにより、被検試料中の様々な成分の濃度や酵素の活性等の分析データを生成する。
この自動分析装置では、検査可能な多数の検査項目の中から、検査対象となる検査項目を設定した被検試料の分析が行われる。そして、被検試料は、サンプル分注プローブを用いてサンプラに収納された試料容器から反応容器に分注される。また、試薬は、試薬分注プローブを用いて試薬庫に収納された試薬容器から被検試料が分注された反応容器に分注される。更に、反応容器に分注された被検試料及び試薬の混合液は、撹拌子を用いて撹拌された後、光分析器を用いて測定される。そして、サンプル分注プローブ、試薬分注プローブ、及び撹拌子の各分析ユニットは、被検試料の分注終了毎、試薬の分注終了毎、及び混合液の撹拌終了毎に洗浄される。また、反応容器は混合液の測定終了毎に洗浄される。
ところで、自動分析装置では、被検試料以外にも各検査項目の標準試料や被検試料を生理食塩水等の希釈液で希釈した希釈試料の分注が行われ、被検試料、標準試料、及び希釈試料の各試料を分注するユニットは、サンプル分注プローブ、吸引及び吐出を行うためのサンプル分注ポンプ、及びサンプル分注プローブとサンプル分注ポンプ間を連通するチューブにより構成される。
サンプル分注ポンプは、各ユニット内に封入された水などの圧力伝達媒体を介して、各試料を収容した試料容器等の容器からサンプル分注プローブ内に吸引し、吸引した各試料を反応容器内に吐出する分注を行う。そして、各試料の分注では、サンプル分注プローブ内に空気、測定に使用しないダミーの試料(ダミー用試料)、測定に使用する試料(測定用試料)の順に吸引した後、吸引した分注量の試料を吐出する。
そして、サンプル分注プローブ内に吸引した空気及びダミ用試料は、測定用試料を圧力伝達媒体から隔離し、圧力伝達媒体の混入や圧力伝達媒体への拡散により測定用試料が希釈されて検査対象の成分濃度が低下するのを低減するために設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−162401号公報
しかしながら、検査対象の成分を水で溶解して調製された標準試料や希釈液で希釈された希釈試料と、この試料よりも高粘度を有するなど特性の異なる血清等の被検試料では、測定用試料に含まれる検査対象の成分の濃度の低下の程度が異なることがある。また、類似した特性の試料であっても測定用試料に含まれる検査対象の成分によってその濃度が異なることがある。
このため、例えば測定用の標準試料に含まれる検査対象の成分濃度が測定用の被検試料の場合よりも低下すると、相対的にその被検試料の分析データが高値を示して問題となる。また、検査対象の成分によってその分析データが低値を示して問題となる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、試料を精度よく分注することができる自動分析装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の自動分析装置は、試料及びこの試料の検査項目に該当する試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、前記試料に含まれる第1の試料又は第2の試料を収容した容器から分注プローブ内に吸引して前記反応容器に吐出する分注を行う分注手段と、前記分注プローブ内に吸引する前記第1の試料のダミー量及び分注量、又は前記分注プローブ内に吸引する前記第2の試料の分注量を設定する分注条件設定手段とを備え、前記分注手段は、前記第1の試料の分注では、予め設定された共通ダミー量並びに前記分注条件設定手段により設定されたダミー量及び分注量を総和した量の前記第1の試料を吸引した後、吸引した分注量の前記第1の試料を吐出し、前記第2の試料の分注では、前記共通ダミー量及び前記分注条件設定手段により設定された分注量を総和した量の前記第2の試料を吸引した後、吸引した分注量の前記第2の試料を吐出することを特徴とする特徴とする。
本発明によれば、各検査項目の試料に応じてダミー用試料の量を設定し、サンプル分注プローブ内に予め設定されたダミー用試料及び設定した量のダミー用試料を吸引することにより、試料の消費量を低減して各試料を精度よく分注することができる。
以下に、本発明による自動分析装置の実施例を、図1乃至図17を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例に係る自動分析装置の構成を示したブロック図である。この自動分析装置100は、各検査項目の標準試料や被検試料を測定して標準データや被検データを生成する分析部18と、分析部18の測定に関る各分析ユニットの制御を行う分析制御部25とを備えている。
また、分析部18で生成された標準データや被検データを処理して各検査項目の検量データや分析データの生成を行うデータ処理部30と、データ処理部30で生成された検量データや分析データを出力する出力部40と、各種コマンド信号の入力操作等を行う操作部50と、分析制御部25、データ処理部30、及び出力部40を統括して制御するシステム制御部60とを備えている。
図2は、分析部18の構成を示した斜視図である。この分析部18は、標準試料や被検試料を収容した試料容器17を回動可能に保持するディスクサンプラ5と、標準試料や被検試料に含まれる検査項目の成分に反応する第1試薬や被検試料を希釈するための希釈液を収容する試薬容器6と、この試薬容器6を回動可能に保持する試薬ラック1aを有する試薬庫1と、第1試薬と対をなす第2試薬を収容する試薬容器7と、この試薬容器7を回動可能に保持する試薬ラック2aを有する試薬庫2とを備えている。
また、試料容器17内の標準試料や被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引して反応容器3内へ吐出する分注を行うサンプル分注ポンプ16aと、サンプル分注プローブ16を回動及び上下移動可能に保持するサンプル分注アーム10と、試薬容器6内の第1試薬や希釈液を第1試薬分注プローブ14内に吸引して反応容器3内に吐出する分注を行う第1試薬分注ポンプ14aと、第1試薬分注プローブ14を回動及び上下移動可能に保持する第1試薬分注アーム8と、試薬容器7内の第2試薬を第2試薬分注プローブ15内に吸引して反応容器3内に吐出する分注を行う第2試薬分注ポンプ15aと、第2試薬分注プローブ15を回動及び上下移動可能に保持する第2試薬分注アーム9とを備えている。
なお、被検試料を希釈液で希釈して希釈試料を生成し、生成した希釈試料を分注することができる。そして、試料容器17内の被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引して反応容器3内へ吐出し、試薬容器6内の希釈液を第1試薬分注プローブ14内に吸引して被検試料が吐出された反応容器3内へ吐出することにより希釈試料が生成される。この生成された希釈試料を反応容器3からサンプル分注プローブ16内に吸引して他の反応容器3内に吐出することにより、希釈試料の分注が行われる。この希釈試料の生成及び分注は、被検試料を分注して分析すると被検試料に含まれる成分の濃度や酵素活性値が高すぎて分析不可能になる可能性がある検査項目に適用される。
更に、円周上に複数配置された反応容器3を回転可能に保持する反応ディスク4と、反応容器3内に吐出された標準試料、被検試料、及び希釈試料の各試料及び第1試薬の混合液や、各試料、第1試薬、及び第2試薬の混合液を撹拌する撹拌ユニット11と、反応容器3内の各混合液を測定する測光ユニット13と、反応容器3内の測定を終えた混合液を吸引した後に、反応容器3内を洗浄する洗浄ユニット12とを備えている。
そして、測光ユニット13は、回転移動する反応容器3内の標準試料を含む混合液に光を照射し、その混合液内を透過した各検査項目の波長光を検出して標準データを生成する。また、反応容器3内の被検試料又は希釈試料を含む混合液に光を照射し、その混合液内を透過した各検査項目の波長光を検出して被検データを生成する。生成した標準データや被検データをデータ処理部30に出力する。そして、測定後の反応容器3は、洗浄された後、再び測定に使用される。
分析制御部25は、分析部18の各分析ユニットを駆動する機構部26、及びこの機構部26を制御して分析部18の各分析ユニットを作動させる制御部27を備えている。そして、機構部26は、分析部18のディスクサンプラ5、試薬庫1の試薬ラック1a、及び試薬庫2の試薬ラック2aを夫々回動する機構、反応ディスク4を回転する機構を備えている。
また、サンプル分注アーム10、第1試薬分注アーム8、第2試薬分注アーム9、及び撹拌ユニット11を夫々回動及び上下移動する機構、洗浄ユニット12を上下移動する機構、サンプル分注ポンプ16a、第1試薬分注ポンプ14a、及び第2試薬分注ポンプ15aを夫々吸引及び吐出駆動する機構等を備えている。
図1のデータ処理部30は、分析部18の測光ユニット13から出力された標準データや被検データから各検査項目の検量データや分析データの生成を行う演算部31と、演算部31で生成された検量データや分析データを保存するデータ記憶部32とを備えている。
演算部31は、測光ユニット13から出力された標準データ及び予め設定された標準試料の標準値から、各検査項目の成分の濃度や活性値と標準データの関係を表す検量データを生成し、生成した検量データを出力部40に出力すると共にデータ記憶部32に保存する。また、測光ユニット13から出力された被検データに対応する検査項目の検量データをデータ記憶部32から読み出す。次いで読み出した検量データを用いてその被検データから濃度や活性値として表される分析データを生成し、生成した分析データを出力部40に出力すると共にデータ記憶部32に保存する。
データ記憶部32は、ハードディスクなどを備え、演算部31から出力された検量データを検査項目毎に保存し、また分析データを被検試料毎に保存する。
出力部40は、データ処理部30の演算部31から出力された検量データや分析データを印刷出力する印刷部41及び表示出力する表示部42を備えている。そして、印刷部41は、プリンタなどを備え、演算部31から出力された検量データや分析データを予め設定されたフォーマットに従って、プリンタ用紙などに印刷する。
表示部42は、CRTや液晶パネルなどのモニタを備え、演算部31から出力された検量データや分析データを表示する。また、自動分析装置100で検査可能とする検査項目の分析条件を設定するための分析条件設定画面、この分析条件設定画面に含まれる各試料の分注条件を設定するためのサンプル分注条件設定画面、被検試料毎に検査項目を設定するための検査項目設定画面、被検試料を識別する被検体情報を設定するための被検体情報設定画面等を表示する。
操作部50は、キーボード、マウス、ボタン、タッチキーパネルなどの入力デバイスを備え、各検査項目の分析条件の設定、各試料の分注条件の設定、被検試料毎の検査項目の設定、被検体情報の設定等を行うための入力操作を行う。
システム制御部60は、CPU及び記憶回路を備え、操作部50から入力されたコマンド信号、各検査項目の分析条件、各試料の分注条件、被検試料毎の検査項目等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部25、データ処理部30、及び出力部40を統括してシステム全体を制御する。
システム制御部60は、CPU及び記憶回路を備え、操作部50から入力されたコマンド信号、各検査項目の分析条件、各試料の分注条件、被検試料毎の検査項目等の入力情報を記憶回路に記憶した後、これらの入力情報に基づいて、分析制御部25、データ処理部30、及び出力部40を統括してシステム全体を制御する。
次に、図1乃至図4を参照して、分析部18で標準試料、被検試料、及び希釈試料の各試料を分注する動作の概略を説明する。図3は、分析部18の各試料を分注する位置を示す図である。図4は、サンプル分注ポンプ16aによりサンプル分注プローブ16内に各試料を吸引する原理を説明するための図である。
図3において、分析部18のサンプル分注アーム10は、回動軸を中心として上停止位置における高さで矢印R1及びR2方向に回動して、各試料の分注を行うためにサンプル分注プローブ16を破線で示した円形の軌道に沿って水平移動する。そして、ディスクサンプラ5に収納された試料容器17内の標準試料を吸引する位置である標準試料吸引位置T1、ディスクサンプラ5に収納された試料容器17内の被検試料を吸引する位置である被検試料吸引位置T2、希釈試料を収容した反応容器3内の希釈試料を吸引する位置である希釈試料吸引位置T3、及び反応容器3内に各試料を吐出する位置であるサンプル吐出位置T4の各位置の上方の上停止位置で停止する。そして、停止した各停止位置で各試料の吸引や吐出を行うためにサンプル分注プローブ16を上下移動する。
ここで、サンプル分注ポンプ16aは、標準試料吸引位置T1に停止した試料容器17内の標準試料をサンプル分注プローブ16内に吸引してサンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内に吐出する。また、被検試料吸引位置T2に停止した試料容器17内の被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引してサンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内に吐出する。
更に、サンプル分注ポンプ16aは、被検試料吸引位置T2に停止した試料容器17内の被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引してサンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内に吐出する。第1試薬分注ポンプ14aは、試薬庫1に収納された試薬容器6内の希釈液を吸引して、図示しない第1試薬吐出位置に停止した被検試料が吐出された反応容器3内に吐出する。サンプル分注ポンプ16aは、希釈試料吸引位置T3に停止した被検試料及び希釈液が吐出された反応容器3内の希釈試料をサンプル分注プローブ16内に吸引してサンプル吐出位置T4の反応容器3内に吐出する。
図4は、サンプル分注ポンプ16aによりサンプル分注プローブ16内に各試料を吸引する原理を説明するための図である。サンプル分注ポンプ16aとサンプル分注プローブ16はチューブで接続されている。また、サンプル分注ポンプ16a、チューブ、及びサンプル分注プローブ16内には、サンプル分注ポンプ16aの吸引及び吐出動作によりサンプル分注プローブ16内へ各試料を吸引して吐出が可能なように、水等の液体の圧力伝達媒体が封入されている。
このように液体の圧力伝達媒体を利用した場合、サンプル分注プローブ16内に各試料を吸引したとき、サンプル分注プローブ16の内壁に残存する圧力伝達媒体の試料への混入や試料の圧力伝達媒体への拡散により、吸引した試料が希釈されて各検査項目の分析対象成分の濃度が低下する問題がある。
この問題を避けるために、サンプル分注プローブ16内に所定量の空気、及び測定対象外の試料として予め設定された量(共通ダミー量)の試料(共通ダミー用試料)を吸引した後に、測定対象の試料(測定用試料)を吸引する。
しかしながら、実験結果では、例えば検査対象の成分を水で溶解して調製された標準試料や希釈液で希釈された希釈試料をサンプル分注プローブ16内に吸引した場合の測定対象の標準試料(測定用標準試料)や希釈試料(測定用希釈試料)は、この試料よりも高粘度を有するなど特性の異なる血清等の被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引した場合の測定対象の被検試料(測定用被検試料)よりも希釈される傾向がある。また、類似した特性を有する試料でも、この測定用試料に含まれる低分子の検査項目成分が高分子の検査項目成分よりも濃度が低下する傾向がある。
この問題を解決するために、成分の濃度が低下する傾向にある検査項目の試料に対して測定対象外とする試料の量(ダミー量)を設定し、サンプル分注プローブ16内に共通ダミー量及び設定したダミー量の試料を吸引することにより、サンプル分注プローブ16内に空気及び共通ダミー用試料を吸引する場合よりも、測定用試料を圧力伝達媒体から隔離して測定用試料の希釈を低減することができる。これにより、各検査項目の試料の特性に応じてダミー量を増やすことができるため、共通ダミー量を増やすよりも各試料の消費量を低減することができる。
次に、図1乃至図6を参照して、各試料の分注条件を説明する。図5は、表示部42に表示されたサンプル分注条件設定画面の一例を示す図である。また、図6は、表示部42に表示されたサンプル分注条件設定画面の他の例を示す図である。
図5は、表示部42に表示されたサンプル分注条件設定画面を示した図である。このサンプル分注条件設定画面43は、表示部42の分析条件設定画面に設定された検査項目が表示される「項目」の欄と、この「項目」の欄に表示された検査項目の試料が分注されるときの分注条件を設定するための「サンプル分注条件」の欄とにより構成される。そして、操作部50から「サンプル分注条件」の欄に各分注条件を設定する入力操作が行われると、設定された各分析条件の入力情報が、システム制御部60の記憶回路に保存される。
「項目」の欄には、表示部42の分析条件設定画面に設定された複数の検査項目の中から選択された検査項目である例えば「項目A」が表示されている。
「サンプル分注条件」の欄は、「項目」の欄に表示された検査項目の被検試料、標準試料、及び希釈試料に共通の分注条件を設定するための「試料」の欄と、標準試料の分注条件を設定するための「標準試料」の欄と、希釈試料の生成及び分注条件を設定するための「希釈試料」の欄とにより構成される。
「試料」の欄に、各試料の分注で、サンプル分注プローブ16内に吸引した各試料の内の反応容器3内に吐出する試料である各測定用試料(測定用標準試料、測定用被検試料、測定用希釈試料)の量(分注量)として例えば3μLを設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス431内に「3.0」が表示される。
「標準試料」の欄は、「項目」の欄に表示された検査項目の標準試料を分注する回数を設定するための「数」の欄と、1回目の標準試料の分注で、試料容器17からサンプル分注プローブ16内に共通ダミー量の標準試料(共通ダミー用標準試料)に加えて吸引する測定対象外の標準試料(ダミー用標準試料)のダミー量を設定するための「ダミー量」の欄とにより構成される。
そして、「数」の欄に例えば3回を設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス432内に標準試料の分注回数である「3」が表示される。また、「ダミー量」の欄に例えば20.0μLを設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス433内に設定したダミー量である「20.0」が表示される。このとき、共通ダミー量に20.0μLを加算した量の測定対象外の標準試料をサンプル分注プローブ16内に吸引する。
このように、共通ダミー量では測定用標準試料に含まれる成分濃度が低下する検査項目にダミー量を設定することにより、その検査項目の成分濃度の低下を低減して、標準試料を精度よく分注することができる。
「希釈試料」の欄は、被検試料から希釈試料を生成して分注を行う分注条件を設定するための「量」の欄、「位置」の欄、「希釈液の量」の欄、及び「ダミー量」の欄により構成される。「項目」の欄に表示された「項目A」は例えば希釈試料の分注を必要としないので、「希釈試料」の欄の各欄に設定を行わない。これにより、各ダイアログボックス434乃至437内は空白になる。この「希釈試料」の欄の各欄に分注条件を設定しない場合、又は「希釈試料」の欄の各欄への分析条件の設定が不足している場合、「試料」の欄に設定された分注条件に基づいて、被検試料を分注して「項目」の欄に表示された検査項目の分析を行う。
図6は、表示部42に表示されたサンプル分注条件設定画面の他の例を示した図である。このサンプル分注条件設定画面44の「項目」の欄には、表示部42の分析条件設定画面に設定された複数の検査項目の中から選択された検査項目である例えば「項目B」が表示されている。
「サンプル分注条件」の欄の「試料」の欄に、各試料に共通の測定用試料の分注量として5.0μLを設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス441内に「5.0」が表示される。
「標準試料」の欄の「数」の欄に分注回数として3回を設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス442内に「3」が表示される。また、「ダミー量」の欄に0μLを設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス443内に「0」が表示される。このとき、サンプル分注プローブ16内に共通ダミー量の標準試料を測定対象外の試料として吸引する。
「希釈試料」の欄の「量」の欄に、希釈試料を生成するためにサンプル分注プローブ16内に吸引した被検試料の内の、反応容器3内に吐出する希釈用の被検試料の量として10.0μLを設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス444内に「10.0」が表示される。このとき、共通ダミー量に10.0μLを加算した量の被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引する。
また、「位置」の欄に、希釈用被検試料の希釈に使用する希釈液を収容した試薬容器6を収納する試薬庫1の位置を設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス445内に試薬庫1の収納位置である例えば「1A10」が表示される。
更に、「希釈液の量」の欄に、試薬庫1の「位置」の欄に設定した収納位置の試薬容器6から希釈液を第1試薬分注プローブ14内に吸引して希釈用被検試料が吐出された反応容器3内に吐出する希釈液の量として90.0μLを設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス446内に「90.0」が表示される。
更にまた、「ダミー量」の欄に、希釈試料の分注で、被検試料及び希釈液が吐出された反応容器3からサンプル分注プローブ16内に共通ダミー量の希釈試料(共通ダミー用希釈試料)に加えて吸引する測定対象外の希釈試料(ダミー用希釈試料)の量として20.0μLを設定する入力操作が行われると、ダイアログボックス447内に「20.0」が表示される。
そして、「希釈試料」の欄の各欄に設定した希釈試料の分注条件により、被検試料から希釈試料を生成する。次いで、生成した希釈試料の内の共通ダミー量に20.0μLを加算した量の測定対象外の希釈試料をサンプル分注プローブ16内に吸引した後、「試料」の欄に設定した分注量の測定用希釈試料をサンプル分注プローブ16内に吸引する。そして、サンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内に分注量の測定用希釈試料を吐出し、「項目」の欄に表示された検査項目の分析を行う。
このように、共通ダミー量では、測定用希釈試料に含まれる成分濃度が低下する検査項目にダミー量を設定することにより、その検査項目の成分濃度の低下を低減し、希釈試料を精度よく分注することができる。
以下、図1乃至図17を参照して、分析部18で各試料を分注する動作の一例を説明する。
先ず、標準試料を分注する動作の一例として、図5のサンプル分注条件設定画面43に表示された検査項目の標準試料を分注する動作を説明する。図7は、図5のサンプル分注条件設定画面43に設定された標準試料の分注条件に基づいて標準試料を分注する標準試料分注工程を示す図である。図8及び図9は、図7に示した標準試料分注工程の詳細を示すフローチャートである。図10は、標準試料の分注におけるサンプル分注プローブ16内の標準試料を示す図である。
図7において、標準試料分注工程S1は、標準試料を1回目に分注する第1の標準試料分注工程S10と、複数回分注するときのn回目(2以上の整数)に分注する第nの標準試料分注工程S30とにより構成される。そして、システム制御部60からの指示に基づいて、分析制御部25の制御部27による機構部26の各機構の制御により、反応ディスク5、サンプル分注アーム10、及びサンプル分注ポンプ16a等の各分析ユニットを作動させて標準試料の分注を行う。
図8は、標準試料分注工程S1の第1の標準試料分注工程S10を示したフローチャートである。この第1の標準試料分注工程S10は、サンプル分注アーム10の動作により実行されるステップS11,S13,S15,S16,S17,S19,S20、及びサンプル分注ポンプ16aの動作により実行されるステップ12,S14,S18により構成される。また、ステップS12,S14,S18におけるサンプル分注ポンプ16aの動作に対応するサンプル分注プローブ16内を図10(a)乃至(c)に示す。
サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションから標準試料吸引位置T1の上停止位置へ移動する(ステップS11)。
サンプル分注プローブ16の移動に並行して、サンプル分注ポンプ16aは、図10(a)に示すように、サンプル分注プローブ16内に所定量の空気を吸引する(ステップS12)。
サンプル分注プローブ16内への空気の吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を下へ移動して、標準試料吸引位置T1に停止した試料容器17内の標準試料の吸引が可能な吸引高で停止する(ステップS13)。
1回目の標準試料の分注における吸引では、サンプル分注ポンプ16aは、図10(b)に示すように、共通ダミー量、図5に示したサンプル分注条件設定画面43における「標準試料」の欄の「ダミー量」の欄に設定したダミー量、及び「試料」の欄に設定した分注量を総和した量の標準試料(共通ダミー用標準試料、ダミー用標準試料、及び測定用標準試料)をサンプル分注プローブ16内に吸引する(ステップS14)。
1回目の標準試料の分注における吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を標準試料吸引位置T1の上停止位置へ移動する(ステップS15)。
標準試料吸引位置T1の上停止位置へ移動した後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS16)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動した後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内に標準試料を吐出するための試料吐出高へ移動する(ステップS17)。
1回目の標準試料の分注における吐出では、サンプル分注ポンプ16aは、図10(c)に示すように、サンプル分注プローブ16内の分注量の標準試料(測定用標準試料)を反応容器3内に吐出する(ステップS18)。
このように、1回目の分注における吸引で、所定量の空気、共通ダミー用標準試料、及びダミー用標準試料をサンプル分注プローブ16内に吸引することにより、1回目の分注における測定用標準試料に含まれる検査項目成分の濃度の低下を低減することができる。
1回目の標準試料の分注における吐出後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出高からサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS19)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションへ移動する(ステップS20)。
図9は、標準試料分注工程S1の第nの標準試料分注工程S30を示したフローチャートである。この第nの標準試料分注工程S30は、サンプル分注アーム10の動作により実行されるステップS31,S32,S34,S35,S36,S38,S39、及びサンプル分注ポンプ16aの動作により実行されるステップ33,S37により構成される。また、ステップS33のサンプル分注ポンプ16aの動作に対応するサンプル分注プローブ16内を図10(d)に示す。
サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションから標準試料吸引位置T1の上停止位置へ移動する(ステップS31)。
標準試料吸引位置T1の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を下へ移動して試料吸引高で停止する(ステップS32)。
n回目の標準試料の分注における吸引では、サンプル分注ポンプ16aは、図10(d)に示すように、サンプル分注プローブ16内に1回目の分注で吸引した空気、並びに共通ダミー量及びダミー量を総和した量の標準試料(共通ダミー用標準試料及びダミー用標準試料)を残した状態で、分注量の標準試料(測定用標準試料)を吸引する(ステップS33)。
n回目の標準試料の分注における吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吸引高から標準試料吸引位置T1の上停止位置へ移動する(ステップS34)。
標準試料吸引位置T1の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS35)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内の試料吐出高へ移動する(ステップS36)。
n回目の標準試料の分注における吐出では、サンプル分注ポンプ16aは、サンプル分注プローブ16内の測定用標準試料を反応容器3内に吐出する(ステップS37)。
このように、1回目の分注のときに吸引した空気、共通ダミー用標準試料、及びダミー用標準試料を、この標準試料の分注が終わるまでサンプル分注プローブ16内に残すことにより、標準試料の浪費を防いでn回目の分注における測定用標準試料に含まれる検査項目成分の濃度の低下を低減することができる。
n回目の標準試料の分注における吐出後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出高からサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS38)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションへ移動する(ステップS39)。
そして、同じ標準試料の分注終了後に、サンプル分注プローブ16内の空気、共通ダミー用標準試料、及びダミー用標準試料を排出した後、サンプル分注プローブ16の洗浄が行われる。洗浄後に、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションに移動して、次の標準試料又は被検試料の分注に備えて待機する。
次に、被検試料を分注する動作を説明する。図11は、表示部42に表示された検査項目設定画面の一例を示す図である。図12は、図11に示した検査項目設定画面に設定された検査項目を一例として被検試料を分注する被検試料分注工程の構成を示す図である。図13及び図14は、図12に示した被検試料分注工程の詳細を示すフローチャートである。図15は、被検試料の分注におけるサンプル分注プローブ16内の被検試料を示す図である。
表示部42の被検体情報設定画面に被検体情報である例えば「1」を設定した後、表示部42に表示された検査項目設定画面に検査項目の設定が行われる。
図11は、表示部42に表示された検査項目設定画面の一例を示した図である。この検査項目設定画面45は、表示部42の被検体情報設定画面に設定された被検体情報を表示する「ID」の欄と、表示部42の分析条件設定画面に設定された分析条件の検査項目を表示する「項目」の欄と、「ID」の欄に表示された被検体情報毎に「項目」の欄に表示された検査項目を設定するための測定項目設定エリア45aとにより構成される。
「ID」の欄には、被検体情報である「1」が表示されている。また、「項目」の欄には、「項目A1」乃至「項目An」、「項目B」等の検査項目が表示されている。また、測定項目設定エリア45aでは、「ID」の欄の被検体情報の被検体を検査する「項目」の欄の検査項目を選択する。選択したエリアには「○」が表示される。
そして、操作部50から例えば「ID」の欄の「1」に対して「項目」の欄の「項目A1」を選択することにより、測定項目設定エリア45aの1テストのエリアに「○」が表示される。また、「1」に対して各「項目A2」乃至「項目An」を選択することにより、測定項目設定エリア45aの各2テスト乃至nテストのエリアに「○」が表示される。更に、「1」に対して「項目B」を選択することにより、測定項目設定エリア45aの(n+1)テストのエリアに「○」が表示される。
ここで、1テスト乃至nテストに対応する検査項目である「項目A1」乃至「項目An」には、図5に示したサンプル分注条件設定画面43の場合と同様に、希釈試料の分注条件が設定されていないため、被検試料の分注を行う。また、(n+1)テストに対応する「項目B」には、図6に示したサンプル分注条件設定画面44の「希釈試料」の欄に希釈試料の分注条件が設定されているため、希釈試料の生成及び分注を行う。そして、分析部18では、検査項目設定画面45に設定された1テストから順に、「1」の被検試料の分注を行う。
図12は、被検試料を分注する被検試料分注工程を示した図である。この被検試料分注工程S41は、被検試料を1回目に分注する第1の被検試料分注工程S50と、1回目に分注した被検試料を連続して複数回分注するときのn回目に分注する第nの被検試料分注工程S70とにより構成される。そして、システム制御部60からの指示に基づいて、分析制御部25の制御部27による機構部26の各機構の制御により、反応ディスク5、サンプル分注アーム10、及びサンプル分注ポンプ16a等の各分析ユニットを作動させて被検試料の分注を行う。
図13は、被検試料分注工程S41の第1の被検試料分注工程S50を示したフローチャートである。この第1の被検試料分注工程S50は、サンプル分注アーム10の動作により実行されるステップS51,S53,S55,S56,S57,S59,S60、及びサンプル分注ポンプ16aの動作により実行されるステップ52,S54,S58により構成される。また、ステップS52,S54,S58におけるサンプル分注ポンプ16aの動作に対応するサンプル分注プローブ16内を図15(a)乃至(c)に示す。
サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションから被検試料吸引位置T2の上停止位置へ移動する(ステップS51)。
サンプル分注プローブ16の被検試料吸引位置T2の上停止位置への移動に並行して、サンプル分注ポンプ16aは、図15(a)に示すように、サンプル分注プローブ16内に所定量の空気を吸引する(ステップS52)。
サンプル分注プローブ16内への空気の吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を下へ移動して、被検試料吸引位置T2に停止した試料容器17内の被検試料の吸引が可能な吸引高で停止する(ステップS53)。
1回目の被検試料の分注における吸引では、サンプル分注ポンプ16aは、図15(b)に示すように、共通ダミー量及び1回目の分注に対応する1テストの検査項目(「項目A1」)に設定した分注量を総和した量の被検試料(共通ダミー用被検試料及び1回目の測定用被検試料)をサンプル分注プローブ16内に吸引する(ステップS54)。
1回目の被検試料の分注における吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を被検試料吸引位置T2の上停止位置へ移動する(ステップS55)。
被検試料吸引位置T2の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS56)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内の試料吐出高へ移動する(ステップS57)。
1回目の被検試料の分注における吐出では、サンプル分注ポンプ16aは、図15(c)に示すように、サンプル分注プローブ16内の分注量の被検試料(1回目の測定用被検試料)を反応容器3内に吐出する(ステップS58)。
このように、空気及び共通ダミー用被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引することにより、1回目の分注における測定用被検試料に含まれる検査項目成分の濃度の低下を低減することができる。
1回目の被検試料の分注における吐出後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出高からサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS59)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションへ移動する(ステップS60)。
図14は、被検試料分注工程S41の第nの被検試料分注工程S70を示したフローチャートである。この第nの被検試料分注工程S70は、サンプル分注アーム10の動作により実行されるステップS71,S72,S74,S75,S76,S78,S79、及びサンプル分注ポンプ16aの動作により実行されるステップ73,S77により構成される。また、ステップS73のサンプル分注ポンプ16aの動作に対応するサンプル分注プローブ16内を図15(d)に示す。
サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションから被検試料吸引位置T2の上停止位置へ移動する(ステップS71)。
被検試料吸引位置T2の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を下へ移動して試料吸引高で停止する(ステップS72)。
n回目の被検試料の分注における吸引では、サンプル分注ポンプ16aは、図14(d)に示すように、1回目の分注で吸引した空気及び共通ダミー用被検試料を残した状態で、n回目の分注に対応するnテストの検査項目(「項目An」)に設定した分注量の被検試料(n回目の測定用被検試料)をサンプル分注プローブ16内に吸引する(ステップS73)。
n回目の被検試料の分注にける吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吸引高から被検試料吸引位置T2の上停止位置へ移動する(ステップS74)。
被検試料吸引位置T2の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS75)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内の試料吐出高へ移動する(ステップS76)。
n回目の被検試料の分注における吐出では、サンプル分注ポンプ16aは、サンプル分注プローブ16内の分注量の被検試料(n回目の測定用被検試料)を反応容器3内に吐出する(ステップS77)。
このように、1回目の分注のときに吸引した空気及びダミー用被検試料を、この被検試料の分注が終わるまでサンプル分注プローブ16内に残すことにより、被検試料の浪費を防いでn回目の分注における測定用被検試料に含まれる検査項目成分の濃度の低下を低減することができる。
n回目の被検試料の分注における吐出後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出高からサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS78)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションへ移動する(ステップS79)。
次に、希釈試料を分注する動作を説明する。図16は、図11に示した検査項目設定画面に設定された検査項目を一例として希釈試料を分注する希釈試料分注工程の詳細を示すフローチャートである。図17は、希釈試料の分注におけるサンプル分注プローブ16内の希釈試料を示す図である。
図16において、希釈試料分注工程S80は、サンプル分注アーム10の動作により実行されるステップS81,S83,S85,S86,S87,S89,S90、及びサンプル分注ポンプ16aの動作により実行されるステップ82,S84,S88により構成される。また、ステップS82,S84,S88におけるサンプル分注ポンプ16aの動作に対応するサンプル分注プローブ16内を図17(a)乃至(c)に示す。
図14におけるステップS79の後の(n+1)回目の被検試料の分注における吸引では、サンプル分注ポンプ16aは、1回目に吸引した空気及び共通ダミー用被検試料を残した状態で、(n+1)回目の分注に対応するサンプル分注条件設定画面44における「希釈試料」の欄の「量」の欄に設定した量の希釈用被検試料をサンプル分注プローブ16内に吸引して、サンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内に希釈用被検試料を吐出する。吐出した後、サンプル分注プローブ16内の空気及び共通ダミー用被検試料を排出した後、サンプル分注プローブ16の洗浄が行われる。洗浄後に、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションに移動する。
サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションから希釈試料吸引位置T3の上停止位置へ移動する(ステップS81)。
サンプル分注プローブ16の希釈試料吸引位置T3の上停止位置への移動に並行して、サンプル分注ポンプ16aは、図17(a)に示すように、サンプル分注プローブ16内に所定量の空気を吸引する(ステップS82)。
サンプル分注プローブ16内への空気の吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を下へ移動して、希釈試料吸引位置T3に停止した反応容器3内の希釈試料の吸引が可能な吸引高で停止する(ステップS83)。
希釈被検試料の分注における吸引では、サンプル分注ポンプ16aは、図17(b)に示すように、共通ダミー量、並びにサンプル分注条件設定画面44における「希釈試料」の欄の「ダミー量」の欄に設定したダミー量及び「試料」の欄に設定した分注量を総和した量の希釈試料(共通ダミー用希釈試料、ダミー用希釈試料、及び測定用希釈試料)をサンプル分注プローブ16内に吸引する(ステップS84)。
希釈被検試料の分注における吸引後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を希釈試料吸引位置T3の上停止位置へ移動する(ステップS85)。
希釈試料吸引位置T3の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS86)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をサンプル吐出位置T4に停止した反応容器3内の試料吐出高へ移動する(ステップS87)。
希釈試料の分注における吐出では、サンプル分注ポンプ16aは、図17(c)に示すように、サンプル分注プローブ16内の分注量の希釈試料(測定用希釈試料)を反応容器3内に吐出する(ステップS88)。
このように、空気、共通ダミー用希釈試料、及びダミー用希釈試料をサンプル分注プローブ16内に吸引することにより、測定用希釈試料に含まれる検査項目成分の濃度の低下を低減することができる。
希釈試料の分注における吐出後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16を試料吐出高からサンプル吐出位置T4の上停止位置へ移動する(ステップS89)。
サンプル吐出位置T4の上停止位置への移動後、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションへ移動する(ステップS90)。
そして、希釈試料の分注終了後に、サンプル分注プローブ16内の空気、共通ダミー用希釈試料、及びダミー用希釈試料を排出した後、サンプル分注プローブ16の洗浄が行われる。洗浄後に、サンプル分注アーム10は、サンプル分注プローブ16をホームポジションに移動して待機する。
なお、予め希釈液で被検試料を希釈した希釈試料を収容した試料容器17を、予め設定したディスクサンプラ5の収納位置に収納する。そして、被検試料吸引位置T2に停止したその試料容器17内の希釈試料を、図16のステップS84乃至ステップS90を実行させて希釈試料の分注を行うように実施してもよい。
以上述べた本発明の実施例によれば、検査項目の試料の特性に応じてダミー量を設定し、その試料の分注における吸引のときにサンプル分注プローブ16内に所定量の空気、共通ダミー用試料、ダミー用試料、及び測定用試料を吸引することができる。
そして、同じ試料をn回分注する場合、1回目の分注で、サンプル分注プローブ16内に所定量の空気、共通ダミー用試料、ダミー用試料、及び1回目の測定用試料を吸引し、吸引した1回目の測定用試料を吐出することができる。また、n回目の分注では、サンプル分注プローブ16内に所定量の空気並びに共通ダミー用試料及びダミー用試料を残した状態でn回目の測定用試料を吸引し、吸引したn回目の測定用試料を吐出することができる。
これにより、試料の消費量を低減して試料を精度よく分注することができる。
T1 標準試料吸引位置
T2 被検試料吸引位置
T3 希釈試料吸引位置
T4 サンプル吐出位置
3 反応容器
4 反応ディスク
5 ディスクサンプラ
10 サンプル分注アーム
16 サンプル分注プローブ
16a サンプル分注ポンプ
17 試料容器
18 分析部
25 分析制御部
26 機構部
27 制御部
43 サンプル分注条件設定画面
T2 被検試料吸引位置
T3 希釈試料吸引位置
T4 サンプル吐出位置
3 反応容器
4 反応ディスク
5 ディスクサンプラ
10 サンプル分注アーム
16 サンプル分注プローブ
16a サンプル分注ポンプ
17 試料容器
18 分析部
25 分析制御部
26 機構部
27 制御部
43 サンプル分注条件設定画面
Claims (5)
- 試料及びこの試料の検査項目に該当する試薬を反応容器に分注してその混合液を測定する自動分析装置において、
前記試料に含まれる第1の試料又は第2の試料を収容した容器から分注プローブ内に吸引して前記反応容器に吐出する分注を行う分注手段と、
前記分注プローブ内に吸引する前記第1の試料のダミー量及び分注量、又は前記分注プローブ内に吸引する前記第2の試料の分注量を設定する分注条件設定手段とを備え、
前記分注手段は、
前記第1の試料の分注では、予め設定された共通ダミー量並びに前記分注条件設定手段により設定されたダミー量及び分注量を総和した量の前記第1の試料を吸引した後、吸引した分注量の前記第1の試料を吐出し、
前記第2の試料の分注では、前記共通ダミー量及び前記分注条件設定手段により設定された分注量を総和した量の前記第2の試料を吸引した後、吸引した分注量の前記第2の試料を吐出することを特徴とする自動分析装置。 - 前記第1の試料は前記検査項目の標準試料であり、前記第2の試料は被検試料であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
- 前記第2の試料は被検試料であり、前記第1の試料は前記被検試料が希釈液で希釈された希釈試料であることを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
- 前記分注手段は、
前記標準試料の1回目の分注では、前記共通ダミー量並びに前記分析条件設定手段により設定されたダミー量及び分注量を総和した量の前記標準試料を吸引した後、吸引した分注量の前記標準試料を吐出し、
前記標準試料のn回目(2以上の整数)の分注では、前記分注条件設定手段により設定された分注量の前記標準試料を吸引した後、吸引した分注量の前記標準試料を吐出することを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。 - 前記被検試料の検査項目を設定する検査項目設定手段を有し、
前記分注手段は、
前記被検試料の1回目の分注では、前記検査項目設定手段により設定された前記1回目の分注に対応する検査項目の前記分析条件設定手段により設定された分注量、及び前記共通ダミー量を総和した量の前記被検試料を吸引した後、吸引した分注量の前記被検試料を吐出し、
前記被検試料のn回目(2以上の整数)の分注では、前記検査項目設定手段により設定された前記n回目の分注に対応する検査項目の前記分注条件設定手段により設定された分注量の前記被検試料を吸引した後、吸引した分注量の前記被検試料を吐出することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の自動分析装置。
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-
2008
- 2008-07-11 JP JP2008181725A patent/JP2010019745A/ja not_active Withdrawn
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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