JP2010019222A - ポンプの圧力制御方法およびポンプの圧力制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、推定末端圧力一定制御によって制御されている可変電圧、可変周波数電源で駆動される可変速ポンプが複数台並列運転する場合、並列運転されるポンプの揚程−流量特性にばらつきがある場合であっても、正確な推定末端圧力制御を行うポンプの圧力制御方法およびポンプの圧力制御システムに関するものである。
【解決手段】本発明のポンプの圧力制御方法およびポンプの圧力制御システムは、最初に、ポンプの吐出圧力と、ポンプ吸込み圧力の差であるポンプの正味発生圧力とを求め、この値とポンプの揚程−流量を表す二次近似式より、ポンプ毎の分担流量を演算推定手段を有する。前記演算推定手段により演算された分担流量は、合計して全流量が求められ、管路の圧力降下を演算する。最後に、前記管路の圧力降下を、ポンプの最小設定圧力に加算することにより、正確な推定末端圧力一定制御の目標圧力曲線を生成する様に構成する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のポンプの圧力制御方法およびポンプの圧力制御システムは、最初に、ポンプの吐出圧力と、ポンプ吸込み圧力の差であるポンプの正味発生圧力とを求め、この値とポンプの揚程−流量を表す二次近似式より、ポンプ毎の分担流量を演算推定手段を有する。前記演算推定手段により演算された分担流量は、合計して全流量が求められ、管路の圧力降下を演算する。最後に、前記管路の圧力降下を、ポンプの最小設定圧力に加算することにより、正確な推定末端圧力一定制御の目標圧力曲線を生成する様に構成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、推定末端圧力一定制御によって制御されている可変電圧、可変周波数電源で駆動される可変速ポンプが複数台並列運転する場合、並列運転されるポンプの揚程−流量特性にばらつきがある場合であっても、正確な推定末端圧力制御を行うポンプの圧力制御方法およびポンプの圧力制御システムに関するものである。
従来の技術におけるポンプの圧力制御システムは、可変電圧、可変周波数電源で駆動される可変速ポンプが複数台並列運転する場合、各ポンプの揚程−流量特性にばらつきがあっても、各ポンプの分担流量が相等しいとして、合計流量を推定し、前記推定流量に基づいて、管路の圧力降下を演算することにより、推定末端圧力一定制御の目標圧曲線を生成していた。
前記のような目標圧力曲線に基づいているために、前記ポンプの圧力制御システムは、各ポンプの揚程−流量特性のばらつきが大きい場合、合計流量の推定に誤差を生じ、結果として、正確な推定末端圧力一定制御の目標曲線を得ることが出来なかった。また、前記ポンプの圧力制御システムは、特性のばらつきによって、各ポンプの分担流量に極端なアンバランスが生じ、分担流量の大きいポンプに過負荷が生じていた。
本発明は、並列運転するポンプの揚程−流量特性にばらつきがあっても、正確な合計流量を演算出来る様な流量演算回路と、この結果を適用した正確な推定末端圧力一定制御の方法により、ポンプの圧力制御方法およびポンプの圧力制御システムを提供することを目的とする。
本発明のポンプの圧力制御方法およびポンプの圧力制御システムは、最初に、ポンプの吐出圧力と、ポンプ吸込み圧力の差であるポンプの正味発生圧力とを求め、この値とポンプの揚程−流量を表す二次近似式より、ポンプ毎の分担流量を演算推定手段を有する。前記演算推定手段により演算された分担流量は、合計して全流量が求められ、管路の圧力降下を演算する。最後に、前記管路の圧力降下を、ポンプの最小設定圧力に加算することにより、正確な推定末端圧力一定制御の目標圧力曲線を生成する様に構成する。
本発明によれば、ポンプの揚程−流量特性にばらつきがあっても、各ポンプの分担流量と合計流量が演算推定出来るので、各ポンプの分担流量を監視することが可能になり、また、正確な推定末端圧力一定制御が出来る効果がある。
本発明によれば、特に、ポンプ特性が異なる、例えば、定格の異なるポンプの並列運転に拡張出来る効果がある。本発明によれば、同一定格のポンプを多数並列運転することによって、大流量給水システムが構築出来るので、ポンプ機種を少なく出来る効果が生まれる。
本発明によれば、また、流量分担係数回路によって、極端な流量のアンバランスや過負荷が防止出来るので、ポンプの安全運転が可能になる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明を、可変電圧、可変周波数電源で駆動される可変速ポンプ3台の並列運転方式の直結給水システムに応用した場合の全体構成図を示している。なお、図中、流量演算回路ブロック41および流量分担調整用係数ブロック51の詳細は、図2、図3で後述する。
図1において、ポンプ1、2、3は、インバータ21、22、23によって可変電圧、可変周波数制御される電動機16、17、18によって駆動される。
逆止弁4、6、8、締切弁5、7、9、水道本管への逆流を防止する逆止弁10、バイパス逆流防止弁11、3台のポンプ1、2、3は、図示のように接続されている。前記ポンプ1、2、3は、並列に設置され、推定末端圧力一定制御によって、下流側に所定の圧力で給水運転が出来る様に構成されている。ポンプ停止時圧力を保持するための圧力タンク12、流量が規定流量以下になったことを検出するフロースイッチ13は、本発明の作用に直接関係しないので、以後の説明では省略している。
圧力設定器31−5は、推定末端圧力一定制御の最小揚程hS0(p.u.)を設定するもので、本発明の流量演算回路ブロックFLOW41にて演算された管路摩擦損失揚程Δh(p.u.)を加算することにより、圧力設定hS0(p.u.)+Δh(p.u.)を生成する。前記圧力設定器31−5によって設定された値は、吐出圧力検出器14の出力hIと比較される。前記比較によって比較された偏差は、PIDまたはPIコントローラ31−1によって増幅され、ポンプの周波数指令f0を出力する。前記ポンプの周波数指令f0は、本発明の流量分担調整用係数器ブロックFBAL、係数器51を経由して、それぞれのD/A変換器31−2、31−3、31−4に与えられる。
前記D/A変換器31−2、31−3、31−4の出力は、インバータ21、22、23に周波数指令f1S、f2S、f3S、を構成している。吸込圧力検出器15は、吸込み側水道本管の圧力を検出するもので、図示の様に、ポンプ吐出圧力との差を演算するために使用される。また、図示していないが、水道本管側の圧力が規定圧力以上の時のみ、ポンプが運転出来る様にインターロックするために使用される。ポンプの並列投入運転や解列運転、また、ポンプ吐出側圧力低下によってポンプを自動始動する制御、保圧運転制御、上記の本管圧力低下時のポンプ運転阻止制御等は、公知のシーケンス制御によって実施される。従って、本発明では、これ等の制御機能や作用については、説明を省略している。
次に、発明の流量演算回路ブロックFLOW、一次遅れ関数発生器41について、その構成と動作を図2にて説明する。一次遅れ関数発生器41−1、41−2、41−3は、コントローラ31からそれぞれのポンプの周波数指令f1(p.u.)、f2(p.u.)、f3(p.u.)の入力を受け取り、予め設定された時定数で、二乗演算器41−4、41−5、41−6に、信号を伝達する。係数器41−7、41−8、41−9は、ポンプの締切り揚程を設定するものであり、図2において、それぞれのポンプの係数をa1、a2、a3に設定している。
流量係数器41−10、41−11、41−12は、ポンプの流量の二乗に対する圧力降下の係数(以下、本発明では、流量係数と表記する。)の逆数を設定するものであり、図の様に、1/b1、1/b2、1/b3が設定されている。根演算器41−13、41−14、41−15は、流量係数器41−10、41−11、41−12における出力の平方根を演算し、図の様に、それぞれ、q1(p.u.)、q2(p.u.)、q3(p.u.)を出力する。前記流量係数器41−10、41−11、41−12の出力は、図示の様に加算され、二乗演算器41−16によって、二乗され、推定末端圧力一定制御の管路の圧力降下を設定する係数器41−17に与えられる。
係数器41−17は、係数kqが設定されていると、kq×(q1(p.u.)+q2(p.u.)+q3(p.u.))2=Δh0が出力する。係数器41−17は、演算形リミッタで、図1に示す圧力設定器31−5で設定されたhS0(p.u.)にΔh0の値が加算された結果、もし、その値が1.00(p.u.)を超えた場合、hS0+Δh0≦1.00を満足する様、Δh0を制限した値Δhに変換する働きをする。これは、管路の圧力降下係数を誤って過大に設定した場合でも、ポンプの吐出圧力を定格圧力以下に制限するためのものである。
次に、この様な構成によって、揚程―流量特性にばらつきがあるポンプ3台を並列運転した場合、各ポンプの分担流量が演算され、3台のポンプの合計流量が演算出来ることを説明する。各ポンプの近似揚程特性が、次の二次方程式で表現されていると仮定する。
hP1=a1 n1 2−b1 q1 2 ----(1)
hP2=a2 n2 2−b2 q2 2 ----(2)
hP3=a3 n3 2−b3 q3 2 ----(3)
hP2=a2 n2 2−b2 q2 2 ----(2)
hP3=a3 n3 2−b3 q3 2 ----(3)
ここに、hP1、hP2、hP3 :各ポンプの発生揚程 (p.u.)
a1、a2、a3 :各ポンプの締切り揚程係数
b1、b2、b3 :各ポンプの流量係数
n1、n2、n3 :各ポンプの速度 (p.u.)
a1、a2、a3 :各ポンプの締切り揚程係数
b1、b2、b3 :各ポンプの流量係数
n1、n2、n3 :各ポンプの速度 (p.u.)
また、
hP1=H1/HN、hP2=H2/HN、hP3=H3/HN
q1=Q1/QN、q2=Q2/QN、q3=Q3/QN
n1=N1/NN、n2=N2/NN、n3=N3/NN
ここに、H1、H2、H3 :各ポンプの揚程 (m)
HN :基準ポンプの定格揚程 (m)
Q1、Q2、Q3 :各ポンプの流量 (m3/min)
QN :基準ポンプの定格流量(m3/min)
N1、N2、N3 :各ポンプの回転速度(rpm)
NN :基準ポンプの定格回転速度(rpm)
である。いま、簡単のために、ポンプの吸込み側の水道本管圧力hSU(p.u.)をゼロと仮定する。この場合3台のポンプが並列運転している場合の吐出側圧力hI(p.u.)は、hI=hP(p.u.)と置ける。従って、各ポンプの流量の二乗値は、次の様に計算される。
hP1=H1/HN、hP2=H2/HN、hP3=H3/HN
q1=Q1/QN、q2=Q2/QN、q3=Q3/QN
n1=N1/NN、n2=N2/NN、n3=N3/NN
ここに、H1、H2、H3 :各ポンプの揚程 (m)
HN :基準ポンプの定格揚程 (m)
Q1、Q2、Q3 :各ポンプの流量 (m3/min)
QN :基準ポンプの定格流量(m3/min)
N1、N2、N3 :各ポンプの回転速度(rpm)
NN :基準ポンプの定格回転速度(rpm)
である。いま、簡単のために、ポンプの吸込み側の水道本管圧力hSU(p.u.)をゼロと仮定する。この場合3台のポンプが並列運転している場合の吐出側圧力hI(p.u.)は、hI=hP(p.u.)と置ける。従って、各ポンプの流量の二乗値は、次の様に計算される。
q1 2 =(a1 n1 2−hP)/b1 ----(4)
q2 2 =(a2 n2 2−hP)/b2 ----(5)
q3 2 =(a3 n3 2−hP)/b3 ----(6)
インバータ等の可変電圧、可変周波数電源で速度制御されている可変速ポンプの速度は、インバータの周波数指令を入力として、次の一次遅れ伝達関数で表現出来る。
q2 2 =(a2 n2 2−hP)/b2 ----(5)
q3 2 =(a3 n3 2−hP)/b3 ----(6)
インバータ等の可変電圧、可変周波数電源で速度制御されている可変速ポンプの速度は、インバータの周波数指令を入力として、次の一次遅れ伝達関数で表現出来る。
n(s)/f(s)=1/(1+Ts) (p.u.) ----(7)
ここに、n(s) :ポンプ速度 (p.u.):n=N/NN、
f(s) :インバータ周波数 (p.u.):=F(s)/FN(s)
F :インバータ周波数 (Hz)
FN :基準インバータの定格周波数 (Hz)
T :インバータ周波数指令からポンプ速度までの等価時定数 (sec)
s :ラプラス演算子
よって、各ポンプの等価遅れ時定数をT1、T2、T3(sec)とすれば、各ポンプの速度の推定値n1*、n2*、n3*は、(8)、(9)、(10)式で表すことが出来る。
ここに、n(s) :ポンプ速度 (p.u.):n=N/NN、
f(s) :インバータ周波数 (p.u.):=F(s)/FN(s)
F :インバータ周波数 (Hz)
FN :基準インバータの定格周波数 (Hz)
T :インバータ周波数指令からポンプ速度までの等価時定数 (sec)
s :ラプラス演算子
よって、各ポンプの等価遅れ時定数をT1、T2、T3(sec)とすれば、各ポンプの速度の推定値n1*、n2*、n3*は、(8)、(9)、(10)式で表すことが出来る。
n1*(s)/f1(s)=1/(1+T1s) (p.u.) ----(8)
n2*(s)/f2(s)=1/(1+T2s) (p.u.) ----(9)
n3*(s)/f3(s)=1/(1+T3s) (p.u.) ----(10)
従って、一次遅れ関数発生器41−1、41−2、41−3に、各ポンプの等価遅れ時定数をT1、T2、T3(sec)を設定して置けば、その出力に、各ポンプの速度の推定値n1*、n2*、n3*を得ることが出来る。
n2*(s)/f2(s)=1/(1+T2s) (p.u.) ----(9)
n3*(s)/f3(s)=1/(1+T3s) (p.u.) ----(10)
従って、一次遅れ関数発生器41−1、41−2、41−3に、各ポンプの等価遅れ時定数をT1、T2、T3(sec)を設定して置けば、その出力に、各ポンプの速度の推定値n1*、n2*、n3*を得ることが出来る。
ここで、改めて、n1*≒n1、n2*≒n2、n3*≒n3と置くことにより、(4)、(5)、(6)の関係式によって、流量係数器41−10、41−11、41−12の出力に、q1 2、 q2 2、q3 2 が得られる。また、根演算器41−13、41−14、41−15によって、それぞれの分担流量q1、q2、q3が求まる。
次に、各分担流量から、推定末端圧力一定制御の目標圧力(揚程)曲線を得る方法を説明する。以上の説明によって、それぞれのポンプの締切り揚程係数と流量係数、並びに、等価遅れ時定数によって、運転中の時々刻々の流量が求まるので、これらの合計によって、図2に示す様に、時々刻々の合計流量q1+q2+q3を計算出来る。
一般に、管路の圧力降下、Δh(p.u.)は、全流量の二乗に係数kを乗じて演算、推定される。つまり、Σq2(p.u.)×kとして計算される。従って、本発明の実施例の様に、ポンプ3台の場合には、二乗演算器41−16によって、(q1+q2+q3)2が演算され、係数器41−7の流量係数kqを乗じて、管路の圧力降下Δh0(p.u.)が計算される。この値は、前述の様な機能を有するリミッタ41−18を介してΔh (p.u.)に変換され、圧力設定器31−5に加算される。かくて、ポンプの全流量に対応した推定末端圧力(揚程)一定制御の目標曲線が、hS0+Δh (p.u.)として生成される。
hS0+Δh (p.u.)の圧力指令は、図1に示す様に、ポンプの吐出圧力hIと比較され、その偏差はPIDコントローラ、または、PIコントローラ31−1によって増幅され、その偏差が小さくなる様に、それぞれのインバータの周波数を調整する。つまり、推定末端圧力一定制御が遂行される。
次に、本発明の流量分担調整用係数器ブロックFBAL51の動作を図3にて説明する。流量分担調整用係数器ブロック51の入力は、PID、または、PIコントローラ31−1の出力f0であり、それぞれの出力f1、f2、f3は、それぞれ係数器51−1、51−2、51−3を通して得られる様に構成されている。次にこの作用について説明する。
今、揚程―流量特性にばらつきがあるポンプ3台が、次式で示す推定末端圧力一定制御の目標曲線のもとで、運転されていると仮定する。
hS0+Δh=0.7+0.0511(q1+q2+q3)2 (p.u.) ----(11)
この場合の3台のポンプの分担流量は、例えば、図4の様になる。但し、それぞれのポンプの揚程―流量特性近似式を次の様に仮定している。
hS0+Δh=0.7+0.0511(q1+q2+q3)2 (p.u.) ----(11)
この場合の3台のポンプの分担流量は、例えば、図4の様になる。但し、それぞれのポンプの揚程―流量特性近似式を次の様に仮定している。
hP1=1.46n1 2−0.46q1 2 ----(12)
hP2=1.53n2 2−0.52q2 2 ----(13)
hP3=1.39n3 2−0.35q3 2 ----(14)
この例では、揚程1.0(p.u.)から0.85(p.u.)迄は、分担流量に差があるものの、極端なアンバランスは見られない。但し、揚程が0.8(p.u.)以下では、(14)式の特性のポンプの分担流量がかなり小さくなり、分担流量にアンバランスが生じている。この問題を解決するために、流量分担特性のX軸をポンプ速度に取ってプロットした。
hP2=1.53n2 2−0.52q2 2 ----(13)
hP3=1.39n3 2−0.35q3 2 ----(14)
この例では、揚程1.0(p.u.)から0.85(p.u.)迄は、分担流量に差があるものの、極端なアンバランスは見られない。但し、揚程が0.8(p.u.)以下では、(14)式の特性のポンプの分担流量がかなり小さくなり、分担流量にアンバランスが生じている。この問題を解決するために、流量分担特性のX軸をポンプ速度に取ってプロットした。
その結果、図5の様な特性が得られた。図5のそれぞれの直線は、このプロット点の直線近似特性を示している。ここで、締切り揚程が一番小さい(14)式の特性を持つポンプのプロット点は、かなり、近似直線より乖離しているが、本発明の目的が、正確な流量バランスではなく、極端なアンバランスと過負荷防止にある点から、また、実用上から、この様な直線近似が許されると考える。つまり、この近似直線の式から、ポンプ速度に対応して、速度比の係数を図3に示す係数器51−1、51−2、51−3に設定すれば、分担流量を調整出来ることになる。
本発明では、ポンプ特性のばらつきが大きい場合には、係数器51−1、51−2、51−3に、ポンプの締切揚程係数を与えるa定数、流量係数を与えるb定数と推定末端圧力一定制御の目標曲線から、図5の様な特性を計算し、それを修正する係数をオンライン設定する。簡単には、上記の計算をオフラインで実行して置き、その結果得られた速度と係数のテーブルをコントローラの記憶装置に記憶して置き、制御過程で参照するようにしている。
本発明では、この様に、極めて簡単な対策によって、ポンプ特性のばらつきが大きい場合においても、流量の極端なアンバランスが防止され、過負荷も防止される。つまり安全で、正確な推定末端圧力一定制御が可能となる。
以上の説明では、3台ポンプの場合を示したが、3台以上のポンプの並列運転の場合に対しても適用出来ることは明らかである。特に、例えば、ポンプ8台以上と云う様に、多数のポンプを並列運転する様な場合には、揚程―流量特性にばらつきを避けることが難しくなる。この様な場合にも、本発明の方式を採用すれば、安全で正確な推定末端圧力一定制御が遂行される。
また、本発明の方式は、吐出圧力一定制御にも適用出来る。この場合は、推定末端圧力一定制御の目標曲線を、hS0+Δh (p.u.)=hS0+Kq(q1+q2+q3)2 (p.u.)において、Kq=0に設定し、hS0を必要な吐出圧に設定変更するだけで良い。
1、2、3・・・ポンプ
4、6、8・・・逆止弁
5、7、9・・・締切弁
10・・・逆流防止用逆止弁
11・・・バイパス逆流防止弁
12・・・圧力タンク
13・・・フロースイッチ
14・・・吐出圧力検出器
15・・・吸込圧力検出器
16、17、18・・・ポンプ
21、22、23・・・インバータ
31・・・コントローラ
41・・・流量演算回路ブロック
51・・・流量分担調整用係数ブロック
4、6、8・・・逆止弁
5、7、9・・・締切弁
10・・・逆流防止用逆止弁
11・・・バイパス逆流防止弁
12・・・圧力タンク
13・・・フロースイッチ
14・・・吐出圧力検出器
15・・・吸込圧力検出器
16、17、18・・・ポンプ
21、22、23・・・インバータ
31・・・コントローラ
41・・・流量演算回路ブロック
51・・・流量分担調整用係数ブロック
Claims (3)
- 可変電圧・可変周波数電源にて制御される電動機で駆動する可変速ポンプを複数台並列運転し、前記ポンプ圧力を推定末端圧力一定制御方式によって制御するポンプの圧力制御方法において、
各ポンプのそれぞれの周波数指令と、各ポンプの揚程―流量特性を表す二次近似式と、ポンプの正味発生揚程とによって、それぞれのポンプの分担流量を演算し、
前記それぞれの分担流量を合計することによって、全流量を求め、
前記全流量が通過する管路の圧力降下を推定演算し、
前記演算結果により、必要な推定末端圧力一定制御の目標曲線を生成し、
前記目標曲線によって、推定末端圧力一定制御を行うことができるように構成したことを特徴とするポンプの圧力制御方法。 - 可変電圧・可変周波数電源にて制御される電動機で駆動する可変速ポンプを複数台並列運転し、前記ポンプ圧力を推定末端圧力一定制御方式によって制御するポンプの圧力制御システムにおいて、
各ポンプのそれぞれの周波数指令と、各ポンプの揚程―流量特性を表す二次近似式と、ポンプの正味発生揚程によって、それぞれのポンプの分担流量を演算する演算回路と、
前記演算回路によって演算されたそれぞれの分担流量を合計することによって、全流量を求め、前記全流量が通過する管路の圧力降下を推定演算する全流量演算回路と、
前記全流量演算回路の演算結果により、必要な推定末端圧力一定制御の目標曲線を生成する目標曲線生成回路と、
を備え、前記目標曲線生成回路によって生成した目標曲線によって、推定末端圧力一定制御を行うことを特徴とするポンプの圧力制御システム。 - 前記ポンプの圧力制御システムは、
前記圧力制御を行うPIまたはPID コントローラと、前記全流量演算回路またはD/A変換手段との間に、ポンプ特性のばらつきによる流量分担を補償するための係数回路を設け、各ポンプの分担流量を調整することを特徴とする請求項2に記載されたポンプの圧力制御システム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008182585A JP2010019222A (ja) | 2008-07-14 | 2008-07-14 | ポンプの圧力制御方法およびポンプの圧力制御システム |
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