JP2010018827A - 製鋼スラグの溶融改質用容器 - Google Patents

製鋼スラグの溶融改質用容器 Download PDF

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Abstract

【課題】製鋼スラグの溶融改質処理に反応容器として使用される製鋼スラグの溶融改質用容器の構造を工夫することにより、粒鉄中の炭素の反応によるCOガスの発生を抑制し、溶融改質処理後のスラグの強度を向上させ、溶融改質処理時の燃料原単位を低減し、かつ、地金の回収量を増加させる。
【解決手段】本発明に係る製鋼スラグの溶融改質用容器10の底部は、製鋼スラグS中に分散されている粒鉄Mを沈降させる少なくとも1つ以上の傾斜面11と、傾斜面11の低位置側の少なくとも1箇所以上に配置され、沈降した粒鉄Mが溜められる粒鉄溜部13と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶銑予備処理スラグ等の製鋼スラグの溶融改質処理に反応容器として使用される製鋼スラグの溶融改質用容器に関する。
脱燐、脱硫、脱炭精錬によって生成されるスラグ(製鋼スラグ)は、道路路盤材、コンクリート用骨材等に利用される。ところが、製鋼スラグに含まれる遊離CaOは、水和反応を起こして膨張するために体積安定性が低く、製鋼スラグは、土木工事用の仮設材、道路の地盤改良材、下層路盤材等の低級用途に専ら利用され、より高級用途である上層路盤材、コンクリート用骨材、石材原料等には利用されがたい。このため、従来から、製鋼スラグに石炭灰等の改質材を添加して、製鋼スラグを溶融状態で改質することが行われている(例えば、特許文献1を参照)。
ここで、転炉などから排出されて溶融改質用容器(スラグ鍋)に入れられた直後の溶融スラグ中には、粒鉄が懸濁した状態で30質量%程度含有されており、この粒鉄中に3質量%以上の濃度で存在する炭素と、溶融スラグ中の酸化鉄や攪拌用の酸素ガスとが反応することにより、溶融スラグ中においてCOガスの気泡が発生(フォーミング)し、種々の悪影響をもたらす。具体的には、スラグがフォーミングすることにより、スラグが反応容器からあふれ出ることがある。また、フォーミングした状態のスラグを冷却凝固させた場合には、凝固後のスラグに気泡が残存し、スラグの強度が低下し、天然石の代替として上述した高級用途に利用することができなくなってしまう、という問題があった。
このような問題に対して、特許文献1に記載された方法では、粒鉄を溶融改質用容器の底部に沈降させた状態で溶融スラグを加熱することにより、伝熱効率を向上させて溶融スラグを効率よく加熱することができ、溶融スラグ中に含まれる遊離CaOを効果的に低減することが可能となる、とされている。
特開2006−199984号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された方法のように、粒鉄を溶融改質用容器の底部に沈降させた状態であっても、粒鉄中の炭素濃度は3質量%以上あるため、容器の底部においてスラグ中の酸化鉄や攪拌用の酸素ガスと反応し、スラグがフォーミングする場合があった。
一方、スラグ中に気泡が残存しないようにするためには、改質処理の処理時間を長くすることが必要である。すなわち、粒鉄中に炭素が存在する限りCOガスが発生するため、粒鉄中の炭素がなくなるまで改質処理を続ける必要がある。ところが、この場合は、粒鉄中の炭素濃度の低下とともに、粒鉄中の鉄分が酸化して酸化鉄となるため、地金(還元された鉄分)の回収量が低下する、という問題があった。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、製鋼スラグの溶融改質処理に反応容器として使用される製鋼スラグの溶融改質用容器の構造を工夫することにより、粒鉄中の炭素の反応によるCOガスの発生を抑制し、溶融改質処理後のスラグの強度を向上させ、溶融改質処理時の燃料原単位を低減し、かつ、地金の回収量を増加させることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、溶融改質用容器の底部の形状を改良して沈降した粒鉄を底部の一部に溜めることにより、粒鉄中の炭素の反応によるCOガスの発生を抑制できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、製鋼スラグの溶融改質処理に反応容器として使用される製鋼スラグの溶融改質用容器であって、前記溶融改質用容器の底部は、前記製鋼スラグ中に分散されている粒鉄を沈降させる少なくとも1つ以上の傾斜面と、前記傾斜面の低位置側の少なくとも1箇所以上に配置され、沈降した前記粒鉄が溜められる粒鉄溜部と、を有する製鋼スラグの溶融改質用容器が提供される。
ここで、前記粒鉄溜部には、溜まった前記粒鉄を外部に排出して回収する粒鉄回収手段が少なくとも1つ以上設けられてもよい。
また、前記粒鉄溜部は、底部の少なくとも一部に平坦面を有していてもよい。
この場合に、前記溶融改質用容器が底部に前記傾斜面を有しないと仮定した場合の前記溶融改質用容器の底面の面積に対して、前記粒鉄溜部の平坦面の面積の割合が50%以下であることが好ましい。
前記傾斜面は、前記傾斜面は、前記製鋼スラグの溶融改質用容器の底部の少なくとも一部が、一側から他側に向けて傾斜している単一の傾斜面であってもよい。
あるいは、前記傾斜面は、1つ又は2つ以上の前記傾斜面からなる円錐又は多角錐状に設けられてもよい。
あるいは、前記傾斜面は、前記製鋼スラグの溶融改質用容器の底部の中央部から両端部に向けて傾斜している2つの傾斜面であってもよい。
以上のような本発明によれば、溶融改質用容器の底部に、前記傾斜面及び前記粒鉄溜部を設けることにより、粒鉄中の炭素の反応によるCOガスの発生を抑制できる。従って、溶融改質処理時のスラグのフォーミングを抑制するとともに、溶融改質処理後のスラグの強度を向上させることができる。
また、本発明によれば、COガスの発生を抑制できることから、溶融改質処理の処理時間を短くすることができる。従って、溶融改質処理時の燃料原単位を低減することができるとともに、粒鉄中の鉄分の酸化も抑制できるため地金の回収量を増加させることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[第1の実施形態]
まず、図1を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る溶融改質用容器10の構成について説明する。図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係る溶融改質用容器10の構成を示す断面図であり、図1(b)は、図1(a)の溶融改質用容器10の底部をスラグ湯面側から見た上面図である。
溶融改質用容器10は、溶銑予備処理スラグ等の製鋼スラグSの溶融改質処理に反応容器として使用される。図1に示すように、溶融改質用容器10は、上面が開口し、底面が閉塞された容器であり、その形状は、底部の水平断面が略矩形状で、底面から上面に行くほど水平断面の断面積が大きくなるような形状となっている。この溶融改質用容器10には、例えば、製鋼工程から排出された溶融状態の製鋼スラグ(溶銑予備処理スラグ)Sが溶融状態のまま装入される。
また、溶融改質用容器10の上方には、溶融改質用容器10に装入された製鋼スラグSを加熱するための溶射バーナ110と、製鋼スラグSを攪拌するためのガス攪拌ランス120とが配置される。これらの溶射バーナ110とガス攪拌ランス120は、それぞれの移動機構(図示せず)によって支持されている。この移動機構によって、溶射バーナ110は、溶融改質用容器10に装入された製鋼スラグSの液面から所定の高さの位置に移動させられる。一方、ガス攪拌ランス120は、溶融改質用容器10に装入された製鋼スラグSの液中に、ガス攪拌ランス120の先端の噴射口を浸漬させた位置に移動可能となっている。
溶射バーナ110は、例えば、LPG、重油、微粉炭、廃プラスチックなどを燃料として、溶融改質用容器10に装入された製鋼スラグSに向かって火炎を噴射する。また、溶射バーナ110は、上記のように火炎を噴射して製鋼スラグSを加熱するとともに、製鋼スラグSの塩基度(CaO/SiO(質量比))を低下(例えば、CaO/SiO=1.7程度からCaO/SiO=1程度まで低下)させるために、改質材Fを製鋼スラグSの液面に向かって溶射できるようになっている。このような改質材としては、製鋼スラグSよりも塩基度が低いものであれば特に限定はされないが、例えば、石炭灰や珪砂等のSiOを含有する物質が挙げられる。なお、改質材の溶射量は、製鋼スラグSの成分や温度、目標とする改質スラグの成分等から、適宜設定すればよい。
ガス攪拌ランス120は、その下端部に、外周面に開口する複数の噴射口(図示せず)が設けられており、溶融状態の製鋼スラグSに浸漬された後に、この噴射口からガス攪拌ランス120の外側に向かって水平方向に攪拌用ガスGが噴射される。攪拌用ガスGとしては、例えば、空気、酸素、窒素等を使用することができる。このように、溶融改質用容器10内の溶融状態の製鋼スラグSを攪拌することにより、製鋼スラグSの温度を均一化して流動性を向上させ、製鋼スラグS中からの気泡の浮上排出を促進させることができる。また、同時に、製鋼スラグS中に存在する遊離CaOを製鋼スラグS中や溶射した改質材に含まれるSiOなどと反応させて、体積安定性のある化合物(2CaO・SiO等)に変化させることができ、製鋼スラグS全体について均一な改質処理を施すことができる。なお、攪拌用ガスGとして酸素を使用した場合には、製鋼スラグS中のFeOを酸化させ、その際に発生する酸化熱によって溶融状態の製鋼スラグSの流動性を向上させ、その結果、改質処理をさらに促進させることができる。
このようにして、溶射バーナ110による加熱及び改質材の溶射と、ガス攪拌ランス120によるガス攪拌を行うことにより、気泡の除去と製鋼スラグSの改質を行いながら、溶融改質用容器10中の製鋼スラグSの温度を、製鋼スラグS中に懸濁する粒鉄Mの溶融温度以上になるまで昇温し、維持する。そして、このように粒鉄Mの溶融温度以上になるまで昇温し、維持することにより、粒鉄Mは溶融状態となる。これにより、溶融状態の粒鉄Mが溶融状態の製鋼スラグSと分離し、これらの比重差(スラグの比重:2〜3程度、粒鉄の比重:7程度)により、溶融状態の粒鉄Mが溶融改質用容器10の底部に沈降した状態となる。
従来は、このように溶融状態の粒鉄Mが沈降した状態では、粒鉄M中に含まれる炭素は、製鋼スラグS中に含まれるFeOや攪拌用の酸素ガスと反応しにくいと考えられていた。しかし、通常、粒鉄M中の炭素濃度は3質量%以上であるため、本発明者らが検討したところによれば、粒鉄Mが溶融状態で溶融改質用容器10の底部に沈降した状態であっても、粒鉄Mは、溶融改質用容器10の底部において製鋼スラグS中に含まれるFeOや攪拌用の酸素ガスと反応してしまうことがわかった。このとき、溶融改質用容器10の底部の全体が通常のように平坦面であると、沈降した粒鉄Mは、溶融改質用容器10の底部の全体に存在することとなる。そうすると、このように溶融改質用容器10の底部の全体に存在する粒鉄Mが、製鋼スラグS中に含まれるFeOや攪拌用の酸素ガスと反応するため、溶融改質用容器10の底部の全体からCO気泡が発生し、製鋼スラグSのフォーミングが生じてしまう。
そこで、本実施形態に係る溶融改質用容器10には、その底部に、傾斜面11と、粒鉄溜部13とを設けることにより、粒鉄Mを溶融改質用容器10の底部の一部に溜まるようにしている。以下、本実施形態に係る溶融改質用容器10の構造及びその作用効果について詳細に説明する。
傾斜面11は、製鋼スラグS中に懸濁して分散されている溶融状態の粒鉄Mを沈降させ、本実施形態においては、溶融改質用容器10の底部の全体が一側から他側に向けて傾斜している単一の傾斜面である。また、粒鉄溜部13は、傾斜面11の低位置側(溶融改質用容器10の底面側)に位置し、傾斜面11を伝って沈降した溶融状態の粒鉄Mが溜められる。
本実施形態では、粒鉄溜部13は、沈降した粒鉄Mが溜まりやすいように、傾斜面11よりも傾斜角が急な傾斜面と、さらにその底部の凹部とから構成されているが、このような傾斜面と凹部は必ずしも設けられる必要はない。すなわち、溶融改質用容器10の底部は、単一の傾斜面11のみからなり、傾斜面11の低位置側に粒鉄Mが溜まるようになっていてもよい。
なお、本実施形態では、粒鉄溜部13が溶融改質用容器10の底部の周縁部に設けられている。これは、溶射バーナ110は、通常、製鋼スラグSを均一に加熱し、改質材が均一に分散されるように、溶融改質用容器10の中央部付近に配置され、ガス攪拌ランス120は、通常、攪拌効率等の観点から、溶射バーナ110の近傍(すなわち、溶融改質用容器10の中央部付近)に配置されるためである。すなわち、粒鉄溜部13とガス攪拌ランス120の水平方向の位置が近い場合には、ガス攪拌ランス120からのガスの噴射により、溶融改質用容器10の底部に沈降した粒鉄Mが再び上方に吹き上げられる場合があるとともに、粒鉄Mに攪拌用の酸素ガスGが直接当たりやすくなることから、粒鉄M中の炭素と酸素ガスGとの反応が起こりやすくなるので、粒鉄溜部13とガス攪拌ランス120の水平方向の位置を離した方が好ましいためである。
また、溶融改質用容器10の底部に上記のような傾斜面11や粒鉄溜部13を設ける方法としては、溶融改質用容器10を製造する際に内張り耐火物を所望の形状に加工することにより、溶融改質用容器10の底部の形状を変えて、傾斜面11や粒鉄溜部13を形成することができる。
このように、本実施形態に係る溶融改質用容器10によれば、底部に傾斜面11及び粒鉄溜部13を設ける、すなわち、底部の形状を一方の周縁部から他方の周縁部に向けて傾斜をつけた形状にすることにより、沈降した溶融状態の粒鉄Mがいずれかの一方の周縁部に位置する粒鉄溜部13に溜まるようになる。その結果、傾斜面11及び粒鉄溜部13を設けず、溶融金属用容器10の底面全体を平坦面とした場合と比べ、粒鉄M中の炭素と製鋼スラグS中のFeOや攪拌用酸素ガスGとの反応面積を減少させることができるため、COガスの気泡の発生箇所は溶融金属用容器10の底部の一部(本実施形態では、いずれかの一方の周縁部に位置する粒鉄溜部13)に限定され、COガス発生量のトータル量も減少させることができ、従来よりもCO気泡の発生を顕著に抑制することができる。また、粒鉄溜部13に上述した凹部を設けることにより、粒鉄M中の炭素と製鋼スラグS中のFeOや攪拌用酸素ガスGとの反応面積をさらに減少させることができる。
従って、溶融改質処理時にCO気泡の発生が抑制され、製鋼スラグSのフォーミングも抑制されるので、改質処理後の製鋼スラグSに気泡が残存せず、緻密で、強度が高いスラグを得ることができる。また、溶融改質処理時にCO気泡の発生が抑制されるので、粒鉄M中の炭素を全て反応させて気泡の残留をなくすために改質処理の時間を長くする必要がない。そのため、溶融改質処理の時間を従来よりも短縮することができ、これにより、製鋼スラグSを加熱するための燃料原単位を低く抑えることができる。さらに、溶融改質処理の時間を短縮することができるので、粒鉄M中の鉄分の酸化も抑制でき、酸化されずに残留した鉄分量も増加するため、地金回収量を増加させることができる。また、粒鉄Mが溶融改質用容器10の底部の一部にまとまって溜まっているため、粒鉄Mが底部の全体に分散して存在している場合よりも粒鉄Mの回収が容易となるとともに、酸化される鉄分量も減少するため、地金回収量を増加させることができる。
本実施形態では、粒鉄溜部13に、溜まった粒鉄を外部に排出して溶融状態の粒鉄(地金)を回収する粒鉄回収手段の一例としての溶融地金回収孔15が設けられている。この溶融地金回収孔15は、溶融改質用容器10の外部と連通するように、粒鉄溜部13の底部に1つまたは2つ以上設けることができる。
ただし、本発明に係る溶融改質用容器においては、必ずしも溶融地金回収孔15等の粒鉄回収手段を設ける必要はない。溶融地金回収孔15を設けない場合には、改質処理後、溶融改質用容器を傾動させ、改質後の溶融状態の製鋼スラグSを排出して、粒鉄Mを残留させることにより、残留した粒鉄Mを回収することができる。しかし、この場合には、粒鉄Mがある程度の量は製鋼スラグSと一緒に排出されてしまうため、地金の回収量はある程度減少してしまう。
一方、本実施形態のように、溶融地金回収孔15のような粒鉄回収手段を設ければ、沈降した粒鉄Mを下方から回収することができるので、製鋼スラグSと一緒に外部へ流出することもないため、地金回収量を増加させることができる。また、溶融して粒鉄Mが沈降した後に、溶融改質処理を行いながら溶融地金回収孔15から粒鉄Mを回収することにより、粒鉄M中の炭素と製鋼スラグS中のFeOや攪拌用の酸素ガスGとの反応をより起こりにくくすることができる。
[第2の実施形態]
次に、図2を参照しながら、本発明の第2の実施形態に係る溶融改質用容器20の構成について説明する。図2(a)は、本発明の第2の実施形態に係る溶融改質用容器20の構成を示す断面図であり、図2(b)は、図2(a)の溶融改質容器20の底部をスラグ湯面側から見た上面図である。
本実施形態に係る溶融改質用容器20は、上述した第1の実施形態に係る溶融改質用容器10とは、その底部の構造が異なるが、それ以外の部分については同様であるので、以下では、第1の実施形態の場合と異なる部分を中心に説明する。
溶融改質用容器20は、溶銑予備処理スラグ等の製鋼スラグSの溶融改質処理に反応容器として使用される。図2に示すように、溶融改質用容器20は、上面が開口し、底面が閉塞された容器であり、その形状は、底部の水平断面が略矩形状で、底面から上面に行くほど水平断面の断面積が大きくなるような形状となっている。この溶融改質用容器20には、例えば、製鋼工程から排出された溶融状態の製鋼スラグ(溶銑予備処理スラグ)Sが溶融状態のまま装入される。
溶融改質用容器20の上方には、溶融改質用容器20に装入された製鋼スラグSを加熱するための溶射バーナ110と、製鋼スラグSを攪拌するためのガス攪拌ランス120とが配置される。これらの溶射バーナ110とガス攪拌ランス120の構造や機能等については、上述した第1の実施形態の場合と同様であるので、詳細な説明を省略する。
ここで、上述した第1の実施形態の場合と同様に、粒鉄Mは、溶融した後に製鋼スラグSとの比重差により、溶融改質用容器20の底部に沈降する。そして、この沈降した粒鉄M中の炭素と製鋼スラグS中のFeOや攪拌用の酸素ガスGとの反応によりCO気泡が発生し、製鋼スラグSのフォーミングが発生してしまう。
そこで、本実施形態に係る溶融改質用容器20には、その底部に、傾斜面21と、粒鉄溜部23とを設けることにより、粒鉄Mを溶融改質用容器20の底部の一部に溜まるようにしている。以下、本実施形態に係る溶融改質用容器20の構造及びその作用効果について詳細に説明する。
傾斜面21は、製鋼スラグS中に懸濁して分散されている溶融状態の粒鉄Mを沈降させる。本実施形態においては、溶融改質用容器20の底部は、4つの傾斜面21からなる四角錐状に設けられている。また、粒鉄溜部23は、4つの傾斜面21の低位置側(溶融改質用容器20の底面側)であって、溶融改質用容器20の底部の周縁部を囲むように位置し、傾斜面21を伝って沈降した溶融状態の粒鉄Mが溜められる。
なお、本実施形態では、溶融改質用容器20の底部は、4つの傾斜面21からなる四角錐状となっているが、底部の形状は四角錐には限られず、例えば、円錐や四角錐以外の多角錐の形状であってもよい。また、溶融改質容器20の底部の全体で円錐や多角錐を形成している必要はなく、例えば、溶融改質容器20の底部の一部が円錐や多角錐形状となっており、他の部分が平坦面というような構造であってもよい。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態の場合と同様に、粒鉄溜部23が溶融改質用容器20の底部の周縁部に設けられている。この理由については上述したので、ここでは詳細な説明を省略する。また、溶融改質用容器20の底部に上記のような傾斜面21や粒鉄溜部23を設ける方法についても、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
このように、本実施形態に係る溶融改質用容器20によれば、底部に傾斜面21及び粒鉄溜部23を設ける、すなわち、底部の形状を円錐または多角錐形状にすることにより、沈降した溶融状態の粒鉄Mが、底部の周縁部を囲むように位置する粒鉄溜部23に溜まるようになる。その結果、傾斜面21及び粒鉄溜部23を設けず、溶融金属用容器20の底面全体を平坦面とした場合と比べ、粒鉄M中の炭素と製鋼スラグS中のFeOや攪拌用酸素ガスGとの反応面積を減少させることができるため、COガスの気泡の発生箇所は溶融金属用容器20の底部の一部(本実施形態では、底部の周縁部を囲むように位置する粒鉄溜部23)に限定され、COガス発生量のトータル量も減少させることができ、従来よりもCO気泡の発生を顕著に抑制することができる。
従って、溶融改質処理時にCO気泡の発生が抑制され、製鋼スラグSのフォーミングも抑制されるので、改質処理後の製鋼スラグSに気泡が残存せず、緻密で、強度が高いスラグを得ることができる。また、溶融改質処理時にCO気泡の発生が抑制されるので、粒鉄M中の炭素を全て反応させて気泡の残留をなくすために改質処理の時間を長くする必要がない。そのため、溶融改質処理の時間を従来よりも短縮することができ、これにより、製鋼スラグSを加熱するための燃料原単位を低く抑えることができる。さらに、溶融改質処理の時間を短縮することができるので、粒鉄M中の鉄分の酸化も抑制できるので、酸化されずに残留した鉄分量も増加するため、地金回収量を増加させることができる。また、粒鉄Mが溶融改質用容器20の底部の一部にまとまって溜まっているため、粒鉄Mが底部の全体に分散して存在している場合よりも粒鉄Mの回収が容易となるとともに、酸化される鉄分量も減少するため、地金回収量を増加させることができる。
[第3の実施形態]
次に、図3を参照しながら、本発明の第3の実施形態に係る溶融改質用容器30の構成について説明する。図3(a)は、本発明の第3の実施形態に係る溶融改質用容器30の構成を示す断面図であり、図3(b)は、図3(a)の溶融改質容器30の底部をスラグ湯面側から見た上面図である。
本実施形態に係る溶融改質用容器30は、上述した第1の実施形態に係る溶融改質用容器10とは、その底部の構造が異なるが、それ以外の部分については同様であるので、以下では、第1の実施形態の場合と異なる部分を中心に説明する。
溶融改質用容器30は、溶銑予備処理スラグ等の製鋼スラグSの溶融改質処理に反応容器として使用される。図3に示すように、溶融改質用容器30は、上面が開口し、底面が閉塞された容器であり、その形状は、底部の水平断面が略矩形状で、底面から上面に行くほど水平断面の断面積が大きくなるような形状となっている。この溶融改質用容器30には、例えば、製鋼工程から排出された溶融状態の製鋼スラグ(溶銑予備処理スラグ)Sが溶融状態のまま装入される。
溶融改質用容器30の上方には、溶融改質用容器30に装入された製鋼スラグSを加熱するための溶射バーナ110と、製鋼スラグSを攪拌するためのガス攪拌ランス120とが配置される。これらの溶射バーナ110とガス攪拌ランス120の構造や機能等については、上述した第1の実施形態の場合と同様であるので、詳細な説明を省略する。
ここで、上述した第1の実施形態の場合と同様に、粒鉄Mは、溶融した後に製鋼スラグSとの比重差により、溶融改質用容器30の底部に沈降する。そして、この沈降した粒鉄M中の炭素と製鋼スラグS中のFeOや攪拌用の酸素ガスGとの反応によりCO気泡が発生し、製鋼スラグSのフォーミングが発生してしまう。
そこで、本実施形態に係る溶融改質用容器30には、その底部に、傾斜面31と、粒鉄溜部33とを設けることにより、粒鉄Mを溶融改質用容器30の底部の一部に溜まるようにしている。以下、本実施形態に係る溶融改質用容器30の構造及びその作用効果について詳細に説明する。
傾斜面31は、製鋼スラグS中に懸濁して分散されている溶融状態の粒鉄Mを沈降させる。本実施形態においては、溶融改質用容器30の底部は、その中央部から互いに反対方向の周縁部へ向かって傾斜している2つの傾斜面31からなる屋根状に設けられている。また、粒鉄溜部33は、2つの傾斜面31の低位置側(溶融改質用容器30の底面側)であって、溶融改質用容器30の底部の周縁部(2つの傾斜面31に対応して、互いに対辺となる位置)に位置し、傾斜面31を伝って沈降した溶融状態の粒鉄Mが溜められる。
なお、本実施形態では、溶融改質用容器30の底部は、2つの傾斜面31からなる屋根状となっているが、底部の形状は2つの傾斜面からなる屋根状には限られず、例えば、2つの傾斜面を一組の屋根状部分として、複数組の屋根状部分が並列しているような構造であってもよい。また、溶融改質容器30の底部の全体が屋根状になっている必要はなく、例えば、溶融改質容器30の底部の一部が屋根状となっており、他の部分が平坦面というような構造であってもよい。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態の場合と同様に、粒鉄溜部33が溶融改質用容器30の底部の周縁部に設けられている。この理由については上述したので、ここでは詳細な説明を省略する。また、溶融改質用容器30の底部に上記のような傾斜面31や粒鉄溜部33を設ける方法についても、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
このように、本実施形態に係る溶融改質用容器30によれば、底部に傾斜面31及び粒鉄溜部33を設ける、すなわち、底部の形状を屋根状にすることにより、沈降した溶融状態の粒鉄Mが、底部の周縁部(2つの傾斜面31に対応して、互いに対辺となる位置)に位置する粒鉄溜部33に溜まるようになる。その結果、傾斜面31及び粒鉄溜部33を設けず、溶融金属用容器30の底面全体を平坦面とした場合と比べ、粒鉄M中の炭素と製鋼スラグS中のFeOや攪拌用酸素ガスGとの反応面積を減少させることができるため、COガスの気泡の発生箇所は溶融金属用容器30の底部の一部(本実施形態では、底部の周縁部に位置する粒鉄溜部33)に限定され、COガス発生量のトータル量も減少させることができ、従来よりもCO気泡の発生を顕著に抑制することができる。
従って、溶融改質処理時にCO気泡の発生が抑制され、製鋼スラグSのフォーミングも抑制されるので、改質処理後の製鋼スラグSに気泡が残存せず、緻密で、強度が高いスラグを得ることができる。また、溶融改質処理時にCO気泡の発生が抑制されるので、粒鉄M中の炭素を全て反応させて気泡の残留をなくすために改質処理の時間を長くする必要がない。そのため、溶融改質処理の時間を従来よりも短縮することができ、これにより、製鋼スラグSを加熱するための燃料原単位を低く抑えることができる。さらに、溶融改質処理の時間を短縮することができるので、粒鉄M中の鉄分の酸化も抑制できるので、酸化されずに残留した鉄分量も増加するため、地金回収量を増加させることができる。また、粒鉄Mが溶融改質用容器30の底部の一部にまとまって溜まっているため、粒鉄Mが底部の全体に分散して存在している場合よりも粒鉄Mの回収が容易となるとともに、酸化される鉄分量も減少するため、地金回収量を増加させることができる。
[第4の実施形態]
次に、図4を参照しながら、本発明の第4の実施形態に係る溶融改質用容器40の構成について説明する。図4(a)は、本発明の第4の実施形態に係る溶融改質用容器40の構成を示す断面図であり、図4(b)は、図4(a)の溶融改質容器40の底部をスラグ湯面側から見た上面図である。
本実施形態に係る溶融改質用容器40は、上述した第1の実施形態に係る溶融改質用容器10とは、その底部の構造が異なるが、それ以外の部分については同様であるので、以下では、第1の実施形態の場合と異なる部分を中心に説明する。
溶融改質用容器40は、溶銑予備処理スラグ等の製鋼スラグSの溶融改質処理に反応容器として使用される。図4に示すように、溶融改質用容器40は、上面が開口し、底面が閉塞された容器であり、その形状は、底部の水平断面が略矩形状で、底面から上面に行くほど水平断面の断面積が大きくなるような形状となっている。この溶融改質用容器40には、例えば、製鋼工程から排出された溶融状態の製鋼スラグ(溶銑予備処理スラグ)Sが溶融状態のまま装入される。
溶融改質用容器40の上方には、溶融改質用容器40に装入された製鋼スラグSを加熱するための溶射バーナ110と、製鋼スラグSを攪拌するためのガス攪拌ランス120とが配置される。これらの溶射バーナ110とガス攪拌ランス120の構造や機能等については、上述した第1の実施形態の場合と同様であるので、詳細な説明を省略する。
ここで、上述した第1の実施形態の場合と同様に、粒鉄Mは、溶融した後に製鋼スラグSとの比重差により、溶融改質用容器40の底部に沈降する。そして、この沈降した粒鉄M中の炭素と製鋼スラグS中のFeOや攪拌用の酸素ガスGとの反応によりCO気泡が発生し、製鋼スラグSのフォーミングが発生してしまう。
そこで、本実施形態に係る溶融改質用容器40には、その底部に、傾斜面41と、粒鉄溜部43とを設けることにより、粒鉄Mを溶融改質用容器40の底部の一部に溜まるようにしている。以下、本実施形態に係る溶融改質用容器40の構造及びその作用効果について詳細に説明する。
傾斜面41は、製鋼スラグS中に懸濁して分散されている溶融状態の粒鉄Mを沈降させる。本実施形態においては、溶融改質用容器40の底部の一部が一側から他側に向けて傾斜している単一の傾斜面である。また、粒鉄溜部43は、傾斜面41の低位置側(溶融改質用容器40の底面側)に位置し、傾斜面41を伝って沈降した溶融状態の粒鉄Mが溜められる。
また、本実施形態では、粒鉄溜部43は、その底部の少なくとも一部に平坦面43aを有している。なお、図4では、粒鉄溜部43の底部の全面が平坦面43aとなっているが、必ずしも全面が平坦面である必要はなく、粒鉄溜部43の底部の一部が平坦面となっていてもよい。
このように、粒鉄溜部43の底部の少なくとも一部に平坦面43aが設けられている場合、溶融改質用容器40が底部に傾斜面41を有しないと仮定した場合の溶融改質用容器40の底面の面積に対して、粒鉄溜部43の平坦面43aの面積の割合が50%以下であることが好ましい。より詳細に説明すると、「溶融改質用容器40が底部に傾斜面41を有しないと仮定した場合」とは、溶融改質用容器40の底部が、図4に2点鎖線で示したように、底部の全面が平坦面となっている場合のことであり、「溶融改質用容器40が底部に傾斜面41を有しないと仮定した場合の溶融改質用容器40の底面」とは、図4の下図(上面図)に示したように、線分PQ、QU、UT、TPで囲まれた四角形PQUTとなる。また、平坦面43aは、図4の下図に示したように、線分RS、SU、UT,TRで囲まれた四角形RSUTとなる。従って、本実施形態においては、四角形PQUTの面積に対する四角形RSUTの面積比が50%以下となることが好ましい。
溶融改質用容器40が底部に傾斜面41を有しないと仮定した場合の溶融改質用容器40の底面の面積に対して、粒鉄溜部43の平坦面43aの面積の割合が50%以下であることが好ましいとしたのは、改質処理の処理能力、処理時間、回収地金(Fe)量等の通常の操業条件を考慮して、CO気泡の発生を十分に抑制して、製鋼スラグSのフォーミングを抑制し、改質処理の処理時間を大幅に短縮でき、地金回収量を増加させることが可能な範囲として実験的に得られた知見に基づいて設定したものである。
ここで、図5を参照しながら、粒鉄溜部43の平坦面43aの面積の割合が50%以下であることが好ましいとした理由について、さらに具体的に説明する。図5は、本発明者らが以下に示す条件で行った実験により得られた本実施形態に係る溶融改質容器40において、底部の平坦面43aの面積率(%)と改質処理に要する時間との関係の一例を示すグラフである。
なお、図5の縦軸は改質処理に要する時間を示しているが、この改質処理に要する時間として、溶融改質用容器40の底部の全体が平坦面であるとした場合の処理時間を1とした場合の処理時間を示す処理時間指標を用いている。より詳細には、図5における「処理時間指標」は、下記表1に示す組成の製鋼工程からの溶銑予備処理スラグ25トン(スラグ中の改質処理前の粒鉄量は、スラグ100質量部に対して30質量部)を図4に示した溶融改質用容器40に排滓後、バーナによって溶融状態の溶銑予備処理スラグを加熱しながら、改質材として石炭灰を6400kg/hの速度で溶射して、下記表2に示す組成のスラグとなるように改質処理を行った場合に、溶融改質用容器40の底部の全体が平坦面であるとした場合の処理時間を1とした場合の処理時間を示している。このとき、溶融改質用容器40の底部の平坦面43aの面積率(%)が相違する種々の容器を用いて、改質処理の処理時間を上記処理時間指標として評価した結果を図5に示している。
その結果、図5に示すように、平坦面43aの面積率が50%以下となると、急激に処理時間が短縮されるようになることがわかった。この理由を、本発明者らは以下のように考えている。
上述したように、溶射バーナは、製鋼スラグを均一に加熱し、改質材が均一に分散されるように、通常、溶融改質用容器の中央部付近に配置される。この場合、溶融改質用容器中のスラグのうち溶射バーナの直下の部分が最も温度が高くなる。また、スラグ中のFeOあるいはFeと粒鉄中のCとの反応速度は、温度が高い程、指数関数的に大きくなる。従って、溶融改質用容器の底部の平坦面の面積率が50%以上であると、平坦面がバーナ直下の高温部にかかる面積が大きくなるため、スラグ中のFeOあるいはFeと粒鉄中のCとの反応によるCOガスの発生が多くなり、フォーミングが増大することとなる。ここで、フォーミングが激しく発生すると、改質処理を一旦中断し、スラグの沈静化を図る必要があるため、それに伴い、改質処理の処理時間も長くなる(処理能力が低下する)。以上のような理由により、平坦面43aの面積率が50%以下となると、急激に処理時間が短縮されるものと考えられる。
なお、本実施形態においても、第1の実施形態の場合と同様に、粒鉄溜部43が溶融改質用容器40の底部の周縁部に設けられている。この理由については上述したので、ここでは詳細な説明を省略する。また、溶融改質用容器40の底部に上記のような傾斜面41や粒鉄溜部43(及び平坦面43a)を設ける方法についても、上述した第1の実施形態の場合と同様である。
このように、本実施形態に係る溶融改質用容器40によれば、底部に傾斜面41及び粒鉄溜部43を設ける、すなわち、底部の形状を一方の周縁部から他方の周縁部に向けて傾斜をつけた形状にすることにより、沈降した溶融状態の粒鉄Mがいずれかの一方の周縁部に位置する粒鉄溜部43に溜まるようになる。その結果、傾斜面41及び粒鉄溜部43を設けず、溶融金属用容器40の底面全体を平坦面とした場合と比べ、粒鉄M中の炭素と製鋼スラグS中のFeOや攪拌用酸素ガスGとの反応面積を減少させることができるため、COガスの気泡の発生箇所は溶融金属用容器40の底部の一部(本実施形態では、いずれかの一方の周縁部に位置する粒鉄溜部43)に限定され、COガス発生量のトータル量も減少させることができ、従来よりもCO気泡の発生を顕著に抑制することができる。
従って、溶融改質処理時にCO気泡の発生が抑制され、製鋼スラグSのフォーミングも抑制されるので、改質処理後の製鋼スラグSに気泡が残存せず、緻密で、強度が高いスラグを得ることができる。また、溶融改質処理時にCO気泡の発生が抑制されるので、粒鉄M中の炭素を全て反応させて気泡の残留をなくすために改質処理の時間を長くする必要がない。そのため、溶融改質処理の時間を従来よりも短縮することができ、これにより、製鋼スラグSを加熱するための燃料原単位を低く抑えることができる。さらに、溶融改質処理の時間を短縮することができるので、粒鉄M中の鉄分の酸化も抑制できるので、酸化されずに残留した鉄分量も増加するため、地金回収量を増加させることができる。また、粒鉄Mが溶融改質用容器40の底部の一部にまとまって溜まっているため、粒鉄Mが底部の全体に分散して存在している場合よりも粒鉄Mの回収が容易となるとともに、酸化される鉄分量も減少するため、地金回収量を増加させることができる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例及び比較例では、底面の形状が異なる溶融改質用容器を用いて、表3に示す組成の溶銑予備処理スラグを、以下に説明する条件で、表4に示す組成の石炭灰を用いて溶融改質処理した後のスラグの吸水率及び圧縮強度を測定した。なお、本実施例において、吸水率は、JIS A 1109及びJIS A 1135に準拠して測定し、圧縮強度は、JIS A 1132に準拠して測定した。
(実施例1)
本実施例では、製鋼工程からの溶銑予備処理スラグ25トン(スラグ中の改質処理前の粒鉄量は、スラグ100質量部に対して30質量部)を図1に示した溶融改質用容器に排滓後、バーナによって溶融状態の溶銑予備処理スラグを加熱しながら、改質材として石炭灰を6400kg/hの速度で20分間溶射して改質処理を行った。この間、改質処理を中断せざるを得ない程のフォーミング現象は発生しなかった。その後、溶融改質用容器を傾け、改質処理後のスラグを凝固用容器に排出した。排出したスラグの質量は19トンであった。溶融改質用容器に残留したスラグと地金分は、別の容器に排出し、スラグと地金分とに分別回収した。この別の容器から得られたスラグ量は0.9トン、地金量は7.2トンであった。改質処理前の粒鉄量は7.5トン(=25トン×30質量%)であったので、約96%の粒鉄が地金として回収できたことになる。一方、凝固用容器に排出したスラグ19トンは、冷却後、各用途ごとのサイズに粉砕した。得られたスラグの吸水率は0.7質量%、圧縮強度は40N/mm、と砂や骨材、割栗石等として十分使用可能な品質であった。
(実施例2)
本実施例では、製鋼工程からの溶銑予備処理スラグ25トン(スラグ中の改質処理前の粒鉄量は、スラグ100質量部に対して30質量部)を図4に示した溶融改質用容器(平坦面の面積率が20%)に排滓後、バーナによって溶融状態の溶銑予備処理スラグを加熱しながら、改質材として石炭灰を6400kg/hの速度で20分間溶射して改質処理を行った。この間、改質処理を中断せざるを得ない程のフォーミング現象は発生しなかった。その後、溶融改質用容器を傾け、改質処理後のスラグを凝固用容器に排出した。排出したスラグの質量は19.3トンであった。溶融改質用容器に残留したスラグと地金分は、別の容器に排出し、スラグと地金分とに分別回収した。この別の容器から得られたスラグ量は1トン、地金量は6.8トンであった。改質処理前の粒鉄量は7.5トン(=25トン×30質量%)であったので、約91%の粒鉄が地金として回収できたことになる。一方、凝固用容器に排出したスラグ19.3トンは、冷却後、各用途ごとのサイズに粉砕した。得られたスラグの吸水率は0.9質量%、圧縮強度は38N/mm、と砂や骨材、割栗石等として十分使用可能な品質であった。
(比較例1)
本比較例では、製鋼工程からの溶銑予備処理スラグ25トン(スラグ中の改質処理前の粒鉄量は、スラグ100質量部に対して30質量部)を底面の全部が平坦面となっている溶融改質用容器に排滓後、バーナーによって溶融状態の溶銑予備処理スラグを加熱しながら、改質材として石炭灰を6400kg/hの速度で溶射して改質処理を行った。この間、激しいフォーミング現象が継続して発生し、フォーミング現象が収まるまで一旦処理を中断せざるを得ない状況が何度もあった。この処理中断時間を含めると、本比較例における改質処理は、全体で40分の処理時間を要した。改質処理後、溶融改質用容器を傾け、改質処理後のスラグを凝固用容器に19トン排出した。しかし、スラグには多数の気泡や粒鉄が目視で確認でき、崩壊しやすいスラグであった。溶融改質用容器に残留したスラグと地金分は、別の容器に排出し、スラグと地金分とに分別回収した。この別の容器から得られたスラグ量は2.1トン、地金量は6トンであった。改質処理前の粒鉄量は7.5トン(=25トン×30質量%)であったので、約80%の粒鉄しか地金として回収できなかったことになる。一方、凝固用容器に排出したスラグ19トンは、冷却後、品質評価を行ったが、得られたスラグの吸水率は6.5質量%と極めて高く、圧縮強度は5N/mmと小さく、砂や骨材、割栗石等としては使用不可能な品質であった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本発明に係る溶融改質用容器の底部の形状は、上述した第1から第4の実施形態に係る溶融改質用容器の底部の形状には限られず、傾斜面と粒鉄溜部を有する形状であれば、いかなる形状であってもよい。例えば、バーナを配置する位置が溶融改質用容器の中央部に設定されていない場合、溶融改質用容器の中央部に粒鉄溜部が位置し、周縁部から中央部に向かって下方に傾斜している傾斜面を有するような形状であってもよい。また、本発明に係る溶融改質用容器において、傾斜面と粒鉄溜部の数も特に限定はされない。
(a)は、本発明の第1の実施形態に係る溶融改質用容器の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)の溶融改質容器の底部をスラグ湯面側から見た上面図である。 (a)は、本発明の第2の実施形態に係る溶融改質用容器の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)の溶融改質容器の底部をスラグ湯面側から見た上面図である。 (a)は、本発明の第3の実施形態に係る溶融改質用容器の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)の溶融改質容器の底部をスラグ湯面側から見た上面図である。 (a)は、本発明の第4の実施形態に係る溶融改質用容器の構成を示す断面図であり、(b)は、(a)の溶融改質容器の底部をスラグ湯面側から見た上面図である。 本発明の第4の実施形態に係る溶融改質容器において、底部の平坦面の面積率(%)と改質処理に要する時間との関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
10,20,30,40 溶融改質用容器
11,21,31,41 傾斜面
13,23,33,43 粒鉄溜部
15 溶融地金回収孔
43a 平坦面
110 溶射バーナ
120 ガス攪拌ランス
S 製鋼スラグ
M (溶融状態の)粒鉄
F 石炭灰
G 攪拌用ガス

Claims (7)

  1. 製鋼スラグの溶融改質処理に反応容器として使用される製鋼スラグの溶融改質用容器であって、
    前記溶融改質用容器の底部は、
    前記製鋼スラグ中に分散されている粒鉄を沈降させる少なくとも1つ以上の傾斜面と、
    前記傾斜面の低位置側の少なくとも1箇所以上に配置され、沈降した前記粒鉄が溜められる粒鉄溜部と、
    を有することを特徴とする、製鋼スラグの溶融改質用容器。
  2. 前記粒鉄溜部には、溜まった前記粒鉄を外部に排出して回収する粒鉄回収手段が少なくとも1つ以上設けられることを特徴とする、請求項1に記載の製鋼スラグの溶融改質用容器。
  3. 前記粒鉄溜部は、底部の少なくとも一部に平坦面を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の製鋼スラグの溶融改質用容器。
  4. 前記溶融改質用容器が底部に前記傾斜面を有しないと仮定した場合の前記溶融改質用容器の底面の面積に対して、前記粒鉄溜部の平坦面の面積の割合が50%以下であることを特徴とする、請求項3に記載の製鋼スラグの溶融改質用容器。
  5. 前記傾斜面は、前記製鋼スラグの溶融改質用容器の底部の少なくとも一部が、一側から他側に向けて傾斜している単一の傾斜面であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の製鋼スラグの溶融改質用容器。
  6. 前記傾斜面は、1つ又は2つ以上の前記傾斜面からなる円錐又は多角錐状に設けられることを特徴とする、請求項1〜4に記載の製鋼スラグの溶融改質用容器。
  7. 前記傾斜面は、前記製鋼スラグの溶融改質用容器の底部の中央部から両端部に向けて傾斜している2つの傾斜面であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の製鋼スラグの溶融改質用容器。


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