JP2010018498A - カーボンナノチューブの製造方法及びカーボンナノチューブ - Google Patents

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Abstract

【課題】気相成長法で得た多層のカーボンナノチューブに、その生成温度を超える高温加熱処理を施す従来のカーボンナノチューブの製造方法の課題を解消する。
【解決手段】加熱雰囲気内に炭素源ガスを流通し、前記炭素源ガスと接触する触媒の表面から多層のカーボンナノチューブを成長させる触媒気相成長法によってカーボンナノチューブを製造する際に、前記触媒として、鉄含有の鉱物粉末を用いることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明はカーボンナノチューブの製造方法及びカーボンナノチューブに関し、更に詳細には加熱雰囲気内に炭素源ガスを流通し、前記炭素源ガスと接触する触媒の表面から多層のカーボンナノチューブが成長する触媒気相成長法によるカーボンナノチューブの製造方法及びカーボンナノチューブに関する。
カーボンナノチューブの製造方法としては、加熱雰囲気内に炭素源ガスを流通して、炭素源ガスと接触する金属触媒の表面から多層のカーボンナノチューブを成長させる触媒気相成長法がある(例えば下記特許文献1、特許文献2参照)。
この触媒気相成長法では、金属触媒が存在し且つカーボンナノチューブが形成される温度に加熱された加熱雰囲気内に、メタン等の炭化水素と水素又はアルゴン等のキャリアガスとの混合ガスを導入し、混合ガスと接触する金属触媒の表面から多層のカーボンナノチューブを成長させる。
かかる触媒気相成長法で用いられる金属触媒としては、主として鉄、コバルト、ニッケル等が用いられ、特に鉄が汎用されている。
この金属触媒としての鉄は、フェロセン等の有機鉄化合物を用いる方法(例えば下記特許文献3参照)、或いはアルミナ、シリカ、マグネシア等のセラミックに鉄を担持する方法(例えば特許文献4、特許文献5、特許文献6及び特許文献7参照)がある。
特開昭52−103528号公報 特公昭62−242号公報 特開平8−60446号公報 特開2004−182548号公報 特開2005−272261号公報 特開2006−232643号公報 特開昭62−500943号公報
かかる触媒気相成長法では、多層のカーボンナノチューブを安定して得ることができ、現在、カーボンナノチューブの量産方法として採用されている。
しかし、従来の触媒気相成長法で得られたカーボンナノチューブは、そのままでは結晶化度が低いため、電導度、熱伝導度、強度が低く実用に供するには種々の問題が存在する。また、カーボンナノチューブの表面は、熱分解炭素被覆層で覆われている。
このため、従来の触媒気相成長法で得られたカーボンナノチューブは、その用途によっては、その生成温度を超える温度での高温加熱処理が施される。かかる高温加熱処理での加熱温度は、通常、2000℃以上である。
この様な、高温加熱処理は、煩雑な作業で且つエネルギー的にも損失が伴う。また、高温加熱処理を施すことによって、カーボンナノチューブの表面を覆っていた熱分解炭素被覆層の結晶化度を向上できるものの、分散剤等を用いるなど、前処理をしなければ樹脂等との分散が不十分となることが判明した。
一方、高温加熱処理が未処理のカーボンナノチューブは、高温加熱処理を施したカーボンナノチューブに比較して、樹脂等との分散性が良好となる傾向があることも判明した。
また、従来の金属触媒として、フェロセン等の有機鉄化合物を用いる方法、或いはアルミナ、シリカ、マグネシア等のセラミックに鉄を担持する方法では、触媒の製造コストが高価であり、カーボンナノチューブの製造コストが高価となっている。
そこで、本発明は、高結晶化度の多層のカーボンナノチューブを得るべく、触媒気相成長法で得たカーボンナノチューブに、その生成温度を超える高温加熱処理を施す従来のカーボンナノチューブの製造方法の課題を解消し、触媒気相成長法のみで高結晶化度の多層のカーボンナノチューブを安価で得られるカーボンナノチューブの製造方法及びカーボンナノチューブを提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく種々検討した結果、触媒として鉄含有のガーネット粉末を用いたところ、触媒気相成長法のみで実用に耐え得る高結晶化度の多層のカーボンナノチューブを得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、加熱雰囲気内に炭素源ガスを流通して、前記炭素源ガスと接触する触媒の表面から多層のカーボンナノチューブを成長させる触媒気相成長法によってカーボンナノチューブを製造する際に、前記触媒として、鉄含有の鉱物粉末を用いることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法にある。
かかる本発明において、鉄含有の鉱物粉末として、炭素源ガスを流通する加熱雰囲気温度下で安定な鉄含有の鉱物粉末、特に2価の鉄(Fe2+)を含む鉄含有の鉱物粉末、就中、鉄含有のガーネット粉末又は鉄含有のかんらん石を好適に用いることができる。
この触媒として用いる鉄含有の鉱物粉末として、予め炭素源ガスを流通する加熱雰囲気温度以上の温度下で加熱処理を施した鉱物粉末を用いることによって、触媒単位重量当たりの多層カーボンナノチューブの収量を増加できる。
更に、炭素源ガスとして、炭素数が2個以上で且つC−Cの一重結合を有する炭素源ガスを好適に用いることができ、特にエタン、プロパン、ブタン、ペンタン及びヘキサンから成る群から選らばれた一種又は複数種の炭素源ガスを好適に用いることができる。
また、本発明は、触媒が存在し且つ所定温度に保持された加熱雰囲気内に炭素源ガスを流通する触媒気相成長法によって得られ、且つ前記加熱雰囲気の温度を超える高温での高温加熱処理が施されていない多層のカーボンナノチューブであって、前記カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真において、前記カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の主たる部分が、互いに平行状態の層によって形成されていることを特徴とするカーボンナノチューブにある。
かかる本発明において、カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の中央部及びその近傍を形成する層が互いに平行状態の層によって形成されていることが好ましい。
具体的には、カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の任意の箇所を幅方向に三等分したうち、その中間部分の幅で且つ前記カーボンナノチューブの長手方向に沿った長さ10nmの四角形の領域を形成する複数層が互いに平行状態であることが好ましい。
更に、本発明は、加熱雰囲気内に炭素源ガスを流通する触媒気相成長法によって得られ、且つ前記加熱雰囲気温度を超える温度での高温加熱処理が施されていない多層のカーボンナノチューブであって、前記カーボンナノチューブのラマンスペクトルが、その1300cm−1付近の吸収ピークDと1600cm−1付近の吸収ピークGとの比(D/G)が1.0以下であることを特徴とするカーボンナノチューブにある。
本発明によれば、触媒気相成長法のみで実用に耐え得る高結晶化度の多層のカーボンナノチューブを得ることができる。
その結果、触媒気相成長法で得られたカーボンナノチューブの結晶化度を向上すべく施す、その生成温度を超える高温加熱処理を省略でき、カーボンナノチューブの製造工程を簡略化でき且つ省エネルギーを図ることができる。
また、触媒として、鉄含有の鉱物粉末を用いるため、従来のフェロセン等の有機鉄化合物を触媒として用いる場合、或いはアルミナ、シリカ、マグネシア等のセラミックに鉄を担持したものを触媒として用いる場合に比較して、触媒コストを低減でき、カーボンナノチューブの製造コストの低減も図ることができる。
更に、本発明によって得られたカーボンナノチューブは、その表面が粗面に形成されており、比表面積を大とすることができ、樹脂等との分散性を向上できるものと期待できる。
本発明では、触媒として、鉄含有の鉱物粉末を用いることが肝要である。この鉄含有の鉱物としては、鉄含有のガーネット、鉄含有のかんらん石、鉄含有のスピネル、鉄含有の輝石、白鉄鉱、黄鉄鉱、鉄電気石、チタン鉄鉱、鉄重石、鉄マンガン重石、ギレスピー石、磁苦土鉱、鉄含有の珪砂等を挙げることができる。これらの鉱物は、製鉄原料、土木材、研磨材等に広く利用されており、高品質で且つ組成及び結晶構造が一定のものを安価に入手できる。
また、これらの鉄含有の鉱物粉末は、天然に産出した鉱物由来のものであってもよく、人工的に合成された鉱物由来のものであってもよい。
かかる鉄含有の鉱物粉末のうち、2価の鉄(Fe2+)を含む鉄含有の鉱物粉末、特に炭素源ガスを流通する加熱雰囲気温度下で安定な鉄含有の鉱物粉末のものが好ましい。炭素源ガスを流通する加熱雰囲気温度下で熱分解する鉄含有の鉱物粉末を用いると、カーボンナノチューブの収量が減少する傾向がある。
この様に、炭素源ガスを流通する加熱雰囲気温度下で安定であって、2価の鉄(Fe2+)を含む鉄含有の鉱物粉末としては、鉄含有のガーネット又は鉄含有のかんらん石を挙げることができる。工業的にガーネットは研磨材として用いられており、安価に入手できる。
この鉄含有のガーネットとしては、具体的には鉄ばん柘榴石[FeAl(SiO);almandine]又は灰鉄柘榴石[CaFe(SiO);andradite]等を挙げることができる。
かかる鉄含有の鉱物としては、粉末状として用いる。その粉末程度は、粉末の平均粒径が1mm以下とすることが好ましい。
この様に、粉末状とした所定量の鉄含有の鉱物粉末を、図1(a)に示す様に、アルミナボート10,10・・の各々に載置する。この載置は、所定量に計量した鉱物粉末をアルミナボート10内に直接載置してもよく、所定量に計量した鉱物粉末を水等の溶媒で分散した分散液をアルミナボート10内に挿入した後、溶媒を蒸発させてもよい。
所定量の鉄含有の鉱物粉末12が挿入されたアルミナボート10,10・・を加熱管14内に挿入して載置した後、電気炉16内に加熱管14ごと挿入する。
次いで、電気炉16によって加熱管14を所定温度に加熱しつつ、加熱管14の一方側から炭素源ガスとキャリアーガスとしてのアルゴン又は水素との混合ガスを導入し、加熱管14の他方側から混合ガスを抜き出す。
この炭素源ガスとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化水素、一酸化炭素、メタノール、エタノール等の低級アルコールを用いることができる。
かかる炭素源ガスとしては、炭素数が2個以上で且つC−Cの一重結合を有する炭素源ガスを好適に用いることができる。かかる炭素源ガスとしては、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン等の炭化水素、ベンゼン等の芳香族炭化水素を挙げることができる。特にエタン、プロパン、ブタン、ペンタン及びヘキサンから成る群から選らばれた一種又は複数種の炭素源ガスを好適に用いることができる。
ここで、ヘキサンとしては、ノルマル(n)−ヘキサンやシクロ(c)−ヘキサンを使用できるが、これらは室温で液体である。このため、図1(b)に示す様に、容器18内に貯留したn−ヘキサン又はc−ヘキサンから成る液体20内にアルゴンをバブリングして、n−ヘキサン又はc−ヘキサンの蒸気を含有するアルゴンを炭素源ガスとして、加熱管14に供給する。
この様に、所定量の鉄含有の鉱物粉末12が挿入されたアルミナボート10,10・・が挿入された加熱管14は、図2に示す様に、先ず、アルゴン又は水素のみを加熱管14内に供給しつつ、加熱管14内の温度を所定温度まで昇温する。所定温度まで昇温した後、アルゴン又は水素をキャリアガスとして使用して炭素源ガスを加熱管14内に所定時間供給する。次いで、加熱管14への炭素源ガスの供給を停止して、アルゴンのみを供給して冷却する。
また、電気炉16内の温度は、使用した炭素源ガスの熱分解温度に応じて調整する。具体的には400〜1200℃の範囲内で温度調整を図ることが好ましい。電気炉16内の温度を高温とするほど、得られるカーボンナノチューブが大径となる傾向にある。
本発明に係る製造方法によって得られた多層のカーボンナノチューブは、その生成温度(電気炉16内の温度)を超える温度での高温加熱処理が施されていないものである(以下、本発明のas-grownカーボンナノチューブと称する)。
かかる本発明で得られたas-grownカーボンナノチューブは、その透過型電子顕微鏡写真である図3に示す様に、カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の主たる部分が、互いに平行状態の層によって形成されている。
具体的には、図4に示す様に、本発明のas-grownカーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の任意の箇所を幅方向に三等分し、その中間部分の幅で且つカーボンナノチューブの長手方向に沿った長さ10nmの四角形の領域(図4の白線で囲まれた領域)を形成する複数層が互いに平行状態である。
一方、触媒として、フェロセンを用いた従来の多層のカーボンナノチューブの製造方法で得たas-grownカーボンナノチューブ(以下、従来のas-grownカーボンナノチューブと称することがある)は、その透過型電子顕微鏡写真である図5に示す様に、カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の大部分は、波状の層によって形成されている。この波状の層は、熱分解炭素被覆層である。
特に、図3及び図4に示す本発明のas-grownカーボンナノチューブでは、カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の中央部及びその近傍を形成する層が互いに平行状態の層によって形成されている。これに対し、図5に示す従来のas-grownカーボンナノチューブでは、その積層部の中央部及びその近傍は波状の層によって形成されており、図3及び図4に示す本発明のas-grownカーボンナノチューブとは大きく相違することは明らかである。
触媒としてガーネット等の鉄含有の鉱物粉末を用いた触媒気相成長法によって得られた本発明のas-grownカーボンナノチューブと、触媒としてセラミックに鉄を担持した鉄担持触媒を用いた従来の触媒気相成長法によって得られた従来のas-grownカーボンナノチューブとの相違については、そのメカニズムは未だ充分に充分に解明されていないが以下のように推察される。
つまり、本発明で用いるガーネット等の鉄含有の鉱物粉末では、図6(a)に示す様に、鉱物粉末を形成する酸化物結晶中に鉄原子(Fe2+)が原子レベルで分散して存在している。このため、ガーネット等の鉄含有の鉱物粉末を触媒として用いる触媒気相成長法では、図6(a)に示す様に、鉱物粉末の表面に拡散されてきた、炭素数が2個以上で且つC−Cの一重結合を有する炭素源ガスが熱分解されて発生した炭素ラジカルが、図6(b)に示す様に、鉱物粉末の表面及びその近傍の鉄原子を還元して還元鉄から成るクラスター22を形成する。かかる還元鉄のクラスター22の表面に接触する炭素が層状に積層されてカーボンナノチューブを形成する。
また、鉱物粉末の表面近傍には、内層の鉄原子が移動してきて、鉄原子濃度が内層よりも高くなることから、鉱物粉末の表面で発生した炭素ラジカルによって還元鉄のクラスター22は、図6(b)の矢印で示す様に、鉱物粉末と炭素源ガスとの接触時間と共に成長する。
更に、かかる還元鉄のクラスター22の成長に伴って、図6(b)に示す様に、クラスター22の外面に接触する炭素が順次層状に積層される結果、直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の主たる部分が、互いに平行状態の層によって形成されたカーボンナノチューブを得ることができるものと考えられる。
一方、従来の鉄担持触媒では、鉄が表面に散点状に露出しているのみである。このため、かかる従来の触媒として用いる触媒気相成長法では、触媒の表面に露出している鉄が炭素源ガス又は水素ガスによって還元されるのみであり、触媒として作用する部分は限定的である。
このため、所定領域に形成された還元鉄の外面に接触する炭素が順次層状に積層された触媒関与部分(図5に示すAの部分)の外側に、触媒が関与しないで形成された熱分解炭素被覆層(図5に示すBの部分)が形成される。
図3及び図4に示す本発明のas-grownカーボンナノチューブと図5に示す従来のas-grownカーボンナノチューブとのラマンスペクトルを図7に示す。図7において、吸収スペクトルAが図3及び図4に示す本発明のas-grownカーボンナノチューブの吸収スペクトルを示し、吸収スペクトルBが図5に示す従来のas-grownカーボンナノチューブの吸収スペクトルを示す。
図7に示す吸収スペクトルでは、その1300cm−1付近の吸収ピークDは、カーボンナノチューブを形成する結晶内の欠陥に基づく吸収であり、1600cm−1付近の吸収ピークGはカーボンナノチューブを形成する結晶に基づく吸収である。このため、吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)が小さい程、カーボンナノチューブの結晶化度が高いことを示す。
かかる観点から吸収スペクトルAと吸収スペクトルBとを比較すると、吸収スペクトルAの吸収ピークGは吸収ピークDよりも高いため、吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)は1未満である。これに対し、吸収スペクトルBの吸収ピークGは吸収ピークDよりも低く、吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)は1を越えている。
従って、吸収スペクトルAを呈する図3及び図4に示す本発明のas-grownカーボンナノチューブは、吸収スペクトルBを呈する図5に示す従来のas-grownカーボンナノチューブよりも高結晶化度である。
かかる図3及び図4の本発明のas-grownカーボンナノチューブのラマンスペクトルにおいて、吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)が1.0以下であることが好ましい。この吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)は、更に好ましくは0.8以下、特に好ましくは0.5以下、就中、0.3以下が好ましい。
但し、図3及び図4に示す本発明のas-grownカーボンナノチューブよりも更に一層の高結晶化度の多層カーボンナノチューブが必要である場合には、図3及び図4に示す本発明のas-grownカーボンナノチューブに更に加熱処理を施してもよい。この加熱処理は、図5に示す従来のas-grownカーボンナノチューブに施す高温加熱処理よりも簡易化できる。
以上の説明では、図1に示す様に、粉末状とした鉄含有の鉱物粉末12が載置されたアルミナボート10,10・・を加熱管14内に挿入して載置した後、電気炉16内に加熱管14ごと挿入し、次いで、電気炉16によって加熱管14を所定温度に加熱しつつ、加熱管14の一方側から炭素源ガスとキャリアーガスとしてのアルゴン又は水素との混合ガスを導入している。
ここで、触媒として用いる鉄含有の鉱物粉末12に、炭素含有ガスを導入する前に、予め加熱処理を施すことが好ましい。かかる加熱処理を予め施した鉄含有の鉱物粉末12に、炭素源ガスとキャリアーガスとしてのアルゴン又は水素との混合ガスを導入することによって、触媒単位重量当たりのカーボンナノチューブの収量を増大できる。
この鉄含有の鉱物粉末12に施す加熱処理としては、500〜1500℃の温度雰囲下であって、炭素源ガスを導入する際の加熱管14内の温度以上とすることが好ましい。更に、加熱雰囲気としては、酸化雰囲気中(空気中)、この加熱温度下で化学的に不活性な不活性ガス雰囲気中(窒素ガスやアルゴンガス中)或いは還元雰囲気中のいずれであってもよい。
また、この加熱処理は、加熱管14に挿入する前に予め粉末状とした鉄含有の鉱物粉末12に施してもよい。或いは、粉末状とした鉄含有の鉱物粉末12を載置したアルミナボート10,10・・を加熱管14内に挿入して載置した後、電気炉16内に加熱管14ごと挿入し、次いで、電気炉16によって加熱管14を所定温度に加熱しつつ、加熱管14の一方側から空気、アルゴンガス又は窒素ガスを導入して施してもよい。
この様に、触媒として用いる鉄含有の鉱物粉末12に、予め加熱処理を施すことによって、触媒単位重量当たりのカーボンナノチューブの収量を増大できる理由は、次の様に推察している。
鉄含有の鉱物粉末12に、予め加熱処理を施すことによって、鉱物粉末12の表面近傍の鉄濃度が内部よりも高くなっている。また、予め加熱処理を施した鉱物粉末12を用いて得られたカーボンナノチューブでは、加熱処理を施さなかった鉱物粉末を用いて得られたカーボンナノチューブよりも太いものが存在する。このことから、予め加熱処理を施した鉱物粉末12を用いることによって、図8に示す様に、予め加熱処理を施さなかった鉄含有の鉱物粉末を用いた場合に比較して、炭素源ガスの導入を開始した初期に大きな還元鉄から成るクラスター22が多数形成されることによるものと考えている。
尚、図1に示す様に、鉱物粉末12が載置したアルミナボート10,10・・を加熱管14内に挿入して載置し、鉱物粉末を静置した状態で所定温度に加熱しつつ、炭素源ガスとキャリアーガスとの混合ガスを導入してカーボンナノチューブを製造していたが、鉱物粉末を炭素源ガスとキャリアーガスとの混合ガスで浮遊させてカーボンナノチューブを製造してもよい。
触媒として、下記表1に示す組成の鉄ばん柘榴石[宇部サンド工業(株)製BARTON GARNET(商品名)]を用いた。この組成は、X線マイクロアナライザー(EPMA)を用いて測定した値である。また、鉄ばん柘榴石の平均粒径は約0.1mmであった。
この鉄ばん柘榴石の粉末300mgを長方形のアルミナボート10(幅25mm×長さ200mm)に載置し、図1に示す加熱管14内に挿入した後、電気炉16内に加熱管14ごと挿入して、加熱管14を所望温度に加熱した。
先ず、電気炉16によって加熱管14を850℃に加熱して、加熱管14の一方側からメタン(300ml/分)とキャリアーガスとしてのアルゴン(100ml/分)との混合ガスを導入し、加熱管14の他方側から混合ガスを抜き出す。この850℃での加熱処理を30分間行った。
次いで、加熱管14を冷却して、アルミナボート10を取り出し、鉄ばん柘榴石の粉末の粒子表面に黒色の針状体が成長していた。この黒色の針状体が、その生成温度を超える温度での高温加熱処理が施されていないas-grownカーボンナノチューブである。
かかるas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真を図3に示す。図3に示すカーボンナノチューブは、その直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の殆どの部分が、互いに平行状態の層によって形成されている。このため、カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の中央部及びその近傍が、互いに平行状態の層によって形成されている。また、図4に示す様に、カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の任意の箇所を三等分したうち、その中間部分の幅で且つカーボンナノチューブの長手方向に沿った長さ10nmの四角形の領域(図4に白線で示す四角形の領域)を形成する複数層が互いに平行状態でもある。
実施例1において、電気炉16によって加熱管14を850℃に加熱しつつ、加熱管14の一方側からメタン(300ml/分)とキャリアーガスとしてのアルゴン(100ml/分)との混合ガスを導入することに代えて、加熱管14を950℃に加熱しつつ、加熱管14の一方側からメタン(300ml/分)とキャリアーガスとしての水素(200ml/分)との混合ガスを導入し、加熱管14の他方側から混合ガスを抜き出す。この950℃での加熱処理を10分間行った他は、実施例1と同様にしてas-grownカーボンナノチューブを得た。得られたas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真は、図2に示すものと略同一であって、その直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の殆どの部分が、互いに平行状態の層によって形成されている。このため、カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の中央部及びその近傍が、互いに平行状態の層によって形成されている。
比較例1
縦型加熱炉(内径17.0cm,長さ150cm)の頂部に、スプレーノズルを取り付ける。加熱炉の炉内温度を1200℃に昇温・維持し、スプレーノズルから4wt%のフェロセンを含有するベンゼンの液体原料20g/分を100リットル/分の水素ガスの流量で炉壁に直接噴霧(スプレー)散布するように供給する。このような条件の下で、フェロセンは熱分解して鉄微粒子を作り、これがシード(種)となってベンゼンの熱分解による炭素によってカーボンナノチューブを成長させてas-grownカーボンナノチューブを得た。得られたas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真を図5に示す。図5に示す透過型電子顕微鏡写真では、その中空部を囲む積層部の大部分は波状の層によって形成されている。このため、図5に示すas-grownカーボンナノチューブでは、その積層部の内周面側の数層が層状に積層されているものの、積層部の中央部及びその近傍は波状の層(熱分解炭素被覆層)によって形成されており、その積層部の任意の箇所を三等分したうち、その中間部分の幅で且つカーボンナノチューブの長手方向に沿った長さ10nmの四角形の領域も波状の層によって形成されている。
実施例1及び比較例2で得られた多層カーボンナノチューブについてのラマンスペクトルを図7に示す。図7に示すラマンスペクトルのうち、吸収スペクトルAが実施例1で得たas-grownカーボンナノチューブの吸収スペクトルを示し、吸収スペクトルBが比較例1で得たas-grownカーボンナノチューブの吸収スペクトルを示す。
図7に示す吸収スペクトルAと吸収スペクトルBとを比較すると、吸収スペクトルAの吸収ピークGは吸収ピークDよりも高いため、吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)は0.51未満である。これに対し、吸収スペクトルBの吸収ピークGは吸収ピークDよりも低く、吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)は1.22である。
従って、吸収スペクトルAを示す実施例1のas-grownカーボンナノチューブは、吸収スペクトルBを示す比較例1のas-grownカーボンナノチューブよりも高結晶化度である。
実施例1において、触媒として、鉄ばん柘榴石の粉末に代えて、粒径が約0.1mm程度の珪砂(宇部サンド株式会社製、鉄の含有量;FeO換算で約1重量%)を用いた他は、実施例1と同様にしてas-grownカーボンナノチューブを得た。得られたas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真を図9に示す。図9に示す透過型電子顕微鏡写真では、図3に示す実施例1のas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真と同様に、その直線状部分を形成する中空部を囲む側壁部の殆どの部分が、互いに平行状態の層によって形成されている。
下記表2示す種々の鉱物粉末をアルミナボート10に載置し、図1に示す加熱管14内に挿入した後、電気炉16内に加熱管14ごと挿入して、加熱管14を850℃に加熱した。この加熱管14の一方側から混合ガス(メタン89%、エタン10%、プロパン2%、n−ブタン2%)300ml/分とキャリアガスとしてのアルゴン300ml/分とを導入し、加熱管14の他方側から混合ガスを抜き出す。かかる加熱処理を10分間行った。
次いで、加熱管14を冷却して、アルミナボート10を取り出して鉱物粉末の状態と鉱物粉末の表面とを顕微鏡観察したところ、鉱物粉末の表面に黒色の針状体が成長していた。この黒色の針状体が、as-grownカーボンナノチューブである。
得られたas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真は、図3に示す実施例1のas-grownカーボンナノチューブのものと同じであった。
かかるas-grownカーボンナノチューブの鉱物粉末に対する生成量及び鉱物粉末の状態を下記表2に併せて示す。
表2に示す鉱物粉末のうち、鉄ばん柘榴石、鉄含有かんらん石(以下、単に「かんらん石」と称する)、人工鉱物中には、2価の鉄(Fe2+)が含有されており、as-grownカーボンナノチューブの生成温度下では鉱物粉末も安定していた。また、灰鉄柘榴石、タイガーアイ、レッドジャスパー、カーネリアン及びルビー中には、3価の鉄(Fe3+)が含有されており、as-grownカーボンナノチューブの生成温度下で鉱物粉末も安定していた。
一方、ばら輝石、鉄電気石及びチタン鉄鉱は、as-grownカーボンナノチューブの生成温度下では不安定なものであった。as-grownカーボンナノチューブの生成温度下では、ばら輝石はSiO2とFeOとに熱分解し、鉄電気石中のOHがH2Oとなって離脱し、チタン鉄鉱石はFeOとTiO2とに熱分解する。
表2から明らかなように、2価の鉄(Fe2+)が含有されて、as-grownカーボンナノチューブの生成温度下で安定な鉄含有の鉱物粉末を用いる水準では、他の水準よりもカーボンナノチューブの生成率が高くなる。
実施例5において、鉱物粉末として、大気中において、1000℃の加熱雰囲気中で6時間の加熱処理を施した、鉄ばん柘榴石、かんらん石及び灰鉄柘榴石を用いた他は、実施例5と同様にしてas-grownカーボンナノチューブを生成した。その結果を下記表3に示す。
表3と表2とから明らかなように、加熱処理を施した鉄ばん柘榴石、かんらん石及び灰鉄柘榴石を用いることによって、as-grownカーボンナノチューブの生成率が向上することが判る。特に、加熱処理を施した鉄ばん柘榴石及びかんらん石では、加熱処理を施さなかった場合(表2)に比較して、as-grownカーボンナノチューブの生成率が大きく向上している。
尚、得られたas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真は、図3に示すものと同一であった。
表5に示す様に、表2及び表3からas-grownカーボンナノチューブの生成率が、他の鉱物粉末に比較して良好な鉄ばん柘榴石、加熱処理(大気中において、1000℃の加熱雰囲気中で6時間の加熱処理)を施した鉄ばん柘榴石、かんらん石、加熱処理(大気中において、1000℃の加熱雰囲気中で6時間の加熱処理)を施したかんらん石を触媒として用い、且つ表4に示す炭素源ガスを図1に示す装置の加熱管14に導入してas-grownカーボンナノチューブを得た。
炭素源ガスとキャリアガスとしてのアルゴンとについて、加熱管14での各流量、及び加熱管14の加熱温度を表4に併記した。
また、炭素源ガスは、加熱管14が目標温度に到達した後に、加熱管14内に導入を開始し約10分間ほど連続して導入した。炭素源ガスの導入を終了した後、加熱管14の加熱を停止してキャリアガスとしてのアルゴンのみを流して冷却した。
かかる炭素源ガスのうち、n−ヘキサン、c−ヘキサン及びベンゼンは液体であるため、図1(b)に示す様に、容器18内に貯留したn−ヘキサン、c−ヘキサン又はベンゼンから成る液体20内にアルゴンをバブリングして、n−ヘキサン、c−ヘキサン又はベンゼンの蒸気を含有するアルゴンを炭素源ガスとして、加熱管14に供給した。
加熱管14を冷却してから取り出した鉱物粉末に生成していたas-grownカーボンナノチューブの生成率及び直径を表5に併記した。また、表5には、ラマンスペクトルの吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)のデータを測定した水準には、その結果を示す。
表5から明らかな様に、炭素数が2個以上で且つC−Cの一重結合を有する炭素源ガスを用いた水準が、上記C−Cの一重結合を有しない炭素源ガスを用いた水準よりも、as-grownカーボンナノチューブの生成率が大幅に向上している。
尚、得られたas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真は、図3に示すものと同一であった。
実施例6の鉱物粉末として、鉄ばん柘榴石を用いた水準において、加熱管14の加熱温度を1000℃とした他は、実施例6と同様にしてas-grownカーボンナノチューブを得た。
得られたas-grownカーボンナノチューブは、その生成率が10%であり、直径が150〜1000nmであった。また、このas-grownカーボンナノチューブのラマンスペクトルの吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)は0.82であった。
一方、実施例6の表2に示す鉱物粉末として鉄ばん柘榴石を用いた水準で得られたas-grownカーボンナノチューブでは、その直径が60〜90nmであり、ラマンスペクトルの吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)は0.67であった。
この様に、加熱管14の加熱温度を高温とすることによって、生成率が向上し且つ太いas-grownカーボンナノチューブを得ることができる傾向がある。
実施例5において、加熱処理時間と鉱物粉末として、下記表6に示すように変更した他は、実施例5と同様にしてas-grownカーボンナノチューブを得た。得られたas-grownカーボンナノチューブの生成率、直径及びラマンスペクトルの吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)を表6に併記した。
表6から明らかな様に、加熱処理時間の経過に伴って、as-grownカーボンナノチューブの生成率が向上し、直径が太くなる傾向にある。
実施例7において、エタンの流量及びキャリアーガスとしてのアルゴン(Ar)の流量を下記表7に示すように変更した他は、実施例7と同様にしてas-grownカーボンナノチューブを得た。得られたas-grownカーボンナノチューブの生成率、直径及びラマンスペクトルの吸収ピークDと吸収ピークGとの比(D/G)を表7に併記した。
表7において、流量300ml/minのデータは、表5のエタンのデータを併記した。表7から明らかな様に、炭素源ガスの流量が増加すると、as-grownカーボンナノチューブの生成率が増加する傾向にある。
本発明に係るカーボンナノチューブの製造装置を説明する概略図である。 図1に示す装置を用いてカーボンナノチューブを製造する際に、炭素源ガスを導入する導入時期を説明するグラフである。 触媒としてガーネット粉末を用いて得られた実施例1のas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。 図3に示すカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真において、カーボンナノチューブの側壁部の任意の箇所を幅方向に三等分したうち、その中間部分の幅で且つカーボンナノチューブの長手方向に沿った長さ10nmの四角形の領域を説明する説明図である。 触媒としてフェロセンを用いて得られた比較例1のas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。 本発明に係るカーボンナノチューブの製造方法のメカニズムを説明する説明図である。 実施例1及び比較例1で得られたカーボンナノチューブについてのラマンスペクトルを示すチャートである。 触媒として用いた鉱物粉末を予め加熱処理した場合のメカニズムを説明する説明図である。 触媒として珪砂を用いて得られた実施例4のas-grownカーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真である。
符号の説明
10 アルミナボート
12 鉱物粉末
14 加熱管
16 電気炉

Claims (11)

  1. 加熱雰囲気内に炭素源ガスを流通して、前記炭素源ガスと接触する触媒の表面から多層のカーボンナノチューブを成長させる触媒気相成長法によってカーボンナノチューブを製造する際に、
    前記触媒として、鉄含有の鉱物粉末を用いることを特徴とするカーボンナノチューブの製造方法。
  2. 鉄含有の鉱物粉末として、炭素源ガスを流通する加熱雰囲気温度下で安定な鉄含有の鉱物粉末を用いる請求項1記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  3. 鉄含有の鉱物粉末として、2価の鉄(Fe2+)を含む鉄含有の鉱物粉末を用いる請求項1又は請求項2記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  4. 鉄含有の鉱物粉末として、鉄含有のガーネット粉末又は鉄含有のかんらん石を用いる請求項1〜3のいずれか一項記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  5. 触媒として用いる鉄含有の鉱物粉末として、予め炭素源ガスを流通する加熱雰囲気温度以上の温度下で加熱処理を施した鉱物粉末を用いる請求項1〜4のいずれか一項記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  6. 炭素源ガスとして、炭素数が2個以上で且つC−Cの一重結合を有する炭素源ガスを用いる請求項1〜5のいずれか一項記載のカーボンナノチューブの製造方法。
  7. 炭素源ガスとして、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン及びヘキサンから成る群から選らばれた一種又は複数種の炭素源ガスを用いる請求項1〜6のいずれか一項記載のカーボンナノチューブ。
  8. 加熱雰囲気内に炭素源ガスを流通する触媒気相成長法によって得られ、且つ前記加熱雰囲気の温度を超える高温での高温加熱処理が施されていない多層のカーボンナノチューブであって、
    前記カーボンナノチューブの透過型電子顕微鏡写真において、前記カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の主たる部分が、互いに平行状態の層によって形成されていることを特徴とするカーボンナノチューブ。
  9. カーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の中央部及びその近傍が、互いに平行状態の層によって形成されている請求項8記載のカーボンナノチューブ。
  10. 多層のカーボンナノチューブの直線状部分を形成する中空部を囲む積層部の主たる部分が、前記積層部の任意の箇所を幅方向に三等分したうち、その中間部分の幅で且つ前記多層カーボンナノチューブの長手方向に沿った長さ10nmの四角形の領域を形成する複数層が互いに平行状態である請求項8又は請求項9記載のカーボンナノチューブ。
  11. 加熱雰囲気内に炭素源ガスを流通する触媒気相成長法によって得られ、且つ前記加熱雰囲気温度を超える温度での高温加熱処理が施されていない多層のカーボンナノチューブであって、
    前記カーボンナノチューブのラマンスペクトルが、その1300cm−1付近の吸収ピークDと1600cm−1付近の吸収ピークGとの比(D/G)が1.0以下であることを特徴とするカーボンナノチューブ。
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