JP2002293524A - 気相成長ナノスケールカーボンチューブ製造法及び装置 - Google Patents

気相成長ナノスケールカーボンチューブ製造法及び装置

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JP2002293524A
JP2002293524A JP2001102671A JP2001102671A JP2002293524A JP 2002293524 A JP2002293524 A JP 2002293524A JP 2001102671 A JP2001102671 A JP 2001102671A JP 2001102671 A JP2001102671 A JP 2001102671A JP 2002293524 A JP2002293524 A JP 2002293524A
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heating
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Hitoshi Nishino
仁 西野
Haruyuki Nakaoka
春雪 中岡
Takeo Matsui
丈雄 松井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンナノチューブ、アモルファスナノス
ケールカーボンチューブ等のナノスケールカーボンチュ
ーブを比較的低温で且つ低コストで製造する。 【解決手段】炭素源をニッケルからなる熱分解触媒と加
熱下接触させて得られる分解物と金属系触媒及び/又は
ハロゲン化鉄とを加熱して気相成長法によりカーボンナ
ノチューブを得るか、または、該分解物、ハロゲン化鉄
及び熱分解性樹脂を加熱して気相成長法によりアモルフ
ァスナノスケールカーボンチューブを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる気相成長
法によりナノスケールカーボンチューブ、特にカーボン
ナノチューブ又はアモルファスナノスケールカーボンチ
ューブを製造する方法及びそのための装置に関する。
【0002】本明細書において、「ナノスケールカーボ
ンチューブ」とは、チューブ状の炭素材料一般を指し、
特にカーボンナノチューブ、チューブ壁がアモルファス
カーボンからなるアモルファスナノスケールカーボンチ
ューブ等を指し、更に、チューブ壁で囲まれた空間内に
金属化合物又は金属、例えば炭化鉄、鉄等が内包されて
いるカーボンナノチューブ又はアモルファスナノスケー
ルカーボンチューブを指す。
【0003】
【従来の技術】従来、有機化合物を気化して気相中にて
熱分解して炭素生成物を得る方法が知られている。この
方法を用いて、気相から直接炭素繊維を得る方法が知ら
れていて、このナノスケールカーボンチューブは気相成
長炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fiber、 以下「VGC
F」と略すことがある)といわれている。
【0004】このVGCFは、炭素源である有機化合物を熱
分解して得られる炭素が触媒の粒子を核として成長した
繊維状炭素材料であり、その製造条件によって中空の繊
維状炭素材料、特に、カーボンナノチューブを製造する
ことができる。
【0005】上記気相成長法において、炭素源としての
有機化合物は、熱分解性のもの、特に炭化水素であれば
いずれも可能であり、低分子有機物であるベンゼンなど
が一般的に使われている。また、触媒としては、鉄、ニ
ッケル、コバルトなどの遷移金属が使われ、核としてな
るべく微小な粒子を用いるために遷移金属を含む化合物
が触媒とされ、それを水素還元雰囲気下で熱分解させて
微粒子としている。
【0006】この場合、有機化合物を気相中にて熱分解
して熱分解成分を発生させた後に、炭素成分を堆積させ
て炭素構造体を得るためには、約600℃程度の低温で
はカーボンナノチューブが得られず、少なくとも約80
0℃以上、一般には1200℃程度の高い温度が必要で
あることが知られている。
【0007】上記従来の気相成長法による炭素繊維、特
にカーボンナノチューブの製造方法は、加熱処理の温度
が約800〜1200℃程度という高温であるために、
副生成物であるススのような炭素成分が多く生成する。
また、高熱を要するので、ランニングコストが高くなる
という問題もあった。
【0008】更に、熱分解性樹脂と金属系触媒とを加熱
処理することによりアモルファスナノスケールカーボン
チューブを製造する方法も知られている(WO00/40509=
PCT/JP99/06061)。しかし、この方法でも、炭素源がPT
FE等の熱分解性樹脂の熱分解物であるため、チューブ壁
部の厚さを大きくするためには、大量の原料が必要とな
り高コストとなる傾向がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
カーボンナノチューブ、アモルファスナノスケールカー
ボンチューブ等のナノスケールカーボンチューブを比較
的低温で且つ低コストで製造することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、気相成長法により
カーボンナノチューブ、アモルファスナノスケールカー
ボンチューブ等のナノスケールカーボンチューブを製造
する際に、炭素源である有機化合物を予めニッケルに接
触させることにより、上記問題を解決できることを見出
した。
【0011】より詳しくは、本発明者らは、ナノスケー
ルカーボンチューブの合成反応領域の上流側の前炉にお
いて、ニッケルからなる熱分解触媒を予め加熱し、炭素
源であるベンゼンなどの有機化合物を該ニッケルからな
る熱分解触媒に接触させて分解された炭素成分(該炭素
源の分解物)を発生させ、それをカーボンナノチューブ
の生成反応に用いると、従来例えば1200℃程度の高
温を要する反応であっても、より低い温度、例えば10
00℃以下程度の温度で、ススのような炭素成分の副生
が少ない純度の高いカーボンナノチューブを製造するこ
とができることを見出した。
【0012】また、本発明者らは、PTFE等の熱分解性樹
脂とハロゲン化鉄とを加熱処理してアモルファスナノス
ケールカーボンチューブを製造する方法においても、炭
素源であるベンゼン等の有機化合物のような炭素源を該
ニッケルからなる熱分解触媒に接触させて分解された炭
素成分(炭素源の分解物)を発生させ、それをアモルフ
ァスナノスケールカーボンチューブのカーボン壁の生成
反応に用いると、500℃〜1000℃程度の低温での
加熱処理によりアモルファスナノスケールカーボンチュ
ーブが得られ、しかも、得られるアモルファスナノスケ
ールカーボンチューブの壁部の厚さを大きくできること
を見出した。
【0013】更に、本発明者らは、上記PTFE等の熱分解
性樹脂を用いる方法において、反応管内に銅金属を存在
させると、銅金属を用いない場合に比べて、得られるア
モルファスナノスケールカーボンチューブの内径が小さ
くなり、しかも、ニッケルからなる熱分解触媒を用いて
いるためチューブ壁厚を大きくすることができることも
見出した。
【0014】本発明は、かかる新たな知見に基づき、更
に検討を加えて完成されたものであり、次のナノスケー
ルカーボンチューブ製造法及びそのための装置を提供す
るものである。
【0015】項1 炭素源をニッケルからなる熱分解触
媒と加熱下接触させて得られる分解物と金属系触媒及び
/又はハロゲン化鉄とを500〜1000℃で加熱して
カーボンナノチューブを得ることを特徴とするナノスケ
ールカーボンチューブの製造方法。
【0016】項2 炭素源をニッケルからなる熱分解触
媒に接触させる温度が、500〜1000℃である上記
項1に記載の製造方法。
【0017】項3 金属系触媒が、コバルト、ニッケ
ル、鉄、これらの合金及び錯体並びに酸化鉄からなる群
から選ばれる少なくとも1種であり、ハロゲン化鉄が、
塩化第1鉄、塩化第2鉄、FeCl2・4H2O、FeCl3・6H2Oか
らなる群から選ばれる少なくとも1種である上記項1ま
たは2に記載の製造方法。
【0018】項4 炭素源が、炭素数6〜12の芳香族
炭化水素、炭素数1〜12の飽和脂肪族炭化水素及び炭
素数2〜5の不飽和脂肪族炭化水素からなる群から選ば
れる少なくとも1種である上記項1〜3のいずれかに記
載の製造方法。
【0019】項5 炭素源をニッケルからなる熱分解触
媒と加熱下接触させて得られる分解物、ハロゲン化鉄及
び熱分解性樹脂を500〜1000℃で加熱してアモル
ファスナノスケールカーボンチューブを得ることを特徴
とするナノスケールカーボンチューブの製造方法。
【0020】項6 熱分解性樹脂がフッ素樹脂であり、
ハロゲン化鉄が塩化第1鉄、塩化第2鉄、FeCl2・4H2O
及びFeCl3・6H2Oからなる群から選ばれる少なくとも1
種であり、炭素源が炭素数6〜12の芳香族炭化水素、
炭素数1〜12の飽和脂肪族炭化水素及び炭素数2〜5
の不飽和脂肪族炭化水素からなる群から選ばれる少なく
とも1種である上記項5に記載の製造方法。
【0021】項7 反応系内に銅金属を存在させる上記
項5または6に記載の製造方法。
【0022】項8 ナノスケールカーボンチューブを製
造するための製造装置であって、 a)反応炉、 b)該反応炉に備えられた炭素源導入口、 c)該反応炉内に備えられたナノスケールカーボンチュー
ブの合成反応領域、 d)該合成反応領域を加熱するための加熱装置、 e)上記反応炉内の、炭素源導入口とナノスケールカーボ
ンチューブ合成反応領域との間の位置に備えられたニッ
ケルからなる熱分解触媒及び f)該ニッケルからなる熱分解触媒を加熱するための加熱
装置 を備えていることを特徴とする製造装置。
【0023】
【発明の実施の形態】ニッケルからなる熱分解触媒 本発明で使用するニッケルからなる熱分解触媒は、ニッ
ケル金属からなる触媒であり、その形状は特に限定され
ず、多数の穴をあけたニッケル板、ニッケル網、繊維状
のニッケルを綿状にしたもの等がいずれも使用できる。
これらのうちでも、炭素源であるガス状有機化合物との
接触を容易にすると共にガス状有機化合物の通過を容易
にする観点から、ニッケル網の形態であるのが有利であ
る。
【0024】ニッケル網を構成するニッケル線の太さな
いし幅は広い範囲から選択できるが、一般には0.02
5〜2mm程度、特に0.025〜0.05mm程度で
あるのが好ましい。また、網目開口部の形状は、種々の
形状であり得るが、一般には方形であるのが製造上便利
である。方形網目の一辺の長さは、50〜500μm程
度、特に50〜200μm程度であるのが好ましいが、
この範囲外であってもよい。
【0025】また、ニッケル網のサイズは、炭素源の分
解に有効なサイズであればよく、反応炉の構造、炭素源
の供給量等に応じて適宜選択すればよい。必要に応じ
て、上記網等の形状を有するニッケルからなる熱分解触
媒を複数個使用することもできる。
【0026】本発明の製造装置 本発明のナノスケールカーボンチューブを製造するため
の製造装置は、 a)反応炉、 b)該反応炉に備えられた炭素源導入口、 c)該反応炉内に備えられたナノスケールカーボンチュー
ブの合成反応領域、 d)該合成反応領域を加熱するための加熱装置、 e) 上記反応炉内であって、炭素源導入口とナノスケー
ルカーボンチューブ合成反応領域との間の位置に備えら
れたニッケルからなる熱分解触媒及び f)該ニッケルからなる熱分解触媒を加熱するための加熱
装置 を備えていることを特徴とする製造装置。
【0027】本発明に従って、ニッケルからなる熱分解
触媒を使用してカーボンナノチューブ、アモルファスナ
ノスケールカーボンチューブ等を製造するための装置の
一例を示す模式図を、図1に示す。
【0028】反応炉1は、例えば石英管等からなる炉で
あり、従来から気相成長法において使用されている炉が
いずれも使用できる。反応炉1の一端には炭素源である
有機化合物を導入するための炭素源導入口2が備えられ
ており、他端には反応炉内を真空にするための吸引口3
0が備えられている。
【0029】本発明のニッケルからなる熱分解触媒3
は、反応炉1内の上流側、即ち、炭素源導入口2に近い
位置に備えられており、加熱装置4で加熱される。ニッ
ケルからなる熱分解触媒3は、炭素源導入口2から導入
される炭素源(有機化合物)との接触が最も効率よく起
きるように設置位置及び設置角度を選択するのが好まし
い。反応炉1の上流部分、即ち、ニッケルからなる熱分
解触媒3と加熱装置4が備えられている反応炉1の上流
部分を前炉5とする。
【0030】また、反応炉の下流側には、カーボンナノ
チューブまたはアモルファスナノスケールカーボンチュ
ーブの合成反応領域10が備えられており、該合成反応
領域10には、原料11を入れた原料仕込み皿12が置
かれており、該原料11は加熱装置13で加熱される。
【0031】以下、上記のような製造装置を用いて、気
相成長法により、カーボンナノチューブまたはアモルフ
ァスナノスケールカーボンチューブを製造する方法の代
表例について説明する。
【0032】カーボンナノチューブの製造 本発明のカーボンナノチューブの製造方法は、炭素源を
ニッケルからなる熱分解触媒と加熱下接触させて得られ
る分解物と、金属系触媒及び/又はハロゲン化鉄とを加
熱して気相成長法によりカーボンナノチューブを得るこ
とを特徴とする。
【0033】上記炭素源としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭素数6〜12の芳香族炭化水素、、
メタン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサン等の炭素
数1〜12の飽和脂肪族炭化水素、エチレン、アセチレ
ン等の炭素数2〜5の不飽和脂肪族炭化水素等を例示で
きる。これらは1種単独で使用することも2種以上を組
み合わせて使用することもできる。
【0034】金属系触媒としては、(a)コバルト、(b)ニ
ッケル、(c)鉄、(d)コバルト、ニッケル、鉄の合金、
(e)コバルト、ニッケル、鉄の錯体、例えばフェロセ
ン、(f)酸化鉄等を例示でき、ハロゲン化鉄としては、
塩化第1鉄、塩化第2鉄、FeCl2・4H2O、FeCl3・6H2O等
の塩化鉄等を例示できる。これらは1種単独で使用する
ことも2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0035】炭素源と金属系触媒及び/又はハロゲン化
鉄との使用割合は、広い範囲から特に制限されることな
く選択できるが、金属系触媒及び/又はハロゲン化鉄1
00重量部に対して、炭素源を10〜5000重量部程
度、特に50〜300重量部程度とするのが好ましい。
【0036】本発明では、上記金属系触媒及び/又はハ
ロゲン化鉄を粉末状で用い、これを例えば磁製ボート等
に薄く広げて敷き詰め、反応炉1の合成反応領域10内
に置く。次いで、反応炉1内を、不活性ガス雰囲気中、
圧力を10-5Pa〜200kPa、特に0.1kPa〜
100kPa程度に調整し、上記金属系触媒及び/又は
ハロゲン化鉄を500〜1000℃程度、特に500〜
700℃程度に加熱する。従来は、少なくとも800℃
〜1200℃程度まで加熱する必要があったが、本発明
では従来より低い温度で済むため、ランニングコストが
抑制できる。
【0037】また、このとき、(1)反応炉内の酸素濃度
を、反応炉容積をA(リットル)とし酸素量をB(Nc
c)とした場合の比B/Aが1×10-10〜1×10-1
なる濃度、特に1×10-8〜5×10-3となる濃度に調
整することもできる。ここで、酸素量Bの単位である
「Ncc」は、気体の25℃での標準状態に換算したと
きの体積(cc)という意味である。
【0038】この場合、酸素の導入方法としては、種々
の方法を採用できるが、例えば、反応炉のガス導入口か
ら、酸素5〜0.01%程度と残部がアルゴン等の不活
性ガスからなる混合ガスを徐々に添加するのが好まし
い。
【0039】一方、前炉5内のニッケルからなる熱分解
触媒3を500〜1000℃程度、特に600〜800
℃程度に加熱する。
【0040】次いで、炭素源導入口2から炭素源を反応
炉1内に導入する。炭素源の導入方法としては、例え
ば、ベンゼン等の炭素源にアルゴンガス等の不活性ガス
をバブリングさせることにより、ベンゼン等の炭素源を
担持させた不活性ガスを調製し、該ガスを反応炉のガス
導入口から少量ずつ導入すればよいが、この方法に限ら
ず、他の方法を採用してもよい。ベンゼン等の炭素源を
担持させた不活性ガスの供給速度は、広い範囲から選択
できるが、一般には、反応炉容積1リットル当たり、1
〜500ml/min程度、特に10〜100ml/min程度とな
るような速度とするのが好ましい。
【0041】その際に、必要であれば、Ar、Ne、He、窒
素等の不活性ガスを希釈ガスとして導入してもよい。希
釈ガスの供給速度は、広い範囲から選択できるが、一般
には、反応炉容積1リットル当たり、1〜500ml/min
程度、特に10〜100ml/min程度となるような速度と
するのが好ましい。
【0042】こうして導入された炭素源は、前炉5内の
ニッケルからなる熱分解触媒3と接触して分解される。
【0043】炭素源が熱分解触媒3と接触して生成した
分解された炭素成分は、合成反応領域10に到達し、既
に500〜1000℃程度に加熱されている金属系触媒
及び/又はハロゲン化鉄の存在下でカーボンナノチュー
ブを生成する。この合成反応領域10での反応は、50
0〜1000℃程度、特に500〜700℃程度の加熱
温度で、通常0.1〜10時間程度、特に0.5〜5時
間程度行うのが好ましい。
【0044】得られるカーボンナノチューブは従来法よ
りも低温で生成されるので、従来法に比べてランニング
コストが低減でき、また、従来法に比べてスス等の炭素
成分の副生が抑制されているため、得られるカーボンナ
ノチューブは純度が高いという利点がある。
【0045】上記本発明により得られるカーボンナノチ
ューブは、その形状が柱状であり、外径が0.5〜10
00nm程度、特に1〜50nm程度であり、内径が0.1
〜500nm程度、特に1〜30nm程度であり、長さが5
〜10000nm程度、特に100〜5000nm程度であ
る。また、チューブを構成する炭素からなるチューブ壁
の厚さは、0.1〜400nm程度、特に1〜100nm程
度であり、チューブ壁は全長にわたって実質的に均一で
ある。
【0046】また、チューブの炭素部分は、単層カーボ
ンナノチューブであるか、又は、多層カーボンナノチュ
ーブである。多層カーボンナノチューブの場合、炭素網
面間の平均距離(d002)が0.34nm以下の黒鉛質
構造を有するものである。
【0047】また、ハロゲン化鉄を使用した場合は、上
記の物性を有するカーボンナノチューブのチューブ壁で
囲まれた空間内に、炭化鉄又は鉄が内包されたカーボン
ナノチューブが得られる場合がある。
【0048】アモルファスナノスケールカーボンチュー
ブの製造 上記本発明のカーボンナノチューブの製造法において、
ハロゲン化鉄を用い且つ熱分解性樹脂を合成反応領域に
存在せしめると、前記WO00/40509に記載されるようなカ
ーボンからなるチューブ壁がアモルファス構造を有する
アモルファスナノスケールカーボンチューブが得られ
る。
【0049】本発明のアモルファスナノスケールカーボ
ンチューブの製造方法は、炭素源をニッケルからなる熱
分解触媒と加熱下接触させて得られる分解物、ハロゲン
化鉄及び熱分解性樹脂を加熱して気相成長法によりアモ
ルファスナノスケールカーボンチューブを得ることを特
徴とする。
【0050】即ち、該製法は、熱分解性樹脂とハロゲン
化鉄とを反応炉内のアモルファスナノスケールカーボン
チューブ合成反応領域で加熱処理すると共に、炭素源を
ニッケルからなる熱分解触媒に加熱下に接触させて分解
した炭素源を該合成反応領域に供給することを特徴とす
る。
【0051】熱分解性樹脂としては、熱分解温度100
〜500℃程度の樹脂が例示でき、例えば、ポリテトラ
フルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化
プロピレン共重合樹脂(FEP)、四フッ化エチレン−パー
フルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)、
三フッ化エチレン樹脂(PCTFE)、フッ化ビニリデン樹
脂(PVDF)等のフッ素樹脂等を挙げることができる。熱分
解性樹脂は、フィルム状で使用することもでき、また、
粉末状で使用することもできる。粉末状で使用する場合
は、その平均粒子径としては、通常0.01〜1000
μm程度、特に0.01〜1μm程度が好ましい。
【0052】ハロゲン化鉄としては、塩化第1鉄、塩化
第2鉄、FeCl2・4H2O、FeCl3・6H2O等を例示できる。こ
れらは1種単独で使用することも2種以上を組み合わせ
て使用することもできる。ハロゲン化鉄は、通常、平均
粒子径0.01〜1000μm程度、特に0.01〜1
0μm程度の粉末状で使用するのが好ましい。
【0053】上記炭素源としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の炭素数6〜12の芳香族炭化水素、メ
タン、エタン、プロパン、ブタン、ヘキサン等の炭素数
1〜12の飽和脂肪族炭化水素、エチレン、アセチレン
等の炭素数2〜5の不飽和脂肪族炭化水素等を例示でき
る。これらは1種単独で使用することも2種以上を組み
合わせて使用することもできる。
【0054】熱分解性樹脂とハロゲン化鉄との使用割合
は、熱分解性樹脂100重量部に対して、ハロゲン化鉄
を1〜200重量部程度、特に10〜100重量部程度
とするのが好ましい。
【0055】炭素源の使用量は広い範囲から適宜選択で
きるが、通常、ハロゲン化鉄及び熱分解性樹脂の合計重
量に対して、1〜200重量部程度、特に10〜100
重量部程度であるのが好ましい。
【0056】本発明では、まず、熱分解性樹脂とハロゲ
ン化鉄とを反応炉1の合成反応領域10に導入する。熱
分解性樹脂とハロゲン化鉄とを合成反応領域へ導入する
場合の態様としては、熱分解性樹脂フィルム上にハロゲ
ン化鉄の粉末を振りかけて原料仕込み皿12に入れて導
入する態様、熱分解性樹脂粉末とハロゲン化鉄とを均一
混合した混合物を原料仕込み皿12に入れて導入する態
様等の種々の態様を採用できる。
【0057】特に、熱分解性樹脂として粉末状のフッ素
樹脂、特にPTFEの粉末を使用し、粉末状のハロゲン化
鉄、特に粉末状の塩化鉄(FeCl2、FeCl2・4H2O、FeC
l3、FeCl3・6H2O等)を使用するのが好ましい。
【0058】次いで、反応炉1内を、不活性ガス雰囲気
とし、圧力を例えば10-5Pa〜200kPa程度、好
ましくは10-3Pa〜100kPa程度に調整する。
【0059】次いで、上記ハロゲン化鉄を500〜10
00℃程度、特に500〜700℃程度に加熱する。
【0060】ニッケルからなる熱分解触媒を用いない場
合でも650℃以上の加熱処理のみで、アモルファスナ
ノスケールカーボンチューブを生成させることができる
が、この加熱処理のみでは、得られるアモルファスナノ
スケールカーボンチューブのカーボン壁の厚さを厚くす
る場合に大量のPTFE等のフッ素樹脂を必要とし、コスト
高となる傾向がある。
【0061】これに対して、本発明では、気相成長法を
適用して、カーボン壁の厚さを大きくすることが比較的
低い温度で且つ低コストで実現できる。そのために、本
発明では、次の操作を行う。
【0062】即ち、上記合成反応領域10内の原料(熱
分解性樹脂とハロゲン化鉄)を500〜1000℃程度
に加熱すると共に、前炉5内のニッケルからなる熱分解
触媒3を500〜1000℃程度、特に600〜800
℃程度に加熱し、これに炭素源導入口2から導入された
炭素源を接触させて分解させる。
【0063】炭素源の導入方法としては、例えば、ベン
ゼン等の炭素源にアルゴンガス等の不活性ガスをバブリ
ングさせることにより、ベンゼン等の炭素源を担持させ
た不活性ガスを調整し、該ガスを反応炉のガス導入口か
ら少量ずつ導入すればよいが、この方法に限らず、他の
方法を採用してもよい。ベンゼン等の炭素源を担持させ
た不活性ガスの供給速度は、広い範囲から選択できる
が、一般には、反応炉容積1リットル当たり、1〜50
0ml/min程度、特に10〜100ml/min程度となるよう
な速度とするのが好ましい。
【0064】その際に、必要であれば、Ar、Ne、He、窒
素等の不活性ガスを希釈ガスとして導入してもよい。希
釈ガスの供給速度は、広い範囲から選択できるが、一般
には、反応炉容積1リットル当たり、1〜500ml/min
程度、特に10〜100ml/min程度となるような速度と
するのが好ましい。
【0065】こうして導入された炭素源は、前炉5内の
ニッケルからなる熱分解触媒3と接触して分解される。
【0066】炭素源が熱分解触媒3と接触して生成した
分解された炭素成分(炭素源の分解物)は、合成反応領
域10に到達し、既に500〜1000℃程度に加熱さ
れている熱分解性樹脂由来の炭素成分及びハロゲン化鉄
と共に、アモルファスナノスケールカーボンチューブの
壁部を形成するのに寄与し、その結果、厚さの増大した
カーボン壁を有するアモルファスナノスケールカーボン
チューブが生成する。この合成反応領域10での反応
は、500〜1000℃程度、特に500〜700℃程
度の加熱温度で、通常0.1〜10時間程度、特に1〜
5時間程度行うのが好ましい。
【0067】また、上記のアモルファスナノスケールカ
ーボンチューブの製造において、必要であれば、反応炉
1の最下流側に銅金属20を設置することもできる。銅
金属20を設置することにより、銅金属上にアモルファ
スナノスケールカーボンチューブが生成する。本発明に
従って銅金属上に生成したアモルファスナノスケールカ
ーボンチューブは、銅金属を用いない場合に比べて内径
が細径化している。
【0068】銅金属としては、板状物、網状物、粉体等
を例示できる。特に、表面積が大きいほど目的物が成長
する場所が増大し、収量が増大するので、銅金属として
は表面積が大きいもの、例えば、銅製の網状物、粉体等
であるのが好ましい。
【0069】銅金属の使用量は、特に限定されず広い範
囲から適宜選択すればよいが、ハロゲン化鉄と熱分解性
樹脂との合計重量1g当たり、銅金属の表面積が10-5
〜0.1m2程度、特に10-3〜10-22程度であるの
が好ましい。
【0070】前記合成反応工程において、熱分解触媒3
と接触して生成した分解された炭素成分、500〜10
00℃程度に加熱されている熱分解性樹脂由来の炭素成
分及びハロゲン化鉄が、厚さの増大したカーボン壁を有
するアモルファスナノスケールカーボンチューブを生成
する反応を行っている間は、前記銅金属も加熱するのが
好ましく、銅金属の加熱温度としては、例えば、400
〜1050℃、特に420〜900℃程度であるのが好
ましい。
【0071】上記本発明で得られるアモルファスナノス
ケールカーボンチューブは、その形状が柱状であり、且
つ、直線状であって、外径が0.5〜1000nm程度、
特に1〜50nm程度であり、内径が0.1〜500nm程
度、特に1〜30nm程度であり、長さが5〜10000
nm程度、特に100〜5000nm程度である。また、チ
ューブを構成する炭素からなるチューブ壁の厚さは、
0.4〜400nm程度、特に1〜100nm程度であり、
チューブ壁は全長にわたって実質的に均一である。また
壁部を構成する炭素材は、通常、アモルファス構造、特
に、CuKαのX線を照射するX線回折法により炭素網
面間の平均距離(d002)が0.354nm以上のアモル
ファス構造を有している。
【0072】本発明のアモルファスナノスケールカーボ
ンチューブの形状を表す一つの用語である「直線状」な
る語句は、次のように定義される。即ち、透過型電子顕
微鏡により本発明のアモルファスナノスケールカーボン
チューブを含む炭素質材料を200〜2000nm四方
の範囲で観察し、像の長さをWとし、該像を直線状に伸
ばした時の長さをWoとした場合に、比W/Woが、
0.8以上、特に、0.9以上となる形状特性を意味す
るものとする。
【0073】本発明により得られるカーボンナノチュー
ブ及びアモルファスナノスケールカーボンチューブ等の
ナノスケールカーボンチューブは、例えば、水素吸蔵、
ガス吸蔵、電子放出材料、帯電材料、補強材等の分野で
有利に使用できる。
【0074】また、チューブ壁に囲まれた空間部に金属
化合物又は金属が内包されているカーボンナノチューブ
は、電子放出材料、磁性材料、帯電防止材、補強材、磁
性配向を利用した材料等の分野等で有用である。
【0075】
【実施例】以下実施例及び比較例を掲げて本発明を詳述
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
く、本発明の原理を逸脱することなく種々の変更を加え
ることができる。
【0076】以下の実施例及び比較例において、得られ
たカーボンナノチューブ又はアモルファスナノスケール
カーボンチューブの性状は次の方法により確認した。
【0077】純度 生成した炭素質生成物を電子顕微鏡(SEM)観察し、
100の視野におけるカーボンナノチューブ又はアモル
ファスナノスケールカーボンチューブの存在確率の平均
値を求めて、純度とした。
【0078】外径 電子顕微鏡(SEM)において、100の視野を観察
し、カーボンナノチューブ又はアモルファスナノスケー
ルカーボンチューブの各視野での外径の平均値を計算
し、該平均値の最小値から最大値までの範囲を示した。
【0079】内径 電子顕微鏡(SEM)において、100の視野を観察
し、カーボンナノチューブ又はアモルファスナノスケー
ルカーボンチューブの各視野での内径の平均値を計算
し、該平均値の最小値から最大値までの範囲を示した。
【0080】チューブ壁厚さ 電子顕微鏡(SEM)において、100の視野を観察
し、カーボンナノチューブ又はアモルファスナノスケー
ルカーボンチューブの各視野でのチューブ壁の厚さの平
均値を計算し、該平均値の最小値から最大値までの範囲
を示した。
【0081】長さ SEMにおいて、100の視野を観察し、カーボンナノ
チューブ又はアモルファスナノスケールカーボンチュー
ブの各視野での平均値を計算し、該平均値の最小値から
最大値までの範囲を示した。
【0082】直線性 SEMにおいて、100の視野を観察し、カーボンナノ
チューブ又はアモルファスナノスケールカーボンチュー
ブ像の長さを200〜2000nmの範囲に限定して観
察し、カーボンナノチューブ又はアモルファスナノスケ
ールカーボンチューブ像の長さをLとし、そのカーボン
ナノチューブ又はアモルファスナノスケールカーボンチ
ューブを伸ばした時の長さをL0とした場合に、L/L0
平均値が0.9以上となる場合に「直線状」であると判定
した。
【0083】尚、各実施例及び比較例において得られた
カーボンナノチューブ又はアモルファスナノスケールカ
ーボンチューブの壁部の構造は、X線回折測定における
(002)回折線のd値(d002)を測定することによ
り確認した。
【0084】実施例1 本実施例で使用した装置は、図1に示すタイプの装置で
ある。平均粒子径5μmの粉末PTFE1gと無水塩化第二鉄
(FeCl3)1gをミルを用いて均一に混合して原料とし、
該原料を30cm3のカーボン製皿に高さが均一になるよう
に敷き詰め、銅基板との共存下で炉内に設置した。ま
た、このアモルファスナノスケールカーボンチューブ合
成反応領域の真空吸引側の反対側(上流側)に前炉を設
け、その内部中央にニッケル網(ニッケル線の太さ:
0.1mm、方形網目の一辺の長さ:70μm)を設置し
た。
【0085】炉内を50Paまで減圧し、原料部温度を500
℃、銅基板温度を800℃に設定し焼成するとともに、前
炉を800℃に設定した上でベンゼンを導入し、アモルフ
ァスナノスケールカーボンナノチューブを含む炭素生成
物を銅基板上に0.3g得た。
【0086】SEM観察の結果、得られたアモルファスナ
ノスケールカーボンナノチューブは、純度80%、外径30
〜60nm、内径5〜10nm、長さ500〜2000nmであり、直線状
であった。また、該アモルファスナノスケールカーボン
ナノチューブのカーボン壁の厚さは約12.5〜25nmであっ
た。
【0087】比較例1 ニッケル網を用いない以外は実施例1と同様にして、ア
モルファスナノスケールカーボンナノチューブを含む炭
素生成物を銅基板上に0.2g得た。
【0088】SEM観察の結果、得られたアモルファスナ
ノスケールカーボンナノチューブは、純度80%、外径10
〜40nm、内径5〜10 nm、長さ500〜2000nmで、共に直線
状であった。該アモルファスナノスケールカーボンチュ
ーブのカーボン壁の厚さは約2.5〜15nmであった。
【0089】上記実施例1と上記比較例1との対比か
ら、本発明に従い、実施例1のようにニッケル網を用い
て炭素源を分解した場合は、比較例1のようにニッケル
網を用いない場合に比し、カーボン壁の厚さが大きくな
ることが判る。
【0090】実施例2 触媒として、無水FeCl3(関東化学株式会社製)0.5
gを磁製ボート内に薄く広げて敷き詰める。これを石英
反応管からなる炉内中央に設置し、炉内を圧力50Paま
で減圧する。600℃まで減圧のまま昇温する。600
℃に到達した時点で、アルゴンを導入し、圧力を60k
Paに制御する。
【0091】一方、ニッケル網を中央に設置した前炉を
600℃に加熱した。次いで、炭素源として、ベンゼン
槽にアルゴンガスをバブリングさせて揮発したベンゼン
とアルゴンとの混合ガスを、反応炉容積1リットル当た
り、50ml/minの流速で前炉内に導入し、希釈ガスとし
てアルゴンガスを20ml/minの流速で導入する。こうし
て、ニッケル網でベンゼンを分解した。合成反応領域に
おいて、600℃の反応温度で30分間反応させること
により、触媒上に80mgのカーボンナノチューブを含む
炭素質生成物を得た。
【0092】SEM観察の結果から、得られたナノスケー
ルカーボンチューブは、直径15〜40nm、長さ4〜
5ミクロンで直線性の高いものであった。また、得られ
たナノスケールカーボンチューブの純度は、70%であ
った。
【0093】比較例2 ニッケル網を用いない以外は実施例2と同一の操作を行
った。しかし、炭素生成物は得られなかった。
【0094】上記実施例2及び比較例2の対比から、ナ
ノスケールカーボンチューブの合成反応温度が600℃
と低い場合は、比較例2のようにニッケル網を用いない
ときはナノスケールカーボンチューブが得られないのに
対して、実施例2のようにニッケル網を用いて炭素源を
分解することによりナノスケールカーボンチューブが生
成することが判る。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、次の優れた効果が奏さ
れる:加熱したニッケルに有機化合物を接触させること
で、熱分解炭素成分を発生させることにより、ナノスケ
ールカーボンチューブの合成の際に、従来法よりも低い
温度で反応を行うことができる。
【0096】反応の低温化により、低コスト化が図れ、
スス発生抑制が可能となり、純度を向上させる等の利点
が得られる。
【0097】また、本発明のアモルファスナノスケール
カーボンチューブの製造法においては、ニッケルからな
る熱分解触媒を用いているため、得られるアモルファス
ナノスケールカーボンチューブのチューブ壁厚が大き
く、機械的強度が大きい。
【0098】更に、本発明のアモルファスナノスケール
カーボンチューブの製造方法において、銅金属を使用す
ると、銅金属を使用しない場合に比べて、銅基板上に成
長したアモルファスナノスケールカーボンチューブの内
径が細いため水素等の高いガス吸蔵能が期待でき、ま
た、直線性が高いので高密度パッキングが可能であり、
その結果、単位体積当たりの吸蔵能が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を実施するための装置の一例
を示す概略図である。
【符号の説明】
1 反応炉 2 炭素源導入口 3 ニッケルからなる熱分解触媒 4 加熱装置 5 前炉 10 合成反応領域 11 原料 12 原料仕込み皿 13 加熱装置 20 銅金属 30 吸引口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 9/127 B01J 23/74 321M (72)発明者 松井 丈雄 京都府京都市下京区中堂寺南町17 京都リ サーチパーク 株式会社関西新技術研究所 内 Fターム(参考) 4G046 CA02 CA04 CC03 CC08 4G069 AA02 BB02A BB02B BB08A BB08B BC66A BC66B BC68A BC68B BD12A BD12B CD10 EA01X EA01Y EA12 4L037 CS03 FA03 FA04 FA05 PA05 PA06 PA11 PA12 PA13 PA28

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素源をニッケルからなる熱分解触媒と
    加熱下接触させて得られる分解物と金属系触媒及び/又
    はハロゲン化鉄とを500〜1000℃で加熱してカー
    ボンナノチューブを得ることを特徴とするナノスケール
    カーボンチューブの製造方法。
  2. 【請求項2】 炭素源をニッケルからなる熱分解触媒に
    接触させる温度が、500〜1000℃である請求項1
    に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属系触媒が、コバルト、ニッケル、
    鉄、これらの合金及び錯体並びに酸化鉄からなる群から
    選ばれる少なくとも1種であり、ハロゲン化鉄が、塩化
    第1鉄、塩化第2鉄、FeCl2・4H2O、FeCl3・6H2Oからな
    る群から選ばれる少なくとも1種である請求項1または
    2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 炭素源が、炭素数6〜12の芳香族炭化
    水素、炭素数1〜12の飽和脂肪族炭化水素及び炭素数
    2〜5の不飽和脂肪族炭化水素からなる群から選ばれる
    少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 炭素源をニッケルからなる熱分解触媒と
    加熱下接触させて得られる分解物、ハロゲン化鉄及び熱
    分解性樹脂を500〜1000℃で加熱してアモルファ
    スナノスケールカーボンチューブを得ることを特徴とす
    るナノスケールカーボンチューブの製造方法。
  6. 【請求項6】 熱分解性樹脂がフッ素樹脂であり、ハロ
    ゲン化鉄が塩化第1鉄、塩化第2鉄、FeCl2・4H2O及びF
    eCl3・6H2Oからなる群から選ばれる少なくとも1種であ
    り、炭素源が炭素数6〜12の芳香族炭化水素、炭素数
    1〜12の飽和脂肪族炭化水素及び炭素数2〜5の不飽
    和脂肪族炭化水素からなる群から選ばれる少なくとも1
    種である請求項5に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 反応系内に銅金属を存在させる請求項5
    または6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 ナノスケールカーボンチューブを製造す
    るための製造装置であって、 a)反応炉、 b)該反応炉に備えられた炭素源導入口、 c)該反応炉内に備えられたナノスケールカーボンチュー
    ブの合成反応領域、 d)該合成反応領域を加熱するための加熱装置、 e)上記反応炉内の、炭素源導入口とナノスケールカーボ
    ンチューブ合成反応領域との間の位置に備えられたニッ
    ケルからなる熱分解触媒及び f)該ニッケルからなる熱分解触媒を加熱するための加熱
    装置 を備えていることを特徴とする製造装置。
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