JP2010017113A - 抗体と蛋白質との融合蛋白質の製造方法 - Google Patents

抗体と蛋白質との融合蛋白質の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便かつ短時間で抗体を標識する方法を提供すること。
【解決手段】抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子と蛋白質をコードする遺伝子とを、該抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインと該蛋白質との融合蛋白質を発現できるように連結して有する発現ベクターを、該抗体又はその一部を発現する細胞内に導入して発現させることを含む、抗体と蛋白質との融合蛋白質の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗体と蛋白質との融合蛋白質の製造方法、及び抗体と蛋白質との融合蛋白質に関する。
オープンサンドイッチ法とは、抗原を特異的に認識する抗体のVH領域ポリペプチドおよびVL領域ポリペプチドを調製し、一方のポリペプチドをレポーター分子で標識して標識化ポリペプチドとし、他方のポリペプチドを固相に固定して固定化ポリペプチドとし、抗原含有試料および標識化ポリペプチドを固相に接触させ、固定化ポリペプチドに結合した標識化ポリペプチドのレポーター分子の量を測定する方法である。オープンサンドイッチ法は、VHとVLが抗原存在下において会合定数が増加する現象を利用した免疫測定法であるため、抗原非存在下でのVHとVLの相互作用が小さく、抗原存在下で会合定数が大きく変化することが必須条件となる。VH-VL間相互作用を正確に見積もるためには、VHとVLを別々に発現・精製する必要があり、これまで多くの時間と手間を要していた。
VHとVLを発現・精製する事なくVH/VL間の相互作用を調べる方法として、split-Fvを呼ばれる方法が報告されている(特許文献1)。この方法は、発現ベクター中に含まれるアンバー(終止)コドンをアンバーサプレッサー機能を示さない大腸菌と示す大腸菌とを使い分けることにより、VH、VLをファージのコートタンパクp VIIとpIXの各々に融合タンパク質として発現させる方法と、VHまたはVLの片方をファージのコートタンパクp VIIまたはpIXの融合タンパク質として、残りのVHまたはVLを分泌発現させる方法とを使い分けるものである。この方法は、同一ベクターで大腸菌の種類を変える事により、VH/VL複合体の抗原に対する親和性評価と抗原非存在下でのVH/VL間相互作用評価が可能である。
しかしこの方法は、ファージの2つのコートタンパクを利用しファージが不安定になるため、VH/VLがファージ上に発現されないことや、コートタンパクp VIIとpIX の融合タンパク質として発現したVH/VL間の距離が相互作用するのに充分でなく抗原に対する親和性が低下するといった問題点を有していた。
また、同様のコンセプトによるVH/VL間相互作用の評価方法として、親和性評価を一本鎖抗体(scFv)提示ファージで行い、その後組換え酵素を利用してscFvのVH/VL間リンカーに終止コドンなどの配列を相同組換えによって挿入することで、VHとVLを別々の成分(例えば、MBP融合VL及びVH提示ファージ)として発現させる方法が報告されている(非特許文献1)。この方法では、(1)ファージコート蛋白質の中でも毒性の低いp IIIがscFv提示に利用されることになり、また(2)scFvであるためにVH/VLは常にペアとして存在することから、安定にパニングが行えるという利点を持つ。リンカー部分での相同組換えでは、Cre recombinaseなどの配列特異性が高い酵素を用いることで、様々な配列を方向性を保ちつつ挿入することができ、たとえば可溶性・発現性の高いMBPとの融合蛋白質としてVHまたはVLを分泌させることが可能である。しかし、scFvではVH/VL間リンカー通常15アミノ酸程度であるが、この方法では2つの組換え酵素認識配列がリンカー部分に存在することから、リンカー長は40−45アミノ酸程度と大変長いものとなる。そのために、ファージ上への提示率が低下するという問題を有する。また、VH/VL間相互作用評価用ベクターへの組換えにも、高価な組換え酵素が必要であり、組換え効率も高くないことが問題となっていた。
酵素を標識した抗体を作製する場合、抗体産生ハイブリドーマ細胞を培養し、培養上清に分泌された抗体を精製、バッファー交換した後、架橋試薬によって酵素とのコンジュゲートを合成する化学標識法が主流である。しかし、この方法では、反応前に抗体を高度に精製する必要があることや、未標識抗体の残存、抗原結合部位への標識による不活化などが問題となる。また、別の方法として、scFvやFabなどクローン化した抗体断片と酵素との融合蛋白質の大腸菌内異種発現が行われている。この方法では、高い収量と、ほぼ100%の修飾率、部位特異的修飾などが可能となるが、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子のクローニングや、それらを導入した発現ベクターの作製など煩雑な実験操作が必要である。そこで、新たな方法として、ハイブリドーマ細胞内で人為的なトランススプライシングを誘発させることで、抗体断片と酵素の融合蛋白質を発現させる方法が開発されているが(非特許文献2)、特にハイブリドーマ細胞において融合蛋白質の発現効率が低いという問題があった。
化学工学会第73年会研究発表講演要旨集(2008)366ページ「Cre組換え酵素によるファージ提示抗体のオープンサンドイッチELISA系への効率的変換」 日本生物工学会57回大会講演要旨集119ページ、「抗体可変領域-ヒト胎盤アルカリフォスファターゼ融合タンパク質の発現とその解析」 国際公開WO2004 / 016782号公報
これまで、ELISAなどに用いられる酵素標識抗体は、ハイブリドーマ細胞の培養上清などから精製した抗体を架橋試薬などでレポーター酵素と化学的に連結させる化学標識法や、レポーター酵素を一本鎖抗体やFab型抗体などと遺伝子レベルで連結した融合蛋白質(酵素融合抗体)を大腸菌などの微生物で大量発現させる方法などによって作製されてきた。しかし、化学標識法では、反応前に抗体を高度に精製する必要があることや、未標識抗体の残存や、抗原結合部位への標識による不活化などが問題となっている。また、酵素融合抗体を発現させる方法では、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子のクローニングや、それらの発現ベクターの作製など煩雑な実験操作が必要であった。また近年、抗体産生細胞内で人為的なトランススプライシングにより、酵素融合抗体を簡便に調製する方法が開発されたが、蛋白質発現効率が低いという問題があった。本発明は、簡便かつ短時間で抗体を標識する方法を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、抗体軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインのC末端に目的の蛋白質を融合した軽鎖融合蛋白質を、抗体産生細胞内で発現誘導させることによって、軽鎖融合蛋白質が抗体重鎖と会合し、その結果、目的蛋白質で標識した抗体を細胞外に分泌できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子と蛋白質をコードする遺伝子とを、該抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインと該蛋白質との融合蛋白質を発現できるように連結して有する発現ベクターを、該抗体又はその一部を発現する細胞内に導入して発現させることを含む、抗体と蛋白質との融合蛋白質の製造方法が提供される。
好ましくは、蛋白質は酵素又は蛍光蛋白質である。
好ましくは、蛋白質は、アルカリフォスファターゼ、β―ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、ペルオキシダーゼである。
好ましくは、抗体又はその一部を発現する細胞は、抗体の重鎖遺伝子及び抗体の軽鎖遺伝子を発現する細胞、又は抗体の重鎖遺伝子を発現する細胞である。
好ましくは、発現ベクターは、抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子の3'末端側に蛋白質をコードする遺伝子が連結している発現ベクターである。
本発明によればさらに、上記した本発明の方法により製造される、抗体の軽鎖に蛋白質が結合していることを特徴とする抗体と蛋白質との融合蛋白質が提供される。
好ましくは、本発明の融合蛋白質は、 (i)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖2本とから構成される融合蛋白質、
(ii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質、
(iii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン2本とから構成される融合蛋白質、又は
(iv)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質、
の何れか,あるいは特にIgM, IgAの場合はそれらの多量体である。
本発明によればさらに、上記した本発明の融合蛋白質を含む、免疫測定キットが提供される。
本発明によればさらに、上記の (iii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン2本とから構成される融合蛋白質、又は(iv)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質と、抗体軽鎖とを、抗原の存在下で接触させて、融合蛋白質と抗体軽鎖との相互作用を検出することを含む、免疫測定方法が提供される。
上記の免疫測定方法において、好ましくは、抗原の存在下で特異的に相互作用する抗体重鎖と抗体軽鎖を選別する。
本発明の方法によれば、軽鎖融合蛋白質を発現するベクターを導入するだけで、簡便且つ短時間で目的とする標識抗体を作製することが可能である。また、本発明の方法は、同じ目的蛋白質を標識する場合であれば、同一ベクターで様々な抗体に応用が可能なため、汎用性の高い方法である。さらに、軽鎖定常領域ドメインとアルカリフォスファターゼなどの酵素との融合蛋白質を発現させた場合、分泌された酵素標識重鎖と軽鎖を用いて、オープンサンドイッチ法による免疫測定が可能となる。本発明の方法と従来の化学標識法との相違点としては、反応ステップが不要であり、標識部位が特定できることが挙げられる。また、酵素融合抗体を大腸菌内で発現させる方法との相違点では、標識させたい抗体ごとに抗体遺伝子をクローニングし、それらを挿入した発現ベクターを新たに作製する必要がないという利点を有する。トランススプライシングによる抗体標識法と比較した場合、蛋白質レベルでの4次構造形成を利用するためより高い発現量が期待できる。本発明の方法によって作製された酵素標識抗体を分泌するハイブリドーマ細胞を培養すると、その培養上清を用いて直接ELISAを行うことができる。また、CLと酵素の融合蛋白質を発現させた場合には、元来重鎖と会合していたVL-CLと、酵素標識されかつVLを欠失した抗体断片を容易に得ることができ、これらを用いて抗原依存的なVH/VL相互作用変化を利用したオープンサンドイッチELISAを行うことができる(図10)。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明による抗体と蛋白質との融合蛋白質の製造方法において、該抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子、及び、その3'末端側に連結された蛋白質をコードする遺伝子を有する発現ベクターを、上記抗体又はその一部を発現する細胞内に導入して発現させることを含む。
本発明においては、抗体軽鎖(軽鎖可変領域(VL)と軽鎖定常領域(CL))もしくは軽鎖定常領域ドメイン(CL)のC末端に、酵素などの目的の蛋白質を融合した融合蛋白質(軽鎖融合蛋白質)を発現可能なベクターを抗体産生細胞内に導入することによって、細胞内で発現された軽鎖融合蛋白質は、抗体重鎖と会合して、その結果、目的蛋白質が連結した抗体が合成され、さらに細胞外に分泌される(図10)。
また、融合させる軽鎖の形状によって、得られる抗体の形状を変えることも可能であり、たとえば、VL-CLと酵素の融合蛋白質を発現させた場合には、1もしくは2分子の酵素で標識された完全長抗体(下記の(i)又は(ii)に記載の融合蛋白質)を得ることができ、CLとの酵素の融合蛋白質を発現させた場合は、導入した細胞由来のVL-CLと、1もしくは2分子の酵素が標識され、且つVLを欠失した酵素標識抗体断片(下記の(iii)又は(iv)に記載の融合蛋白質)を得ることができる(図10)。
即ち、本発明によれば、例えば、以下のいずれかの融合蛋白質およびそれらの多量体を製造することができる。
(i)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖2本とから構成される融合蛋白質、
(ii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質、
(iii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン2本とから構成される融合蛋白質、又は
(iv)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質。
本発明で用いる蛋白質(抗体に融合させる蛋白質)は標識として使用できる蛋白質であることが好ましく、例えば、酵素又は蛍光蛋白質などが好ましい。酵素としては、アルカリフォスファターゼ、β―ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、又はペルオキシダーゼなどを使用することができ、蛍光蛋白質としては、緑色蛍光蛋白質(GFP)、青色蛍光蛋白質(BFP)、黄色蛍光蛋白質(YFP)、シアン蛍光蛋白質(CFP)又は赤色蛍光蛋白質(RFP)などを使用することができるが、これらに限定されるものではない。
本発明では、抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子と蛋白質をコードする遺伝子とを、該抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインと該蛋白質との融合蛋白質を発現できるように連結して有する発現ベクターを、該抗体又はその一部を発現する細胞内に導入して発現させる。
蛋白質をコードする遺伝子は、抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子の5’末端側に連結してもよいし、3’末端側に連結してもよいが、好ましくは3’末端側に連結することができる。また、蛋白質をコードする遺伝子は、抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子の5’末端側又は3’末端側に直接連結してもよいし、適当なリンカー配列を介して連結してもよいが、好ましくは適当なリンカー配列を介して連結することができる。リンカー配列としては、例えば、Gly- Gly- Gly- Gly-Ser-Gly- Gly- Gly- Gly-Ser、又はGly- Gly- Gly- Gly-Serなどを用いることができるがこれらに限定されるものではない。
発現ベクターの種類は、特に限定されず、導入した抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子と蛋白質をコードする遺伝子を発現して、該抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインと該蛋白質との融合蛋白質を発現できるものであれば任意の発現ベクターを使用することができる。発現ベクターとしては、宿主細胞で自律的に増殖できるか、又は宿主細胞の染色体に組み込まれ得るウィルスベクター又はプラスミドを使用することができる。ウィルスベクターとしてはSV40, アデノウィルス,レトロウィルス,レンチウィルスなどを由来とするものが,プラスミドDNAとしては、大腸菌、枯草菌又は酵母に由来するプラスミドなどが挙げられるが,原核細胞および抗体産生細胞における選択マーカー遺伝子を持つことが望ましい。
本発明では、上記の発現ベクターを、抗体又はその一部を発現する細胞内に導入して発現させる。抗体又はその一部を発現する細胞としては、抗体の重鎖遺伝子及び抗体の軽鎖遺伝子を発現して完全長の抗体を産生する細胞でもよいし、又は抗体の重鎖遺伝子を発現する細胞でもよい。抗体又はその一部を発現する細胞としては、細菌(大腸菌など)、酵母、動物細胞(ミエローマ,ハイブリドーマ,COS細胞、CHO細胞等)、昆虫細胞などを挙げることができるが、動物細胞(ミエローマ,ハイブリドーマ,COS細胞、CHO細胞等)が好ましい。
発現ベクターの細胞への導入方法も特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム方法、エレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法、リポフェクション法などが挙げられ、またウィルスベクターを導入したパッケージング細胞の培養上清を用いて行うこともできる。
本発明によれば、上記した (iii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン2本とから構成される融合蛋白質、又は(iv)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質と、抗体軽鎖とを、抗原の存在下で接触させて、融合蛋白質と抗体軽鎖との相互作用を検出することによって免疫測定を行うことができ、これにより、抗原の存在下で特異的に相互作用する抗体重鎖と抗体軽鎖を選別することができる。上記した免疫測定は、以下に説明するオープンサンドイッチイムノアッセイで行うことができる。
蛋白質性の抗原は、サンドイッチ法と呼ばれる2種類の抗体を使う方法で測定されることが一般的である。サンドイッチ法は、抗原に同時に結合できる2種類の抗体を用意する必要があるが、特異性と感度が高いという利点を有している。しかし、分子量1000以下の小分子は小さすぎて、二種類の抗体でサンドイッチすることが困難である。即ち、分子量1000以下の小分子は抗原決定基が一つしかない単価抗原であるため、二種類の抗体でサンドイッチすることが困難となる。そのためこのような小分子は通常、競合法と呼ばれる方法で測定される。しかし競合法は、条件設定が難しく、感度が低い、測定操作にかなりの注意深さが必要、といった難点を有している。
このような欠点のない、小分子でも非競合的に測定できる方法として、本発明者らは、オープンサンドイッチイムノアッセイという免疫測定法を報告している。この方法は基本的に、「抗体の可変領域(抗原結合部位)は抗原がないと不安定だが、抗原が結合すると安定化される」という原理を利用した方法である。抗体はH鎖とL鎖の2本の鎖で構成されるが、それぞれの抗原結合部位は VH, VLと呼ばれこれらが抗原を認識できる最小単位である可変領域Fvを構成する。最近ではファージ提示法などを用いて容易にVHとVLをコードする遺伝子断片をクローニングすることができるが、VHとVLの間の結合は非共有的で多くの場合不安定であり、これらをペプチドで結んで一本鎖抗体(scFv)として使われる場合がほとんどである。
本発明者らは、この不安定なFvが、抗原が結合すると安定化する場合があり、それを利用すれば抗原濃度を簡便かつ迅速に、さらに感度よく測定できることを見出した。すなわち、VL断片をプレートに固定化しておき、これにVH断片にファージあるいはアルカリフォスファターゼを結合させたものと抗原を含むサンプルとを混ぜて一回洗浄した後にプレートに固定化されたファージあるいは酵素の量を測定すれば、それば抗原量と非常によい相関を示すことを見いだしたのである(UEDA, H. et al. Nature Biotechnol. 14, 1714-1718(1996))。
さらに、本発明者らは、手持ちの抗体がサープンサンドイッチ法に向いているか向いていないかを簡便に調べるための方法を開発した(Aburatani, T. et al., Anal. Chem. 75,
4057-4064 (2003);上田 宏. 小分子を非競合的に測定可能な新しい免疫測定法 Bio Medical Quick Review Nets No.027 (2004);及び上田 宏. "競合法によらない小分子の免疫測定". 生化学, 76(7), 670-674 (2004))。市販のファージ抗体システムに良く似たこの方法(split Fvシステム)を用いれば、手持ちのハイブリドーマの抗体可変領域の抗原結合能とVH/VL相互作用の強弱の両方を、ファージを作る大腸菌を変えることで手軽に調べることができ、またより良い性質の抗体の選択ができる。
本発明においては、(iii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン2本とから構成される融合蛋白質、又は(iv)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質と、抗体軽鎖とを、抗原の存在下で接触させて、融合蛋白質と抗体軽鎖との相互作用を検出することによって免疫測定を行うことができる。融合蛋白質には標識としての機能を有する蛋白質が結合していることから、この蛋白質を検出することによって、融合蛋白質と抗体軽鎖との相互作用を検出することができる。
本発明の方法によって得られた、抗原非存在下でVH/VL相互作用が弱く、かつ抗原存在下でVH/VL相互作用が強い抗体を用いて、例えば以下のような測定キットを作製することが可能である。
(1)VL断片をビオチン・アビジン相互作用を利用して、または物理的吸着を利用してチューブあるいはマイクロプレートに固定化する。
(2)VH断片とレポーター酵素(例えばアルカリフォスファターゼ)との融合蛋白質を作製しておき、これをサンプルと共にVLを固定化した固相と一定時間接触させる。
(3)洗浄後、固相化された酵素活性を測定し、サンプル中の抗原濃度の指標とする。
また、以下の測定キットを作製することも可能である。
(1)VH断片とVL断片を互いに吸収・蛍光スペクトル重なる二種類の蛍光色素(例えばフルオレセインとローダミン)で標識しておく。
(2)これらをサンプルと混合し、5分程度おいて短波長側の蛍光色素のみを励起光で励起する。二種類の蛍光色素由来の蛍光強度を測定することで、VH/VLの会合による蛍光エネルギー移動現象を検出することができる。二つの蛍光強度の比をサンプル中の抗原濃度の指標とする。この方法では前の方法に比べて、短時間で洗浄操作なしに抗原濃度が測定できる。
また、以下の測定キットを作製することもまた可能である。
(1)VH断片とVL断片を、それぞれ単体では活性がないか、低いが近接させると活性の増大する二種類の酵素断片(例えばLacZ△αおよびLacZ△ω)との融合蛋白質として大腸菌で発現させ、精製しておく。
(2)二種類の融合蛋白質とサンプルを混合し、一定時間おいたのち基質(例えば発光基質Galacton Plus, Tropix, Bedford, MA)と混合し、融合蛋白質複合体の活性を測定することでサンプル中の抗原濃度の指標とする。この方法では、前の2つの方法に比べてはるかに高感度に抗原濃度を測定することが可能であり、また洗浄操作を含まない(Yokozeki et al.,Anal.Chem.74(11),2500-2504,2002)。
上記方法によって測定する対象としては、第一に臨床検査における血清中の特定蛋白質、ペプチド、各種ホルモン、麻薬あるいは治療用薬物等が考えられる。また、環境水中のダイオキシン、ビスフェノールA、ノニルフェノール等の毒性が疑われる化学物資や農薬類もまた本発明によって測定される対象となる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
実験材料
ベクター
pSV-Vμ1:真核細胞で抗NP (4-hydroxy-3-nitrophenylacetic acid )IgM 重鎖を発現するベクター(EMBO J., 1983、2、1373-1378)。英国MRC分子生物学研究所のDr. Neubergerより譲渡されたものを使用した。
pSEAP-His:真核細胞でSEAP-Histagを発現誘導できるベクター(生物工学会第57回大会講演要旨集(2005) 119ページ、発表番号3C14-2「抗体可変領域-ヒト胎盤アルカリフォスファターゼ融合タンパク質の発現とその解析」
pUCλ:抗NP抗体λ鎖のコード部位を持つベクター(J. Biochem. 1997、122、322-329)。
プライマー
VLMfeIrev:5'-GGTCCAATTGCAGGCTGTTGTGACTCAGGAA-3'(配列番号1)
CLMfeIrev:5’-GCAACAATTGCAGCCCAAGTCTTCGCCATCAG-3’(配列番号2)
CL(G4S)1AflIIfor:
5'-CCTACTTAAGGACTCACCCGCGCTACCACCACCACCGGAACAGTCAGCACGGGACAA-3'(配列番号3)
CL(G4S)2AflIIfor:
5'-CCTACTTAAGGACTCACCCGCGCTACCACCACCACCACTTCCTCCTCCTCCGGAACAGTCAGCACGGGACAA-3' (配列番号4)
細胞株
COS-1:SV40で、形質転換されたアフリカミドリザル腎細胞
J558L:抗NP抗体λ鎖を発現・分泌するように変異導入された抗体産生細胞。The European Collection of Cell Culturesより購入。(Proc Natl Acad Sci U S A. 1983、80、825-829)
XL-10 gold:以下の遺伝子型を持つ大腸菌(Stratagene Co., La Jolla, CA)
TetrΔ(mcrA)183, Δ(mcrCB-hsdSMR-mrr)173, endA1, supE44, thi-1, recA1, gyrA96, relA1, lac, The[F'proAB, lacIq, ZΔM15, Tn10(Tetr), Tn5(Kanr), Amy]
以下の実施例で使われる略語は以下の通りである。
LB: 1%バクトトリプトン、0.5% イーストエクストラクト、0.5% NaClを含む培地
LBA: 100 mg/mlアンピシリンを含むLB
LBAプレート:100 mg/mlアンピシリンを含むLB寒天培地
SOC:2%バクトトリプトン、0.5% イーストエクストラクト、0.05% NaCl、2.5 mM KCl、20 mMグルコース、10 mM MgCl2を含む培地
PBS:137 mM NaClと2.7 mM KClを含む10 mM phosphateバッファー(pH 7.6)
TBST:150 mM NaCl及び0.1% Tween-20を含む10 mM Tris-HClバッファー(pH 7.6)
TAEバッファー:1 mM EDTAを含む40 mM Tris-acetate (pH 8.3)
PCIA:フェノール:クロロホルム:イソアミルアルコール(25:24:1)の混合物
すべての実験において、milliQ (Millipore Co., Billerica, MA)にて精製した水を用いた。以下、milliQ水を表記する。通常の試薬は特に表記のあるもの以外は、シグマ(St. Louis, MO)、ナカライテスク(京都)、和光純薬(大阪)、関東化学(東京)のものを使用した。オリゴDNAはテキサスジェノミクスジャパン(東京)、またはInvitrogen(東京)にて合成した。
Polymerase chain reactions (PCR)には、T3000 thermocycler (Biometra, Goettingen Germany)を、DNA配列決定には、CEQTM 8000 Genetic Analysis System (Beckman Coulter, Fullerton, CA)を使用した。
実施例1
実験概要
抗NP抗体重鎖を発現するCOS-1細胞に、抗NP抗体λ鎖とヒト胎盤アルカリフォスファターゼ(SEAP)の融合蛋白質(λ鎖-SEAP融合蛋白質)を発現するpVLCL(G4S)1SEAP-His6もしくはpVLCL(G4S)2SEAP-His6を導入することで、λ鎖-SEAP融合蛋白質が重鎖と会合したSEAP標識抗体が分泌され(図1)、培養上清を用いてELISA等の免疫測定が可能であることを実証した。
(1)pVLCL(G4S)1SEAP-His6、pVLCL(G4S)2SEAP-His6の作製
まず、pUCλのλ鎖遺伝子をPCR反応によって増幅し、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System (Promega Co., Madison, WI)を用いて精製した。プライマーの組み合わせは、VLMfeIrevとCL(G4S)1AflIIfor、VLMfeIrevとCL(G4S)2 AflIIforの2種類である。PCR反応条件は以下の通りである。得られたλ鎖遺伝子断片の模式図を図2に示す。
反応液組成
pUCλ(90 μg/ml) 1 μl
プライマー(CL(G4S)1AflIIforもしくはCL(G4S)2 AflIIfor)(50 μM) 1 μl
プライマー(VLMfeIrev)(50 μM) 1 μl
10x ExTaq buffer (Mg2+ 20 mM) (Takara bio Inc., 大津) 10 μl
dNTP Mixture (2.5 mM each) (Takara bio Inc.) 8 μl
5 U/μl ExTaq DNA polymerase (Takara bio Inc.) 1 μl
milliQ 水 78 μl
反応サイクル
1、96℃ 2 min
2、94℃ 1 min
3、55℃ 1 min
4、72℃ 1 min
(2から4を30回)
5、72℃ 5 min
6、16℃ ∞
2つのλ鎖遺伝子断片は、それぞれ、TAクローニングキット(Invitrogen Co., Carlsbad, CA)を用いたライゲーション反応により、TAクローニングベクターに挿入された。14℃、16時間のライゲーション反応の後、1μlの反応液を100 μlの大腸菌XL10-Goldコンピテントセルに氷上で加えて20分間静置し、その後42℃のヒートブロックに45秒置いて、ヒートショックを加えた。再び氷上で2分間静置した後、SOC培地200μlを加え30分37℃キュアリングし、LBAプレートに塗布して37℃で一晩培養した。生じたコロニーを4 mlのLBAに植菌し、37℃で一晩振とう培養を行った。遠心分離によって集菌した大腸菌からQIAquick miniprep kit (Qiagen, Hilden, Germany)にてプラスミドDNAを抽出し、Beckman Coulter社のプロトコールに従ってシーケンス決定を行った。
λ鎖遺伝子断片が挿入された2つ種類のTAクローニングベクターは、1μl AflII制限酵素液(New England BioLabs, Inc., Ipswich, MA)と1μl MfeI制限酵素液(New England BioLabs, Inc.)、5μl 10x BSA溶液、5μl 10x NEB 4バッファー(New England BioLabs, Inc.)を添加し、37℃で一晩静置した。制限酵素処理によって切断されたλ鎖遺伝子断片は、1.5%アガロースゲル(TAEバッファー)で電気泳動した後、400 bpもしくは800 bp付近のバンドを切り出して、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System (Promega Co.)を用いて抽出し、50μlのmilliQ水に溶解した。pSEAP-Hisベクターについても、同様に制限酵素処理を行った後に、1.5%アガロースゲル(Agarose S、NIPPON GENE CO., LTD., 富山)で電気泳動(TAEバッファー)した後、5.3kbp付近のバンドを切り出して、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System (Promega Co.)を用いて抽出し、50μlのmilliQ水に溶解した。
制限酵素処理されたλ鎖遺伝子断片とpSEAP-Hisをそれぞれ2μl混合し、そこに4μl Ligation High Ver2(TOYOBO CO., LTD., 大阪)を添加して、16℃にて30分反応させた。Ligaseを完全に失活させるために等量のPCIAと混合した後、DNAを含む上清(74μl)を回収し、7.4 μlの3 M酢酸ナトリウムと148μlのエタノールを加えて、-80℃で20分静置、11,600 g 4℃ 20分の遠心分離の後、得られた沈殿を70% エタノールで洗浄し、乾燥後20μlのmilliQ水に懸濁した。続いて、100μlのDH5αコンピテントセルに対して4μlのライゲーション反応液を加え、上記と同様にライゲーション産物を細胞内に導入した後、直ちにSOC 900μlを添加し、37℃にて30分間インキュベーションを行った。その後LBAプレートに塗布し、一晩37℃で培養して得られたコロニーを4 mlのLBAで一晩培養し、遠心分離によって集菌した大腸菌からQIAquick miniprep kit(Qiagen)にてプラスミドDNAを抽出し、Beckman Coulter社のプロトコールに従ってシーケンス決定を行い、pVLCL(G4S)1SEAP-His6及びpVLCL(G4S)2SEAP-His6が設計通りの遺伝子構造(図2)を有することを確認した。
(2)COS-1細胞での融合タンパクの発現
作製したλ鎖-SEAP融合蛋白質発現ベクターpVLCL(G4S)1SEAP-His6及びpVLCL(G4S)2SEAP-His6を、それぞれ抗NP抗体重鎖をコードするpSV-Vμ1とともにCOS-1細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションは、Transfection(BIO-RAD Laboratories, Inc., Hercules, CA)を用いてプロトコールに従って行った。ネガティブコントロールとしてベクターなし、ポジティブコントロールとしてpVLCL(G4S)1SEAP-His6及びpVLCL(G4S)2SEAP-His6の代わりに、pscFv-SEAP(化学工学会第72年会研究発表講演要旨集(2007)J204「真核細胞アルカリフォスファターゼを用いた抗体融合蛋白質の発現とその解析」)を添加して、同様のトランスフェクション操作を行った。
トランスフェクションされたCOS-1細胞は、10%牛胎児血清(Invitrogen Co.)及び、100 units/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン(GIBCO)を含むD-MEM培地(SIGMA-Aldrich Co., St. Louis, MO)10 mlを100 mm IWAKIディッシュ(AGCテクノグラス、千葉)に入れ、37℃、5%CO2の条件で培養した。トランスフェクション後、72〜168時間後の培養上清を回収して解析を行った。
(3)培養上清のSEAP活性測定
λ鎖-SEAP融合蛋白質もしくは、SEAP標識抗体の発現を確認するために、トランスフェクションされたCOS-1の培養上清のアルカリフォスファターゼ活性測定を行った。培養上清は、COS-1細胞由来のアルカリフォスファターゼを65℃で30分加熱処理により熱失活させた後に、Costar 96 well白色プレート(Corning Inc. Corning, NY)に培地を10μl分注した後に、発光基質CDP-star溶液(Tropix Inc., Bedford, MA)0.9μl、10×Buffer 9μl、milliQ水80μlを添加した。その後、遮光して室温で30分間インキュベートし、Luminescencer-JNR(ATTO Co., 東京)を用いて発光測定を行った。
培養上清のSEAP活性測定の結果を図3に示す。65℃の熱失活処理を行ったとき、λ鎖-SEAP融合蛋白質発現ベクターをトランスフェクションしたすべての培養上清で残存アルカリフォスファターゼ活性が確認され、λ鎖-SEAP融合タンパクもしくは、SEAP標識抗体が分泌されていることが確認された。
(4)Western-Blotによる融合タンパクの確認
培養上清に含まれるSEAP標識抗体を回収するために、培養上清1mlに10μlのGoat anti-Mouse IgM Agarose (SIGMA-Aldrich Co.)を加えて、室温にてローテーターを用いて30分攪拌し、遠心分離によってアガロースビースを回収した。SEAP標識抗体が結合したアガロースビースは、2×SDS-PAGE用loadingバッファー)20μlで懸濁し、95℃で5分間加熱処理した。遠心分離によって得た上清10μlを回収し、2-メルカプトエタノール1μlを加えて、さらに95℃5分間加熱処理した。これを全量12%ポリアクリルアミドゲルにアプライし、10 mAで30分、20 mAで90分泳動した。泳動後、ポリアクリルアミドゲルから蛋白質をメンブレンTrans-Blot Transfer Medium(BIO-RAD Laboratories, Inc.)に2.5 mA/cm2で30分間転写した。転写されたメンブレンをイムノブロックに浸し、4℃で一晩ブロッキングを行った。ブロッキング後メンブレンをTBSTで15分間3回振とう洗浄し、Can Get Signal Sol.1(TOYOBO CO., LTD.)で5000倍希釈した1次抗体、Goat anti-Mouse λ-Light-Chain(BETHYL laboratories, Inc., Montgomery, TX)に浸して室温1時間振とうした。さらにTBSTで15分間3回の振とう洗浄を行った後、2次抗体としてCan Get Signal Sol.2(TOYOBO., LTD.)で10000倍希釈したRabbit anti-Goat IgG(H+L):HRP Conjugate溶液(DPRA Inc., Manhattan, KS)を加えて室温1時間振とうした。最後にTBSTで15分間3回の振とう洗浄を行った後、SuperSignal West Pico Chemiluminescent Substrate(Thermo Fisher Scientific Inc. Rockford, IL)を1μlかけてLAS-4000(FUJIFILM Co.、東京)で撮影した。その結果、λ鎖-SEAP融合蛋白質をコードするベクターをトランスフェクションしたCOS-1培養上清サンプルからは、λ鎖-SEAP融合蛋白質の理論分子量付近にバンドが確認できた(図4)。Western-Blottingに用いたサンプルは、Goat anti-Mouse IgM AgaroseによってIgM重鎖を回収したものであるが、その中にλ鎖-SEAP融合蛋白質が確認されたという今回の結果は、λ鎖-SEAP融合蛋白質と重鎖は結合して分泌されていることを示している。
またIgM重鎖は、上と同じ方法で転写した別のメンブレンにCan Get Signal Sol.2で10000倍希釈したGoat anti-Mouse IgM:HRP Conjugate(DPRA Inc., Manhattan, KS)を添加して、同様にWestern-Blottingイメージを撮影することで確認できた。
(5)ELISA
SEAP標識抗体(λ鎖-SEAP融合蛋白質と重鎖の会合体)の抗原結合能を確認するために、NP-BSA又はBSAを固定化したCostar 96 well白色プレートを用いてELISAを行った。抗原固定化は、NP-BSA又はBSA溶液(1μg/ml)を各wellあたり100μl分注し、4℃で一晩インキュベートすることで行った。その後、イムノブロック(DSファーマバイオメディカル、大阪)をPBSで5倍希釈したものを200μl分注し、室温で2時間または4℃で一晩ブロッキングを行った。その後0.1% Tween20を含むPBS(PBST)で4回洗浄し、SEAP標識抗体を含む溶液(培養上清をPBSで2倍希釈し、イムノブロックを終濃度5%になるように添加)を加えて、室温で1時間静置して反応させて行った。PBSTで3回洗浄した後、1x CDP Buffer(Tropix Inc.)でウェルを洗浄した後、0.9μl CDP-star溶液、9μl 10×Buffer、80μl milliQ水を含む反応溶液を添加した。その後、遮光して室温で30分間インキュベートし、Luminescencer-JNRを用いて発光測定を行った。その結果、図5に示すように、バックグランドであるBSA固定化ウェルよりも、NP-BSA固定化wellにおいて有意に強いシグナルが得られ、SEAP標識抗体の免疫測定法への実用性が実証された。
実施例2
実験概要
抗NP抗体重鎖を発現するCOS-1細胞に、λ鎖のCLとヒト胎盤アルカリフォスファターゼ(SEAP)の融合蛋白質(CL-SEAP融合蛋白質)を発現するpCL(G4S)1SEAP-His6もしくはpCL(G4S)2SEAP-His6を導入することで、CL-SEAP融合蛋白質が重鎖と会合したSEAP標識重鎖が分泌され(図6)、培養上清と抗NP抗体λ鎖を用いてオープンサンドイッチELISAが可能であることを実証した。
(1)pCL(G4S)1SEAP-His6、pCL(G4S)2SEAP-His6の作製
まず、pUCλのCL遺伝子をPCR反応によって増幅し、Wizard SV Gel and PCR Clean-Up System (Promega Co.)を用いて精製した。プライマーの組み合わせは、CLMfeIrevとCL(G4S)1AflIIfor、CLMfeIrevとCL(G4S)2 AflIIforの2種類である。PCR反応条件は以下の通りである。得られたλ鎖遺伝子断片の模式図を図7に示す。
反応液組成
pUCλ(90 μg/ml) 1 μl
プライマー(CL(G4S)1AflIIforもしくはCL(G4S)2 AflIIfor)(50 μM) 1 μl
プライマー(CLMfeIrev)(50 μM) 1 μl
10x ExTaq buffer (Mg2+ 20 mM) (Takara bio Inc.) 10 μl
dNTP Mixture (2.5 mM each) (Takara bio Inc.) 8 μl
5 U/μl ExTaq DNA polymerase (Takara bio Inc.) 1 μl
milliQ 水 78 μl
反応サイクル
1、96℃ 2 min
2、94℃ 1 min
3、55℃ 1 min
4、72℃ 1 min
(2から4を30回)
5、72℃ 5 min
6、16℃ ∞
2つのλ鎖遺伝子断片は、それぞれ上記と同様に、TAクローニングキットを用いてサブクローニングを行い、シーケンス決定を行った。
CL遺伝子断片が挿入された2つ種類のTAクローニングベクターは、上記と同様にAflIIとMfeIによって切断し、同じく制限酵素処理を行ったpSEAP-Hisベクターとの間でライゲーション反応を行い、pCL(G4S)1SEAP-His6及びpCL(G4S)2SEAP-His6を得た(図7)。
(2)COS-1細胞での融合タンパクの発現
作製したCL-SEAP融合蛋白質発現ベクターpCL(G4S)1SEAP-His6及びpCL(G4S)2SEAP-His6を、それぞれ抗NP抗体重鎖をコードするpSV-Vμ1とともにCOS-1細胞にトランスフェクションし、上記と同様に培養後、培養上清を得た。
(3)培養上清のSEAP活性測定
CL-SEAP融合蛋白質もしくは、SEAP標識重鎖(CL-SEAP融合蛋白質と重鎖の会合体)の発現を確認するために、トランスフェクションされたCOS-1の培養上清のアルカリフォスファターゼ活性測定を上記と同様に行った。
培養上清のSEAP活性測定の結果を図8に示す。CL-SEAP融合蛋白質発現ベクターをトランスフェクションした培養上清において、熱処理後の残存アルカリフォスファターゼ活性が確認され、CL-SEAP融合タンパクもしくは、SEAP標識抗体が分泌されていることが確認された。
(4)Western Blotによる融合タンパクの確認
上記と同様に、Goat anti-Mouse IgM Agarose用いて培養上清に含まれるSEAP標識重鎖を回収し、ウエスタンブロッティングを行った。その結果、CL-SEAP融合蛋白質をコードするベクターをトランスフェクションしたCOS-1培養上清サンプルからは、理論分子量付近にバンドが確認でき、CL-SEAP融合蛋白質と重鎖は結合して分泌されていることが示された(図4)。
(5)オープンサンドイッチELISA
SEAP標識重鎖を用いてオープンサンドイッチELISAが可能であることを確認するために、NP-BSA又はBSAを固定化したCostar 96 well白色プレートに、培養上清と抗NP抗体λ鎖を添加し、固定相に形成されたNP-BSAとSEAP標識重鎖、抗NP抗体λ鎖からなる三者複合体を見積もった。抗原固定化とブロッキングは上記と同様に行い、SEAP標識重鎖を含む溶液(培養上清をPBSで2倍希釈し、イムノブロックを終濃度5%になるように添加)とJ558Lから精製した抗NP抗体λ鎖を加えて、室温で1時間静置して反応させて行った。PBSTで3回洗浄した後、1x CDP Bufferでウェルを洗浄した後、0.9μl CDP-star溶液、9μl 10×Buffer、80μl milliQ水を含む反応溶液を添加した。その後、遮光して室温で30分間インキュベートし、Luminescencer-JNRを用いて発光測定を行った。その結果、図9に示すように、バックグランドであるBSA固定化ウェルよりも、NP-BSA固定化wellにおいて有意に強いシグナルが得られ、SEAP標識重鎖のオープンサンドイッチELISAへの実用性が実証された。
図1は、λ鎖-SEAP融合蛋白質発現ベクターによるSEAP標識抗体の作製を示す。 図2は、λ鎖-SEAP融合蛋白質発現ベクターの調製スキームを示す。 図3は、培養上清中のSEAP活性を示す。「Background」は、ベクターを加えずトランスフェクション操作のみを行ったCOS-1細胞の培養上清のSEAP活性を示す。「μVCL(G4S)2SEAP」及び「μVCL(G4S)SEAP」は、それぞれpVLCL(G4S)1SEAP-His6、pVLCL(G4S)2SEAP-His6をトランスフェクションしたCOS-1細胞、また「scFv-SEAP」は、ポジティブコントロールとしてpscFvSEAPをトランスフェクションしたCOS-1細胞の培養上清のSEAP活性を示す。 図4は、培養上清のウエスタンブロッティングの結果を示す。pVLCL(G4S)1SEAP-His6 (1)、pCL(G4S)1SEAP-His6 (2)、pVLCL(G4S)2SEAP-His6 (3)、 pCL(G4S)2SEAP-His6 (4)をトランスフェクションしたCOS-1細胞の培養上清をGoat anti-Mouse IgM Agarose で回収し、SDS-PAGEで泳動後、Goat anti-Mouse λ Light Chainを用いて検出した。 図5は、培養上清を用いた固定化抗原(NP-BSA)に対するELISAを示す。図中の表記は図3と同様である。 図6は、CL-SEAP融合蛋白質発現ベクターによるSEAP融合重鎖の作製を示す。 図7は、CL-SEAP融合蛋白質発現ベクターの調製スキームを示す。 図8は、培養上清中のSEAP活性を示す。「Background」は、ベクターを加えずトランスフェクション操作のみを行ったCOS-1細胞の培養上清のSEAP活性を示す。「μCL(G4S)2SEAP」及び「μCL(G4S)SEAP」は、それぞれpCL(G4S)1SEAP-His6、pCL(G4S)2SEAP-His6をトランスフェクションしたCOS-1細胞、また「scFv-SEAP」は、ポジティブコントロールとしてpscFvSEAPをトランスフェクションしたCOS-1細胞の培養上清のSEAP活性を示す。 図9は、培養上清と軽鎖を用いた固定化抗原(NP-BSA)に対するOS-ELISAを示す。 図10は、軽鎖融合法による酵素標識抗体作製の概念図を示す。なお,図はIgGなどのH2L2ヘテロ二量体を形成する抗体の場合であり,IgM, IgAの場合それぞれこれらが5量体,2量体となって分泌されると考えられる。特にIgMでは,L鎖酵素融合蛋白質が10個の可能な結合部位の一部に結合させることで,元来の抗原特異性を最大限に保ちつつ酵素ラベルをすることが可能になる。

Claims (11)

  1. 抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子と蛋白質をコードする遺伝子とを、該抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインと該蛋白質との融合蛋白質を発現できるように連結して有する発現ベクターを、該抗体又はその一部を発現する細胞内に導入して発現させることを含む、抗体と蛋白質との融合蛋白質の製造方法。
  2. 蛋白質が酵素又は蛍光蛋白質である、請求項1に記載の融合蛋白質の製造方法。
  3. 蛋白質が、アルカリフォスファターゼ、β―ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、ペルオキシダーゼである、請求項1又は2に記載の融合蛋白質の製造方法。
  4. 抗体又はその一部を発現する細胞が、抗体の重鎖遺伝子及び抗体の軽鎖遺伝子を発現する細胞、又は抗体の重鎖遺伝子を発現する細胞である、請求項1から3の何れかに記載の融合蛋白質の製造方法。
  5. 発現ベクターが、抗体の軽鎖もしくは軽鎖定常領域ドメインをコードする遺伝子の3'末端側に蛋白質をコードする遺伝子が連結している発現ベクターである、請求項1から4の何れかに記載の融合蛋白質の製造方法。
  6. 請求項1から5の何れかに記載の方法により製造される、抗体の軽鎖に蛋白質が結合していることを特徴とする抗体と蛋白質との融合蛋白質。
  7. 抗体の軽鎖の3'末端側に蛋白質が結合している、請求項6に記載の融合蛋白質。
  8. (i)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖2本とから構成される融合蛋白質、
    (ii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質、
    (iii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン2本とから構成される融合蛋白質、又は
    (iv)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質、
    の何れかである、請求項6又は7に記載の融合蛋白質またはこれらの多量体。
  9. 請求項6から8の何れかに記載の融合蛋白質を含む、免疫測定キット。
  10. 請求項8に記載の(iii)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン2本とから構成される融合蛋白質、又は(iv)抗体重鎖2本と、C末端側に蛋白質を有する抗体軽鎖定常領域ドメイン1本及び抗体軽鎖1本とから構成される融合蛋白質と、抗体軽鎖とを、抗原の存在下で接触させて、融合蛋白質と抗体軽鎖との相互作用を検出することを含む、免疫測定方法。
  11. 抗原の存在下で特異的に相互作用する抗体重鎖と抗体軽鎖を選別する、請求項10に記載の免疫測定方法。
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