JP2010016520A - 映像信号処理装置、及び映像信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】映像信号のペデスタルレベル算出期間にノイズが混入しても、本来の映像の再現性を低下させることのない映像信号処理装置、及び映像信号処理方法を提供する。
【解決手段】アナログ映像信号のペデスタルレベルを補正する映像信号処理装置であって、各走査線からペデスタルレベルを抽出するペデスタルレベル抽出部91と、ペデスタルレベル抽出部91で抽出された各走査線のペデスタルレベルに重畳されたノイズレベルを低減するノイズ低減処理部92と、ノイズ低減処理部92でノイズ低減処理されたペデスタルレベルを重み平均化処理した値を、各走査線の基準ペデスタルレベルとして出力する平均化処理部93を備えている。
【選択図】図7

Description

本発明は、映像信号処理装置、及び映像信号処理方法に関する。
電波受信装置等から入力したアナログ映像信号をデジタル信号に変換して液晶等のディスプレイに表示させる映像信号処理装置が、オーディオ装置やナビゲーション装置等に搭載されている。そして近年、ディスプレイの高解像化及び大画面化が進んでいる。
高解像度のディスプレイや大画面のディスプレイは、映像信号にノイズが重畳した場合に、低解像度のディスプレイや小画面のディスプレイでは気にならなかったノイズの影響が目立つ。ここで、ノイズには、例えば、商用電源の高調波ノイズ、別系統(例えば、携帯電話等の別の電波受信装置)からの干渉ノイズ、電源のスイッチングノイズ等がある。
よって、高解像度や大画面のディスプレイで高画質化を目指すためには、ノイズ除去技術が不可欠になりつつある。
ノイズの影響を抑制する機能を搭載した映像信号処理装置として、特許文献1には、黒基準信号の期間(ペデスタルレベル算出期間)に対応するゲインコントロールアンプの出力値を所定の基準値に一致させるクランプ回路に、ゲインコントロールアンプに供給されるクランプ信号のゲインを制御するゲイン制御手段を設けることで、クランプ回路に外部回路等からノイズが混入した場合にも、当該ノイズをゲイン制御手段によって抑制することで、当該ノイズのゲインコントロールアンプに対する影響を小さくすることのできる固体撮像装置が開示されている。
特開2003−163845号公報
ところで、映像信号としてコンポジットビデオ信号を入力とした映像信号処理装置に備えられているペデスタルレベル算出部は、入力されたアナログ映像信号からペデスタルレベルを走査線毎に抽出し、抽出したペデスタルレベルを重み平均化処理した値を、映像信号から同期信号を分離する際の基準として、及び、映像信号から分離された輝度信号のレベル決定の際の基準として使用している。
以下に詳述する。図1に示すように、ペデスタルレベル算出部100は、各走査線からペデスタルレベルを抽出するペデスタルレベル抽出部200と、ペデスタルレベル抽出部200で抽出されたペデスタルレベルを重み平均化処理した値を、各走査線の基準ペデスタルレベルとして出力する平均化処理部300を備えている。
ペデスタルレベル抽出部200は、例えば、入力された映像信号の各走査線の同期信号の立ち上がりエッジから、所定クロック後(例えば、入力された映像信号が、当該立ち上がりエッジからペデスタルレベルを抽出可能な区間(以下、ペデスタルレベル算出期間と記す。)となるまでの期間だけ遅延させるクロックで具体例としては25クロック)に、連続した所定数(例えば4点)の信号レベルを検出し、検出した所定数の信号レベルを平均することでペデスタルレベルX(n)を抽出する。
平均化処理部300は、補正出力Y(n)、前回の補正出力Y(n−1)、抽出されたペデスタルレベルX(n)、重み係数k(0<k<1)とするときに、数1で示されるデジタルIIRフィルタで構成されている。尚、重み係数は、予め設定された固定値である。
Figure 2010016520
IIRフィルタは、入力X(n)に対して補正出力Y(n)を出力するため、抽出されたペデスタルレベルX(n)を重み係数kで乗算する第一乗算部310と、IIRフィルタの補正出力であるY(n)を1走査線分の時間だけ遅延させて前回の補正出力Y(n−1)として出力する遅延部320と、前回の補正出力Y(n−1)を1より重み係数kを減算した値「1−k」で乗算する第二乗算部330と、第一乗算部310の出力kX(n)と第二乗算部330の出力(1−k)Y(n-1)を加算する加算部340を備えている。
図1に示すようなペデスタルレベル算出部100を備えた映像信号処理装置では、映像信号の輝度と同期信号は、ペデスタルレベルを基準に生成されている。よって、映像信号処理装置にノイズが混入し、ペデスタルレベル算出部100に入力した映像信号のペデスタルレベル算出期間に、当該ノイズが重畳した場合、算出したペデスタルレベルの変動を招き、同期信号や映像信号の輝度の乱れにつながってしまう。
同期信号の乱れについて詳述する。映像信号処理装置に入力した映像信号を分離して、水平同期信号及び垂直同期信号を生成し出力する同期信号分離部において、水平同期信号としての分離信号は、図2(a)に示すように、同期信号分離部の前段に設けられたローパスフィルタから入力された映像信号のペデスタルレベルと映像信号のレベルの最小値とを加算して「2」で除算したレベルを分離閾値として、当該分離閾値に基づいて分離される。よって、ペデスタルレベル算出部100で算出されたペデスタルレベルが変動していると、水平同期信号の立ち上がり及び立下がりタイミングにズレが生じてしまう。
また、同期信号分離部において、垂直同期信号としての分離信号は、図2(b)に示すように、レジスタ等に記憶されている設定値をペデスタルレベルから減算したレベルを分離閾値として、当該分離閾値に基づいて分離される。よって、ペデスタルレベル算出部100で算出されたペデスタルレベルが変動していると、垂直同期信号の立ち上がり及び立下がりタイミングにズレが生じてしまう。
また、映像の輝度レベルは、図3に示すように、映像信号を輝度信号と色差信号に分離するYC分離部において、ペデスタルレベルを基準として算出される。よって、ペデスタルレベル算出部100で算出されたペデスタルレベルが変動していると、当該変動が輝度の違いとなってディスプレイに表示される映像の再現性が低下してしまう。
尚、図1に示すような映像信号処理装置では、ゲインコントロールアンプを用いていないため、特許文献1の方法を採用することはできない。
本発明の目的は、上述した従来の問題点に鑑み、映像信号のペデスタルレベル算出期間にノイズが混入しても、本来の映像の再現性を低下させることのない映像信号処理装置、及び映像信号処理方法を提供する点にある。
上述の目的を達成するため、本発明による映像信号処理装置の特徴構成は、アナログ映像信号のペデスタルレベルを補正する映像信号処理装置であって、各走査線からペデスタルレベルを抽出するペデスタルレベル抽出部と、前記ペデスタルレベル抽出部で抽出された各走査線のペデスタルレベルに重畳されたノイズレベルを低減するノイズ低減処理部と、前記ノイズ低減処理部でノイズ低減処理されたペデスタルレベルを重み平均化処理した値を、各走査線の基準ペデスタルレベルとして出力する平均化処理部を備えている点にある。
上述の構成によれば、ペデスタルレベル算出期間中に映像信号にノイズが混入しても、ノイズ低減処理部が、算出されたペデスタルレベルに重畳された当該ノイズレベルを低減する。
以上説明した通り、本発明によれば、映像信号のペデスタルレベル算出期間にノイズが混入しても、本来の映像の再現性を低下させることのない映像信号処理装置を提供することができるようになった。
以下、本発明による映像信号処理装置、及び映像信号処理方法について説明する。
図4に示すように、映像信号処理装置1は、アナログ映像信号をデジタル信号に変換するAD変換部2と、アナログ映像信号を分離して水平同期信号及び垂直同期信号を生成し出力する同期信号分離部3と、サンプリングクロック及びクランクパルスを生成し出力するAD制御部4と、AD変換部2で変換されたデジタル信号を輝度信号Yと色信号Cに分離するYC分離部5と、色信号Cに基づいて2種の色差信号Cb、Crを取り出すとともに当該色差信号に対して画質調整処理を行なう画質調整部6と、輝度信号Y及び色差信号Cb、Crを入力して色差信号Cb、Crを色信号Cに変換するYC変換部7を備えている。
AD変換部2は、電波受信装置やDVDプレーヤー等の装置から出力されて映像信号処理装置1に入力したアナログ映像信号を、AD制御部4から供給されるクロック信号に基づいてサンプリングすることにより、デジタル信号に変換するように構成されている。尚、アナログ映像信号は、例えば、NTSC規格の映像信号やPAL規格の映像信号等である。
同期信号分離部3は、後述するペデスタルレベル補正処理部が組み込まれ、ペデスタルレベル補正処理部から出力されたペデスタルレベルに基づいて、図2で説明した演算を実行することによって、水平同期信号及び垂直同期信号を分離する。
例えば、同期信号分離部3は、AD変換部2から出力されたデジタル信号よりペデスタルレベルを抽出して補正し、基準ペデスタルレベルを算出するペデスタルレベル補正処理部と、ペデスタルレベル補正処理部から出力されたペデスタルレベルに基づいて、図2(a)で説明した演算を実行することによって、AD変換部2から出力されたデジタル信号から水平同期信号を分離する水平同期信号分離部と、図2(b)で説明した演算を実行することによって、AD変換部2から出力されたデジタル信号から垂直同期信号を分離する垂直同期信号分離部とを備えている。
同期信号分離部3にペデスタルレベル補正処理部を組み込むことで、ペデスタルレベルの変動に起因する水平同期信号及び垂直同期信号の立ち上がり及び立下がりタイミングにズレが生じることを防止することができる。
AD制御部4は、同期信号分離部3から出力された水平同期信号HD及び垂直同期信号VDに基づいてサンプリングクロックを生成するとともに、AD変換部2から出力されたデジタル信号を参照し、水平ブランキング期間のうちのペデスタルレベル算出期間(例えばバックポーチ)にクランクパルスを出力する。クランクパルスによってスイッチ10がオンとなると、所定のクランプ電圧がAD変換部2に入力され、ペデスタルレベルがクランプされる。
尚、AD制御部4は、異なる周波数の複数種類のクロック(例えば、水平同期信号に基づくクロック、及び、水平同期信号と垂直同期信号で構成される複合同期信号に基づくクロックの二種類のクロック)を生成するように構成されており、映像信号処理装置1には、当該複数種類のクロックを選択可能なクロック選択部41が設けられている。
YC分離部5は、後述するペデスタルレベル補正処理部が組み込まれ、デジタル信号を輝度信号と色差信号に分離して、ペデスタルレベル補正処理部から出力されたペデスタルレベルに基づいて輝度信号を出力する。
図5に示すように、YC分離部5は、AD制御部4から出力されたデジタル信号のうち色副搬送波の周波数近傍の信号のみを通過させて色信号Cを出力するバンドパスフィルタ51と、AD制御部4から出力されたデジタル信号からバンドパスフィルタ51の出力を減じて輝度信号Yを出力する減算器52と、ペデスタルレベル補正処理部9を備えて構成されている。
ペデスタルレベル補正処理部9は、減算器52から出力された信号に後述する所定の処理を施すことで算出された基準ペデスタルレベルを、第二減算器54へ出力する。第二減算器54は、減算器52から出力された信号から基準ペデスタルレベルを減算することで、輝度信号Yを算出し、画質調整部6へ出力する。
尚、映像信号処理装置1には、AD変換部2から出力されたデジタル信号を走査線単位で保持するラインメモリ51が設けられており、YC分離部5での処理は走査線単位で実行される。
YC分離部5にペデスタルレベル補正処理部を組み込むことで、ペデスタルレベルの変動に起因する輝度レベルの誤差が低減するので、本来の映像の再現性の低下を低減することができる。
画質調整部6は、色信号Cに基づいて2種の色差信号Cb、Crを取り出す。また、画質調整部6は、画質調整処理としてガンマ補正等を実行する。
YC変換部7から出力された輝度信号Y及び色信号Cは、表示制御部81において、水平拡縮、階調変換、垂直拡縮、コントラスト調整、ガンマ補正等の処理が施され、タイミングコントローラ82によって制御される所定のタイミングで、液晶ディスプレイ等で構成される表示部83へ出力される。
以下、ペデスタルレベル補正処理部について説明する。図6、図7に示すように、ペデスタルレベル補正処理部9は、各走査線からペデスタルレベルを抽出するペデスタルレベル抽出部91と、ペデスタルレベル抽出部91で抽出された各走査線のペデスタルレベルに重畳されたノイズレベルを低減するノイズ低減処理部92と、ノイズ低減処理部92でノイズ低減処理されたペデスタルレベルを重み平均化処理した値を、各走査線の基準ペデスタルレベルとして出力する平均化処理部93を備えている。尚、図6において破線で示した部分は、ペデスタルレベル補正処理部が同期信号分離部3に組み込まれている場合に入出力される信号及びデータである。
ペデスタルレベル抽出部91及び平均化処理部93の構成及び実行される処理は、図1で説明したペデスタルレベル抽出部200及び平均化処理部300の構成及び実行される処理と同様である。
但し、平均化処理部93では、後述するように、重み係数kは可変設定可能に構成されている。また、ペデスタルレベル補正処理部9では、ペデスタルレベル抽出部91と平均化処理部93がノイズ低減処理部92を介して接続されている。以下、ノイズ低減処理部92について説明する。
ノイズ低減処理部92は、ペデスタルレベル抽出部91で抽出された現在のペデスタルレベルが所定の閾値より大となるときに、過去に抽出された前記所定の閾値以下のペデスタルレベルを現在のペデスタルレベルと置換して平均化処理部93に出力するように構成されている。
以下に詳述する。図8(a)に示すように、ノイズ低減処理部92は、抽出されたペデスタルレベルX(n)と予め設定された所定の閾値とを比較して、比較結果に基づく出力(例えば、ペデスタルレベルX(n)が閾値以上の場合にハイレベル、ペデスタルレベルX(n)が閾値より小さい場合にローレベルの信号ENを出力)する比較部921と、信号ENの入力に基づいてペデスタルレベルX(n)とX(n−1)の何れかを今回の出力X´(n)として出力するセレクタ922と、セレクタ922からの出力X´(n)を記憶しておき1走査線分の時間だけ遅延させて前回の出力X(n−1)として出力する遅延部923とを備えている。
ペデスタルレベル抽出部91に、図8(b)に示すようなデジタル信号が入力された場合、ペデスタルレベル抽出部91は図中破線で示すペデスタルレベル算出期間におけるペデスタルレベルを抽出する。ペデスタルレベル抽出部91からペデスタルレベルとしてX(n−5)、X(n−3)、X(n−2)、X(n−1)、X(n)がノイズ低減処理部92に入力された場合、各ペデスタルレベルのレベルが閾値より小さいので、セレクタ922は入力された信号をそのまま平均化処理部93に出力するが、ペデスタルレベルとしてX(n−4)が入力された場合、X(n−4)が閾値以上であるので、セレクタ922は前回入力されて遅延部923に記憶されているX(n−5)を平均化処理部93に出力する。
上述の構成によれば、アナログ映像信号のペデスタルレベル算出期間に所定レベル以上のノイズが重畳されても、ノイズ低減処理部92は当該ノイズが重畳されたペデスタルレベルを平均化処理部93に出力せず、遅延部923に記憶されている当該ノイズが重畳されていないペデスタルレベルを平均化処理部93に出力するので、ノイズによるペデスタルレベルの変動を低減することができる。
以上説明した各機能ブロックによる映像信号処理は、映像信号処理装置1が搭載されているナビゲーション装置等の操作部をユーザが操作することにより、映像信号処理装置1にアナログ映像信号が入力されることで実行される。その結果、映像信号処理装置1に入力された映像信号は、表示部83に表示される。
また、以上説明した各機能ブロックの処理は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアで実現されてもよい。或は、映像信号処理装置1に搭載されたCPU、または、映像処理装置1を制御するマイクロコンピュータ等に搭載されたCPUがROM等に記憶された制御プログラムを実行することで実現される、つまりソフトウェアで実現されてもよい。
以上説明したとおり、本発明による映像信号処理方法は、アナログ映像信号のペデスタルレベルを補正する映像信号処理方法であって、各走査線からペデスタルレベルを抽出するペデスタルレベル抽出ステップと、前記ペデスタルレベル抽出ステップで抽出された各走査線のペデスタルレベルに重畳されたノイズレベルを低減するノイズ低減処理ステップと、前記ノイズ低減処理ステップでノイズ低減処理されたペデスタルレベルを重み平均化処理した値を、各走査線の基準ペデスタルレベルとして出力する平均化処理ステップを備えている方法である。
以下、別実施形態について説明する。上述の実施形態では、ノイズ低減処理部92は、ペデスタルレベルにノイズが重畳している場合、過去に抽出されたペデスタルレベルを現在のペデスタルレベルと置換して平均化処理部93に出力するように構成されている場合について説明したが、ペデスタルレベルに重畳したノイズを低減することができるのであれば、このような構成に限らない。以下に、二つの例について説明する。
第一の例について説明する。平均化処理部93は、補正出力Y(n)、前回の補正出力Y(n−1)、抽出されたペデスタルレベルX(n)、重み係数k(0<k<1)とするときに、上述の数1で示されるデジタルIIRフィルタで構成され、ノイズ低減処理部92は、ペデスタルレベル抽出部91で抽出されたペデスタルレベルが所定の閾値より大となるときに、重み係数kを、前記ペデスタルレベルが前記所定の閾値以下となるときよりも小さな値に補正してもよい。
以下に詳述する。図9に示すように、ノイズ低減処理部92は、図8で説明した比較部921と、複数の異なる値の重み係数kが記憶された記憶部924とを備えている。記憶部924は、比較部921の出力信号ENに基づいて何れかの値の重み係数kを第一乗算部310及び第二乗算部330へ出力するように構成されている。尚、記憶部924は、映像信号処理装置1内またはナビゲーション装置等の外部装置に備えられている他の記憶部と兼用してもよい。
例えば、記憶部924に大小二値の重み係数が記憶されている場合であって現在の重み係数が大きい値である場合、比較部921が、ペデスタルレベル抽出部91で抽出されたペデスタルレベルが閾値以上、つまり、ノイズが重畳していると判断した場合、その旨の信号ENを受け取った記憶部は、小さい値の重み係数kを第一乗算部310及び第二乗算部330へ出力する。その結果、平均化処理部93での重み平均化処理において、ノイズが重畳されているペデスタルレベルX(n)の補正出力Y(n)に与える影響を小さくすることができる。
逆に、現在の重み係数が小さい値である場合、比較部921が、ペデスタルレベル抽出部91で抽出されたペデスタルレベルが閾値より小さい、つまり、ノイズが重畳していないと判断した場合、その旨の信号ENを受け取った記憶部924は、大きい値の重み係数kを第一乗算部310及び第二乗算部330へ出力する。
以上の説明では、重み係数kが大小二値の場合について例示したが、重み係数kは三値以上の複数の値に設定可能であってもよい。
この場合、例えば、比較部921は、多段の比較器で構成されており、各比較器は、入力されたペデスタルレベルを各比較器で異なる値に設定された閾値と比較する。各比較器はペデスタルレベルが閾値以上の場合にハイレベル、閾値より小さい場合にローレベルの信号を記憶部924へ出力する。
比較部921が三個の比較器で構成されている場合、抽出されたペデスタルレベルは、一段目の比較器で第一閾値と比較され、二段目の比較器で第一閾値より小さい値に設定された第二閾値と比較され、三段目の比較器で第二閾値より小さい値に設定された第三閾値と比較される。
記憶部924には、各比較器から記憶部924へ入力される信号レベル(ハイレベル及びローレベル)の各組合せに対応して異なる値の重み係数kが設定され記憶されており、各比較器から入力された信号レベルの組合せに対応した値の重み係数kが第一乗算部310及び第二乗算部330へ出力される。
以上説明した構成では、比較部921に備えられる比較器の数を増やすことで、記憶部924に、より多数の異なる値の重み係数kを設定、記憶することができる。
また、比較部921に複数の比較器を設ける代わりに、比較部921を、抽出されたペデスタルレベルと所定の閾値との差分を記憶部924に出力する作動増幅器等で構成してもよい。
この場合、記憶部924には、比較部921から入力される差分に対応して異なる値の重み係数kが設定され記憶されており、比較部921から入力された差分に対応した値の重み係数kが第一乗算部310及び第二乗算部330へ出力される。
第二の例について説明する。平均化処理部93は、補正出力Y(n)、前回の補正出力Y(n−1)、抽出されたペデスタルレベルX(n)、重み係数k(0<k<1)とするときに、上述の数1で示されるデジタルIIRフィルタで構成され、ノイズ低減処理部92は、ペデスタルレベル抽出部91で抽出された各ペデスタルレベルで重み係数kを正規化してもよい。
以下に詳述する。図10に示すように、ノイズ低減処理部92は、予め設定された基準の重み係数kを、ペデスタルレベル抽出部91から入力されたペデスタルレベルX(n)で除算することで、正規化された重み係数k´を算出し、当該重み係数k´を第一乗算部310及び第二乗算部330へ出力するように構成されている。
上述の構成によれば、ペデスタルレベル抽出部91から入力されたペデスタルレベルX(n)に重畳しているノイズのレベルが大きい程、ノイズ低減処理部92は、基準の重み係数kを大きい値で除算して、小さい値の重み係数k´を算出する。つまり、ノイズ低減処理部92は、当該ペデスタルレベルX(n)に重畳しているノイズのレベルが大きい程、当該ペデスタルレベルX(n)の補正出力Y(n)に与える影響を小さくすることができる。
上述の実施形態では、映像信号処理装置1は、入力したアナログ映像信号をデジタル信号に変換してからペデスタルレベルを抽出、補正する場合について説明したが、入力したアナログ映像信号をデジタル信号に変換することなくペデスタルレベルを抽出、補正してもよい。
上述した実施形態は、本発明を実現する一実施例を説明するものであり、各部の具体的な構成は、本発明の作用効果を奏する限りにおいて、構築するシステムに応じて適宜変更設計することが可能である。
従来のペデスタルレベル算出部のブロック構成図 (a)は水平同期信号の分離についての説明図、(b)は垂直同期信号の分離についての説明図 映像の輝度レベルの算出についての説明図 映像信号処理装置のブロック構成図 YC分離部のブロック構成図 ペデスタルレベル補正処理部のブロック構成図 ペデスタルレベル補正処理部のブロック構成図 (a)は重み係数を置換するノイズ低減処理部を備えたペデスタルレベル補正処理部のブロック構成図、(b)はペデスタルレベルの置換についての説明図 重み係数を補正するノイズ低減処理部を備えたペデスタルレベル補正処理部のブロック構成図 正規化処理を行なうノイズ低減処理部を備えたペデスタルレベル補正処理部のブロック構成図
符号の説明
1:映像信号処理装置
3:同期信号分離部
5:YC分離部
9:ペデスタルレベル補正処理部
91:ペデスタルレベル抽出部
92:ノイズ低減処理部
93:平均化処理部

Claims (5)

  1. アナログ映像信号のペデスタルレベルを補正する映像信号処理装置であって、
    各走査線からペデスタルレベルを抽出するペデスタルレベル抽出部と、前記ペデスタルレベル抽出部で抽出された各走査線のペデスタルレベルに重畳されたノイズレベルを低減するノイズ低減処理部と、前記ノイズ低減処理部でノイズ低減処理されたペデスタルレベルを重み平均化処理した値を、各走査線の基準ペデスタルレベルとして出力する平均化処理部を備えていることを特徴とする映像信号処理装置。
  2. 前記ノイズ低減処理部は、前記ペデスタルレベル抽出部で抽出された現在のペデスタルレベルが所定の閾値より大となるときに、過去に抽出された前記所定の閾値以下のペデスタルレベルを現在のペデスタルレベルと置換して前記平均化処理部に出力することを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
  3. 前記平均化処理部は、補正出力Y(n)、前回の補正出力Y(n−1)、抽出されたペデスタルレベルX(n)、重み係数k(0<k<1)とするときに、
    Y(n)=(1−k)Y(n−1)+kX(n)
    で示されるデジタルIIRフィルタで構成され、
    前記ノイズ低減処理部は、前記ペデスタルレベル抽出部で抽出されたペデスタルレベルが所定の閾値より大となるときに、前記重み係数を、前記ペデスタルレベルが前記所定の閾値以下となるときよりも小さな値に補正することを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
  4. 前記平均化処理部は、補正出力Y(n)、前回の補正出力Y(n−1)、抽出されたペデスタルレベルX(n)、重み係数k(0<k<1)とするときに、
    Y(n)=(1−k)Y(n−1)+kX(n)
    で示されるデジタルIIRフィルタで構成され、
    前記ノイズ低減処理部は、前記ペデスタルレベル抽出部で抽出された各ペデスタルレベルで前記重み係数を正規化することを特徴とする請求項1記載の映像信号処理装置。
  5. アナログ映像信号のペデスタルレベルを補正する映像信号処理方法であって、
    各走査線からペデスタルレベルを抽出するペデスタルレベル抽出ステップと、前記ペデスタルレベル抽出ステップで抽出された各走査線のペデスタルレベルに重畳されたノイズレベルを低減するノイズ低減処理ステップと、前記ノイズ低減処理ステップでノイズ低減処理されたペデスタルレベルを重み平均化処理した値を、各走査線の基準ペデスタルレベルとして出力する平均化処理ステップを備えていることを特徴とする映像信号処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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DE102011009593A1 (de) 2010-01-28 2011-09-01 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Verfahren zum Herstellen einer Metallgehäusebaugruppe für eine Zündkerze, Verfahren zum Herstellen einer Zündkerze und Vorrichtung zum Herstellen einer Metallgehäusebaugruppe für eine Zündkerze

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DE102011009593A1 (de) 2010-01-28 2011-09-01 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Verfahren zum Herstellen einer Metallgehäusebaugruppe für eine Zündkerze, Verfahren zum Herstellen einer Zündkerze und Vorrichtung zum Herstellen einer Metallgehäusebaugruppe für eine Zündkerze

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