本発明は、ダウン並びフェザーの疎水化する際に親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と多価アミノ化合物を共存させ「浴中吸尽法」を用いて第1次の30℃〜90℃までの昇温熱処理を付した後、第2次の60℃〜150℃の乾熱処理を付す「連続乾熱法」を含む工程を有し該構造物へ帯電防止機能及び耐久性のある疎水性を付与向上させるものである。より具体的には本発明は、ダウン並びフェザーを疎水化させるにあたり、一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体及び水溶性の多価アミノ化合物を共存させ「浴中吸尽法」を用いて第1次の30℃〜90℃までの昇温熱処理を付与した後、疎水化を得る向上剤として水溶性または水分散性(以下、水系と記す)パーフルオロアルキルアクリレートと、助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用し第2次の60℃〜150℃の乾熱処理を付す「連続乾熱法」を含む工程を有し該構造物へ帯電防止機能及び耐久性のある疎水性を付与向上させダウン並びフェザーの機能性を向上させ用途を拡大する疎水化製造方法に関するものである。
水鳥の副産物である、ダウン並びフェザーは保温.保湿性及び吸放湿性に優れた構造物で衣料及び寝具等に使用されている。
更にウール及びシルクなどの動物繊維と同様、該構造物内に多くの親水性のアミノ基を有して公定水分率(平衡水分率)が高い事が知られている。
しかし、該構造物は親水性のアミノ基を有しているがゆえに結露状態での使用によって空気中の湿気を吸収する事、水系洗濯による水分の保持が本来の保温.保湿性及び吸放湿性を失う事となる。
この事は、ダウン並びフェザーの形状.形態及び粗成によるものである事が知られている。
該構造物は、乾燥時には拡がって表面積が大きく、保温.保湿及び吸放湿性能の機能性を備えるが、湿気や水分を保持すると収縮してしまい、これらの機能性を失う。
更に該構造物が湿気及び水分を保持すると収縮する事により、形状及び形態により、衣料および寝具などの製品内の限られた空間では、形状回復を行いながらの乾燥が困難になる。
その原因は、該構造物は乾燥する工程において、乾燥機内に飛散、拡散させながら大きな体積を使って乾燥を行う。しかし、製品となった時点で飛散を防止するため高密度の織物内にパック状に詰め込むため圧縮された状態で乾燥されてしまい。形状回復が難しくなる。また、タンブル乾燥機などで動かしながら乾燥しても、外側の乾いたところから形状回復し、断熱作用が高まり、乾熱が中心まで付与できなく、長時間の熱工程を有する事になる。
この様な理由によりダウン並びフェザーの特性を失わないための疎水化が使用者側から強く要求された。
該構造物の疎水化の要求に対して開発された、シリコーン系やフッ素系撥水剤を付与し、合成樹脂で被膜化された該構造物が提案されている。
しかし、これらの疎水化技術について使用者からは充分に満足したとの評価は得られていない。
その原因としては、前記のとおりダウン並びフェザーの形状.形態及び粗成の特性による。
該構造物に疎水化を付与するためにはシリコーン系やフッ素系の撥水剤を合成樹脂を用いた複合.合成のコンプレックス技術と高温条件下での加工工程を必要とする。
これらの技術の概要を説明すると、撥水剤と合成樹脂を併用してダウン並びフェザーへ含浸させる。その後所定量に絞って高温乾燥を実施してその後、キュア工程を実施、その目的を達成させる。
しかし、これらの加工を実施し疎水化を実現させても使用者からは充分に満足したとの評価は得られない。その原因は以下の様に考えられる。
撥水剤と合成樹脂を併用する、このコンプレックス技術は乾燥した後キュア工程を有し、乾熱温度170℃〜190℃の高温条件が必要不可欠であり、この工程を有する事によって疎水化を達成することができる。しかし、この様な高温条件下ではダウン並びフェザーのアミノ基を有するポリペプチド鎖が破壊されてしまい、熱塑性化及び粗硬化の要因となる。たとえ疎水化が達成されても該構造物に合成樹脂より固着.被膜化しているのみであり、水系洗濯で簡単に脱落してしまう。更に該構造物は平衡水分率が高く帯電防止機能を持っているにもかかわらず、撥水剤の被膜化は湿気や水分の浸入を防ぐため、静電気を発生させる事によりゴミやホコリが付着する要因となる。これらの技術は温度や再現性が難しく、加工失敗すると復元できないなど、有害な薬害や合成樹脂の使用に起因する安全性にも問題がある。
また、本発明において後で説明するように親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物を用いて天然繊維や再生繊維を処理することについて、有機天然繊維製品の改質加工技術として羊毛、絹、皮革、木綿、麻、再生繊維等の有機天然繊維材料に親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物を用いて2段階の熱処理加工を施して、それにより疎水性を付与する加工手法が提案されている。
しかし、この特許文献の特許請求の項にダウン並びフェザーの記載は無くその要因は前記の該構造物の特性によるものと考えられる。
特願2006−275795
すなわち、本発明の目的はダウン並びフェザーへの疎水性を付与し、ゴミやホコリが付着することを防ぐ帯電防止機能を付与することにより該構造物の更なる機能性を高め、広い市場、消費者の要望を解決し、その目的に沿ったダウン並びフェザーを提供せんとするものである。
(問題を解決するための手段)
上記課題を解決するために、本発明に係るダウン並びフェザーの耐久性のある疎水化製造方法は親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物及び多価アミノ化合物を共存させ「浴中吸尽法」を用いる。
「浴中吸尽法」は、昇温熱処理を用いて浴液温度30℃〜90℃まで20分間〜30分間かけて徐々に昇温し60℃〜90℃を15分〜40分処理するという意味である。徐々にとは急激かつ不均一に昇温すると親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物が加水分解や凝集を引き起こしダウン並びフェザーへの不均一な被膜化を実施するため、より具体的に昇温速度が2℃/分以下であることが好ましい。
また、本発明において用いる、多価アミノ化合物として分子数20000以下の水溶性の加水分解シルクを用いる。
更に本発明方法において第1次の熱処理時間30℃〜90℃においてはダウン並びフェザーの疎水化製造方法として親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物及び多価アミノ化合物を共存させ、「浴中吸尽法」を用いる
第1次の反応を均一にする目的において以下の条件を用いる。酸性側の反応条件は、酢酸、リンゴ酸、及びクエン酸から選ばれた少なくとも1種を添加してPhを3.5〜6.5の範囲に調液する事が望ましい。
同様にアルカリ側の反応条件は、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1種を添加して、Phを8.0〜11.0の範囲に調液する事が望ましい。
第二次の熱処理として「連続乾熱法」を用いて、60℃〜150℃の工程を有し、ダウン並びフェザーへの疎水化製造方法として疎水性向上剤として水溶性または水系のパーフルオロアルキルアクリレートと、助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用することが好ましい。
本発明において親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物としては、下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が好ましく使用される。
上記式(1)中、Xは塩素、フッ素及び臭素からなる群より選ばれるハロゲン基、Yはスルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基であり、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基はその水素原子がアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換されてもよい。
また本発明において用いる多価アミノ化合物は繭、毛羽、生糸から得られる、分子数20000以下の低分子水溶性の加水分解シルクを用いる。
ダウン並び、フェザーを疎水化する際、浴中へ前記一般式(1)で表される親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と多価アミノ化合物は酸結合剤を介して電子置換反応を実施して(−)に帯電し、該構造物へ共有結合、被膜化し、クロルトリアジン環は(−)に帯電する。
前記した水系フルオロアルキルアクリレート、水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体、水系ウレタンの分子中に、水酸基と、カルボキシル基、スルホン基などの水溶性置換基を有していることが好ましい。これらの化合物は、ダウン並びフェザーに(−)に帯電して共有結合して被膜化しているクロルトリアジン環と熱処理において共有結合、イオン結合して疎水化を付与することができると考えられる。
発明の効果
本発明の製造方法によって得られる、ダウン並び、フェザーの疎水化製造方法は、従来の合成樹脂を用いて、撥水剤を被膜化させる加工法と比較して水系洗濯による撥水の耐久性の向上、多価アミノ化合物を共有結合させ吸放湿性能の向上及び(−)に帯電させることによる、該構造物の帯電性(+)とのイオン性バランスにより静電気発生抑制によるゴミやホコリの付着防止効果などの機能性を付与された、ダウン並びフェザーの該構造物を提供できる。
さらに、本発明方法の特徴は、合成樹脂や有機溶剤を使用することなく作業環境も安全で環境適合性に優れた安価な加工薬剤であること。合成樹脂加工による莫大なエネルギーを使用することなくシンプルな技術加工方法である。二酸化炭素や窒素酸化物の削減にも寄与し、熱による作業環境の悪化を防ぐことができる点であり、これらのことから、新規の設備を設置することなく、ダウン並びフェザーの疎水性に寄与する。
具体的には一般的な防寒衣類・スキー衣類・カジュアル衣類・トレッキング衣類など、軽さが求められる用途、枕・布団などの寝具類、ショール・ストールなどの装飾類等に使用することができるものとなる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明はダウン並びフェザーを疎水化する際に親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物及び多価アミノ化合物を共存させ、第1次「浴中吸尽法」を用いて30℃〜90℃の昇温熱処理を付与した後第2次の60〜150℃の「連続乾熱法」を水溶性または水系のパーフルオロアルキルアクリレートと、助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用して乾熱処理を実施するものである。
親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と多価アミノ化合物は、酸性浴及び、アルカリ浴で、第1次の熱処理で共有結合を実施して、その電子置換性において、クロルトリアジン環は(−)帯電化を実施して、ダウン並びフェザーへ被膜化する。
第2次の熱処理において水溶性又は水系パーフルオロアルキルアクリレートと助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用することによりダウン並びフェザーに被膜化している、(−)に帯電しているクロルトリアジン環と共有結合、イオン結合を実施して疎水化に寄与する。
「浴中吸尽法」を用いてダウン並びフェザーへ疎水化を付与するにあたり反応機構を詳細に説明する。
ダウン並びフェザーの疎水化製造方法は、該構造物に混在する、ゴミ・ホコリ・垢、並び皮脂などの不純物を取り除く工程を実施した後、同浴内において第1次の熱処理として「浴中吸尽法」を用いる。加工方法は、常圧タイプのワッシャ―加工機を用いる。常温の水を所定量仕込んだ後、親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と、及び、多価アミノ酸化合物、酸結合剤を共存させる。
酸性浴の反応形態を説明する。酢酸などを用いてPh3.5〜6.5に調液した後、その後徐々に昇温を開始する。親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物及び、多価アミノ化合物は、酸性浴では80℃付近で(−)に帯電した、クロルトリアジン環を形成することが公知の為、この電子置換性を応用して、多価アミノ化合物とダウン並びフェザーの有するアミノ基(NH2).(H)の部位を共有結合し(−)に帯電したクロルトリアジン環が該構造物へ被膜化する。多価アミノ化合物のアミノ基は(NH−)、ダウン並びフェザーの有するアミノ基は(NH−)となる。
アルカリ浴の反応形態を説明する。炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムなどを用いてPh8.0〜11.0に調液する。その後徐々に昇温を開始する。親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物はアルカリ浴の中ではその電子置換性により30℃〜50℃で多価アミノ化合物の(NH2)の部位がダウン並びフェザーの有するアミノ基は(NH2)と第1次の置換反応を引き起こし(−)に帯電したモノクロルトリアジン系化合物となる。第2次の置換反応は60℃〜70℃で前記同様の置換反応を引き起こし該構造物へこの反応工程で更に(−)に帯電してクロルトリアジン環は共有結合を実施して多価アミノ化合物のアミノ基は(NH−)、ダウン並びフェザーの有するアミノ基は(NH−)となる該構造物へ被膜化する。
本発明の方法において第2次の「連続乾熱法」としてドライ法を用いる。第1次の熱処理工程においてダウン並びフェザーに(−)帯電して被膜化しているクロルトリアジン環に水溶性あるいは水系パーフルオロアクリレート並び助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体、水系ウレタンを少なくとも1種を併用して、「連続乾熱法」によって加熱.乾燥を実施することによりこれらと共有結合.イオン結合することにより耐久性のある疎水性を得ることが出来る。更に該構造物は(+)に帯電していると考えられ、被膜化している多価アミに化合物は(−)、クロルトリアジン環は(−)に帯電していてイオンのバランスがとれている。又多価アミノ化合物は吸放湿性能に優れていて空気中の湿度や水分を吸放湿させて摩擦における静電気の発生を抑制する効果を発生させることが出来るものと考えられる・
本発明で用いることができる親水性置換基を有するのジハロゲノトリアジン系化合物は、下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が付与されていることを特徴とする。
上記式(1)中、Xは塩素、フッ素及び臭素からなる群より選ばれるハロゲン基、Yはスルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基であり、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基はその水素原子がアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換されてもよい。
前記一般式(1)で表される繊維材料の改質薬剤をより具体的に説明すると、トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは塩化シアヌルを主原料として用い、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、スルホン基、スルホン酸基等水溶性あるいは親水性置換基を有するアニリン類、フェノール類、チオフェノール類、ナフチルアミン類、ナフトール類、アミノ酸類、トリアジン類等の単体あるいは混合物を塩化シアヌル1モルに対して1モルを酸結合剤を共存させた中性ないし弱アルカリ性で縮合させるか、あるいは塩化シアヌルを重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化マグネシウム等を用いてアルカリ性で加水分解させることによって得られる。これらの化合物は純粋である必要はなく、前記2種以上の混合物と塩化シアヌルを反応させたものであってもよいし、純粋に作られたものをあとから混合して多成分系として使用することが好ましい場合もある。
本発明の加工薬剤ジハロゲノトリアジン類は、ドイツ公開特許第2357252号公報、あるいはアメリカ特許第5601971号明細書等に記載があるように公知の合成法に準じて合成することができるが、その概要は次の通りである。
すなわち、例えば、塩化シアヌル1.00モルを5℃以下の氷水の中へ仕込み、次いで例えばm−スルファニル酸1.02モルと炭酸ソーダ約1モルをよく撹拌しながら徐々に仕込む。m−スルファニル酸と炭酸ソーダの仕込みはPH=7±1で約3時間を要して5〜10℃で仕込み、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析し、塩化シアヌル がほぼ消滅すれば、更に1時間保温撹拌して反応を完結させる。この間PHは6〜8に維持し、HPLCによって組成を分析し、モノスルフアニル体が90%以上となれば反応を終了する。反応後微量の不溶物を濾過して除き、最終的にはPHは7に調整する。このようにして2.6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジンNa塩水溶液が高収率で得られる。この化合物は冷蔵庫内で5℃以下保管すれば約1ヶ月間は安定である。
親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物は、具体的には次のような化合物の単体あるいは混合物を例として挙げることができる。
2,6−ジクロル−4−(3−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−スルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルホアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(β−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−ウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−チオウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェニルチオ)−S−トリアジ
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンLi塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンMg塩
2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジンNa塩
親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン類は、この他にも数多くの有効な化合物が考えられるのであって、本発明はこれらの具体例に制約されるものではなく、親水性置換基を有する化合物であることと、活性ハロゲン原子またはそれに類する反応性基を2個以上有することがポイントである。
本発明において、親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物のクロルトリアジン環を共有結合を実施させるために用いる多価アミノ化合物は繭、毛羽、生糸から得られる分子数20000以下の低分子、水溶性の加水分解シルクは以下の様にして得られる。
水溶性加水分解シルクとなる繭、毛羽、生糸を洗濯槽内へ投入して常温で約1時間洗濯を実施して不純物を除去する。洗浄した原料を遠心の脱水機を用いて充分脱水する。
水溶液中に原料を投入して重炭酸ソーダ−を用いて100℃まで昇温煮沸し、その時間を120分持続し、再度遠心脱水機を用いてセリシンとフィビィロインに分離する。セリシンを有している水溶液は酵素分解槽内へ投入、アルカラーゼ、セルラーゼ等の酵素を用いて約60℃までの温度で300分間精練を実施する、分離されたフィビィロインも同様の精練を実施するセリシンを有している水溶液を真空濃縮機に投入してリンゴ酸、クエン酸等を用いて濃縮工程を数回繰り返してゼムライト等を使用して濾過をしてその後300℃まで昇温したスプレードライ機内で噴射して、パウダー化を行う。遠心脱水機並び濾過して残留したフィビィロインは酵素精練並び高アルカリ下において再三、再四フィビィロインを分解して同様に濃縮工程をセリシン水溶液と同様のスプレードライを実施する。
この様にして得られた加水分解シルクの分子量を京都府.織物機械金属振興センターにて評価の結果、低分子の加水分解シルク(セリシンパウダー)は分子量、10000、加水分解シルク(シルクパウダー)は分子量、1000という結果となり水溶性の加水分解シルクを得た。これらの多価アミノ化合物は親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と加工浴内において酸結合剤を用いることにより共有結合を実施(−)に帯電したクロルトリアジン環を形成させることに寄与し帯電防止機能を付与、静電気の発生を抑制しダウン並びフェザーの疎水化に寄与する。
本発明でいうフルオロアルキルアクリレートとしては、ポリフルオロアルキル基(以下、Rf基と記す)を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位を含むものである。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種をいう。「(メタ)アクリルアミド」等の表記についても同様である。Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、Rf基が(メタ)アクリル酸エステルのアルコール残基部分に存在する化合物をいう。
Rf基は、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基である。Rf基の炭素数は2〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。またRf基は直鎖構造または分岐構造であり、直鎖構造が好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分がRf基の末端部分に存在し、かつ炭素数が1〜4程度の短鎖であるのが好ましい。Rf基は、フッ素原子以外のハロゲン原子を含んでいてもよい。フッ素原子以外のハロゲン原子としては塩素原子が好ましい。
Rf基の末端部分の構造としては、−CF2CF3、−CF(CF3)2、−CF2H、−CFH2、−CF2Cl等が挙げられ、−CF2CF3が好ましい。また、Rf基中の炭素−炭素結合間には、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよい。
Rf基中のフッ素原子数は、[(Rf基中のフッ素原子数)/(Rf基と同一炭素数の対応するアルキル基中に含まれる水素原子数)]×100(%)で表現した場合、60%以上が好ましく、特に80%以上が好ましい。さらにRf基は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基、すなわち、パーフルオロアルキル基(以下、RF基と記す。)、またはRF基を末端部分に有する基が好ましい。
RF基の炭素数は2〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。炭素数が2未満の場合には撥水性が低下する傾向にある。炭素数が20超の場合には共重合体が常温で固体となり、昇華性も大きくなり、取扱いが困難になる傾向がある。
Rf基の具体例を以下に挙げる。なお、以下の例においては、同一分子式を有する構造の異なる基である構造異性の基を含む。
C4F9−(F(CF2)4−、(CF3)2CFCF2−、(CF3)3C−等)、C5F11−(F(CF2)5−、(CF3)3CCF2−等)、C6F13−(F(CF2)6−等)、C7F15−、C8H17−、C9F19−、C10F21−、Cl(CF2)s−(sは2〜16の整数)、H(CF2)t−(tは1〜16の整数)、(CF3)2CF(CF2)y−(yは1〜14の整数)等。
Rf基が、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子、またはチオエーテル性硫黄原子が挿入された基である場合の具体例を、以下に挙げる。
F(CF2)5OCF(CF3)−、F(CF(CF3)CF2O)rCF(CF3)CF2CF2−、F(CF(CF3)CF2O)zCF(CF3)−、F(CF(CF3)CF2O)uCF2CF2−、F(CF2CF2CF2O)vCF2CF2−、F(CF2CF2O)wCF2CF2−(rは1〜6の整数、zは1〜5の整数、uは2〜6の整数、vは1〜6の整数、wは1〜9の整数)等。
Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(2)で表される化合物が好ましい。ただし、式1においてRfはRf基、Qは2価の有機基、R1は水素原子またはメチル基を示す。
Rf−Q−OCOCR1=CH2・・・式(2)
式(2)におけるRf基としては、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子を含まないRf基が好ましく、特にRF基が好ましい。とりわけ−(CF2)F(ただし、nは2〜20の整数。)で表される基が好ましく、nが5〜17の整数である基が好ましく、特にnが7〜13の整数である基が好ましい。
式(2)におけるQとしては、−(CH2)p+q−、−(CH2)pCONH(CH2)q−、−(CH2)pOCONH(CH2)q−、−(CH2)pSO2NR2(CH2)q−、−(CH2)pNHCONH(CH2)q−、−(CH2)pCH(OH)−(CH2)q−等が好ましい。ただし、R2は水素原子またはアルキル基を示す。また、pおよびqは0以上の整数を示し、p+qは1〜22の整数である。これらのうち、−(CH2)p+q−、−(CH2)pCONH(CH2)q−、−(CH2)pSO2NR2(CH2)q−であり、かつ、qが2以上の整数であってかつp+qが2〜6である場合が好ましい。特に、p+qが2〜6である場合の−(CH2)p+q−、すなわち、ジメチレン基〜ヘキサメチレン基が好ましい。Qと結合するRfの炭素原子には、フッ素原子が結合しているのが好ましい。
Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、下記の化合物が挙げられる。ただし、R1は水素原子またはメチル基を示す。
F(CF2)5CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)6CH2CH2OCOCR1=CH2、H(CF2)6CH2OCOCR1=CH2、H(CF2)8CH2OCOCR1=CH2、H(CF2)10CH2OCOCR1=CH2、H(CF2)8CH2CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)8CH2CH2CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)10CH2CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)12CH2CH2OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)8CH2CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)8SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)8(CH2)4OCOCR1=CH2、F(CF2)8SO2N(CH3)CH2CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)8SO2N(C2H5)CH2CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)8CONHCH2CH2OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)5(CH2)3OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OCOCH3)−−OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OH)CH2−−OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)7CH2CH(OH)CH2−−OCOCR1=CH2、F(CF2)9CH2CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)9CONHCH2CH2OCOCR1=CH2。
本発明でいうフルオロアルキルアクリレートは、Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルを2種以上含んでもよい。Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルを2種以上含む場合には、炭素数の異なるRf基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。また、本発明でいうフルオロアルキルアクリレートは、Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位以外の重合単位を含んでもよい。他の重合単位としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、クロロプレン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン等のスチレン類、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アリルグリシジルエーテル等のアリルエーテル類、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニル類、酢酸アリル等のカルボン酸アリル類、エチルビニルケトン等のビニルアルキルケトン類。
メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜26の直鎖または分岐のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、ポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリレート、ブロックされたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート、第4アンモニウム塩の基を有する(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類。
トリアリルシアヌレート、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−アルキルマレイミド、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等。
本発明において、フルオロアルキルアクリレートを使用する場合は、下記の化合物すなわち、ブロックされたイソシアネート基を1個以上有し、かつ重合性炭素−炭素不飽和結合を有しない化合物であり、イソシアネート基をブロック化剤でブロックした構造の化合物、を併用することが好ましい。そして、ポリイソシアネートと分子内に活性水素原子を2個以上有する化合物とを反応させた化合物のイソシアネート基をブロック化剤でブロックした構造が好ましい。
ポリイソシアネートとしては、以下のポリイソシアネートが好ましく挙げられる。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロパンジイソシアネ−ト、1,2−ブタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート類または脂環族イソシアネート類、およびそれらのイソシアヌレート変性体、プレポリマー変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体等。
イソシアネート基のブロック化剤としては、アルキルケトオキシム類、フェノール類、アルコール類、β−ジケトン類、ラクタム類が好ましい。特にメチルエチルケトオキシム、ε−カプロラクタム、フェノール、クレゾール、アセチルアセトン、マロン酸ジエチル、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、マレイン酸イミド等が好ましい。とりわけ、メチルエチルケトオキシム等のジアルキルケトオキシム類、ε−カプロラクタム等のラクタム類の解離温度120〜180℃の化合物が好ましい。
上記ブロックされたイソシアネートとしては、メイカネートMF、BP−11、NBP−75、NBP−231(以上、明成化学工業社製)、WB−730、WB−920、XWB−72−Z56(以上、武田薬品工業社製)、BI−8(日本ポリウレタン社製)等の市販の化合物を用いてもよい。
これらの化合物は、ダウン並びフェザーに(−)に帯電して被膜化しているクロルトリアジン環に共有結合やイオン結合することにより該構造物に耐久性のある疎水性.ホコリ.ゴミの付着しにくい静電気の発生を抑制した帯電防止機能を付与することができる。
これら親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、多価アミノ化合物及び水溶性または水系パーフルオロアルキルアクリレートと助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも1種を併用する前記薬剤はダウン並びフェザーの疎水化及び帯電防止機能を付与することを可能ならしめる。概要はダウン並びフェザーを疎水化する際、第1次の熱処理において親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物が酸結合剤の存在の下で多価アミノ化合物及びダウン並びフェザーの有する(H)部位と電子置換を実施して共有結合を実施し(−)に帯電したクロルトリアジン環として該構造物に被膜化を実施する。該構造物の帯電は(+)であると推定され、クロルトリアジン環は(−)帯電しているため帯電のバランスが実施され帯電防止機能に寄与する。第2次熱処理において水溶性又は水系パーフルオロアルキルアクリレートと助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体から選ばれた少なくとも1種を併用し該構造物に(−)に帯電して被膜化しているクロルトリアジン環に立体的な、あるいは網目的な共有結合、イオン結合を実施することにより耐久性のある疎水化、静電気の発生を抑制する帯電防止機能を付与することができる。従来技術の合成樹脂を用いて撥水剤を固着付与して被膜化させる技術は高温を必要として該構造物のポリペプチド鎖を崩壊させ熱塑性化.粗硬化をもたらしたり、湿気及び水分の吸放湿性を阻害して静電気の発生を促進するが、今発明のダウン並びフェザーの疎水化製造方法は該構造物及び多価アミノ化合物の(H)部位との共有結合、更にクロルトリアジン環との共有結合.イオン結合を用いるシンプルな疎水化製造方法である。
さらに本発明の特徴はホルマリン等の有害な薬剤を使用することなく安全で環境適合性に優れた安価な加工薬剤であること、樹脂加工による莫大なエネルギーを使用して、該構造物に疎水性を付与することなく二酸化炭素や窒素酸化物の削減にも寄与し熱による作業環境の悪化を防ぐとともに有害な薬剤や樹脂の使用に起因する安全性の問題や製造過程で発生する排水(生物化学的酸素要求量・B.O.D)負荷の軽減を図ることが出来る。
本発明において、上記薬剤を用いてダウン並びフェザーの疎水化を達成させる酸性浴の加工条件の概要を説明する。第1次の熱処理はワッシャー加工機を用いて30℃〜90℃の昇温熱処理する「浴中吸尽法」を用いる。ダウン並びフェザーの総重量に対し浴比1:60以下になるよう加工機内の水量を調整し、親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物を薬剤の純度100%換算で0.1%〜10%(o.m.f)及び多価アミノ化合物0.01%〜10%(o.m.f)仕込む。酢酸.氷酢酸.リンゴ酸.クエン酸などを用いて0.1〜10%(o.w.s)添加してPh3.5〜6.5に調液する。調液が終了すれば0.1℃〜2℃/分以下で30℃〜90℃まで昇温熱処理を実施する。80℃〜90℃までの熱処理を30分間〜60分間実施して、クールダウン.湯洗い.水洗を実施する。
該構造物のアルカリ浴の加工条件の概要を説明する。第1次の熱処理はワッシャ−加工機を用いて30℃〜90℃の昇温熱処理する「浴中吸尽法」を用いる。ダウン並びフェザーの総重量に対し浴比1:60以下になるように加工機内の水量を調整し親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物を薬剤の純度100%換算で0.1%〜10%(o.m.f)及び多価アミノ化合物0.01%〜10%(o.m.f)仕込む。炭酸水素ナトリウム.炭酸ナトリウムなどを用いて0.1%〜10%(o.w.s)添加してPh8.0〜11.0に調液する。調液が終了すれば、0.1℃〜20℃/分で20分間以上かけて60℃まで昇温熱処理を実施する。
60℃〜90℃までの熱処理を20分間〜60分間実施してクールダウン.湯洗い.酸中和.水洗いを実施する。
ダウン並びフェザーの疎水化を達成させるため第2次の乾熱処理は「連続乾熱法」を用いて温風ドライヤー乾燥機で乾燥工程を実施する。加工方法の概要を説明する。前記加工条件で第1次の熱処理を実施したワッシャー加工機内へ、水溶性または水系パーフルオロアルキルアクリレートと助剤として水系シリコーンソフナー.水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用し目的の疎水化を得るため該構造物0.01%〜10%(o.m.f)仕込んで調液する。該構造物へ前記薬剤が均一に含浸するように約10分間〜20分間加工機内で混合する。その後、絞り率40%〜200%で脱水した後、温風ドライヤー乾燥機内に送り込む。設定温度を60℃〜150℃と設定して(好ましくは100℃)約3分間〜60分間の乾熱処理を実施して、実質的に乾燥するまで熱処理を実施する。その後クールダウンをして該構造物の疎水化製造方法を完了する。
また本発明においては第1次の「浴中吸尽法」を用いる昇温熱処理の工程、第2次の「連続乾熱法」の処理工程の順序での製造.処理工程が含まれていれば良い。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。
実施例1
ワッシャ−加工機内に水216kg、親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、2.6−ジクロル−4−(3−スルフォアリニノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg、酢酸40cc、加水分解シルク360g、ダウン18kgを投入して、常温で5分間循環.混合した。その後、1.5℃/分で約25分間かけて80℃までの昇温稼動を実施した後80℃の加工浴の温度で30分間持続稼動を実施.排水した。その後、水洗.排水を2回繰り返し、同加工機内で脱水をした。その後加工機内へ水溶性パ−フルオロアルキレ−ト7kg、ブロックイソシアネ−ト500gを投入して、水との総重量200リットルとして調液後10分間常温にて循環稼動した後排水して絞り率80%として脱水後100℃の乾熱温度の温風ドライヤー乾燥機内へ該構造物を送り込み約12分間の乾燥を実施した。このようにして得られた該構造物の疎水化が実施されている写真を表1に示す。
比較例1
実施例1で使用したものと同じダウンを2.6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg酢酸40cc、加水分解シルク360kgのみを用いて実施例1と同様の熱処理を実施した写真を表1に示す。
実施例2
ワッシャ−加工機内へ水216kg、親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、2.6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液3.8kg、炭酸水素ナトリウム528g、加水分解シルク360g、ダウン18kgを投入して常温で5分間循環混合した。その後1.5℃/分で約15分間かけて60℃までの昇温稼動を実施した後、60℃の加工浴の温度30分間継続稼動を実施.排水した。その後、水洗い.排水を2回繰り返した後、酢酸を20cc投入して40℃まで加工内の水温を上昇させ、その温度で10分間継続稼動を実施した後、排水し水洗いを実施した。その後、実施例1と同様の加工を実施した。この様にして得られた該構造物の疎水化が実施されている写真を表2に示す。
比較例2
実施例2で使用したものと同じダウンを2.6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液3.8kg炭酸水素ナトリウム528kg加水分解シルク360g、ダウン18kgのみを用いて実施例1と同様の熱処理を実施した写真を表2に示す。
実施例3
ワッシャ−加工機内に水216kg、親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、2.6−ジクロル−4−(3−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg、炭酸ナトリウム52g、加水分解シルク360g、フェザー18kgを投入した。後の工程は実施例1と同様の加工を実施した。この様にして得られた該構造物の疎水化が実施されている写真を表3に示す。
比較例3
実施例3で使用したものと同じフェザーを2.6−ジクロル−4−(3−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg、炭酸ナトリウム52g、加水分解シルク360g、フェザー18kgのみを用いて実施例1と同様の熱処理を実施した写真を表3に示す。
表1に示した実施例1と比較例1から解るように、本発明ではダウンへの疎水化が達成されている良好な結果が得られた。
表2に示した実施例2と比較例2から解るように本発明ではダウンへの疎水化が達成されている良好な結果が得られた。
表3に示した実施例3と比較例3から解るように本発明ではダウンへの疎水化が達成されている良好な結果が得られた。
本発明は、ダウン並びフェザーを疎水化する際に親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と多価アミノ化合物を共存させ「浴中吸尽法」を用いて第1次の30℃〜90℃までの昇温熱処理を付した後、第2次の60℃〜150℃の乾熱処理を付す「連続乾熱法」を含む工程を有し該構造物へ帯電防止機能及び耐久性のある疎水性を付与向上させるものである。より具体的には本発明は、ダウン並びフェザーを疎水化させるにあたり、一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体及び水溶性の多価アミノ化合物を共存させ「浴中吸尽法」を用いて第1次の30℃〜90℃までの昇温熱処理を付与した後、疎水化を得る向上剤として水溶性または水分散性(以下、水系と記す)パーフルオロアルキルアクリレートと、助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用し第2次の60℃〜150℃の乾熱処理を付す「連続乾熱法」を含む工程を有し該構造物へ帯電防止機能及び耐久性のある疎水性を付与向上させダウン並びフェザーの機能性を向上させ用途を拡大する疎水化処理方法に関するものである。
水鳥の副産物である、ダウン並びフェザーは保温.保湿性及び吸放湿性に優れた構造物で衣料及び寝具等に使用されている。
更にウール及びシルクなどの動物繊維と同様、該構造物内に多くの親水性のアミノ基を有して公定水分率(平衡水分率)が高い事が知られている。
しかし、該構造物は親水性のアミノ基を有しているがゆえに結露状態での使用によって空気中の水分(湿気)を吸収する事や、水系洗濯による水分の保持により本来の保温.保湿性及び吸放湿性を失う事となる。
この事は、ダウン並びフェザーの形状. 形態及び組成によるものである事が知られている。
該構造物は、乾燥時には拡がって表面積が大きく、保温.保湿及び吸放湿性能の機能性を備えるが、湿気や水分を保持すると収縮してしまい、これらの機能性を失う。
更に該構造物が湿気及び水分を保持すると収縮する事により、形状及び形態により、衣料および寝具などの製品内の限られた空間では、形状回復を行いながらの乾燥が困難になる。
その原因は、該構造物は乾燥する工程において、乾燥機内に飛散、拡散させながら大きな体積を使って乾燥を行なう。しかし、衣料や寝具等の製品となった時点で飛散を防止するため高密度の織物内にパック状に圧縮された状態で乾燥されてしまい、形状回復が難しくなる。また、タンブル乾燥機などで動かしながら乾燥しても、外側の乾いたところから形状回復し、断熱作用が高まり、乾熱が中心まで付与できなく、長時間の熱工程を有する事になる。
この様な理由によりダウン並びフェザーの特性を失わないための疎水化が事業者・使用者側から強く要求された。
該構造物の疎水化の要求に対して開発された、シリコーン系やフッ素系撥水剤を付与し、合成樹脂で被膜化された該構造物が提案されている。
しかし、これらの疎水化技術について事業者・使用者からは充分に満足したとの評価は得られていない。
その原因としては、前記のとおりダウン並びフェザーの形状.形態及び組成の特性による。
該構造物に疎水性機能を付与するためにはシリコーン系やフッ素系の撥水剤を合成樹脂を用いた複合.合成のコンプレックス技術と高温条件下での加工工程を必要とする。
これらの技術の概要を説明すると、撥水剤と合成樹脂を併用してダウン並びフェザーへ含浸させる。その後所定量に絞って高温乾燥を実施してその後、更なる高温条件下で、キュア工程(熱固着工程)を実施、その目的を達成させる。
しかし、これらの加工を実施し疎水化を実現させても事業者・使用者からは充分に満足したとの評価は得られない。その原因は以下の様に考えられる。
撥水剤と合成樹脂を併用する、このコンプレックス技術は乾燥した後キュア工程を有し、乾熱温度170℃〜190℃の高温条件が必要不可欠であり、この工程を有する事によって疎水化を達成することができる。しかし、この様な高温条件下ではダウン並びフェザーのアミノ基を有するポリぺプチド鎖が破壊されてしまい、熱塑性化及び粗硬化の要因となる。たとえ疎水化が達成されても該構造物には合成樹脂が固着・被膜化しているのみであり、水系洗濯で簡単に脱落してしまう。更に該構造物は平衡水分率が高く帯電防止機能を持っているにもかかわらず、撥水剤の被膜化は湿気や水分の浸入を防ぐため、静電気を発生させる事によりゴミやホコリが付着する要因となる。これらの技術は温度や再現性が難しく、加工失敗すると復元できないなど、有害な薬害や合成樹脂の使用に起因する安全性にも問題がある。
また、本発明において後で説明するように親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物を用いて天然繊維や再生繊維を処理することについて、有機天然繊維製品の改質加工技術として羊毛、絹、皮革、木綿、麻、再生繊維等の有機天然繊維材料に親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物を用いて2段階の熱処理加工を施して、それにより疎水性を付与する加工手法が提案されている。
しかし、この特許文献の特許請求の項にダウン並びフェザーの記載は無くその要因は前記の
繊維構造物の特性によるものと考えられる。
特願2006−275795
すなわち、本発明の目的(課題)はダウン並びフェザーへの疎水性を付与し、ゴミやホコリが付着することを防ぐ帯電防止機能を付与することにより該構造物の更なる機能性を高め、広い市場、使用者の要望を解決し、その目的に沿ったダウン並びフェザーの疎水化処理方法を提供せんとするものである。
上記課題を解決するために、本発明に係るダウン並びフェザーの耐久性のある疎水化処理方法は親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物及び多価アミノ化合物を共存させ「浴中吸尽法」を用いる。
「浴中吸尽法」は、昇温熱処理を用いて浴液温度30℃〜90℃まで20分間〜30分間かけて徐々に昇温し60℃〜90℃を15分〜40分処理するという意味である。急激かつ不均一に昇温すると親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物が加水分解や凝集を引き起こしダウン並びフェザーへの不均一な被膜となる。上記昇温速度は2℃/分以下であることが好ましい。
また、本発明においては、多価アミノ化合物として分子量20000以下の水溶性の加水分解シルクを用いる。
更に本発明方法において第1次の熱処理時間30℃〜90℃においてはダウン並びフェザーの疎水化処理方法として親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物及び多価アミノ化合物を共存させ、「浴中吸尽法」を用いる。
第1次の反応を均一にする目的において以下の条件を用いる。酸性側の反応条件は、酢酸、リンゴ酸、及びクエン酸から選ばれた少なくとも1種を添加してpHを3.5〜6.5の範囲に調液する事が望ましい。
同様にアルカリ側の反応条件は、炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1種を添加して、pHを8.0〜11.0の範囲に調液する事が望ましい。
第二次の熱処理として「連続乾熱法」を用いて、60℃〜150℃の工程を有し、ダウン並びフェザーへの疎水化処理方法として疎水性向上剤として水溶性または水系のパーフルオロアルキルアクリレートと、助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用することが好ましい。
本発明において親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物としては、下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が好ましく使用される。
上記式(1)中、Xは塩素、フッ素及び臭素からなる群より選ばれるハロゲン基、Yはスルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基であり、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基はその水素原子がアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換されてもよい。
また本発明において用いる多価アミノ化合物は繭、毛羽、生糸から得られる、分子量20000以下の低分子水溶性の加水分解シルクを用いる。
ダウン並び、フェザーを疎水化する際、浴中で前記一般式(1)で表される親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と多価アミノ化合物は酸結合剤を介して電子置換反応を実施して(−)に帯電し、該構造物へ共有結合、被膜化し、クロルトリアジン環は(−)に帯電する。
前記した水系フルオロアルキルアクリレート、水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体、水系ウレタンの分子中に、水酸基と、カルボキシル基、スルホン基などの水溶性置換基を有していることが好ましい。これらの化合物は、ダウン並びフェザーに(−)に帯電して共有結合して被膜化しているクロルトリアジン環と熱処理において共有結合、イオン結合して疎水化を付与することができると考えられる。
本発明の処理方法によって得られる、ダウン並び、フェザーの疎水化処理方法は、従来の合成樹脂を用いて、撥水剤を被膜化させる加工法と比較して水系洗濯による撥水の耐久性の向上、多価アミノ化合物を共有結合させ吸放湿性能の向上及び(−)に帯電させることによる、該構造物の帯電性(+)とのイオン性バランスにより静電気発生抑制によるゴミやホコリの付着防止効果などの機能性を付与された、ダウン並びフェザーの該構造物を提供できる。
さらに、本発明方法の特徴は、合成樹脂や有機溶剤を使用することなく作業環境も安全で環境適合性に優れた安価な加工薬剤を使用して、合成樹脂加工による莫大なエネルギーを使用することなくシンプルなことにある。また、二酸化炭素や窒素酸化物の削減にも寄与し、熱による作業環境の悪化を防ぐことができる。これらのことから、新規な設備を設置することなく、ダウン並びフェザーの疎水化処理が可能となる。
具体的には一般的な防寒衣類・スキー衣類・カジュアル衣類・トレッキング衣類など、軽さが求められる用途、枕・布団などの寝具類、ショール・ストールなどの装飾類等に使用することができるものとなる。
以下に、本発明について、望ましい実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明はダウン並びフェザーを疎水化する際に親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物及び多価アミノ化合物を共存させ、第1次「浴中吸尽法」を用いて30℃〜90℃の昇温熱処理を付与した後第2次の60〜150℃の「連続乾熱法」を水溶性または水系のパーフルオロアルキルアクリレートと、助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用して乾熱処理を実施するものである。
親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と多価アミノ化合物は、酸性浴及び、アルカリ浴で、第1次の熱処理で共有結合を実施して、その電子置換性において、クロルトリアジン環は(−)帯電化を実施して、ダウン並びフェザーへ被膜化する。
第2次の熱処理において水溶性又は水系パーフルオロアルキルアクリレートと助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用することによりダウン並びフェザーに被膜化している、(−)に帯電しているクロルトリアジン環と共有結合、イオン結合を実施して疎水化に寄与する。
「浴中吸尽法」を用いてダウン並びフェザーへ疎水化を付与するにあたり反応機構を詳細に説明する。
ダウン並びフェザーの疎水化処理方法は、該構造物に混在する、ゴミ・ホコリ・垢、並び皮脂などの不純物を取り除く工程を実施した後、同浴内において第1次の熱処理として「浴中吸尽法」を用いる。加工方法は、常圧タイプのワッシャー加工機を用いる。常温の水を所定量仕込んだ後、親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と、及び、多価アミノ酸化合物、酸結合剤を共存させる。
酸性浴の反応形態を説明する。酢酸などを用いてpH3.5〜6.5に調液した後、その後徐々に昇温を開始する。親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物及び、多価アミノ化合物は、酸性浴では80℃付近で(−)に帯電した、クロルトリアジン環を形成することが公知の為、この電子置換性を応用して、多価アミノ化合物とダウン並びフェザーの有するアミノ基(NH2).(H)の部位を共有結合し(−)に帯電したクロルトリアジン環が該構造物へ被膜化する。多価アミノ化合物のアミノ基は(NH-)、ダウン並びフェザーの有するアミノ基は(NH-)となる。
アルカリ浴の反応形態を説明する。炭酸水素ナトリウム及び炭酸ナトリウムなどを用いてpH8.0〜11.0に調液する。その後徐々に昇温を開始する。親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物はアルカリ浴の中ではその電子置換性により30℃〜50℃で多価アミノ化合物の(NH2)の部位がダウン並びフェザーの有するアミノ基は(NH2)と第1次の置換反応を引き起こし(−)に帯電したモノクロルトリアジン系化合物となる。第2次の置換反応は60℃〜70℃で前記同様の置換反応を引き起こし該構造物へこの反応工程で更に(−)に帯電してクロルトリアジン環は共有結合を実施して多価アミノ化合物のアミノ基は(NH-)、ダウン並びフェザーの有するアミノ基は(NH-)となり該構造物へ被膜化する。
本発明の方法において第2次の「連続乾熱法」としてドライ法を用いる。第1次の熱処理工程においてダウン並びフェザーに(−)帯電して被膜化しているクロルトリアジン環に水溶性あるいは水系パーフルオロアクリレート並び助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体、水系ウレタンを少なくとも1種を併用して、「連続乾熱法」によって乾熱・乾燥を実施することによりこれらと共有結合.イオン結合することにより耐久性のある疎水性を得ることが出来る。更に該構造物は(+)に帯電していると考えられ、被膜化している多価アミノ化合物は(−)、クロルトリアジン環は(−)に帯電していてイオンのバランスがとれている。又多価アミノ化合物は吸放湿性能に優れていて空気中の湿度や水分を吸放湿させて摩擦における静電気の発生を抑制する効果を発生させることが出来るものと考えられる。
本発明で用いることができる親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物は、下記一般式(1)で表される2,6−ジハロゲノ−4−Y−1,3,5−トリアジン誘導体が付与されていることを特徴とする。
上記式(1)中、Xは塩素、フッ素及び臭素からなる群より選ばれるハロゲン基、Yはスルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基により置換されたアリールアミノ基、アリールオキシ基、アリールメルカプト基、アルキルアミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、トリアジニルアミノ基、トリアジニルオキシ基、トリアジニルチオ基、またはトリアジニルアミノスチルベンアミノ基であり、前記スルホン基、カルボキシル基、水酸基及びチオール基はその水素原子がアルカリ金属原子またはアルカリ土類金属原子で置換されてもよい。
前記一般式(1)で表される繊維材料の改質薬剤をより具体的に説明すると、トリハロゲノ−S−トリアジン、好ましくは塩化シアヌルを主原料として用い、カルボキシル基、水酸基、チオール基、アミノ基、スルホン基、スルホン酸基等水溶性あるいは親水性置換基を有するアニリン類、フェノール類、チオフェノール類、ナフチルアミン類、ナフトール類、アミノ酸類、トリアジン類等の単体あるいは混合物を塩化シアヌル1モルに対して1モルを酸結合剤を共存させた中性ないし弱アルカリ性で縮合させるか、あるいは塩化シアヌルを重炭酸ソーダ、炭酸ソーダ、苛性ソーダ、苛性カリ、水酸化マグネシウム等を用いてアルカリ性で加水分解させることによって得られる。これらの化合物は純粋である必要はなく、前記2種以上の混合物と塩化シアヌルを反応させたものであってもよいし、純粋に作られたものをあとから混合して多成分系として使用することが好ましい場合もある。
本発明の加工薬剤ジハロゲノトリアジン類は、ドイツ公開特許第2357252号公報、あるいはアメリカ特許第5601971号明細書等に記載があるように公知の合成法に準じて合成することができるが、その概要は次の通りである。
すなわち、例えば、塩化シアヌル1.00モルを5℃以下の氷水の中へ仕込み、次いで例えばm−スルファニル酸1.02モルと炭酸ソーダ約1モルをよく撹拌しながら徐々に仕込む。m−スルファニル酸と炭酸ソーダの仕込みはpH=7±1で約3時間を要して5〜10℃で仕込み、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって分析し、塩化シアヌルがほぼ消滅すれば、更に1時間保温撹拌して反応を完結させる。この間pHは6〜8に維持し、HPLCによって組成を分析し、モノスルフアニル体が90%以上となれば反応を終了する。反応後微量の不溶物を濾過して除き、最終的にはpHは7に調整する。このようにして2.6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジンNa塩水溶液が高収率で得られる。この化合物は冷蔵庫内で5℃以下保管すれば約1ヶ月間は安定である。
親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物は、具体的には次のような化合物の単体あるいは混合物を例として挙げることができる。
2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−スルフォアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2,5−ジスルフォアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3,5−ジスルフォアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(3−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(2−カルボキシアリニノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(β−カルボキシエチルアミノ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−ウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−チオウレイド−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェノキシ)−S−トリアジン
2,6−ジクロル−4−(4−カルボキシフェニルチオ)−S−トリアジ
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンLi塩
2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンMg塩
2,6−ジクロル−4−チオ−S−トリアジンNa塩
親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン類は、この他にも数多くの有効な化合物が考えられるのであって、本発明はこれらの具体例に制約されるものではなく、親水性置換基を有する化合物であることと、活性ハロゲン原子またはそれに類する反応性基を2個以上有することがポイントである。
本発明において、親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物のクロルトリアジン環の共有結合を実施させるために用いる多価アミノ化合物は、繭、毛羽、生糸から得られる分子量20000以下の低分子で水溶性の加水分解シルクが好ましい。該加水分解シルクは以下の様にして得られる。
水溶性加水分解シルクとなる繭、毛羽、生糸を洗濯槽内へ投入して常温で約1時間洗濯を実施して不純物を除去する。洗浄した原料を遠心の脱水機を用いて充分脱水する。
水溶液中に原料を投入して重炭酸ソーダ−を用いて100℃まで昇温煮沸し、その温度を120分持続し、再度遠心脱水機を用いてセリシンとフィビィロインに分離する。セリシンを有している水溶液は酵素分解槽内へ投入、アルカラーゼ、セルラーゼ等の酵素を用いて約60℃までの温度で300分間精練を実施する。分離されたフィビィロインも同様の精練を実施する。セリシンを有している水溶液を真空濃縮機に投入してリンゴ酸、クエン酸等を用いて濃縮工程を数回繰り返してゼムライト等を使用して濾過をしてその後300℃まで昇温したスプレードライ機内で噴射して、パウダー化を行う。遠心脱水機並び濾過して残留したフィビィロインは酵素精練並び高アルカリ下において再三、再四フィビィロインを分解して同様に濃縮工程を繰り返した後、スプレードライを実施する。
この様にして得られた加水分解シルクの分子量を京都府.織物機械金属振興センターにて評価の結果、低分子の加水分解シルク(セリシンパウダー)は分子量、10000、加水分解シルク(シルクパウダー)は分子量、1000という結果となり水溶性の加水分解シルクを得た。これらの多価アミノ化合物は親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と加工浴内において酸結合剤を用いることにより共有結合を実施(−)に帯電したクロルトリアジン環を形成させることに寄与し帯電防止機能を付与、静電気の発生を抑制しダウン並びフェザーの疎水化に寄与する。
本発明でいうフルオロアルキルアクリレートとしては、ポリフルオロアルキル基(以下、Rf基と記す)を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位を含むものである。ここで、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種をいう。「(メタ)アクリルアミド」等の表記についても同様である。Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルとは、Rf基が(メタ)アクリル酸エステルのアルコール残基部分に存在する化合物をいう。
Rf基は、アルキル基の水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基である。Rf基の炭素数は2〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。またRf基は直鎖構造または分岐構造であり、直鎖構造が好ましい。分岐構造である場合には、分岐部分がRf基の末端部分に存在し、かつ炭素数が1〜4程度の短鎖であるのが好ましい。Rf基は、フッ素原子以外のハロゲン原子を含んでいてもよい。フッ素原子以外のハロゲン原子としては塩素原子が好ましい。
Rf基の末端部分の構造としては、−CF2CF3、−CF(CF3)2、−CF2H、−CFH2、−CF2Cl等が挙げられ、−CF2CF3が好ましい。また、Rf基中の炭素−炭素結合間には、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよい。
Rf基中のフッ素原子数は、[(Rf基中のフッ素原子数)/(Rf基と同一炭素数の対応するアルキル基中に含まれる水素原子数)]×100(%)で表現した場合、60%以上が好ましく、特に80%以上が好ましい。さらにRf基は、アルキル基の水素原子の全てがフッ素原子に置換された基、すなわち、パーフルオロアルキル基(以下、RF基と記す。)、またはRF基を末端部分に有する基が好ましい。
RF基の炭素数は2〜20が好ましく、特に6〜16が好ましい。炭素数が2未満の場合には撥水性が低下する傾向にある。炭素数が20超の場合には共重合体が常温で固体となり、昇華性も大きくなり、取扱いが困難になる傾向がある。
R F 基の具体例を以下に挙げる。なお、以下の例においては、同一分子式を有する構造の異なる基である構造異性の基を含む。
C4F9−(F(CF2)4−、(CF3)2CFCF2−、(CF3)3C−等)、C5F11−(F(CF2)5−、(CF3)3CCF2−等)、C6F13−(F(CF2)6−等)、C7F15−、C8H17−、C9F19−、C10F21−、Cl(CF2)s−(sは2〜16の整数)、H(CF2)t−(tは1〜16の整数)、(CF3)2CF(CF2)y−(yは1〜14の整数)等。
Rf基が、炭素−炭素結合間にエーテル性酸素原子、またはチオエーテル性硫黄原子が挿入された基である場合の具体例を、以下に挙げる。
F(CF2)5OCF(CF3)−、F(CF(CF3)CF2O)rCF(CF3)CF2CF2−、F(CF(CF3)CF2O)zCF(CF3)−、F(CF(CF3)CF2O)uCF2CF2−、F(CF2CF2CF2O)vCF2CF2−、F(CF2CF2O)wCF2CF2−(rは1〜6の整数、zは1〜5の整数、uは2〜6の整数、vは1〜6の整数、wは1〜9の整数)等。
Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記式(2)で表される化合物が好ましい。ただし、式(2)においてRfはRf基、Qは2価の有機基、R1は水素原子またはメチル基を示す。
Rf−Q−OCOCR1=CH2・・・式(2)
式(2)におけるRf基としては、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子を含まないRf基が好ましい。とりわけ−(CF2) n F(ただし、nは2〜20の整数。)で表される基が好ましく、nが5〜17の整数である基が好ましく、特にnが7〜13の整数である基が好ましい。
式(2)におけるQとしては、−(CH2)p+q−、−(CH2)pCONH(CH2)q−、−(CH2)pOCONH(CH2)q−、−(CH2)pSO2NR2(CH2)q−、−(CH2)pNHCONH(CH2)q−、−(CH2)pCH(OH)−、−(CH2)q−等が好ましい。ただし、R2は水素原子またはアルキル基を示す。また、pおよびqは0以上の整数を示し、p+qは1〜22の整数である。これらのうち、−(CH2)p+q−、−(CH2)pCONH(CH2)q−、−(CH2)pSO2NR2(CH2)q−であり、かつ、qが2以上の整数であってかつp+qが2〜6である場合が好ましい。特に、p+qが2〜6である場合の−(CH2)p+q−、すなわち、ジメチレン基〜ヘキサメチレン基が好ましい。Qと結合するRfの炭素原子には、フッ素原子が結合しているのが好ましい。
Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、下記の化合物が挙げられる。ただし、R1は水素原子またはメチル基を示す。
F(CF2)5CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)6CH2CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)6CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)8CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)10CH2OCOCR1=CH2、 H(CF2)8CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8CH2CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)10CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)12CH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)4CH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)6CH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)8CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8SO2N(C3H7)CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8(CH2)4OCOCR1=CH2、 F(CF2)8SO2N(CH3)CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8SO2N(C2H5)CH2CH2OCOCR1=CH2、 F(CF2)8CONHCH2CH2OCOCR1=CH2、 (CF3)2CF(CF2)5(CH2)3OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OCOCH3)OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)5CH2CH(OH)CH2 OCOCR1=CH2、(CF3)2CF(CF2)7CH2CH(OH)CH2 OCOCR1=CH2、 F(CF2)9CH2CH2OCOCR1=CH2、F(CF2)9CONHCH2CH2OCOCR1=CH2。
本発明でいうフルオロアルキルアクリレートは、Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルを2種以上含んでもよい。Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルを2種以上含む場合には、炭素数の異なるRf基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。また、本発明でいうフルオロアルキルアクリレートは、Rf基を有する(メタ)アクリル酸エステルの重合単位以外の重合単位を含んでもよい。他の重合単位としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、塩化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、クロロプレン等のオレフィン類、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン等のスチレン類、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル等のビニルエーテル類、アリルグリシジルエーテル等のアリルエーテル類、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニル類、酢酸アリル等のカルボン酸アリル類、エチルビニルケトン等のビニルアルキルケトン類。
メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜26の直鎖または分岐のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレートモノメチルエーテル、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、ポリジメチルシロキサン基を有する(メタ)アクリレート、ブロックされたイソシアネート基を有する(メタ)アクリレート、第4アンモニウム塩の基を有する(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類。
トリアリルシアヌレート、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−アルキルマレイミド、無水マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、マレイン酸ジアルキルエステル等。
本発明において、フルオロアルキルアクリレートを使用する場合は、下記の化合物すなわち、ブロックされたイソシアネート基を1個以上有し、かつ重合性炭素−炭素不飽和結合を有しない化合物であり、イソシアネート基をブロック化剤でブロックした構造の化合物、を併用することが好ましい。そして、ポリイソシアネートと分子内に活性水素原子を2個以上有する化合物とを反応させた化合物のイソシアネート基をブロック化剤でブロックした構造が好ましい。
ポリイソシアネートとしては、以下のポリイソシアネートが好ましく挙げられる。
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート類、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロパンジイソシアネ−ト、1,2−ブタンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート等の脂肪族イソシアネート類または脂環族イソシアネート類、およびそれらのイソシアヌレート変性体、プレポリマー変性体、ビュレット変性体、アロファネート変性体等。
イソシアネート基のブロック化剤としては、アルキルケトオキシム類、フェノール類、アルコール類、β−ジケトン類、ラクタム類が好ましい。特にメチルエチルケトオキシム、ε−カプロラクタム、フェノール、クレゾール、アセチルアセトン、マロン酸ジエチル、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール、マレイン酸イミド等が好ましい。とりわけ、メチルエチルケトオキシム等のジアルキルケトオキシム類、ε−カプロラクタム等のラクタム類の解離温度120〜180℃の化合物が好ましい。
上記ブロックされたイソシアネートとしては、メイカネートMF、BP−11、NBP−75、NBP−231(以上、明成化学工業社製)、WB−730、WB−920、XWB−72−Z56(以上、武田薬品工業社製)、BI−8(日本ポリウレタン社製)等の市販の化合物を用いてもよい。
これらの化合物は、ダウン並びフェザーに(−)に帯電して被膜化しているクロルトリアジン環に共有結合やイオン結合することにより該構造物に耐久性のある疎水性.ホコリ.ゴミの付着しにくい静電気の発生を抑制した帯電防止機能を付与することができる。
これら親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、多価アミノ化合物及び水溶性または水系パーフルオロアルキルアクリレートと助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも1種を併用する前記薬剤はダウン並びフェザーの疎水化及び帯電防止機能を付与することを可能ならしめる。概要はダウン並びフェザーを疎水化する際、第1次の熱処理において親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物が酸結合剤の存在の下で多価アミノ化合物及びダウン並びフェザーの有する(H)部位と電子置換を実施して共有結合を実施し(−)に帯電したクロルトリアジン環として該構造物に被膜化を実施する。該構造物の帯電は(+)であると推定され、クロルトリアジン環は(−)帯電しているため帯電のバランスが実施され帯電防止機能に寄与する。第2次熱処理において水溶性又は水系パーフルオロアルキルアクリレートと助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体から選ばれた少なくとも1種を併用し該構造物に(−)に帯電して被膜化しているクロルトリアジン環に立体的な、あるいは網目的な共有結合、イオン結合を実施することにより耐久性のある疎水化、静電気の発生を抑制する帯電防止機能を付与することができる。従来技術の合成樹脂を用いて撥水剤を固着付与して被膜化させる技術は高温を必要として該構造物のポリペプチド鎖を崩壊させ熱塑性化.粗硬化をもたらしたり、湿気及び水分の吸放湿性を阻害して静電気の発生を促進したりするが、今発明のダウン並びフェザーの疎水化処理方法は該構造物及び多価アミノ化合物の(H)部位との共有結合、更にクロルトリアジン環との共有結合.イオン結合を用いるシンプルな疎水化処理方法である。
さらに本発明の特徴はホルマリン等の有害な薬剤を使用することなく安全で環境適合性に優れた安価な加工薬剤であること、樹脂加工による莫大なエネルギーを使用して、該構造物に疎水性を付与することなく二酸化炭素や窒素酸化物の削減にも寄与し熱による作業環境の悪化を防ぐとともに有害な薬剤や樹脂の使用に起因する安全性の問題や製造過程で発生する排水(生物化学的酸素要求量:B.O.D)負荷の軽減を図ることが出来る。
本発明において、上記薬剤を用いてダウン並びフェザーの疎水化を達成させる酸性浴の加工条件の概要を説明する。第1次の熱処理はワッシャー加工機を用いて30℃〜90℃の昇温熱処理する「浴中吸尽法」を用いる。ダウン並びフェザーの総重量に対し浴比1:60以下になるよう加工機内の水量を調整し、親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物を薬剤の純度100%換算で0.1%〜10%(o.m.f)及び多価アミノ化合物0.01%〜10%(o.m.f)仕込む。酢酸.氷酢酸.リンゴ酸.クエン酸などを用いて0.1〜10%(o.w.s)添加してpH3.5〜6.5に調液する。調液が終了すれば0.1℃〜2℃/分以下で30℃〜90℃まで昇温熱処理を実施する。80℃〜90℃までの熱処理を30分間〜60分間実施して、クールダウン.湯洗い.水洗を実施する。
該構造物のアルカリ浴の加工条件の概要を説明する。第1次の熱処理はワッシャー加工機を用いて30℃〜90℃の昇温熱処理する「浴中吸尽法」を用いる。ダウン並びフェザーの総重量に対し浴比1:60以下になるように加工機内の水量を調整し親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物を薬剤の純度100%換算で0.1%〜10%(o.m.f)及び多価アミノ化合物0.01%〜10%(o.m.f)仕込む。炭酸水素ナトリウム.炭酸ナトリウムなどを用いて0.1%〜10%(o.w.s)添加してpH8.0〜11.0に調液する。調液が終了すれば、0.1℃〜20℃/分で20分間以上かけて60℃まで昇温熱処理を実施する。60℃〜90℃までの熱処理を20分間〜60分間実施してクールダウン.湯洗い.酸中和.水洗いを実施する。
ダウン並びフェザーの疎水化を達成させるため第2次の乾熱処理は「連続乾熱法」を用いて温風ドライヤー乾燥機で乾燥工程を実施する。加工方法の概要を説明する。前記加工条件で第1次の熱処理を実施したワッシャー加工機内へ、水溶性または水系パーフルオロアルキルアクリレートと助剤として水系シリコーンソフナー.水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用し目的の疎水化を得るため該構造物0.01%〜10%(o.m.f)仕込んで調液する。該構造物へ前記薬剤が均一に含浸するように約10分間〜20分間加工機内で混合する。その後、絞り率40%〜200%で脱水した後、温風ドライヤー乾燥機内に送り込む。設定温度を60℃〜150℃と設定して(好ましくは100℃)約3分間〜60分間の乾熱処理を実施して、実質的に乾燥するまで熱処理を実施する。その後クールダウンをして該構造物の疎水化処理方法を完了する。
また本発明においては第1次の「浴中吸尽法」を用いる昇温熱処理の工程、第2次の「連続乾熱法」の処理工程の順序での製造.処理工程が含まれていれば良い。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制約されるものではない。
実施例1
ワッシャー加工機内に水216kg、親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg、酢酸40cc、加水分解シルク360g、ダウン18kgを投入して、常温で5分間循環.混合した。その後、1.5℃/分で約25分間かけて80℃までの昇温稼動を実施した後80℃の加工浴の温度で30分間持続稼動を実施.排水した。その後、水洗.排水を2回繰り返し、同加工機内で脱水をした。その後加工機内へ水溶性パーフルオロアルキレート7kg、ブロックイソシアネート500gを投入して、水との総重量200リットルとして調液後10分間常温にて循環稼動した後排水して絞り率80%として脱水後100℃の乾熱温度の温風ドライヤー乾燥機内へ該構造物を送り込み約12分間の乾燥を実施した。このようにして得られた該構造物の疎水化が実施されている写真を表1に示す。
比較例1
実施例1で使用したものと同じダウンを2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg酢酸40cc、加水分解シルク360kgのみを用いて実施例1と同様の熱処理を実施した写真を表1に示す。
実施例2
ワッシャー加工機内へ水216kg、親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液3.8kg、炭酸水素ナトリウム528g、加水分解シルク360g、ダウン18kgを投入して常温で5分間循環混合した。その後1.5℃/分で約15分間かけて60℃までの昇温稼動を実施した後、60℃の加工浴の温度30分間継続稼動を実施.排水した。その後、水洗い.排水を2回繰り返した後、酢酸を20cc投入して40℃まで加工内の水温を上昇させ、その温度で10分間継続稼動を実施した後、排水し水洗いを実施した。その後、実施例1と同様の加工を実施した。この様にして得られた該構造物の疎水化が実施されている写真を表2に示す。
比較例2
実施例2で使用したものと同じダウンを2,6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液3.8kg炭酸水素ナトリウム528kg加水分解シルク360g、ダウン18kgのみを用いて実施例1と同様の熱処理を実施した写真を表2に示す。
実施例3
ワッシャー加工機内に水216kg、親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、2,6−ジクロル−4−(3−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg、炭酸ナトリウム52g、加水分解シルク360g、フェザー18kgを投入した。後の工程は実施例1と同様の加工を実施した。この様にして得られた該構造物の疎水化が実施されている写真を表3に示す。
比較例3
実施例3で使用したものと同じフェザーを2,6−ジクロル−4−(3−ジスルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg、炭酸ナトリウム52g、加水分解シルク360g、フェザー18kgのみを用いて実施例1と同様の熱処理を実施した写真を表3に示す。
表1に示した実施例1と比較例1から解るように、本発明ではダウンへの疎水化が達成されている良好な結果が得られた。
表2に示した実施例2と比較例2から解るように本発明ではダウンへの疎水化が達成されている良好な結果が得られた。
表3に示した実施例3と比較例3から解るように本発明ではダウンへの疎水化が達成されている良好な結果が得られた。
しかし、この特許文献の特許請求の項にダウン並びフェザーの記載は無くその要因は前記の繊維構造物の特性によるものと考えられる。
特開2008−63708号(特願2006−275795)
上記課題を解決するために、本発明に係るダウン並びフェザーの一方または双方からなる嵩高集合体である繊維構造物を水溶液中で疎水化する際、
該繊維構造物を、親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物及び多価アミノ化合物を共存させた水溶液中で「浴中吸尽法」により30℃〜90℃の昇温熱処理に付す第一次の熱処理と、
該第一次の熱処理後の繊維構造物を、水溶性または水分散性のパーフルオロアルキルアクリレートと、助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び、ウレタンから選ばれた少なくとも一種とを併用した水溶液に含浸させる含浸処理と、
該含浸処理後の繊維構造物を「連続乾熱法」により60℃〜150℃で乾熱処理に付す第二次の熱処理と、
を含むことを特徴とするものである。
酸性浴の反応形態を説明する。酢酸などを用いてpH3.5〜6.5に調液した後、その後徐々に昇温を開始する。親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン化合物及び、多価アミノ化合物は、酸性浴では80℃付近で(−)に帯電した、クロルトリアジン環を形成することが公知の為、この電子置換性を応用して、多価アミノ化合物とダウン並びフェザーの有するアミノ基(NH 2 ).(H)の部位を共有結合し(−)に帯電したクロルトリアジン環が該構造物へ被膜化する。多価アミノ化合物のアミノ基は(NH-)、ダウン並びフェザーの有するアミノ基は(NH-)となる。
水溶性加水分解シルクとなる繭、毛羽、生糸を洗濯槽内へ投入して常温で約1時間洗濯を実施して不純物を除去する。洗浄した原料を遠心の脱水機を用いて充分脱水する。
水溶液中に原料を投入して重炭酸ソーダを用いて100℃まで昇温煮沸し、その時間を120分持続し、再度遠心脱水機を用いてセリシンとフィビィロインに分離する。セリシンを有している水溶液は酵素分解槽内へ投入、アルカラーゼ、セルラーゼ等の酵素を用いて約60℃までの温度で300分間精練を実施する。分離されたフィビィロインも同様の精練を実施する。セリシンを有している水溶液を真空濃縮機に投入してリンゴ酸、クエン酸等を用いて濃縮工程を数回繰り返してゼムライト等を使用して濾過をしてその後300℃まで昇温したスプレードライ機内で噴射して、パウダー化を行う。遠心脱水機並び濾過して残留したフィビィロインは酵素精練並び高アルカリ下において再三、再四フィビィロインを分解して同様に濃縮工程を繰り返した後、スプレードライを実施する。
この様にして得られた加水分解シルクの分子量を京都府.織物機械金属振興センターにて評価の結果、低分子の加水分解シルク(セリシンパウダー)は分子量1000という結果となり水溶性の加水分解シルクを得た。これらの多価アミノ化合物は親水性置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物と加工浴内において酸結合剤を用いることにより共有結合を実施して(−)に帯電したクロルトリアジン環を形成させることに寄与し帯電防止機能を付与、静電気の発生を抑制しダウン並びフェザーの疎水化に寄与する。
ダウン並びフェザーの疎水化を達成させるため浸漬処理および第二次の熱処理(連続乾熱法)の概要を説明する。
前記加工条件で第一次の熱処理を実施したワッシャー加工機内へ水溶性または水系パーフルオロアルキルアクリレートと、助剤として水系シリコーンソフナー、水系メラミン尿素誘導体及び水系ウレタンから選ばれた少なくとも一種を併用し目的の疎水化を得るため該構造物重量比0.01%〜10%(o.m.f)仕込んで浸漬処理液を調液する。該構造物へ前記薬剤が均一に含浸するように約10分間〜20分間加工機内で混合する。その後、絞り率40%〜200%で脱水した後、温風ドライヤー乾燥機内に送り込む。設定温度を60℃〜150℃と設定して(好ましくは100℃)約3分間〜60分間の乾熱処理を実施して、実質的に乾燥するまで熱処理を実施する。その後クールダウンをして該構造物の疎水化処理方法を完了する。
実施例1
ワッシャー加工機内に水216kg、親水性の置換基を有するジハロゲノトリアジン系化合物、2,6−ジクロル−4−(3−スルフォアニリノ)−S−トリアジン10%水溶液3.8kg、酢酸40cc、加水分解シルク360g、ダウン18kgを投入して、常温で5分間循環.混合した。その後、1.5℃/分で約25分間かけて80℃までの昇温稼動を実施した後80℃の加工浴の温度で30分間持続稼動を実施.排水した。その後、水洗.排水を2回繰り返し、同加工機内で脱水をした。その後加工機内へ水溶性パーフルオロアルキレート7kg、ブロックイソシアネート500gを投入して、水との総重量200kgとして調液後10分間常温にて循環稼動した後排水して絞り率80%として脱水後100℃の乾熱温度の温風ドライヤー乾燥機内へ該構造物を送り込み約12分間の乾燥を実施した。このようにして得られた該構造物の疎水化が実施されている写真を表1に示す。
比較例2
実施例2で使用したものと同じダウンを2.6−ジクロル−4−オキシ−S−トリアジンNa塩10%水溶液3.8kg、炭酸水素ナトリウム528g、加水分解シルク360g、ダウン18kgのみを用いて実施例1と同様の熱処理を実施した写真を表2に示す。