JP2010013595A - 加硫接着性に優れたフッ素ゴム組成物とその成型品 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工性を損なうことなく金属接着性を改良することができる、特定の界面活性剤を含有するフッ素ゴム組成物を提供する。
【解決手段】フッ素ゴムならびにアニオン性界面活性剤(ただし、フッ素系界面活性剤は除く)、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含むフッ素ゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、フッ素ゴムおよび界面活性剤を含むフッ素ゴム組成物に関する。
フッ素ゴムは、Oリング、パッキン、オイルシール、ガスケット等のシール材やクッション材として自動車、一般機械、建築、航空機等の分野で広く使用されている。これらシール材の中でもオイルシールやガスケットは、ゴムと金属が複合化された構造体である場合が多く、それらは通常、ゴムと金属の加硫接着により製造される。
一般的に加硫接着は、脱脂処理された金属表面に加硫接着剤を塗布し、乾燥、焼付けの後、この金属と未加硫のフッ素ゴム組成物を加硫成形することで、接着と加硫成形が同時に行われる。そのため、用いられるフッ素ゴム組成物は、安定した金属接着性に加え、金型との離型性や流動性といった加工性も求められる。
従来、金属とフッ素ゴムの加硫接着性においては、フッ素ゴム組成物中にポリフルオロアルキル基含有ブロックイソシアネート化合物(たとえば、特許文献1参照)、フッ化脂肪族スルホニル化合物(たとえば、特許文献2参照)、ノボラック型エポキシ樹脂(たとえば、特許文献3参照)などの化合物を含有させることが知られている。
また、加硫成形時における金型からの離型性において優れるフッ素ゴム組成物として、フッ素ゴム組成物中に脂肪酸モノアミド(たとえば、特許文献4参照)や、含フッ素界面活性剤(たとえば、特許文献5参照)を含有させることが知られている。
特許第3377875号公報 特許第2963729号公報 特許第3175338号公報 特開平7−196879号公報 特開昭61−21149号公報
本発明は、加工性を損なうことなく金属接着性を改良することができる、特定の界面活性剤を含有するフッ素ゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明は、フッ素ゴムならびにアニオン性界面活性剤(ただし、フッ素系界面活性剤は除く)、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含むフッ素ゴム組成物に関する。
界面活性剤の含有量がフッ素ゴム100質量部に対して、0.05〜5質量部であることが好ましい。
界面活性剤の融点が200℃以下であることが好ましい。
界面活性剤のpHが、4〜10であることが好ましい。
界面活性剤のHLBが、10以上であることが好ましい。
本発明によれば、フッ素ゴム組成物中にアニオン性界面活性剤(ただし、フッ素系界面活性剤は除く)、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤のような特定の界面活性剤を含有することによって、加硫成形時における金型との離型性や流動性などの加工性が良好であり、かつ、金属との加硫接着性において優れる。
本発明のフッ素ゴム組成物は、フッ素ゴムおよび界面活性剤を含む。
本発明の界面活性剤は、金属とフッ素ゴムとの接着性を向上させる点、フッ素ゴムの加工性および特性に与える影響が少ない点、取扱い性において優れるという点から、アニオン性界面活性剤(ただし、フッ素系界面活性剤は除く)、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤である。
アニオン性界面活性剤としては、たとえば、アルキル硫酸エステル塩(R1SO3M)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(R1O(R2O)nSO3M)、スルフォン酸塩(R1SO3M)、脂肪酸塩(R1COOM)(式中、R1は炭素数が10〜24、好ましくは12〜20の直鎖または分岐アルキル基であり、R2はエチレン基、プロピレン基であり、nは2〜10であり、Mは、Na、K、NH4、NH(R3OH)3(式中、R3は炭素数が1〜5、好ましくは2または3の直鎖アルキレン基)である)
などがあげられる。
具体的には、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン、ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルフォン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどがあげられるが、これらの中で、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルフォン酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などが好ましい。
両性界面活性剤とは、分子内にアニオン基とカチオン基の両者を併せもっている界面活性剤をいう。たとえば、アルキルベタイン(R1(CH3) 2+CH2COO-)、アルキルアミンオキサイド(R1(CH3) 2NO)(式中、R1は、前記式と同じである。)などがあげられる。
具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどがあげられるが、これらの中で、ラウリルベタイン、ステアリルベタインなどのアルキルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイドなどのアルキルアミンオキサイドなどが好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(R1O(R2O)nH)、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル(R1O(R2XO)m(R2O)nH)、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(R1COO(R2O)nH、R1COO(R2O)nCOR1)、グリセリン脂肪酸エステル(R1COOCH2CH(OH)CH2OH)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン(H(R2O)n1N(R2O)nH)(式中、R1およびR2は、前記式と同じである。)などがあげられる。具体的には、ポリオキシエチレン(POE)オレイルエーテル、POEセチルエーテル、POEラウリルエーテル、POEオレイン酸ジエステル、POEステアリン酸モノエステル、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノラウレート、POEソルビタントリステアレート、POEソルビタントリオレエート、グリセロールモノステアリレート、グリセロールモノオレエート、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンステアリルアミンなどがあげられる。これらの中で、POEオレイルエーテル、POEセチルエーテル、POEラウリルエーテルなどのPOEアルキルエーテルがより好ましい。
非イオン性界面活性剤が、ポリオキシアルキレン単位(−R2O−)を有する場合、ポリオキシアルキレン単位の含有量は、水に対する親和性が高く、接着剤表面に対する濡れ性において優れるという点から、付加量は、非イオン性界面活性剤中、5モル%以上が好ましく、10モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。また、ポリオキシアルキレン単位の含有量は、ゴムへの分散性において優れるという点から、非イオン性界面活性剤中、100モル%以下が好ましく、80モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましい。
前記界面活性剤のうち、金属とフッ素ゴムとの接着性の改善の点から、特に非イオン性界面活性剤が好ましい。
界面活性剤の含有量は、接着安定性において優れるという点から、フッ素ゴム100質量部に対して、0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.2質量部以上がさらに好ましい。また、界面活性剤の含有量は、ゴムの加工性、加硫ゴムの機械的特性において優れるという点から、フッ素ゴム100質量部に対して、5質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましい。
界面活性剤の融点は、取扱い性および加工性が良好である点から、200℃以下が好ましく、50〜150℃がより好ましい。
界面活性剤のpHは、ゴムの加硫に対する影響が少ないという点から4〜10が好ましく、6〜8がより好ましい。なお、界面活性剤のpHは、界面活性剤の0.5〜10質量%水希釈液を調整し、そのpHをガラス電極で電位測定することにより求めることができる。
界面活性剤のHLB値は、接着剤表面に対する濡れ性に優れ、接着改善効果が充分に得られるという点から、10以上が好ましく、15以上がより好ましい。
本発明におけるフッ素ゴム組成物のフッ素ゴムとしては、従来から成形用材料に用いられているものであれば特に制限はない。
フッ素ゴムとしては、非パーフルオロ系フッ素ゴムおよびパーフルオロ系フッ素ゴムがあげられる。
非パーフルオロ系フッ素ゴムとしては、ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロエチレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロエチレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、またはフルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて用いることができる。
パーフルオロ系フッ素ゴムとしては、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)/加硫部位を与える単量体からなるフッ素ゴムがあげられる。テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の組成は、50〜90/10〜50(モル%)であることが好ましく、より好ましくは50〜80/20〜50(モル%)であり、さらに好ましくは55〜70/30〜45(モル%)である。加硫部位を与える単量体は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)の合計量に対して、0〜5モル%であることが好ましく、0〜2モル%であることがより好ましい。これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
この場合のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、たとえばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて用いることができる。
加硫剤は適用する加硫系、たとえばパーオキサイド加硫、ポリオール加硫、ポリアミン加硫、トリアジン加硫、オキサゾール加硫、イミダゾール加硫、チアゾール加硫によって適宜選定すればよい。
本発明のフッ素ゴム組成物には通常のゴム使用される各種配合剤を含有してもよい。配合剤としては、カーボンブラック、シリカ、金属酸化物、金属水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、樹脂粉末、ガラス粉末、無機繊維、ウイスカー、顔料などがあげられる。
本発明のフッ素ゴム組成物は、前記の各成分を、通常のゴム用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。この他、密閉式混合機を用いる方法によっても調製することができる。
本発明のフッ素ゴム組成物を用いて得られる成形品は、特にフッ素ゴムと金属が複合化された構造体とする種々の用途に好適に使用できる。
具体的には、ガスケット、パッキン、オイルシール、ベアリングシール、リップシールなどシール剤のほか、各種のゴム製品、たとえばダイアフラム、Oリング、角−リング、チューブ、ホース、ブッシュ、クッション、各種ゴムロールなどとしても使用できる。
本発明のシール材は、以下に示す分野で好適に用いることができる。
半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野では、O(角)リング、パッキン、シール材、ガスケット、ダイアフラム等があげられ、これらはCVD装置、ドライエッチング装置、ウェットエッチング装置、酸化拡散装置、スパッタリング装置、アッシング装置、洗浄装置、イオン注入装置、排気装置に用いることができる。具体的には、ゲートバルブのOリング、シール材として、クォーツウィンドウのOリング、シール材として、チャンバーのOリング、シール材として、ゲートのOリング、シール材として、ベルジャーのOリング、シール材として、カップリングのOリング、シール材として、ポンプのOリング、シール材、ダイアフラムとして、半導体用ガス制御装置のOリング、シール材として、レジスト現像液、剥離液用のOリング、シール材として用いることができる。
自動車分野では、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、シール材はエンジンならびに周辺装置に用いることができ、シール材はAT装置に用いることができ、O(角)リング、パッキン、シール材およびダイアフラムは燃料系統ならびに周辺装置に用いることができる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイルパンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マニホールドパッキン、酸素センサー用シール、インジェクターOリング、インジェクターパッキン、燃料ポンプOリング、ダイアフラム、ガソリンタンク圧抜きバルブ、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達のOリング、オイルシール、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、キャブレターのセンサー用ダイアフラム等として用いることができる。
航空機分野、ロケット分野および船舶分野では、ダイアフラム、O(角)リング、バルブ、パッキン、シール材等があげられ、これらは燃料系統に用いることができる。具体的には、航空機分野では、ジェットエンジンバルブステルシール、ガスケットおよびOリング、ローテーティングシャフトシール、油圧機器のガスケット、防火壁シール等に用いられ、船舶分野では、スクリューのプロペラシャフト船尾シール、ディーゼルエンジンの吸排気用バルブステムシール、バタフライバルブのバルブシール、バタフライ弁の軸シール等に用いられる。
プラント等の化学品分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)リング、シール材等があげられ、これらは医薬、農薬、塗料、樹脂等化学品製造工程に用いることができる。具体的には、化学薬品用ポンプ、流動計、配管のシール、熱交換器のシール、硫酸製造装置のガラス冷却器パッキン、農薬散布機、農薬移送ポンプのシール、ガス配管のシール、メッキ液用シール、高温真空乾燥機のパッキン、製紙用ベルトのコロシール、燃料電池のシール、風洞のジョイントシール、ガスクロマトグラフィー、pHメーターのチューブ結合部のパッキン、分析機器、理化学機器のシール、ダイアフラム、弁部品等として用いることができる。
現像機等の写真分野、印刷機械等の印刷分野および塗装設備等の塗装分野では、乾式複写機のシール、弁部品等として用いることができる。
食品プラント機器分野では、バルブ、パッキン、ダイアフラム、O(角)リング、シール材等があげられ、食品製造工程に用いることができる。具体的には、プレート式熱交換器のシール、自動販売機の電磁弁シール等として用いることができる。
原子力プラント機器分野では、パッキン、Oリング、シール材、ダイアフラム、バルブ等があげられる。
一般工業分野では、パッキン、Oリング、シール材、ダイアフラム、バルブ等があげられる。具体的には、油圧、潤滑機械のシール、ベアリングシール、ドライクリーニング機器の窓、その他のシール、六フッ化ウランの濃縮装置のシール、サイクロトロンのシール(真空)バルブ、自動包装機のシール、空気中の亜硫酸ガス、塩素ガス分析用ポンプのダイアフラム(公害測定器)等に用いられる。
電気分野では、具体的には、新幹線の絶縁油キャップ、液封型トランスのベンチングシール等として用いられる。
燃料電池分野では、具体的には、電極、セパレーター間のシール材や水素・酸素・生成水配管のシール等として用いられる。
電子部品分野では、具体的には、放熱材原料、電磁波シールド材原料、コンピューターのハードディスクドライブのガスケット、ハードディスクドライブのストッパー等に用いられる。
現場施工型の成形に用いることが可能なものとしては特に限定されず、たとえばエンジンのオイルパンのガスケット、磁気記録装置用のガスケット、クリーンルーム用フィルターユニットのシーリング剤等があげられる。
また、半導体製造装置やウェハー等のデバイス保管庫等のシーリング材等のクリーン設備用シール材に特に好適に用いられる。
つぎに実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
表および明細書中の各商品名は、それぞれ次に示すものである。
・フッ素ゴムA:ポリオール加硫剤を含むムーニー粘度ML1+10(100℃)が75である3元系フッ素ゴム(ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン=61/18/21(モル%))。(3元系フッ素ゴム100質量部に対してポリオール加硫剤(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールAF)を1.2質量部、加硫促進剤(8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセニウムクロリド)を0.4質量部含有するプレコンパウンドである)
・フッ素ゴムB:パーオキサイド加硫系のムーニー粘度ML1+10(100℃)が50である3元系フッ素ゴム(ビニリデンフルオライド/ヘキサフルオロプロピレン/テトラフルオロエチレン=50/30/20(モル%))
・フッ素ゴムC:パーオキサイド加硫系のムーニー粘度ML1+10(100℃)が65であるパーフルオロゴム、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル=62/38(モル%))
・酸化マグネシウム:MA−150(高活性酸化マグネシウム)(協和化学工業(株)製)
・水酸化カルシウム:CALDIC♯2000(近江化学工業(株)製)
・カーボンブラック:N990(CANCARB LTD製)
・TAIC:トリアリルイソシアヌレート(日本化成(株)製)
・パーヘキサ25B:パーヘキサ25B(日油(株)製)
・アニオン性界面活性剤1:Hostapar SAS93(アルキル硫酸塩)(クラリアントジャパン(株)製)、HLB:9.6、pH:7.5
・アニオン性界面活性剤2:サンセパラー100(ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム)(三洋化成工業(株)製)、HLB:4.6、pH:4.8、融点:120℃
・非イオン性界面活性剤1:エマルミン240(POEオレイルまたはセチルエーテル(EO:24モル%))(三洋化成工業(株)製)、HLB:16.1、pH:7.0、融点:45℃
・非イオン性界面活性剤2:エマルミンL−380(POEラウリルエーテル(EO:38モル%))(三洋化成工業(株)製)、HLB:17.7、pH:7.0、融点:43℃
・非イオン性界面活性剤3:イオネットDO−1000(POEオレイン酸ジエステル(EO:20モル%))(三洋化成工業(株)製)、HLB:12.9、pH:6.5、融点:40℃
・非イオン性界面活性剤4:イオネットMS−1000(POEステアリン酸モノエステル(EO:23モル%))(三洋化成工業(株)製)、HLB:15.6、pH:6.5点:40℃
・非イオン性界面活性剤5:ナロアクティーCL−400(POEと炭素数14〜15のアルキル基とのエーテル(EO:40モル%))(三洋化成工業(株)製)、HLB:17.8、pH:7.0
・カチオン性界面活性剤1:ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、pH:4.5
・カチオン性界面活性剤2:ステアリルジメチルアンモニウムクロライド、pH:5.5
実施例1〜11および比較例1〜3
フッ素ゴムA、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、カーボンブラックおよび界面活性剤を表1および2に示す配合割合で混合し、オープンロールにて混練して加硫可能なフッ素ゴム組成物を調製し、得られたフッ素ゴム組成物を170℃で10分間プレスして加硫を行った。さらに常態物性測定用のテストシートは、230℃で24時間の二次加硫を行なった。
得られたフッ素ゴム組成物の加硫性、加硫して得られたテストシートの常態物性および金属基材との接着性を以下の方法にて測定した。結果を表1および2に示す。
実施例12〜17および比較例4〜5
フッ素ゴムBまたはC、TAIC、パーヘキサ25B、カーボンブラックおよび界面活性剤を表3に示す配合割合で混合し、オープンロールにて混練して加硫可能なフッ素ゴム組成物を調製し、得られたフッ素ゴム組成物を160℃で10分間プレスして加硫を行った。さらに常態物性測定用のテストシートは、180℃で4時間の二次加硫を行なった。
得られたフッ素ゴム組成物の加硫性、加硫して得られたテストシートの常態物性および金属基材との接着性を以下の方法にて測定した。結果を表3に示す。
<加硫性>
各加硫用組成物についてJSR型キュラストメーターII型により、170℃にて加硫曲線を求め、最低トルク(ML)、最大トルク(MH)、誘導時間(T10)および最適加硫時間(T90)を求めた。
<常態物性>
JIS K6301に準じてテストシートの常態(25℃)での100%引張応力、引張強さ、伸びおよび硬さ(ショア A)を測定した。
<接着性>
♯80/♯100サンドブラスト後、脱脂したSUS316L板(20mm×50mm×1mm厚)上に、接着剤を塗付し、室温で風乾の後、150℃で10分間焼付けを行った。さらに、その上に未加硫の被験サンプル(20mm×50mm×2.5mm厚)をのせ、20mm×50mm×3mmの金型内で、プレス加硫を行い、SUS板と被験サンプルとの接着性を観察した。
フッ素ゴムAの試験条件
・接着剤:ケムロック#5150(LORD Corporation製)
・プレス加硫:170℃×10分
フッ素ゴムBおよびCの試験条件
・接着剤:MEGUM#3290−1(Rhom and Haas Deutschland GmbH製)
・プレス加硫:160℃×10分
6・・・剥離すると被験サンプルが材料破壊し、SUS板上に残ったフッ素ゴムの面積率が100%である(完全材料破壊)
5・・・剥離すると被験サンプルが一部材料破壊し、SUS板上に残ったフッ素ゴムの面積率が80〜99%である
4・・・剥離すると被験サンプルが一部材料破壊し、SUS板上に残ったフッ素ゴムの面積率が30〜79%である
3・・・剥離すると被験サンプルが一部材料破壊し、SUS板上に残ったフッ素ゴムの面積率が29%以下である
2・・・粘着性はあるが容易に剥離し、SUS板上に残ったフッ素ゴムが残らない
1・・・明らかに接着しておらず、SUS板上に残ったフッ素ゴムが残らない
Figure 2010013595
Figure 2010013595
Figure 2010013595

Claims (5)

  1. フッ素ゴムならびにアニオン性界面活性剤(ただし、フッ素系界面活性剤は除く)、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含むフッ素ゴム組成物。
  2. 界面活性剤の含有量がフッ素ゴム100質量部に対して、0.05〜5質量部である請求項1記載のフッ素ゴム組成物。
  3. 界面活性剤の融点が200℃以下である請求項1または2記載のフッ素ゴム組成物。
  4. 界面活性剤のpHが4〜10である請求項1〜3のいずれかに記載のフッ素ゴム組成物。
  5. 界面活性剤のHLBが10以上である請求項1〜4のいずれかに記載のフッ素ゴム組成物。
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