JP2010013293A - チタン酸アルミニウム系セラミックス粉末の製造方法 - Google Patents

チタン酸アルミニウム系セラミックス粉末の製造方法 Download PDF

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敬一郎 鈴木
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雅之 鳴海
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真喜男 木村
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Abstract

【課題】チタン酸アルミニウムやチタン酸アルミニウムマグネシウムのようなチタン酸アルミニウム系セラミックスについて、粉末状原材料混合物から、十分に精製されたチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末を製造しうる方法を提供すること。
【解決手段】チタン源化合物の粉末およびアルミニウム源化合物の粉末を含む原材料混合物を通常10Kgf/cm以上の成型圧力で成型して原材料成型体を得、得られた原材料成型体を焼成してセラミックス焼結体を得、得られたセラミックス焼結体を解砕する製造方法とすること。
【選択図】なし

Description

本発明は、チタン酸アルミニウム系セラミックス粉末の製造方法に関する。
チタン酸アルミニウム系セラミックスは、構成元素としてチタンおよびアルミニウムを含み、X線回折スペクトルにおいて、チタン酸アルミニウムの結晶パターンを有するセラミックスであって、耐熱性に優れたセラミックスとして知られており、従来からルツボのような焼結用の冶具などとして用いられてきたが、近年では、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスに含まれる微細なカーボン粒子を捕集するためのセラミックスフィルターを構成する材料として、産業上の利用価値が高まっている。
かかるチタン酸アルミニウム系セラミックスの製造方法としては、チタニアなどのチタン源化合物の粉末およびアルミナなどのアルミニウム源化合物の粉末を混合した粉末状の原材料混合物を目的の形状に成形したのち、焼成することにより、チタン源化合物とアルミニウム源化合物とを反応させて、チタン酸アルミニウム系セラミックスの成形体を製造する方法が知られている。〔特許文献1〕。
WO2005/105704号公報
粉末状のチタン酸アルミニウム系セラミックスを製造するには、粉末状原材料混合物をそのまま焼成すればよい。
しかし、上記の粉末状混合物をそのまま焼成して得られるチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末は、チタン源化合物とアルミニウム源化合物の反応が十分ではないという問題があることが分かった。
そこで、本発明者は、粉末状原材料混合物から、十分に精製されたチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末を製造しうる方法を鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち本発明は、チタン源化合物の粉末およびアルミニウム源化合物の粉末を含む原材料混合物を成型して原材料成型体を得、得られた原材料成型体を焼成してセラミックス焼結体を得、得られたセラミックス焼結体を解砕することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末の製造方法を提供するものである。
通常、前記原材料混合物への成型圧力は10Kgf/cm以上である。
本発明の製造方法によれば、チタン源化合物とアルミニウム源化合物とを十分に反応させることができるので、チタン源化合物とアルミニウム源化合物とが互いに反応しないために生じるチタニア結晶やアルミナ結晶を含まないタン酸アルミニウム系セラミックス粉末を得ることができる。
本発明の製造方法では、原材料混合物としてチタン源化合物の粉末およびアルミニウム源化合物の粉末を含む原材料混合物が用いられる。更に、前記原材料混合物はマグネシウム源化合物の粉末やシリカ源化合物の粉末を含むものであることが好ましい。
チタン源化合物としては、例えば酸化チタンが挙げられる。酸化チタンとしては、例えば酸化チタン(IV)、酸化チタン(III)、酸化チタン(II)などが挙げられ、酸化チタン(IV)が好ましく用いられる。酸化チタン(IV)の結晶型としては、アナターゼ型、ルチル型、ブルッカイト型などが挙げられ、アモルファスであってもよく、より好ましくはアナターゼ型、ルチル型である。
その他のチタン源化合物として、これを単独で空気中で焼成することによりチタニア(酸化チタン)に導かれるチタン化合物も挙げられる。かかる化合物としては、例えばチタニウム塩、チタニウムアルコキシド、水酸化チタニウム、窒化チタン、硫化チタン、チタン金属などが挙げられる。
チタニウム塩として具体的には、三塩化チタン、四塩化チタン、硫化チタン(IV)、硫化チタン(VI)、硫酸チタン(IV)などが挙げられる。チタニウムアルコキシドとして具体的には、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)t-ブトキシド、チタン(IV)イソブトキシド、チタン(IV)n-プロポキシド、チタン(IV)テトライソプロポキシドおよびこれらのキレート化物などが挙げられる。
アルミニウム源化合物としては、例えばアルミナ(酸化アルミニウム)が挙げられる。アルミナの結晶型としては、γ型、δ型、θ型、α型などが挙げられ、アモルファスであってもよい。アルミニウム源化合物として好ましくはα型のアルミナである。
その他のアルミニウム源化合物としては、単独で空気中で焼成することによりアルミナに導かれるアルミニウム化合物も挙げられる。かかる化合物としては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシド、水酸化アルミニウム、金属アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウム塩は、無機酸との無機塩であってもよいし、有機酸との有機塩であってもよい。アルミニウム無機塩として具体的には、例えば硝酸アルミニウム、硝酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム硝酸塩、炭酸アンモニウムアルミニウムなどのアルミニウム炭酸塩などが挙げられる。アルミニウム有機塩としては、例えば蓚酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
アルミニウムアルコキシドとして具体的には、例えばアルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムsec-ブトキシド、アルミニウムtert-ブトキシドなどが挙げられる。
水酸化アルミニウムの結晶型としては、例えばギブサイト型、バイヤライト型、ノロソトランダイト型、ベーマイト型、擬ベーマイト型などが挙げられ、不定形(アモルファス)であってもよい。アモルファスの水酸化アルミニウムとしては、例えばアルミニウム塩、アルミニウムアルコキシドなどのような水溶性アルミニウム化合物の水溶液を加水分解して得られるアルミニウム加水分解物も挙げられる。
マグネシウム源化合物としては、例えばマグネシア(酸化マグネシウム)が挙げられる。その他のマグネシウム源化合物としては、単独で空気中で焼成することによりマグネシアに導かれる化合物も挙げられる。かかる化合物としては、例えばマグネシウム塩、マグネシウムアルコキシド、水酸化マグネシウム、窒化マグネシウム、金属マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウム塩として具体的には、塩化マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ピロリン酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、ジメタクリル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウムなどが挙げられる。
マグネシウムアルコキシドとして具体的にはマグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシドなどが挙げられる。
マグネシウム源化合物として、アルミニウム源化合物を兼ねた化合物を用いることもできる。このような化合物としては、例えばマグネシアスピネル〔MgAl〕の粉末が挙げられる。
なお本発明では、前記マグネシアスピネル〔MgAl〕などの複合酸化物のように、チタン源化合物、アルミニウム源化合物およびマグネシウム源化合物のうち、2つ以上の金属元素を成分とする化合物は、それぞれの金属源化合物を混合した原材料混合物と同じであると考えることができる。また、原材料混合物にはチタン酸アルミニウムやチタン酸アルミニウムマグネシウム自体が含まれていてもよく、例えば原材料混合物としてチタン酸アルミニウムマグネシウムを使用する場合、チタン源化合物、アルミニウム源化合物およびマグネシウム源化合物を兼ね備えた原材料混合物に相当する。
チタン源化合物およびアルミニウム源化合物の使用量は、チタニア〔TiO2〕換算のチタン源化合物の使用量とアルミナ〔Al23〕換算のアルミニウム源化合物の使用量との合計量100質量部あたり、チタニア換算のチタン源化合物の使用量が、通常30質量部〜70質量部、アルミナ換算のアルミニウム源化合物の使用量が通常70質量部〜30質量部であり、好ましくはチタニア換算のチタン源化合物の使用量が40質量部〜60質量部、アルミナ換算のアルミニウム源化合物の使用量が60質量部〜40質量部である。
一方、前記原材料混合物がさらにマグネシウム源化合物を含む場合、マグネシウム源化合物の含有量は、チタニア換算のチタン源化合物の使用量とアルミナ〔Al23〕換算のアルミニウム源化合物の使用量との合計量100質量部あたり、マグネシア〔MgO〕換算のマグネシウム源化合物の使用量で、通常0.1質量部〜10質量部であり、好ましくは8質量部以下である。
シリカ源化合物としては、例えば二酸化ケイ素、一酸化ケイ素などの酸化ケイ素〔シリカ〕が挙げられる。また単独で空気中で焼成することによりシリカに導かれる化合物をシリカ源化合物として用いることもできる。かかる化合物としては、例えばケイ酸、炭化ケイ素、窒化ケイ素、硫化ケイ素、四塩化ケイ素、酢酸ケイ素、ケイ酸ナトリウム、オルトケイ酸ナトリウム、長石、ガラスフリットなどが挙げられる。工業的に入手が容易である点で、長石、ガラスフリットなどが好ましい。
本発明の製造方法において、前記チタン源化合物および前記アルミニウム源化合物、さらに前記マグネシウム源化合物および前記シリカ源化合物を添加する場合はそれらも含め、それぞれ化合物が粉末の場合は、これらを混合することで、本発明の製造方法で用いる原材料混合物が得られる。また前記化合物中に塊状など粉末状でない化合物を含む場合や、いっそうの均一混合させたい場合などには、それら混合物に対し、粉砕混合を行って粉末状にしてもよい。混合方法は、乾式混合でもよいし、湿式混合でもよい。
混合の際には、通常用いられる混合機を用いることができ、例えば、ナウター混合機、レーディゲミキサー混合機のような攪拌混合機、フラッシュブレンダーなどのエアー混合機、ボールミルなどを用いることができる。
湿式で混合するには、まず、ガラスフリットを溶媒中に分散させた状態させ、次にチタン源とアルミニウム源を、必要な場合は更にマグネシウム源を溶媒中に混合してもよい。
溶媒として通常は水が用いられ、不純物が少ない点で、好ましくはイオン交換水が用いられる。溶媒の使用量は、前記混合物量100質量部に対して通常20質量倍〜1000質量倍、好ましくは30質量倍〜300質量倍である。
湿式で混合するに際して溶媒には分散剤を添加してもよい。分散剤としては、例えば硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類、ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。分散剤を使用する場合、その使用量は溶媒100質量部あたり通常0.1質量部〜20質量部、好ましくは0.2質量部〜10質量部である。
混合後、溶媒を除去することにより、均一に混合された前記混合物を得ることができる。溶媒の除去は通常、溶媒を留去することにより行われる。
溶媒を除去するにあたり、室温にて風乾してもよいし、真空乾燥してもよいし、加熱乾燥をしてもよい。乾燥方法は静置乾燥でもよいし、流動乾燥でもよい。加熱乾燥をする際の温度は特に規定しないが、通常50℃以上250℃以下である。加熱乾燥に用いられる機器として、例えば棚段乾燥機、スラリードライヤー、スプレードライヤーなどが挙げられる。
なお、湿式で混合するにあたり、用いたアルミニウム源化合物等の種類によっては溶媒に溶解することもあるが、溶媒に溶解したアルミニウム源化合物等は溶媒留去により、再び固形分となって析出する。
湿式での混合に際しては、媒体撹拌ミル、ボールミル、振動ミルなどの粉砕機を用いて混合することが好ましい。粉砕機を用いて混合することにより、原材料混合物が更に粉砕されつつ混合されて、組成がより均一な原材料混合物を得ることができる。
乾式雰囲気で混合するには、例えば原材料混合物を混合し、液体媒体中に分散させること無く、粉砕容器内で撹拌すればよく、通常は粉砕メディアの共存下に粉砕容器内で撹拌する。
粉砕容器としては通常、ステンレス鋼などの金属材料で構成されたものが用いられ、内表面がフッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などでコーティングされていてもよい。粉砕容器の内容積は、原材料混合物および粉砕メディアの合計容積に対して通常1容量倍〜4容量倍、好ましくは1.2容量倍〜3容量倍である。
粉砕メディアとしては、例えば粒子径1mm〜100mm、好ましくは5mm〜50mmのアルミナビーズ、ジルコニアビーズなどが挙げられる。粉砕メディアの使用量は、原材料混合物の使用量に対して通常1質量倍〜1000質量倍、好ましくは5質量倍〜100質量倍である。
粉砕は、例えば粉砕容器内に原材料混合物および粉砕メディアを投入したのち、粉砕容器を振動させたり、回転させたり、或いはその両方により行われる。粉砕容器を振動または回転させることにより、原材料混合物が粉砕メディアと共に撹拌されて混合されると共に、粉砕される。粉砕容器を振動または回転させるためには、例えば振動ミル、ボールミル、遊星ミル、高速回転粉砕機などのピンミルなどのような通常の粉砕機を用いることができ、工業的規模での実施が容易である点で、振動ミルが好ましく用いられる。粉砕容器を振動させる場合、その振幅は通常2mm〜20mm、好ましくは12mm以下である。粉砕は、連続式で行ってもよいし、回分式で行ってもよいが、工業的規模での実施が容易である点で、連続式で行うことが好ましい。粉砕に要する時間は通常1分〜6時間、好ましくは1.5分〜2時間である。
原材料混合物を乾式にて粉砕するにあたっては、粉砕助剤、解膠剤などの添加剤を加えてもよい。粉砕助剤としては、例えばメタノール、エタノールプロパノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類、トリエタノールアミンなどのアミン類、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸類、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素材料などが挙げられ、これらはそれぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
添加剤を用いる場合、その合計使用量は、原材料混合物の使用量100質量部あたり通常0.1質量部〜10質量部、好ましくは0.5質量部〜5質量部、さらに好ましくは0.75質量部〜2質量部である。
また湿式で混合するには、例えば、これらの原材料混合物を混合し、液体媒体中に分散させることで行うことができる。混合機としては通常の液体溶媒中で攪拌処理のみでもよいし、粉砕メディアの共存下に粉砕容器内で攪拌してもよい。
粉砕容器としては通常、ステンレス鋼などの金属材料で構成されたものが用いられ、内表面がフッ素樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂などでコーティングされていてもよい。粉砕容器の内容積は、原材料混合物および粉砕メディアの合計容積に対して通常1容量倍〜4容量倍、好ましくは1.2容量倍〜3容量倍である。
粉砕メディアとしては、例えば粒子径1mm〜100mm、好ましくは5mm〜50mmのアルミナビーズ、ジルコニアビーズなどが挙げられる。粉砕メディアの使用量は、原材料混合物の使用量に対して通常1質量倍〜1000質量倍、好ましくは5質量倍〜100質量倍である。添加する液体溶媒は、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類や、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類またはイオン交換水などを用いることができ、より好ましくはイオン交換水である。
原材料混合物を湿式にて粉砕するにあたっては粉砕助剤を添加してもよく、粉砕は、例えば粉砕容器内に原材料混合物および粉砕メディアを投入したのち、粉砕容器を振動させたり、回転させたり、或いはその両方により行われる。粉砕容器を振動または回転させることにより、原材料混合物が粉砕メディアと共に撹拌されて混合されると共に、粉砕される。粉砕容器を振動または回転させるためには、例えば振動ミル、ボールミル、遊星ミル、高速回転粉砕機などのピンミルなどのような通常の粉砕機を用いることができ、工業的規模での実施が容易である点で、振動ミルが好ましく用いられる。粉砕容器を振動させる場合、その振幅は通常2mm〜20mm、好ましくは12mm以下である。粉砕は、連続式で行ってもよいし、回分式で行ってもよいが、工業的規模での実施が容易である点で、連続式で行うことが好ましい。
粉砕に要する時間は通常1分〜6時間、好ましくは1.5分〜2時間である。原材料混合物を乾式にて粉砕するにあたっては、粉砕助剤、解膠剤などの添加剤を加えてもよい。
粉砕助剤としては、例えばメタノール、エタノールプロパノールなどのアルコール類、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類、トリエタノールアミンなどのアミン類、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸などの高級脂肪酸類、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素材料などが挙げられ、これらはそれぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いられる。
添加剤を用いる場合、その合計使用量は、原材料混合物の使用量100質量部あたり通常0.1質量部〜10質量部、好ましくは0.5質量部〜5質量部、さらに好ましくは0.75質量部〜2質量部である。
得られた粉末状の原材料混合物は成型して原材料成型体とする。成型を行なうと焼成、解砕して得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスを高収率で得ることができる。成型に用いる成型機としては、一軸プレス、打錠機、造粒機などが挙げられる。造粒機としては、水の毛管力を利用し顆粒体を作成するような皿型造粒機などを用いることも可能である。焼成に用いる原材料として、通常好ましい様態は、塊状である。
成型時の圧力としては、原材料混合物が原材料成型体として一定の形状を維持することのできる圧力であれば特に制限されないが、通常は10Kgf/cm以上1000Kgf/cm以下である。50Kgf/cm以上、更には70Kgf/cm以上であることが好ましく、また500Kgf/cm以下であることが好ましい。
前記原材料混合物を焼成して、チタン酸アルミニウムやチタン酸アルミニウムマグネシウムなどのチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼結体を得る場合、焼成温度は通常1300℃以上、好ましくは1400℃以上である。一方、生成されるチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼結体を加工し易いものにするため、或いはその後粉末状にする場合には、解砕しやすいものにするため、焼結温度は、通常1600℃以下、好ましくは1550℃以下とする。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常は10℃/時間〜500℃/時間である。
焼成は通常、大気中で行われるが、原材料混合物の成分や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また雰囲気中の水蒸気分圧を低くして焼成してもよい。
焼成は通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行われる。焼成は回分式で行ってもよいし、連続式で行ってもよい。また静置式で行ってもよいし、流動式で行ってもよい。
焼成に要する時間は、前記混合物が、チタン酸アルミニウム系セラミックスに遷移するに十分な時間であればよく、前記混合物の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分〜24時間である。
かくしてチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼結体を得ることができる。
かくして得られた塊状のチタン酸アルミニウム系セラミックスの焼結体を更に解砕することにより、チタン酸アルミニウム系セラミックスの粉末を得ることができる。解砕は、例えば手解砕、乳鉢、ボールミル、振動ミル、遊星ミル、媒体撹拌ミル、ピンミル、ジェットミル、ハンマーミル、ロールミルなどの通常の解砕機を用いて行うことができる。解砕により得られた前記セラミックス粉末は、通常の方法で分級してもよい。かくして得られる前記セラミックス粉末は、概ね球形をしているので、これを取扱う際に、取扱容器などを磨耗させることがない。
更に前記セラミックス粉末を公知の粉末成型技術により顆粒状にすることもできる。
本発明の製造方法で得られるチタン酸アルミニウム系セラミックスは、X線回折スペクトルにおいて、チタン酸アルミニウムの結晶パターンを含むものであるが、その他に例えばシリカ、アルミナ、チタニアなどの結晶パターンを含んでいてもよい。チタン酸アルミニウム系セラミックスが、チタン酸アルミニウムマグネシウム(Al2(1−x)MgTi(1+x))である場合、前記xの値は0.01以上であり、好ましくは0.01以上0.7以下、より好ましくは0.02以上0.5以下である。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の様態のみに限定されるものではない。
なお、各実施例、比較例で得られるチタン酸アルミニウム系セラミックス中のチタン酸アルミニウム(マグネシウム)化率(以下「AT化率」という。)は、粉末X線回折スペクトルにおける2θ=27.4°の位置に現れるピーク〔チタニア・ルチル相(110)面に対応する〕の積分強度(IT)と、2θ=33.7°の位置に現れるピーク〔チタン酸アルミニウム相(230)面およびチタン酸アルミニウムマグネシウム相(230)面に相当する〕の積分強度〔IAT〕とから、式(1)から算出した。
AT化率(%)=100×IAT/(IAT +IT)・・・(1)
また、各実施例、比較例で得られたチタン酸アルミニウム系セラミックスの粉末は、走査型電子顕微鏡〔SEM〕によりその粒子形状を観察した。
〔比較例1〕
酸化チタン粉末〔デュポン(株)、「R−900」〕5.03kg、αアルミナ粉末〔住友化学(株)製、「AES−12」〕6.92kg、マグネシア粉末〔宇部興産(株)、「UC−95S」〕0.19kgおよび粉末状長石0.46kgと助剤としてプロピレングリコールを126gを、レーディゲミキサー(マツボー(株)〔FKM-50D〕)を用いて、ミキサー回転数230rpm、チョッパー回転数3000rpmにて60分間混合することで、比較例1の原材料混合物を得た。
得られた原材料混合物を成型することなく、粉末5gをアルミナ製ルツボに入れ、大気中、箱型電気炉により昇温速度300℃/時間で1450℃まで昇温し、同温度を4時間保持することにより焼成した。その後、室温まで放冷して、比較例1のセラミックス焼結体を得た。この焼成物を乳鉢にて解砕して比較例1のセラミックス粉末を得た。粉末X線回折法により、この粉末の回折スペクトルを得たところ、ルチル相が確認され、AT化率は100%ではなかった。
〔実施例1〕
比較例1で得られた原材料混合物を一軸成型機にて、100Kgf/cmの成型圧力にて実施例1の原材料成型体を得た。得られた原材料成型体をアルミナ製ルツボに入れ、大気中、箱型電気炉により昇温速度300℃/時間で1450℃まで昇温し、同温度を4時間保持することにより焼成した。その後、室温まで放冷して、実施例1のセラミックス焼結体を得た。この焼成物を乳鉢にて解砕して実施例1のセラミックス粉末を得た。粉末X線回折法により、この粉末の回折スペクトルを得たところ、AT化率は100%だった。
本発明の製造方法で得られるチタン酸アルミニウムまたはチタン酸アルミニウムマグネシウムなどのチタン酸アルミニウム系セラミックスは、産業上様々な用途に用いることができるが、特に粉末状とすることによって、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジンなどの内燃機関の排気ガス浄化に用いられるフィルターや触媒担体、ビールなどの食品の濾過用フィルター、石油精製時に生じるガス成分、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、酸素などを選択的に透過させるための選択透過フィルター等に用いられるセラミックスフィルターの応用において、処理を行う気体との接触面積を増大させることができ、産業上の利用価値が高い。

Claims (4)

  1. チタン源化合物の粉末およびアルミニウム源化合物の粉末を含む原材料混合物を成型して原材料成型体を得、得られた原材料成型体を焼成してセラミックス焼結体を得、得られたセラミックス焼結体を解砕することを特徴とするチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末の製造方法。
  2. 前記原材料混合物が、さらにマグネシウム源化合物の粉末を含む請求項1記載のチタン酸アルミニウム系セラミックス粉末の製造方法。
  3. 原材料混合物が、さらにシリカ源化合物の粉末を含む請求項1または2記載の製造方法。
  4. 前記原材料混合物への成型圧力が10Kgf/cm以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれかの項記載の製造方法。

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