図1は、封筒用ラベル貼着機10の一例を示す。この封筒用ラベル貼着機10は、扁平で、ほぼ台形状をなす箱体からなる筐体(本体)12を有し、図2に示すように筐体12の頂面側と斜面側(図1では左側が斜面となされている)が共に開口され、これら開口を閉塞するように第1の開閉カバー20が開閉自在に設けられる。
第1の開閉カバー20は、図2のように筐体12内に設けられた、あて名ラベル用のリール80を装填したり、リール80を交換するときに使用される。そのため、第1の開閉カバー20を開放すると、筐体12の頂面側全体が開口された状態となる。この例では、図1にも示すように第1の開閉カバー20は斜面板22の端部側に設けられた支点pを中心として開閉自在に構成される。第1の開閉カバー20は右側面板12b側に設けられたロック解除レバー91を操作することで、全開させることができる。
第1の開閉カバー20の頂板21は、図1に示すように封筒16に対する、あて名ラベル貼着用の搬送路40としても機能する。封筒16は周知のようにフラップ部16aを有し、封筒16の裏面17b側に折り返された状態で封緘される。その封緘は、封緘用シールを用いたり、糊しろが用いられる。封筒16のおもて面17aがあて名ラベルの貼着面(ラベル貼着面)となる。
封筒16のサイズや、様式は問わない。この例では、長3形の封筒に適用した場合を示す。
搬送路40を開閉できるように、第1の開閉カバー20のうち頂板21に面する部位に第2の開閉カバー30が開閉自在に設けられる(図3参照)。したがって第1の開閉カバー20を開けると、この第1の開閉カバー20と一体となって第2の開閉カバー30も移動する(図2参照)。
図1に示すように、第2の開閉カバー30は、搬送路40を覆うようにほぼコ字状の板体で構成され、この例では頂板21の右端側(封筒進入側)に近い左右の折り曲げ片21b,21cに回動支点qが設けられている。その結果、第2の開閉カバー30を開けると図3のように搬送路40の内部が開放される。
このようにあて名ラベルが貼着された台紙(何れも後述する)を装填したり、交換したりするときは第1の開閉カバー20を使用し、搬送路40内を点検したり、清掃したりするようなときは第2の開閉カバー30を使用すればよく、それぞれ目的に叶った開閉動作を実現できる。
図3に示すように、搬送路40の途上であって、頂板21の上面中央部には、この例では3個のガイドローラ41〜43が所定の間隔を隔てて配置される。これらガイドローラ41〜43は搬送路40に進入した封筒16をガイドする。
これらガイドローラ41〜43のうち封筒進入側に位置する一対のガイドローラ41,42は、封筒16を安定して走行させるために設けられている。封筒16の通過を正しく検知するためである。したがって、封筒排出側に位置するガイドローラ43は省略することもできる。
頂板21の上面を一部覆うようにガイド板44が取り付けられる。このガイド板44は平板であって、封筒進入側は封筒の進入を阻害しないように上方に折り曲げられている。そして、先端(封筒退出側)に行くにしたがって頂板21の板面との対峙間隔が狭くなるように頂板21の両折り曲げ片21b、21cを利用してガイド板44が取り付けられる。
ガイド板44のうち、ガイドローラ41〜43と対峙する中央部にはこれらローラ41〜43を回避するため、ほぼ同じ幅を有した帯状をなす切り欠き部44aが設けられている。
搬送路40の退出側に近い頂板21には矩形状の窓孔21aが穿設され、この窓孔21aにはその下方から(筐体12の内部側から)、剥離されたあて名ラベル(後述する)が送り出されるようになっている。したがって、この窓孔21aの形成位置が、あて名ラベルの貼着位置x(図4参照)となり、この貼着位置xで搬送路40に送り込まれた封筒16のラベル貼着面17aに、あて名ラベルが自動的に貼着される。
上述したガイド板44の先端部はこの窓孔21aの大半が塞がるようにその長さと幅がそれぞれ選定される。
あて名ラベルが貼着された封筒16は、図3に示すように排出手段52側に送り出される。排出手段52は、回転駆動手段が連結された排出ローラ52aと、その従動ローラ52bとで構成される。封筒16は排出ローラ52aと従動ローラ52bによって挟持されながら(押圧されながら)排出されるので、あて名ラベルはラベル貼着面17a側にしっかりと貼着された状態で排出される。
そしてこの封筒16は、斜面板22を滑り落ちながら排出トレイ(図示はしない)側に排出される。排出ローラ52aに対する従動ローラ52bの対接間隔は封筒16の厚みに応じて変化するように設計されている。
図2に示すように、筐体12の一側面板側、図では右側面板12b側には上述した回転駆動手段などの駆動機構を収納した収納部14が設けられ、左側面板12c側にはあて名ラベルが貼着された台紙(後述する)の巻き取り用紙管89に対する着脱機構(ロック機構)などを収納した収納部13が設けられている。
第1の開閉カバー20を構成する頂板21の下面(裏面)側には図2に示すように、あて名ラベルの貼着機構部(ラベル供給手段)の一部が配され、筐体12の内部に配された残りの貼着機構部との協同によって、封筒16に対するあて名ラベルの貼着処理が行われる。図4を参照して説明する。
図4は図2の縦断面図である。搬送路40側から説明する。搬送路40を構成する頂板21側には、この頂板21の板面より僅かに浮いた状態となるように、上述した3個のガイドローラ41〜43が配される。これらガイドローラ41〜43は、何れも短軸構成で、したがって進入した封筒16の一部の面(裏面17b)のみが転接する。ガイドローラ41の右側の位置は封筒16の進入側となる。
一対のガイドローラ41,42に近接した頂板21の下面側には、それぞれ封筒16の検知センサ155A,155Bが配設される。検知センサ155A,155Bは何れも反射式のセンサが使用され、一対の検知センサ155A,155Bを通過する時間を検出することで封筒16の通過速度vが算出される。
反射式センサであるため、センサ上面を通過する封筒16が浮き上がったりすることなく安定に検知できるように、この例では一対のガイドローラ41,42の退出側にそれぞれ検知センサ155A,155Bが近接配置されている。進入側に配置しても特に問題はない。
ガイドローラ43よりも封筒退出側寄りの搬送路40の位置が、ラベル貼着位置xとなされ、このラベル貼着位置xに窓孔21aが位置する。そしてこの窓孔21aの排出側寄りに排出手段52が配置される。
排出手段52は、上述したように排出ローラ52aと、これに転接する従動ローラ52bとで構成され、排出ローラ52aは一対の側板24,24(図2)間に回動自在に軸支される。一方、従動ローラ52bは頂板21の折り曲げ片21b,21cの間に回動自在に軸支されると共に、バネ53によってその転接力が付与される。このバネ53の作用で排出しようとする封筒16の厚みを吸収するようにしている。
頂板21の上面側に配されたガイド板44は、封筒進入側から窓孔21aをほぼ塞ぐ位置までの長さに選定されると共に、その先端は頂板21の板面よりも僅かに離れる程度にその配設位置が選定される。
これらの構成によって、封筒16がその走行中に頂板21の板面から浮き上がるのを防止しながら、封筒16がその先端(フラップ部16a)側から安定して板面内(搬送路内)を走行できるようになっている。
続いて、あて名ラベルの供給手段70について説明する。まず、図6を参照してあて名ラベルについて説明する。図6のように、あて名ラベル82には既に他の印字装置(ラベルプリンタ)を用いてあて名が印字されており、印字されたあて名ラベル82が一定の間隔で台紙81の長手方向に沿って所定枚数だけ貼着されたもので、実際には図4に示すようにリール80に巻回された状態で使用される。この種印字装置としては、実公平6−42858号公報などが知られている。
リール80に台紙81を巻き付けるとき、あて名ラベル82が内側となるように巻き付けられる。あて名ラベル82の台紙81側の面には粘着剤が塗布されている。
図4に示すように、筐体12の左側には供給リール軸71が位置し、窓孔21a内を臨む位置であって、頂板21の下面に近い位置に剥離ローラ74が回動自在に配置される。供給リール軸71および剥離ローラ74は、何れも図2に示す筐体12の側面板12b、12cを利用して両側面板12b、12c間に軸支される。
剥離ローラ74と供給リール軸71との間には、台紙81が架張された状態で走行するように、台紙81に対して走行方向とは反対側に負荷(バックテンション)を与えると共に、台紙81の剥離ローラ74に対する進入方向を決める負荷ローラ73aが配される。
実際には、この負荷ローラ73aと、これに転接する従動ローラ73bとの協同によって負荷の付与(バックテンションの付与)と、台紙進入方向の規制が行われる。
負荷ローラ73aは一対の側面板12b、12c間に差し渡って軸支されるのに対して、従動ローラ73bは第1の開閉カバー20側に設けられた一対の側板24,24間に差し渡された状態で軸支される(図2)。従動ローラ73b側にはバネ85が取り付けられ、このバネ85の付勢力によって負荷ローラ73aへの転接力を得ている。したがって、この付勢力に応じて台紙81も付与された負荷を調整できる。バネ85はほぼL字状をなす板体84に取り付けられている。
また、従動ローラ73bの負荷ローラ73aへの転接位置によって従動ローラ73bから送り出される台紙81の方向が決まるので、従動ローラ73bの転接位置を調整することで、剥離ローラ74に対する台紙81の進入方向を規制することができる。
比較的小径となされた剥離ローラ74の退出側には巻き取りリール軸77が配され、この巻き取りリール軸77と剥離ローラ74との間の走行路内に駆動ローラ75aが配される。駆動ローラ75aを介して台紙81に所定の走行力を付与するため、駆動ローラ75aには従動ローラ75bが転接する。
駆動ローラ75aは一対の側面板12b、12cに差し渡って軸支されているのに対し、巻き取りリール軸77は、そのハブのみが左右の側面板12b、12c側にそれぞれ取り付けられている(図15参照)。詳細は後述する。
従動ローラ75bは一対の側板24,24を利用して軸支されている(図2)。従動ローラ75bにも所定の転接力を駆動ローラ75a側に付与するためのバネ86が、頂板21の下面側に設けられた取り付け板87に取り付けられている。巻き取りリール軸77には台紙巻き取り用としてこの例では紙管89(図15参照)が装着される。
取り付け板87は断面コ字状の板体である。その左側面87a側とL字状の板体84との間で、しかも窓孔21a内に臨む空間z下であって、剥離ローラ74に近接した位置には、起立手段として、この例では平板状の起立板100が使用され、この起立板100が頂板21と板体84との間に固定される。そして、この起立板100と左側面87aとの間の空間zが、台紙81より剥離されたあて名ラベル82の進入路として確保される。起立板100の代わりに所定径のガイド棒などを用いてもよい。
左側面87aの所定位置には反射型のラベルセンサ102が配され、このラベルセンサ102と対峙する起立板100には小さな空孔100aが穿設されている。ラベルセンサ102はあて名ラベル82の進入を検知するセンサである。
台紙81は負荷ローラ73aを介してラベル剥離手段として機能する剥離ローラ74側に進入し、台紙81が剥離ローラ74に巻き付くことで台紙81からあて名ラベル82が剥離される。
剥離されたあて名ラベル82は台紙81から離れ、起立板100の壁面を伝わって空間z内に至る。空間z内に到達したあて名ラベル82はやがて空孔100aを塞ぐ位置まで送り出されると、あて名ラベル82の進入がラベルセンサ012によって検知される。
ここで、図7Aに示すように剥離ローラ74によって剥離されたあて名ラベル82は、封筒16のラベル貼着面17a側に到達すると、あて名ラベル82に塗布された粘着剤によってラベル貼着面17aにその先端部が張り付く。張り付いた後も、あて名ラベル82はラベル貼着面17a側に矢印bのように送り出されると同時に、封筒16も矢印a方向に送り出されているから、あて名ラベル82はその粘着剤が塗布された全面が完全にラベル貼着面17aに張り付く(図7B)。これであて名ラベル82が自動的に貼着されたことになる。
このようにあて名ラベル82が完全にラベル貼着面17aに貼着されるようにするため、剥離ローラ74と起立板100の位置関係と、剥離ローラ74に対する台紙81の進入方向が考慮される。
あて名ラベル82は台紙81の内側に位置するようにリール80に巻かれているから、内側(印字面側)に反った状態となっている場合が多い。そのため、図8に示すように剥離されたあて名ラベル82が鉛直方向(封筒16のラベル貼着面17aと直交する方向)か、これよりも若干外側(起立板100寄り)に向かって剥がす。加えて、剥離後のあて名ラベル82が直ぐに起立板100の板面を伝わって封筒16側に送り出されるようにする。
そうすれば、剥離されたあて名ラベル82に多少の反りがあったとしても、起立板100に沿って上昇してラベル貼着面17aにその先端が確実に当接するようになり、貼着の失敗を回避できるからである。
このように、剥離手段としてローラ(剥離ローラ74)が使用されているため、台紙81との摩擦を軽減でき、台紙巻き取りに要する駆動力を軽減できる。あて名ラベル82の剥離方向は、封筒16のラベル貼着面17aに対して直交する方向か、これより封筒送り出し方向に傾けてある。傾ける場合でもその角度θは10〜15°程度になっている。
この送り出し方向と相俟って剥離ローラ74は封筒16のラベル貼着面17aに対して近接した位置に配置されているため、剥離されたあて名ラベル82の先端側を確実にラベル貼着面17aに送り出し、このラベル貼着面17aにあて名ラベル82に塗布された粘着剤面を当てることができるので、貼着ミスをほぼ確実に回避できる。
図4の例は、剥離ローラ74を起立板100に近接した位置に配置すると共に、あて名ラベル82の剥離方向が鉛直方向よりも若干封筒16の送り出し側(θ≠0)に傾けた場合を示す。
続いて、封筒16の送り出し速度v1と、台紙81の送り出し速度v2との関係について図9を参照して説明する。
封筒16の送り出し速度v1と、台紙81の送り出し速度v2とが同じ速度であるように、ほぼ同期が取れている場合は特に問題ない。しかし、例えば封筒16の送り出し速度v1が台紙81の送り出し速度v2よりも多少速いときには、図9のようにあて名ラベル82が台紙81より完全に剥離されるスピードより、あて名ラベル82が封筒16側に送り出される方が速くなるため、台紙81が浮き上がってしまう場合がある。
台紙81が浮き上がり、浮き上がった状態を保っているような場合には、ラベルセンサ102によってあて名ラベル82を正しくセンスできなくなるおそれがある。浮き上がった台紙81をラベルセンサ102が検知してしまうので、台紙81をあて名ラベル82と誤認するおそれがあるからである。
この台紙浮き上がりを防止するため、負荷ローラ73aに転接する従動ローラ73bの転接力を大きくすることで、負荷ローラ73a側の台紙81に加える負荷(バックテンション)を大きくする。
こうすれば、封筒16側から台紙81を引っ張る力よりも、負荷側の方が大きくなるため、封筒16側の送り出し速度v1が速い場合でも、台紙81が弛んで剥離ローラ74から浮いてしまうようなことがない。つまり台紙81の浮き上がりを防止できる。負荷ローラ73aに与えるバネ85と、トルクリミッタ73dを設けた従動ローラ73bにより封筒16へのトルクは一定に保たれている。
あるいは、台紙81の送り出し速度を封筒16の送り出し速度v1に近づくように調整する。例えば、後述するステッピングモータ64の駆動開始タイミングを僅かに早くすれば、その目的を達成できる。
台紙81に加わる負荷(バックテンション)を調整する代わりに、台紙81の浮き上がりを検出し、台紙81が浮き上がったときは、浮き上がった分(ほぼ一定)に相当する分だけ負荷ローラ73aに新たにモータを設けて、その設けたモータを逆転駆動することでもよい。
台紙81があて名ラベル82の剥離と共に浮き上がると、即座にラベルセンサ102の光路が遮断されるため、あて名ラベル82を検出したのと同じ結果となる。あて名ラベル82が剥離してから台紙81が浮き上がるまでの検出時間は、あて名ラベル82がなくなって次のあて名ラベル82が正常に検出されるまでの時間よりも遙かに短い。この検出時間の長短を判断することで台紙81の浮き上がりを検知できる。
ラベル供給手段70として上述したようにラベル剥離手段として比較的小径の剥離ローラ74を使用することで、あて名ラベル82の面を傷めることなく、台紙81から簡単にあて名ラベル82を剥離することができる。しかも、ローラ式の剥離手段であるため、台紙81の巻き取り時に要する力も少なくて済む。
さらには、剥離ローラ74に進入する台紙81の進入方向が、封筒16のラベル貼着面17aに直交するか、あるいは封筒16の送り出し側に若干傾くように、負荷ローラ73aの転接位置を規制したため、剥離したあて名ラベル82をその粘着剤面を他部に触れさせることなく、封筒16直下まで送り出すことができる。
あて名ラベル82に多少の反りがあっても、あるいは腰の弱いラベルであっても、殆ど問題なくラベル貼着面17aまであて名ラベル82を他の部材に接触することなく送り出すことができる。これによって、あて名ラベル82の貼着ミスを大幅に改善できる。
図5はラベル供給手段70等に対する駆動源を示す。
排出手段52側には排出モータ62が設けられ、その回転軸に取り付けられたギア62aが中間ギア62bを介して排出ローラ52aに伝達される。排出モータ62としてはDCモータが使用されている場合を示す。
一方、ラベル供給手段70においては、駆動手段64としてステッピングモータが使用される。このステッピングモータ64の回転軸に取り付けられたギア64aが中間ギア65aを介して駆動ローラ75aに設けられた伝達ギア65bに伝達される。
駆動ローラ75aには伝達ギア65cが取り付けられ、この伝達ギア65cの回転力が中間ギア65dを介して巻き取りリール軸77に設けられた伝達ギア65eに伝達される。
このように1つのステッピングモータ64を利用してその間欠的な回転力が駆動ローラ75aと巻き取りリール軸77の双方に伝わるので、駆動ローラ75aの台紙81の送り出しと、巻き取りリール軸77での台紙巻き取りが同期して行なわれることになる。
上述のように第1の開閉カバー20を構成する頂板21の上下面側を利用して、封筒16を搬送するためのラベル貼着部を含めた搬送機構が配置されており、そして筐体12の内部には、供給リール軸71、負荷ローラ73a、剥離ローラ74,駆動ローラ75aおよび巻き取りリール軸77が配置された構成となされ、また一方で、第1の開閉カバー20側にはその下面側に、負荷ローラ73aに対する従動ローラ73b,駆動ローラ75aに対する従動ローラ75bが配置された構成となされている。
これらの構成によって、第1の開閉カバー20を開放すれば、従動ローラ73bなどに邪魔されることなく、あて名ラベル82に対するリール80の装填作業、台紙81を紙管89まで巻回する作業およびリール80の交換作業をスムーズに行うことができる。
図2および図3に示すように第2の開閉カバー30にはスイッチ作用片31が設けられ、この作用片31の先端部が収納部13のスリット13aを通過して、図10に示す収納部13内に取り付けられたカバー検知スイッチ110と対峙するように構成されている。
第2の開閉カバー30が閉じた状態にあるときは、カバー検知スイッチ110に作用片31が当接しており、これを開けると図11のように非当接状態となるから、このカバー検知スイッチ110によって第2の開閉カバー30の開閉状態を検知できる。
さらに、第1の開閉カバー20を開くと、第2の開閉カバー30も同時に移動するので、カバー検知スイッチ110を第1の開閉カバー20に対する開閉検知手段としても兼用できる。
続いて、図12以下を参照して第1の開閉カバー20に対するロック機構90について説明する。
図2に示すように一方の側面板12b側であって、封筒進入側には上方に突出したロック解除レバー91が位置する。図12に示すようにロック解除レバー91は操作し易いようにL字状に折り曲げられており、このロック解除レバー91に連なるロック板92は支点92aを中心に回動できるように側面板12bに取り付けられている。ロック板92は常時反時計方向に付勢されるようにバネ93が支点92aに介在される。
ロック板92の一側端面この例では、左側端面側の所定位置にはコ字状の係合溝94が形成され、この係合溝94に係合する位置に係合ピン95が植立されている。
一方、第1の開閉カバー20の支点p側には第1の開閉カバー20を反時計方向に付勢するためのバネ23が支点pとの間に介在されている。
図13のようにロック解除レバー91を時計方向に押し込むと、ロック板92の係合ピン95に対する係合が解除され、第1の開閉カバー20は反時計方向に開き(図14参照)、筐体12の頂面側を全て開放することができる。
図15以下を参照して、台紙81を巻き取る紙管89の着脱について説明する。筐体12の左右側面板12b、12c間に紙管89が装着される。そのため、一方の側面板12b側には巻き取りリール軸77として機能する第1のハブ77aが筐体12内に所定長だけ突出するように取り付け固定される。
これに対しこのハブ77aと対峙する他方の側面板12c側には進退自在に第2のハブ77bが取り付けられる。第2のハブ77bの進退は収納部13の側面に設けられた窓孔13b内に配された操作レバー121によって行われる。
ほぼU字状をなすこの操作レバー121は支点121aを中心にして回動自在に取り付けられ、操作レバー121の作用片127によって第2のハブ77bに対する軸方向への進退操作がなされる。
第2のハブ77bは通常の使用状態では紙管89と連結させておくため、図17にも示すように、第2のハブ77bの周面と、収納部13側に固定された固定ピン128との間にはバネ125が介挿されている。
一方、第2のハブ77bの基部側には係止ピン126が固定され、この係止ピン126に作用片127が当接するようにそれぞれの取り付け位置関係が定められている。
図15は一対のハブ77a、77bからなる巻き取りリール軸77に紙管89が装着された状態を示す。紙管89の両端内面側を一対のハブ77a、77bに装着することで、紙管89が係合固定される。
この状態のとき、操作レバー121を矢印s方向に押すと、係止ピン126を左方向に押圧するので、その力でバネ125が縮む。バネ125の縮みと同時に第2のハブ77bが図16図示のように左方向に移動する。この移動によって紙管89の右端部側は第1のハブ77aとの係合が解除される。その結果、紙管89を実線図示のように第1、第2のハブ77a、77bから外すことができる。紙管89の交換は第1の開閉カバー20を開けた状態で行われることは言うまでもない。
図18は、封筒用ラベル貼着機10の制御系の一例を示すブロック図である。この封筒用ラベル貼着機10には装置全体の制御を司る制御部(CPUで構成される)130を有する。
制御部130には、上述した各種センサの出力が供給される。封筒16の進入を検知する第1および第2の検知センサ155A,155Bからの検知出力と、排出用の検知センサ57(図3参照)からの検知出力がそれぞれ供給され、さらにはラベルセンサ102からは、あて名ラベル82の到達状態を示す検出出力が供給される。
またカバー検知スイッチ110からの検知出力も供給される。それらの検知出力に基づいて制御部130からは対応する排出モータ62などに駆動信号が供給される。
制御部130では、第1および第2の検知センサ155A,155Bから得られる検知出力から封筒16の通過速度(センサ内通過時間)が算出される。
さらに制御部130にはステッピングモータ64が接続されており、その駆動開始タイミングが上述した通過時間の長短に応じて調整される。つまり、厚みのある封筒16の場合には、通常の厚みの封筒16のときよりも通過時間が長くなる傾向にある。そのような場合には、ステッピングモータ64の駆動開始タイミングを遅らせることで、貼着位置xにおける封筒16の到達時間と、あて名ラベル82の到達時間を合わせることができる。
ステッピングモータ64に対する駆動開始タイミングを微調整するための調整ボリューム132が設けられ、ボリューム132に関連した制御出力が制御部130に供給される。この調整ボリューム132は図2に示すようにこの例では収納部13の側面側に取り付けられた摘み133の回動量に基づいて制御される。封筒16の厚みに応じてステッピングモータ64の駆動開始タイミングを微調整することで、封筒16の厚みに拘わらずあて名ラベル82の貼着位置をほぼ一定にすることができる。
制御部130には、電源スイッチSW(図3参照)からの信号が供給される他、LEDなどの表示素子135(図3)がそれぞれ接続される。第1または第2の開閉カバー20,30の開閉状態がこの表示素子135で表示されると共に、台紙81の交換などを知らせるための表示用として使用される。第1または第2の開閉カバー20または30が開いているときは、表示素子135を点灯して開閉状態を表示する。また、貼着すべきあて名ラベル82が空となったようなときで、台紙交換を促すときに表示素子135が点灯する。
続いて、上述した封筒用ラベル貼着機10におけるラベル貼着動作を図19および図20を参照して説明する。
図19は、台紙81の装填からラベル貼着処理までを示すタイミングチャートである。台紙81を筐体12内に装填し、第1の開閉カバー20を閉じてから、電源スイッチSWをオンすると(時点t1)、所定の時間ta経過後の時点t2にステッピングモータ64が駆動される(図19A,B)。
ステッピングモータ64が駆動されると、駆動ローラ75aと巻き取りリール軸77の双方が同期して回転駆動されるため、台紙81の送り出しが行われる。その結果、台紙81に貼着されたあて名ラベル82が剥離ローラ74まで送り出されるから、この剥離ローラ74によってあて名ラベル82が台紙81より剥離される。
剥離されたあて名ラベル82は、起立板100の板面に沿いながら空間z内に送り出される。そして、あて名ラベル82が空孔100aを通過し、空孔100aを塞ぐと(時点t3)、ラベルセンサ102がこの閉塞状態を検知し、ステッピングモータ64の駆動が停止する(図19B,C)。したがってステッピングモータ64はあて名ラベル82を検出するまでの期間tsだけ駆動されることになる。この状態が待機状態である。
この待機状態のときに自動封緘機が動作し、封緘された封筒16が排出されると、排出された封筒16が搬送路40まで到達する。封筒16はある程度のスピードで搬送路40側に排出されるので、そのときのスピードをほぼ保ちながら封筒16が手前のガイドローラ41を通過する。
ガイドローラ41を封筒16が通過すると、そのとき第1の検知センサ155Aによってその通過が検知される(図19D、時点t4)。封筒16は若干そのスピードを落としながらも後方のガイドローラ42を通過し、その通過が第2の検知センサ155Bによって検知される(図19E、時点t5)。
一対の封筒検知センサ155A,155Bの検知出力から通過時間tb(=t5−t4)から封筒16の通過速度vが算出される。この通過速度vからステッピングモータ64の駆動開始タイミングが算出される。
ここで、封筒16の厚みが普通の場合に比べ、厚みが厚い封筒16であるときは到達時間差tbが大きくなる。厚い分だけ搬送路40内のスピードが低下し、封筒16のラベル貼着面17aが貼着位置xに到達する時間がそれだけ遅れるからである。そのため、到達時間差tbが大きく、したがって封筒16の通過速度vが遅いときは、その分普通の厚みの封筒16の場合よりもステッピングモータ64の駆動開始タイミングを若干(Δt)だけ遅くする。
図19は、厚みの薄い通常の封筒16の場合のタイミングチャートであって、この例では、第2の検知センサ155Bで封筒16を検知した時点t5からステッピングモータ64の駆動が開始される場合を示す(図19B)。
図示はしないが、厚みが厚いときは、時点t5よりも多少遅れた時点でステッピングモータ64の駆動が開始されるように制御される。
なお、駆動開始タイミングの調整は、通過速度v(通過時間tb)に(1:1)に比例させることもできるが、基準の通過速度voを定め、基準の通過速度voよりも遅いときは一律に駆動開始タイミングを時点t4よりΔtだけ遅くするような簡易制御であってもよい。
このようにステッピングモータ64の駆動開始タイミングを封筒16の厚みに応じて制御することで、封筒16の厚みに拘わらず、ほぼ定められたラベル貼着面17aの範囲内であて名ラベル82を貼着できる。
第1の検知センサ155Aによって封筒16が検知されると、この例では排出モータ62の駆動が開始され、封筒16を排出できる待機状態となる(図19F、時点t4)。
送り出し開始時点t4より所定の時間が経過すると、封筒16が貼着位置xまで到達する(時点t6)。この到達時間になるとあて名ラベル82も貼着位置xまで送り出されているように、ステッピングモータ64によるあて名ラベル82の送り出し量が設定される。
この例では、図19Bに示すように、第2の検知センサ155Bが封筒16を検知した時点t5に、ステッピングモータ64を駆動することで、あて名ラベル82が貼着位置xに到達するようになされている。
これらのタイミング関係は、封筒16の搬送路40内の走行速度や、ステッピングモータ64の速度などを総合的に勘案して設定される。最終的には、摘み133によってステッピングモータ64の駆動開始タイミングが微調整される。
貼着位置xまで封筒16が送り出されるタイミングになると、封筒16自身に付与されたスピードで排出ローラ52a側に進入する。つまり、自動封緘機から排出されたときにこの封筒16自身に与えられた力(スピード)で、排出ローラ52a側まで辿り着く。
封筒16が排出ローラ52a側まで到達すると、排出ローラ52aによって送り出される。貼着位置xまで封筒16が送り出されると(時点t6)、あて名ラベル82の先端がラベル貼着面17aに張り付く(図7A参照)。
封筒16の送り出しと同時に、あて名ラベル82をさらに送り出すと、あて名ラベル82の先端部から徐徐に貼着され始め、やがてはラベル貼着面17aにあて名ラベル82の全面が貼着される。したがってあて名ラベル82の貼着が終了した時点t7までの期間tcが貼着時間となる(図7B参照)。
あて名ラベル82の貼着が完了する時点t7になると、あて名ラベル82の後端部が空孔100aから完全に外れるので、この時点t7になるとラベルセンサ102の検知出力はゼロとなる。そのため、次のあて名ラベル82が送り出されて検出されるまでステッピングモータ64はさらにその駆動が継続され、あて名ラベル82が検出された時点t9で停止する(図19B,C)。
封筒16の排出完了は、排出手段52に関連して設けられた排出用の検知センサ57(図3参照)によって検知され、その検知出力(図19G)が得られると排出モータ62の駆動が停止する。その結果、この検知時点t10からは次の封筒16に対する貼着処理の待機状態となる。
図20はリール交換時におけるタイミングチャート例を示す。
最後のあて名ラベル82が使用されると、これ以上台紙81を巻き取ってもあて名ラベル82を検知することはできない。そのため、あて名ラベル82を検知できなくなってから所定時間txが経過すると、表示素子135が点灯し、リール交換を促す(図20B,C、時点t1,t2)。
第1の開閉カバー20を開くと、カバー検知スイッチ110がこれを検知して検知出力が反転(オフ)するので、この検知出力がオフの間は駆動系の全てが駆動禁止状態に制御され、そして表示素子135が点灯する。
リール80の交換が済み、第1の開閉カバー20が閉じられたことがカバー検知スイッチ110によって検知されると(時点t4)、表示素子135は消灯状態に制御されると共に、ステッピングモータ64の駆動が始まる(図20D,C,A)。
ステッピングモータ64を駆動して台紙81の送り出しを行い、剥離ローラ74によってあて名ラベル82を剥離すると共に、剥離したあて名ラベル82が空孔100aまで到達すると、このあて名ラベル82をラベルセンサ102が検知するので、この検知時点t5になると、あて名ラベル82の貼着待機状態となる。以後は図19の説明と同じであるので、割愛する。
このように封緘後の封筒16のラベル貼着面17aに、あて名を印字したあて名ラベル82を自動的に貼着して排出することができるので、大量にラベル貼りを行うような場合、ラベル貼着のための作業時間を短縮して、作業性を大幅に改善することができるから、同一内容の封筒16のラベル貼りに適用して好適である。
上述した実施例1では、検知センサ155A,155Bとして反射型のセンサを利用したが、機械式の検知スイッチを使用することもできる。この場合には、一対のガイドローラ41,42の直下に配置されて、封筒16の通過が検知されることになる。
上述の例では、封筒16のサイズとして長方形のものを例示したが、搬送路40の幅を可変できるようにすれば、サイズの異なる封筒でも取り扱うことができる。この場合搬送路40のセンタを中心にして封筒16の幅を調整できるスライド140(図15,16参照)を頂板21に関連して設ければ、封筒16の送り出し方向のセンタ出しを簡単に行うことができる。