JP2010013073A - ハイブリッド車両の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 停車時にはDレンジのままでオイルポンプを駆動可能であり、また回生エネルギを増大できるハイブリッド車両の駆動装置を提供すること。
【解決手段】 エンジン2と、走行用モータ6と、トランスミッション4と、前記エンジン2及び走行用モータ6からの動力を前記トランスミッション4に伝達するトルクコンバータ3と、該トルクコンバータ3と前記走行用モータ6との間に配設された遊星ギヤ機構5とを備えたハイブリッド車両の駆動装置1であって、前記走行用モータ6のロータ6aは、前記遊星ギヤ機構5を介してエンジン2側に接続され、該ロータ6aにはオイルポンプ10が接続されており、前記遊星ギヤ機構5のリングギヤ5bを回転フリーとし、又は固定するブレーキ機構8と、該リングギヤ5bをエンジン2側に接続可能とするクラッチ機構9とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジン及び走行用モータを備えたハイブリッド車両の駆動装置に関する。
エンジン及び走行用モータを備えたハイブリッド車両では、該走行用モータにより、エンジン始動,走行のアシスト,減速時の回生が可能である。この種の駆動装置として、例えば特許文献1に記載されたものがある。この従来装置では、遊星ギヤ機構のサンギヤをトランスミッションへの入力軸に固定し、プラネタリギヤを固定するとともに、リングギヤに走行用モータのロータを接続している。またこのロータにオイルポンプを接続している。即ち、この従来装置では、走行用モータを遊星ギヤ機構を介してトランスミッション側に取り付けている。
特許第3570553号公報
前記従来装置では、オイルポンプを駆動するには、プラネタリギヤは固定なので、ミッション入力軸を回転させる必要があり、従って停車時のオイルポンプの駆動はNレンジのみ可能であり、Dレンジでは駆動できないといった問題がある。
また回生時に変速不可のため大きな回生エネルギが得られないといった問題もある。
本発明は、前記従来の状況に鑑みてなされたもので、停車時にはDレンジのままでオイルポンプを駆動可能であり、また回生エネルギを増大できるハイブリッド車両の駆動装置を提供することを課題としている。
請求項1の発明は、エンジンと、走行用モータと、トランスミッションと、前記エンジン及び走行用モータからの動力を前記トランスミッションに伝達するトルクコンバータと、該トルクコンバータと前記走行用モータとの間に配設された遊星ギヤ機構とを備えたハイブリッド車両の駆動装置であって、前記走行用モータのロータは、前記遊星ギヤ機構を介してエンジン側に接続され、該ロータにはオイルポンプが接続されており、前記遊星ギヤ機構のリングギヤを回転フリーとし、又は固定するブレーキ機構と、該リングギヤをエンジン側に接続可能とするクラッチ機構とを備えたことを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
請求項1の発明に係るハイブリッド車両の駆動装置によれば、前記走行用モータのロータを前記遊星ギヤ機構を介してエンジン側に接続するとともに、該ロータにオイルポンプを接続したので、アイドルストップ時には、前記ブレーキ機構及びクチッチ機構によりリングギヤを回転フリーとすることで、アイドルストップ時にNレンジ,Dレンジの何れにおいてもオイルポンプを駆動できる。
また、ブレーキ機構をオンすることにより、減速時には駆動輪からの回転を遊星ギヤ機構により増速させて走行用モータに伝達できるので、回生エネルギを増大できる。また、エンジン始動(走行用モータによる低速走行時)には、走行用モータ回転が減速されるので少ない走行用モータ出力でエンジン始動することができる。
遊星ギヤ機構のリングギヤを固定するブレーキ機構とトルコンケースに接続可能とするクラッチ機構とを備えたので、これらのブレーキ機構又はクラッチ機構の一方が固着故障(オフ不能)したり、開放故障(オン不能)となった場合でも、他方を開放したり結合することにより、一定の回避走行は可能である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図2は、本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の駆動装置を説明するための図である。
図において、1はハイブリッド自動車の駆動装置である。この駆動装置1は、エンジン2と、該エンジン2の出力軸2aがトルコンケース(トルクコンバータの外殻)3aに接続されたトルクコンバータ3と、該トルクコンバータ3のタービンシャフト3bが接続されたトランスミッション4と、前記トルクコンバータ3のトルコンシャフト3cの周囲に同軸配置された遊星ギヤ機構5と、該遊星ギヤ機構5の周囲に同軸配置された走行用モータ6とを備えている。
前記トルクコンバータ3は、前記トルコンケース3aに固定されたインペラ3dと前記タービン軸3bに固定されたタービンブレード3eとの間で作動油を介して動力の授受を行うように構成されている。また前記トルクコンバータ3は、前記トルコンケース3aとタービン軸3bを直結することにより、作動油を介することなく前記動力の授受を直接行うロックアップ機構7を備えている。
前記遊星ギヤ機構5は、前記トルクコンバータ3のトルコンシャフト3cに軸支されたサンギヤ5aと、回転フリーに配置されたリングギヤ5bと、該リングギヤ5bとサンギヤ5aとの間に配置された複数のプラネタリギヤ5cとを有する。このプラネタリギヤ5cを支持するキャリア5dは前記トルコンシャフト3cに接続されている。
また前記リングギヤ5bは、ブレーキ機構8及びクラッチ機構9を備えている。ブレーキ機構8は、オン時にリングギヤ5bを、静止している部材である装置固定部、具体的にはトランスミッションケース(トルクコンバータハウジングとも称する)4aに固定する。また前記クラッチ機構9は、オン時にリングギヤ5bを前記キャリア5d、ひいてはトルコンシャフト3cに固定する。
前記走行用モータ6は、前記リングギヤ5bの外周部に配置されたロータ6aと、該ロータ6aの外周部に配置され、前記トランスミッションケース4aに固定されたステータ6bとを有する。前記ロータ6aは、連結部材6cを介して前記サンギヤ5aに接続されている。即ち、前記ロータ6aは遊星機構5,トルコンシャフト3c,トルコンケース3aを介してエンジン2に接続されている。
さらにまた本実施形態装置1は、機械式のオイルポンプ10を備えている。このオイルポンプ10は、ワンウェイクラッチ11を介して前記トルコンシャフト3cに接続されている。このワンウェイクラッチ11は、トルコンシャフト3cからオイルポンプ10への動力は伝達し、逆方向の動力は遮断する。またこのオイルポンプ10は、前記連結部材6cを介して前記サンギヤ5a及び前記ロータ6aにも接続されている。
本実施形態装置1では、動力は、前記ブレーキ機構8,クラッチ機構9のオン・オフ制御により以下の経路で伝達される。
[停車(エンジン停止,アイドルストップ)時]
ブレーキ機構8,クラッチ機構9は共にオフされ、走行用モータ6の回転が連結部材6cからサンギヤ5aに伝達され、これによりNレンジ,Dレンジの何れにおいてもオイルポンプ10が駆動される。なお、このときトルコンシャフト3cは回転せず、リングギヤ5は反力で逆方向に回転する。
[モータ発進及びエンジン始動時]
ブレーキ機構8をオンし,クラッチ機構9をオフすると、走行用モータ6の回転が遊星ギヤ機構5からトルコンシャフト3c,トルコンケース3a,タービンシャフト3b,トランスミッション4の経路で伝達される。このとき、走行用モータ6の回転は遊星ギヤ機構5の変速比で減速されて、従ってそれだけトルクが大きくなってトルコンケース3aからエンジン2に伝達され、エンジン2が始動される。又はモータ発進(モータアシスト)しながらエンジン2が始動する。
[走行時(モータアシスト時)]
ブレーキ機構8はオフされ,クラッチ機構9はオンされ、リングギヤ5がエンジン側に接続される。これによりエンジン2と走行用モータ6が1:1で同期回転し、エンジン回転がトルクコンバータ3を介してトランスミッション4に伝達されるとともに、走行用モータ6の回転が遊星ギヤ機構5からトルコンケース3a,タービンシャフト3b,トランスミッション4の経路で伝達される。
[減速時(回生時)]
ブレーキ機構8はオンされ、クラッチ機構9はオフされる。これによりリングギヤ5bが固定され、この状態で、駆動輪の回転がトランスミッション4からタービンシャフト3b,トルコンケース3aに伝達され、遊星ギヤ機構5の変速比で増速されて走行用モータ6に伝達される。
このように本実施形態では、エンジン停止時(アイドルストップ時)には、走行用モータ6の回転により連結部材6cを介してオイルポンプ10が駆動されるので、Dレンジのままオイルオイルポンプ10を回転させることができる。
モータ発進時には、走行用モータ6の回転が遊星ギヤ機構5からトルコンシャフト3c,トルコンケース3a,タービンシャフト3b,トランスミッション4の経路で伝達されるので、スムーズな発進が可能となる。またこれと同時に、走行用モータ6の回転が遊星ギヤ機構5の変速比で減速されて、従ってそれだけトルクが大きくなってトルコンシャフト3cに伝達されるので、小さいモータトルクでエンジン2を始動できる。
走行時(モータアシスト時)には、エンジン2と走行用モータ6が1:1で同期回転するので、効率の良い運転が可能となる。
減速時(回生時)には、駆動輪の回転がトランスミッション4からタービンシャフト3b,トルコンケース3aに伝達され、遊星ギヤ機構5の変速比で増速されて走行用モータ6に伝達されるので、大きな回生エネルギを得ることができる。
また、前記オイルポンプ10は、走行用モータ6とエンジン2の回転が同じときは、両方で駆動され、走行用モータ6の回転がエンジン回転より高いときモータで駆動される。なおこの場合は、ワンウェイクラッチ11があるので、オイルポンプ10の回転がトルコンシャフト3c側に伝わることはない。またエンジン2の回転が走行用モータ6の回転より高い場合は、オイルポンプ10はトルコンシャフト3cにより駆動される。
本実施形態では、ブレーキ機構8又はクラッチ機構9が固着故障や開放故障となっても一定の回避走行は可能である。
例えばクラッチ機構9が固着故障(常時オン・オフ不能)となった場合は、ブレーキ機構8をオフすることにより、エンジン2と走行用モータ6が一定回転で動作するので、エンジン始動,及び回避走行が可能である。
またクラッチ機構9が開放故障(常時オフ・オン不能)となった場合は、ブレーキ機構8をオンすることにより、始動及び走行が可能となる。なお、この場合、変速比分のモータ速度制限はあるが、回避走行は可能である。
一方、ブレーキ機構8が固着故障(常時オン・オフ不能)した場合、クラッチ機構9をオフすることにより始動及び走行が可能となる。この場合、変速比分のモータ速度制限はあるが回避走行は可能である。
またブレーキ機構8が開放故障(常時オフ・オン不能)となった場合は、クラッチ機構をオンすることによりエンジンとモータが一定回転で動作するので、エンジン始動,回避走行が可能である。
また、本実施形態自動車では、通常はエンジン側に接続されているエアコンコンプレッサやオルタネータを走行用モータ側に接続してもよい。このようにすることで、走行用モータの回転制御により、エンジンが低回転であってもエアコンコンプレッサやオルタネータの回転を高くでき、エンジンが高回転であってもこれらの回転を抑えることができる。さらに、アイドルストップ中でもこれらを駆動することができる。
なお、前記実施形態では、ハイブリッド自動車用の駆動装置を説明したが、本発明は、自動車用に限定されないのは勿論であり、エンジンと走行用モータを備えた駆動装置であれば、他の車両にも適用できる。
本発明の一実施形態によるハイブリッド自動車の駆動装置の模式構成事である。 前記駆動装置における動作を説明するための図である。
符号の説明
1 駆動装置
2 エンジン
3 トルクコンバータ
4 トランスミッション
5 遊星ギヤ機構
5b リングギヤ
6 走行用モータ
6a ロータ
8 ブレーキ機構
9 クラッチ機構
10 オイルポンプ

Claims (1)

  1. エンジンと、走行用モータと、トランスミッションと、前記エンジン及び走行用モータからの動力を前記トランスミッションに伝達するトルクコンバータと、該トルクコンバータと前記走行用モータとの間に配設された遊星ギヤ機構と
    を備えたハイブリッド車両の駆動装置であって、
    前記走行用モータのロータは前記遊星ギヤ機構を介してエンジン側に接続され、該ロータにはオイルポンプが接続されており、
    前記遊星ギヤ機構のリングギヤを回転フリーとし、又は固定するブレーキ機構と、該リングギヤをエンジン側に接続可能とするクラッチ機構と
    を備えたことを特徴とするハイブリッド車両の駆動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015008396A1 (ja) * 2013-07-17 2015-01-22 トヨタ自動車株式会社 ハイブリッド車両の制御装置
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