上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による懸架装置の制御システムは、車輪と車体フレームとが相対的に移動するときの伸長方向および圧縮方向の少なくとも一方に減衰力を発生させる減衰機構と、減衰機構における減衰力を決定するためのデータを検出する検出部とを含む懸架装置と、少なくとも減衰機構の減衰力特性と検出部の検出特性とに基づいて、減衰力を制御する制御部とを備える。
この第1の局面による懸架装置の制御システムでは、上記のように、制御部を、少なくとも減衰機構の減衰力特性と検出部の検出特性とに基づいて、減衰力を制御するように構成することによって、制御部により、減衰機構の減衰力特性のみならず検出部の検出特性をも考慮して減衰力が制御されるので、減衰機構の減衰力特性のみを考慮して減衰力を制御する場合と比べて、懸架装置ごとに減衰力のばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、この発明の第2の局面による車両は、車輪と、車体フレームと、車輪と車体フレームとが相対的に移動するときの伸長方向および圧縮方向の少なくとも一方に減衰力を発生させる減衰機構と、減衰機構における減衰力を決定するためのデータを検出する検出部とを含む懸架装置と、少なくとも減衰機構の減衰力特性と検出部の検出特性とに基づいて、減衰力を制御する制御部とを備える。
この第2の局面による車両では、上記のように、制御部を、少なくとも減衰機構の減衰力特性と検出部の検出特性とに基づいて、減衰力を制御するように構成することによって、制御部により、減衰機構の減衰力特性のみならず検出部の検出特性も考慮して減衰力が制御されるので、減衰機構の減衰力特性のみを考慮して減衰力を制御する場合と比べて、車両ごとに減衰力のばらつきが生じるのを抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による自動二輪車の全体構造を示した側面図である。図2〜図4は、図1に示した第1実施形態による自動二輪車の構成を詳細に説明するための図である。なお、第1実施形態では、本発明の車両の一例として、自動二輪車について説明する。図中、矢印FWDは、自動二輪車の走行方向の前方を示している。以下、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態による自動二輪車1の構成について説明する。
本発明の第1実施形態による自動二輪車1では、図1に示すように、ヘッドパイプ2の後方には、メインフレーム3が配置されている。また、メインフレーム3には、シートレール4が接続されている。これらのヘッドパイプ2、メインフレーム3およびシートレール4によって、車体フレームが構成されている。なお、ヘッドパイプ2、メインフレーム3およびシートレール4は、本発明の「車体フレーム」の一例である。
また、ヘッドパイプ2には、ステアリングシャフト5が取り付けられている。このステアリングシャフト5の上部には、前輪6を操舵するためのハンドル7が取り付けられている。また、ハンドル7には、図2に示すように、ユーザの手が載置されるグリップ8が設けられており、グリップ8の近傍には、複数のスイッチ部9が設けられている。
また、スイッチ部9のグリップ8に最も近い部分には、ヘッドライト10(図1参照)が照射する方向を調整するためのビーム切替スイッチ9aが設けられている。また、ビーム切替スイッチ9aの下方には、左右(矢印X1方向および矢印X2方向)の各フラッシャー(方向指示ランプ)11(図1参照)を点滅させるための方向指示スイッチ9bが設けられている。また、方向指示スイッチ9bの下方には、図示しないホーン(警笛)を鳴らすためのホーンスイッチ9cが設けられている。また、ビーム切替スイッチ9aの右側(矢印X2方向側)には、後述する減衰力テーブル58(図6参照)の設定変更を行うためのUP/DOWNスイッチ9dが設けられている。このUP/DOWNスイッチ9dは、3つの減衰力テーブル58のうちいずれか1つの減衰力テーブル58を選択する際に操作可能に構成されている。
また、ヘッドパイプ2の前方には、図1に示すように、ヘッドパイプ2の前方を覆うフロントカウル12が設けられている。また、フロントカウル12の下方には、前輪6の上方に配置されるフロントフェンダ13が配置されている。また、前輪6は、一対のフロントフォーク14の下端部に回転可能に取り付けられている。なお、前輪6は、本発明の「車輪」の一例であり、フロントフォーク14は、本発明の「懸架装置」の一例である。このフロントフォーク14は、前輪6と車体フレームとが相対的に移動するときの伸縮する力を減衰させる機能を有する。
また、フロントフォーク14は、図3に示すように、走行方向に向かって前輪6の左側(図1参照)に配置される左側フロントフォーク15と、走行方向に向かって前輪6の右側(図1参照)に配置される右側フロントフォーク16とにより構成されている。この左側フロントフォーク15には、アウターチューブ17およびインナーチューブ18が軸方向に摺動して伸縮可能に設けられているとともに、右側フロントフォーク16には、アウターチューブ19およびインナーチューブ20が軸方向に摺動して伸縮可能に設けられている。つまり、フロントフォーク14は、テレスコピック型に構成されている。また、アウターチューブ17および19は、ステアリングシャフト5に固定されたアンダーブラケット21aおよびアッパーブラケット21bに固定されている。また、インナーチューブ18および20には、アクスルブラケット22および23がそれぞれ取り付けられているとともに、アクスルブラケット22および23には、前輪6の車軸6aが取り付けられている。
また、左側フロントフォーク15には、左側フロントフォーク15の伸縮量を検出するためのストロークセンサ24が設けられている。なお、ストロークセンサ24は、本発明の「検出部」の一例である。一方、右側フロントフォーク16には、右側フロントフォーク16の減衰力を制御可能に構成されている圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26が設けられている。これら圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26は、それぞれ、ソレノイドバルブにより構成されており、通電する電流量を制御することによって、弁を流れるオイルの圧力を制御可能なように構成されている。つまり、圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26は、電子的に制御可能に構成されている。なお、圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26は、本発明の「減衰機構」および「電子制御バルブ」の一例である。
また、ストロークセンサ24、圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26は、それぞれ、ECU(電子制御ユニット)27と接続されている。また、ストロークセンサ24は、左側フロントフォーク15の伸縮量(ストローク)のデータを検出し、検出した伸縮量のデータを変位信号としてECU27に送信可能に構成されている。なお、ECU27の詳細な構成については、後述する。
また、右側フロントフォーク16は、アウターチューブ19に固定されたロッド部28と、ロッド部28の端部に設けられているピストン部29とを含んでいる。そして、右側フロントフォーク16の内部は、ピストン部29により、圧縮側オイル室16aと、伸長側オイル室16bとに隔てられている。この圧縮側オイル室16aには、オイル通路部30のオイル通路30aが接続されている。オイル通路部30は、右側フロントフォーク16が圧縮された際に、圧縮側オイル室16aに充填されているオイルがオイル通路30aに流入され、圧縮側バルブ25、中間通路30b、30c、チェックバルブ31aおよびオイル通路30dを介して伸長側オイル室16bに流入可能に構成されている。また、伸長側オイル室16bには、オイル通路部30のオイル通路30dが接続されている。オイル通路部30は、右側フロントフォーク16が伸長された際に、伸長側オイル室16bに充填されているオイルがオイル通路30dに流入され、伸長側バルブ26、中間通路30e、30c、チェックバルブ31bおよびオイル通路30aを介して圧縮側オイル室16aに流入可能に構成されている。また、中間通路30b、30cおよび30eには、リザーバ32に接続されるオイル通路30fが設けられている。
また、オイル通路30aには、バイパス通路33aの一方側が接続されているとともに、中間通路30cには、バイパス通路33aの他方側が接続されている。また、中間通路30cには、バイパス通路33bの一方側が接続されているとともに、オイル通路30dには、バイパス通路33bの他方側が接続されている。このバイパス通路33aおよび33bは、ユーザにより外部から通路の径を変更することができるように構成されており、バイパス通路33aおよび33bの内部を流れるオイルの流量を変化させることが可能である。これにより、自動二輪車1のメンテナンス時などにおいて、バイパス通路33aおよび33bの通路の径を変更することにより、ユーザの好みの減衰力を得ることが可能となる。
また、圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26は、ECU27により、それぞれを通過するオイルの圧力を制御可能に構成されている。そして、圧縮側バルブ25は、通過するオイルの圧力を小さくするのに従って、右側フロントフォーク16が圧縮される際の減衰力が小さくされるように構成されているとともに、通過するオイルの圧力を大きくするのに従って、右側フロントフォーク16が圧縮される際の減衰力が大きくされるように構成されている。また、伸長側バルブ26は、通過するオイルの圧力を小さくするのに従って、右側フロントフォーク16が伸長される際の減衰力が小さくされるように構成されているとともに、通過するオイルの圧力を大きくするのに従って、右側フロントフォーク16が伸長される際の減衰力が大きくされるように構成されている。
また、メインフレーム3の上部には、図1に示すように、燃料タンク34が配置されている。また、燃料タンク34の後方には、シート35が配置されている。また、メインフレーム3の下方には、エンジン36が取り付けられている。また、エンジン36の前方には、エンジン36を冷却するためのラジエーター37が設けられている。また、メインフレーム3の後部には、図示しないピボット軸が設けられている。このピボット軸により、リヤアーム38の前端部が上下に揺動可能に支持されている。このリヤアーム38の後端部には、後輪39が回転可能に取り付けられている。なお、後輪39は、本発明の「車輪」の一例である。
また、メインフレーム3の後部の上側には、支持部3aが設けられている。この支持部3aには、リヤサスペンション40の上部取付部41が軸部材42により取り付けられている。なお、リヤサスペンション40は、本発明の「懸架装置」の一例である。また、リヤサスペンション40の下部取付部43は、メインフレーム3の後部の下側に設けられた支持部3bを中心として揺動可能に設けられた揺動部材44に取り付けられている。この揺動部材44の下部は、リヤアーム38の支持部38aに連結部材45によって連結されている。これにより、リヤアーム38が上下に揺動するに伴って、揺動部材44がメインフレーム3の支持部3bを中心として揺動するとともに、リヤサスペンション40を伸縮させることが可能となる。
また、リヤサスペンション40は、図4に示すように、一方端部に上部取付部41が設けられたシリンダ部46と、シリンダ部46の内周面を摺動可能に設けられたピストン部47と、一方端部がピストン部47に取り付けられているとともに、他方端部が下部取付部43に取り付けられているロッド部48とを含んでいる。また、リヤサスペンション40には、リヤサスペンション40の伸縮量を検出するためのストロークセンサ49が設けられているとともに、リヤサスペンション40の減衰力を制御可能に構成されている圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51が設けられている。これら圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51は、それぞれ、ソレノイドバルブにより構成されており、通電する電流量を制御することによって、弁を流れるオイルの圧力を制御可能なように構成されている。つまり、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51は、電子的に制御可能に構成されている。なお、ストロークセンサ49は、本発明の「検出部」の一例であり、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51は、本発明の「減衰機構」および「電子制御バルブ」の一例である。
また、ストロークセンサ49、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51は、それぞれ、図3に示すフロントフォーク14のストロークセンサ24、圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26と同様に、ECU27と接続されている。また、リヤサスペンション40のストロークセンサ49は、リヤサスペンション40の伸縮量(ストローク)のデータを検出し、検出した伸縮量のデータを変位信号としてECU27に送信可能に構成されている。
また、リヤサスペンション40の内部は、ピストン部47により、圧縮側オイル室40aと伸長側オイル室40bとに隔てられている。この圧縮側オイル室40aには、オイル通路部52のオイル通路52aが接続されている。オイル通路部52は、リヤサスペンション40が圧縮された際に、圧縮側オイル室40aに充填されているオイルがオイル通路52aに流入され、圧縮側バルブ50、中間通路52b、52c、チェックバルブ53aおよびオイル通路52dを介して伸長側オイル室40bに流入可能に構成されている。また、伸長側オイル室40bには、オイル通路部52のオイル通路52dが接続されている。オイル通路部52は、リヤサスペンション40が伸長された際に、伸長側オイル室40bに充填されているオイルがオイル通路52dに流入され、伸長側バルブ51、中間通路52e、52c、チェックバルブ53bおよびオイル通路52aを介して圧縮側オイル室40aに流入可能に構成されている。また、中間通路52b、52cおよび52eには、リザーバ54に接続されるオイル通路52fが設けられている。
また、オイル通路52aには、バイパス通路55aの一方側が接続されているとともに、中間通路52cには、バイパス通路55aの他方側が接続されている。また、中間通路52cには、バイパス通路55bの一方側が接続されているとともに、オイル通路52dには、バイパス通路55bの他方側が接続されている。このバイパス通路55aおよび55bは、ユーザにより外部から通路の幅を変更することができるように構成されており、バイパス通路55aおよび55bの内部を流れるオイルの流量を変化させることが可能である。これにより、自動二輪車1のメンテナンス時などにおいて、バイパス通路55aおよび55bの通路の幅を変更することにより、ユーザの好みの減衰力を得ることが可能となる。
また、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51は、ECU27により、それぞれを通過するオイルの圧力を制御可能に構成されている。そして、圧縮側バルブ50は、通過するオイルの圧力を小さくするのに従って、リヤサスペンション40が圧縮される際の減衰力が小さくされるように構成されているとともに、通過するオイルの圧力を大きくするのに従って、リヤサスペンション40が圧縮される際の減衰力が大きくされるように構成されている。また、伸長側バルブ51は、通過するオイルの圧力を小さくするのに従って、リヤサスペンション40が伸長される際の減衰力が小さくされるように構成されているとともに、通過するオイルの圧力を大きくするのに従って、リヤサスペンション40が伸長される際の減衰力が大きくされるように構成されている。
図5は、本発明の第1実施形態による自動二輪車のECUの構成を示すブロック図である。図6〜図14は、図1に示した第1実施形態による自動二輪車のECUの構成および自動二輪車のばらつきを説明するための図である。次に、図1、図5〜図14を参照して、本発明の第1実施形態による自動二輪車1のECU27の構成および自動二輪車1のばらつきについて説明する。
ECU27は、図5に示すように、自動二輪車1(図1参照)の各部を電気的に制御する制御部27aと、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40のそれぞれの減衰力を決定するためのデータが記憶されている記憶部27bとを含んでいる。また、ECU27には、スイッチ56が接続されており、ECU27は、スイッチ56をオンすることにより起動されるように構成されている。
また、制御部27aは、設定モードと、動作モードとに切り替わるように構成されている。設定モードは、後述するフロント補正係数60およびリヤ補正係数61を決定するモードである。また、動作モードは、自動二輪車1(図1参照)を走行させる際に選択されるモードである。制御部27aは、設定モードおよび動作モードのいずれかのモードで、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40における減衰力に関する制御を行うように構成されている。また、制御部27aには、制御部27aでの処理を行う演算処理部27cが設けられている。また、記憶部27bには、補正係数記憶部27dと、回路特性記憶部27eと、補正係数テーブル記憶部27fと、走行モード記憶部27gとが含まれている。なお、設定モードにおける制御部27aの処理動作は後述する。
補正係数記憶部27dは、フロントフォーク14の減衰力を制御するための後述するフロント補正係数60を記憶するように構成されているとともに、リヤサスペンション40の減衰力を制御するための後述するリヤ補正係数61を記憶するように構成されている。
また、回路特性記憶部27eは、フロントフォーク14の減衰力に関する、後述する微分回路分類R2(図10参照)、伸長側出力回路分類R4(図11参照)および圧縮側出力回路分類R6(図12参照)を記憶するように構成されている。さらに、回路特性記憶部27eは、リヤサスペンション40の減衰力に関する、後述する微分回路分類R8(図10参照)、伸長側出力回路分類R10(図11参照)および圧縮側出力回路分類R12(図12参照)を記憶するように構成されている。なお、回路特性記憶部27eは、本発明の「記憶部」の一例である。これらの分類は、図示しない測定器などを用いることにより、組み立てられた複数のECU27の制御部27aごとに有する回路特性を測定することにより行われる。なお、これらの分類の詳細については、後述する。
また、補正係数テーブル記憶部27fは、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御するための後述するフロント補正係数60およびリヤ補正係数61を決定する補正係数テーブル57を記憶するように構成されている。なお、補正係数テーブル記憶部27fは、本発明の「記憶部」の一例である。また、走行モード記憶部27gは、図6に示す3つの減衰力テーブル58と、減衰力−電流マップ59とを記憶するように構成されている。
また、3つの減衰力テーブル58は、伸縮速度に対する減衰力を求めることができるように構成されている。また、3つの減衰力テーブル58は、それぞれ、同じ伸縮速度に対してフロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力の値が異なる値となるように構成されている。
また、減衰力−電流マップ59は、選択された減衰力テーブル58において求められた減衰力に対応する電流を決定するように構成されている。具体的には、減衰力−電流マップ59の図6における破線部は、一定電流における伸縮速度に対応する減衰力を示しており、一番下の破線部は、1A(アンペア)の電流における伸縮速度に対応する減衰力を示している。同様に、下から二番目の破線部は、2Aの電流における伸縮速度に対応する減衰力を示しているとともに、下から三番目の破線部は、3Aの電流における伸縮速度に対応する減衰力を示している。そして、一番上の破線部は、4Aの電流における伸縮速度に対応する減衰力を示している。たとえば、図6の二重破線の減衰力テーブル58を選択した状態で、制御部27a(図5参照)において求められた伸縮速度が0.5m/sである場合には、制御部27aは、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40(図5参照)において1000Nの減衰力を発生させるように減衰力を決定する。そして、伸縮速度が0.5m/sの場合に1000Nの減衰力を得るために、制御部27aは、0.5m/sと1000Nとの交点の位置の値の電流を、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40に出力する。この場合、電流は、約3.2Aになる。
また、図5に示すように、補正係数テーブル57は、速度補正係数テーブル57a、伸長側補正係数テーブル57bおよび圧縮側補正係数テーブル57cからなる。また、フロント補正係数60は、速度補正係数60a、伸長側補正係数60bおよび圧縮側補正係数60cからなる。また、リヤ補正係数61は、速度補正係数61a、伸長側補正係数61bおよび圧縮側補正係数61cからなる。これら補正係数テーブル57、フロント補正係数60およびリヤ補正係数61の詳細については後述する。
また、動作モードは、フロントフォーク動作モードと、リヤサスペンション動作モードとからなる。また、フロントフォーク動作モードにおいて、制御部27aは、左側フロントフォーク15のストロークセンサ24から出力される変位信号を演算および補正することにより、フロントフォーク14における減衰力を算出するように構成されている。そして、制御部27aは、算出された減衰力に対応する伸長側制御電流または圧縮側制御電流を、伸長側バルブ26または圧縮側バルブ25に印加するように構成されている。なお、変位信号は、本発明の「データ」および「速度算出データ」の一例である。また、制御部27aには、微分回路27h、伸長側出力回路27iおよび圧縮側出力回路27jが設けられている。制御部27aは、フロントフォーク動作モードにおいて、微分回路27h、伸長側出力回路27iおよび圧縮側出力回路27jを用いて処理を行うように構成されている。なお、フロントフォーク動作モードにおける、制御部27aの処理の詳細については後述する。
また、微分回路27hは、左側フロントフォーク15のストロークセンサ24から出力された変位信号から求めた伸縮位置を時間で微分することにより、フロントフォーク14の伸縮速度を求め、伸縮速度信号として出力する機能を有する。なお、微分回路27hは、本発明の「速度変換回路」の一例である。
また、伸長側出力回路27iは、伸長側バルブ26における減衰力に対応する伸長側制御電流を伸長側バルブ26へ印加する機能を有する。また、圧縮側出力回路27jは、圧縮側バルブ25における減衰力に対応する圧縮側制御電流を圧縮側バルブ25へ印加する機能を有する。なお、伸長側出力回路27iは、本発明の「出力回路」および「第1出力回路」の一例である。また、圧縮側出力回路27jは、本発明の「出力回路」および「第2出力回路」の一例である。
ここで、第1実施形態では、フロントフォーク14は、左側フロントフォーク15のストロークセンサ24とECU27の微分回路27hとの製造時のばらつきによって、実際の伸縮速度が設計上の伸縮速度と異なる場合がある。この場合、図7に示すように、製品によっては許容される許容範囲から外れているものも存在する。その際、許容範囲から外れているものは、フロントフォーク14において減衰力の制御が正しくなされないことになり、問題となる。このため、図10に示すように、ストロークセンサ24の検出特性および微分回路27hの速度変換回路特性を、許容範囲内か否かで分類分けをするとともに、ストロークセンサ24の検出特性と微分回路27hの速度変換回路特性との分類結果を活用してフロントフォーク14における減衰力の制御を行うための速度補正係数60aを決定するようにした。なお、速度補正係数60aは、本発明の「補正係数」および「第1補正係数」の一例である。
具体的には、ストロークセンサ24の検出特性を、ストロークセンサ24から出力される変位信号の値によって、As、BsおよびCsのいずれか1つに分類する(センサ分類R1)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、ストロークセンサ24の検出特性を測定した結果、変位信号の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、変位信号の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、ストロークセンサ24の検出特性をAsに分類する。また、変位信号の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、変位信号の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、ストロークセンサ24の検出特性をBsに分類する。また、変位信号の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、変位信号の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、ストロークセンサ24の検出特性をCsに分類する。なお、センサ分類R1は、本発明の「検出部の分類」の一例である。
また、微分回路27hの速度変換回路特性を、微分回路27hから出力される伸縮速度信号の値によって、Ad、BdおよびCdのいずれか1つに分類する(微分回路分類R2)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、微分回路27hの速度変換回路特性を測定した結果、伸縮速度信号の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、伸縮速度信号の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、微分回路27hの速度変換回路特性をAdに分類する。また、伸縮速度信号の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、伸縮速度信号の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、微分回路27hの速度変換回路特性をBdに分類する。また、伸縮速度信号の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、伸縮速度信号の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、微分回路27hの速度変換回路特性をCdに分類する。なお、微分回路分類R2は、本発明の「速度変換回路の分類」の一例である。
そして、ストロークセンサ24のセンサ分類R1および微分回路27hの微分回路分類R2が、それぞれ補正係数テーブル記憶部27f(図5参照)に記憶されている速度補正係数テーブル57aに適用されることにより、速度補正係数60aが決定される。たとえば、ストロークセンサ24のセンサ分類R1がAsで、かつ、微分回路27hの微分回路分類R2がCdである場合には、速度補正係数テーブル57aより、速度補正係数60aは、0.96になる。なお、速度補正係数テーブル57aは、本発明の「補正係数テーブル」および「第1補正係数テーブル」の一例である。
また、第1実施形態では、図5に示すように、フロントフォーク14は、右側フロントフォーク16の伸長側バルブ26とECU27の伸長側出力回路27iとの製造時のばらつきによって、実際の減衰力が設計上の減衰力と異なる場合がある。この場合、図8に示すように、製品によっては許容される許容範囲から外れているものも存在する。その際、許容範囲から外れているものは、フロントフォーク14において減衰力の制御が正しくなされないことになり、問題となる。このため、図11に示すように、伸長側バルブ26の減衰力特性および伸長側出力回路27iの出力回路特性を、許容範囲内か否かで分類分けをするとともに、伸長側バルブ26の減衰力特性と伸長側出力回路27iの出力回路特性との分類結果を活用してフロントフォーク14における減衰力の制御を行うための伸長側補正係数60bを決定するようにした。なお、伸長側補正係数60bは、本発明の「補正係数」および「第2補正係数」の一例である。
具体的には、伸長側バルブ26の減衰力特性を、伸長側バルブ26において発生する減衰力の値によって、Av1、Bv1およびCv1のいずれか1つに分類する(伸長側バルブ分類R3)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、伸長側バルブ26の減衰力特性を測定した結果、減衰力の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、伸長側バルブ26の減衰力特性をAv1に分類する。また、減衰力の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、伸長側バルブ26の減衰力特性をBv1に分類する。また、減衰力の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、伸長側バルブ26の減衰力特性をCv1に分類する。なお、伸長側バルブ分類R3は、本発明の「減衰機構の分類」の一例である。
また、伸長側出力回路27iの出力回路特性を、伸長側出力回路27iから出力される伸長側制御電流の値によって、Ai1、Bi1およびCi1のいずれか1つに分類する(伸長側出力回路分類R4)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、伸長側出力回路27iの出力回路特性を測定した結果、伸長側制御電流の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、伸長側制御電流の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、伸長側出力回路27iの出力回路特性をAi1に分類する。また、伸長側制御電流の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、伸長側制御電流の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、伸長側出力回路27iの出力回路特性をBi1に分類する。また、伸長側制御電流の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、伸長側制御電流の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、伸長側出力回路27iの出力回路特性をCi1に分類する。なお、伸長側出力回路分類R4は、本発明の「出力回路の分類」の一例である。
そして、伸長側バルブ26の伸長側バルブ分類R3および伸長側出力回路27iの伸長側出力回路分類R4が、それぞれ補正係数テーブル記憶部27f(図5参照)に記憶されている伸長側補正係数テーブル57bに適用されることにより、伸長側補正係数60bが決定される。たとえば、伸長側バルブ26の伸長側バルブ分類R3がBv1で、かつ、伸長側出力回路27iの伸長側出力回路分類R4がCi1である場合には、伸長側補正係数テーブル57bより、伸長側補正係数60bは、0.8になる。なお、伸長側補正係数テーブル57bは、本発明の「補正係数テーブル」および「第2補正係数テーブル」の一例である。
また、第1実施形態では、図5に示すように、フロントフォーク14は、右側フロントフォーク16の圧縮側バルブ25とECU27の圧縮側出力回路27jとの製造時のばらつきによって、実際の減衰力が設計上の減衰力と異なる場合がある。この場合、図8に示すように、製品によっては許容される許容範囲から外れているものも存在する。その際、許容範囲から外れているものは、フロントフォーク14において減衰力の制御が正しくなされないことになり、問題となる。このため、図12に示すように、圧縮側バルブ25の減衰力特性および圧縮側出力回路27jの出力回路特性を、許容範囲内か否かで分類分けをするとともに、圧縮側バルブ25の減衰力特性と圧縮側出力回路27jの出力回路特性との分類結果を活用してフロントフォーク14における減衰力の制御を行うための圧縮側補正係数60cを決定するようにした。なお、圧縮側補正係数60cは、本発明の「補正係数」および「第3補正係数」の一例である。
具体的には、圧縮側バルブ25の減衰力特性を、圧縮側バルブ25において発生する減衰力の値によって、Av2、Bv2およびCv2のいずれか1つに分類する(圧縮側バルブ分類R5)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、圧縮側バルブ25の減衰力特性を測定した結果、減衰力の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、圧縮側バルブ25の減衰力特性をAv2に分類する。また、減衰力の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、圧縮側バルブ25の減衰力特性をBv2に分類する。また、減衰力の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、圧縮側バルブ25の減衰力特性をCv2に分類する。なお、圧縮側バルブ分類R5は、本発明の「減衰機構の分類」の一例である。
また、圧縮側出力回路27jの出力回路特性を、圧縮側出力回路27jから出力される圧縮側制御電流の値によって、Ai2、Bi2およびCi2のいずれか1つに分類する(圧縮側出力回路分類R6)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、圧縮側出力回路27jの出力回路特性を測定した結果、圧縮側制御電流の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、圧縮側制御電流の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、圧縮側出力回路27jの出力回路特性をAi2に分類する。また、圧縮側制御電流の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、圧縮側制御電流の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、圧縮側出力回路27jの出力回路特性をBi2に分類する。また、圧縮側制御電流の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、圧縮側制御電流の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、圧縮側出力回路27jの出力回路特性をCi2に分類する。なお、圧縮側出力回路分類R6は、本発明の「出力回路の分類」の一例である。
そして、圧縮側バルブ25の圧縮側バルブ分類R5および圧縮側出力回路27jの圧縮側出力回路分類R6が、それぞれ補正係数テーブル記憶部27f(図5参照)に記憶されている圧縮側補正係数テーブル57cに適用されることにより、圧縮側補正係数60cが決定される。たとえば、圧縮側バルブ25の圧縮側バルブ分類R5がAv2で、かつ、圧縮側出力回路27jの圧縮側出力回路分類R6がAi2である場合には、圧縮側補正係数テーブル57cより、圧縮側補正係数60cは、1.44になる。なお、圧縮側補正係数テーブル57cは、本発明の「補正係数テーブル」および「第3補正係数テーブル」の一例であり、圧縮側補正係数60cは、本発明の「補正係数」および「第3補正係数」の一例である。
また、図13に示すように、上記のように分類されたセンサ分類R1、伸長側バルブ分類R3および圧縮側バルブ分類R5は、フロントフォーク14の表面に視認可能なように貼り付けられている。また、フロントフォーク14に貼り付けられたセンサ分類R1、伸長側バルブ分類R3および圧縮側バルブ分類R5は、図示しないバーコードリーダによって読み取り可能なようにバーコード化されて表示されている。
また、図5に示すように、リヤサスペンション動作モードにおいて、制御部27aは、リヤサスペンション40のストロークセンサ49から出力される変位信号を演算および補正することにより、リヤサスペンション40における減衰力を算出するように構成されている。そして、制御部27aは、算出された減衰力に対応する伸長側制御電流または圧縮側制御電流を、伸長側バルブ51または圧縮側バルブ50に印加するように構成されている。また、制御部27aには、微分回路27k、伸長側出力回路27lおよび圧縮側出力回路27mが設けられている。制御部27aは、リヤサスペンション動作モードにおいて、微分回路27k、伸長側出力回路27lおよび圧縮側出力回路27mを用いて処理を行うように構成されている。
また、微分回路27kは、リヤサスペンション40のストロークセンサ49から出力された変位信号から求めた伸縮位置を時間で微分することにより、リヤサスペンション40の伸縮速度を求め、伸縮速度信号として出力する機能を有する。なお、微分回路27kは、本発明の「速度変換回路」の一例である。
また、伸長側出力回路27lは、伸長側バルブ51における減衰力対応する伸長側制御電流を伸長側バルブ51へ印加する機能を有する。また、圧縮側出力回路27mは、圧縮側バルブ50における減衰力に対応する圧縮側制御電流を圧縮側バルブ50へ印加する機能を有する。なお、伸長側出力回路27lは、本発明の「出力回路」および「第1出力回路」の一例である。また、圧縮側出力回路27mは、本発明の「出力回路」および「第2出力回路」の一例である。
ここで、第1実施形態では、リヤサスペンション40は、リヤサスペンション40のストロークセンサ49とECU27の微分回路27kとの製造時のばらつきによって、実際の伸縮速度が設計上の伸縮速度と異なる場合がある。この場合、図7に示すように、製品によっては許容される許容範囲から外れているものも存在する。その際、許容範囲から外れているものは、リヤサスペンション40において減衰力の制御が正しくなされないことになり、問題となる。このため、図10に示すように、ストロークセンサ49の検出特性および微分回路27kの速度変換回路特性を、許容範囲内か否かで分類分けをするとともに、ストロークセンサ49の検出特性と微分回路27kの速度変換回路特性との分類結果を活用してリヤサスペンション40における減衰力の制御を行うための速度補正係数61aを決定するようにした。なお、速度補正係数61aは、本発明の「補正係数」および「第1補正係数」の一例である。
具体的には、ストロークセンサ49の検出特性を、ストロークセンサ49から出力される変位信号の値によって、As、BsおよびCsのいずれか1つに分類する(センサ分類R7)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、ストロークセンサ49の検出特性を測定した結果、変位信号の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、変位信号の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、ストロークセンサ49の検出特性をAsに分類する。また、変位信号の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、変位信号の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、ストロークセンサ49の検出特性をBsに分類する。また、変位信号の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、変位信号の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、ストロークセンサ49の検出特性をCsに分類する。なお、センサ分類R7は、本発明の「検出部の分類」の一例である。この際、ストロークセンサ49は、左側フロントフォーク15のストロークセンサ24と同じ分類方法で分類される。
また、微分回路27kの速度変換回路特性を、微分回路27kから出力される伸縮速度信号の値によって、Ad、BdおよびCdのいずれか1つに分類する(微分回路分類R8)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、微分回路27kの速度変換回路特性を測定した結果、伸縮速度信号の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、伸縮速度信号の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、微分回路27kの速度変換回路特性をAdに分類する。また、伸縮速度信号の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、伸縮速度信号の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、微分回路27kの速度変換回路特性をBdに分類する。また、伸縮速度信号の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、伸縮速度信号の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、微分回路27kの速度変換回路特性をCdに分類する。なお、微分回路分類R8は、本発明の「速度変換回路の分類」の一例である。この際、微分回路27kは、微分回路27hと同じ分類方法で分類される。
そして、ストロークセンサ49のセンサ分類R7および微分回路27kの微分回路分類R8が、それぞれ補正係数テーブル記憶部27f(図5参照)に記憶されている速度補正係数テーブル57aに適用されることにより、速度補正係数61aが決定される。この速度補正係数テーブル57aは、フロントフォーク14(図5参照)における速度補正係数60aを算出する際に用いる速度補正係数テーブル57aと同一である。たとえば、ストロークセンサ49のセンサ分類R7がCsで、かつ、微分回路27kの微分回路分類R8がBdである場合には、速度補正係数テーブル57aより、速度補正係数61aは、0.8になる。
また、第1実施形態では、図5に示すように、リヤサスペンション40は、リヤサスペンション40の伸長側バルブ51とECU27の伸長側出力回路27lとの製造時のばらつきによって、実際の減衰力が設計上の減衰力と異なる場合がある。この場合、図8に示すように、製品によっては許容される許容範囲から外れているものも存在する。その際、許容範囲から外れているものは、リヤサスペンション40において減衰力の制御が正しくなされないことになり、問題となる。このため、図11に示すように、伸長側バルブ51の減衰力特性および伸長側出力回路27lの出力回路特性を、許容範囲内か否かで分類分けをするとともに、伸長側バルブ51の減衰力特性と伸長側出力回路27lの出力回路特性との分類結果を活用してリヤサスペンション40における減衰力の制御を行うための伸長側補正係数61bを決定するようにした。なお、伸長側補正係数61bは、本発明の「補正係数」および「第2補正係数」の一例である。
具体的には、伸長側バルブ51の減衰力特性を、伸長側バルブ51において発生する減衰力の値によって、Av1、Bv1およびCv1のいずれか1つに分類する(伸長側バルブ分類R9)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、伸長側バルブ51の減衰力特性を測定した結果、減衰力の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、伸長側バルブ51の減衰力特性をAv1に分類する。また、減衰力の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、伸長側バルブ51の減衰力特性をBv1に分類する。また、減衰力の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、伸長側バルブ51の減衰力特性をCv1に分類する。なお、伸長側バルブ分類R9は、本発明の「減衰機構の分類」の一例である。この際、伸長側バルブ51は、右側フロントフォーク16の伸長側バルブ26と同じ分類方法で分類される。
また、伸長側出力回路27lの出力回路特性を、伸長側出力回路27lから出力される伸長側制御電流の値によって、Ai1、Bi1およびCi1のいずれか1つに分類する(伸長側出力回路分類R10)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、伸長側出力回路27lの出力回路特性を測定した結果、伸長側制御電流の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、伸長側制御電流の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、伸長側出力回路27lの出力回路特性をAi1に分類する。また、伸長側制御電流の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、伸長側制御電流の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、伸長側出力回路27lの出力回路特性をBi1に分類する。また、伸長側制御電流の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、伸長側制御電流の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、伸長側出力回路27lの出力回路特性をCi1に分類する。なお、伸長側出力回路分類R10は、本発明の「出力回路の分類」の一例である。この際、伸長側出力回路27lは、伸長側出力回路27iと同じ分類方法で分類される。
そして、伸長側バルブ51の伸長側バルブ分類R9および伸長側出力回路27lの伸長側出力回路分類R10が、それぞれ補正係数テーブル記憶部27f(図5参照)に記憶されている伸長側補正係数テーブル57bに適用されることにより、伸長側補正係数61bが決定される。この伸長側補正係数テーブル57bは、フロントフォーク14(図5参照)における伸長側補正係数60bを算出する際に用いる伸長側補正係数テーブル57bと同一である。たとえば、伸長側バルブ51の伸長側バルブ分類R9がCv1で、かつ、伸長側出力回路27lの伸長側出力回路分類R10がCi1である場合には、伸長側補正係数テーブル57bより、伸長側補正係数61bは、0.64になる。
また、第1実施形態では、図5に示すように、リヤサスペンション40は、リヤサスペンション40の圧縮側バルブ50とECU27の圧縮側出力回路27mとの製造時のばらつきによって、実際の減衰力が予定されている減衰力と異なる場合がある。この場合、図8に示すように、製品によっては許容される許容範囲から外れているものも存在する。その際、許容範囲から外れているものは、リヤサスペンション40において減衰力の制御が正しくなされないことになり、問題となる。このため、図12に示すように、圧縮側バルブ50の減衰力特性および圧縮側出力回路27mの出力回路特性を、許容範囲内か否かで分類分けをするとともに、圧縮側バルブ50の減衰力特性と圧縮側出力回路27mの出力回路特性との分類結果を活用してリヤサスペンション40における減衰力の制御を行うための圧縮側補正係数61cを決定するようにした。なお、圧縮側補正係数61cは、本発明の「補正係数」および「第3補正係数」の一例である。
具体的には、圧縮側バルブ50の減衰力特性を、圧縮側バルブ50において発生する減衰力の値によって、Av2、Bv2およびCv2のいずれか1つに分類する(圧縮側バルブ分類R11)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、圧縮側バルブ50の減衰力特性を測定した結果、減衰力の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、圧縮側バルブ50の減衰力特性をAv2に分類する。また、減衰力の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、圧縮側バルブ50の減衰力特性をBv2に分類する。また、減衰力の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、減衰力の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、圧縮側バルブ50の減衰力特性をCv2に分類する。なお、圧縮側バルブ分類R11は、本発明の「減衰機構の分類」の一例である。この際、圧縮側バルブ50は、右側フロントフォーク16の圧縮側バルブ25と同じ分類方法で分類される。
また、圧縮側出力回路27mの出力回路特性を、圧縮側出力回路27mから出力される圧縮側制御電流の値によって、Ai2、Bi2およびCi2のいずれか1つに分類する(圧縮側出力回路分類R12)ようにした。つまり、図示しない測定器などにより、圧縮側出力回路27mの出力回路特性を測定した結果、圧縮側制御電流の値が許容範囲(図9のBの範囲)よりも小さい値(図9のAの範囲の値)であった場合には、圧縮側制御電流の測定結果の値は設計上の値よりも小さすぎると判断し、測定結果よりも大きな値になるように補正するために、圧縮側出力回路27mの出力回路特性をAi2に分類する。また、圧縮側制御電流の値が許容範囲内の値(図9のBの範囲の値)であった場合には、圧縮側制御電流の測定結果の値は問題ないと判断し、測定結果通りになるようにするために、圧縮側出力回路27mの出力回路特性をBi2に分類する。また、圧縮側制御電流の値が許容範囲よりも大きい値(図9のCの範囲の値)であった場合には、圧縮側制御電流の測定結果の値が設計上の値よりも大きすぎると判断し、測定結果よりも小さな値になるように補正するために、圧縮側出力回路27mの出力回路特性をCi2に分類する。なお、圧縮側出力回路分類R12は、本発明の「出力回路の分類」の一例である。この際、圧縮側出力回路27mは、圧縮側出力回路27jと同じ分類方法で分類される。
そして、圧縮側バルブ50の圧縮側バルブ分類R11および圧縮側出力回路27mの圧縮側出力回路分類R12が、それぞれ補正係数テーブル記憶部27f(図5参照)に記憶されている圧縮側補正係数テーブル57cに適用されることにより、圧縮側補正係数61cが決定される。この圧縮側補正係数テーブル57cは、フロントフォーク14(図5参照)における圧縮側補正係数60cを算出する際に用いる圧縮側補正係数テーブル57cと同一である。たとえば、圧縮側バルブ50の圧縮側バルブ分類R11がBv2で、かつ、圧縮側出力回路27mの圧縮側出力回路分類R12がBi2である場合には、圧縮側補正係数テーブル57cより、圧縮側補正係数61cは、1になる。
また、図14に示すように、上記のように分類されたセンサ分類R7、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11は、リヤサスペンション40の表面に視認可能なように貼り付けられている。また、リヤサスペンション40に貼り付けられたセンサ分類R7、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11は、図示しないバーコードリーダによって読み取り可能なようにバーコード化されて表示されている。
図15〜図17は、本発明の第1実施形態による自動二輪車の製造工程を説明するためのブロック図である。次に、図1、図10〜図17を参照して、本発明の第1実施形態による自動二輪車1のECU27の設定が行われるまでの製造工程を説明する。
図15に示すように、フロントフォーク14の製造工程P10では、フロントフォーク組立工程P11の後に、図示しない測定器などを用いることによって、組み立てられた個々のフロントフォーク14の性能測定工程P12を行う。性能測定工程P12においては、フロントフォーク14をある一定速度で伸ばした際の減衰力を測定する伸び減衰測定工程P12aと、フロントフォーク14をある一定速度で圧縮した際の減衰力を測定する圧減衰測定工程P12bと、フロントフォーク14をある一定速度で動かした際に、ストロークセンサ24における出力がゼロになる際の電圧を測定するセンサ出力測定工程P12cとを行う。
そして、性能測定工程P12の後に、フロントフォーク分類工程P13を行う。具体的には、図11に示すように、伸長側バルブ分類工程P13aにおいて、伸び減衰測定工程P12aでの測定結果に基づいて、伸長側バルブ26の減衰力特性を、Av1、Bv1またはCv1(伸長側バルブ分類R3)に分類する。また、図12に示すように、圧縮側バルブ分類工程P13bにおいて、圧減衰測定工程P12bでの測定結果に基づいて、圧縮側バルブ25の減衰力特性を、Av2、Bv2またはCv2(圧縮側バルブ分類R5)に分類する。また、図10に示すように、センサ分類工程P13cにおいて、センサ出力測定工程P12cでの測定結果に基づいて、ストロークセンサ24の検出特性を、As、BsまたはCs(センサ分類R1)に分類する。
そして、フロントフォーク分類工程P13の後に、フロントフォーク分類工程P13における分類結果に基づいて、図13に示すように、分類結果貼付工程P14において、センサ分類R1、伸長側バルブ分類R3および圧縮側バルブ分類R5を、フロントフォーク14の表面に貼り付ける。なお、センサ分類R1、伸長側バルブ分類R3および圧縮側バルブ分類R5は、バーコード化された状態で表示される。
同様に、図15に示すように、リヤサスペンション40の製造工程P20では、リヤサスペンション組立工程P21の後に、図示しない測定器などを用いることによって、組み立てられた個々のリヤサスペンション40の性能測定工程P22を行う。性能測定工程P22においては、リヤサスペンション40をある一定速度で伸ばした際の減衰力を測定する伸び減衰測定工程P22aと、リヤサスペンション40をある一定速度で圧縮した際の減衰力を測定する圧減衰測定工程P22bと、リヤサスペンション40をある一定速度で動かした際に、ストロークセンサ49における出力がゼロになる際の電圧を測定するセンサ出力測定工程P22cとを行う。
そして、性能測定工程P22の後に、リヤサスペンション分類工程P23を行う。具体的には、図11に示すように、伸長側バルブ分類工程P23aにおいて、伸び減衰測定工程P22aでの測定結果に基づいて、伸長側バルブ51の減衰力特性を、Av1、Bv1またはCv1(伸長側バルブ分類R9)に分類する。また、図12に示すように、圧縮側バルブ分類工程P23bにおいて、圧減衰測定工程P22bでの測定結果に基づいて、圧縮側バルブ50の減衰力特性を、Av2、Bv2またはCv2(圧縮側バルブ分類R11)に分類する。また、図10に示すように、センサ分類工程P23cにおいて、センサ出力測定工程P22cでの測定結果に基づいて、ストロークセンサ49の検出特性を、As、BsまたはCs(センサ分類R7)に分類する。
そして、リヤサスペンション分類工程P23の後に、リヤサスペンション分類工程P23における分類結果に基づいて、図14に示すように、分類結果貼付工程P24において、センサ分類R7、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11を、リヤサスペンション40の表面に貼り付ける。なお、センサ分類R7、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11は、バーコード化された状態で表示される。
また、図16に示すように、ECU27の製造工程P30では、ECU組立工程P31の後に、図示しない測定器などを用いることによって、組み立てられた個々のECU27のフロント側性能測定工程P32およびリヤ側性能測定工程P33を行う。フロント側性能測定工程P32およびリヤ側性能測定工程P33においては、伸長側出力回路27iおよび27lに基準となる電流を入力して、出力される電流を測定する伸び電流測定工程P32aおよびP33aと、圧縮側出力回路27jおよび27mに基準となる電流を入力して、出力される電流を測定する圧電流測定工程P32bおよびP33bと、微分回路27hおよび27kに基準となる電流を入力して、出力される電流を測定する微分回路測定工程P32cおよびP33cとを行う。
そして、フロント側性能測定工程P32の後に、ECU分類工程P34を行う。具体的には、図11に示すように、伸長側出力回路分類工程P34aにおいて、伸び電流測定工程P32aでの測定結果に基づいて、伸長側出力回路27iの出力回路特性を、Ai1、Bi1またはCi1(伸長側出力回路分類R4)に分類する。また、図12に示すように、圧縮側出力回路分類工程P34bにおいて、圧電流測定工程P32bでの測定結果に基づいて、圧縮側出力回路27jの出力回路特性を、Ai2、Bi2またはCi2(圧縮側出力回路分類R6)に分類する。また、図10に示すように、微分回路分類工程P34cにおいて、微分回路測定工程P32cでの測定結果に基づいて、微分回路27hの速度変換回路特性を、Ad、BdまたはCd(微分回路分類R2)に分類する。
同様に、リヤ側性能測定工程P33の後に、ECU分類工程P34を行う。具体的には、図11に示すように、伸長側出力回路分類工程P34dにおいて、伸び電流測定工程P33aでの測定結果に基づいて、伸長側出力回路27lの出力回路特性を、Ai1、Bi1またはCi1(伸長側出力回路分類R10)に分類する。また、図12に示すように、圧縮側出力回路分類工程P34eにおいて、圧電流測定工程P33bでの測定結果に基づいて、圧縮側出力回路27mの出力回路特性を、Ai2、Bi2またはCi2(圧縮側出力回路分類R12)に分類する。また、図10に示すように、微分回路分類工程P34fにおいて、微分回路測定工程P33cでの測定結果に基づいて、微分回路27kの速度変換回路特性を、Ad、BdまたはCd(微分回路分類R8)に分類する。
そして、図16に示すように、ECU分類工程P34の後に、ECU分類工程P34における分類結果に基づいて、分類結果書込工程P35において、微分回路分類R2、伸長側出力回路分類R4、圧縮側出力回路分類R6、微分回路分類R8、伸長側出力回路分類R10および圧縮側出力回路分類R12を、回路特性記憶部27eに書き込む。
その後、図15に示すように、自動二輪車組立工程P40において、自動二輪車1(図1参照)を組み立てた後に、図17に示すように、分類読取入力工程P50を行う。具体的には、分類結果読取工程P51において、フロントフォーク14の表面にバーコード化されて表示されているフロントフォーク分類工程P13(図15参照)の分類結果を、図示しないバーコードリーダを用いて読み取る。そして、入力工程P52において、フロントフォーク分類工程P13の分類結果をECU27に入力する。同様に、分類結果読取工程P51において、リヤサスペンション40の表面にバーコード化されて表示されているリヤサスペンション分類工程P23(図15参照)の分類結果を、図示しないバーコードリーダを用いて読み取る。そして、入力工程P52において、リヤサスペンション分類工程P23の分類結果をECU27に入力する。また、切替工程P53において、制御部27aを設定モードに切り替える。その後、制御部27aの設定モードにおける内部処理S1が行われる。
図18は、本発明の第1実施形態による自動二輪車のECUの制御部の設定モードにおける内部処理を説明するための図である。次に、図5、図15〜図18を参照して、本発明の第1実施形態による自動二輪車1のECU27の制御部27aの設定モードにおける内部処理S1を説明する。
まず、図18に示すように、ステップS1aにおいて、制御部27a(図5参照)により、フロントフォーク分類工程P13(図15参照)の分類結果およびリヤサスペンション分類工程P23(図15参照)の分類結果が入力されたか否かが判断される。そして、ステップS1aにおいて、フロントフォーク14の分類結果およびリヤサスペンション40の分類結果が入力されていないと判断された場合には、設定モードにおける制御部27aの処理動作が終了される。また、ステップS1aにおいて、フロントフォーク14の分類結果およびリヤサスペンション40の分類結果が入力されたと判断された場合には、ステップS1bに進む。
次に、ステップS1bにおいて、回路特性記憶部27e(図5参照)からECU分類工程P34(図16参照)の分類結果が制御部27aによって読み出され、ステップS1cに進む。そして、ステップS1cにおいて、補正係数テーブル記憶部27fから補正係数テーブル57(図5参照)が制御部27aによって読み出される。その後、ステップS1dに進む。
ここで、第1実施形態では、ステップS1dにおいて、補正係数テーブル57に基づいて、入力されたフロントフォーク14の分類結果およびリヤサスペンション40の分類結果と、読み出されたECU27の分類結果とに基づいて、フロント補正係数60およびリヤ補正係数61(図5参照)が決定される。その後、ステップS1eに進む。
次に、ステップS1eにおいて、補正係数記憶部27d(図5参照)が初期化される。その後、ステップS1fに進み、初期化された補正係数記憶部27dに、ステップS1dにおいて決定したフロント補正係数60およびリヤ補正係数61が書き込まれる。これにより、設定モードにおける制御部27aの処理動作が終了される。その後、図17に示すように、制御部27aは、動作モードに切り替えられる。
図19および図20は、本発明の第1実施形態による自動二輪車の制御部のフロントフォーク動作モードにおける処理動作を説明するための図である。次に、図5、図19および図20を参照して、本発明の第1実施形態による自動二輪車1の制御部27aのフロントフォーク動作モードにおける処理動作を説明する。
図19に示すように、まず、ステップS11において、制御部27a(図20参照)により、ストロークセンサ24(図5参照)から出力された電圧の変化からなる変位信号が、図示しないA/Dコンバータを用いて、アナログからデジタルの変位信号に変換された後に、フロントフォーク動作モードにおける制御部27aに入力されたか否かが判断される。そして、ステップS11において、ストロークセンサ24から出力された変位信号が、制御部27aに入力されたと判断されるまで、この判断が繰り返される。そして、ステップS11において、ストロークセンサ24から出力された変位信号が、制御部27aに入力されたと判断された場合には、ステップS12に進む。
そして、ステップS12において、ストロークセンサ24から出力された変位信号に基づいて、伸縮位置の演算が行われ、ステップS13に進む。そして、ステップS13において、制御部27aの微分回路27h(図20参照)により、伸縮速度が算出され、演算された伸縮速度に関する伸縮速度信号が、微分回路27hから出力される。その後、ステップS14に進む。次に、ステップS14において、制御部27aにより、補正係数記憶部27d(図5参照)から速度補正係数60a(図5参照)が読み出される。そして、ステップS15に進む。
ここで、第1実施形態では、ステップS15において、制御部27aにより、ステップS13において決定された伸縮速度信号が、ステップS14において読み出された速度補正係数60aによって補正される。具体的には、制御部27aは、伸縮速度信号の電流値に対して、速度補正係数60aを乗じることにより、伸縮速度信号の電流値を変化させる。これにより、伸縮速度信号は補正される。たとえば、フロントフォーク14(図5参照)の速度補正係数60aが0.96であった場合には、0.2mA(ミリアンペア)の伸縮速度信号は、0.2(mA)×0.96=0.192(mA)により、0.192mAに補正される。その後、ステップS16およびステップS19に進む。
次に、ステップS16において、制御部27aにより、伸縮速度信号の伸び圧判定が行われ、伸縮速度が正の値か否かが判断される。つまり、制御部27aは、図6に示すように、伸縮速度が正の値になる場合には、フロントフォーク14(図5参照)は伸長していると判定するとともに、伸縮速度が負の値になる場合には、フロントフォーク14は圧縮していると判定する。そして、ステップS16において、伸縮速度が正の値であると判断された場合には、ステップS17に進む。また、ステップS16において、伸縮速度が正の値でないと判断された場合には、ステップS18に進む。
また、ステップS19において、ユーザがUP/DOWNスイッチ9d(図20参照)を押圧することにより発生するテーブル選択信号が、制御部27aに入力されたか否かが判断される。そして、ステップS19において、テーブル選択信号が制御部27aに入力されたと判断された場合には、ステップS20に進む。また、ステップS19において、テーブル選択信号が制御部27aに入力されていないと判断された場合には、ステップS21に進む。
そして、ステップS20において、制御部27aにより、テーブル選択信号に対応する減衰力テーブル58(図20参照)に切り替えられるとともに、テーブル選択信号に対応する減衰力テーブル58が走行モード記憶部27g(図20参照)から読み出される。その後、ステップS22に進む。また、テーブル選択信号が制御部27aに入力されていないと判断された場合には、ステップS21において、制御部27aにより、現在選択されている減衰力テーブル58が走行モード記憶部27gから読み出される。その後、ステップS22に進む。
次に、ステップS22において、制御部27aにより、ステップS15において補正された伸縮速度信号が、ステップS20またはS21において読み出された減衰力テーブル58に適用されることによって、フロントフォーク14(図5参照)における減衰力が算出される。その後、ステップS23に進む。
次に、ステップS23において、減衰力−電流マップ59(図20参照)が読み出され、ステップS24において、ステップS15において補正された伸縮速度信号と、ステップS22において算出された減衰力とが、ステップS23において読み出された減衰力−電流マップ59に適用されることによって、減衰力信号が決定される。その後、ステップS25およびステップS27に進む。
また、ステップS17において、制御部27aにより、補正係数記憶部27dから伸長側補正係数60b(図5参照)が読み出される。その後、ステップS25に進む。
ここで、第1実施形態では、ステップS25において、制御部27aにより、ステップS24において決定された減衰力信号が、ステップS17において読み出された伸長側補正係数60bによって補正される。具体的には、制御部27aは、減衰力信号の電流値に対して、伸長側補正係数60bを乗じることにより、減衰力信号の電流値を変化させる。これにより、減衰力信号は、伸長側の減衰力信号に補正される。たとえば、伸長側補正係数60bが0.8であった場合には、0.2mA(ミリアンペア)の減衰力信号は、0.2(mA)×0.8=0.16(mA)により、0.16mAの伸長側の減衰力信号に補正される。その後、ステップS26に進む。
そして、ステップS26において、制御部27aによって、補正された伸長側の減衰力信号が、伸長側出力回路27i(図20参照)に入力されるとともに、伸長側出力回路27iから、伸長側制御電流が伸長側バルブ26に出力される。そして、フロントフォーク動作モードにおける制御部27aの処理動作が終了される。
また、ステップS16において、制御部27aにより、伸縮速度が正の値でないと判断された場合には、ステップS18において、制御部27aにより、補正係数記憶部27dから圧縮側補正係数60c(図5参照)が読み出される。その後、ステップS27に進む。
ここで、第1実施形態では、ステップS27において、制御部27aにより、ステップS24において決定された減衰力信号がステップS18において読み出された圧縮側補正係数60cによって補正される。具体的には、制御部27aは、減衰力信号の電流値に対して、圧縮側補正係数60cを乗じることにより、減衰力信号の電流値を変化させる。これにより、減衰力信号は、圧縮側の減衰力信号に補正される。たとえば、圧縮側補正係数60cが1.2であった場合には、0.2mA(ミリアンペア)の減衰力信号は、0.2(mA)×1.2=0.24(mA)により、0.24mAの圧縮側の減衰力信号に補正される。その後、ステップS28に進む。
そして、ステップS28において、制御部27aによって、補正された圧縮側の減衰力信号が、圧縮側出力回路27j(図20参照)に入力されるとともに、圧縮側出力回路27jから、圧縮側制御電流が圧縮側バルブ25に出力される。そして、フロントフォーク動作モードにおける制御部27aの処理動作が終了される。
図21は、本発明の第1実施形態による自動二輪車の制御部のリヤサスペンション動作モードにおける処理動作を説明するためのブロック図である。次に、図5、図19および図21を参照して、本発明の第1実施形態による自動二輪車1の制御部27aのリヤサスペンション動作モードにおける処理動作を説明する。
図21に示すように、リヤサスペンション動作モードにおいては、フロントフォーク動作モードと同様の処理動作が行われている。
図19に示すように、まず、ステップS11において、制御部27a(図21参照)により、ストロークセンサ49(図5参照)から出力された変位信号が、図示しないA/Dコンバータを用いて、アナログからデジタルの変位信号に変換された後に、リヤサスペンション動作モードにおける制御部27aに入力されたか否かが判断される。そして、ステップS11において、ストロークセンサ49から出力された変位信号が、制御部27aに入力されたと判断されるまで、この判断が繰り返される。そして、ステップS11において、ストロークセンサ49から出力された変位信号が、制御部27aに入力されたと判断された場合には、ステップS12に進む。
そして、ステップS12において、ストロークセンサ49から出力された変位信号に基づいて、伸縮位置の演算が行われ、ステップS13に進む。そして、ステップS13において、制御部27aの微分回路27k(図21参照)により、伸縮速度が算出され、演算された伸縮速度に関する伸縮速度信号が、微分回路27kから出力される。その後、ステップS14に進む。次に、ステップS14において、制御部27aにより、補正係数記憶部27d(図5参照)から速度補正係数61a(図5参照)が読み出される。そして、ステップS15に進む。
ここで、第1実施形態では、ステップS15において、制御部27aにより、ステップS13において決定された伸縮速度信号が、ステップS14において読み出された速度補正係数61aによって補正される。具体的には、制御部27aは、伸縮速度信号の電流値に対して、速度補正係数61aを乗じることにより、伸縮速度信号の電流値を変化させる。これにより、伸縮速度信号は補正される。たとえば、リヤサスペンション40(図5参照)の速度補正係数61aが0.96であった場合には、0.2mA(ミリアンペア)の伸縮速度信号は、0.2(mA)×0.96=0.192(mA)により、0.192mAに補正される。その後、ステップS16およびステップS19に進む。
次に、ステップS16において、制御部27aにより、伸縮速度信号の伸び圧判定が行われ、伸縮速度が正の値か否かが判断される。そして、ステップS16において、伸縮速度が正の値であると判断された場合には、ステップS17に進む。また、ステップS16において、伸縮速度が正の値でないと判断された場合には、ステップS18に進む。
また、ステップS19において、ユーザがUP/DOWNスイッチ9d(図21参照)を押圧することにより発生するテーブル選択信号が、制御部27aに入力されたか否かが判断される。そして、ステップS19において、テーブル選択信号が制御部27aに入力されたと判断された場合には、ステップS20に進む。また、ステップS19において、テーブル選択信号が制御部27aに入力されていないと判断された場合には、ステップS21に進む。
また、ステップS20において、制御部27aにより、テーブル選択信号に対応する減衰力テーブル58(図21参照)に切り替えられるとともに、テーブル選択信号に対応する減衰力テーブル58が走行モード記憶部27g(図21参照)から読み出される。その後、ステップS23に進む。また、テーブル選択信号が制御部27aに入力されていないと判断された場合には、ステップS21において、制御部27aにより、現在選択されている減衰力テーブル58が走行モード記憶部27gから読み出される。その後、ステップS22に進む。この際、ステップS20およびS21において、フロントフォーク動作モードと同様の減衰力テーブル58が読み出される。
次に、ステップS22において、制御部27aにより、ステップS15において補正された伸縮速度信号が、ステップS20またはS21において読み出された減衰力テーブル58に適用されることによって、リヤサスペンション40(図5参照)における減衰力が算出される。その後、ステップS23に進む。
次に、ステップS23において、減衰力−電流マップ59(図21参照)が読み出され、ステップS24において、ステップS15において補正された伸縮速度信号と、ステップS22において算出された減衰力とが、ステップS23において読み出された減衰力−電流マップ59に適用されることによって、減衰力信号が決定される。その後、ステップS25およびステップS27に進む。
また、ステップS17において、制御部27aにより、補正係数記憶部27dから伸長側補正係数61b(図5参照)が読み出される。その後、ステップS25に進む。
ここで、第1実施形態では、ステップS25において、制御部27aにより、ステップS24において決定された減衰力信号が、ステップS17において読み出された伸長側補正係数61bによって補正される。具体的には、制御部27aは、減衰力信号の電流値に対して、伸長側補正係数61bを乗じることにより、減衰力信号の電流値を変化させる。これにより、減衰力信号は、伸長側の減衰力信号に補正される。たとえば、伸長側補正係数61bが0.64であった場合には、0.2mA(ミリアンペア)の減衰力信号は、0.2(mA)×0.64=0.128(mA)により、0.128mAの伸長側の減衰力信号に補正される。その後、ステップS26に進む。
そして、ステップS26において、制御部27aによって、補正された伸長側の減衰力信号が、伸長側出力回路27l(図21参照)に入力されるとともに、伸長側出力回路27lから、伸長側制御電流が伸長側バルブ26に出力される。そして、フロントフォーク動作モードにおける制御部27aの処理動作が終了される。
また、ステップS16において、制御部27aにより、伸縮速度が正の値でないと判断された場合には、ステップS18において、制御部27aにより、補正係数記憶部27dから圧縮側補正係数61c(図5参照)が読み出される。その後、ステップS27に進む。
ここで、第1実施形態では、ステップS27において、制御部27aにより、ステップS24において決定された減衰力信号がステップS18において読み出された圧縮側補正係数61cによって補正される。具体的には、制御部27aは、減衰力信号の電流値に対して、圧縮側補正係数61cを乗じることにより、減衰力信号の電流値を変化させる。これにより、減衰力信号は、圧縮側の減衰力信号に補正される。たとえば、圧縮側補正係数61cが1.2であった場合には、0.2mA(ミリアンペア)の減衰力信号は、0.2(mA)×1.2=0.24(mA)により、0.24mAの圧縮側の減衰力信号に補正される。その後、ステップS28に進む。
そして、ステップS28において、制御部27aによって、補正された圧縮側の減衰力信号が、圧縮側出力回路27m(図21参照)に入力されるとともに、圧縮側出力回路27mから、圧縮側制御電流が圧縮側バルブ25に出力される。そして、リヤサスペンション動作モードにおける制御部27aの処理動作が終了される。
次に、図3を参照して、本発明の第1実施形態による自動二輪車1の右側フロントフォーク16の動作について説明する。
まず、右側フロントフォーク16に伸長する方向の力が作用した場合について説明する。右側フロントフォーク16に伸長する方向の力が作用すると、右側フロントフォーク16が伸長されることにより、減衰力が発生する。
具体的には、ピストン部29が伸長側オイル室16bの方に移動されると、伸長側オイル室16bの油圧が上昇する。そして、伸長側オイル室16b内のオイルが、オイル通路部30のオイル通路30dに流入され、伸長側バルブ26に流入される。このとき、フロントフォーク動作モードにおいて求められた伸長側制御電流が伸長側バルブ26に出力されることにより、伸長側バルブ26の弁圧が調整される。これにより、伸長側バルブ26を通過するオイルの圧力が調整されるので、伸長側バルブ26で発生される減衰力が制御される。そして、伸長側バルブ26を通過したオイルは、中間通路30eおよび30cを介してチェックバルブ31bに流入され、チェックバルブ31bに流入されたオイルは、オイル通路30aを介して圧縮側オイル室16aに流入される。また、バイパス通路33aおよび33bを介して、オイルは、オイル通路30dからオイル通路30aに流通される。
次に、右側フロントフォーク16に圧縮する方向の力が作用した場合について説明する。右側フロントフォーク16に圧縮する方向の力が作用すると、右側フロントフォーク16が短縮されることにより、減衰力が発生する。
具体的には、ピストン部29が圧縮側オイル室16aの方に移動されると、圧縮側オイル室16aの油圧が上昇する。そして、圧縮側オイル室16a内のオイルが、オイル通路部30のオイル通路30aに流入され、圧縮側バルブ25に流入される。このとき、フロントフォーク動作モードにおいて求められた圧縮側制御電流が圧縮側バルブ25に出力されることにより、圧縮側バルブ25の弁圧が調整される。これにより、圧縮側バルブ25を通過するオイルの圧力が調整されるので、圧縮側バルブ25で発生される減衰力が制御される。そして、圧縮側バルブ25を通過したオイルは、中間通路30bおよび30cを介してチェックバルブ31aに流入され、チェックバルブ31aに流入されたオイルは、オイル通路30dを介して伸長側オイル室16bに流入される。また、バイパス通路33aおよび33bを介して、オイルは、オイル通路30aからオイル通路30dに流通される。
次に、図4を参照して、本発明の第1実施形態による自動二輪車1のリヤサスペンション40の動作について説明する。
まず、リヤサスペンション40に伸長する方向の力が作用した場合について説明する。リヤサスペンション40に伸長する方向の力が作用すると、リヤサスペンション40が伸長されることにより、減衰力が発生する。
具体的には、ピストン部47が伸長側オイル室40bの方に移動されると、伸長側オイル室40bの油圧が上昇する。そして、伸長側オイル室40b内のオイルが、オイル通路部52のオイル通路52dに流入され、伸長側バルブ51に流入される。このとき、リヤサスペンション動作モードにおいて求められた伸長側制御電流が伸長側バルブ51に出力されることにより、伸長側バルブ51の弁圧が調整される。これにより、伸長側バルブ51を通過するオイルの圧力が調整されるので、伸長側バルブ51で発生される減衰力が制御される。そして、伸長側バルブ51を通過したオイルは、中間通路52eおよび52cを介してチェックバルブ53bに流入され、チェックバルブ53bに流入されたオイルは、オイル通路52aを介して圧縮側オイル室40aに流入される。また、バイパス通路55aおよび55bを介して、オイルは、オイル通路52dからオイル通路52aに流通される。
次に、リヤサスペンション40に圧縮する方向の力が作用した場合について説明する。リヤサスペンション40に圧縮する方向の力が作用すると、リヤサスペンション40が短縮されることにより、減衰力が発生する。
具体的には、ピストン部47が圧縮側オイル室40aの方に移動されると、圧縮側オイル室40aの油圧が上昇する。そして、圧縮側オイル室40a内のオイルが、オイル通路部52のオイル通路52aに流入され、圧縮側バルブ50に流入される。このとき、リヤサスペンション動作モードにおいて求められた圧縮側制御電流が圧縮側バルブ50に出力されることにより、圧縮側バルブ50の弁圧が調整される。これにより、圧縮側バルブ50を通過するオイルの圧力が調整されるので、圧縮側バルブ50で発生される減衰力が制御される。そして、圧縮側バルブ50を通過したオイルは、中間通路52bおよび52cを介してチェックバルブ53aに流入され、チェックバルブ53aに流入されたオイルは、オイル通路52dを介して伸長側オイル室40bに流入される。また、バイパス通路55aおよび55bを介して、オイルは、オイル通路52aからオイル通路52dに流通される。
第1実施形態では、上記のように、フロントフォーク動作モードにおいて、制御部27aにより、電子的に制御可能な圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26の減衰力特性と、変位信号を検出するストロークセンサ24の検出特性とに基づいて、フロントフォーク14の減衰力を制御するように構成することによって、圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26の減衰力特性だけでなくストロークセンサ24の検出特性も考慮して減衰力が制御されるので、圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26の減衰力特性のみを考慮して減衰力を制御する場合と比べて、フロントフォーク14および自動二輪車1ごとに減衰力のばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、リヤサスペンション動作モードにおいて、制御部27aにより、電子的に制御可能な圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51の減衰力特性と、変位信号を検出するストロークセンサ49の検出特性とに基づいて、リヤサスペンション40の減衰力を制御するように構成することによって、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51の減衰力特性だけでなくストロークセンサ49の検出特性も考慮して減衰力が制御されるので、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51の減衰力特性のみを考慮して減衰力を制御する場合と比べて、リヤサスペンション40および自動二輪車1ごとに減衰力のばらつきが生じるのを抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、フロントフォーク動作モードにおいて、制御部27aにより、圧縮側バルブ25および伸長側バルブ26の減衰力特性と、ストロークセンサ24の検出特性と、微分回路27hの速度変換回路特性と、伸長側出力回路27iおよび圧縮側出力回路27jの出力回路特性とに基づいて、フロントフォーク14の減衰力を制御するように構成することによって、制御部27aのフロントフォーク動作モードにおける速度変換回路特性および出力回路特性をも考慮して減衰力が制御されるので、フロントフォーク14ごとに減衰力のばらつきが生じるのをより抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、リヤサスペンション動作モードにおいて、制御部27aにより、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51の減衰力特性と、ストロークセンサ49の検出特性と、微分回路27kの速度変換回路特性と、伸長側出力回路27lおよび圧縮側出力回路27mの出力回路特性とに基づいて、リヤサスペンション40の減衰力を制御するように構成することによって、制御部27aのリヤサスペンション動作モードにおける速度変換回路特性および出力回路特性をも考慮して減衰力が制御されるので、リヤサスペンション40ごとに減衰力のばらつきが生じるのをより抑制することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部27aが、圧縮側バルブ25、伸長側バルブ26、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51の減衰力特性と、ストロークセンサ24および49の検出特性と、微分回路27hおよび27kの速度変換回路特性と、伸長側出力回路27i、圧縮側出力回路27j、伸長側出力回路27lおよび圧縮側出力回路27mの出力回路特性とに基づいて、フロント補正係数60およびリヤ補正係数61を決定することによって、制御部27aにより、容易に、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御することができる。また、フロント補正係数60およびリヤ補正係数61によって、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御部27aにより制御するように構成することによって、容易に、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、設定モードにおいて、制御部27aにより、補正係数テーブル記憶部27fに記憶されている速度補正係数テーブル57aに基づいて速度補正係数60aおよび61aを決定し、伸長側補正係数テーブル57bに基づいて伸長側補正係数60bおよび61bを決定し、圧縮側補正係数テーブル57cに基づいて圧縮側補正係数60cおよび61cを決定するように構成することによって、補正係数テーブル記憶部27fに記憶されている補正係数テーブル57から、フロント補正係数60およびリヤ補正係数61を選択するだけであるので、複雑な計算を行う必要がない。これにより、制御部27aの設定モードにおける負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、フロントフォーク動作モードおよびリヤサスペンション動作モードにおいて、制御部27aにより、補正係数テーブル記憶部27fの速度補正係数テーブル57aに基づいて速度補正係数60aおよび61aを決定することによって、補正係数テーブル記憶部27fに記憶されている速度補正係数テーブル57aから、速度補正係数60aおよび61aを選択するだけであるので、複雑な計算を行う必要がない。これにより、制御部27aの設定モードにおける負担を軽減することができる。また、制御部27aにより、速度補正係数60aおよび61aによって微分回路27hおよび27kから出力される伸縮速度信号を補正することにより、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御するように構成することによって、速度補正係数60aおよび61aをフロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力の算出に反映させることができるので、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40において所望の減衰力を得ることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、フロントフォーク動作モードおよびリヤサスペンション動作モードにおいて、制御部27aにより、補正係数テーブル記憶部27fの伸長側補正係数テーブル57bに基づいて伸長側補正係数60bおよび61bを決定することによって、補正係数テーブル記憶部27fに記憶されている伸長側補正係数テーブル57bから、伸長側補正係数60bおよび61bを選択するだけであるので、複雑な計算を行う必要がない。これにより、制御部27aの設定モードにおける負担を軽減することができる。また、制御部27aにより、伸長側補正係数60bおよび61bによって伸長側出力回路27iおよび27lに入力される減衰力信号を補正することにより、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御するように構成することによって、伸長側補正係数60bおよび61bをフロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力の算出に反映させることができるので、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40において所望の減衰力を得ることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、フロントフォーク動作モードおよびリヤサスペンション動作モードにおいて、制御部27aにより、補正係数テーブル記憶部27fの圧縮側補正係数テーブル57cに基づいて圧縮側補正係数60cおよび61cを決定することによって、補正係数テーブル記憶部27fに記憶されている圧縮側補正係数テーブル57cから、圧縮側補正係数60cおよび61cを選択するだけであるので、複雑な計算を行う必要がない。これにより、制御部27aの設定モードにおける負担を軽減することができる。また、制御部27aにより、圧縮側補正係数60cおよび61cによって圧縮側出力回路27jおよび27mに入力される減衰力信号を補正することにより、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御するように構成することによって、圧縮側補正係数60cおよび61cをフロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力の算出に反映させることができるので、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40において所望の減衰力を得ることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部27aにより、ストロークセンサ24の3つの分類からなるセンサ分類R1およびストロークセンサ49の3つの分類からなるセンサ分類R7に基づいて、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御するためのフロント補正係数60およびリヤ補正係数61を決定するように構成することによって、ストロークセンサ24および49の検出特性に厳密に対応させて減衰力を制御する場合に比べて、ストロークセンサ24および49の検出特性に大まかに対応させて減衰力を制御することができるので、減衰力の算出が複雑化することがない。これにより、制御部27aの負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部27aにより、伸長側バルブ26の3つの分類からなる伸長側バルブ分類R3および圧縮側バルブ25の3つの分類からなる圧縮側バルブ分類R5に基づいて、フロントフォーク14の減衰力を制御するためのフロント補正係数60を決定するように構成することによって、伸長側バルブ26および圧縮側バルブ25の減衰力特性に厳密に対応させて減衰力を制御する場合に比べて、伸長側バルブ26および圧縮側バルブ25の検出特性に大まかに対応させて減衰力を制御することができるので、減衰力の算出が複雑化することがない。これにより、制御部27aの負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部27aにより、伸長側バルブ51の3つの分類からなる伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ50の3つの分類からなる圧縮側バルブ分類R11に基づいて、リヤサスペンション40の減衰力を制御するためのリヤ補正係数61を決定するように構成することによって、伸長側バルブ51および圧縮側バルブ50の減衰力特性に厳密に対応させて減衰力を制御する場合に比べて、伸長側バルブ51および圧縮側バルブ50の検出特性に大まかに対応させて減衰力を制御することができるので、減衰力の算出が複雑化することがない。これにより、制御部27aの負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部27aにより、微分回路27hの3つの分類からなる微分回路分類R2、伸長側出力回路27iの3つの分類からなる伸長側出力回路分類R4および圧縮側出力回路27jの3つの分類からなる圧縮側出力回路分類R6に基づいて、フロントフォーク14の減衰力を制御するためのフロント補正係数60を決定するように構成することによって、微分回路27hの速度変換回路特性および伸長側出力回路27iおよび圧縮側出力回路27jの出力回路特性に厳密に対応させて減衰力を制御する場合に比べて、微分回路27hの速度変換回路特性および伸長側出力回路27iおよび圧縮側出力回路27jの出力回路特性に大まかに対応させて減衰力を制御することができるので、減衰力の算出が複雑化することがない。これにより、制御部27aの負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、制御部27aにより、微分回路27kの3つの分類からなる微分回路分類R8、伸長側出力回路27lの3つの分類からなる伸長側出力回路分類R10および圧縮側出力回路27mの3つの分類からなる圧縮側出力回路分類R12に基づいて、リヤサスペンション40の減衰力を制御するためのリヤ補正係数61を決定するように構成することによって、微分回路27kの速度変換回路特性および伸長側出力回路27lおよび圧縮側出力回路27mの出力回路特性に厳密に対応させて減衰力を制御する場合に比べて、微分回路27kの速度変換回路特性および伸長側出力回路27lおよび圧縮側出力回路27mの出力回路特性に大まかに対応させて減衰力を制御することができるので、減衰力の算出が複雑化することがない。これにより、制御部27aの負担を軽減することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、センサ分類R1およびR7を、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40に読み取り可能に表示することによって、前もって、ストロークセンサ24および49の検出特性を測定して分類することにより、自動二輪車1の製造時に、容易に、センサ分類R1およびR7をユーザに認識させることができる。また、市場でのフロントフォーク14およびリヤサスペンション40の交換時に、センサ分類R1およびR7が、新たに取り付けるフロントフォーク14およびリヤサスペンション40に表示されているので、ユーザおよび交換作業者が、新たなセンサ分類R1およびR7をECU27に入力することができる。これにより、動作モードにおいて、制御部27aにより、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の交換後であっても、新たなセンサ分類R1およびR7に基づいた減衰力を制御することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、伸長側バルブ分類R3および圧縮側バルブ分類R5を、フロントフォーク14に読み取り可能に表示するとともに、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11を、リヤサスペンション40に読み取り可能に表示することによって、前もって、圧縮側バルブ25、伸長側バルブ26、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51の減衰力特性を測定して分類することにより、自動二輪車1の製造時に、容易に、伸長側バルブ分類R3、圧縮側バルブ分類R5、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11をユーザに認識させることができる。また、市場でのフロントフォーク14およびリヤサスペンション40の交換時に、伸長側バルブ分類R3、圧縮側バルブ分類R5、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11が、新たに取り付けるフロントフォーク14およびリヤサスペンション40に表示されているので、ユーザおよび交換作業者が、新たな伸長側バルブ分類R3、圧縮側バルブ分類R5、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11を、ECU27に入力することができる。これにより、動作モードにおいて、制御部27aにより、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の交換後であっても、新たな伸長側バルブ分類R3、圧縮側バルブ分類R5、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11に基づいた減衰力を制御することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、微分回路分類R2およびR8と、伸長側出力回路分類R4、圧縮側出力回路分類R6、伸長側出力回路分類R10および圧縮側出力回路分類R12とを、回路特性記憶部27eに読み出し可能に記憶させることによって、前もって、微分回路27hおよび27kの速度変換回路特性と、伸長側出力回路27i、圧縮側出力回路27j、伸長側出力回路27lおよび圧縮側出力回路27mの出力回路特性とを測定して分類することにより、自動二輪車1の製造時に、容易に、微分回路分類R2およびR8と、伸長側出力回路分類R4、圧縮側出力回路分類R6、伸長側出力回路分類R10および圧縮側出力回路分類R12とをユーザに認識させることができる。
(第2実施形態)
図22は、本発明の第2実施形態による自動二輪車のECUの構成を示すブロック図である。図23および図24は、図22に示した第2実施形態による自動二輪車の記憶部に記憶されている補正係数テーブルを示した図である。この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、自動二輪車100のECU127による減衰力のばらつきを考慮しないで、減衰力の制御を行う例について説明する。
この第2実施形態による自動二輪車100のECU127の記憶部127bは、図22に示すように、補正係数記憶部127dと、補正係数テーブル記憶部127fと、走行モード記憶部127gとが含まれている。また、補正係数テーブル記憶部127fに記憶されている補正係数テーブル157は、伸長側補正係数テーブル157dおよび圧縮側補正係数テーブル157eからなる。なお、伸長側補正係数テーブル157dは、本発明の「補正係数テーブル」および「第4補正係数テーブル」の一例である。また、圧縮側補正係数テーブル157eは、本発明の「補正係数テーブル」および「第5補正係数テーブル」の一例である。
また、補正係数記憶部127dに記憶されているフロント補正係数160は、伸長側補正係数160dおよび圧縮側補正係数160eからなるとともに、リヤ補正係数161は、伸長側補正係数161dおよび圧縮側補正係数161eからなる。なお、伸長側補正係数160dおよび161dは、本発明の「補正係数」および「第4補正係数」の一例である。また、圧縮側補正係数160eおよび161eは、本発明の「補正係数」および「第5補正係数」の一例である。
また、設定モードにおいて、制御部127aは、フロントフォーク14の分類結果およびリヤサスペンション40の分類結果(図23および図24参照)から、フロント補正係数160およびリヤ補正係数161を決定するように構成されている。そして、設定モードにおいて、制御部127aは、初期化された補正係数記憶部127dにフロント補正係数160およびリヤ補正係数161を書き込むように構成されている。
また、動作モードは、フロントフォーク動作モードと、リヤサスペンション動作モードとからなる。また、フロントフォーク動作モードにおいて、制御部127aは、左側フロントフォーク15のストロークセンサ24から出力される変位信号を演算および補正することにより、フロントフォーク14における減衰力を算出するように構成されている。そして、制御部127aは、算出された減衰力に対応する伸長側制御電流または圧縮側制御電流を、伸長側出力回路127iまたは圧縮側出力回路127jを介して、伸長側バルブ26または圧縮側バルブ25に印加するように構成されている。
ここで、第2実施形態では、フロントフォーク動作モードにおいて、制御部127aは、図23に示すように、フロントフォーク14(図22参照)のストロークセンサ24のセンサ分類R1および伸長側バルブ26の伸長側バルブ分類R3を、補正係数テーブル記憶部127f(図22参照)に記憶されている伸長側補正係数テーブル157dに適用することにより、伸長側補正係数160dを算出するように構成されている。
また、第2実施形態では、フロントフォーク動作モードにおいて、制御部127aは、図24に示すように、フロントフォーク14(図22参照)のストロークセンサ24のセンサ分類R1および圧縮側バルブ25の圧縮側バルブ分類R5を、補正係数テーブル記憶部127f(図22参照)に記憶されている圧縮側補正係数テーブル157eに適用することにより、圧縮側補正係数160eを算出するように構成されている。
また、図22に示すように、リヤサスペンション動作モードにおいて、制御部127aは、リヤサスペンション40のストロークセンサ49から出力される変位信号を演算および補正することにより、リヤサスペンション40における減衰力を算出するように構成されている。そして、制御部127aは、算出された減衰力に対応する伸長側制御電流または圧縮側制御電流を、伸長側出力回路127lまたは圧縮側出力回路127mを介して、伸長側バルブ51または圧縮側バルブ50に印加するように構成されている。
また、第2実施形態では、リヤサスペンション動作モードにおいて、制御部127aは、図23に示すように、リヤサスペンション40のストロークセンサ49のセンサ分類R7および伸長側バルブ51の伸長側バルブ分類R9を、補正係数テーブル記憶部127f(図22参照)に記憶されている伸長側補正係数テーブル157dに適用することにより、伸長側補正係数161dを算出するように構成されている。
また、第2実施形態では、リヤサスペンション動作モードにおいて、制御部127aは、図24に示すように、リヤサスペンション40のストロークセンサ49のセンサ分類R7および圧縮側バルブ50の圧縮側バルブ分類R11を、補正係数テーブル記憶部127f(図22参照)に記憶されている圧縮側補正係数テーブル157eに適用することにより、圧縮側補正係数161eを算出するように構成されている。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様なので、その説明を省略する。
図25および図26は、本発明の第2実施形態による自動二輪車の製造工程を説明するためのブロック図である。次に、図22〜図26を参照して、本発明の第2実施形態による自動二輪車100のECU127の設定が行われるまでの製造工程を説明する。
図25に示すように、フロントフォーク14の製造工程P10において、第1実施形態と同様の工程を行うとともに、リヤサスペンション40の製造工程P20において、第1実施形態と同様の工程を行う。
ここで、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、ECU127の性能測定および分類を行わない。これにより、ECU127の製造工程P130において、ECU組立工程P131のみをおこなう。
その後、自動二輪車組立工程P40において、自動二輪車100(図1参照)を組み立てた後に、図26に示すように、分類読取入力工程P50を行う。具体的には、分類結果読取工程P51において、フロントフォーク14の表面にバーコード化されて表示されているフロントフォーク分類工程P13の分類結果(図23および図24のセンサ分類R1、伸長側バルブ分類R3および圧縮側バルブ分類R5)を、図示しないバーコードリーダを用いて読み取る。そして、入力工程P52において、フロントフォーク分類工程P13の分類結果をECU127に入力する。同様に、分類結果読取工程P51において、リヤサスペンション40の表面にバーコード化されて表示されているリヤサスペンション分類工程P23の分類結果(図23および図24のセンサ分類R7、伸長側バルブ分類R9および圧縮側バルブ分類R11)を、図示しないバーコードリーダを用いて読み取る。そして、入力工程P52において、リヤサスペンション分類工程P23の分類結果をECU127に入力する。また、切替工程P53において、制御部127aを設定モードに切り替える。その後、制御部127aの設定モードにおける内部処理S101が行われる。
図27は、本発明の第2実施形態による自動二輪車のECUの制御部の設定モードにおける内部処理を説明するための図である。次に、図22〜図27を参照して、本発明の第2実施形態による自動二輪車100のECU127の制御部127aの設定モードにおける内部処理S101を説明する。
まず、図18に示すように、ステップS101aにおいて、制御部127a(図22参照)により、フロントフォーク分類工程P13の分類結果(図25参照)およびリヤサスペンション分類工程P23の分類結果(図25参照)が入力されたか否かが判断される。そして、ステップS101aにおいて、フロントフォーク分類工程P13の分類結果およびリヤサスペンション分類工程P23の分類結果が入力されていないと判断された場合には、設定モードにおける制御部127aの処理動作が終了される。また、ステップS101aにおいて、フロントフォーク分類工程P13の分類結果およびリヤサスペンション分類工程P23の分類結果が入力されたと判断された場合には、ステップS101cに進む。ここで、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、ECU127の回路特性は考慮しないので、自動二輪車100の製造工程において、ECU127の分類は行われていない。このため、制御部127aは、第1実施形態とは異なり、ステップS1b(図18参照)を行わない。
そして、ステップS101cにおいて、補正係数テーブル記憶部127fから補正係数テーブル157(図22参照)が制御部127aによって読み出される。その後、ステップS101dに進む。
ここで、第2実施形態では、ステップS101dにおいて、補正係数テーブル157に基づいて、入力されたフロントフォーク14の分類結果およびリヤサスペンション40の分類結果と、読み出されたECU127の分類結果とに基づいて、フロント補正係数160およびリヤ補正係数161(図22参照)が決定される。この際、第1実施形態とは異なり、制御部127aは、速度補正係数を決定しない。その後、ステップS101eに進む。
次に、ステップS101eにおいて、補正係数記憶部127d(図22参照)が初期化される。その後、ステップS101fに進み、初期化された補正係数記憶部127dに、ステップS101dにおいて決定したフロント補正係数160およびリヤ補正係数161が書き込まれる。これにより、設定モードにおける制御部127aの処理動作が終了される。その後、図26に示すように、制御部127aは、動作モードに切り替えられる。
図28および図29は、本発明の第2実施形態による自動二輪車の制御部の動作モードにおける処理動作を説明するための図である。次に、図22、図28および図29を参照して、本発明の第2実施形態による自動二輪車100の制御部127aのフロントフォーク動作モードにおける処理動作を説明する。
図28に示すように、まず、ステップS101において、制御部127a(図29参照)により、ストロークセンサ24(図22参照)から出力された変位信号が、図示しないA/Dコンバータを用いて、アナログからデジタルの変位信号に変換された後に、フロントフォーク動作モードにおける制御部127aに入力されたか否かが判断される。そして、ステップS111において、ストロークセンサ24から出力された変位信号が、制御部127aに入力されたと判断されるまで、この判断が繰り返される。そして、ステップS111において、ストロークセンサ24から出力された変位信号が、制御部127aに入力されたと判断された場合には、ステップS112に進む。
そして、ステップS112において、ストロークセンサ24から出力された変位信号に基づいて、伸縮位置の演算が行われ、ステップS113に進む。そして、ステップS113において、制御部127aの微分回路127h(図29参照)により、伸縮速度が算出され、演算された伸縮速度に関する伸縮速度信号が、微分回路127hから出力される。その後、ステップS116およびステップS119に進む。
ここで、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、ECU127の回路特性は考慮しないので、設定モードにおいて、制御部127aは、速度補正係数を算出していない。このため、フロントフォーク動作モードにおいて、制御部127aは、第1実施形態とは異なり、ステップS14およびステップS15(図19参照)における伸縮速度補正は行わない。
次に、ステップS116において、制御部127aにより、伸縮速度信号の伸び圧判定が行われ、伸縮速度が正の値か否かが判断される。そして、ステップS116において、伸縮速度が正の値であると判断された場合には、ステップS117に進む。また、ステップS116において、伸縮速度が正の値でないと判断された場合には、ステップS118に進む。
また、ステップS119において、ユーザがUP/DOWNスイッチ9d(図29参照)を押圧することにより発生するテーブル選択信号が、制御部127aに入力されたか否かが判断される。そして、ステップS119において、テーブル選択信号が制御部127aに入力されたと判断された場合には、ステップS120に進む。また、ステップS119において、テーブル選択信号が制御部127aに入力されていないと判断された場合には、ステップS121に進む。
そして、ステップS120において、制御部127aにより、テーブル選択信号に対応する減衰力テーブル58(図29参照)に切り替えられるとともに、テーブル選択信号に対応する減衰力テーブル58が走行モード記憶部127g(図29参照)から読み出される。その後、ステップS122に進む。また、テーブル選択信号が制御部127aに入力されていないと判断された場合には、ステップS121において、制御部127aにより、現在選択されている減衰力テーブル58が走行モード記憶部127gから読み出される。その後、ステップS122に進む。
次に、ステップS122において、制御部127aにより、ステップS113において算出された伸縮速度信号が、ステップS120またはS121において読み出された減衰力テーブル58に適用されることによって、フロントフォーク14(図22参照)における減衰力が算出される。その後、ステップS123に進む。
次に、ステップS123において、減衰力−電流マップ59(図29参照)が読み出され、ステップS124において、ステップS113において算出された伸縮速度信号と、ステップS122において算出された減衰力とが、ステップS123において読み出された減衰力−電流マップ59に適用されることによって、減衰力信号が決定される。その後、ステップS125およびステップS127に進む。
また、ステップS117において、制御部127aにより、補正係数記憶部127dから伸長側補正係数160d(図22参照)が読み出される。その後、ステップS125に進む。
ここで、第2実施形態では、ステップS125において、制御部127aにより、ステップS124において決定された減衰力信号が、ステップS117において読み出された伸長側補正係数160dによって補正される。その後、ステップS126に進む。
そして、ステップS126において、制御部127aによって、補正された伸長側の減衰力信号が、伸長側出力回路127i(図29参照)に入力されるとともに、伸長側出力回路127iから、伸長側制御電流が伸長側バルブ26に出力される。そして、フロントフォーク動作モードにおける制御部127aの処理動作が終了される。
また、ステップS116において、制御部127aにより、伸縮速度が正の値でないと判断された場合には、ステップS118において、制御部127aにより、補正係数記憶部127dから圧縮側補正係数160e(図22参照)が読み出される。その後、ステップS127に進む。
ここで、第2実施形態では、ステップS127において、制御部127aにより、ステップS124において決定された減衰力信号がステップS118において読み出された圧縮側補正係数160eによって補正される。その後、ステップS128に進む。
そして、ステップS128において、制御部127aによって、補正された圧縮側の減衰力信号が、圧縮側出力回路127j(図29参照)に入力されるとともに、圧縮側出力回路127jから、圧縮側制御電流が圧縮側バルブ25に出力される。そして、フロントフォーク動作モードにおける制御部127aの処理動作が終了される。
次に、図22、図28および図29を参照して、本発明の第2実施形態による自動二輪車100の制御部127aのリヤサスペンション動作モードにおける処理動作を説明する。
図28および図29に示すように、リヤサスペンション動作モードにおいては、フロントフォーク動作モードと同様の処理動作が行われている。
図28に示すように、まず、ステップS111において、制御部127a(図29参照)により、ストロークセンサ49(図22参照)から出力された変位信号が、図示しないA/Dコンバータを用いて、アナログからデジタルの変位信号に変換された後に、リヤサスペンション動作モードにおける制御部127aに入力されたか否かが判断される。そして、ステップS111において、ストロークセンサ49から出力された変位信号が、制御部127aに入力されたと判断されるまで、この判断が繰り返される。そして、ステップS111において、ストロークセンサ49から出力された変位信号が、制御部127aに入力されたと判断された場合には、ステップS112に進む。
そして、ステップS112において、ストロークセンサ49から出力された変位信号に基づいて、伸縮位置の演算が行われ、ステップS113に進む。そして、ステップS113において、制御部127aの微分回路127k(図22参照)により、伸縮速度が算出され、演算された伸縮速度に関する伸縮速度信号が、微分回路127kから出力される。その後、ステップS116およびステップS119に進む。
ここで、第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、ECU127の回路特性は考慮しないので、設定モードにおいて、制御部127aは、速度補正係数を算出していない。このため、リヤサスペンション動作モードにおいて、制御部127aは、第1実施形態とは異なり、ステップS14およびステップS15(図19参照)における伸縮速度補正は行わない。
次に、ステップS116において、制御部127aにより、伸縮速度信号の伸び圧判定が行われ、伸縮速度が正の値か否かが判断される。そして、ステップS116において、伸縮速度が正の値であると判断された場合には、ステップS117に進む。また、ステップS16において、伸縮速度が正の値でないと判断された場合には、ステップS118に進む。
また、ステップS119において、ユーザがUP/DOWNスイッチ9d(図29参照)を押圧することにより発生するテーブル選択信号が、制御部127aに入力されたか否かが判断される。そして、ステップS119において、テーブル選択信号が制御部127aに入力されたと判断された場合には、ステップS120に進む。また、ステップS119において、テーブル選択信号が制御部127aに入力されていないと判断された場合には、ステップS121に進む。
そして、ステップS120において、制御部127aにより、テーブル選択信号に対応する減衰力テーブル58(図29参照)に切り替えられるとともに、テーブル選択信号に対応する減衰力テーブル58が走行モード記憶部127g(図29参照)から読み出される。その後、ステップS123に進む。また、テーブル選択信号が制御部127aに入力されていないと判断された場合には、ステップS121において、制御部127aにより、現在選択されている減衰力テーブル58が走行モード記憶部127gから読み出される。その後、ステップS122に進む。この際、ステップS120およびS121において、フロントフォーク動作モードと同様の減衰力テーブル58が読み出される。
次に、ステップS122において、制御部127aにより、ステップS113において算出された伸縮速度信号が、ステップS120またはS121において読み出された減衰力テーブル58に適用されることによって、リヤサスペンション40(図22参照)における減衰力が算出される。その後、ステップS123に進む。
次に、ステップS123において、減衰力−電流マップ59(図29参照)が読み出され、ステップS124において、ステップS113において算出された伸縮速度信号と、ステップS122において算出された減衰力とが、ステップS123において読み出された減衰力−電流マップ59に適用されることによって、減衰力信号が決定される。その後、ステップS125およびステップS127に進む。
また、ステップS117において、制御部127aにより、補正係数記憶部127dから伸長側補正係数161d(図22参照)が読み出される。その後、ステップS125に進む。
ここで、第2実施形態では、ステップS125において、制御部127aにより、ステップS124において決定された減衰力信号が、ステップS117において読み出された伸長側補正係数161dによって補正される。その後、ステップS126に進む。
そして、ステップS126において、制御部127aによって、補正された伸長側の減衰力信号が、伸長側出力回路127l(図29参照)に入力されるとともに、伸長側出力回路127lから、伸長側制御電流が伸長側バルブ26に出力される。そして、フロントフォーク動作モードにおける制御部127aの処理動作が終了される。
また、ステップS116において、制御部127aにより、伸縮速度が正の値でないと判断された場合には、ステップS118において、制御部127aにより、補正係数記憶部127dから圧縮側補正係数161e(図22参照)が読み出される。その後、ステップS127に進む。
ここで、第2実施形態では、ステップS127において、制御部127aにより、ステップS124において決定された減衰力信号がステップS118において読み出された圧縮側補正係数161eによって補正される。その後、ステップS128に進む。
そして、ステップS128において、制御部127aによって、補正された圧縮側の減衰力信号が、圧縮側出力回路127m(図29参照)に入力されるとともに、圧縮側出力回路127mから、圧縮側制御電流が圧縮側バルブ25に出力される。そして、リヤサスペンション動作モードにおける制御部127aの処理動作が終了される。
なお、第2実施形態のその他の動作は、上記第1実施形態と同様なので、その説明を省略する。
第2実施形態では、上記のように、制御部127aにより、圧縮側バルブ25、伸長側バルブ26、圧縮側バルブ50および伸長側バルブ51の減衰力特性と、ストロークセンサ24および49の検出特性とに基づいて、フロント補正係数160およびリヤ補正係数161を決定することによって、制御部127aにより、容易に、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御することができる。また、フロント補正係数160およびリヤ補正係数161によって、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御部127aにより制御するように構成することによって、容易に、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御することができる。また、第1実施形態における速度補正係数60aおよび61aを用いていないので、動作モードにおいて、制御部127aにより、速度補正は行われない。これにより、第1実施形態と比べて、減衰力のばらつきの抑制の程度は小さくなるものの、制御部127aにおける負担をより軽減することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、フロントフォーク動作モードおよびリヤサスペンション動作モードにおいて、制御部127aにより、補正係数テーブル記憶部127fの伸長側補正係数テーブル157dに基づいて伸長側補正係数160dおよび161dを決定することによって、補正係数テーブル記憶部127fに記憶されている伸長側補正係数テーブル157dから、伸長側補正係数160dおよび161dを選択するだけであるので、複雑な計算を行う必要がない。これにより、制御部127aの設定モードにおける負担を軽減することができる。また、制御部127aにより、伸長側補正係数160dおよび161dによって伸長側出力回路127iおよび127lに入力される減衰力信号を補正することにより、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御するように構成することによって、伸長側補正係数160dおよび161dをフロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力の算出に反映させることができるので、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40において所望の減衰力を得ることができる。
また、第2実施形態では、上記のように、フロントフォーク動作モードおよびリヤサスペンション動作モードにおいて、制御部127aにより、補正係数テーブル記憶部127fの圧縮側補正係数テーブル157eに基づいて圧縮側補正係数160eおよび161eを決定することによって、補正係数テーブル記憶部127fに記憶されている圧縮側補正係数テーブル157eから、圧縮側補正係数160eおよび161eを選択するだけであるので、複雑な計算を行う必要がない。これにより、制御部127aの設定モードにおける負担を軽減することができる。また、制御部127aにより、圧縮側補正係数160eおよび161eによって圧縮側出力回路127jおよび127mに入力される減衰力信号を補正することにより、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力を制御するように構成することによって、圧縮側補正係数160eおよび161eをフロントフォーク14およびリヤサスペンション40の減衰力の算出に反映させることができるので、フロントフォーク14およびリヤサスペンション40において所望の減衰力を得ることができる。
なお、今回開示された第1および第2実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、減衰機構の減衰力特性に基づいて減衰力を制御する制御部を車両に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、減衰機構の減衰力特性に基づいて減衰力を制御する制御部を車両以外に適用してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、減衰機構の減衰力特性に基づいて減衰力を制御する制御部を備えた車両の一例として自動二輪車を示したが、本発明はこれに限らず、減衰機構の減衰力特性に基づいて減衰力を制御する制御部を備えた車両であれば、自動車、自転車、三輪車、ATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)などの他の車両にも適用可能である。
また、上記第1および第2実施形態では、減衰機構として、伸長側バルブと圧縮側バルブとを用いる例を示したが、本発明はこれに限らず、1つのバルブを減衰機構として用いてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、フロントフォークおよびリヤサスペンションを組立工程後にフロントフォークおよびリヤサスペンションの性能測定工程を行う例を示したが、本発明はこれに限らず、図30に示すように、伸長側バルブ、圧縮側バルブおよびストロークセンサのそれぞれ性能測定工程の後に、フロントフォークおよびリヤサスペンションの組立工程を行ってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、検出部は、伸縮量(ストローク)を検出するストロークセンサからなる例を示したが、本発明はこれに限らず、検出部は、減衰力を決定するためのデータを検出するように構成されていればよい。たとえば、検出部は、フロントフォークおよびリヤサスペンションの加速度を検出する加速度センサでもよいし、フロントフォークおよびリヤサスペンションの内部の圧力の変化を検出する圧力センサでもよい。その際、制御部の動作モードにおける減衰力の算出方法も適宜変更される。
また、上記第1および第2実施形態では、フロントフォークの右側フロントフォークにストロークセンサを設け、左側フロントフォークに伸長側バルブおよび圧縮側バルブを設けた例を示したが、本発明はこれに限らず、左側フロントフォークにストロークセンサを設け、右側フロントフォークに伸長側バルブおよび圧縮側バルブを設けてもよいし、フロントフォークのどちらか一方に、ストロークセンサ、伸長側バルブおよび圧縮側バルブをまとめて設けてもよい。また、フロントフォークを一つのみ設け、そのフロントフォークにストロークセンサ、伸長側バルブおよび圧縮側バルブを設けてもよい。
また、上記第1実施形態では、設定モードにおいて、制御部が、圧縮側バルブおよび伸長側バルブの減衰力特性と、ストロークセンサの検出特性と、微分回路の速度変換回路特性と、伸長側出力回路および圧縮側出力回路の出力回路特性とに基づいて、補正係数を決定するとともに、補正係数によって、フロントフォークおよびリヤサスペンションの減衰力を制御した例を示したが、本発明は、これに限らず、補正係数を求めずにフロントフォークおよびリヤサスペンションの減衰力を制御してもよい。
また、上記第2実施形態では、設定モードにおいて、制御部が、圧縮側バルブおよび伸長側バルブの減衰力特性と、ストロークセンサの検出特性とに基づいて、補正係数を決定するとともに、補正係数によって、フロントフォークおよびリヤサスペンションの減衰力を制御した例を示したが、本発明は、これに限らず、補正係数を求めずにフロントフォークおよびリヤサスペンションの減衰力を制御してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、設定モードにおいて、制御部が、補正係数テーブルに基づいて、補正係数を決定するように構成した例を示したが、本発明は、これに限らず、補正係数テーブルに基づいて、補正係数を決定しなくてもよい。また、上記第1および第2実施形態で示した補正テーブルの値は本発明の一例であり、別の値でよい。
また、上記第1実施形態では、性能測定工程においてフロントフォーク、リヤサスペンションおよびECUを特性ごとに3つに分類する例を示したが、本発明はこれに限らず、2つまたは4つ以上に分類してもよい。
また、上記第2実施形態では、性能測定工程においてフロントフォークおよびリヤサスペンションを特性ごとに3つに分類する例を示したが、本発明はこれに限らず、2つまたは4つ以上に分類してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ストロークセンサ、圧縮側バルブおよび伸長側バルブの性能測定の分類結果を、フロントフォークおよびリヤサスペンションの表面にバーコード化して読み出した例を示したが、本発明はこれに限らず、性能測定の分類結果をバーコード化して読み出すことに限られない。たとえば、性能測定工程の分類結果を書き込んだQRコードやICタグを、読み取り機によって読み出し可能なようにフロントフォークおよびリヤサスペンションに配置してもよいし、フロントフォークおよびリヤサスペンションの表面に視認可能なように貼り付けられている性能測定工程の分類結果を、ユーザが手動でECUに入力するようにしてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、センサ分類、伸長側バルブ分類および圧縮側バルブ分類を、フロントフォークおよびリヤサスペンションに読み取り可能に表示した例を示したが、本発明は、これに限らず、フロントフォークおよびリヤサスペンションに読み取り可能に表示せずに、センサ分類、伸長側バルブ分類および圧縮側バルブ分類を、それぞれ分類した際にECUに書き込むようにしてもよい。