JP2010012717A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】飛翔電極に付着する画像形成剤を低減できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成剤を担持する剤担持体と、複数の開口部が形成され剤担持体に対向する開口部形成部材と、複数の開口部それぞれに対応させて開口部形成部材の剤担持体に対向する側の面の開口部周囲に設けられ剤担持体から画像形成剤を飛翔させる電界を形成する複数の飛翔電極と、剤担持体と開口形成部材との間に設けられ剤担持体上の画像形成剤をクラウド化するクラウド電極と、開口部形成部材を介して剤担持体に対向し剤担持体から飛翔した画像形成剤を引き寄せる電界を形成する対向電極とを備えた画像形成装置において、複数の開口部それぞれに対応させて上記対向する側の面の開口部周囲に飛翔電極を介して複数の外周電極を設け、対向電極と外周電極との間に飛翔した画像形成剤が外周電極側から開口部を通り対向電極側に向かって移行する電界を形成するように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、飛翔電界の形成によって剤担持体から選択的に飛翔させた画像形成剤を、微小開口部を通して記録部材上に付着させて画像を形成する画像形成装置に関するものである。
従来の画像形成装置として、トナージェット、ダイレクトトーニング、トナープロジェクションなどと称される直接記録方式の画像形成方法を採用した画像形成装置(以下、直接記録方式の画像形成装置という)が知られている(特許文献1など)。この種の画像形成装置は、電子写真プロセスのように静電潜像をトナー等の画像形成剤で現像するというようなことは行わず、記録紙や転写体に対し、飛翔させた画像形成剤を付着させて画像を直接記録するものである。
図19は、従来の直接記録方式の画像形成装置における要部構成の一例を示す構成図である。図19において、剤担持体としてのトナー担持ローラ501は、その軸線を図中左右方向に延在させるように配設され、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられながら、帯電済みのトナーTをその表面に担持する。このトナー担持ローラ501の下には、複数の孔502を形成する穴形成部材としてのフレキシブルプリント基板(以下、FPCという)503が配設されている。FPC503は、各孔502を囲むようにトナー担持ローラ501との対向面側に形成されたリング状の複数の飛翔電極504を備えている。
そして、FPC503の下方には、これを介してトナー担持ローラ501に対向する対向電極506と、この対向電極506上で搬送手段によって搬送される記録紙507とが配設されている。なお、図19においては、便宜上、孔502及び飛翔電極504をそれぞれ1つずつしか示していないが、実際には、FPC503にこれらの組み合わせが複数形成されている。具体的には、例えば600dpi用のFPC503では、これらの組み合わせが4960個形成されている。
トナー担持ローラ501は、例えば接地された状態で、マイナス極性に帯電したトナーTをクラウド状態で表面に担持する。飛翔電極504にプラス極性の飛翔電圧が印加されると、飛翔電極504と対向する位置にあるトナー担持ローラ501の表面付近で浮遊しているトナーTや、これの近傍で浮遊しているトナーTなどに所定強度の電界が作用する。この電界の作用により、トナーTがトナー担持ローラ501から選択的に飛翔して孔502内に進入する。そして、孔502内に進入したトナーTは、プラス極性の対向バイアスが印加された対向電極506によって形成される電界に引かれて飛翔を続け、孔502を通過し記録紙507の表面に付着してドット画素像となる。
特開昭59−181370号公報
トナー担持ローラ501の表面付近に浮遊しているマイナス極性に帯電したトナーTが孔502に向かって飛翔した際に、プラス極性の飛翔電圧が印加された飛翔電極504に引きつけられると、その引きつけられたトナーTが図19に示すように飛翔電極504の表面に付着する。経時で飛翔電極の表面にトナーTが付着し堆積すると、飛翔電極によって形成されるトナーTを飛翔させる電界が弱まってしまい、飛翔効率が低下してしまう。そのため、経時で孔502を通過するトナーTの通過量が変化し、所望の画像濃度が得られなくなるといった問題が生じる。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、飛翔電極に付着する画像形成剤を低減させることができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像形成剤を担持する剤担持体と、複数の開口部が形成され、該剤担持体に対向するように配設された開口部形成部材と、該複数の開口部それぞれに対応させて該開口部形成部材の該剤担持体に対向する側の面における開口部周囲に設けられ、該剤担持体から画像形成剤を選択的に飛翔させるような電界を形成するための複数の飛翔電極と、該剤担持体と該開口形成部材との間に設けられ該剤担持体に担持された画像形成剤を静電気力によってクラウド化するためのクラウド電極と、該開口部形成部材を介して該剤担持体に対向するように配設され、該剤担持体から飛翔した画像形成剤を引き寄せるような電界を形成するための対向電極とを備え、画像情報に基づいて、該飛翔電界の形成によって該剤担持体から選択的に飛翔させた画像形成剤を、該開口部を通して該対向電極側に移行させた後、記録部材上に付着させて画像を形成する画像形成装置において、該複数の開口部それぞれに対応させて該対向する側の面における開口部周囲に該飛翔電極を介して設けられた複数の外周電極を有しており、該対向電極と該外周電極との間に、該飛翔した画像形成剤が該外周電極側から該開口部を通り該対向電極側に向かって移行するような電界を形成するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記クラウド電極に対して画像形成剤が反発する力が作用する電圧Vsを該クラウド電極に印加し、上記飛翔電極に対し画像形成剤が上記開口部を通過可能な状態にするときに電圧Vc−onを印加し、上記外周電極に電圧Vgを印加し、上記対向電極に電圧Vpを印加するとき、画像形成剤が該開口部を通過可能な状態にするときの各電位の関係は、Vp>Vc−on>Vs>Vgであって、画像形成剤が負極性に帯電している場合は該電圧Vpの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、画像形成剤が正極性に帯電している場合は該電圧Vpの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定であることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、画像形成剤が上記開口部を通過不可能な状態にするときには、上記飛翔電極に対して電圧Vc−offを印加し、画像形成剤が該開口部を通過不可能な状態にするときの各電位の関係は、Vs>Vg、且つ、Vs>Vc−offであって、画像形成剤が負極性に帯電している場合は該電圧Vsの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、画像形成剤が正極性に帯電している場合は該電圧Vsの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定であることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記クラウド電極に対して画像形成剤が反発する力が作用する電圧Vsを該クラウド電極に印加し、上記飛翔電極に対し画像形成剤が上記開口部を通過可能な状態にするときに電圧Vc−onを印加し、上記外周電極に電圧Vgを印加し、上記対向電極に電圧Vpを印加するとき、上記剤担持体の表面及びクラウド電極近傍に画像形成剤が存在している状態で該飛翔電極側から該剤担持体側を見たときの画像形成剤による電位をVtとすると、画像形成剤が該開口部を通過可能な状態にするときの各電位の関係は、Vp>Vc−on>(Vs+Vt)>Vgであって、画像形成剤が負極性に帯電している場合は該電圧Vpの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、画像形成剤が正極性に帯電している場合は該電圧Vpの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項4の画像形成装置において、画像形成剤が上記開口部を通過不可能な状態にするときには、上記飛翔電極に対して電圧Vc−offを印加し、画像形成剤が該開口部を通過不可能な状態にするときの各電位の関係は、(Vs+Vt)>Vgであり、且つ、(Vs+Vt)>Vc−offであって、画像形成剤が負極性に帯電している場合は(Vs+Vt)の電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、画像形成剤が正極性に帯電している場合は(Vs+Vt)の電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定であることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、上記クラウド電極がワイヤー部材であることを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、上記画像形成剤は磁性キャリアとトナーとからなる二成分画像形成剤であり、上記剤担持体は磁性部材を内包するマグネットローラであり、上記クラウド電極に交流成分を含む電圧を印加して、該剤担持体と該クラウド電極との間に電界を形成し、その電界によって該剤担持体上に担持されたトナーのクラウド化を行うように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、上記画像形成剤はトナーを含む一成分画像形成剤であり、上記クラウド電極に交流成分を含む電圧を印加して、上記剤担持体と該クラウド電極との間に電界を形成し、その電界によって該剤担持体上に担持されたトナーのクラウド化を行うように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、上記画像形成剤は磁性キャリアとトナーとからなる二成分画像形成剤であり、上記剤担持体にトナーを供給する、磁性部材を内包しローラ表面にトナーを担持するマグネットローラを有しており、上記クラウド電極に交流成分を含む電圧を印加して、該剤担持体と該クラウド電極との間に電界を形成し、その電界によって該剤担持体上に担持されたトナーのクラウド化を行うように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、上記複数の開口部それぞれに対応させて上記開口部形成部材の上記対向電極に対向する側の面における開口部周囲に個別背面電極が設けられており、上記飛翔電極と該個別背面電極とに常時同電位の電圧を印加するように構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記飛翔電極と上記個別背面電極とが上記開口部の内壁面を介して導通していることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項10の画像形成装置において、上記飛翔電極と上記個別背面電極とが上記開口部の内壁面以外の箇所で導通していることを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、異なる色の画像形成剤を記録部材上で重ね合わせて該記録部材上にカラー画像を形成するように構成したことを特徴とするものである。
本発明においては、対向電極と外周電極との間に、剤担持体から飛翔した画像形成剤が外周電極側から開口部を通り対向電極側に向かって移行するような電界が形成される。ここで、この電界の状態を表す電気力線は、上記開口部を通り、且つ、飛翔電極をまたぐように剤担持体と開口部形成部材との間の空間を通って、対向電極と外周電極との間に形成される。そのため、剤担持体から飛翔電極に向かって飛翔してきた画像形成剤は、飛翔電極に達する前に上記電気力線に達し、その電気力線に沿って外周電極側から上記開口部を通り対向電極に向かって移行される。よって、剤担持体から飛翔した画像形成剤が飛翔電極に到達し難くなり、飛翔電極に付着する画像形成剤を低減させることができる。
以上、本発明によれば、飛翔電極に付着する画像形成剤を低減させることができるという優れた効果がある。
[実施形態1]
以下、直接記録方式の画像形成装置に本発明を適用した第1の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る画像形成装置の要部構成を示したものである。この要部構成においては、トナーTを担持するローラ状のトナー担持体1と、トナーTが付着させられる記録媒体3と、トナー担持体1と記録媒体3との間に配置された複数のトナー通過孔41を有するトナー制御手段4とを備えている。
トナー担持体1は、表面に予め電荷を与えられたトナーTを薄層を有し、トナー担持体1が回転することでトナーTが搬送される。このトナー担持体1から僅かに離間した位置にクラウド電極11を有し、このクラウド電極11とトナー担持体1との間にACパルスを含むクラウドバイアス(Vw)を電源5によって印加してトナーTのクラウド化(トナーが浮遊している状態)を行う。クラウド電極11としては、後述する制御電極42の幅方向に相当する領域にΦ0.05〜0.1[mm]のワイヤを1本または複数本設けた構成、または0.05〜0.1[mm]のワイヤをメッシュ状に編んだ構成であってもよい。このクラウド電極11とトナー担持体1との間隔は0.02〜0.06と非常に近接した距離に設定することでトナー担持体表面のトナーTを剥離するための電界を形成してクラウド化が可能となる。
クラウド電極11のトナー搬送方向の幅について、トナー制御手段4のトナー通過孔41の列数に応じた構成とし、ワイヤの場合は1本から4本程度で必要なトナークラウドが得られる。
図1に示す要部構成の例において、クラウド電極11とトナー担持体1との間に印加するACパルスを含むクラウドバイアスは、トナー担持体1に電源9によって+200[V]のDCバイアスを印加し、クラウド電極11に電源5によって+200V±250Vpp(+450〜−50[V]のパルス電圧)を印加する構成である。このACバイアスの電位差は、トナー担持体表面に付着しているトナーTを剥離すると同時にワイヤに付着するトナーTを剥離する作用もあり、一定値以上の電界強度が必要である。また、クラウドバイアス値が高すぎる場合は、放電の発生、またトナーTのクラウド高さが高くなりトナー制御手段表面へのトナー付着が発生する。したがって、クラウド電極11とトナー担持体1の間隔0.02〜0.06ではACバイアス値は±100Vpp〜±1000[V]で可能である。
図1に示す要部構成の例において、トナー担持体1が+200[V]のDCバイアス、クラウド電極11が+200[V]±250Vpp(+450〜−50[V]のパルス電圧)を印加しているが、この逆の構成、または必要に応じてそれぞれのDC電圧を可変して与えた構成であってもよい。
またクラウドバイアスの切り替え周波数fは、トナーTのクラウド化の効率とトナー飛翔の応答性から1〜12[kHz]の様な範囲から設定すれば良い。
以上より、トナーTをクラウド化する手段を構成している。
トナー制御手段4は、トナーTが通過可能なトナー通過孔(開口)41が複数設けられ、このトナー制御手段4のトナー供給側面(トナー担持体1側の面)の各トナー通過孔41周辺には各トナー通過孔41に対して個別的にリング状に制御電極(個別制御電極、個別電極ともいう)42が設けられ、更にトナー通過孔41に対し制御電極42の外側に絶縁領域を介して複数のトナー通過孔41に共通の共通電極43が設けられている。なお、「共通の」とは同じ電位が印加されること、ないし、電気的に繋がっていることを意味する。
このトナー制御手段4の制御電極42には、制御パスル発生手段6から例えば図2に示すような制御パルスVcが印加される。この場合、トナー通過孔41をトナーTが通過可能な状態(ON状態)にするときには制御電極42に電圧Vc−onが印加され、トナーTが通過不可能な状態(OFF状態)にするときには制御電極42に電圧Vc−offが印加される。また、共通電極43には常時電源手段7から電圧Vgが印加される。トナー制御手段4の制御電極42は、トナー通過孔41周囲だけでも動作が可能であるが、トナー通過孔41の内壁面又はトナー通過孔41の内壁面とトナー担持体1側の周囲の両方に設けたものであってもよい。
記録媒体3側には、記録媒体3の背面に、トナー制御手段4を通過したトナーTを記録媒体3に付着させるためのバイアス電圧が印加されるバイアス電圧印加手段となる電極手段としての背面電極31が配置され、トナー通過孔41を通ってトナー制御手段4を通過したトナーTを記録媒体3に付着させるため、バイアス電源手段8からのバイアス電圧Vpが印加される。
この記録媒体3は、この上に一度画像を形成し、その後紙に転写する中間転写記録媒体、あるいは、記録紙であってもよい。
この記録媒体3に対するバイアス電圧Vpの印加は、例えば記録媒体3の背面側(トナー担持体1と反対側面)に背面電極31を配置し、この背面電極31上面に記録媒体3を通過させる構成、あるいは、中間転写記録媒体であれば内部に電極を埋め込んだ構成(記録媒体側の電極を内部電極とする構成)又は中間転写記録媒体の背面に背面電極31を配置した構成とすることができる。
次に、トナー制御手段4の具体的構成の一例について、図3を参照して説明する。なお、図3(a)はトナー制御手段4の印写面側の説明図、(b)はトナー制御手段4のトナー供給側面の説明図である。
この例は、絶縁基板(基材)45のトナー供給側(トナー担持体11側)面に、トナー通過孔41を囲む形で10〜100[μm]幅のリング状の制御電極42を設け、この制御電極42から20〜50[μm]の間隔を置いて、つまり、絶縁基材45で形成される絶縁領域を介して、制御電極42と同一面に、複数のトナー通過孔41に共通のバイアス電圧Vgを印加する共通電極43を設けた構成である。
トナー通過孔41は、形成するドット径のサイズで決定するが直径φ30[μm]〜φ150[μm]である。制御電極42は個々にトナーTの通過をON、OFF制御するためのドライバ回路(駆動回路)に接続するためのリードパターン42aが接続され、また共通電極43は共通のリードパターン43aに接続されている。また、絶縁基板45の印写面側(記録媒体3側の面)はトナー通過孔41が開口した状態である。
このように、トナー制御手段4の共通電極43は、制御電極42の外側を絶縁領域を介してリング状に囲む形状である構成とすることで、記録媒体3側のバイアス電圧と制御電極42外側の共通電極43との間に形成する電気力を各トナー通過孔独立の電気力線として形成できるため、マルチ駆動(複数のトナー通過孔41からトナーを飛翔させる駆動)のときの相互干渉(他のトナー通過孔41の状態を受けること)が発生しない。
また、トナー制御手段4の制御電極42と共通電極43を同一面上形成することで、一回の製造プロセスで同時に形成でき、精度よく低コストに電極を作ることができる。
また、トナー制御手段4の具体的構成の他の例について図4を参照して説明する。なお、図4(a)はトナー制御手段4の印写面側の説明図、(b)はトナー制御手段4のトナー供給側面の説明図である。この例は、絶縁基板(基材)45のトナー供給側(トナー担持体11側)面に、トナー通過孔41を囲む形で10〜100[μm]幅のリング状の制御電極42を設け、この制御電極42から20〜50[μm]の絶縁領域の間隔を置いて複数のトナー通過孔41に共通のバイアス電圧Vgを印加する共通電極43が空いたスペース全体を覆うようにベタ状に設けられた構成としている。
このように、トナー制御手段4の共通電極43は、制御電極42の外側に絶縁領域を介してベタ状に設けられている構成、つまり、共通電極43を制御電極42の外側領域全体にわたり形成することで、記録媒体3側のバイアス電圧の電界をシールドすることができ、かつ制御電極42へのトナー付着低減、およびトナーTの利用効率向上を図れる。
このようなトナー制御手段4の具体的製造方法は、基材45である絶縁性部材として、コスト、製造プロセスの観点から樹脂フィルム、例えば、ポリイミド、PET、PEN、PES等で、厚さは30[μm]〜100[μm]のものを使用し、まずフィルム面に0.2[μm]〜1[μm]のAl蒸着膜を形成する。次に、フォトリソ工程で、フォトレジストをスピンナで塗布後、プリベーク、マスク露光を行ない、現像した後、フォトレジストの加熱硬化を進めた後、Alエッチング液によるAlのパタンニングを行う。
フィルムの裏面にも電極パターンが必要な場合は上記と同様に可能であるが、穴加工用のマスクとして使用するパターンを裏面に形成してもよい。トナー通過孔41となる貫通孔の形成は、パターン形成後プレスによる機械的な加工、または裏面に形成したパターンを利用したエキシマレーザー加工、またはスパッタエッチング加工等のドライエッチング加工によれば、位置ずれの無い高精度な孔加工が可能である。
このように構成した画像形成装置においては、トナーTをクラウド化するために印加するクラウドバイアスを印加することによって、トナー担持体1上でトナーTが飛翔してクラウド化され、トナー担持体1の回転による搬送によってトナーTが搬送される。一方、記録媒体3側の背面電極31に印写バイアス電圧Vpが印加される。
この状態で、トナー制御手段4の共通電極43に対して電圧Vgを印加し、制御電極42に対してトナーTがトナー通過孔41を通過可能な状態(ON状態)にするときには図2に示すON時の電圧Vc−onを印加し、トナーTがトナー通過孔41を通過不可能な状態(OFF状態)にするときには図2に示すOFF時の電圧Vc−offを印加する。
この場合、これらの各電極11,31,42,43に対する電圧を後述するように設定することで、トナー制御手段4をトナー担持体1のトナーTが記録媒体3に向かって通過可能な状態にするときに、記録媒体3側とトナー制御手段4の共通電極43との間に、トナーTの通過を制御する制御電極42をまたいでループ状に電気力線10が形成される。
これにより、トナー担持体1上でクラウド化しているトナーTは電気力線10による電界に乗ってトナー制御手段4のトナー通過孔41を通過して記録媒体3上に着弾する。したがって、画像に応じてトナー制御手段41の各トナー通過孔41をON/OFF制御(開閉制御)することで、記録媒体3上に直接トナー画像を形成することができる。
そして、記録媒体3側とトナー制御手段4の共通電極43との間にトナーTの通過を制御する制御電極42をまたいでループ状に電気力線10が形成されることから、制御電極42やトナー通過孔41周辺へのトナーの付着が低減され、またトナーTをクラウド化していることでトナーTの利用効率が向上する。
そこで、クラウド電極11側からトナーが反発する力が作用するクラウド電極11に対する電圧をVsとし、記録媒体3側の電極31に対する電圧Vp、トナー制御手段4の制御電極42に対する制御パルス電圧Vc、共通電極43に対する電圧Vgについて、図5を参照して説明する。なお、図5は、トナー担持体1、クラウド電極11、トナー制御手段4、記録媒体3の二次元断面電界強度分布のシミュレーション結果に基づくトナー通過孔41を通過する電気力線を示す説明図である。
クラウド電極11にAC成分を含むクラウドバイアスとして+200[V]±250Vpp(+450〜−50[V]のパルス電圧)を印加を印加するが、図5のシミュレーションはクラウド電極11が−50[V]でトナーが反発する電位にある。トナー担持体1は+DC200[V]で、クラウド電極11に印加するパルス電位の平均電位を与えている。
なお、トナー担持体1とトナー制御手段4との間隔dは0.5[mm]、トナー担持体1とクラウド電極11との間隔は0.025[mm]、クラウド電極11のワイヤーの断面形状は0.06[mm]×0.06[mm]の正方形であり、直径0.06[mm]の円形状に近似してシミュレーションを行っている。
また、この例では、トナー制御手段4のトナー通過孔41の直径φ100[μm]、リング状の制御電極42の孔中心方向の幅は50[μm]、制御電極42は共通電極43の間隔は40[μm]である。
このトナー制御手段4の共通電極43へのバイアスVgはDC−125[V]であり、共通電極43の電位と、トナー担持体1の電位(+200[V])及びクラウド電極手段の電位Vs(−50[V])との関係は、トナーTを常に共通電極43から反発する方向のバイアスであるため、この共通電極43面へのトナー付着はない。
そして、トナー制御手段4の制御電極42には、トナーTがトナー通過孔41を通過可能な状態(ON状態)にする場合、制御パルス電圧Vc−onは+50[V]、トナーTを通過させる時以外の阻止状態の(通過不可能な状態にする)場合の電圧Vc−offは−125[V]としている。記録媒体3の背面電極31への電圧Vpはトナー制御手段4と記録媒体3との間隔にもよるが、例えば+200〜+1500[V]のDC電圧を印加すればよい。図5に示すシミュレーションでは、トナー制御手段4と記録媒体3との間隔を0.3[mm]としており、DC+500[V]を印加して、マイナス帯電トナーを記録媒体3の表面に引き寄せる電位勾配としている。
各電極11、31、42、43に印加する電位の関係を以上のように設定することで、マイナスに帯電したトナーTをトナー通過孔41を通過可能な状態にする場合においては、最もプラス側に電位が高い記録媒体3側の電極31から出る電気力線のうち、トナー制御手段4のトナー通過孔41を通る電気力線の多くが、トナー通過孔41を通過した後、一番電位の低い共通電極43に入ることになる。このとき、近接した距離にあるトナー制御手段4の制御電極42と共通電極43とにも175[V]の電位差があるため、その間にも強い電気力線が生じる。
そのため、図5(a)に示すように、トナーTがトナー通過孔41を通過可能な状態(ON状態)にしたときには、先の記録媒体3側の電極31からトナー通過孔41を通る電気力線10は、制御電極42に入ること無く(制御電極42をまたいで)、−125[V]と最も電位の低い共通電極43に多くが入るため、ループ状に拡がった形状となる。つまり、記録媒体3側とトナー制御手段4の共通電極43との間に制御電極42をまたいでループ状に電気力線10が形成される。
したがって、クラウド電極11近傍にあるマイナス帯電トナーTがこの電気力線10に沿ってトナー通過孔41を通過し、記録媒体3の表面に多くのトナーTが移動することができる。
このとき制御電極42には+50[V]が印加され、クラウド電極11の−50[V]との関係は、トナーTを制御電極42へ吸着する関係にあるため、本来であればこの+50[V]が印加されている間に制御電極42表面にトナーが付着するはずであるが、図5(a)のシミュレーションの結果から分かる様に、+50[V]が印加されている制御電極42上方を記録媒体3側電極からトナー通過孔41を通って共通電極43に入る電気力線10が覆っているため、制御電極41へトナーTが付着することが防止される。
一方、トナーTがトナー通過孔41を通過不可能な阻止状態(OFF状態)にした場合、制御電極42には−125[V]が印加され、共通電極43に対する電位と同じ電位であり、クラウド電極11の−50[V]との関係は、クラウド電極11側に反発する関係であり、トナー制御手段4へのトナーTの付着はないし、図5(b)に示すように記録媒体3側電極からの電気力がトナー通過孔41を通り抜ける電気力線もないため、トナーTがトナー通過孔41を通過することもなく、地汚れ画像は発生しない。
なお、阻止状態(OFF状態)の制御電極42への印加電圧は共通電極43の電位と同じ電位である必要はなく、よりマイナス側の電位であってもトナーTの通過を阻止する(OFF状態にする)ことはできる。
また、クラウド電極11がトナーを吸引する電位+450[V]が印加されている状態においては、制御電極42のON時+50[V]、OFF時−125[V]、いずれにおいてもトナーTはクラウド電極11側に吸引する方向にあるため、制御電極42へのトナー付着は発生しない。
このように、トナーTを担持するトナー担持体1と、トナー担持体1のトナーTをクラウド化するためのクラウド電極11と、トナーTが付着させられる記録媒体3と、トナー担持体1と記録媒体3との間に配置され複数のトナー通過孔41を有するトナー制御手段4と、を備え、トナー制御手段4は、トナー担持体側表面に、トナー通過孔41の周囲及び穴内壁の少なくともいずれかにトナーの通過を制御する制御電極42が設けられ、この制御電極42の外側に複数のトナー通過孔41に共通の共通電極43が設けられ、トナー制御手段4のトナー通過孔41をトナー担持体1のトナーTが記録媒体3に向かって通過可能な状態にするとき、記録媒体3側とトナー制御手段4の共通電極43との間に制御電極42をまたいでループ状に電気力線が形成されることにより、トナーTを吸引する電位が印加される制御電極42の表面やその周囲へのトナー付着を大幅に低減でき、トナーTの通過のON/OFFの制御を安定して行うことができるとともに、記録媒体3側のバイアス電圧と制御電極42外側の共通電極43との間に形成される電気力線はトナー担持体1側ではトナー通過孔41の径より大きく広がり、クラウド化されたトナーTを広範囲に捕獲して印写面側に向けて飛翔させることが可能となってトナーTの利用効率が上がり、印刷濃度の確保、印刷速度の向上を図れる。
このように、上述したトナー通過ON時に各電極に対して印加する電圧の電位の関係を、次のように設定することで、記録媒体3側とトナー制御手段4の共通電極43との間に制御電極42をまたいでループ状に電気力線を形成することができる。
つまり、クラウド電極11からトナーTが反発する力が作用するバイアス電圧Vsを印加し、トナー制御手段4の制御電極42に対しトナーTがトナー通過孔41を通過可能な状態にするときに電圧Vc−onを、共通電極43に電圧Vgを印加し、トナーTがトナー通過孔41を通過不可能な状態にするときに電圧Vc−offを印加し、トナー制御手段4のトナー通過孔41を通過したトナーTを記録媒体3に導いてトナーTを記録媒体3に付着させるために記録媒体3側にバイアス電圧Vpを印加するとき、トナーTがトナー通過孔41を通過可能な状態にするときの各電圧の電位の関係は、数1に示すような関係とし、トナーTが負帯電トナーの場合はバイアス電圧Vpの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる関係、正帯電トナーの場合はバイアス電圧Vpの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定とする。
Figure 2010012717
各電極11、31、42、43に対する電位の関係を上述した関係に設定することにより、背面電極31とトナー担持体1との間に直接形成される電気力線が低減され、背面電極31と制御電極42外側の共通電極43との間に電気力を形成することができ、これにより、トナーTを吸引する電圧が印加される制御電極42へのトナー付着を大幅に低減できて、制御電位が安定する。
また、背面電極31と制御電極42外側の共通電極43との間に形成される電気力線は、トナー供給側ではトナー通過孔41の径より大きく広がるため、クラウド化されたトナーTを広範囲に捕獲して印写面側に向けて飛翔させることが可能となり、トナーTの利用効率が上がり、印刷濃度の確保、印刷速度の向上を図ることができる。
さらに、トナー制御手段4の共通電極43はトナーTを常に反発する関係の電位にあるため、トナーTの付着が発生することがなく、共通電極43の電位を一定に保つことが可能となり信頼性の高い画像形成装置を実現できる。
また、トナーTがトナー通過孔41を通過不可能な状態にするときの各電位の関係は、数2に示すような関係であって、トナーTが負帯電トナーの場合はバイアス電圧Vsの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる関係、正帯電トナーの場合はバイアス電圧Vsの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定とすることが好ましい。これにより、トナーがトナー通過孔14を通過しないようにする制御が良好に行える。
Figure 2010012717
ここで、高速印刷のためにトナー担持体1表面のトナー量が多くなった場合、また帯電電荷量が大きいトナーを使用して印刷を行う場合は、トナーTが有する電荷によるトナー電位を無視できなくなり、各電極に印加する電位決定に考慮が必要となる。
具体的に説明すると、トナー担持体1表面の供給トナー量[m/A]([mg/cm])に対するトナー電位の変化は図6に示すようになる。ここでは、トナーTはマイナスに帯電したトナーTの例であり、トナー担持体1表面の単位面積当たりのトナー量が増加するに従って、制御電極42側からみた表面電位はマイナス電位に上昇する。そして、供給したトナーTがトナー担持体1表面に単に付着したままの電位Voに対して、クラウド電極11とトナー担持体1との間に電圧を印加してトナーTがクラウド状態の電位Vtは大きく上昇する。これは、トナーTがトナー担持体1の表面上にあるよりも表面近傍の空間にある方が、個々のトナーの周囲に対する結合静電容量が小さくなり、その結果電位が上昇するためである。
このクラウド状態のトナー電位Vtの測定は、クラウド電極11とトナー担持体1との間にパルス電圧を印加しながら、供給したトナーTをクラウド状態にして、その上方に表面電位計を設定することで、容易に測定することができる。具体的には、クラウド化を起こすパルスを印加して、後述する一成分現像剤または二成分現像剤を担持するローラからトナーTを供給しながらトナー担持体1を回転し、トナー制御手段4が設定される位置にてトナー担持体1表面から2[mm]程度離れた位置に表面電位計を設置して測定する。図6の結果は、帯電電荷量が−15〜−25[μC/g]のトナー供給した場合のVo、そのトナーを飛翔高さがトナー担持体1の表面近傍から200[μm]の範囲でクラウド状態にした場合のトナー電位Vtの場合の例である。
この図6に示す各供給トナー量においてトナー制御手段4によりトナーの通過のON/OFF制御を行って印刷を行った結果、トナー制御手段4の制御電極42及び共通電極43それぞれの表面に付着したトナー量を評価した結果を図7に示している。この図7の結果において、供給トナー量が少ない領域では制御電極42や共通電極43などへのトナー付着はないが、供給トナー量が増加して0.9[mg/cm]ではトナー電位Vtが−80[V]となり、制御電極42へのトナー付着が起き始める。
これは、等価的にクラウド電極11とトナー担持体1との電位がマイナス側に電位上昇してトナー制御手段4の共通電極42との電位差が小さくなった結果、背面電極31から出てトナー通過孔41を通る電気力線のうち、トナー担持体1に直接入る電気力線が増加し、共通電極43へ入るループ状の電気力線が減ったためである。すなわち、ループ状の電気力線が少なくなると、飛翔エネルギーの高いトナーTがループ状の電気力線に乗って印写面の方向に飛翔することなく、ON電圧が印加されている制御電極42まで飛翔するためである。
さらに、供給トナー量が増加して1.2[mg/cm]超えると、トナー電位Vtは−120[V]以上の値となる。この領域では、トナー制御手段4の共通電極43の電圧Vg(−125[V])との電位差がなくなり、飛翔エネルギーを有するトナーTが共通電極43まで到達し始めてトナー付着が起きた結果である。また、制御電極42へのトナー付着量も増えてくる。
これらのトナー付着は、定期的な電極クリーニングの頻度を上げることで、使用できないことはないが、画質低下が発生する。トナー付着が発生しない条件であれば、連続印刷においても画像濃度が低下することなく、信頼性の高い画像記録装置が可能となる。
そこで、トナー量が多い場合、また帯電電荷量が大きいトナーを使用して画像を形成する場合は、各電極に対する電位を、次の条件で設定することで、制御電極42や共通電極43へのトナー付着が回避され、さらにトナー利用効率の向上で画像濃度が低下することなく高速印刷が可能になる。
すなわち、電荷を有するトナーTがトナー担持体1表面から飛翔してクラウド状態にある制御電極42側からみたトナー電位をVtとしたとき(他の条件は上記の条件と同じとする。)、トナーの通過をONさせる場合の各電位の関係は、数3に示すような関係とし、負帯電トナーの場合はVpの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる関係、正帯電トナーの場合はVpの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定とする。
Figure 2010012717
各電極11、31、42、43に対する電位を上記のように設定する、つまり、トナー供給側の電位として、トナー担持体表面のトナーTが飛翔することによる電位も考慮して各電極の電位を適正に設定することで、印刷速度が速い供給トナー量が多い場合、またトナーの帯電電荷量が大きい場合においても、制御電極42などへのトナー付着の低減やトナー利用効率の向上などが図れ、高濃度、高速印刷の画像形成装置を実現することができる。この場合、トナーTをクラウド化していない(パルスを印加していない)状態でも、上述した電位の関係に設定することで、制御電極42などにトナー付着が発生しないため、信頼性が向上する。
これにより、背面電極31からトナー制御手段4の共通電極43に向けて形成されるループ状の電気力線を強いものとし、クラウド化されたトナーTを印写面に向けてより多く飛翔させることができ、高速、高品質のドット形成が可能となる。
なお、上記の例では、クラウド電極11にクラウドパルスを印加してトナーTがクラウド状態にある場合の条件について説明したが、トナーを飛翔させていない状態の制御電極42側からみたトナーTによる電位をVtとしたとき前記と同条件に設定することで、制御電極42などへのトナー付着を回避する効果がある。つまり、クラウドパルスの印加をOFFしてトナーTのクラウドが無い状態においても、僅かなトナーが浮遊している。この僅かな浮遊トナーの電位は無視できるが、トナー担持体表面に着地して乗っているトナー電位があり、この電位Vtを考慮した(Vs+Vt)も前記と同条件の範囲に設定することで、同じ効果が得られる。
また、トナーの通過をOFFさせる場合の各電位の関係は、数4に示すような関係とし、負帯電トナーの場合は(Vs+Vt)の電位の絶対値がプラス電位側に高くなる関係、正帯電トナーの場合は(Vs+Vt)の電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる関係に設定する。これにより、トナーがトナー通過孔14を通過しないようにする制御が良好に行える。
Figure 2010012717
上述したように、本実施形態では、トナーTを担持するトナー担持体1と、トナー担持体1のトナーTをクラウド化するためのクラウド電極11に時間的に変動する電圧を印加する。ここで、トナー制御手段4の共通電極43がない場合や各電極へ印加する電圧の電位の設定が上述した範囲に無い場合などには、制御電極42などへのトナー付着が急速に発生する等、信頼性の低下は避けられない。また、クラウド化したトナーTの利用効率が非常に低下するため、画像濃度の確保、高速印刷の画像形成装置を達成することはできなくなる。
[実施形態2]
次に、直接記録方式の画像形成装置に本発明を適用したの第2の実施の形態について図面を参照して説明する。図8は、本実施形態に係る画像形成装置の要部構成を示したものである。なお、実施形態1と共通する構成については、その説明を省略する。また、特に記載しない場合は、トナーTを負帯電トナーとする。
本実施形態において、トナー制御手段4には、前述したようにトナーTが通過可能なトナー通過孔(開口)41が複数設けられ、このトナー制御手段4のトナー供給側面(トナー担持体1側の面)の各トナー通過孔41周辺には各トナー通過孔41に対して個別的にリング状に制御電極42が設けられ、トナー通過孔41に対し制御電極42の外側に絶縁領域を介して複数のトナー通過孔41に共通の共通電極43が設けられている。
さらに、このトナー制御手段4の記録媒体3側面(記録媒体3側の面)の各トナー通過孔41周辺には、各トナー通過孔41に対して個別的に、個別背面電極44が設けられ、この個別背面電極44には常時、制御電極42と同じ電位Vc(=Vr)が印加されている。
このようなトナー制御手段4の具体的構成の一例について図9を参照して説明する。
このトナー制御手段4は、図9(b)に示すように、絶縁基板(基材)45のトナー供給側(トナー担持体11側)面に、図4で説明したのと同様に、トナー通過孔41を囲む形で10〜100[μm]幅のリング状の制御電極42を設け、この制御電極42から20〜50[μm]の絶縁領域の間隔を置いて複数のトナー通過孔41に共通のバイアス電圧Vgを印加する共通電極43が空いたスペース全体を覆うようにベタ状に設けられている。
一方、図9(a)に示すように、絶縁基板45の記録媒体3側(印写面側)にはトナー通過孔41を囲む形でリング状の個別背面電極44が設けられている。この個別背面電極44は例えばAl蒸着で形成されている。
なお、その他のトナー担持体1、記録媒体3などの構成については実施形態1の構成と同じであるので説明を省略する。
本実施形態においても、実施形態1と同様に、各電極11、31、42、43に対する電位の関係を上述した関係に設定することにより、背面電極31とトナー担持体1との間に直接形成される電気力線が低減され、背面電極31と制御電極42外側の共通電極43との間に電気力線を形成することができ、これにより、トナーTを吸引する電圧が印加される制御電極42へのトナー付着を大幅に低減できて、制御電位が安定する。
このように構成したトナー制御手段4の制御電極42に対する電位Vc、共通電極43に対する電位Vg、個別背面電極44に対する電位Vrとして、それぞれ+50[V]、−125[V]、+50[V]を印加し、トナー担持体1にDC+200[V]、クラウド電極11に−50[V]の電圧を印加したときの電極電界分布のシミュレーション結果を図10(a)に示している。
この結果、トナーTがトナー通過孔41を通過可能な状態(ON状態)にするとき、クラウド状態のトナーTを取り込んで印写面側に飛翔させるループ状の電界(電気力線10)は、前述した図5(a)の場合(個別背面電極44がない場合)に比べて、幅が広く、トナー通過孔41を通過する電気力線10の量が多いことが分かる。
これは、図5(a)の場合には、共通電極43の電圧Vgの電界が印写面側に作用し、印写面側のトナー通過孔41近傍にも作用して印写バイアスVpからの電気力線の通過量を制限しているのに対し、図10(a)の例では個別背面電極44の電圧Vrが電圧Vcと同じ電位で、トナー制御手段4の印写面側のトナー通過孔41近傍の表面電位が図5(a)の場合に比較して高い電位であるため、トナー通過孔41を通過する電気力線が多くなった結果である。
また、図10(b)は制御電極42に対する電位Vc、共通電極43に対する電位Vg、個別背面電極44に対する電位Vrとして、いずれも−125[V]を印加し、トナー担持体1にDC+200[V]、クラウド電極11に−50[V]の電圧を印加したときの電極電界分布のシミュレーション結果であり、トナー通過孔41近傍が−125[V]の電界で強く覆われているためトナーTが通過することはない。
ここで、トナー制御手段4の個別背面電極44の電位Vrと制御電極42の電位Vcとを異なる電位とした場合について図11及び図12を参照して説明する。図11(a)、(b)は、図8の構成において、制御電極42に印加する電圧Vc(+50[V])に対し、個別背面電極44に印加する電圧Vrを+10[V]と低くした場合(−40[V]低くなる場合)の電界分布を示している。また、図12(a)、(b)は、図8の構成において、制御電極42に印加する電圧Vc(+50[V])に対し、個別背面電極44に印加する電圧Vrを+90Vと高くした場合(+40[V]高くした場合)の電界分布を示している。なお、その他の電圧は上記した図10の例と同様である。
この結果から、個別背面電極44の電圧Vrが制御電極42の電圧Vcよりマイナス側の電位である図11(a)の場合には、電圧Vpが印加される背面電極31からトナー通過孔41を通る電気力線10の量が減少し、その結果クラウド化されたトナーTを印写面(記録媒体3)側に飛翔させる力が減って印写濃度が低下する。これは、個別背面電極44の電圧Vrと印写面バイアス電圧Vpとの間で形成される電気力線がトナー通過孔41の開口エッジ部にはみ出し、トナー通過孔41を通過する電気力線が減少することによる。
また、個別背面電極44の電圧Vrが制御電極42の電圧Vcよりプラス側の電位である図12(a)、(b)の場合には、電圧Vpが印加される背面電極31からトナー通過孔41を通る電気力線10は、トナー通過孔41の全体に拡がっており、形成されるドット径が図10の例に比較して大きくなる。特に、トナー通過電圧OFF時においての拡がりが大きく、トナーTがトナー通過孔41を通過した直後に電圧VcがOFFになった場合の印刷面側でのトナーTの拡がりが問題である。
そのため、トナー通過孔41の開口径を小さくする必要があり、トナー通過孔41にトナー、微粉、紙粉等が付着した場合、飛翔トナーが衝突してドット欠けが発生し易く、図10の例に比較して信頼性が低下する。
また、制御電極42の電圧Vc及び個別背面電極44の電圧Vrをドット毎にそれぞれ異なる電圧で印加する構成では、トナー通過孔41の数の2倍のドライバ(回路)を必要とするため、コストアップとなる。
したがって、本実施形態のように、制御電極42の電圧Vcと個別背面電極44の電圧Vrとに同じ電圧を印加することにより、トナーTを印写面に飛翔させる電界の強度を保ち、且つ、トナー通過孔41の穴径に対して形成ドット径を小さくして高解像度の画像が得られ、しかもドライバコストの上昇を抑えることができる。
[実施形態3]
次に、直接記録方式の画像形成装置に本発明を適用したの第3の実施の形態について図面を参照して説明する。図13は、本実施形態に係る画像形成装置の要部構成を示したものである。なお、実施形態1や実施形態2などと共通する構成については、その説明を省略する。また、特に記載しない場合は、トナーTを負帯電トナーとする。
本実施形態においても、実施形態1や実施形態2と同様に、各電極11、31、42、43に対する電位の関係を上述した関係に設定することにより、背面電極31とトナー担持体1との間に直接形成される電気力線が低減され、背面電極31と制御電極42外側の共通電極43との間に電気力線を形成することができ、これにより、トナーTを吸引する電圧が印加される制御電極42へのトナー付着を大幅に低減できて、制御電位が安定する。
また、本実施形態においても、実施形態2と同様に、制御電極42の電圧Vcと個別背面電極44の電圧Vrとして同じ電位の電圧を印加することにより、トナーTを印写面に飛翔させる電界の強度を保ち、且つ、トナー通過孔41の穴径に対して形成ドット径を小さくして高解像度の画像が得られ、しかもドライバコストの上昇を抑えることができる。
本実施形態では、トナー制御手段41の制御電極42と個別背面電極44とがトナー通過孔41の内壁面に設けた導通パターン46を介して接続されている。この導通パターン46の形成は、例えば、トナー通過孔41以外をメタルマスクで覆い、Al、Au、ITO等の導電性材料の蒸着、スパッタで内壁面に成膜する、または、トナー通過孔41以外の部分にレジスト膜を形成した後メッキによる導電性膜を成膜することなどで行うことができる。
これにより、トナー制御手段41の制御電極42に印加する電圧Vcと個別背面電極44に印加する電圧Vrとは常に同じ電圧になる。この場合、図9(a)に示したような個別背面電極44の引出しパターン44aを図示しないドライバに接続して電圧Vc(=Vr)を印加することで、前述の図3や図4などに示す制御電極42からの引出しパターン42aが不要になるので、制御電極42側へのトナー付着が一層低減されることになる。また、各トナー通過孔41によってトナードットを形成するための制御信号発生用のドライバは、各トナー通過孔41の数に対応した数があればよいことになる。
なお、図13ではトナー通過孔41の内壁面に設けた導通パターン46によって制御電極42と個別背面電極44との導通をとった場合の構成を示したが、これに限らず、トナー通過孔41以外の箇所に導通用のスルーホール(孔)を設け、そのスルーホールの内壁面を介して制御電極42と個別背面電極44とを導通することも可能である。このときの導通用スルーホールは導通のみを考慮すればよいため、必要最低限の大きさの孔でよく、導通処理も孔内壁を埋め尽くすものであってもよいことから、導通用スルーホールに導電性インクを噴射して埋めることもできる。
トナー通過孔41の内壁面全体を導電性膜(導通パターン46)で覆うことは、トナーを飛翔させるためのループ状電気力線のトナー通過孔41内部での歪みが大きくなるが、トナー通過孔41以外の箇所に導通用の孔を設ける構成とすることで、そのループ状電気力線の歪みが抑えられ、トナーの飛翔にとっては印写面への飛翔経路の曲がりが減少し、ドット品質が向上する。
[実施形態4]
次に、直接記録方式の画像形成装置に本発明を適用したの第4の実施形態について図面を参照して説明する。図14は、実施形態1、2または3で示した要部構成を有する本実施形態に係る画像形成装置の模式的構成図である。この画像形成装置は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色分のトナーのクラウド化とトナー制御手段4によるON/OFF制御とを行ってカラー画像を形成する画像形成装置の例である。
つまり、この画像形成装置は、記録媒体である中間転写記録体103に沿って、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のトナーをクラウド化して供給する4個のトナー供給ユニット100Y、100M、100C、100K(色を区別しないときは「トナー供給ユニット100」という。以下同様。)を配置し、各トナー供給ユニット100と中間転写記録体103との間に、それぞれ前記各実施形態に示したいずれかのトナー制御手段4と同様な構成、すなわち、トナー通過孔、制御電極、共通電極、個別背面電極などが設けられたトナー制御手段104を配置している。
ここで、中間転写記録体103は、2つのローラ132、133との間に掛け回されて矢印方向に周回移動する。この中間転写記録体103の背面(ループ内側)には各トナー供給ユニット100に対応させて記録媒体側電極である背面電極131が配置されている。また、転写後の中間転写記録体103上の残トナーを除去するクリーニングユニット135が備えられる。
トナー供給ユニット100は、トナーを担持するトナー担持体101と、トナー担持体101に担持されたトナーをクラウド化するためのクラウド電極111と、このトナー担持体101にトナーを補給する、回転可能に設けられたトナー補給ローラ113と、トナー担持体101上のトナー量を規制するブレード114を備えている。
ここでは、トナー補給ローラ113からトナー担持体101にトナーが補給されるとともに、トナー補給ローラ113上のトナーとトナー担持体101との摩擦によってトナーの摩擦帯電が行われる。また、トナー補給ローラ113の下流側のブレード114は、トナー担持体101表面のトナー量を薄層で一定量にするとともに、トナー帯電量の安定化も図っている。
そして、トナー供給ユニット100から供給されるトナーTがトナー制御手段104によって画像に応じてON/OFF制御されることで中間転写記録体103上に飛翔され、中間転写記録体103上にカラーのトナー画像が形成される。
一方、下方に記録紙150を収容する給紙部105が配置され、給紙部105から記録紙150がピックアップローラ(給紙ローラ)106で給紙されて、中間転写記録体103を掛け回したローラ132に対向して配置した転写ローラ107で中間転写記録体103上のトナー画像が転写され、定着ユニット108でトナーが記録紙150上に溶融定着されて排紙される。
なお、ここでは図示していないが、記録紙150の裏面側の転写ローラ107に+バイアスが印加されることで中間転写記録体103から記録紙150面へのトナー画像の転写が行われる。また、上述したように中間転写記録体103はクリーニングユニット135で残トナーがクリーニングされて、次の画像形成が行われる。
このように本実施形態に係る画像形成装置は、中間転写記録体103に4色画像を形成した後、給紙部105から供給される記録紙150に転写を行う中間転写記録方式である。この中間転写記録方式の場合は、印写面(トナーが着弾する面、画像形成面ともいう)とトナー制御手段104との間隔を一定に保つ精度確保が容易であり、トナー飛翔速度が低い条件で高画質化を図ることができる。
また、平滑で体積抵抗率の調整によって電荷が蓄積しない、電位変動のない印写面が得られ、クラウド化したトナーの通過のON/OFFで直接印刷する画像形成装置は電位に対する感度が高く、印写面バイアス電位の変動に対して画質変動が発生しやすいが、この構成であれば信頼性の高い、高画質のカラー画像を得ることができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、実施形態1、2または3に示した要部構成を有しているので、実施形態1、2または3で説明したような種々の効果が得られる。
例えば、本実施形態に係る画像形成装置においても、実施形態1、2及び3と同様に、クラウド電極111、背面電極131、トナー制御手段104に設けた制御電極及び共通電極に対する電位の関係を上述した関係に設定することにより、背面電極131とトナー担持体101との間に直接形成される電気力線が低減され、背面電極131とトナー制御手段104に設けた制御電極外側の共通電極との間に電気力線を形成することができ、これにより、トナーTを吸引する電圧が印加されるトナー制御手段104に設けた制御電極へのトナー付着を大幅に低減できて、制御電位が安定する。
また、本実施形態においても、実施形態2と同様にトナー制御手段104に個別背面電極を設け、制御電極の電圧Vcと個別背面電極の電圧Vrとして同じ電位の電圧を印加することにより、トナーTを印写面に飛翔させる電界の強度を保ち、且つ、トナー制御手段104に設けたトナー通過孔の穴径に対して形成ドット径を小さくして高解像度の画像が得られ、しかもドライバコストの上昇を抑えることができる。
[実施形態5]
次に、直接記録方式の画像形成装置に本発明を適用したの第5の実施の形態について図面を参照して説明する。図15は、実施形態1、2または3で示した要部構成を有する本実施形態に係る画像形成装置の模式的構成図である。なお、実施形態4と符号が共通する部材など構成に関しては、その説明を省略する。この画像形成装置は、記録媒体を記録紙150として、記録紙150上に直接画像を形成する例である。つまり、ここでは、給紙部105から供給される記録紙150を紙搬送ベルト161に静電的に吸着してトナー供給ユニット100の領域を通過させ、トナー制御手段104の画像に応じたON/OFF制御によって記録紙150上に直接カラー画像を形成する。
なお、紙搬送ベルト161は、ポリイミド等から形成され、2つのローラ162、163に掛け回されて矢示方向に周回移動し、図示しない帯電ローラなどの帯電手段によって帯電されることで記録紙150を静電的に吸着保持して搬送する。なお、給紙部105から記録紙150を紙搬送ベルト161に導くためのガイド164、レジストローラ165なども配置されている。
この構成では、トナー通過を制御するトナー制御手段104と通過後のトナーTを記録紙150に導くためのバイアスを印加する背面電極131との間にポリイミド等の紙搬送ベルト161及び記録紙150があるため、トナー制御手段104と背面電極131との間隔を非常に狭く設定することが難しいが、他方、記録紙150上に直接カラー画像を形成し、転写プロセスがないため、転写によるトナー散りで画質低下することがなくなる。
また、実施形態4に係る画像形成装置に設けられた図14に示すようなベルトクリーニング機構を必要としないこと等もあり、小型、低コストの画像形成装置の実現に有利である。また、トナーTをクラウド化する本構成では、印写面バイアスを低い設定にしてトナーを導くことも可能であるため、紙面へのトナーの着弾スピードも低く設定でき、トナーの散りが起きない高画質の画像形成装置を得ることができる。
また、本実施形態に係る画像形成装置は、実施形態1、2または3に示した要部構成を有しているので、実施形態1、2または3で説明したような種々の効果が得られる。
例えば、本実施形態に係る画像形成装置においても、実施形態1、2及び3と同様に、クラウド電極111、背面電極131、トナー制御手段104に設けた制御電極及び共通電極に対する電位の関係を上述した関係に設定することにより、背面電極131とトナー担持体101との間に直接形成される電気力線が低減され、背面電極131とトナー制御手段104に設けた制御電極外側の共通電極との間に電気力線を形成することができ、これにより、トナーTを吸引する電圧が印加されるトナー制御手段104に設けた制御電極へのトナー付着を大幅に低減できて、制御電位が安定する。
また、本実施形態においても、実施形態2と同様にトナー制御手段104に個別背面電極を設け、制御電極の電圧Vcと個別背面電極の電圧Vrとして同じ電位の電圧を印加することにより、トナーTを印写面に飛翔させる電界の強度を保ち、且つ、トナー制御手段104に設けたトナー通過孔の穴径に対して形成ドット径を小さくして高解像度の画像が得られ、しかもドライバコストの上昇を抑えることができる。
次に、実施形態4及び実施形態5に係る画像形成装置におけるトナー供給ユニット100の具体的な構成の一例について図16を参照して説明する。
このトナー供給ユニット100は、磁性キャリアと非磁性トナーから成る二成分記録剤を用いる例である。記録剤収容部201は2つの室201A、201Bに分けられており、トナー供給ユニット100内の両端部の記録剤通路(図示せず)によって繋がっている。記録剤収容部201には二成分記録剤が収容されており、各室201A、201Bにある攪拌搬送スクリュー202A、202Bによって攪拌されながら記録剤収容部201内を搬送されている。
記録剤収容部201の室201Aにはトナー補給口203が配置されており、図示しないトナー収容部からトナー補給口203を通って、記録剤収容部201内に補給される。記録剤収容部201には記録剤の透磁率を検知する図示しないトナー濃度センサが設置されており、記録剤の濃度を検知している。記録剤収容部201のトナー濃度が減少すると、トナー補給口203から記録剤収容部201内にトナーが補給される。
そして、攪拌搬送スクリュー202Bと対向する位置には、トナー補給ローラとしてのマグブラシローラ204が配置されている。マグブラシローラ204の内部には固定された磁石が配置されおり、マグブラシローラ204の回転と磁力とによって、記録剤収容部201内の記録剤はマグブラシローラ204表面に汲み上げられる。記録剤の汲み上げ位置よりマグブラシローラ204の回転方向上流において、マグブラシローラ204と対向する位置に記録剤層規制部材205が設けられている。
汲み上げ位置で汲み上げたれた記録剤は記録剤層規制部材205によって一定量の記録剤層厚に規制される。記録剤層規制部材205を通った記録剤はマグブラシローラ204の回転に伴って、トナー担持体101と対向する位置まで搬送される。マグブラシローラ204には、電圧印加手段211によって供給バイアスが印加されている。
トナー担持体101の電位は、図16に示す例では0[V]であり、マグブラシローラ204と対向する位置においては、電圧印加手段211によってトナー担持体101とマグブラシローラ204との間に電界が生じている。その電界からの静電気力を受け、マグブラシローラ204表面に担持されたトナーはキャリアから分離し、トナー担持体101表面に移動する。トナー担持体101表面に達したトナーは、クラウド電極111との間に電源119によって印加するACバイアスによってクラウド化し、トナー担持体101の回転によって搬送される。
そして、図14や図15などに示したトナー制御手段104と対向する位置まで搬送されたトナーは、トナー制御手段104に設けられた制御電極のトナー通過ON/OFFの制御電界により選択的に記録媒体手段側に飛翔されて、トナーのドット印写が制御される。
次に、トナー供給ユニット100の他の構成の一例について図17を参照して説明する。このトナー供給ユニット100は、非磁性トナーから成る一成分記録剤を用いる例である。トナーは記録剤収容部201に収容されており、帯電ローラ220によってトナーはトナー担持体101と摩擦帯電を行い、規制部材205によってトナー担持体表面に薄層のトナー層が形成される。
前記の例と同様に、クラウド電極111に電源119によってACバイアスを印加し、トナー担持体101とクラウド電極111との間に電界を形成して、その形成された電界によってトナー担持体101表面に担持されたトナーがクラウド化され、トナー担持体101の回転によって搬送される。
そして、トナー制御手段104と対向する位置まで搬送されたトナーは、図14や図15などに示したトナー制御手段104に設けられた制御電極のトナー通過ON/OFFの制御電界により選択的に記録媒体側に飛翔されて、トナーのドット印写が制御される。
図18は、トナー供給ユニット100の更に他の構成の一例を示したものである。このトナー供給ユニット100は、磁性キャリアと非磁性トナーとから成る二成分記録剤であり、図16に示したトナー供給ユニット100と同様に、記録剤収容部201は2つの室201A、201Bに分けられており、トナー供給ユニット100内の両端部の記録剤通路(図示せず)によって繋がっている。記録剤収容部201には二成分記録剤が収容されており、各室201A、201Bにある攪拌搬送スクリュー202A、202Bによって攪拌されながら記録剤収容部201内を搬送されている。記録剤収容部201の室201Aにはトナー補給口203、図示しないトナー濃度センサが設置されており、記録剤の濃度を検知して記録剤収容部201のトナー濃度が減少すると、トナー補給口203から記録剤収容部201内にトナーが補給される。
攪拌搬送スクリュー202Bと対向する位置には、マグブラシローラ204が配置されている。マグブラシローラ204の内部には固定された磁石が配置されおり、マグブラシローラ204の回転と磁力とによって、記録剤収容部201内の記録剤がマグブラシローラ204表面に汲み上げられる。記録剤の汲み上げ位置よりマグブラシローラ204の回転方向上流において、マグブラシローラ204と対向する位置に記録剤層規制部材205が設けられている。
汲み上げ位置でマグブラシローラ204に汲み上げたれた記録剤は記録剤層規制部材205によって一定量の記録剤層厚に規制され、クラウド電極111の方向に搬送される。このマグブラシローラ204はトナー担持体として機能させるものであり、マグブラシローラ204は、図18に示す例では0[V]であり、クラウド電極111に電源119によって印加するACバイアスによってマグブラシローラ204とクラウド電極111との間に形成される電界によってマグブラシローラ204表面に担持されたトナーがクラウド化される。そして、図14や図15などに示したトナー制御手段104に設けた制御電極のトナー通過ON/OFFの制御電界により選択的に記録媒体側に飛翔されて、トナーのドット印写が制御される。
なお、これらの各トナー供給ユニット100において、印写に寄与しなかったトナー担持体101やマグブラシローラ204などに保持されたトナーは、トナー担持体101やマグブラシローラ204などによってさらに搬送され、図示しない回収手段によってトナー担持体101表面やマグブラシローラ204などから回収される。回収されたトナーは再び記録剤収容部201に戻され、トナー供給ユニット100内を循環する。
なお、上記の説明では主に負帯電トナーを例にしているが、正帯電トナーを用いることもできる。
以上、各実施形態によれば、画像形成剤を担持する剤担持体であるトナー担持体と、複数の開口部であるトナー通過孔が形成され、トナー担持体に対向するように配設された開口部形成部材であるトナー制御手段と、上記複数のトナー通過孔それぞれに対応させてトナー制御手段のトナー担持体に対向する側の面におけるトナー通過孔周囲に設けられ、トナー担持体から画像形成剤であるトナーを選択的に飛翔させるような電界を形成するための複数の飛翔電極である制御電極と、トナー担持体とトナー制御手段との間に設けられトナー担持体に担持されたトナーを静電気力によってクラウド化するためのクラウド電極と、トナー制御手段を介してトナー担持体に対向するように配設され、トナー担持体から飛翔したトナーを引き寄せるような電界を形成するための対向電極である背面電極とを備え、画像情報に基づいて、飛翔電界の形成によってトナー担持体から選択的に飛翔させたトナーを、トナー通過孔を通して背面電極側に移行させた後、記録部材である記録媒体上に付着させて画像を形成する画像形成装置において、上記複数のトナー通過孔それぞれに対応させて上記対向する側の面におけるトナー通過孔周囲に制御電極を介して設けられた複数の外周電極である共通電極を有しており、背面電極と共通電極との間に、上記飛翔したトナーが共通電極側からトナー通過孔を通り背面電極側に向かって移行するような電界を形成するように構成した。このように各実施形態においては、背面電極と共通電極との間に、トナー担持体から飛翔したトナーが共通電極側からトナー通過孔を通り背面電極側に向かって移行するような電界が形成される。ここで、この電界の状態を表す電気力線は、トナー通過孔を通り、且つ、制御電極をまたぐようにトナー担持体とトナー制御手段との間の空間を通って、背面電極と共通電極との間に形成される。そのため、トナー担持体から制御電極に向かって飛翔してきたトナーは、制御電極に達する前に上記電気力線に達し、その電気力線に沿って共通電極側からトナー通過孔を通り背面電極側に向かって移行される。よって、トナー担持体から飛翔したトナーが制御電極に到達し難くなり、制御電極に付着するトナーを低減させることができる。
また、各実施形態によれば、クラウド電極に対してトナーが反発する力が作用する電圧Vsをクラウド電極に印加し、制御電極に対しトナーがトナー通過孔を通過可能な状態にするときの電圧Vc−onを印加し、共通電極に電圧Vgを印加し、背面電極に電圧Vpを印加するとき、トナーがトナー通過孔を通過可能な状態にするときの各電位の関係は、Vp>Vc−on>Vs>Vgであって、トナーが負極性に帯電している場合は電圧Vpの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、トナーが正極性に帯電している場合は電圧Vpの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定である。これにより、背面電極とトナー担持体との間に直接形成される電気力線が低減され、背面電極とトナー制御手段に設けた制御電極外側の共通電極との間に電気力線を形成することができる。よって、トナーを吸引する電圧が印加されるトナー制御手段に設けた制御電極へのトナー付着を大幅に低減できて、制御電位が安定する。
また、各実施形態によれば、制御電極に対してトナーがトナー通過孔を通過不可能な状態にするときの電圧Vc−offを印加し、トナーがトナー通過孔を通過不可能な状態にするときの各電位の関係は、Vs>Vg、且つ、Vs>Vc−offであって、トナーが負極性に帯電している場合は電圧Vsの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、トナーが正極性に帯電している場合は電圧Vsの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定である。これにより、トナーがトナー通過孔を通過しないようにする制御が良好に行える。
また、各実施形態によれば、クラウド電極に対してトナーが反発する力が作用する電圧Vsをクラウド電極に印加し、制御電極に対しトナーがトナー通過孔を通過可能な状態にするときの電圧Vc−onを印加し、共通電極に電圧Vgを印加し、背面電極に電圧Vpを印加し、トナー担持体の表面及びクラウド電極近傍にトナーが存在している状態で制御電極側からトナー担持体側を見たときのトナーによる電位をVtとすると、トナーがトナー通過孔を通過可能な状態にするときの各電位の関係は、Vp>Vc−on>(Vs+Vt)>Vgであって、トナーが負極性に帯電している場合は電圧Vpの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、トナーが正極性に帯電している場合は電圧Vpの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定である。このように、トナー担持体表面のトナーが飛翔することによる電位も考慮して各電極の電位を適正に設定することで、印刷速度が速い供給トナー量が多い場合、またトナーの帯電電荷量が大きい場合においても、制御電極などへのトナー付着の低減やトナー利用効率の向上などが図れ、高濃度、高速印刷の画像形成装置を実現することができる。
また、各実施形態によれば、制御電極に対してトナーがトナー通過孔を通過不可能な状態にするときの電圧Vc−offを印加し、トナーがトナー通過孔を通過不可能な状態にするときの各電位の関係は、(Vs+Vt)>Vgであり、且つ、(Vs+Vt)>Vc−offであって、トナーが負極性に帯電している場合は(Vs+Vt)の電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、トナーが正極性に帯電している場合は(Vs+Vt)の電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定である。これにより、トナーの帯電電荷量が大きい場合などにおいても、トナーがトナー通過孔を通過しないようにする制御が良好に行える。
また、各実施形態によれば、上記クラウド電極がワイヤー部材であることで、簡単な構成でトナー担持体に担持されたトナーをクラウド化することができ、装置の小型化や低コスト化を図ることができる。
また、実施形態2などによれば、複数のトナー通過孔それぞれに対応させてトナー制御手段の背面電極に対向する側の面におけるトナー通過孔周囲に個別背面電極が設けられており、制御電極と個別背面電極とに常時、同電位の電圧を印加するように構成した。これにより、上述したようにトナーを印写面に飛翔させる電界の強度を保ち、且つ、トナー通過孔の穴径に対して形成ドット径を小さくして高解像度の画像が得られ、しかもドライバコストの上昇を抑えることができる。
また、実施形態3などによれば、制御電極と個別背面電極とがトナー通過孔の内壁面を介して導通している。これにより、簡単な構成で制御電極に印加される電圧Vcと個別背面電極に印加される電圧Vrとを常に同じ電圧にすることができる。
また、実施形態3などによれば、制御電極と個別背面電極とがトナー通過孔の内壁面以外の箇所で導通していることで、簡単な構成で制御電極に印加される電圧Vcと個別背面電極に印加される電圧Vrとを常に同じ電圧にすることができ、さらに上述したように、トナーを飛翔させるためのループ状電気力線の歪みが抑えられ、トナーの飛翔にとっては印写面への飛翔経路の曲がりが減少し、ドット品質が向上する。
また、実施形態4及び5によれば、異なる色の画像形成剤であるトナーを記録部材である記録媒体上で重ね合わせて記録媒体上にカラー画像を形成するように構成した、本発明を適用する直接記録方式の画像形成装置によってカラー画像を形成することで、上述したように高画質のカラー画像を得ることができる。
また、本発明を適用する直接記録方式の画像形成装置に設けられる上述したトナー供給ユニットとして、上記画像形成剤が磁性キャリアとトナーとからなる二成分画像形成剤である二成分記録剤であり、トナー担持体は磁性部材である磁石を内包するマグネットローラであるマグブラシローラであり、クラウド電極に交流成分を含む電圧を印加して、トナー担持体とクラウド電極との間に電界を形成し、その電界によってトナー担持体上に担持されたトナーのクラウド化を行うように構成したトナー供給ユニットを用いるのが好適である。
また、本発明を適用する直接記録方式の画像形成装置に設けられる上述したトナー供給ユニットとして、上記画像形成剤がトナーを含む一成分画像形成剤である一成分記録剤であり、クラウド電極に交流成分を含む電圧を印加して、トナー担持体とクラウド電極との間に電界を形成し、その電界によってトナー担持体上に担持されたトナーのクラウド化を行うように構成したトナー供給ユニットを用いるのが好適である。
また、本発明を適用する直接記録方式の画像形成装置に設けられる上述したトナー供給ユニットとして、上記画像形成剤が磁性キャリアとトナーとからなる二成分画像形成剤である二成分記録剤であり、トナー担持体にトナーを供給する、磁性部材である磁石を内包しローラ表面にトナーを担持するマグネットローラであるマグブラシローラを有しており、クラウド電極に交流成分を含む電圧を印加して、トナー担持体とクラウド電極との間に電界を形成し、その電界によってトナー担持体上に担持されたトナーのクラウド化を行うように構成したトナー供給ユニットを用いるのが好適である。
本発明の基本構成の説明に供する模式的構成図。 制御電極に印加する制御パルスの一例を示す説明図。 (a)トナー制御手段の一例を示す印写面側の説明図。(b)トナー供給側面の説明図。 (a)トナー制御手段の他の例を示す印写面側の説明図。(b)トナー供給側面の説明図。 (a)トナー制御手段がトナー通過可能状態時の二次元断面電界強度分布のシミュレーション結果に基づくトナー通過孔を通過する電気力線を示す説明図。(b)トナー通過不可能状態時の電気力線を示す線図。 供給トナー量とトナー電位との関係の一例を示す説明図。 供給トナー量とトナー制御手段へのトナー付着との関係の説明に供する説明図。 本発明の一実施形態を示す模式的説明図。 (a)同実施形態のトナー制御手段の他の例を示す印写面側の説明図。(b)トナー供給側面の説明図。 同実施形態のトナー制御手段がトナー通過可能状態時の二次元断面電界強度分布のシミュレーション結果に基づくトナー通過孔を通過する電気力線を示す説明図。 制御電極と個別背面電極の電位とを異にした場合の説明図。 制御電極と個別背面電極の電位とを異にした場合の説明図。 本発明の他の実施形態を示す模式的説明図。 本発明に係る画像形成装置の一例を示す模式的説明図。 本発明に係る画像形成装置の他の例を示す模式的説明図。 トナー供給ユニットの一例を示す模式的説明図。 トナー供給ユニットの他の例を示す模式的説明図。 トナー供給ユニットの他の例を示す模式的説明図。 従来の直接記録方式の画像形成装置における要部構成の一例を示す模式的説明図。
符号の説明
1 トナー担持体
3 記録媒体
4 トナー制御手段
11 クラウド電極
31 背面電極
41 トナー通過孔
42 制御電極
43 共通電極
44 個別背面電極
45 絶縁基板
46 導通パターン
100 トナー供給ユニット
101 トナー担持体
103 中間転写記録体
104 トナー制御手段
105 給紙部
106 ピックアップローラ
107 転写ローラ
108 定着ユニット
111 クラウド電極
113 トナー補給ローラ
114 ブレード
131 背面電極
135 クリーニングユニット
150 記録紙
161 紙搬送ベルト
164 ガイド
165 レジストローラ
201 記録剤収容部
202 攪拌搬送スクリュー
203 トナー補給口
204 マグブラシローラ
205 記録剤層規制部材
211 電圧印加手段
220 帯電ローラ
501 トナー担持ローラ
502 孔
503 フレキシブルプリント基板
504 飛翔電極
506 対向電極
507 記録紙

Claims (13)

  1. 画像形成剤を担持する剤担持体と、
    複数の開口部が形成され、該剤担持体に対向するように配設された開口部形成部材と、
    該複数の開口部それぞれに対応させて該開口部形成部材の該剤担持体に対向する側の面における開口部周囲に設けられ、該剤担持体から画像形成剤を選択的に飛翔させるような電界を形成するための複数の飛翔電極と、
    該剤担持体と該開口形成部材との間に設けられ該剤担持体に担持された画像形成剤を静電気力によってクラウド化するためのクラウド電極と、
    該開口部形成部材を介して該剤担持体に対向するように配設され、該剤担持体から飛翔した画像形成剤を引き寄せるような電界を形成するための対向電極とを備え、
    画像情報に基づいて、該飛翔電界の形成によって該剤担持体から選択的に飛翔させた画像形成剤を、該開口部を通して該対向電極側に移行させた後、記録部材上に付着させて画像を形成する画像形成装置において、
    該複数の開口部それぞれに対応させて該対向する側の面における開口部周囲に該飛翔電極を介して設けられた複数の外周電極を有しており、
    該対向電極と該外周電極との間に、該飛翔した画像形成剤が該外周電極側から該開口部を通り該対向電極側に向かって移行するような電界を形成するように構成したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記クラウド電極に対して画像形成剤が反発する力が作用する電圧Vsを該クラウド電極に印加し、上記飛翔電極に対し画像形成剤が上記開口部を通過可能な状態にするときに電圧Vc−onを印加し、上記外周電極に電圧Vgを印加し、上記対向電極に電圧Vpを印加するとき、画像形成剤が該開口部を通過可能な状態にするときの各電位の関係は、Vp>Vc−on>Vs>Vgであって、画像形成剤が負極性に帯電している場合は該電圧Vpの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、画像形成剤が正極性に帯電している場合は該電圧Vpの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定であることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    画像形成剤が上記開口部を通過不可能な状態にするときには、上記飛翔電極に対して電圧Vc−offを印加し、画像形成剤が該開口部を通過不可能な状態にするときの各電位の関係は、Vs>Vg、且つ、Vs>Vc−offであって、画像形成剤が負極性に帯電している場合は該電圧Vsの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、画像形成剤が正極性に帯電している場合は該電圧Vsの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1の画像形成装置において、
    上記クラウド電極に対して画像形成剤が反発する力が作用する電圧Vsを該クラウド電極に印加し、上記飛翔電極に対し画像形成剤が上記開口部を通過可能な状態にするときに電圧Vc−onを印加し、上記外周電極に電圧Vgを印加し、上記対向電極に電圧Vpを印加するとき、上記剤担持体の表面及びクラウド電極近傍に画像形成剤が存在している状態で該飛翔電極側から該剤担持体側を見たときの画像形成剤による電位をVtとすると、画像形成剤が該開口部を通過可能な状態にするときの各電位の関係は、Vp>Vc−on>(Vs+Vt)>Vgであって、画像形成剤が負極性に帯電している場合は該電圧Vpの電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、画像形成剤が正極性に帯電している場合は該電圧Vpの電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定であることを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項4の画像形成装置において、
    画像形成剤が上記開口部を通過不可能な状態にするときには、上記飛翔電極に対して電圧Vc−offを印加し、画像形成剤が該開口部を通過不可能な状態にするときの各電位の関係は、(Vs+Vt)>Vgであり、且つ、(Vs+Vt)>Vc−offであって、画像形成剤が負極性に帯電している場合は(Vs+Vt)の電位の絶対値がプラス電位側に高くなる設定であり、画像形成剤が正極性に帯電している場合は(Vs+Vt)の電位の絶対値がマイナス電位側に高くなる設定であることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1、2、3、4または5の画像形成装置において、
    上記クラウド電極がワイヤー部材であることを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、
    上記画像形成剤は磁性キャリアとトナーとからなる二成分画像形成剤であり、
    上記剤担持体は磁性部材を内包するマグネットローラであり、
    上記クラウド電極に交流成分を含む電圧を印加して、該剤担持体と該クラウド電極との間に電界を形成し、その電界によって該剤担持体上に担持されたトナーのクラウド化を行うように構成したことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、
    上記画像形成剤はトナーを含む一成分画像形成剤であり、
    上記クラウド電極に交流成分を含む電圧を印加して、上記剤担持体と該クラウド電極との間に電界を形成し、その電界によって該剤担持体上に担持されたトナーのクラウド化を行うように構成したことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1、2、3、4、5または6の画像形成装置において、
    上記画像形成剤は磁性キャリアとトナーとからなる二成分画像形成剤であり、
    上記剤担持体にトナーを供給する、磁性部材を内包しローラ表面にトナーを担持するマグネットローラを有しており、
    上記クラウド電極に交流成分を含む電圧を印加して、該剤担持体と該クラウド電極との間に電界を形成し、その電界によって該剤担持体上に担持されたトナーのクラウド化を行うように構成したことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の画像形成装置において、
    上記複数の開口部それぞれに対応させて上記開口部形成部材の上記対向電極に対向する側の面における開口部周囲に個別背面電極が設けられており、
    上記飛翔電極と該個別背面電極とに常時同電位の電圧を印加するように構成したことを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項10の画像形成装置において、
    上記飛翔電極と上記個別背面電極とが上記開口部の内壁面を介して導通していることを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項10の画像形成装置において、
    上記飛翔電極と上記個別背面電極とが上記開口部の内壁面以外の箇所で導通していることを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の画像形成装置において、
    異なる色の画像形成剤を記録部材上で重ね合わせて該記録部材上にカラー画像を形成するように構成したことを特徴とする画像形成装置。
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