JP2010012633A - Ic一体成形品を生産する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】充分な成形圧を印加することができると共に、モールドICの耐圧能力を最大限に発揮させることが可能なIC一体成形品を生産する方法を提供する。
【解決手段】同一方向へ延伸する複数のリード端子22がワイヤーボンディングによりICチップと接続され、リード端子22のICチップ側の端部と、ICチップとが樹脂モールドされて構成されるモールドIC2を内包して樹脂成形を行ってIC一体成形品を生産する方法であって、モールドIC2を金型内に設置する設置工程と、モールドIC2のモールド部21からリード端子22の末端側へ樹脂材料P1を流して金型内に樹脂材料P1を充填する充填工程と、を有する。
【選択図】図14
【解決手段】同一方向へ延伸する複数のリード端子22がワイヤーボンディングによりICチップと接続され、リード端子22のICチップ側の端部と、ICチップとが樹脂モールドされて構成されるモールドIC2を内包して樹脂成形を行ってIC一体成形品を生産する方法であって、モールドIC2を金型内に設置する設置工程と、モールドIC2のモールド部21からリード端子22の末端側へ樹脂材料P1を流して金型内に樹脂材料P1を充填する充填工程と、を有する。
【選択図】図14
Description
本発明は、モールドICを内包して樹脂成形を行ってIC一体成形品を生産する方法に関する。
車両の車輪速センサとして、ハブベアリングの端面などに配置されて、車輪の回転を検出する回転検出装置が知られている。このような回転検出装置は、樹脂製のセンサ本体にホールICやMRICなどの回転検出素子(センサ素子)を備えて構成される。センサ本体へのセンサ素子の組み付け構造として、モールドICとして構成されたセンサ素子を樹脂により覆い隠すことによって、当該モールドICをセンサ本体に固定する構造が知られている。具体的には、モールドICを覆うようにして樹脂成形を行うことによって、モールドICと一体化されたセンサ本体が形成される。
特開2005−172573号公報(特許文献1)には、モールドICが挿入されるハウジング内に樹脂を充填させて、ハウジング内においてモールドICが固定される回転検出装置が示されている。ハウジングは、一端側に入り口が形成されると共に他端側が閉塞された中空形状のケースである。モールドICは、ICチップが内蔵されたモールド部と、モールド部から同一方向へ延出する複数のリード端子(ターミナル)を有したラジアル部品(radial parts)である。モールドICは閉塞された他端側にモールド部、入り口側にリード端子が配置されて、ハウジング内に挿入される。ハウジングの内面には、モールドICの挿入方向に沿って溝が形成されており、モールドICとハウジングとの間には隙間が形成される。ハウジングの入り口側からハウジング内に樹脂部材が充填され、樹脂部材は溝を通じてモールドICの周囲にも充填される。樹脂部材が冷却、固化すると、モールドICとハウジングとは強固に固定される。
モールドICをハウジングなどと一体成形する際には、モールドICに対して大きな機械的および熱的な応力が加えられる。特に、溶融した樹脂材料の圧力により、モールド部とターミナルとの間に大きな力が加わり、モールド部の内部において、リード端子とICチップとをワイヤ・ボンディングにより接続する金線の断線やボンディング部の剥脱を招く可能性がある。これを回避するために、樹脂材料の充填時の圧力を下げると、細部にまで樹脂材料が回らず、充填が不充分となり、欠肉となる可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたもので、モールドICを内包して樹脂により一体成形を行う際に、充分な成形圧を印加することができると共に、モールドICの耐圧能力を最大限に発揮させることが可能なIC一体成形品を生産する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係るIC一体成形品を生産する方法は、
同一方向へ延伸する複数のリード端子がワイヤーボンディングによりICチップと接続され、前記リード端子の当該ICチップ側の端部と、前記ICチップとが樹脂モールドされて構成されるモールドICを内包して樹脂成形を行ってIC一体成形品を生産する方法であって、
前記モールドICを金型内に設置する設置工程と、
前記モールドICのモールド部から前記リード端子の末端側へ樹脂材料を流して前記金型内に前記樹脂材料を充填する充填工程と、
を有することを特徴とする。
同一方向へ延伸する複数のリード端子がワイヤーボンディングによりICチップと接続され、前記リード端子の当該ICチップ側の端部と、前記ICチップとが樹脂モールドされて構成されるモールドICを内包して樹脂成形を行ってIC一体成形品を生産する方法であって、
前記モールドICを金型内に設置する設置工程と、
前記モールドICのモールド部から前記リード端子の末端側へ樹脂材料を流して前記金型内に前記樹脂材料を充填する充填工程と、
を有することを特徴とする。
このようなモールドICにおいてリード端子は、モールド部からの抜けを防止するために、その内部側の端部が鉤型又はT字型に形成されている。従って、リード端子がモールド部から延伸する方向に対して直交する方向のリード端子の端部の長さについては、モールド部の内部側の一方の端部の長さの方が、延伸方向側のもう一方の端部の長さよりも長くなる。リード端子の延伸方向に沿って、リード端子をモールド部から引き出す方向へ作用する荷重である引張荷重は、リード端子の延伸方向側の端部を介してモールド部にある端子にも印加される。リード端子をモールド部へ押し込む方向へ作用する荷重である圧縮荷重は、リード端子のモールド部側の端部を介してモールド部にある端子にも印加される。リード端子の端部の長さが長い方が、モールド部にある端子に印加される荷重を分散することが可能であるので、モールド部の荷重耐力は、引張荷重に対して圧縮荷重の方が高くなる。つまり、リード端子のモールド部の内側の先端部を鉤型又はT字型に形成することは、リード端子がモールド部からの抜け防止になるとともに、リード端子に作用する圧縮荷重に対する耐力を高めることになる。モールドICを包んで樹脂成形する樹脂の充填工程において、通常モールドICは所定の位置に位置決めされるので、モールド部からリード端子の末端側へ樹脂材料を流すと、樹脂材料の射出による射出圧は、モールド部からリード端子のモールド部の内側の末端側に向かって印加される。これは、上述した圧縮荷重となるので、荷重耐力の高い方向への荷重が印加されることになる。樹脂材料の充填後に圧力を保持して、樹脂材料を固化させる保圧工程においても、同様である。従って、本発明によれば、モールドICを包んで樹脂成形する際に、充分に大きい充填樹脂の成形圧をモールドICに印加することができると共に、モールドICの耐圧能力を最大限に発揮させることが可能となる。
また、本発明に係るIC一体成形品を生産する方法は、前記金型が、前記モールドICの前記モールド部の側に前記樹脂材料を射出するゲートを備えると好適である。
樹脂材料は、ゲートから射出されて金型内に注入される。従って、ゲートをモールド部の側に備えることによって、樹脂材料の射出時の圧力による荷重を圧縮荷重とすることができる。
また、本発明に係るIC一体成形品を生産する方法は、
前記設置工程に先立って、前記モールドICを、前記樹脂材料が充填される樹脂充填部が形成されたホルダ部材の当該樹脂充填部に保持させる保持工程を有し、
前記設置工程において、前記ホルダ部材が前記金型内に設置され、
前記樹脂充填部は、前記樹脂材料が充填され始める充填始端部と、最後に充填される充填末端部とを有し、
前記モールドICは、前記充填始端部から前記充填末端部へ向かって流れる前記樹脂材料の流れの方向に沿って、前記充填始端部側に前記モールド部を、前記充填末端部側に前記リード端子の末端側を向けて前記ホルダ部材に保持されると好適である。
前記設置工程に先立って、前記モールドICを、前記樹脂材料が充填される樹脂充填部が形成されたホルダ部材の当該樹脂充填部に保持させる保持工程を有し、
前記設置工程において、前記ホルダ部材が前記金型内に設置され、
前記樹脂充填部は、前記樹脂材料が充填され始める充填始端部と、最後に充填される充填末端部とを有し、
前記モールドICは、前記充填始端部から前記充填末端部へ向かって流れる前記樹脂材料の流れの方向に沿って、前記充填始端部側に前記モールド部を、前記充填末端部側に前記リード端子の末端側を向けて前記ホルダ部材に保持されると好適である。
モールドICが単体で樹脂成形されることは少なく、一次成形品や金属部品等のホルダ部材にモールドICが保持された上で、そのホルダ部材と共に一体成形される場合が多い。ここで、そのホルダ部材には、樹脂材料が充填される樹脂充填部が形成されており、モールドICはこの樹脂充填部に保持される。樹脂充填部には、樹脂材料が充分に大きい樹脂圧で充填されるので、金型の内部において樹脂充填部は密閉空間となる。密閉空間には、樹脂材料が充填され始める充填始端部と、樹脂材料が最後に到達する充填末端部とが存在し、樹脂材料は概ね充填始端部から充填末端部へ向かって流れる。ここで、モールドICが、樹脂材料の流れの方向に沿って、充填始端部側にモールド部を、充填末端部側に前リード端子の末端側を向けてホルダ部材に保持されると、樹脂材料の射出時の圧力による荷重及び保圧時の荷重を圧縮荷重とすることができる。
ここで、前記ホルダ部材は、前記樹脂材料が充填される前の前記樹脂充填部において少なくとも一部が露出され、且つ前記IC一体成形品の成形後においても当該成形品の外部から接触可能な電極を有して構成され、
前記モールドICの前記リード端子は、前記樹脂充填部において露出された前記電極と導通可能に固定されると好適である。
前記モールドICの前記リード端子は、前記樹脂充填部において露出された前記電極と導通可能に固定されると好適である。
モールドICを内包して成形品が一体成形される場合には、モールドICは、当該成形品の外側からモールドICのリード端子と導通可能に内包される必要がある。このとき、モールドICが保持されるホルダ部材が外部から接触可能な電極を有していれば、リード端子がこの電極と接続されることによって、モールドICを内包する成形品の外側からモールドICが導通可能となる。モールドICのリード端子と電極とを導通可能に接続する場合には、溶接や半田付け(一種の溶接とも言える。)が為される。リード端子は電極に対して固定されることとなるので、樹脂材料の射出時の圧力をモールド部が受けた場合には、モールド部内のリード端子の端部に最も荷重が掛かることとなる。しかし、上述したように、充填工程においては、モールドICのモールド部からリード端子の末端側へ樹脂材料を流通させるので、モールド部内のリード端子の端部に掛かる荷重は、耐力の高い圧縮荷重となる。従って、充分な成形圧を印加することができて、良好にIC一体成形品を生産することができる。
以下、本発明の実施形態を車両の車輪速センサとして用いられる回転検出装置を例として図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る回転検出装置1の外観を示す斜視図である。図2は、最終成形前の回転検出装置1の分解斜視図である。本実施形態の回転検出装置1は、自動車の従動輪のハブベアリングの端面に配置されて、被検出体としての当該車輪の回転を検出するものである。図1及び図2に示すように、回転検出装置1は、ホルダ4(ホルダ部材)に回転検出素子2が収納されたホルダアッセンブリ4Bと、ホルダアッセンブリ4Bを収納するカバー7と、コネクタ8と、カバー7にホルダアッセンブリ4B及びコネクタ8を固定するハウジング9とを有して構成されている。ハウジング9は、最終成形により成形され、回転検出装置1としてホルダアッセンブリ4Bと、カバー7と、コネクタ8と一体化される。
図3は、回転検出素子2の一例を示す外観図である。回転検出素子2は、本発明のモールドICに相当する。回転検出素子2は、例えば、ホールICやMRICなどのセンサICである。このセンサICは、被検出体の回転に応じて変化する物理量に反応して電気信号を出力するセンサ素子と、当該センサ素子が出力する電気信号を処理して出力する信号処理回路等を備えて構成されている。本実施形態において、回転検出素子2は、センサ素子と信号処理回路とが一体化されたICチップがエポキシ樹脂などによりモールドされたモールド部21と、モールド部21の底部から同方向に延出した複数のリード端子22とを有するラジアル部品である。
ホルダアッセンブリ4Bは、回転検出素子2の2本のリード端子22が接続される導電性の電極端子3と一体化されたホルダ4に、回転検出素子2を収納した中間組立品である。ホルダアッセンブリ4Bにおいて、回転検出素子2は、ホルダ4に形成された収納部41に収納され、収納部41に充填される第1樹脂P1によって固定される。後述するように、ホルダ4には第1樹脂P1が充填される第1樹脂充填部(後述する符号11)が形成されており、収納部41はこの第1樹脂充填部11の一部である。第1樹脂充填部11は、本発明の樹脂充填部に相当し、第1樹脂P1は本発明の樹脂材料に相当する。
カバー7は、内部にホルダアッセンブリ4Bを収納して回転検出装置1の筐体となり、ハブベアリングの端面に取り付けられる。カバー7は、回転検出装置1の筐体であると共に、取り付け部材でもある。カバー7は、被検出体に対向するホルダ4の対向面40とは反対側の当接面においてホルダ4(ホルダアッセンブリ4B)が当接する底面部71と、底面部71の周縁に沿って立設された周壁部73とを有して構成されている。
ホルダアッセンブリ4Bとコネクタ8とは、カバー7を挟み込んで圧入結合され、ホルダ4と一体化された電極端子3の先端部(コネクタ端子部39)は、コネクタ8の内部に延伸される。コネクタ8には、回転検出素子2により検出された被検出体の回転に応じた信号を車両のECU(electronic control unit)などの制御装置に伝達する不図示のケーブルが接続される。ケーブルは、コネクタ8の内部に延伸された電極端子3のコネクタ端子部39に嵌合され、回転検出素子2の出力が伝達される。
ハウジング9は、カバー7に当接されたホルダアッセンブリ4B(ホルダ4)の側面の少なくとも一部を囲んで樹脂成形され、ホルダアッセンブリ4Bとコネクタ8とカバー7とを一体化して固定する。ハウジング9は、成形樹脂材料である第2樹脂P2によって成形される。図1に示すように、第1樹脂P1と第2樹脂P2とは互いに隔離されている。
このような回転検出装置1を生産する手順について、図1〜図3に加えて、図4〜図12及び図22〜図26も参照して詳細に説明する。また、さらに、図13〜図21を参照して、ホルダアッセンブリ4Aに対して第1樹脂P1を充填してホルダアッセンブリ4Bを生産する手順について詳細に説明する。
図4に示すように、電極端子3は、金属などの導電性材料で構成され、回転検出素子2のリード端子22が接続される電極である。電極端子3は、符号31及び32で示す矩形状の平面部から略直角に折れ曲がり、段階的に細くなって先端が尖った針状のコネクタ端子部39が形成されている。略直角に屈折した電極端子3の外側、即ち図4の上側の平面部は、回転検出素子2のリード端子22と接触する接続面31である。本実施形態では、図3に示すように、回転検出素子2の端子に対応して左右対称形状の2つの電極端子3a、3bが用いられる。回転検出装置1の生産に際しては、はじめに電極端子3a、3bを埋め込んで、エンジニアリングプラスチック樹脂によりホルダ4が一体成形(インサート成形)される(ホルダ成形工程)。
図5は、ホルダ成形工程により、電極端子3がインサート成形されたホルダ4を示しており、図6は、収納工程により回転検出素子2が収納されたホルダ4を示している。図5に示すように、ホルダ4には、対向面40において開口して回転検出素子2を収納する収納部41を有した、第1樹脂充填部11が形成される。そして、図6に示すように、この第1樹脂充填部11の収納部41に回転検出素子2が収納される(収納工程(保持工程))。
図3に示すように、本実施形態において回転検出素子2は、ICモールド部21の底部から2本のリード端子22が延出したラジアル部品である。回転検出素子2は、ICモールド部41の平面と収納部41の平面とを接触させ、対向面40に対して略平行に収納部41に収納される。収納部41は、ICモールド部21が対向面40に対して垂直な開口方向へ移動することを抑制する係止部48を有して形成されている。ICモールド部21は、係止部48に係止されて収納部41の一定位置に保持される。
ホルダ4は、収納部41の底部において電極端子3の接続面31が露出された状態で一体成形されている。収納部41に回転検出素子2を収納した状態において、電極端子3の接続面31の上には回転検出素子2のリード端子22が位置することになる。そして、電極端子3とリード端子22とが溶接等によって接続され、ホルダ4はホルダアッセンブリ4Aとなる(接続工程(保持工程))。
具体的には、治具を用いてホルダ4に対するICモールド部21の位置決めを行い、抵抗溶接などによって回転検出素子2のリード端子22と電極端子3とが接続される。図10に示すように、電極端子3は、回転検出素子2のリード端子22が接続される接続面31が第1樹脂充填部11に対して露出され、接続面31の裏面33が、第2樹脂充填部12に対して露出されてホルダ4に一体成形されている。溶接に際しては、溶接機のこて先を電極端子3とリード端子22とにそれぞれ近接させる必要がある。本実施形態においては、ホルダ4の内部において電極端子3の両面31及び33が露出しているので、溶接機のこて先を電極端子3の両面31及び33から近接させることができる。
リード端子22が電極端子3に溶接されることにより、溶接部分を支点として金属性のリード端子22がトーションバーとなり、回転検出素子2のICモールド部21が跳ね上がる可能性がある。そこで、この跳ね上がりを防止するため、図6に示すように、ICモールド部21を係止する係止部48が設けられている。
回転検出素子2は、収納部41に収納され、リード端子22が接続された後、第1樹脂P1によって固定される。図11及び図12に示すように、第1樹脂充填部11に第1樹脂P1が充填されることにより回転検出素子2が固定されて、ホルダ4は、ホルダアッセンブリ4Bとなる。ホルダアッセンブリ4Bは、本発明のIC一体成形品に相当する。従って、ホルダアッセンブリ4Bを生産する工程は、本発明のIC一体成形品を生産する方法に相当する。尚、本実施形態においては、第1樹脂P1は、加熱により溶融し、冷却固化してホルダ4とICモールド部21に対する接着力を有するホットメルト樹脂である。
図13は、第1樹脂充填部11へ第1樹脂P1を充填する工程を示す説明図である。図13は、ホルダアッセンブリ4Aが金型100に組み込まれた状態を示している。第1樹脂充填部11への第1樹脂P1の充填に際して、ホルダアッセンブリ4Aは、ホルダ4の当接面50を金型100の下型102に当接させ、ホルダ4の対向面40を上型101に当接させて、当該金型100に対して型締め固定される(設置工程)。これにより、モールドICである回転検出素子2は金型100内に設置される。この型締め時の応力によっても、収納部41から跳ね上がった回転検出素子2が破損したり、収納部41における位置が変化したりする可能性がある。しかし、上述したように係止部48により、回転検出素子2の移動が抑制されるので、このような可能性は著しく低減される。
図13における符号G1は、金型100に設けられた第1樹脂P1の注入口(ゲート位置)である。注入口G1から注入された第1樹脂P1は、ホルダ4の拡散部15からホルダ4の内部の第1樹脂充填部11へと充填される(充填工程)。従って、ホルダ4の側面における拡散部15の開口がゲート位置G1となる。
図5〜図10に示すように、第1樹脂充填部11は、収納部41から当接面50の側へ貫通する貫通孔13を有している。貫通孔13は少なくとも1つ設けられればよいが、本実施形態では、図7及び図8に示すように、3つの貫通孔13が形成されている。上述したように、ホルダ4の側面における拡散部15の開口が第1樹脂P1を射出するゲート位置G1となるので、第1樹脂P1は、拡散部15から貫通孔13を通って、収納部41へと充填される。貫通孔13が複数設けられることにより、第1樹脂P1を早く流通させることができる。また、貫通孔13において、第1樹脂P1とホルダ4との接触面積が増加するので、第1樹脂P1が固化した後の接着力も増強される。
さらに、第1樹脂充填部11は、これらの貫通孔13に連通して当接面50の面方向に延伸され、当接面50において第1樹脂P1が拡散する拡散部15を有している。この拡散部15により、図12に示すように、当接面50においても第1樹脂P1が充填される。拡散部15は、対向面40の側に開口した収納部41に充填されて固化した第1樹脂P1が対向面40の側に抜けることを防止する抜け止めとなる。つまり、第1樹脂P1がアンダーカット構造となっていることにより、抜け止めとなる。
図14は、第1樹脂充填部11への第1樹脂P1の充填の経過を示す説明図である。図14は、容積比で約70%程度充填した状態から容積比で約80%程度充填した状態への経過を示すものである。図14(a)は、これを斜視図に示したものであり、図14(b)は対向面側からの上面図により示したものである。図14に示すように、第1樹脂P1は、ゲート位置G1に近い充填始端部から、充填末端部へ向かって充填されていく。
第1樹脂P1は、粘度のある流体であり、回転検出素子2に対して圧力抵抗や摩擦抵抗を生じさせる。本実施形態においては、上述したように、回転検出素子2のモールド部21からリード端子22の末端側へ第1樹脂P1を流通させて金型100内の第1樹脂充填部11に第1樹脂P1が充填される。図14に示すA点及びB点に掛かる圧力は、成形の経過時間に応じて図15に示すように推移する。図15より明らかなように、A点に掛かる圧力は、B点に掛かる荷重に比べて大きい。従って、回転検出素子2に対しては、A点からB点に向かってその差分の荷重Fが印加されることになる。
図16は、一般的なモールドIC(2A)の構造例を模式的に示す説明図である。回転検出素子2も同様の構造を有しており、同様の部位については同じ符号を用いて図示する
。モールドIC(2A)は、ホール素子やMR素子などのセンサ素子23と、信号処理回路24とが一体化されたICチップ25が、エポキシ樹脂などによってトランスファー・モールドされて一体化されたモールド部21を有して構成される。また、モールドIC(2A)は、モールド部21の底部から同方向に延出したリード端子22を有して構成される。モールド部21には、リード端子22の端部も内包されている。ICチップ25とリード端子22の端部とは、金線(ボンディング・ワイヤ)26によって接続されている(ワイヤー・ボンディング)。金線26とICチップ25との接続点26aを第1ボンディング・ポイント、リード端子22との接続点26bを第2ボンディング・ポイントと称する。
。モールドIC(2A)は、ホール素子やMR素子などのセンサ素子23と、信号処理回路24とが一体化されたICチップ25が、エポキシ樹脂などによってトランスファー・モールドされて一体化されたモールド部21を有して構成される。また、モールドIC(2A)は、モールド部21の底部から同方向に延出したリード端子22を有して構成される。モールド部21には、リード端子22の端部も内包されている。ICチップ25とリード端子22の端部とは、金線(ボンディング・ワイヤ)26によって接続されている(ワイヤー・ボンディング)。金線26とICチップ25との接続点26aを第1ボンディング・ポイント、リード端子22との接続点26bを第2ボンディング・ポイントと称する。
図17は、モールド部21におけるリード端子22の端部の拡大図である。リード端子22は、モールド部21からの抜けを防止するために、その端部が鉤型又はT字型に形成されている。従って、リード端子22がモールド部21から延伸する方向に対して直交する方向のリード端子22の端部の長さは、モールド部21の内部側の端部T1の長さD1の方が、延伸方向側の端部T2の長さD2よりも長くなる。
リード端子22の延伸方向に沿って、リード端子22をモールド部21から引き離す方向への荷重である引張荷重は、リード端子22の端部T2を介してモールド部21に印加される。リード端子22の延伸方向に沿って、リード端子22をモールド部21へ押し込む方向への荷重である圧縮荷重は、リード端子22の端部T1を介してモールド部21に印加される。上述したように、端部T1の方が端部T2よりも長いので、モールド部21に印加される荷重を分散することが可能である。従って、モールド部21の荷重耐力は、引張荷重に対して圧縮荷重の方が高くなる。
リード端子22に対して荷重が印加されると、モールド部21の中でリード端子22の位置が動くことになる。これにより、ワイヤー・ボンディングされた金線26にも応力が加わる。そして、金線26の破断や、第1ボンディング・ポイント26a、第2ボンディング・ポイント26bにおける金線26の剥脱を招く可能性がある。一般に、第1ボンディング・ポイント26a、第2ボンディング・ポイント26bは接点であるから、金線26よりも荷重に対する強度は低い。
図18は、リード端子22に引張荷重及び圧縮荷重を印加した実験結果を示すグラフである。引張荷重F2を印加した場合には、引っ張り量増加に伴って荷重が増加し、荷重N1において金線26の破断や剥脱が生じている。これに対して、圧縮荷重F1を印加した場合には、実験の範囲内においては、圧縮量増加に伴って荷重が増加しても破断は生じていない。つまり、引張荷重と比較して、圧縮荷重に対する荷重耐力が高いことが確認される。
図14及び図15に示し、上述したように第1樹脂P1を充填する場合には、モールド部21のA点に掛かる荷重がB点に掛かる荷重を上回る。従って、モールド部21とリード端子22との間に生じる荷重は、図15における差分となり、圧縮荷重となる。つまり、荷重耐力の高い圧縮荷重の印加を伴って第1樹脂P1が充填されるので、回転検出素子2に対する機械的な負荷が軽減される。
ホルダ4は、その形状によっても、第1樹脂P1の充填の際における回転検出素子2に対する機械的な負荷を軽減するように構成されている。つまり、第1樹脂充填部11は、貫通部13、収納部41を含んで構成され、収納部41の貫通部13と連通する側は第1樹脂P1が充填され始める充填始端部となる。収納部41の貫通部13と連通しない側は、第1樹脂P1が最後に充填される充填末端部となる。回転検出素子2は、収納部41において充填始端部から充填末端部へ向かう方向に沿って、充填始端部側にモールド部21を、充填末端部側にリード端子の末端側を向けて保持される。つまり、充填始端部から充填末端部へと流れる第1樹脂P1の流れの方向に沿って、填始端部側にモールド部21を、充填末端部側にリード端子の末端側を向けて保持される。
このように、ホルダ4には、その形状によって第1樹脂P1の流路が形成され、その流路に沿って、回転検出素子2が保持される。その結果、第1樹脂P1の充填時に、回転検出素子2のモールド部21に対して、荷重耐力の高い圧縮荷重が掛かるようにすることができる。
発明者は、上記効果を確認するために、ゲート位置を異ならせて第1樹脂P1を充填する場合の荷重について実際の成形条件を模擬してシミュレーションを実施した。図19は、シミュレーションに用いた3つのパターンのゲート位置を示している。図19(a)は、図5〜図15を用いて上述した実施形態と同様のゲート位置G1の場合である。図19(b)は、(a)と同様にモールド部21側にゲート位置G2を設けているが、(a)が3つの貫通部13の内の側面側の貫通部13に近い側にゲート位置G1を設けているのに対して、中央の貫通部13の近くにゲート位置G2を設けた場合である。図19(c)は、(a)及び(b)とは異なり、モールド部21の側ではなく、リード端子22の側にゲート位置G3を設けた場合を示している。
図20(a)〜(c)は、図19(a)〜(c)の各ゲート位置に対応して、モールド部21の周りに第1樹脂P1が充填されていく過程を示した図である。また、図21は、成形の経過時間に応じた圧力の変化を示すグラフであり、図15に対応する。図15と図21(a)は同じグラフである。図21から明らかなように、図19(a)及び(b)に示すゲート位置G1、G2から第1樹脂P1を充填する場合には、A点に掛かる圧力は、B点に掛かる荷重に比べて大きい。従って、A点からB点に向かってその差分の荷重F1及びF2が印加されることになる。一方、図19(c)に示すゲート位置G3から第1樹脂P1を充填した場合には、B点に掛かる圧力が、A点に掛かる荷重に比べて大きい。従って、B点からA点に向かってその差分の荷重F3が印加されることになる。つまり、図19(c)の場合には、荷重耐力が低い引張荷重が印加されることとなる。
第1樹脂P1は、金型内に充填された後、圧力を加えられた状態で保持(保圧)され、ゲート位置G1(G2)から離れた位置から冷えて固化していく(保圧固化工程)。つまり、固化はリード端子22の末端部から始まり、B点側が先に固化してその後にA点側が固化する。従って、固化が進む間においても、モールドICに対しては荷重耐力が高い圧縮荷重が掛かることとなり、好適である。
尚、図21(a)及び図21(b)を比較すると、中央の貫通部13の近くにゲート位置G2を設けた場合にはモールド部21に掛かる荷重が大きくなっていることが判る。モールド部21に掛かる荷重は耐力の高い圧縮荷重であるが、荷重の絶対値としては大きくなるので、実際にゲート位置G2から第1樹脂P1を充填する場合には、射出圧を下げるなどの対策を実施した方がよい場合がある。側面側の貫通部13の近くにゲート位置G1を設けた場合には、モールド部21に対する左右の圧力にも差が生じることとなるが、係止部48を含む収納部41によってモールド部21が良好に位置決めされればこれは大きな問題とはならない。モールド部21に掛かる荷重の大きさを抑制する上では、本実施形態においては、このゲート位置G1が最も好適である。
上述したように、貫通孔13において、第1樹脂P1とホルダ4との接触面積が増加するので、第1樹脂P1が固化した後の接着力も増強される。さらに、第1樹脂充填部11は、これらの貫通孔13に連通して当接面50の面方向に延伸され、当接面50において第1樹脂P1が拡散する拡散部15を有している。拡散部15は、対向面40の側に開口した収納部41に充填されて固化した第1樹脂P1が対向面40の側に抜けることを防止する抜け止めとなる。
また、第1樹脂充填部11の収納部41の底部には、図7、図9及び図10に示すように、複数の凹部42、43、44が形成される。収納部41に第1樹脂P1が充填される際、これら凹部42〜44にも第1樹脂P1が充填されることによって、ホルダ4と第1樹脂P1との接触面積が増大する。第1樹脂P1としてのホットメルト樹脂は接着力の高い樹脂であるが、ホルダ4と第1樹脂P1との接触面積を増やすことによって、接着力がさらに増大される。第1樹脂P1の充填後のホルダ4の断面を示す図25及び図26を参照すれば、凹部42〜44に第1樹脂P1が充填され、ホルダ4との接触面積が増大されていることがよくわかる。
収納部41は、ホルダ4の対向面40の側に形成されており、ホルダ4がカバー7に取り付けられた後も、回転検出装置1の開口側に位置している。従って、振動や衝撃、経年変化などによって接着力が低下した場合に、第1樹脂P1は、固化したままで収納部41から脱落する可能性がある。このとき、回転検出素子2は第1樹脂P1にモールディングされた状態であるから、第1樹脂P1と共に脱落したり、位置ずれを起こしたりすることになる。しかし、凹部42〜44が設けられていることにより、ホルダ4と第1樹脂P1との接着力がより強固なものとなる。
上述したように、本実施形態においては、第1樹脂P1はホットメルト樹脂である。ホットメルト樹脂は、例えば以下に示すような組成のものを用いると好適である。
本実施形態の回転検出装置1は、自動車のハブベアリングの端面に配置されて、車輪の回転を検出するものであり、使用温度環境は最大で摂氏150度程度が想定される。従って、表1に示すように、軟化点が摂氏180度以上のホットメルト樹脂を用いると好適である。また、量産工程における樹脂注入時の効率を考慮すると、溶融粘度は、摂氏200度において70000Pa・s程度以下であると好適である。また、回転検出装置1の保存温度環境を考慮すると、ガラス転移点は摂氏マイナス40度以下であれば問題はない。上記の他、ポリオレフィン系樹脂も存在するが、軟化点が摂氏180度以下であるため、上記の3種類のグレードに比べると本実施形態における適用には好ましくない。しかし、使用温度環境が本実施形態よりも低い場合など、他の用途の回転検出装置1に適用することを妨げるものではない。
以上、ホルダ成形工程〜保圧固化工程によって、ホルダ4に対して良好に位置決めされ、良好に固定された回転検出素子2を備えた中核部品としてのホルダアッセンブリ4Bが得られた。以下、回転検出装置1の生産の最後の工程である全体組立工程について説明する。
図2に示すように、全体組立工程のはじめに、ホルダアッセンブリ4Bと、カバー7と、コネクタ8とが結合される。コネクタ8は、筒状の本体80の端部にカバー7との当接部81及び85、ホルダ4との嵌合部87を有して形成されている。当接部81及び85は、同心円状に形成され、当接部81と85との間には環状の溝部83が形成されている。この溝部83には、Oリング10が組み付けられ、コネクタ8とカバー7との当接部を介して水などがカバー7の内部に浸入しないように構成されている。
嵌合部87は、溝部83よりも中心側の当接部85に、当接部85よりもホルダアッセンブリ4B側に突出して形成されている。嵌合部87は、カバー7の底面部71に設けられた結合穴75を通ってホルダ4の嵌合部55(図8、図12等参照。)と嵌合する。ホルダアッセンブリ4Bとコネクタ8とは、カバー7を挟み込んで圧入結合される。図23に示すように、ホルダ4と一体化された電極端子3の先端部(コネクタ端子部39)は、コネクタ8の本体80の内部に延伸される。
上述したようにしてホルダ4(ホルダアッセンブリ4B)とカバー7とを当接させた状態で、第2樹脂P2によってハウジング9が樹脂成形され、図1に示すような回転検出装置1が完成する。第2樹脂P2は、例えばエンジニアリングプラスチック樹脂である。ハウジング9は、カバー7に当接されたホルダアッセンブリ4B(ホルダ4)の側面60の少なくとも一部を囲んで樹脂成形され、ホルダアッセンブリ4Bとコネクタ8とカバー7とを一体化して固定する。これにより、回転検出装置1の最終外形成形が完了し、回転検出装置1が完成する。図5や図24などに示されるように、ハウジング9が形成されるホルダ4の側面60には、張り出し部61が設けられており、ハウジング9を成形する第2樹脂P2とホルダ4との接触面積が増加されている。
ホルダ4の内部には、図8〜図10、図12、図25、図26に示すように、第2樹脂充填部12が形成されている。また、上記に加え、図24等に示すように、ハウジング9と連通し、ホルダ4の内部(第2樹脂充填部12)へ第2樹脂P2を注入する樹脂注入口57が、ホルダ4の当接面50に開口を有して形成されている。つまり、第2樹脂充填部12は、樹脂注入口57に連通し、第1樹脂充填部11とは隔離されてホルダ4の内部に形成された空間である。
全体組立工程において、ハウジング9が樹脂成形される際に、ハウジング9と連通する樹脂注入口57を介して第2樹脂充填部12に第2樹脂P2が充填される。この際、ハウジング9を射出成形する金型のゲート位置、即ち第2樹脂12の射出口は、図1に示す符号G4の位置に設けられると好適である。金型のゲート位置G4が図1に示す位置に設定されると、樹脂注入口57を介して良好に第2樹脂充填部12に第2樹脂P2が充填される。また、このゲート位置G4は、図1から明らかなように回転検出素子2のICモールド部21とは、平面的に最も離れた場所である。従って、回転検出素子2が、溶解した第2樹脂P2の射出時の圧力や熱による影響を受ける可能性を抑制することができる。
図25及び図26に示すように、第1樹脂充填部11は主にホルダ4の対向面40の側に形成され、第2樹脂充填部12はホルダ4の当接面50の側に形成される。従って、第1樹脂充填部11と第2樹脂充填部12とは隔離されて、ホルダ4に形成される。従って、溶融温度が高く、射出成形圧も高い第2樹脂P2を、第2樹脂充填部12へ充填しても、第1樹脂充填部11が受ける影響は限定的となる。
一方、第1樹脂充填部11は、第2樹脂P2によって再モールディングされないため、ホルダ4から剥離する可能性がある。しかし、本発明においては、上述したように第1樹脂P1の接着力を高め、固化後の第1樹脂P1が脱落しないような抜け止めとなる構造が採用されている。従って、第1樹脂P1のホルダ4からの剥離を抑制し、回転検出素子2のホルダ4への固定を確実なものとすることができる。
一方、貫通孔13及び拡散部15を設けることによって、第2樹脂充填部12が開口するホルダ4の当接面50の側においても、第1樹脂充填部11が開口することとなる。しかし、図9、図10、図12等に示すように、当接面50においてカバー7と当接し、第1樹脂充填部11と第2樹脂充填部12とを隔離する隔離壁52がホルダ4に形成される。従って、第1樹脂充填部11と第2樹脂充填部12とは良好に隔離される。
以上、説明したように、本発明によって、モールドICを内包して樹脂により一体成形を行う際に、充分な成形圧を印加することができると共に、モールドICの耐圧能力を最大限に発揮させることが可能な成形方法を提供することができる。また、モールドICにより構成される回転検出素子に掛かる機械的な負荷を軽減して、回転検出素子を一体成形することができる。これにより、確実に回転検出素子を位置決めして固定することができると共に、回転検出素子に負荷を掛けることなく、さらなる樹脂成形を実施して、信頼性の高い回転検出装置を提供することが可能となる。本発明の回転検出装置は、特に、ハブベアリングなどの端面において、カバー部材などの内部に収容されて用いられる回転検出装置に好適である。一般的に、ホットメルト樹脂の耐環境性は、エンジニアリングプラスチック樹脂に比べて高くはない。しかし、カバー部材などの内部に収容されて用いられる回転検出装置では、ホットメルト樹脂の耐環境性をカバー部材によって補完することが可能である。
上記においては、モールドICとしての回転検出素子2を用いた回転検出装置を生産する場合を例として本発明を説明したが、本発明は上記実施形態の範囲において限定的に解釈されるべきものではない。モールドICの構造は、一般的に上記において説明したものと同様であり、そのようなモールドICを含めて一体成形されるIC一体成形品を生産する場合には、本発明を適用することができる。
2:回転検出素子(モールドIC)
4:ホルダ(ホルダ部材)
11:第1樹脂充填部(樹脂充填部)
21:モールド部
22:リード端子
100:金型
G1、G2、G3:ゲート位置
P1:第1樹脂(樹脂材料)
4:ホルダ(ホルダ部材)
11:第1樹脂充填部(樹脂充填部)
21:モールド部
22:リード端子
100:金型
G1、G2、G3:ゲート位置
P1:第1樹脂(樹脂材料)
Claims (4)
- 同一方向へ延伸する複数のリード端子がワイヤーボンディングによりICチップと接続され、前記リード端子の当該ICチップ側の端部と、前記ICチップとが樹脂モールドされて構成されるモールドICを内包して樹脂成形を行ってIC一体成形品を生産する方法であって、
前記モールドICを金型内に設置する設置工程と、
前記モールドICのモールド部から前記リード端子の末端側へ樹脂材料を流して前記金型内に前記樹脂材料を充填する充填工程と、
を有するIC一体成形品を生産する方法。 - 前記金型は、前記モールドICの前記モールド部の側に前記樹脂材料を射出するゲートを備える請求項1に記載のIC一体成形品を生産する方法。
- 前記設置工程に先立って、前記モールドICを、前記樹脂材料が充填される樹脂充填部が形成されたホルダ部材の当該樹脂充填部に保持させる保持工程を有し、
前記設置工程において、前記ホルダ部材が前記金型内に設置され、
前記樹脂充填部は、前記樹脂材料が充填され始める充填始端部と、最後に充填される充填末端部とを有し、
前記モールドICは、前記充填始端部から前記充填末端部へ向かって流れる前記樹脂材料の流れの方向に沿って、前記充填始端部側に前記モールド部を、前記充填末端部側に前記リード端子の末端側を向けて前記ホルダ部材に保持される請求項1又は2に記載のIC一体成形品を生産する方法。 - 前記ホルダ部材は、前記樹脂材料が充填される前の前記樹脂充填部において少なくとも一部が露出され、且つ前記IC一体成形品の成形後においても当該成形品の外部から接触可能な電極を有して構成され、
前記モールドICの前記リード端子は、前記樹脂充填部において露出された前記電極と導通可能に固定される請求項3に記載のIC一体成形品を生産する方法。
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CN103998204A (zh) * | 2011-12-17 | 2014-08-20 | 大陆-特韦斯贸易合伙股份公司及两合公司 | 用于制造传感器的方法和传感器 |
-
2008
- 2008-07-01 JP JP2008172601A patent/JP2010012633A/ja active Pending
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CN103998204A (zh) * | 2011-12-17 | 2014-08-20 | 大陆-特韦斯贸易合伙股份公司及两合公司 | 用于制造传感器的方法和传感器 |
CN103998204B (zh) * | 2011-12-17 | 2017-05-31 | 大陆-特韦斯贸易合伙股份公司及两合公司 | 用于制造传感器的方法和传感器 |
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